嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

いつまでも暑いですね。

政治のニュースを見る人が多くなっているのではないでしょうか?

ともかくも自民党に「NO」を突きつけたその結果を見届けねばなりません。

最初に、女性弁護士によるセクハラホットラインのお知らせです。

 


秘密厳守・匿名でも相談できます。
 ☆主催者:本労働弁護団 会長宮里邦雄弁護士、会員数約1500
  本部事務所  千代田区神田駿河台3-2-11  総評会館4階

 ☆実施日:2009年9月26日(土曜日)午前10時〜午後3時(東京本部)

 ※毎月第2水曜日(午後3時〜午後5時)に定例セクハラホットラインも実施しています。

 ☆電話番号:東京本部 03−3251−5363

 ☆実施の趣旨:性的な内容を安心して相談できるよう電話相談担当者をセクハラ・労働問題に詳しい女性弁護士に限定しました。詳しくは、日本労働弁護団のウェブサイトをご参照下さい。
http://homepage1.nifty.com/rouben/

 

 

本題です。

前々回に引き続き、女性差別撤廃委員会が日本政府に対して行う審査に、日本から80名の女性がニュヨークの国連でロビー活動をした報告です。

80名の女性は、女性に関するあらゆる分野から構成されました。私はその中の、労働問題に関してのみ報告しています。

労働問題で言えば、私が参加しているWWN(Working Women's Network)は「男女雇用機会均等法の指針の『雇用管理』を削除すること」と「女性差別撤廃条約の選択議定書を批准すること」を掲げました。

 

選択議定書は、先進国ではアメリカと日本だけが批准していないことは前々回712日のブログに書きました。

 

そしてなんとなんと選択議定書を批准する」と、千葉景子法務大臣が916日の就任記者会見で述べました。

選択議定書を批准すると何をすることができるのかは次回に書きます。

 

では女性差別撤廃委員会が出した、第6回日本審査の総括所見を見てください。お役所言葉で、すらっと入ってこないところもありますが、主な内容と労働問題に関する点は以下のようです。

 

内閣府のHPに和訳が出ていますので、興味のある人は全文をどうぞ。

 

 

≪主要な懸念≫
条約のすべての条項を系統だてて実行するという政府の義務を果たすよう、あらためて求める。

前回の勧告
2003
年の審査で勧告された事項が、十分に取り組まれていないことを遺憾とし、前回の勧告実行を求める。

差別的法規
男女で異なる最低婚姻年齢、女性のみに課せられる再婚禁止期間、選択的夫婦別姓、民法その他法規における婚外子差別などの差別的規定が、前回勧告を受けたにもかかわらず、いまだに改正されていない。世論を言い訳にせず、条約上の義務に従って即座に行動すべき。

条約の法制化
女性差別撤廃条約が、法的拘束力をもつ重要な国際人権法であることを、日本政府は認識すべき。条約のすべての条項を国内法制に迅速に取り入れること、法律家や公務員が条約への理解を深め実践するよう啓発を行うことを求める。また選択議定書の批准を検討するよう勧告。

差別の定義
国内法に女性差別の定義が欠けていることを改めて懸念、条約1条に基づく差別定義を迅速に取り入れるべき。

人権擁護機関
男女平等も視野に入れた独立人権擁護機関を迅速に設置すべき。

国内推進機関
ジェンダー平等を推進する男女共同参画局などの機関を機能強化するため、責任と権限の明確化、調整機能の強化を行うべき。第三次男女共同基本計画の法的枠組みとして女性差別撤廃条約を活用し、モニタリングメカニズムを設けること。

暫定的特別措置
女性の雇用、公的領域への参加、意思決定への参加を促進するため、委員会一般勧告25号に沿って、暫定的的特別措置を設けるよう勧告。

ステレオタイプ
女性の人権に対する政府内の「バックラッシュ」に懸念を表明。メディアや教育における男女の役割に対するステレオタイプを取り除くため、教科書の見直し等の取り組みを行うこと、また、公人による女性差別発言の頻発や、女性を性的対象とするポルノグラフィー、メディアにおける女性差別表現に対する政府の取り組みを求める。

 

●雇用
労働市場における女性差別と賃金格差、出産・育児を理由とする違法な解雇、セクシュアルハラスメントの横行に懸念を表明。また、「雇用管理区分」が女性差別の抜け穴となっていること、ILO100号条約にもとづく同一価値労働同一賃金の原則が国内法規に欠けていること、セクハラ防止義務違反に対する制裁措置の欠如、差別是正のための法的プロセスに時間がかかりすぎることなどを批判した。
事実上の男女平等の達成を優先課題とし、女性の雇用・昇進機会を拡大すること、賃金格差の是正、違反企業への制裁強化、および救済手段の整備を勧告。

ワークライフバランス
男女間の平等な家族責任と雇用の分担を促進し、女性がパートタイムに集中する状態を改善すること、保育施設の改善、男性の保育を促すことを勧告。

 

2003年の審査のときの同じような審査結果でした。しかし、日本政府は無視しました。法的拘束力がないからです。しかし、法的拘束力があってもなかっても、これらの審査内容をいかに真摯に受け留めるかは、政府の態度如何です。自民党が無視し続けたことを、新政府はどのように対処するか、これも見届けなければいけませんね。

 

では今日はここまで。

「労働者と資本家は平等だ」なんてことはゆめゆめ思っていませんが、もう少しなんとかならないの〜!!

ちょっと古いのですが、以下の記事を読んでください。

 

 

≪三菱自、期間従業員の採用再開へ 年内に500人程度≫

三菱自動車は、生産現場で働く期間従業員の採用を再開する方針を明らかにした。エコカー減税などの景気対策で小型車などの販売が回復しつつあるためだ。経済危機が深まった昨秋以降、国内メーカーは大幅減産に伴って期間従業員を絞り込んできたが、三菱は販売不振が底を打ったと見て、生産現場の増員に動く。

 8月にも期間従業員の募集を始める。6月の国内販売が前年同月比37.6%増と好調だった小型車「コルト」などを生産する岡崎工場(愛知県岡崎市)向けで、販売台数の動向を見極めながら、年内にも採用数を500人程度まで拡大する計画だ。

 増員により、岡崎工場の生産体制を今年11〜12月をめどに昼夜2交代制に移行する方針。同工場は今年2月から、販売不振に伴って日中だけの勤務にとどめていた。当面は、水島工場(岡山県倉敷市)や取引先などのグループ企業から400人程度を応援要員として確保する。

 三菱自は、自動車不況により、昨年11月は3300人だった非正社員数を、今年3月末にはゼロにしていた。

 三菱は、00年以降の商用車のリコール問題を発端にした経営難で、大幅な人員削減を進めた。このため、工場の生産要員に余裕が少なく、他社に先駆けて期間従業員の採用を再開することにした。

 国内メーカーは、低燃費・低公害の「エコカー」を対象にした減税や補助金支給の効果で、ハイブリッド車や小型車の販売が持ち直し傾向にある。(大日向寛文) 2009710日朝日新聞

 

なんと勝手な。捨てたり拾ったり。

「不況だといって安直に解雇した企業に、誰が働きに行ってやるものか」と言えたらどんなにすっとするでしょう!

 

もう一つ。これも使い捨ての例です。身近に起こりました。解雇の問題です。

 

正社員のAさんは病気になって傷病休暇を取り、治療に専念しました。その甲斐あって、無事医者からの職場復帰の証明も出ました。若干半身に麻痺が残りましたが、一人で通勤もできます。病気になる前は営業職でしたが、Aさんは体のことや営業職が外部の人と対面することを考えて、事務職で復帰することを希望しました。

 

会社側の回答は「退職。その後1年間の嘱託。嘱託の状況を見て継続するかを考える」というものでした。

さあ、あなたがこの状況になったらどうしますか?大きな会社なので、働いている人は沢山います。職種も沢山あります。

 

Aさんは考えに考えて、会社の条件に同意しました。

労働問題に詳しい人は、こういう場合、「絶対に退職届を書いてはいけない」と言います。

 

「私は退職したくありません。継続してこの会社で働かせてください」と毎日言い続けるのは相当な勇気が要ります。少し後遺症が残ったとはいえ、日常生活は今まで通りにはいかないでしょうし、自己の現状を受け入れて、仕事を再開すると決意するまでには相当な勇気と覚悟が要ったでしょう。

 

法律にはこう書いてあります。

労基法18条の2[解雇]

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

 具体的な解釈を見て行きましょう。長くて難しい文章なので、Aさんに関係する箇所を太字にしました。そこだけ読んでも、Aさんに対する会社の誠意のなさが分かります。20年近く勤めて、病気になったら「はいさようなら」です。名のある企業なのに!

 

労働者の非違行為、能力欠如等を理由とする解雇

傷病による能力欠如を理由とする解雇

 

()労働者に傷病や後遺症があって従前の職に復帰するのが困難な場合、労働者の労務提供の不能や労働能力・適性の欠如を理由として解雇されることがある。

多くの企業では、労働者の私傷病による欠勤が一定期間以上にわたる場合、これを休職とし、休職満了時点でも復職が困難な場合、これを解雇したり、休職期間の満了をまって退職と扱う旨の就業規則の定めをおいていることから、このような就業規則の条項に該当するか否かのかたちで争われることが多い。実際の相談では、このような規定に基き解雇された労働者からの相談のほか、本人が復職を申し出ているにも拘らず、企業が復職を認めようとしないという解雇に至る以前の段階での相談がある。

(労災は別:解雇に対する法令上の制限)

 

()このような解雇の場合、まず問題となるのが、休職期間満了時点等において、真に従前の職に復帰することが不可能であるかどうかである。

その判断は、医師の診断によらざるを得ないケースが多い(企業の側でも、復職させるかについて、就労可能である旨の医師の診断書を求めるのが通常である)。したがって、訴訟提起の場合はもちろん、交渉をするに際しても、十分な医証を確保することが必要である。

()また、休業期間満了時に、従前の業務は十分にできないが、労務提供はできる場合に、即座に解雇する(退職扱いとする)ことが許されるかも問題になる。

これは、企業には解雇回避のために、配置転換、教育訓練の機会提供、復帰準備期間の提供などの措置を講ずべき義務があるかをめぐって争われる。

この点については、従前の職務を通常の程度に遂行できる健康状態に回復していることを要するとする見解と、復職当時は軽易業務に就き、段階的に一定程度の猶予期間をおいて通常業務に復帰できる程度に回復しておればよいとする見解に分かれていた。

ところが、建設工事の現場監督に従事していた労働者が私病を理由に、事務作業への配転を求めたところ、会社がこれを拒否し、自宅療養命令を発し、賃金カットをした事案である「片山事件」において、最高裁判決は(10.4.9労判736)、当該労働者の配転が可能であるか否かを検討して、賃金請求権の有無を決すべきとした。

片山組の判決内容は、傷病等により従前の職務への復帰が困難であることを理由とする解雇(退職扱い)の場合にも、当然に妥当と考えられる。

したがって、職種限定がない労働者の場合、従前の職場に復帰できずとも他に就労可能な職務がある場合に拘らず、そのような職務への配置可能性を検討せずになされた解雇(退職扱い)は無効となる。

判例:北産機工事件(札幌地裁判決平11.9.21労判769号)、全日空事件(大阪高裁判決平11.10.4労判771)

***************

 

法律があっても所詮「絵に描いた餅」です。企業に異議申し立てをするには、労組(企業内、地域ユニオン)、労基署、裁判等があります。しかし、これらに挑戦するには相当なエネルギーが必要です。ちなみに、会社の労組は力になってくれませんでした。

 

(余談ですが、7月の新聞に以下の記事を見つけました。)

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障害者雇用差別禁止を法制化へー厚労省が議論開始これは日本が07年に署名した「国連の障害者権利条約」批准に向けた対応の一環。〜中略〜焦点になりそうなのは、障害者権利条約が求める「合理的配慮」をどう規定するかだ。職場での合理的配慮は、使用者に過度の負担にならない限り、個々の労働者の事情に応じて必要な環境を整えることを意味し、配慮を欠くこと自体が差別とされる。〜中略〜来年の通常国会への法案提出を目指す。

 

 

では今日はここまで。

次回は、WWNがニューヨークに行った報告(前回のブログに関連して)を9月末にします。?

蒸し暑い日が続いていますが、お元気ですか?

 

昨年末から3週間、イスラエルの攻撃に曝されたパレスティナのガザ地区のその後の話を聞きに行ってきました。

講演者のお一人である岡真理さん(京都大学准教授、専門は現代アラブ文学)は、親交のあるサイード・アブデルワーヘド(ガザにあるアル=アズハル大学)教授からネット配信されてきた生々しい攻撃のもようを話されました。

これは『ガザ通信』(青土社)として発行されています。一文を引用します。(著作権に引っ掛かるかも?)

 

≪25の建物がイスラエルに空から攻撃された。建物はすべて木っ端微塵にされた。死者はすでに推定250人に達する。負傷者は何百人にものぼるが貧弱な設備しかないガザの病院では、彼らは行き場もない。電気も来ないが、ディーゼル発電機でなんとかこれを書いている。世界にメッセージを送るために。携帯電話もすべて使用できない!(イスラエル軍は特殊電波を発信して携帯の通話を妨害していた)2008.12.27

 

イスラエルにガザ地区攻撃については、200932日の「続きを読む」に入れてあります。岡さんは、イスラエルの攻撃を、もしイランがすれば、北朝鮮がすれば、世界は黙っていないだろうと言いました。

 

世界の経済を動かすユダヤ人の国だから何も言わない。この攻撃が始まったとき、オバマはイスラエルに何も言いませんでした。このとき、「オバマ大統領も所詮アメリカ国益の側なのだ」と妙に納得して、がっかりした記憶があります。

 

自由な考え方をする友人がいます。その豊かな感性にいつも目からうろこ状態になってしまう私なのですが、その友人はインターネットをしません。嫌っているのではないようですが、使わないのは彼女にその気にさせる何か決定的要因がないからだと思います。

 

アブデルワーヘド教授からのリアルタイムの情報は、インターネットだから可能となったのです。ネット社会の功罪はさまざまにありますが、確かな情報を見極められる目を持って使っていこうと、今回のこのガザ通信で確信しました。友人にも勿論言うつもりです。残念ながら次回会ったときか、手紙で。

 

今日は、女性差別撤廃条約の話です。

今年は、国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)で、「日本の女性の状況」についての検証が行われます。この検証をする委員は、各国から選ばれていて、日本は弁護士の林陽子さんです。

(注:「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」
    Convention on the Elimination of all Forms of Discrimination against Women

 

日本は1985625日に条約を批准しています。しかし、この条約は理念であって、実際にこの条約を効力あるものにするには、「選択議定書」を批准しなければなりません。

 

条約は批准しているけれど、選択議定書を批准していないのは、先進国の中でアメリカと日本だけです。

アメリカはオバマ大統領になってから、選択議定書の批准の検討に入っています。

 

日本が批准しない理由を、「国内法で判決が出たことに対して不満のある女性が、この選択議定書の『個人通報制度』を使えば、『司法権の独立を侵害する』からである」としています。

 

自民党は4月の外交関係の合同会議で、女性差別撤廃条約の「選択議定書」をめぐって議論をしました。批准を求める意見の一方で、「国連に助けを求めるほどの女性差別は今はない」「堕胎、離婚促進法だ」などの反対意見が続出したそうです。ということは、自民党は批准する気はないのかもしれません。

(ますます世界の流れから取り残されますね。)

 

記事にあるプラミラ・パッテンさんは、今年、日本政府の答弁を審議する立場の委員です。政府答弁が、日本の女性の実態を正しく伝えていないことは、ブログの200841日・5月1日・54日に書いています。

 

今回、プラミラ・パッテンさんは、政府ではなく民間(WWN:Working Women’s Network)の女性たちに招かれて来日されました。インド洋の島、モーリシャスから飛行機を乗り継いでの来日でした。

日本では、さまざまな女性差別に苦しめられてきた裁判の原告達がパッテンさんに話をしました。政府答弁と異なる女性の状況をどのように判断されたのでしょうか?

 

パッテンさんを招いたWWNが中心となって、兼松裁判の原告や住友裁判の元原告、研究者等80人の女性たちが、今月ニューヨークへ「日本政府報告の審議」の傍聴やロビー活動のために行きます。帰国報告が楽しみですね。

 

以下記事から引用しました。

 

日本の選択議定書批准を要望

 

今年7月に国連の女性差別撤廃委員会において日本の第6次報告書の審査が行なわれる。国内からも委員会からも要請されてきた女性差別撤廃条約の選択議定書批准について、日本政府がどのような決断をするかが注目されている。

 

その審査を目前に同委員会委員の一人であるプラミラ・パッテン氏が来日し、20日には大阪で、21日には東京で国際シンポジウム(ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク主催)に出席。選択議定書の説明と活用事例の報告をし、日本の批准を希望した。

 

選択議定書は、条約の権利を侵害された個人または集団が通報委員会に対して申し立てできる「個人通報制度」と、権利の重大または制度的な侵害に対して委員会が調査できる「調査制度」の二つの制度からなる。日本は前回2003年の4次・5次調査でも批准の勧告を受けているが実現していない。今年4月の政府から委員会への報告でも「研究の部会をつくって検討を続けている」というものだった。

 

日本で批准されないのは、個人通報制度が「司法権の独立を侵害する」という立場を法務省が取っていたということもあるが、現在はすでに同省はその立場ではなく、外務省とともに批准に向けて実務的な問題について検討している。氏も「法務省も外務省も批准をした場合の結果などを検討していることがわかる。その文書をいただいたが、日本政府が批准をしないということは、この文書に対する理解が欠如している」と指摘する。

 

個人通報制度の事例として、オーストリアで夫からのDVにより殺害された女性の例を挙げたパッテン氏は、「オーストリアのようにDV防止に関する完璧と言える法律がある国でも、警察・検察が動かなかったために殺害された。委員会は、女性を暴力から守るため相当な注意を払うべき司法機関が捜査も起訴もしなかったことを締約国の違反と判断し、警察と検察との連携、加害者の早急な起訴、DVに関する司法関係者の研修などを勧告した」と司法関係者の問題について言及した。

 

差別が撤廃されないのは裁判に訴えても救済されないことも一因だ。性差別や性暴力に関する裁判官の無理解に関しては指摘され続けている。制度についても通報できるため、司法関係者、特に裁判官のジェンダー研修の不備について通報することは可能かと聞くと、個別例と同様「具体的な事例で、国内の救済手段をつくしてからになる」と答えた。

 

だが、「どの国も司法関係者はジェンダーについても研修しているというが、女性差別撤廃条約に触れている判例がどれだけあるかを示してもらって委員会が審査することは現時点で可能」とし、「日本だけでなく、いい法律はあっても実行段階でジェンダーの感覚が欠けている。司法関係者の研修については勧告で必ずとりあげる」と述べた。

(週間金曜日より引用)

 

では今日はここまで。

いつもは最初にぐだぐだとした私見を書くことから始めるのですが、緊急のお知らせがあるので、まずはそれを読んでください。

最後に「ぐだぐだ」があります。

 

緊急のホットラインのお知らせ

 

<新型インフルエンザの休業についてのホットライン>

休業を余儀なくされて賃金カットになった人はいませんか?

子どもの保育園が開かれなくて、仕事を休まざるを得なかった人はいませんか?解雇になった人はいませんか?

 

以下の趣旨を読んで、電話をしてください。様々な事例を集め、厚労省に実態を突きつけなければ。

 

電話をかける時間のない人は、このコメント欄に書いてください。直接公表されないように設定してあります。コメントは、私のメールに入ってきますので、私から返事を出すこともできます。施策によって、休業を余儀なくさせられる可能性は、冬に再び起きるかもしれません。政府に沢山の声を届けて、自己責任論にならないように要求していきましょう。



日時:6月25日(木)15:00〜20:00
Tel:
 06−6949−1561・1562

趣旨 
5月の新型インフルエンザ発症による休業は、時給・日給で働く非正規労働者の生活を直撃しました。保育所や学校が休みになり、子どもを預かってくれるところが見つからなかったシングルマザーは仕事を休まざるを得ず、その分減給されてしまい、ただでさえ低賃金にあえいでいるところに、さらに大きな痛手となりました。のみならず、仕事を休み続けていることを理由に、解雇されるのではないかという不安の声が、シングルマザーの当事者団体の元に寄せられています。

また、今回の休業は、介護施設等にも及びました。介護現場で非正規で働く労働者にとって、職場の休業は賃金の減額に直結しています。介護現場にはシングルマザーがたくさん働いています。つまり、今回の休業措置によってシングルマザーはダブルパンチを受けたわけです。

労働局は、労働基準法第26条をもとに、「「法令に基づく、強制的な休業決定」か「事業主の責任で独自に判断した休業」か、を臨時休業時の賃金補償の判断基準にしているとのことですが、事業主にも労働者にも周知徹底されたとは言えず、ほとんどの労働者は何の補償もなかったと考えざるを得ません。さらに、インフルエンザを口実にした便乗休業による無給の自宅待機もあったようです。
 また、厚労省は、保育所や介護施設の休所による労働者への特別の配慮を事業主に求める要請を出しましたが、どれほどの効果があったのか疑問です。

 冬季を迎える南半球での多発を受けて世界保険機構は、警戒度を「6」に引き上げました。日本でも、一時の騒ぎは収まったものの今も感染者は増え続け、自治体の危機管理担当者は、秋から冬にかけて耐性ウイルスによる発症の広がりを懸念しています。

今回の休業、保育所等の休業によって減額された賃金を補償させ、今後の事態を視野に入れて、非正規労働者が安心して暮らせる労働条件の確保とセーフティネットの充実を、政府、自治体、事業主に緊急に要請する必要があります。今回の休業によって起こった様々な事態や、困窮、不安や怒りの声を集約していくために、ホットラインを開催します。

 

共催:いこる、しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西、コミュニティ・ユニオン関西ネット

 

≪ぐだぐだ

琵琶湖を遊覧してきました。大商で琵琶湖の汚染を観察するために乗って以来でした。何年前でしょうか。もう古(いにしえ)の感!

今回の乗船は、知り合いのフランス人・日本人カップルが帰国するので、そのお別れ記念のためでした。子どもの将来を考えると、フランスで育てるのがいいと決断したそうです。

 

具体的には医療費、教育費がほぼ無料に近いというのが大きいですね。

 

もう一つの理由としては、フランス人にとって日本で働くということは長期にバカンスを取れないことでもあるのです。たまにお里帰りしたくても、一週間ではね。1ヶ月も休暇を取るには、退職してからになりかねません。

 

でも、フランスの介護制度はこれからだそうです。

フランスの経済学者が来日されていて、この方の話を聞く機会がありました。 ティエリー・リボーさん、1994年よりCNRS(フランス国立科学研究所)所属。日本へは15年前から来ておられるそうで、「もう何回来たか数えられません」と日本語で。最近「フランスの介護」について本を出版されました。フランス政府の委託を受けて介護制度の調査をされているのですが、この本には「フランス政府に対する批判」が一杯入っているそうです。さすがフランス。日本語翻訳はまだ出ていません。

 

フランスはまだ国の介護制度はありません(来年当たり制度化されるとか)から、市場経済の競争の中で、安価で質の悪い介護が伸びてきている。介護労働に携わる人たちの賃金はとても安く、本人がフランス国籍を持っていても、両親が外国人である割合は他の仕事に比べると高い。

 

授業料値上げで高校生がデモし、マクドナルドの進出に待ったがかかる程の権利意識の強いお国柄なのに、どうしてヘルパーの賃金は安いのか?

それは、女性の仕事だから。介護の専門性が定義されていないため誰でもが簡単に出来る仕事だと思われているから。ヘルパーの組織化がなされていないから。

 

昨日、朝日新聞と龍谷大学の共催で、「誰が私たちの面倒をみるのかー介護現場のいま」と題してシンポジウムがありました。(来週の日曜日628日の朝日新聞に詳しく掲載されるそうです。)

 

介護制度のある日本と、介護制度のないフランスに共通する点があることが興味深かったですね。その報告は次回にします。

では今日はここまで。

 

 

 

 

今日はクオーター制についても後半にちょこっと言及します。

 

一日のニュースを見ていると、政府はいろんな委員会を開催していますね。スポーツ庁を創設するとのニュースでは、官房長官が、「スポーツを国家戦略に」と言ってました。「規制緩和、官で出来ることも民で」のスローガンの下に、保育園もどんどん民営化されているのに、支離滅裂です。国家戦略、胡散臭い言葉です。

 

新インフルエンザに対する人々の反応を思うと、日本は「国家戦略」の名の元に、命令一つでどうにでも転ぶような気になりました。

 

さてニュースに戻ります。

政府が主催する、新型インフルエンザ対策の会議、今年3月に10人の高齢者が焼死した群馬県渋川市の件に対する会議等に、各都道府県の担当者が集められている光景が放送されていました。その場面を見て、私はいつも「えーなんでぇ?男性ばっかりなの?」と思います。

 

実際に介護をしているのは女性が圧倒的に多いのに、責任者会議になると男性ばかり。ここ何回か、私は無駄なこととは知りつつも、TBSにメールを送っています。日曜日の朝放映の「サンデーモーニング」では、街行く人にインタビューをしています。その時々のニュースについて、例えば新型インフルエンザについて、民主党小沢代表への西松建設からの献金疑惑について等々。

 

このインタビューに答える人がもう全部と言っていいほど、男性なのです。「女性は無口なのか?」(それはない)。多分、インタビューする側と報道する側の姿勢でしょう。

 

もしこの光景が逆ならどうでしょうか?社会問題になります。

 

これと同じことが今回の大量の派遣切りでも起っています。

今回の「大量解雇」は女性にとっては常に起こっていることです。

「女性は昔から貧困だった。何をいまさら」です。女性が貧困なことは社会問題とはなりませんでした。「女は貧困で当たり前」が常識だったからです。その大前提には、女性は結婚して夫に養われるものだという考えが根底にあるからです。でも今や男性も失業する時代です。

 

だから家計補助としてのパート労働であり、老人を介護するのは女性の仕事であるから、その延長上のある「介護報酬」は安くて当たり前なのです。

 

独身の、製造業で働いている女性卒業生の言葉が強く思い出されます。

40歳になったら介護保険料払わなあかんし、独身の私は税金も年金も健康保険料もばっちり払ってる。結婚している女性は夜勤をしないので、独身の私に夜勤が回ってくる。冬の工場は暖房があっても、床からジンジンと冷えてくる」。

 

均等法があるにもかかわらず、妊娠・出産による解雇も沢山報告されています。政府は一応企業に「ダメ」と言ったと報道されていますが、それで企業にペナルティが生じたとは聞いていません。

 

昨年の自殺者の数は、また3万人を更新しました。

圧倒的に男性の自殺者が多い。

「男だからこうあらねばならない」という呪縛概念がより男性に強く働いているとも言われています。NHKの朝ドラで、5歳の女の子が「男は泣いてはいけないんだよ」というセリフを言っていましたが、泣いてはいけない人生は辛いですよね。

 

最近、スポーツの分野で、男性競技者が臆面もなく泣いている場面をTVで見ます。これはとてもいい現象だと思います。女性だの男性だのと、長々と前置きしてしまいましたが、これは次の裁判と繋がっています。

 

前回に紹介した三井マリ子さんの大阪高裁での結審の傍聴に行ってきました。判決の日程は未定です。裁判官が交代で夏休暇を取るため、まだ具体的なスケジュールが決められないのだそうです。原告にしてみれば、夏休暇とはなんと優雅なという感じもしないでもありませんが、この際、裁判官には十分な休息を取っていただいて、原告の訴えに応える判決をしてもらいたいと強く願います。

 

三井さんが原告となった裁判は、雇用継続を拒否した豊中市に対しての損害賠償を求めたものです。一審の大阪地裁の判決は、豊中市の不正を一部認めたものの、慰謝料を払うほどの違法性は認められないと請求を棄却しました。三井さんが裁判に訴えたのが2004年、一審の判決が2007年。高裁判決は多分今年の秋くらいになるでしょう。実に5年かかっています。前回の「女性センターの女性職員の多くが非正規である」とも通じる、本気で男女共同参画社会を作る気があるのん?と問いたくなる内容です。

 

では、ここで三井さんの裁判の問題点を整理します。前回のブログの「続きを読む」に原告の三井さんの文を載せてあります。

 

三井さんは豊中市の男女共同参画推進センター「すてっぷ」の元館長でした。今から10年前に男女共同参画社会基本法が成立しました。これに基き豊中市も館長を公募しました。採用されたのが三井さん。非常勤の館長職でした。

 

男女共同参画社会基本法の理念は「続きを読む」を見てください。すごい内容ですね。ジェンダーに関しては保守的な議員の多い国会で、よくこの法律が成立したと、当時はむしろ不思議がられました。 

 

各自治体はこの法によって、条例を制定する義務を負いましたが、ここでさまざまな問題が生じました。この「男女平等」に反対する勢力の攻撃が始まったのです(バックラッシュ)。このバックラッシュの攻撃で、条例の変更に追い込まれた自治体が出ました。例えば山口県宇部市です。

 

「いかなる考えもまず知ることから」を尊重して、反対している団体の主張を調べてみてください。

 

三井さんは館長になる以前から、女性問題で活躍する有名人でした。本も出版されています。その三井さんの館長としての活動に、バックラッシュの考えを持つ豊中市の議員がクレームつけました。

 

結局、「すてっぷ」の財政・人事権を持つ豊中市は、三井さんが館長を続ける限りこういったバックラッシュの攻撃を受け続けることになると考え、「館長職は常勤とする」という変更の下に、三井さんを排除する方法を編み出して行きました。

 

「館長職は非常勤から常勤へ」の情報は三井さんに伝えることなしに、「三井さんは常勤出来ない」と言っているとして、次の館長を決めてしまいました。次期館長候補は、三井さんの業績をよく知っているので、「本当に三井さんは常勤館長を出来ないと言っているのですか」と確かめています。

 

ようやく「常勤館長職」を知った三井さんが問い質すのは当然のことです。これらの辻褄を合わせるために、豊中市は「常勤館長の公募」を三井さんに伝えます。しかし、受けた三井さんが採用されないのは、最初から三井さんを採用しないという筋書き通りの結果でした。

 

三井さん排除の先頭に立った議員はその後落選しましたし、また、「すてっぷ」にクレームをつけた市民団体「地方議員百人と市民の会」のメンバーの一人が「教職員組合の役員を勤める教員を処分しろ。しなければ入学式の日に街宣車で来る」と西宮市の小学校校長を脅したとして「暴力行為法違反容疑」で逮捕されました。(200945日京都新聞)

この校長は女性ですが、脅しにも屈せず警察に通報したので逮捕に結びつきました。 

 

最後になりましたが、クオータ制とは、政治システムにおける割り当て制のことです(Quota System)。

 

民主主義の帰結として国民構成を反映した政治が行われるよう、国会・地方議会議員候補者など政治家や、国・地方自治体の審議会、公的機関の議員・委員の人数を制度として割り当てることである。また、社会に残る男女の性差別による弊害を解消していくために、積極的に格差を是正して、政策決定の場の男女の比率に偏りが無いようにする仕組みのことでもある。発祥地はノルウェー。Wikipediaより

 

男性とか女性とかで括るのではなくて、等しい存在として、自在に生きられるのが私の理想です。これが実現するには、当面クオータ制が不可欠です。でも日本の議会では、このクオータ制は話題に上りません。ちなみに日本の女性参画率は、以下の通りです。

 

1位ルワンダ48.8%、2位スウェーデン 47.3%、 3位フィンランド42.0%、

15位ドイツ 31.6%、49位カナダ20.8%、51位中国20.3%、

52位韓国20.1%、53位イギリス19.7%、58位フランス18.5%、

64位イタリア17.3%、68位アメリカ16.3%、98位ロシア 9.8%、

99位日本9.4%。

列国議会同盟(Inter-Parliamentary Union、略称IPU)の2007930日データーより。

 

では今日はここまで。

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一週間前、狭いところの草取りを無理な姿勢でやったせいか、腰痛になってしまいました。大分直ってきたところで、再度無理な姿勢をする羽目になってさらに悪化させてしまいました。特に同じ姿勢の後に、動作を変えると耐え難い痛みが襲います。どうもパソコンに向かっているときの腕の位置も関係するのか、これが最もしんどい動作です。「ナニナニ?ブログが更新できていない言い訳にしか聞こえないって」。とんでもない。言い訳は以下です。

最近情報収集のためのお出掛けを怠っています。世の中、ゴマンと労働問題があるというのに、私の感覚はますます鈍感になりつつあります。

「どっちにしても認めがたい言い訳である?」「どうもすみません」

 

民主党が労働者派遣法の改正で新たな動きを示しました。もしかしたら今置かれている民主党の状況と関係があるのかもしれません。民主党が政権を取っても自民党の政治とそう変わらないだろうという考えもありますが、そうなら、一度変えてみるのか一計かもしれません。

 

族議員の要求を全面的に入れた今回の補正予算案がすっぱぬかれていました。(朝日513)「経済危機対策」としてエコカー、デジタルテレビ、施設の新築費用など省庁が要求した満額回答の3800億円が盛り込まれているそうです。

その同じ紙面に「母子加算廃止で窮する親子」と題して、「ママ、私高校行けないんでしょ」「修学旅行に行かなくてもいい」との記事があります。

 

前回のブログで「定額給付金寄付」について書きました。ずっと支援している「あしなが募金」やDV被害者のシェルター「いくの学園」でも同じようなことが報告されています。

 

政府は、小泉政権の社会保障費抑制策として段階的に、生活保護費を受給している母子家庭の加算を廃止しています。05年度から07年度に16歳〜18歳の子どものいる、07年度から094月にかけて15歳以下の母子加算をゼロにしています。約205億円の削減です。この額と、前述の省庁への3800億円、どちらに使った方が人道的な、また未来への投資になるか、言うまでもないことです。セイフティ・ネットが、それを必要とする未来のある者に働かない国です。

 

労働者派遣法の記事です。(朝日2009513)

民主党は13日、仕事がある時だけ雇用契約を結ぶ「登録型」派遣について、通訳など専門性の高い業務以外では、原則禁じる方向で検討に入った。同党は登録型禁止に慎重だったが、厳しい規制に踏み込む姿勢を見せたことで、難航していた同法改正をめぐる野党間の協議が、大きく進展する可能性が出てきた。

 民主、社民両党は年明けから法改正に向けて協議。すでに製造業への派遣禁止ではほぼ合意に達しており、労働組合などから「不安定雇用の温床」との批判が出ている登録型派遣にまで、禁止対象を広げるかが焦点になっていた。 〜中略〜


 登録型について、社民は原則禁止を求めてきたが、民主は「問題が少ない事務派遣も不可能になり、経済や雇用への影響が大きい」と慎重な姿勢を示していた。具体的には、製造業や一般的な事務への派遣は派遣会社が労働者を長期に雇用し、仕事がない時も賃金が支払われる「常用型」に限って認め、登録型は通訳や秘書など専門性の高い業務に限定する。

 近く社民党に提案する。両党間で合意できれば、ほかの野党にも働きかけ、今国会に野党共同で改正案を提出したい考えだ。 派遣法については、政府も昨年秋に、日雇い派遣の禁止を柱とする改正案を提出したが、実質的な審議は始まっていない。政府・与党は登録型の規制に慎重な姿勢を示している。

 

「何が専門的業務か」については抜け道にもなりそうです。EU、特にフランスの派遣法については以前に書きましたので、比べてください。

 

次に、男女共同参画センターの職員についての情報です。

男女共同参画の推進を担う職員の実態調査が公表されました。内閣府男女共同参画局「男女共同参画センター等の職員に関するアンケート結果について」実施日:2008718日〜25日 回答率70.8%

 

職員数は数字で出ているのですが、賃金に関しては具体的な数字の集計ではなくグラフでしか示されていません。これでは実際のところが分かりません。すごく作為的なものも感じます。よって数字が明示されているのだけを示します。

 

(数字は職員数の調査結果だけですがナントナント!男女別の数字は明示されていますが、これが正規と非正規の表になると、合計数の箇所は男女ミックスの数字しか示されていません。ちなみに、男女ミックスでは、正規職員の割合は58%、非正規は42%です。そうか、正規の方がまだ多いのだと納得してはいけません。以下の数字を見てください。この数字は私が表から計算しました。一々計算しなくても、一目瞭然の表にするべきです。男女参画の名が泣くよ〜!審議会の委員はこのことに気づいているのかしら?)

 

参画センターには直営、指定管理者、その他とありますが、これらの区別をしないで数字を出しました。今は直営は少なくどんどん指定管理に変わってきています。指定管理については、ご自身で調べてね。

正規職員 女  597人 50.8% 男 29081.9

非正規職員女  579人 49.2% 男 64人 18.1

  

今、元豊中女性センター館長(すてっぷ)の三井マリ子さんと京都女性センターの伊藤真理子さんが裁判中です。上の数字と関係がありますので、これらの裁判についてお知らせします。まず三井さんからです。

三井さんはなぜ解雇されたのか、その理由を探ることによって、女性センターの問題点が出てきます。今月22日に結審がありますので、次回に報告します。伊藤さんはもう結審が終っていて、判決は7月16日です。おいおいブログに載せていきますが、男女参画センターの実態がこうでは、日本はまだまだ人権のグローバル化にはほど遠いですね。

 

この訴訟については「続きを読む」を見てください。

では今日はここまで。

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この定額給付金の使い方について、私は長い期間考え続けました。結論として「寄付する」と決めたのですが、私の友人の中にも同じように悩んでいる人がいました。私は寄付すると決めましたが、

・寄付先をどこにするか。

・友人のような悩める人にどういう方法で情報を伝えるか。

の2点が課題となりました。

給付金は、女性と子どもと外国人に寄付したいと考えています。

定額給付金を支給する窓口で寄付先を紹介して欲しいというような新聞への投稿もありますが、これだけ反対意見の多かった定額給付金は、お役所のお墨付きのある寄付先でないところに出したいと考えました。寄付先が本当に信頼できるかどうかは、寄付先を推薦した人を信頼するかどうかに係ってきます。このように次々とブログやHPや口コミでキャンペーンが広がって、個人が主役になるような定額給付金への意志の表し方ができればと思います。これらのことを友人に相談しましたら、均等待遇アクション21京都で取り組んでくれることになりました。これを読んでくださっている方は、是非この文章を他の人に回してください。

という訳で、転載転送大歓迎です。均等待遇アクション21京都は、ホントに施策が必要なところに手当てが行くように望んでいます。推薦者の一人、南さんは私が信頼する友人です。

 

定額給付金の支給に違和感を持っている皆さんへ

支援を必要としている人たちにカンパしませんか?

 

 〒宇治市広野町西裏99−14パール第一ビル3F

均等待遇アクション21京都(0774-43-8734

 

愚民政策の狡螻杁詆婉皚

 

 もろもろの世論調査で大変不評だったにもかかわらず、定額給付金の支給を定める法律が成立してしまいました。これで2兆円もの公費が、生活を支える継続性もなければ、ひどい暮らしを改善するわけでもない、「票買い」としか思えないような無駄遣いをされることになりました。愚民政策ここに極まれり、「馬鹿にするな」といいたい。これって、どう使いますか。 

さて、とまれ住民票を持ち、現にそこに住んでいるものは時期に差はあれ12,00020,000円のお金を受け取ることになるわけですが、皆さんはそのお金をどう使いますか?

 まず、普通に生活費の足しにする。これは当然の使い道ですね。税金はもともと自分のお金なのだから、自分のために使うというのは誰はばかることでもないでしょう。

 つぎに、蓄えておくこともできます。政府は景気対策だから使えと口やかましいですが、それこそ余計なお世話というもの。何年かたったら消費税を増税するとか、ぬかしているわけですから、そのときの足しにすると考えることもできます。

 以上のような使い方を私達は一切否定するつもりはありません。12,000円といえば、消費税でいうと、24万円分の買い物で払えてしまう程度の額です。多くの人は、これよりも多い消費税を毎年払っているのではないでしょうか。たとえそこまで消費をできない人でも、人生でこれまでに12,000円の税金を払ったことがない人なんてほとんどいないと思います。

自分のものを取り返しただけなのだから、今回の法律を定めた連中に遠慮も感謝もするいわれはありません。 

 

他の政策に使えよ…と思っている人に 

 

 しかし、それでも定額給付金を受け取ることに後ろめたさを感じる人もいるかもしれません。何せ2兆円です。こんなことではなくて、貧困者の住宅、雇用対策や、医療、福祉、教育etc.もっと有意義な使い方があったのではないだろうか…。それに、ホームレス状態の人や何らかの理由で住民票がある住所に住めない人(家庭内暴力の被害者など)などはもらえません。一応対策が打ち出されているものの、ホームレス状態の人が住民票を確保したらもらえるなどという対策は、一方で公園などの現住所で住民票を交付せず、運動団体の事務所においていた住民票を抹消するといった排除を続けている中で、まったく現実的ではありません。短期間で住民票を取り戻せるならば、そもそもホームレス状態になっていないという話です。

 

行政に返すぐらいならカンパしよう

後ろめたいならどうするか?例えばある大学教員は「行政に返す」といっていました。

でもちょっと待ってください。それってこんなくだらない事をした連中に、また、使い道を決めさせるってことですか!?どうせろくなことに使わないだろうと思います。だったら、いっそ行政がきちんと保障していない問題に取り組む、人権団体や運動体にカンパしてみるというのはどうでしょうか。

あなたの周りに も、または日々のニュースで、野宿者の、DV被害者の、外国人の、失業者の、貧困者の、様々な生きづらい人たちを支援している人々を見ることができると思います。均等待遇アクション21京都では「定額給付金、行政に突っ返すぐらいならカンパしよう」と呼びかけます。

 

私たちの試案

 以下に均等待遇アクション21京都が推奨するカンパ先をあげます。選定のポイントは

〇笋燭舛直接活動内容を保証できる

∈2鵑猟螻杁詆婉發燃笋鮨う対象を支援している

財務基盤が弱い                        

などです。もちろん、ここにあげた団体以外へのカンパを制限するものではありませんので、参考程度に見ていただければ幸いです。

 

1.失業と野宿を考える実行委員会

郵便振替口座 00940−5−79726

口座名 釜ヶ崎医療連絡会議

(通信欄に「失業と野宿を考える実行委員会へ」と明記。具体的に「炊き出しとかパトロールとかテント建設とか、現場の労働者に近いことで使ってください」とか、希望を書いてもらってもいいです。)

メール  iryouren@air.ocn.ne.jp (釜ヶ崎医療連絡会議)

住所:5570002 大阪市西成区太子2−1−2 釜ヶ崎医療連絡会議気付

TEL 06−6647−8278(釜ヶ崎医療連絡会議)

*失業と野宿を考える実行委員会は、(釜ヶ崎医療連絡会議、釜ヶ崎炊き出しの会、釜ヶ崎パトロールの会、長居公園仲間の会、高齢者特別就労組合準備会、大阪城公園よろず相談所、西成公園よろず相談所)で構成される団体です。

推薦者 南 守

 

2.コレジオ・サンタナ(滋賀県にあるブラジル人学校)

滋賀銀行甲西出張所 普通預金 170071 名義:ナカタケンコ

メール:rosakmnsantana@hotmail.com

住所:5291303 愛荘町長野209416 

TEL0749−42−6596

*コレジオ・サンタナ校については下記にアクセスしてください。学校紹介が載っています。

http://korea-ngo.org/kyousei/5080207.htm  

滋賀県にがブラジル人学校が4校あります。ここをよく知る私の友人が紹介してくれました。私もこの友人を信頼しています。

嶋川まき子               

 

3.NPO法人生野学園(DV被害女性のシェルター)

住所:543-0062  大阪四天王寺郵便局留

電話・FAX:06−6718−5205(平日10時〜18)

郵便振替口座 00990−3−68635 いくの学園を支える会

 

ここはDV被害のシェルターなので住所は公表していません。私はずっと支援しています。

嶋川まき子

新年度が始まりました。新入生にとってはオリエンテーションが終って、いよいよ本格的な新年度のスタートの時期です。

(ちょっと時期がずれてしまいました。ブログ更新をさぼっているのがバレバレです。)

 

毎年繰り返される卒業式・入学式を晴れやかに過ごせない定年までの何年間がありました。生徒にも教師にも自分の考えを発露し難い教育現場の実態があり、今も続いています。世界の子どものなかで、日本の子どもたちが最も将来に対してネガティブな考えを持っていると言われますが、政界を見ていると、当然という気がしてきます。

 

定額給付金の支給が始まりました。支給という単語が相応しいのか、それとも還元なのかと、いろんな考えが交錯するところですが、政府は早速消費税値上げを言い出しています。消費税が最初に導入されたとき、「福祉に使う」と言われていましたが、日本の社会保障は先進国の中でもランクは低いままです。次のブログに、定額給付金に対する提案をします。すぐに更新しますので、次回分も併せて読んでください。

 

今回は、セイフティネットのある社会、それもネットに横たわるのではなく、ネットの力で弾き返すことのできる社会をイギリスの例で見ていきます。この弾き返す政策をイギリスでは「トランポリン型福祉」と呼んでいます。

 

日本では、生活保護を受給している率は非常に低く、『ベーシック・インカム入門』山森亮著 光文社新書によれば、「100世帯中、10世帯が生活保護基準以下の生活をしいているが、実際に保護を受けることができているのはたったの2世帯」だそうです。生活保護を受給できるはずの世帯のうち、実際に受給している世帯の割合を捕捉率といいます。この捕捉率、イギリスは90%以上、アメリカ70%以上、ドイツ40%以上で、日本は20%前後と言われていますし、経済学者の研究(橘木俊詔氏)によれば1995年で19.7%だったのが、2001年で16.3%になって、捕捉率は下がっているのだそうです。

 

ネットで「生活保護」を調べてみると、Q&Aに「市町村の窓口で、『仕事を探してください』と言われて追い返されても、必ず申請書類を貰って帰りましょう」とあります。書類すら貰えなかった状況が、餓死した人の記事には載っています。

日弁連の調査によると、生活保護の申請書類は、イギリスでは郵便局の窓口に置いてあるし、各国とも公共機関にパンフレットや申請書類が置いてあるとのことです。

 

トランポリン型福祉に関連しますので、次の記事を見てください。

日本では、職業安定所の職員を減らす案が出ています。その案とは既に実行されていますが、以下その内容です。

 

厚労省は国の合理化計画に沿い、労働関連で07年から3年間で約900人の人員を削減。このうち労働局は625人、ハローワークは457人減った。09年度はハローワークで297人が減らされ、全国で1万1700人になった。東京都内のあるハローワーク職員は「300人近い定員を削り、この事態に対応しろというのはむちゃ」と嘆く。厚労省人事課は「政府方針なので削減を止められない。代わりに臨時相談員を1300人増やした」と説明。しかし、現場の職員からは「書類作成などはできても、実際の相談への対応は厳しく、窓口が全部埋まらない」と話す。
窓口は昼休みなしで対応し、昼食を取る時間もないのが現状だという。

 

ではイギリスのトランポリン型福祉に入ります。
 

第一段階

イギリスでは、半年間失業している全ての18歳〜24歳に対してマンツーマンでアドバイザーが付きます。そして、そのアドバイザーの下で、就職活動計画の作成、なぜ失業したのかのどの相談を集中的に行い、求職活動を支援してくれます。またその間、週に約47ポンド(今日現在で1ポンド約149)支給されます。もちろんこれだけでは暮らしていけない人もいるでしょう。生活困窮者には生活保護費が出る。そうイギリスの捕捉率は90%以上です。この第一段階は最長4ヶ月間です。

 

第二段階

・第一段階の期間に就職できなかった若者は、さらに半年間の職業訓練の機会が与えられる。この間下記の4つの中から一つを選択する。

☆民間企業で働きつつ訓練を受ける。(政府が企業に週給の助成金と教育訓練費を支給)

☆ボランティア団体で働きつつ訓練を受ける。(参加者に賃金が与えられていれば、政府が事業主に助成金を支給)

☆フルタイムの教育・技能訓練を受け、国家認定職業資格を取得。(訓練生は休職手当と同額の手当てを受給。訓練費用は国が負担)

☆荒廃した家屋の修繕やリサイクル活動を行う環境保護団体で活動をしつつ訓練を受ける。

 

第3段階

・さらに6ヶ月、求職活動を支援。

これでも就職できないならば第二段階に戻る。

 

日本政府も遅まきながら、次のような≪緊急人材育成・就職支援基金(仮称)≫を創設することを決めたという記事が載りました。

 

与党新雇用対策プロジェクトチーム(PT、座長・川崎二郎元厚生労働相)は十九日、総額1兆6000億円の追加の緊急雇用対策をとりまとめ、首相に申し入れた。失業者に職業訓練中の生活費を支給する「緊急人材育成・就職支援基金」(仮称)を創設するほか、雇用調整助成金の拡充、職を失った日系ブラジル人の帰国費用支援などが柱となる。北海道新聞 2009320

 

職業訓練中に月1012万円を支給する「緊急人材育成・就職支援基金」は、雇用保険に未加入の派遣労働者や元自営業者、雇用保険の受け取りが終わった人など、雇用保険制度から漏れた人を対象とした。民主党など野党は同じ趣旨の法案を議員立法で衆院に提出済みだ。与党も対策をまとめたことで、不況下でしわ寄せを受けてきた非正規労働者らへのサポート態勢が整いつつある。東京新聞 2009320

 

イギリスに戻りますが、このトランポリン型福祉によってイギリスにどのような変化が起きたのでしょうか?

ます、低所得者の所得が増えました。言い換えれば高所得の人たち割合が減ったのです。また、失業手当の受給者数は、97166万人から、072月の92万人と約4割程度減少し、長期の失業手当受給者は97年から73%減少した。

 

こうして見てくると、失業者が労働市場に戻ることにより、税金に担い手になり、結果的に税金は有効に使われたことになります。損して元取る政策です。

 

いよいよ定額給付金がスタートしました。私の家にも3日ほど前に定額給付金の通知が届きました。通帳と身分を証明できる運転免許証などの写しを送付しなければなりません。市民からの封筒を開け、書類が揃っているか、記入漏れがないかをチェックする。考えただけでも膨大な事務量です。もっと有効なおカネの使い方があるだろうに、将来にツケを回す無策な政策です。

 

定額給付金について、友人たちと相談しました。そして、私が参加しているグループの名前で、「定額給付金を寄付しませんか」の呼びかけ文を作りました。次のブログに載せますので、読んでください。(すぐに更新します。)

では今日はここまで。

前回は親の貧困が子どもにいかに影響するかについて書きました。

親がすべり台社会を滑り落ちると、当然のことながら子どもも共に滑り落ちてしまうということです。

 

貧困層にある世帯の比率は、高福祉国家と言われているスウェーデンとそう違いませんでした。しかし、収入から税金や保険等の社会保障費を支払った後、その世帯がどれだけ消費(医療費も含まれる)に使うことができるか(可処分所得)では、貧困世帯はさらに増加していました。これは日本だけの現象でした。

 

 

今日は、親のセーフティネットについて考えてみましょう。

湯浅誠さんは、滑り落ちないためには、すべり台に階段をつけることが必要だと述べています。

階段はできるだけ段差を少なくし、その分段数が多いほど、落ちたとしてもどこかで停まる筈です。

 

こんな記事を見つけました。(2009.03.08付け朝日新聞)

≪生活保護最多116万人、申請1ヵ月で3割増。≫

ワーキングプア問題に詳しい都留文科大後藤道夫教授の談によると

『失業手当受給者が失業者の2割にとどまり、最後のセーフティネットのはずの生活保護が、最初のセーフティネットになっている。』だそうです。これらは一面でした。さらに社会面に≪ハローワーク→労基署→市役所、失業者「たらい回し」≫という記事もありました。

 

派遣切りで解雇になった場合、どこが離職票を出すか分かっていますか?

派遣労働者と雇用関係にあったのは、実際に働いていた例えばトヨタとか、キャノンではなく、派遣会社です。

派遣会社が離職票を出します。この記事の人(Aさん)は、派遣切りとともに会社の寮を追い出されました。住所がなければ派遣会社からの離職票は届きません。生活できなくなったAさんは雇用保険(失業保険)の手続きのためにハローワークへ行きました。

ハローワークでは「離職票を持ってきてください」と言われます。「まだ会社が出していないのですが…」「では派遣会社に問い合わせてみましょう」とハローワークは会社へ電話。「来週出すと言ってますよ」「その間生活費がないんですが」「それは市役所の仕事ですから市役所で生活保護の手続きをしてください」→

そこでAさんは市役所へ行きます。「離職票がないので失業保険を受けることができません。生活保護の申請をしたいのですが」「生活保護はあなたのように働ける人にはそう簡単には支給できません。あなたには失業保険があるのだから、すぐに離職票をもらうべきです。そちらの方が先決です。離職票をすぐに出してもらうためは、労基署から会社へ言ってもらうのがいいでしょう」→

Aさんは労基署へ。「会社がなかなか離職票を出してくれないので、失業保険が受けられないので困っています。」「失業保険はハローワークの仕事です。ハローワークへ行ってください」。

 

こういう遣り取りが2周続いて、ついにAさんは2日間歩き続けて個人加盟の労働組合に相談。市会議員に付き添われて市役所でようやく生活保護の手続きができました。その時のAさんの所持金200円。

(「ヨカッタ、ヨカッタ」の話しではありません。なんで200円になるまでに手を打たなかったの?と思う人もいるでしょうね。先日TVでアメリカ映画<しあわせのかたち>を見ました。これは努力の結果のサクセスストーリーでしたが、野宿者になる過程が描かれていて、それは実に簡単になってしますのだということがよく分かる映画でした。)

 

何が問題なのでしょうか?

いくつか挙げることができます。

まず生活保護費は税金です。本来労働者Aさんは雇用保険から給付を受けるべきなのです。なぜ即生活保護費なのでしょうか?お金の出所が違うのではありませんか?

これが私の最初の疑問です。

 

Aさんはトヨタで働いていました。トヨタから派遣会社へAさんの雇用保険費は支払われています(筈です。経費節減のためこの手続きをしていない企業もあります)

 

都留文科大の後藤教授が「2割の人しか失業保険を受けとっていない」と言ってますが、雇用保険はどこに積み立てられているのでしょうか?

 

それは厚労省です。雇用保険は失業保険だけでなく、育児・介護休業中の補償や教育訓練費も含まれています。その中で最大のものは失業手当です。この雇用保険は労使が負担しています。労働者の総賃金額の千分の12を労使で折半し、さらに国から税金(国庫負担金)が投入されます。しかし、この雇用保険積立金は相当な額に達しており、国の財政が厳しい中、国庫負担金を削減する案も浮上しています。しかし、Aさんのように本来なら給付されるべき労働者に支払われていないことが、剰余金の裏事情にあるのならそれは筋が違いますし、これは前回のブログからも十分に推察できます。

 

ではどのような階段があるのかを見てみましょう。

まず雇用保険です。これが給付されるためには随分といろんな条件をクリアしなければなりません。住所がなければ一切の手続きができません。Aさんのような人にはこれが最大のネックです。

このブログを書くためにネットでいろいろ検索していましたら、「社会保険料を安くする方法」という広告を見つけました。Aさんは住所と離職票がネックでしたが、会社が雇用保険に入っていないことも多々あります。給料明細で年金や医療保険や雇用保険が引かれているか確認してください。医療保険はすぐに使いますから、会社が手続きをしているかどうかすぐに分かりますが、年金とか失業手当はその時まで分かりませんものね。

 

次の階段は、失業手当が給付されるまでの生活資金を貸し出すことです。まとまった生活資金を借りることができればアパートを借りることができます。ネットカフェは月額に換算すると高くつきますし、洗濯や風呂、炊事等もできませんし、別途お金が必要です。第一安眠できません。

この前提として安価で良質な公営住宅が用意されていることも大切です。これは派遣切りになった人たちだけの問題ではありません。日本の住宅政策は持ち家を強く薦めています。家を所有することこそ自己責任というわけです。一生家を持つことだけを目標として働くなんて悲しいです。ローンを払い終わったらマンションの建て替えの時期になった、なんていうことも充分考えられます。良質で安価な住宅を提供する政策は、誰にでも必要ですが、この段階では望みすぎであり、実現不可能の感があるので、ここではこれ以上の深入りはしないことにしますが、いつか各国の住宅政策についても調べてみたいと思います。

 

生活資金から外れました。生活資金に戻ります。

政府も自治体もいろいろと制度を用意しているようですが、とても手続きが面倒で使えないものばかりです。

一例として、各自治体には社会福祉協議会という組織があります。そこには貧困世帯向けの「生活福祉資金貸し付け」と「緊急小口支援資金」と「離職者支援資金」が用意されています。しかし、面倒な手続きのため、ある社会福祉協議会では年間相談件数789件のうち、実際に貸付をしたのは10件足らずだったそうです。

 

これら制度の前にまず何よりも「相談窓口の一本化」をしなければなりません。ハローワークと自治体の生活保護担当が机を並べて相談に乗っていたら、バス代にもこと欠いたAさんはたらい回しされた3箇所を徒歩で回る必要はなかったはずです。随分とお腹が空いて、惨めな気持になられたことでしょう。東京のどこかの区役所でこれを実施しているのをTVで見たことがあります。

 

以上が日本のセーフティネットでした。日本にも、セーフティネットの制度があるのは確かです。しかし、実際には使えない制度であったり、縦割り行政のために機能マヒに陥ったりしているというのが現状です。これでは無いのも同然です。イギリスでは生活保護は日本よりは簡単に給付されます。

 

でも今回の派遣切りの大大前提に、経営者のなんでもありの労働者派遣法を見直さなければなりません。

 

次回は、滑り落ちそうになってもどうにか階段で踏みとどまることが出来た労働者とは、いかなる制度に支えられているのかを、イギリスの例で見ていきます。

では今日はここまで。

書かなければならないことは沢山あるのに、事実が余りにも厳しくて、書くという行為そのものに躊躇してしまいます。

 

先々週の金曜日に「イスラエルが年末から22日間にわたってパレスティナのガザ地区を攻撃し、1300人以上の死者を含む6,700人以上の死傷者を出した爪痕」という題で、ジャーナリストの志葉玲さんが話されるというので聞きに行きました。

その3日後、アカデミー賞の発表がありました。なぜ「おくりびと」が賞に輝いたかが、ここで繋がりました。本命とされていたのはイスラエル映画でした。1982年にレバノン・ベイルートの難民キャンプで起きたキリスト教徒軍によるパレスチナ難民の大虐殺を描いたドキュメンタリー・アニメーションです。「おくりびと」の主役「もっくん」でさえ「イスラエル映画が本命と思っていた」と語っていました。勿論「おくりびと」も素晴らしい映画でしょう(私は見てません)が、アカデミー賞の選考委員にはユダヤ人が結構いるとかで、今回のガザ攻撃と重なるこの映画を避けたというのが裏に働いたと思ったのです。イスラエルのガザ侵攻については、続きを読むに入れました。

 

では、このブログの本筋、労働問題に戻りましょう。

前回に引き続き日本の貧困についてです。「もし教育費が無料であったなら」という問いで前回のブログを終りました。

ではすべり台社会ではない社会というのを今日は考えてみましょう。

湯浅さんのすべり台社会に対して、すべり台でない社会とはどのような社会のことでしょうか。

 

ここに愕然とする数字があります。子どものいる世帯の貧困率は、先進国の中で日本が特に高い率ではありません。2000年の≪子どもの貧困率≫によると、OECDの平均が17%とすると、日本は11%くらいです。教育レベルが高いとされているデンマーク、ノルウェー、スウェーデンとそう変わらない数字です。フランスは25%近いし、ドイツも17%ほどの数字です。

 

ところが、この貧困率が次のような操作の結果さらに上がる国が先進国の中でたった一カ国だけあります。それが日本なのです。

操作とは、≪収入から税金や社会保険料(医療保険や年金の掛け金等)を引いた額に、児童手当や年金(教育費がかかる子どものいる親所帯が年金受給者であることはまずないから、年金は問題外)を足す≫という計算です。

 

親の収入段階で貧困層であったとしても、日本と同じくらいの貧困率の上記の国々は、社会給付や税方式によって、貧困率が下がっています。再度強調しますが、日本だけが貧困率が上がっているのです。

 

では、具体的に児童手当についてみてみましょう。

児童手当には、日本は親の所得に制限が設けられています。所得制限をクリヤーしても、一番目と二番目の子どもについては3歳までは月1万円(12万円)、3歳〜12歳は5千円(年6万円)。三番目の子どもは12歳まで1万円です。

 

日本の出生率が約1.7人ですから、殆どの家庭は5千円程度支給されている計算になります。義務教育年齢の子育て費用の必要経費だけでも年間200万円との推計があるので、これでは全く足らないですね。

 

イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンは、まず親の所得制限がありません。親の所得が高くても等しく給付されるということです。(この場合、税率もカウントしなければいけませんね。

 

高所得上位20%の人が負担する直接税と社会保険料は、フランス55.3(7.0)% ドイツ44.6(3.3)%、スウェーデン41.2(6.1)%、イギリス49.5(2.5)%ですが、日本は39.3(7.9)%です。 ( )内の数字は所得下位20%が負担する率です。日本は高所得者の負担率が低く、低所得の人の負担率が高いことがわかります。)

 

児童手当は、

イギリスは16歳まで支給。年間20.4万円、二番目以降は14.4万円。

ドイツは18歳未満まで。一番目から三番目まで27.6万円、四番目以降は32.4万円。

フランスは20歳未満まで。二番目から支給で、21.6万円。三番目以降27.6万円で、これに11歳〜15歳は6万円の加算、16歳以上は10.8万円の加算が付く。

スウェーデンは16歳未満まで。一番目から支給され、子ども一人につき20.4万円、二人以上はこれに2.445.6万円の加算が付く。

 

さらにこれらの国は、この児童手当のほかに、子どものいる貧困世帯に税額控除制度を設けており、この児童手当と税額控除を合わせてかなりの額の支給をしています。

これらの結果、貧困率25%のフランスは社会保障によって6%に、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンは2〜4%に、日本は12%14%にアップです。日本が如何に子どもに費用を使っていないかが分かりますね。

 

テーマに即して言えば、日本は賃金の格差があるのに子どもへのフォローが少ない。子育ての費用は最低限、等しくかかるから、低所得の家庭ほど消費支出は高くなる、ということです。これは自明のことですが、各国はこの陥穽を避ける努力をして、子育てをその家庭のことではなく、程度の差はありますが、社会的なことだと考えているのです。

 

すべり台社会では、親の失業や低賃金が子どもの問題に直結します。給食費(月額4千円)が払えない、遠足や修学旅行に行けない、もっと切実な問題として、保険証がないから医者にかかれない、高校や大学へ進学できない等です。

 

親の貧困は子どもに連鎖し、子どももまた貧困に陥る率が高いという数字も出ています。

親がすべり台を滑り落ちないために何が必要かを次回に見ていきます。

では今日はここまで。

≪続きを読む≫もよろしく。

続きを読む

テレビも新聞も「解雇・解雇」の嵐です。

このブログを立ち上げたそもそものきっかけは、女性卒業生のために労働に関する情報を提供することでした。

 

均等法やパート労働法などの仕入れた情報を発信し、正規と非正規、女性と男性の賃金差別を是正する方策を探ってきました。しかし、今や「賃金差別」を要求していることが、『なんて贅沢な!仕事があるだけましよね』って言われそう。こうして、どんどん非正規に始まった解雇は正規にまで行き、男女差別なんかどこかへ飛んでしまいそうです。

 

2月7日・8日の2日間、大阪の民主法律協会主催の「権利討論集会」に参加してきました。二日目のパネルディスカッションで、私が今取り組んでいる≪職務評価≫について、パネラーに質問しました。しかし、職務評価に否定的な回答が返ってきました。でもその真意を尋ねる時間もないままに、後味悪く帰ってきました。

 

211日に「年越し派遣村村長湯浅誠さん」が大津で講演されたので、これは友人たちと行って来ました。

題は『派遣村から見た日本社会』でした。

この二つから、今日のブログは始めます。

 

まず後味悪かった「職務評価」についてですが、私の発言の主旨は、「女性卒業生の76%が非正規か非正規予備軍である。彼女たちは、正規労働者と同じくらい仕事をしているにも関わらず正規と非正規の賃金差は大きい。労働組合は職務評価に取り組んで、この賃金差をなくすように取り組んでもらいたい。」というものです。

 

湯浅さんの話しは、年越し派遣村に来た人たちの現状、彼ら・彼女らが、一旦職を失ったら最後、一気にどん底(野宿者になってしまう)にまで落ちてしまう日本の制度の問題点に言及されました。湯浅さんはこのような社会を「すべり台社会」と表現しておられます。私が興味深く聞いたのは、賃金差の統計資料についてでした。

新聞でも、<正規><非正規>の賃金を、折れ線グラフで示した図が載っていますよね。

 

この図だけを見て、「差が問題というのなら、この差の中間に賃金を持っていったらどうか」と経営者は言う。しかし、正規の賃金は下がり、非正規の賃金が上がっても、これでは正規・非正規ともに生きていけない。賃金の統計とともに消費支出の統計を並べて掲載しないと、経営者側の言う「落とし穴」にはまってしまうと、湯浅さんは言います。これは、冒頭に書いたパネラーの職務評価に懐疑的であったことと繋がると思いました。そういう点では、私のパネラーに対する質問は言葉足らずだったと、湯浅さんの話を聞いて思いました。

 

では収入と支出の面で、他の先進国とどこが違っているのか次に見て行きましょう。

次の資料は、権利討論集会で基調報告をされた都留文科大学後藤教授の配布資料から引用しました。基調報告の題は『福祉国家構築と労働運動の課題』でした。

 

まず日本の貧困率ですが、だいたい勤労所帯で19.0%、全所帯で22.3%が貧困世帯率だそうです。数字にだいたいはヘンですが、先進国の中で、日本だけが≪貧困率≫を公表というか、統計をとっていないのです。この数字は後藤教授が統計上のさまざまな要素を加味して出された数字です。なぜ日本政府が貧困率統計を取ってこなかったのかと言えば、貧困はある条件下の人たちのものであると考えていたからです。それは、母子家庭とか、高齢者とか、障害者とかの、それらの人たちの属性が特別であるからであって、勤労所帯が貧困であるわけがないという理由からでした(でも、1960年代には当時の労働省は勤労所帯の貧困層を認めていたそうですが…)。小泉元首相も「貧困所帯は年金世帯である」と言っていたと後藤教授は指摘しています。

 

どこの国にも、貧困な人たちはいます。ではそういう貧困層に対して、政府がいかなる対策を取っているのかで、貧困層の救われ方が変わってきます。

 

日本は≪税と社会保障によって貧困率が下がっているかの効果≫の統計によると、削減率が最も少ない国です。あの≪自己責任≫のアメリカよりも、です。数字を調べてみたい人は、『OECD諸国における収入格差と貧困』で検索してみてください。

 

家族・失業・雇用対策等・住宅・その他≫+≪高齢者・遺族・医療・障害者≫の公的支出が、GNPに占める割合は2003年の統計で、日本1.615.8、アメリカ1.814.3、カナダ5.112.2、イギリス5.3+15.3、ドイツ5.521.7、フランス7.1+21.6、スェーデン7.323.9です。対GNP比だから、GNPが低くて公的な支出が高ければ、この%の数字は高くなります。でもここに挙げた国々は、日本からでもだいたい想像できる国々ですよね。気が付いたことは、日本の公的支出の少なさです。日本の医療費・障害者への支出はそんなに高くないと言われていますから、全体的に少ない中での高齢者への割合が高いということになります。

 

ではこの日本の公的支出の何か問題なのでしょうか?

それは≪貧困は連鎖する≫ということです。

 

今朝の朝日新聞によると、『私立高校生に不況の余波』として、2.7%が学費を滞納して、これは9ヶ月前の3倍と出ています。

 

私が教師をしていたとき、授業料を滞納している生徒もいました。その授業料を、事務室か担任か、誰が督促するのかで問題になったことがあります。このときは事務室の仕事になりましたが、多くの学校は多分担任の仕事です。

督促される生徒も、督促する先生もとても辛いことです。

もし「授業料が高校・大学まで無料だったら」と考えたことはありませんか?

どんな効果が生まれるでしょうか?ちょっと想像してみてください。

 

≪職務評価≫に否定的なパネラーも、湯浅さんに言うところの≪支出≫に目を向けるべきだとの意見だったのかもしれませんね。

湯浅さんの「すべり台社会」の意味が少し理解できましたか?本当に日本はセイフティ・ネットのない国なんです。

 

次回≪貧困は連鎖する≫から始めます。本当に連鎖するのでしょうか?

では今日はここまで。

 

前回のブログから4日間(ナント、画期的)、なかなか忙しい日々でした。

映画を見ました。「フツーの仕事がしたい」土屋トカチ監督・撮影・編集です。近日京都みなみ会館にもかかりますので、是非見てください。

 

この映画のチラシから引用します。

≪皆倉信和さん(36)は、根っからの車好き。運送関連の仕事を転々とし、現在はセメント輸送運転手として働いている。しかし月552時間にも及ぶ労働時間ゆえ、家に帰れない日々が続き、心身ともにボロボロな状態。「会社が赤字だから」と賃金も一方的に下がった。生活に限界を感じた皆倉さんは、“誰でも一人でもどんな職業でも加入できる”という文句を頼りにユニオン(労働組合)の扉を叩く。しかし、彼を待っていたのは、会社ぐるみのユニオン脱退工作だった。生き残るための闘いが、否が応でも始まった。≫

 

この映画を撮影することになった土屋さんは、主人公が加盟したユニオンから証拠を撮影してくれるよう依頼されます。その証拠撮影とは、主人公の皆倉さんがユニオンに加入し、そのことを会社側に通告しに行く場面を撮ることです。

 

執拗な会社側の嫌がらせ、暴力が映し出されます。会社側とユニオンの遣り取りは、多分このブログを読んでくれている人、勿論私もお目にかかったことがないくらい荒々しいものです。

土屋さんに「ああいう激しい言葉の応酬は、かえって組合に偏見を持つことになりませんか」と質問しました。土屋さんは「そういうことも分かっています。もしナイフを持った人間に襲われたら、『やめろー』と叫ぶでしょう。それくらい皆倉さんにとっては生きるか死ぬかの闘いだったのです」と言われました。

 

私も在職中何度も管理職と交渉しましたが、そこまでの迫力はありませんでした。こういう質問自体が私の体験の切迫度を表しています。

 

学習会に参加しました。

昨年11月に「労働者派遣法」の院内集会に参加しました。そのときに派遣法に反対している龍大の脇田滋教授が発言されました。しかし当日あまりにも発言者が多く、脇田さんの話も早口で、前略・中略・後略のようでした。その脇田さんが大阪で講演されると知って出かけたのです。

 

前々回の派遣法のブログも脇田さんの教えによることが多いのですが、今回はさらに脇田さんに全面的に依拠した内容です。

労働者派遣法は1985年に16業務で派遣解禁(期間の上限は1年間)になり1996年に26業務に拡大され、1999年に期間3年になりました。2003年3月1日より派遣できる下記の26業務については、派遣先企業が派遣社員を受け入れる期間の制限がなくなりました。またこのとき、今回大量に派遣切りとなった製造業への派遣が解禁になりました。

 

2009年問題とは、2003年に改正された派遣法により「26業務」以外の一般業務について、派遣期間がこれまで1年であったところが3年まで継続できることになりました。だから3年を超えれば派遣は終了です。もしも3年を超えて働いてもらいたければ、派遣先企業は正社員として採用する必要があります。よってそうしたくない企業は20093月に解雇してしまうというしかけになっています。

1 コンピュータのシステム設計
2 機械等の設計、製図
3 放送番組の映像機器の操作
4 放送番組の作成における演出
5 事務用機器の操作
6 通訳、翻訳、速記
7 秘書
8 ファイリング
9 マーケティング
10
 財務処理
11
 貿易文書の作成
12
 コンピューター、自動車のマネキン
13
 ツアーコンダクター
14
 建築物の清掃
15
 建築設備の運転、点検
16
 建築物の受付
17
 科学の研究開発
18
 企業の企画、立案
19
 図書の制作における編集
20
 商品、広告のデザイン
21
 インテリアコーディネーター
22
 アナウンサー
23
 OAインストラクション
24
 テレマーケティング
25
 セールスエンジニア
26
 放送番組の大道具、小道具

 

専門職だなぁと思うのもあれば、なんでこれがというのもあります。特に5、7、8はいわゆる事務職の仕事ですよね。事務職と言えば女性。そう、労働者派遣法は当初、このような女性の仕事を派遣に置き換えたのです。よって賃金は安くて当たり前なのです。

 

ここでちょっとフランスの例を。

フランスでは、前々回のブログに書いたように、派遣労働は“Temporary work”といいます。ここからは『世界の労働』2007年9月号島田陽一論文を参考にしました。

 

フランスの派遣は、3分の2が工業と土木建築関係で、その派遣期間は9日−10日ほどです。約8割が2週間以内の派遣です。フランスにおける派遣は、急に労働者が必要になったときの一時的な対処と位置づけられています。だから報酬は、同じ職務の正社員の報酬よりも下回ってはいけないし、同一価値労働同一賃金がこの原則になっています(A)。さらに派遣終了時に「不安定な雇用」という配慮で、受取り総額の10%を手当()として加算。さらに派遣労働者には有給休暇がないので、その分として全給料(A+B)10%を有給休暇保障手当として加算。つまり正社員が時給1000円なら、同じ仕事をする派遣労働者は(1000円+100)×1.11210円の時給となります。派遣労働者ももちろん、派遣先企業と組合との協約の適用を受けることになっているから、正社員並み待遇は最低条件となっています。


フランスでは、派遣期間終了後もさらに同じところで働かせていると、その労働者は派遣先企業と期限の定めのない契約になったとみなされます。もし終了前に派遣が終わるなら、別の同条件の派遣の仕事が保障されるか、派遣終了まで受取ることになっていた報酬に等しい額を、損害賠償として得られます。派遣労働は短期で不安定だからこそ時給が高い。だから企業は派遣労働者を長くは使わないのだそうです。

では今日はここまで。次回も労働者派遣法です。

前回に引き続き、今回の内容も「労働者派遣法」についてですが、緊急に内容を変えます。

まずこのブログは、身近にある労働問題を卒業生に発信するという目的で始めました。その時々に私の思いを書いてきましたが、主体はあくまで労働問題でした。しかし、今回はその方針を変えます。

世界史の授業で、イスラエルという国の成り立ちを学びました。イスラエルは、アメリカかイギリスに作るべきであったといつでも思っています。

今こうしてブログを書いているときにもイスラエルからの爆撃にさらされているガザ、そのガザについてのメッセージを転送します。これはネットで読むこともできます。(ガザという地名は、ガーゼの語源です。)

 

この筆者のシンディシーハンは、「なぜ息子はイラクで死ななければならなかったのか」とブッシュ大統領の牧場に座り込んだ女性です。アメリカが大量破壊兵器を口実にイラクへ侵攻した戦争に、彼女の息子は派兵されました。

労働者派遣法について次回に、すぐに更新する予定です。

 

これを書きながら、私の目は真っ赤にはれています。
 血だらけの赤ちゃんや体に障がいを負った子ども、そして母親や父親が嘆き悲しんでいる写真を見るのは耐えられないことです。

 ヤハウエの「神に選ばれし」国防軍は、2か所の国連避難所を爆撃しました。イスラエルは、そこが避難所として使われていることを知っていながら、(GPS座標を提供した国連は、それほど彼らを信用していたのかしら?)学校を破壊しました。ガザの数十人の無辜の人々が殺されました。イスラエルは、ハマスが学校をロケット発射場に使っていたという便利な言い訳をしましたが、それは国連が否定しています。

「大統領はいつもひとりだけだ」と言ったナントカさん(【訳註】オバマ次期大統領のこと!)は「わたしは戦争自体否定しない。愚かな戦争に反対するだけだ」と言ったでしょう。あなたは、今ガザで行われているテロ行為にコメントするのを頑なに拒否したけれど、わたし達は、あなたが2008年7月にエルサレムを訪れた時、どちらの側に重きを置いてイスラエル大統領シモン・ペレスに話したかを知っている。南部イスラエルのスデロト、そこもイスラエルの大部分と同じようにもともとパレスチナ領土ですけどね、そこであなたはペレスに「あなたのおかげで、イスラエルが建国して60年で奇跡が花開きました」と語って、ハマスの貧弱なロケット弾からイスラエルが自衛する権利にお墨付きを与えたわね。ナントカさんに伝えましょう「わたし達は、あなたがイスラエルを大好きで、ずっと以前から、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPEC【訳註】米国の最も強力なロビー団体のひとつ。アメリカ-イスラエルの強固な関係を維持することを目的とする)と軍事で徒党を組んでいるアメリカ・イスラエル帝国の言いなりだって知ってるの。でも、パレスチナの赤ちゃんはガザからロケット弾を放ったりしないわ」

 私はここで、オバマに言いたい。戦争は愚かではありません。戦争は「邪悪」なのです!ここアメリカの貧しい黒人に対する戦争から、アメリカとイスラエルががアラブの人々を侵略するために行った虐殺まで、あらゆる戦争が邪悪です。戦争と言うものは、例外なく、完全に、絶対的に、議論の余地なくむごたらしく、邪悪なのです。アメリカ議会も、イスラエル議会も、そしてそれぞれの政権も、死と破壊を求めて、乱暴で極端な人種差別主義者が羽を休める止まり木かもしれません。洞察にとんだ「チェンジ」にも、積極的な「チェンジ」にもわたし達は全く「希望」が持てません。

 ジョージ・ブッシュはいつも死と破壊を推し進めて、共和党と民主党が戦争マシーンに忠誠を誓えば満足する役立たずの愚か者です。彼は最終的にいなくなり、それは大歓迎なのですが、経済に関わるブレインが納得できるというだけで、次の政権を歓迎していいのでしょうか。次の大統領は、ガザの無力で無抵抗な人を弁護する段になると、驚くべきすばやさと光のスピードで責任逃れに走ってしまうのです。

 殺される赤ちゃんや子ども、そしてその他の純潔な人達が、貪欲で残忍なアメリカ・イスラエル政府の対価を払わされていると思うと、気が狂いそうです。わたしは、虐殺を前に、そして、私の仲間と多くの「平和」運動が、シオニストの次の戦争モンスターに「チェンジ」を期待しているの見ると、深い無力感でいっぱいになります。そう、叫びたい「ナンセンス!」と。

 イスラエルはガザの住民を虐殺し続けています。医師にどんな薬も必要な物資も届かない状態では、数百人いえもっと多くの人達が死に、数千人以上の人が傷つけられるでしょう。そして、オバマがこれ以上沈黙しているなら、数万人が恐怖に取り残され、飢えに苦しみ続けるのです。沈黙は共犯と同じです。わたし達が似非リーダーに追従するなら、わたし達も共犯者です。


 わたし達に何ができるのでしょう。税金を支払う日が近づいている。あなたが支払った税金は、あなたが若い人でも、年老いた人でも、支払い始めてからずっと死と破壊に使われています。あなたが汗水流して稼いだお金がガザやイラクやアフガンの赤ちゃんを殺すのに使われているのを知りながら、夜すやすやと眠れる?わたしはもうめったに熟睡できません。わたしもアメリカ・イスラエル戦争マシーンに税金で資金を提供しているからばかりではないのですが。

 わたしは、サンフランシスコの議員に、イスラエルの会社の株と投資を剥奪するよう呼びかける積もりです。すべてのパレスチナ人への暴力的なアパルトヘイトを止めなければなりません。そして、南アフリカで実現したように、多くの保守的なイスラエル人とともに、公正で人道主義に根ざした解決策が経済的に推し進められなければなりません。あなたも、あなたの住む町で同じような運動を始めるか、すでに始まっていればそこに加わってください。

 わたし達が選んだ公務員に人道主義に基づいた行動をとらせるためには、組織化され、抜け目ない抗議運動をしなければなりません。アメリカ・イスラエル公共問題委員会は、政府立法を親イスラエルにさせるため無制限とも思える資金と影響力を持っています。わたし達の連邦公務員の多くがAIPACに買収されているのですから。

 わたし達が正当な怒りを表し、ファシスト政府に道徳的な水を運び、声をそろえて平和と正義を叫ぶまで、これ以上赤ちゃんの犠牲を増やすべきではありません。

 ガザ地区の住民は、アメリカ製の飛行機からアメリカ製の爆弾を落とされて組織的に殺されています。アメリカ製のヘリコプターからアメリカ製の機関銃で機銃掃射されているのです。止められるのは、まさにわたし達なのです。

 

わたし達は皆ガザとともにある【We are all Gazans】(By Cindy Sheehan, 7/Jan./2009訳:どすのメッキー
http://www.afterdowningstreet.org/node/38750

 

あけましておめでとうございます。

今年もこのブログを続けていくつもりです。なかなか更新されないと諦めてしまわず、時々はアクセスしてみてください。

 

さて、年末からの労働者の状況は、新年になったからといって何も変わらずというか、さらに悪化してます。

名古屋の、このブログにも度々登場する女性が、「名古屋でも炊きだしに集まる失業者の中に若い女性を見た」と報告してくれました。これを聞いた夜は冷え込みが厳しく雨も降っていました。彼女たちはどこで寝たのでしょうか。炊き出しは名古屋駅前のトヨタの超高層ビルの裏手で行われているとか。なんとも皮肉な場所ですね。

 

さて、前回の続き感想です。

連合が、「賃上げ」を春闘の要求にしました。

これを聞いたとき、びっくりしました。丁度リストラの嵐の風が吹き始めたときでした。

経営者側の安易な解雇の連続に唖然としましたが、連合の要求は、連合が労働者の団体であるがゆえに余計に唖然としました。「連合の言い分は内需拡大で景気を良くするのがねらい」とか。

景気の良かったときも賃上げがなされなかったから、その言い分は分かりますが、なんともタイミングが悪いというか、空気が読めないというか。経営者、政治家と同じですね。

 

「賃上げ要求分を今回大量に解雇された人たちに回すとか、賃下げしてでも非正規労働者の雇用に使うとか」の発想はなかったのでしょうか。ここまでやって経営者に対峙してもらいたかったですね。保身という点では、経営者と同じ感覚です。

 

オランダは《同一価値労働同一賃金》に基いたワークシェアリングの進んでいる国ですが、この概念に至るまでには、労働者も賃上げを我慢し、経営者と痛みを分かち合った歴史的経過があったそうです。

 

賃下げした分は、さっさと帰ってしまうとか、連合もいろんな戦術が考えられると思うのですが…。正社員の親の権利を守るために子どもは非正規で甘んじているという構図も見えてきます。

 

さてブログの内容に移りますが、新年からは労働者派遣法について、特に派遣法の何が問題なのかを何回かに分けて明らかにしていきます。

労働者派遣法がこのブログに登場するのはこれで二回目です。前回は解説でしたが、今回は問題点を主とします。

 

まず英語の勉強からです。英語では派遣労働のことをTemporary Workといいます。でも和英辞書で「派遣」と引いてみると、dispatchとあります。dispatchは「軍隊に派遣する」という意味もあって、昔の使い方では「kill」と同じともあります。「kill」と同じとはなんとも皮肉な!

政府はこの意味で使ったのかと勘ぐってしまいました。

 

これからの説明は、主に龍谷大学脇田滋教授の説を引用させてもらいますが、脇田教授は、国際的に使われている《一時的労働としてのTEMPORARY WORK》を、派遣労働制度導入の1985年当時の政府・労働省が意図的に《派遣》と誤訳したものだと言っておられます。だから国際的使われているTEMPOARY WORKは派遣期間の派遣だから、派遣期間終了後に派遣先が常用雇用するのが、イタリアやドイツでは3〜5割になるそうです。

 

時々拙い英語で会話するスェーデン人の男性も、日本の派遣労働についてはさっぱり理解できませんでした。もちろん私の英語力の問題の方が原因とは思いますが。

 

次に、日本の派遣労働には根源的な欠陥があります。

それは日本が《同一労働同一賃金》の概念を法制化していないことです。これに関しては、労基法4条にこの概念が含まれているとかいないとかの労働法学者の学術的見解があります。しかし、明文化していないことは確かです。

私は、このブログで度々《同一価値労働同一賃金》を使いますが、脇田教授の言うところの《同一労働同一賃金》とは概念が違うところがあります。しかし、派遣労働で使うときには、同じと考えてもいいと思いますので、以後脇田教授の《同一労働同一賃金》を使います。以前にもこの2つの用語の違いについては書きましたが、今回はややこしくなるのでちょっと置いておきます。

 

脇田教授によれば、EU諸国(ドイツ、イタリア、フランスなど)は、全国協約で仕事別に同一労働同一賃金が確立されており、各国派遣法でも、派遣された企業の社員と同等以上の待遇を派遣労働者に保障しています。だから、日本の派遣労働者が、派遣先の企業、例えば大分キャノンの社員よりも格段に低い賃金が当然とされているのは世界に類例がない異常なことであると述べておられます。

派遣労働者は賃金は派遣先の企業の社員の賃金よりも低くて当然と思っている、いえ思い込まされいてる私達の方が異常なことだったのです。

 

脇田教授の話はまだまだ続きますが、今日はこれくらいで。

次回をお楽しみに?

どこへ行っても展望のない話ばかり。

 

大分キャノンが派遣・請負労働者約1100人を解雇。

でもキャノンの言い分はこうです。

 

派遣労働者を雇用しているのは人材派遣会社であり、キャノンは派遣先である。請負労働者を雇用しているのは請負会社であり、キャノンが雇用しているわけではない。だからキャノンが解雇したわけではない。

 

日本の派遣は、殆どが登録型派遣です。だから、派遣先のキャノンが解雇しなくても、直接解雇したことと同じなのです。またキャノンの寮(アパート)で生活する労働者にとって、解雇は即住居を失います。そのために大分市が住宅を用意するとか。また、次の職が見つかるまで、杵築市や大分市は解雇された人を短期の臨時職員として雇用すると報道されています。

 

これらの報道を見聞きして、大分市や杵築市の取り組みに敬意を表するけれど、なんかおかしい?そう思いませんか?

どうしてキャノンの後始末を税金でするのか?キャノンは解雇以外の道はなかったのか?

 

では、杵築市や大分市は景気が良くなったら、キャノンにこれらの費用を請求するのでしょうか?

儲けるときだけ儲けておいて、不況になったら税金で面倒をみるとは!

 

アメリカに端を発した金融危機ですが、ブッシュ大統領の政策は小さな政府(財政規模が小さい。政府の仕事は最少にして民営へ。その基本は自己責任)でした。しかし小さな政府のツケは、今大量の税金で後始末をしようとしています。規制緩和でおおいに儲けた人はいた筈、彼らの責任は問われていない。キャノンの社長が路頭に迷うことはない。

 

さて今回のブログは、改正パート労働法について、朗報ではなく「やっぱりパート労働法は使えない。」という話です。

 

まず、このブログの何度も登場してくるパート歴29年目の女性を念頭に置いて、均等室に質問しに行きました。

質問した相手は京都労働局均等室です。京都均等室のスタッフは5人。滋賀県なら3人もいればいいほうですかね。京都ほど対応してもらえない気がしますが、滋賀県がどのような回答をするか訪問する必要がありますね。

 

改正パート労働法は今年4月から施行されました。審議段階から、このパート労働法が施行されても正社員になることができるパート労働者は1%とか4%だと言われていました。

 

しかし(やっぱり)、この改正パート労働法に適用して正社員になった人は誰もいないようです。

では均等室とのQ&Aを見てください。均等室に質問したのは、第8条と9条です。条文ちょっと長いけど、読んでください。「続きを読む」に入れておきます

8条は正社員と同じ仕事をしているパート労働者がいれば、正社員にしなさいという条文。9条は、8条には該当しないけど、正社員と賃金に差があり過ぎる人の条文。

 

≪京都均等室とのQ&A≫


Q.≪第8条の<通常の労働者>の意味について≫
 あるパート労働者が特定のスーパーで「レジ部門」に配属されている。そこには契約社員(1年契約で更新を繰り返す。フルタイム)と,パートのYさんだけで正社員がいない場合、8条や9条の比較の対象となる,<通常の労働者>とは誰のことか?
A.レジ部門の契約社員

Q.その「レジ部門」にひとりでも正社員が配属されている場合は、8条や9条の比較の対象となる<通常の労働者>は正社員になり、契約社員は比較の対象とはできないのか?

A.「レジ部門」にひとりでも正社員が配属されている場合は、8条や9条では比較の対象となる<通常の労働者>は正社員になり,契約社員は比較の対象とはできない。

Q.この場合正社員はレジ以外に他の業務を兼任している。パートと正社員との待遇の均衡をはかる場合、パート労働者の仕事は低く見られがちである。しかし、同しレジをしている契約社員が居る。こういう場合は、同じ仕事内容の契約社員との待遇の違いは配慮されないのか?
A.改正法の趣旨は、<通常の労働者>との均衡であり、それ以外のものを配慮するものではない。

Q.求人誌などを見ると、「レジ係り、調理、800円」と職種が違うのに一律同じ賃金の募集が多い。仕事に見合った賃金の主旨からすればおかしい。このことについてはどのように考えているのか?(9条)
A.強制的な指導などは均等室は権限がなく困難である。しかし、説明会などの折に、望ましい形として勧めることや求人情報誌に協力を要請することは可能であり,出来ることはやっていく。

Q.パート労働者が納得できない、不適切な賃金の決め方があった場合、本人から申告があれば指導などは行うのか?
A.13条で賃金の定めかたの説明義務が定められているので、それを利用して事業主に説明させる。もし、その内容が不適切であれば,均等室が対応できる。

Q.パート労働法により、実際に正社員になれたパート労働者はいるか?
A.施行前後に,パート労働者の正社員化の事例が京都府下でもあった。ただし8条を適用させてというよりは、優秀な人材の確保などを目的に会社の判断で行ったものが多い.

注:このブログに以前書いたように、ワールドやユニクロ、ロフトが優秀な人材を確保するために非正規を正社員にしたことを言っている。

Q.パートが正社員になったことの実態調査を行っているか?
A.定期的に事業所を回って調査や指導を行っているが、その中で実態も聞いている.全体についての調査は府としては行っていないし予算などもないので困難である。国レベルで行っている雇用管理基本調査などに今後、そのような項目が入る可能性はある。

(是非調査を実施してくれるよう、 本省に言ってほしいと要望)

Q.8条適用で正社員になった事例はあるか?
A.相談は多いが、本人が調停や援助などを希望した例は京都府ではない。使用者とトラブルになることを恐れている様子だと考えられる。

Q.パート労働法からみて、適切なパート労働者の雇用管理を示してある具体例の載ったパンフレットなどはあるか?
A.厚労省で作ったものはないが,21世紀職業財団の作っているものがある。

注:以下のサイトで読めます。http://www.jiwe.or.jp/part/part_index.html で読めます。

 

どうですか?≪パート労働者は同じ仕事をしている正社員と比較しなさい≫と言ってますよね。この質問のきっかけになったパート歴29年目の女性の係りでは、正社員の男性係長と派遣2人、それに彼女です。4人とも全く違う仕事をしているそうです。そりゃそうですよね。事務系でほぼ同じ仕事をしている正社員とパートってあまりいないのではないでしょうか。

この回答では、永久に彼女は8条も9条も適用されないということになります。パートタイム労働法の枕詞はもしかしたら「使用者のための」が付いているのではないかと思いました。

では今日はここまで。

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ご無沙汰の言い訳はパスします。早や冬眠に入ったのではなく、結構いろんな所へ出かけて情報は仕入れていたのですが、どの問題も難しく、ブログに反映できなかったのです。(言い訳だらけやん!)

 

ハラスメントの連続講座が終了しました。

今回は前々回に引き続き、ハラスメントについてです。

テーマは「日本にもハラスメント規正法を!ヨーロッパの先進的取り組みに学ぶ〜」

講師は弁護士の大橋さゆりさんでした。大橋さんは、地方公務員だったこともあるので、お茶くみの経験もあり、「なんで女性が」と疑問を持ちつつ、でも拒否するまでには至らず弁護士に転身するために退職されたそうです。

 

講座の中身に戻りますが、「ヨーロッパの先進的取り組み」は余り語られませんでした。講師自身もヨーロッパに調査に行かれての報告ではなく、本からの知識だそうです。

セクシュアルハラスメントを除くパワーハラスメントは、日本ではまだ一般的な言葉ではありません。

そもそも「ハラスメント」を規制する法律が日本にはありません。

だから、今は社会学的な定義で「ハラスメント」を定義しているだけなのだそうです。

で、その社会学的な定義とは以下の5点です。

職権などのパワーを背景にして

本来の業務の範疇を超えて

継続的に

人格と尊厳を傷つける言動を伴い

就労者の働く環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与えること

 

定義がないから、「何がハラスメントなのか」が、加害者にも被害者にも分からない。だから加害者は「悪いこと」とは思わず、また被害者は「自分が悪い」と悩む。

 

裁判になっても、ハラスメントを認定する裁判所自体に基準がないから、裁判官が「これはひどい」と思えばそれはハラスメントになり、ハラスメントに鈍い裁判官なら、かえって訴訟を起こすリスクが大きくなる。裁判官の感性次第ということになる。

 

裁判例は、「いじめによる自殺」をした遺族が裁判をする例が多い。その中でも、いじめで精神的に追い詰められた被害者が、「労災不認定」であったことの事例が多い。

 

≪ここでちょっと「労災保険請求の基礎知識」≫

いじめから心身ともに変調を来たした場合、まず労災認定の手続きをしましょう。

 

会社のある労働基準監督署長宛に、労災の申請をします。

不認定なら、60日以内に都道府県にある労働局長宛に審査請求をします。

却下か3ヶ月経過して何も通知が来ない場合、厚労省労働保険審査会宛に再審査請求をします。この請求には何年必要か分からない位の期間がかかるそうです。

<労働保険審査会>で検索すると出てきます。

 

労災と認定されれば、労災保険から「医療費」と「賃金の60%+休業特別支給金20%」が支給されます。

 

職場の機械でケガをした場合は容易に労災認定されます。しかし、『過労死』や『うつ病』など「心因性の病気」の場合は、「もともと持病があったのではとか、家庭の事情など仕事を離れた部分での負荷が大きく影響しているのから、必ずしも仕事に起因するとはいえない」などと判断されて、労災適用が見送られる例が多いことです。

 

このように精神疾患については労災認定基準のハードルが高いので、労災が認定されず、訴訟になった例から、最近認定基準の見直しの通達(厚労省労働基準局労災補償部補償課長「上司の『いじめ』による精神障害等の業務上外の認定について」が出ました。

 

 

<B(加害者で上司)はA(被害者で部下)に対してのみ、「目障りだから、そんなちゃらちゃらした物は着けるな。指輪は外せ」等の発言で、結婚指輪を外すように命じた。>

 

このケースで初めて、「上司のいじめによる精神的障害は心理的負荷が大きい」と判断されました。精神的障害が業務に起因するものかどうかの判断は「職場における心理的負荷評価表」でチェックしていきますが、沢山のチェック項目の一つに「対人関係のトラブル」があります。具体的には、

セクシュアルハラスメントを受けた=レベル

上司とのトラブルがあった=

同僚とのトラブルがあった=

部下とのトラブルがあった=

4項目です。この上司とのトラブルは「供廚ら「掘廚暴だ飢椎修犯獣任気譴泙靴拭

その理由として、<これは何ら合理的理由のない単なる厳しい指導の範疇を超えた、Aの人格、人間性を否定するような言動と評価されるものであり、相当程度の心理的負荷を生じさたと評価できる。>なんだそうです。

 

(法律用語ってヘンなの!結果的に悪い判断だったら、評価とは言わないと思うのだけれど。)

 

(最近では派遣労働者の「労災かくし」が問題になっています。職場でケガをしたのに、派遣元が派遣先に「仕事をもらえなくなるのではないか」と考えて、労災申請をしない。実際、職場でなんら手当てをしてもらえなかったというケースも報告されています。「労災かくし」は違法です。)

 

ただ裁判をするとなるとタイヘン。

 

訴えた相手(被告)が何も言ってこなければ、また原告の言い分を被告が否認しなければ判決は勝訴になるが、最初から原告の言い分を認める会社なり、上司はまずいないでしょう

 

そうなると必要なのが「証拠」。

ハラスメントの証拠に使えるもの、録音データー(ハラスメントを受けていると思ったら、ポケットにレコーダーを入れておいて、勤務中常にONにしておく。)書面、メール

 

証言も証拠の一つだけれど、例え原告が、上司から罵倒されていることを同僚が見ていても、その目撃証言の証拠価値は少ないそうです。退職して会社と利害関係がなくなれば期待できるが、雇用関係がある場合、まず証言はしてくれないと考えた方がいい。

 

ちなみに弁護士費用は30万円以上とのことです。

(裁判費用など、<法テラス>の制度を利用することができます。

法テラス滋賀は、電話   0503383−5454    (平日 9:00〜17:00、土日及び祝日は休み)

 住所   520-0047 大津市浜大津1−2−22 大津商中日生ビル5F

京阪電車京阪石山坂本線「浜大津」駅前)

 

(裁判は費用も時間もかかるし、冒頭に書いたように、裁判官の当たり外れがあるし、タイヘンそうです。このブログに度々登場する住友裁判、兼松裁判等は長期にわたる裁判です。こうして長期にさせることで、裁判を起こさせないようにしているのかと勘ぐりたくなります。)

 

短時間を求めるのなら、<労働審判制度>があります。このメリットは「3回で解決する」です。

申し立て→第一回(言い分を尽くす。裁判だとこれだけで3〜4回、2ヶ月くらいかかる。)→第二回(審問をし調停まで。会社側と原告がそれぞれ案を考える。)→第三回(調停成立または審判。調停案に納得できない場合は審判になる。納得できない方が異議を出して、裁判に移行することができる。こうなると長期化する。)

 

調停案で和解した場合、「職場復帰」は難しく、「金銭解決」になることが多い。もし職場復帰の判決が欲しければ最初から裁判をするべきである。

 

大体このような内容でした。次回は、「労働者派遣法」の政府案と野党案(民主党を除く。なんでだぁ?)についてです。

今日はここまで

2006.05.31 間接差別の限定列挙に反対している人にお目にかかれました。

2006.05.23 前回に続きー改正均等法の指針にある「雇用管理区分」の矛盾を参考人はさらに語る。

2006.05.12 住友電工元原告が改正均等法について参議院で参考人として証言1

06.05.01 公益社セクハラ裁判勝利和解後半

2006.04.26 住友化学で多くの派遣社員が正社員になります。

2006.04.15 公益社セクハラ裁判勝利和解

2006.04.06 国立情報研究所の非常勤公務員再任用拒否は無効の判決

2006.03.25 京ガス裁判の意義2

2006.03.15 京ガス訴訟の意義1

2006.03.06 院内集会2ー住友裁判の原告が闘ったコース別人事の報告

2006.02.27 明日の番組と新聞記事「家庭と仕事の調和」&院内集会の続き=過労から鬱そして解雇

2006.02.20 院内集会報告1ー銀行で働くパート労働者の実態

2006.02.16 労働者派遣法6

2006.02.08 労働者派遣法5

2006.01.31 労働者派遣法4

2006.01.23 労働者派遣法3

2006.01.17 労働者派遣法2

2006.01.08 労働者派遣法1

2006.01.01 労働者派遣法と均等法と宿題

2005.12.28 きょうは算数の勉強ーパート労働者という言葉のまやかし

2005.12.23 人口自然減だってー不妊治療のコメントに関して

2005.12.21 誰かと思いながらコメント読んでいます。

2005.12.18 さあ、一時間目ーアンケート調査の結果

2005.12.16 切れていた糸がつながったようです。

2005.12.15 今日の授業はご挨拶。

 

 

これからパワーハラスメントの2回目の講座に行きます。近日中に報告できると思います。

では今日はここまで。

 

 

 

労働者派遣法改正案のニュースもありますが、詳細が分かってから報告します。

2007.04.30 労働者派遣法のなんでもあり〜な、びっくり解釈ー日立製作所偽装請負と直接雇用のまやかし

2007.04.23 パート労働法の問題点ー衆議院から参議院へー正社員なるための3つの条件

2007.04.16 改正均等法の具体的事例の学習会その1ー派遣社員の妊娠、不利益取扱い

2007.04.04 キャノン・アステラス・兼松ーキャノン1000人正社員化

2007.03.15 ユニクロの正社員化と改正均等法4月スタートに伴う電話相談

2007.03.04 「起立・礼」と「少子化問題」と「暉崚淑子さんの話」

2007.02.23 住友化学とキャノンー住友派遣を正社員化とキャノン派遣・請負の正社員化後回し、新卒採用

2007.02.12 格差社会と教師。Fさんの手記-中国残留婦人の手記開始

2007.02.03 柳沢発言と政争と中国残留婦人(孤児)Fさんのこと。

2007.01.26 働く女性の全国センター発足とカンボジアのこと

2007.01.17 アメリカモデルの労働ビッグバンと人の力ー小林由美著「超格差社会アメリカの真実」

2007.01.09 ワールドに気持ちを表してきました。-ワールド正社員化

2007.01.01 初夢ー同一価値労働・同一賃金とワークシェアリングをつなぐもの

2006.12.27 アステラス製薬男女賃金差別裁判傍聴記

2006.12.20 ブログをはじめて1年たちました。−ドイツ・イギリスの残業と子育て支援額

2006.12.11 労働契約法制の最終報告案・小さな勉強会

2006.12.01 非正規労働者へ、密かに進む労働ビッグバンー御手洗の逆襲 

2006.11.23 ニュースからー正社員化・業務委託契約・偽装請負ーワールドの正社員化・何時にまにか事業主・ビクター子会社業務委託・東芝偽装請負

2006.11.11 審議会傍聴-今後のパートタイム労働政策について2

2006.11.05 審議会傍聴-今後のパートタイム労働政策について

2006.10.27 均等法 省令・指針への意見「セクシュアルハラスメント」2

2006.10.19 均等法 省令・指針への意見「セクシュアルハラスメント」

2006.10.06 均等法 省令・指針に関する院内集会その1

2006.09.24 間接差別・雇用管理区分・パブリックコメント

2006.09.20 募集及び採用並びに配置、昇進及び教育訓練について事業主が適切に対処するための指針1   

2006.09.13 労働契約法制の厚生省素案について

2006.09.07 解雇の金銭的解決その2

2006.08.29 ヌエック・労働政策審議会雇用均等分科会でお出会いした方々へ

2006.08.26 労働契約法制の「解雇の金銭的解決」その1

2006.08.17 労働契約法のホワイトカラー・エグゼンプションとは?

2006.07.27 労働契約法制1 予習編とNHK番組「ワーキングプア」について

2006.07.19 住友金属裁判とはーその3

2006.07.13 住友金属裁判とはーその2

2006.07.05 住友金属裁判とはーその1

2006.07.02 パート労働法改正の記事ー最初はこんなに期待されていたのです。

2006.06.21 岡谷鋼機裁判とは

2006.06.16 改正均等法を審議している衆議院を傍聴してきました。

2006.06.09 均等法いよいよ衆議院へ

 

この続きもすぐに更新します。

ご無沙汰しています。随分と更新の期間があいてしまいました。

 

私のブログが、カテゴリーで分類していないため「どこに書いてあるか分からない」と不評でした。そこで、今までのブログの内容が一目瞭然に分かるように詳しく題名を書き直したものを載せます。ただ一回に書き込める容量が少ないので、3回に分けて載せます。

 

2008.11.15 ブログのタイトル一覧その1〜その3

2008.10.26        パワーハラスメント〜これってパワーハラスメント?

2008.10.17 タイガー魔法瓶派遣社員解雇問題のその後と卒業生のこと

2008.10.02 「職務の内容が同じ」は誰が判断するのか&職務評価をやってみよう。

2008.09.18 職務評価してパート労働法を変えよう&CEDAWへの日本政府答弁の不思議な数字

2008.09.08 今日はお休み

2008.08.25 省庁交渉ー同一価値労働同一賃金&職務評価システムの構築その2

2008.08.11 省庁交渉ー同一価値労働同一賃金&職務評価システムの構築その1

2008.07.28 京都労働局傍聴記4

2008.0714 京都労働局傍聴記3

2008.06.30 京都労働局傍聴記2

2008.06.16 京都労働局傍聴記1

2008.06.02 東芝過労うつ病労災解雇裁判&丹波マンガン記念館とダッハウ強制収容所

2008.05.04 ILO条約勧告適用専門家委員会の勧告その2

2008.05.01 ILO条約勧告適用専門家委員会の勧告その1

2008.04.14 改正パート労働法の問題点ー厚労省交渉報告とホットラインのお知らせ

2008.04.01 ILOから日本政府へ勧告ーその1

2008.03.20 悩める卒業生ののその後2&兼松原告が暴く転勤という企業の常套句

2008.03.06 改正パート労働法&悩める卒業生のその後

2008.02.27 兼松裁判

2008.02.12 ブログがラジオで放送されます&3人の卒業生

2008.01.29 マクドナルド店長は管理職ではない&悩める卒業生からのメール

2008.01.15 規制改革会議第二次答申-今も続く「ああ、野麦峠」

2008.01.02 年賀のご挨拶ー初夢

2007.12.19 労働契約法その2

2007.12.08 労働契約法その1

2007.11.03 同一価値労働同一賃金へー職務評価ー新聞記事の紹介

2007.10.14 労働者派遣法国会審議に備えて&ACW2からのお知らせ

2007.09.21 カンタン職務評価の実践その2

2007.09.20 カンタン職務評価の実践その1

2007.09.04 キャノン偽装請負から期間工へ&立命館大学非常勤講師パート2

2007.08.16 815日と大学非常勤講師の実態その1

2007.07.30 名古屋銀行団交3回目報告と職務分析

2007.07.16 大阪女性センター(ドーン)と館長竹中恵美子さん退任の講演会

2007.07.01 名古屋銀行団交2回目-名古屋銀行の正行員試験受験資格

2007.06.20 正規労働者と非正規労働者の進む道と名古屋銀行団交ー名古屋銀行の3条件を飲めない理由

2007.06.10 規制改革会議の労働提言

2007.05.25 改正均等法採択・附帯決議・ワールド正社員化の結果・均等法とセクシュアルハラスメント

2007.05.13 ACW2の電話相談と参加案内。現職自衛官セクシュアル・ハラスメント訴訟No,1

2007.05.06 均等法6条&タイガー魔法瓶&メーデーの起源

ではこの続きは次回に。すぐに更新します。

はや10月最後の週末になりました。うかうかしているとまた歳をとってしまいそう。

 

大阪で「パワーハラスメント」の3回連続講座があります(ありました)。

このブログを見て、「行ってみよう」と思う人はコメントしてください。

最後に次回からの案内を書いておきます。

 

一回目のテーマは「これってハラスメント?〜おかしいと思う実感を大切に〜」講師三木啓子さん

この学習会を受講したので、その報告をします。

さて、あなたは次の項目に思い当たりますか?

 

仕事に必要な情報を与えられない。

上司に挨拶しても、うなずくだけである。(または無視される)

よく休む従業員や、退職する従業員が多い。

長時間立たせたままで説教されることがある。

暴力を受けたり、暴言を言われたことがある(直接暴力を受けることは稀なのかもしれませんが、机を叩いたり、ドアの開閉に大きな音をたてるようなことも暴力に含みます。)

人前で怒鳴られたことがある。

「出来の悪い部下ばかりだ」と言われている。

就業時間外の付き合いを強要されることがある。

「パートさん」「アルバイトさん」「派遣さん」と雇用形態で呼ばれた。

「明日から来なくてよい」と言われたことがある。

 

あなたはいくつチェックがつきましたか?これらに思い当たることがあればそれがパワーハラスメントです。

 

パワーハラスメントの定義は次の通りです。

「職場などにおいて、権力関係にある者が、本来の業務の範囲を超えた権力を行使し、人としての尊厳・人格を侵害させる言動を継続的に行い、就業者の働く環境を悪化させたり、雇用不安を与えること。」(被害の感じ方には個人差がある。あなたが被害を感じたらそれはパワーハラスメントです。)

 

ハラスメントには、

・セクシュアルハラスメント ・パワーハラスメント ・アカデミックハラスメント ・モラルハラスメント ・スクールハラスメント ・ドメスティクハラスメント(DV) ・デートハラスメント ・いじめ 等があります。

 

この中で、法律になっているのは「セクシュアルハラスメント」だけです。その法律は2007年4月からの改正男女雇用機会均等法です。

セクシュアルハラスメントの主な改正の内容は以下のようなものです。

・セクシュアルハラスメント体躯として雇用管理上必要な措置を講ずることを事業主に義務付けたこと。

・事業主と労働者間の紛争について、調停など紛争解決援助の対象に追加。

・是正勧告に応じない場合の企業名公表。

・報告徴収に応じない又は虚偽の報告をした場合、企業は過料(20万円以下)を支払う。

・男性に対するセクシュアルハラスメントも対象。

 

今日は、パワーハラスメントなので、セクシャルハラスメントはここまでにします。

 

一つでもにチェックの付いた人。

 

パワーハラスメントを受けたとき、あなたは何をなすべきでしょうか。

記録する・いつ ・どこで ・誰から ・何があったのか ・目撃者はいるのか

あなたはどのように対応したいのか考えましょう。謝罪させたいのか、問題としたいのか。

職場の窓口、弁護士、公的機関、カウンセラーなどに相談する。

 

では、があり、このような状況が続き、眠れない、食欲がない、胃痛がする、頭痛がする、無口になる、意欲が湧かない等の状態が続いたときは、「職場における心理的負荷評価表」をしてみましょう。これはネットで検索できます。このような状況が2週間続いたら、専門医に相談した方がいいそうです。

また<鬱>かどうかを診断するシートも出ています。「うつ診断シート」と検索すると出てきます。

 

 

原因が職場にあって、不幸にも<鬱>と診断されたら、直ちに労災認定の申請をしましょう。従来、これがなかなか認定されませんでした。しかし、200826日付け厚労省労働基準局労災補償部補償課長名で、「上司のいじめによる精神障害等の業務以外の認定について」が出されました。従来、労災として認定されるのは余りにも厳しい関門で、「上司からのいじめ」は労災認定の対象外だったのですが、この通達により上司のいじめは労災認定の条件になりました。これも検索すれば出てきます。

 

でも大事なことは

このような状況になる前に、日頃のあなたはストレスを感じるとどのような症状になるかを知ることが大切です。

眠れない、食欲がない、胃痛がする、頭痛がする、無口になる、意欲が湧かない

こういう自分の症状を知っておくと、ストレスなのか、単に風邪なのかを判断することができます。

 

次回は、この対処法を学んできますので、その報告をします。

1115()「わたしは悪くない!!〜ハラスメントへの対処法を考えよう」講師フェミニスト・カウンセラーの周藤由美子さん

最後が

1129()「日本にもハラスメント規正法を!〜ヨーロッパの先進的取り組みに学ぶ」講師弁護士大橋さゆりさん

 

どちらも大阪のドーンセンター 時間は午後1時半から4時半まで。

です。

では今日はここまで。

青空に誘われて本を買いに出かけました。

途中で大津高校を卒業して10年になる卒業生にばったり会いました。あの人、この人の名前を出しながら近況を伝えあいましたが、結構同級生同士で結婚しているのですね。

う〜ん、長い付き合いになりますね。

 

さて、今日も私自身の見聞がありませんので、臨場感あふるる報告は書けません。書く内容がないし、「職務評価を大津でしませんか」の呼びかけにもその後誰からも返事がないので、「ブログを続けるかどうしょうかなぁ」ってちょっとへこんで歩いていたのです。

 

ばったり出会った卒業生は「先生、ブログ見ています。でも今は働いていないから、コメントをするとかの資格がないと思ってます。派遣で働いていたとき、正社員と同じ仕事をしていたのに、待遇が違ったから悔しい思いをしました」と言ってました。「ありがとう。またブログを続ける元気が出てきました」

 

さて、今日のブログは新聞から拝借です。

以前「タイガー魔法瓶」で働いていた派遣女性社員が「正規雇用を会社に求めたところ解雇されたことを書きました。(2007.05.06)

その後の経過が出ていましたのでお知らせします。

 

≪タイガー魔法瓶、派遣労組と団交拒否は不当大阪府労委≫

「タイガー魔法瓶」(大阪府門真市)で請負や派遣労働者として働いた30代女性の直接雇用を求め、派遣労働者の女性が所属する個人加盟の北河内合同労組(地域労組)が申し入れた団体交渉を同社が拒否したのは不当として、大阪府労働委員会(府労委)は15日、交渉に応じるよう命令したことを明らかにした。女性が大阪労働局に違法行為を申告し、組合が交渉を申し入れた直後に同社が派遣契約を解除したことを、府労委は女性への報復行為と厳しく批判した。

 労働者派遣法は、期間が3年を超える場合は直接雇用を申し込むよう企業に義務付けている。

 

女性は06年10月、01年から実質的に5年にわたり派遣労働者として働かされているのは違法として、大阪労働局に申告。

 

命令書などによると、女性は請負会社の従業員として、「開発(実験)補助」の名目で2001年から同社で勤務。04年から派遣労働者となったが、長年働いても同社に直接雇用されないことを不審に思い、同労組に相談。女性が加入した労組も団体交渉を申し入れたが同社が拒否。労働局は06年11月、雇用を前提に派遣契約を解除するよう是正指導。だが同社は契約を解除しただけで、雇用は拒否。団体交渉の申し入れも無視した。

06年11月に派遣会社との契約を解除し女性は失業した。

 

府労働委は、同社が商談会の出張など「開発(実験)補助」の範囲外の業務も女性に命じており、社員と同様に扱っていたと認定。同社が派遣契約を一方的に解除し、団体交渉に応じないのは不当と判断した。 

 

タイガー魔法瓶広報室は「どう対応するかは検討中。係争中でもありコメントは差し控えたい」としている。

20081015  読売新聞と毎日新聞の抜粋)

 

労働者が勇気を出して会社に意見を言った。でも相手にされない。1人では団体交渉はできないから、地域労組に加入して、その労働組合を通じて団体交渉を会社側に申し出た。まず非正規の労働者はその会社の労働組合に入れてもらえないから、個人加入の地域労組に入ることになります。これらはすべて法律で保障されていることです。しかし、会社は団交を拒否した。

 

まあ団交をしたからと言って、このブログに何度も登場する名古屋銀行のパート女性のように、全く話のかみ合わないことの方が多いのですけれどね。でもまず土俵の上に乗るべきでしょう。権威ある?その労働委員会の命令を「どう対応するかは検討中」という会社側のコメントです。労働者は全く人権を守られていませんね。

 

「労使は対等です」などと絵空事を言った経営者を厚労省の労働政策審議会で見ましたが、ホントこの発言をした経営者の会社で働いてみたいね。

 

次回は多分26日くらいに「パワーハラスメント」の報告ができると思います。

今日も洗濯物がよく乾くでしょう。では今日はここまで。

「職務評価をやってみよう(詳しくは文の後半を読んでください。)

 

よく降りましたね。急に寒くなった夜、薄い布団のまま寝ていてどうやら風邪を引いたらしいです。

本格的な風邪にしないために、人混みへの外出と会話を控えています。

(両方とも無理だって?)

 

というわけで今日は東レ派遣社員のセクシュアルハラスメントの裁判傍聴へ行くつもりだったのですが、断念しました。

傍聴人を会社側は動員しているようなので、原告側も負けないように応援団を繰り出さなければいけないのですが、残念ながら京都のユニオンの応援団ばかりです。

私の情報網が狭いのかもしれませんが、大阪や京都が建物や人間の数だけでなく、こういう労働者側の支援体制が充実?していることに、やはり滋賀県だわと思ってしまいます。

 

湖南市などには日系ブラジル人が大勢働いておられますが、この人たちの労働相談は兵庫県まで行っておられると聞きました。

 

「日教組が戦後教育をダメにした」「日本は単一民族」「成田空港はゴネ得。これも戦後教育が悪い」と言って辞めた大臣がいましたが、この方、東大卒業後、現在の財務省(当時の大蔵省)から議員になった典型的なエリートコースを歩んできた人なのですね。

哲学者の鶴見俊輔さんはいつも「東大を潰さなければ」と仰います。ヨーロッパやアメリカに追いつくために明治、日本は急速に改革を推し進めました。それは上意下達の方法で進められ、その先頭には官僚がいました。それから約150年近く、民主主義を標榜している日本は、官僚国家とも呼ばれたりします。

鶴見さんの主旨は、このブログの暉峻淑子さんの言葉とも重なります。(200734日参照)

 

というわけで(どこを受けて文言か)外出を控え静かに暮らしている私は、見聞録を書くネタがありません。

 

前回にも書いたように、何らパート労働者の側に立たないパート労働法の不備を、名古屋銀行の在職29年目に入った坂さんと、国会議員と厚労省へ言いに行ったことは前回書きました。

 

「係長の仕事と私の仕事の価値は同じです」と証明するのは、誰なのかという問題です。

名古屋銀行の交渉では、いくら坂さんが「これだけの責任ある仕事をしているのだ」と言っても、銀行側が「パートは補助です」と言えばそこで交渉は終ってしまいます。それを誰が証明するのかということです。

 

厚労省が出した最新の「パートタイム労働法」の概要にも、やはり誰が判断するのか書いてありません。(以下抜粋です。)

 

 

「職務の内容が同じ」かどうか

1.職種を比較  例:営業職、販売職、事務職

 

2.従事している業務のうち中核的業務で比較

 例:パート…接客、レジ、品出し、清掃

   正社員…接客、レジ、品出し、クレーム処理、発注

「中核的業務」とは、ある労働者に与えられた業務に伴う個々の業務のうち、その職務を代表する中核的なものを指し、与えられた職務に不可欠な業務、業務の成果が事業所の業務や評価に大きな影響を与える業務、労働者の職務全体に占める時間・頻度において割合が大きい業務という基準に従って総合的に判断します。

 

3.責任の程度を比較

 

さて誰が判断するのでしょうか。

この概要の最後に「紛争解決援助の解決例」があります。

 

事例1

パートタイム労働者Aが勤務する事業所では、正社員への転換制度が設けられていますが、要件が「正社員としての能力がある者」とあいまいなものであり、制度が設けられて○年が経過した現在も、未だにパートタイム労働者から正社員に登用された者は一人もいません。Aは、実効性のある転換制度にしてもらいたいと、事業主に主張しましたが、事業主は法違反ではないとの主張を繰り返すばかりで対応してくれません。そこで、Aは労働局長から具体的なアドバイスをしてもらいたいと第21条に基づく都道府県労働局長の援助の申出を行いました。

 

解決策

申出に基づき、パートタイム労働者、事業主双方に事情聴取を行ったうえで、労働局長から実効性のある転換制度について具体的な制度を助言したところ、双方が納得し、転換試験を行いその結果に基づき登用するという新しい転換制度が導入され、紛争の解決が図られました。

 

事例2

パートタイム労働者Bは、パートタイム労働者であることを理由に解雇されましたが、解雇前の職務内容は正社員と同じであり、人材活用の仕組み・運用なども正社員と同じで、契約期間も定められていませんでした。元の職場への復職は望みませんが、違法な解雇に対する金銭補償を求めたいと第22条に基づく調停の申請がありました。

 

解決策

調停会議において、それぞれの主張を聴取し、争点は、「パートタイム労働者であることを理由とする解雇であるか」という点で整理され、同僚のパートタイム労働者にも意見をききながら事実関係を確認し、調停会議としては、「事業主は解雇前半年分の賃金額を支払うこと」とする調停案を提示して、双方が調停案を受諾することにより、紛争の解決が図られました。

 (解決策を読む限り、Bさんは正社員と認められていません。条件が揃っているにも関わらず、パート労働者として解雇とあります。)

 

会社へ不服を言った労働者は、最終的にはその会社のある労働局へ行かなければならないということははっきりしています。

 

制度の不備を嘆いていても仕方がない。「そう、法律は使ってなんぼのもん」なのです。思い切って労働局へ行こう。

(とてもこんなこと言えません。これは厚労省の担当官が言うセリフ。どれだけの時間と勇気が要ることでしょう。その前に解雇が待っていますよね。坂さんが銀行側と何回も待遇改善について交渉できたのは、彼女に信念があること。彼女を支える地域ユニオンの仲間がいることです。銀行側は坂さんを辞めさせたがっているでしょう。でも坂さんは労災認定を受けている人なのです。労災中は解雇できません。でもどうもこの労災も今、切られそうなのです。まだ直っていないのに。)

 

一度自分の職務評価をやってみませんか。厚労省のこんなどうにでも解釈できる「判断基準」ではなく、きちっと数字で出しましょう。

この方法はEUやカナダでは一般的な方法なのです。

そこでお知らせです。

 

≪職務評価入門講座≫

日時:20081023()、夕方6時半から

場所:京都ひと・まち交流館(河原町通り5条下がる東側)

事前予約なし。資料代として2〜300円。

 

平日の夕方、「とても外出できないわ」というあなた。

大津でもやりましょう。

前回のブログで宣伝しました。ただ今申込者1名。

 

この職務評価は、何人かでワイワイいいながらやった方が楽しいし、自分の仕事を客観的に見ることにも繋がるのです。

場所は県庁の近く、駐車場あり(23台無料)

土曜日の昼からを予定していますが、日はまだ決まっていません。なぜなら、まだ1名の申し込みだからです。

講師は勿論私です。顔を見たい人は是非参加してください。

参加する人はコメント欄にその旨とアドレスを書いてください。

コメント・アドレスは、あなたの許可がないかぎり公表しません。

参加を待っています。

では今日はここまで。

言い訳の前回を除いての更新から早や4週間近くが経ってしまいました。

先週の水曜日に、CEDAWの日本政府への勧告の学習会に参加してきました。

同じ週の金曜日に、東京で厚労省の担当者や国会議員に会って少し行動してきました。今回はその2つの報告をします。

 

まず、数字からです。

67.1」これが日本の男女賃金格差、男性を100としたときに女性の賃金の割合を示した数字です。

例えば、あなたの住んでいるところの労働局雇用均等室へ行くと、いろんなパンフレットが置いてあります。そこにもこの数字が並んでいます。

数字はよーく見ないとダメなんです。この数字は、短時間労働者を含まない一般労働者の時間当たりの賃金格差の数字です。

 

今や、非正規労働者は2000万人近くにもなり、その2/3は女性です。むしろ女性の働き方の実態をよく示しているのは、非正規の人たちなのですから、非正規の労働者の数字を出さないと、日本の女性の賃金の実態は分かりません。

 

では、ここでいろんな数字を挙げてみましょう。

この数字は平成18年の賃金構造基本統計の数字です。

 

政府の統計では、正規労働者を「一般労働者」と表しているので、ここでは一般労働者と書きますが、一般って意味深長な言葉ですね。

 

上記の「67.1」は一般労働者の給料の1時間当たりの男女格差の数字です。

ボーナスの男女格差は、53.6です。これを含めると、「62.9」になります。

 

どうですか?数字はいかなる料理でも出来、違う結果で出るのです。

 

では、男性の一般労働者とパートの女性では、その格差はどれくらいだと思いますか?

一般労働者の男女格差で60台だったから、5040302010のどれでしょうか?

答えは賃金とボーナスを含んだ数字での比較です。男性一般労働者を100としたとき、「38」です。

 

ついでに男性の一般労働者とパートの男性では、43です。同じパートでも、女性の方が低いのが分かりますね。

 

女性の一般労働者とパートの女性では、59です。

 

この数字には、家族手当のようなものは含まれていません。

なぜなら、パート労働者の統計には、この項目の調査はしていないからです。まあ、パートの人が賃金、残業代、ラッキーならボーナス、それ以外に手当てがでることはあまり考えられませんからね。

だから、一般労働者はこういう手当てをもらっているので、実際の数字はもっと開くはずです。

 

さあ、いよいよ今日の本題です。

 

CEDAW(国連女性差別撤廃委員会)は日本政府に「勧告」を出しています。引用します。

33番目がこのブログの内容に関係します。

「委員会は、主に職種の違いやコース別雇用管理制度に現れるような水平的・垂直的な雇用分離から生じている男女間の賃金格差の存在、及び雇用機会均等法に関連する政府のガイドラインに示されている間接差別の慣行と影響についての認識の不足に懸念を有する。委員会はさらに、パートタイム労働者は派遣労働者に占める女性の割合が高く、彼らの賃金が一般労働者より低いことに懸念を有する。」

 

これ対して、日本政府の回答は以下です。

 

「改正された均等法では、女性に対する差別的取扱いが禁止され、男女均等取扱いは確実に浸透してきているが、事実上の格差は依然として残っている。今後の課題は、事実上の格差をいかに解消するかである。〜中略〜。

女性は、パートタイム労働者の7割を占めており、女性雇用者の4割はパート労働者であるが、そうした労働者の賃金は正社員より低くなっている。今年3月に発表された報告を踏まえ、政府は、正社員とパートタイム労働者との均衡を考慮した処遇の考え方を示す指針の改正準備を進めている。」

 

こんな回答で、日本の女性が置かれている状況をCEDAWの委員は理解できるでしょうか。まして、政府はその根拠となる数字を「67.1」として送るでしょう。

ここはなんとしても、日本の女性労働は圧倒的に非正規であり、ワーキングプアであることを正確に伝えてもらわなければなりません。

 

次に名古屋銀行のパート29年目に突入した坂さんの例をひきます。

東京でちょっと動いてきたというのは、今年4月から施行された「改正パート労働法」では、なんとも救済できない坂さんの正行員への転換の道を、探ってきたのです。

 

結論から言えば、方法はないということになりますかしら?

こんな悔しいことってあるでしょうか。29年間も、正行員と同じか、それ以上の仕事をこなしてきた結果が、29年間で時給400円アップです。賞与は年間18000円、成績が悪ければなし。誰が査定するのでしょうか。

退職金なし、慶弔休暇なし。

 

あと2年近くで退職。全国のパートで働く人たち、特に女性のために、こんな低賃金にもかかわらず、全国を飛び回り運動してきた坂さん、それがもしかしたら何の恩恵も得られないかもしれないのです。

 

一つの会社の労働組合なら団結して、会社側に交渉を申し入れることもできますが、パート労働者はバラバラです。そもそも正社員の組合に入れてもらえないことが普通ですものね。だから坂さんのような人が行動を起こしても、集団にはなり難いのです。

 

国会は多分今月の24日くらいに開会されて、補正予算だけ審議したらすぐに解散になるでしょう。こんな大事なときに、坂さんのような人たちの切実な願いになんら応えることなしにです。

 

どうすれば労働者が働きやすい、報われる世の中になるのか、いかに1票を使うか真剣に考えるときがすぐそこに来ていますね。

 

一方でCEDAWへの働きかけ、他方で、改正パート労働法をもう少しまともな法律にすることが、今必要です。車の両輪のようにね。

 

CEDAWは、外圧専門のWWNを初めとした各地の女性労働団体にまかせるとして、改正パート労働法をパート労働者側の法律に作り直していかなければなりません。

 

坂さんがいくら「私の仕事は正行員の仕事と変わりません」と言っても、銀行側がそれを認めなければ、坂さんの主張は通らないのです。これが通らなかったら、正行員にはなれません。正社員になるためには、他に2つの要件を満たさなければなりませんが、この職務の分析が最も主観的な判断材料に使われそうです。

 

そこで今日は提案します。

パートで働くあなた、あなたの職務分析をしませんか。誰がするって?

勿論このブログの書き手である嶋川センセで〜す。

 

職務分析をやってもいい人は、コメントにそう書いてください。ブログの左下にあるように、あなたのコメントは私のアドレスに入り、あなたの許可なく公表されることはありません。

 

日本中のパート労働者が「私の職務分析の結果です」と厚労省へ突きつけたら、きっとパート労働法は、使用者のものから、パート労働者の法へ万分の一でも変わると思います。

 

では今日はここまで。

最近は2週間ごとにブログの更新をしています。ブログ開始時とは較ぶべきもありませんが…。まあ私としては比較的真面目に更新してきたつもりです。今日が更新日なのですが、中身がありません。

今、大津地裁でのセクハラ裁判の傍聴に行ってますが、これが法的に説明しようと思うととても難しい。まだまだこの裁判は長引くようのなので、いずれ報告します。

今週の水曜日に、CEDAW(女性差別撤廃委員会)から日本政府に出された「日本の女性労働状況」についての勧告の学習会があります。それには参加するつもりなので、今週のどこかでこの報告はできるかもしれません。更新するという予告だけで、本日はこれでおしまいです。すみません。

 

 

8月23日の新聞に、次のような社説が載りました。

「派遣労働者の労災が急増していることが厚労省の調査で分かった。2007年度に業務上、4日以上休業するか死亡した派遣労働者の労災による死傷者は5885人で、前年より2199人、59%増えた。製造業への派遣が解禁された04年当時と比べると、派遣労働者の数は約40%増えたが、労災被災者は約9倍もの伸びを示している。」

 

次の記事を見てください。ちょっと古いのですが、2002年といえば、製造業への派遣が検討されていた時期です。そのとき、経営者は「製造業への派遣なんてとんでもないことだ」と言っているのです。次がその言葉です。

20025月朝日新聞主催の「ワークシェアリングは働きやすい社会を可能にするか」をテーマにシンポジウムが開かれた。そこに参加した当時の日経連副会長大國雅彦氏は経営者側を代表して次のような発言をしています。(ワークシェアリングに反対の意見です。)

「付けたばかりの設備は40年も50年も持つのです。従業員もエクセレントなトレーニングをされています。これによって何とか持ちこたえる。これも日本を支えている1つだと思う。それを支えるのは従業員の忠誠心です。」「日本の高度成長を支えたのは日本の労働者でした。これらの主力が裁量労働をやっている人たちです。現場の作業員といえども、知恵を出す仕事を一緒にやっている。そういう人たちを簡単に時間給で割り振って誰かを入れてくるなんてことはとてもできない。」(直接雇用関係のない派遣労働者は製造業には向かいないと言っているようですが…。)

 

もう一つの文章を見てください。派遣労働者の言葉です。

「古株の派遣・請負労働者の士気が低かった。社員がいないと新入りに任せて、自分たちはサボる。商品が好きでやっているわけじゃないから、愛着もないんですよね」(湯浅誠『反貧困』岩波新書)

 

最初の労災に関連する、考えさせられる実に矛盾した2つの文です。でも、製造業における労災の増加は予見されていたという感じですね。

さて、前回の続きです。

 

<職務評価について>

WWN:今まで日本は年功序列だから職務評価はできない、女性の勤続年数が短いからできないと政府は言ってきた。ILOはずっと評価システムをしなさいと言ってきているのに、企業の都合に合わせて国はこれに答えていない。国として企業を指導しなければいけない立場ではないか。

 

森教授:京ガス裁判は、職務分析をして裁判所に意見書を出した初めての裁判です。きっちと調べてほしい。企業は既に年功制度を変えてきています。成果主義からさらに、りそなやロフトなどは男女や正規・非正規に関係なく、人ではなく仕事の賃金を付けてきています。

 

厚労省:企業は成果主義に変わってきて、人ではなく仕事に付くというように変わってきています。調査によると労働者も使用者ともに納得していませんし、うまくいっていません。本当の意味の成果主義、仕事に賃金が付くという制度は企業にはなじんでいません。

 

WWN:今の成果主義は恣意的で、課長や部長が勝手に決めている。だから女性たちが苦しんでいるのです。私たちが言っているのは、ILOが勧告している客観的でジェンダーバイアスのかからない職務評価が必要と言っているのです。国が規範を示して、結果ではなくプロセスや努力を評価するような評価システムを作って皆が納得できるシステムを構築するべきです。京ガス裁判も兼松裁判も、原告側が何ヶ月をかけて職務評価を行い、裁判所に突きつけたから、あのような判決が出ました。裁判所が自動的に判断したのではないのです。労基法4条にはっきりと「同一価値労働同一賃金」と書いてあればもっと早く解決したはずです。私たちが頑張ってきたから裁判所を動かせたということを認識してほしい。

 

兼松原告:判決は一部勝利といえるものですが、それをもたらしたものは18年前に行ったペイ・エクイティ研究会での研究成果をもとに職務評価をしたことが格差是正の大きな力になりました。第二次男女賃金格差研究会では、職務評価システムについての研究をさえるのですか。

兼松裁判は、このブログの2008227日を見てください。

第二次男女賃金格差研究会の正式名称は「変化する賃金・雇用制度の下における男女賃金格差に関する研究会」

 

森教授:第二次男女賃金格差研究会において研究するべきことは「ILOが指摘しているように格差が発生する原因や、差別賃金に対する理念を研究するのではなく、具体的な格差縮小の手段について研究するべきです。職務評価システムについての検討を行う公労使による検討会などを考えてはいかがですか。

 

厚労省:第二次男女賃金格差研究会でどのような課題を取り上げるかはまだ決まっていない。職務評価システムを検討したことはないしこの研究会で取り上げると決めていない。有識者の選定を行い、そこで必要と考える場合には、テーマになることもありうるが、現時点でははっきり言うことができない。

 

(なんたる悠長さ!有識者の選定と厚労省は言ってますが、労働問題の研究者が、職務評価制度を理解しているとは限らない。むしろ理解している人は非常に少ない。この省庁交渉の厚労省のスタッフの目の前に、最も精通した人物がいるというのに。多分森教授は選ばれないんだろうね。)

では今日はここまで。

ご近所での挨拶は「暑いですね」の一言です。

毎日顔を合わせているご近所同士では、この言葉以外の適切な表現を思いつきません。それくらいあつ〜い。

 

さて、今日は、「同一価値労働同一賃金」についての厚労省の考えをお知らせします。ILOから何度も「日本政府は法律を作りなさい」と言われています。これを日本政府はいかに考えているのか、WWNが中心になって問い質した省庁交渉の紹介です。

(WWNは私も会員の一人です。以下にアクセスしてみてください。)

http://www.ne.jp/asahi/wwn/wwin/

 

日時は5月12日。

交渉相手は:内閣府、厚生労働省、外務省、最高裁判所、法務省。

交渉する側は、WWN、商社兼松の原告・住友メーカ裁判元原告・岡谷鋼機元原告、森ます美昭和女子大教授、福島みずほ・紙智子・西村ちなみ国会議員等18人。

 

内容は、WWNのニュースレターから取りましたが、一部難しいところもあるので、少し解説を加えてました。

私も参加したかったのですが、丁度日本にいなくて機会逃しました。次回参加して、生の取材で伝えたいと強く思っています。

 

≪同一価値労働同一賃金の概念を日本の法律にすることについて≫

 

WWN:20073月にILOは日本政府に対して、「広範で継続的な男女格差は縮小していない。労基法4条がこの概念をカバーしていると日本政府は言っているが、労基法4条が機能していないのではないか」と指摘している。

(労基法4:使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。)

 住友メーカーや岡谷鋼機などの裁判が10年以上もかかったが、労基法4条にこの『同一価値労働同一賃金』の文言が明記されていれば判決も違ったし、こんなに年数をかけなくてもすんだと原告たちは考えている。このことをどの考えるか?

 

厚労省:労基法4条はILO号条約の要請を満たしていると考えている。裁判において4条が同一価値労働同一賃金賃金にそって解釈された例があるので、現時点において法改正の必要はないと考えている。しかし、男女間格差は大きく、重要な問題であるので、施策の充実を図っていくつもりです。

(ILO100号条約:「同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約」。1条で、「同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬とは、性別による差別なしに定められる報酬率をいう。」と規定し、男女の仕事が異なっても、その価値が同一ならば同じ賃金を支払わなければならないとする。日本は1967824日に批准。)

 

WWN:ILOは「労基法4条は同一価値労働同一賃金の要素については言及していない」と勧告している。もし、入っていると考えているのなら、通達を出すとか、周知をはかるとかしてはどうですか。

 

厚労省:裁判例でも出されているの、ILOの要請は満たしていると考えています。

 

WWN:裁判例はどこのものですか。

 

厚労省:ILOに出したのは2004年の内山工業のものです。ここで男女の職務の比較をしています。2008年の兼松判決も男女を比較した記述があります。

 

WWN:内山工業は同一労働です。今の回答で、兼松の判決が同一価値労働同一賃金であると厚労省が認めて、お墨付きをくれたのなら嬉しい。95(改正均等法)以降、多くの裁判が非常に長く困難な闘いを余儀なくされました。労基法4条に明記されていれば違ったはずです。

 

(女性労働問題の判例は、下記のサイトで見ることができます。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/10/s1007-6a.html

内山工業は4番目の判例、次の京ガス裁判は5番目に書いてありますが、このブログでも2006315日と25日にも詳しく書いています。)

 

森教授:京ガス事件はなぜここに上がってこないのですか。

 

厚労省:(沈黙)

 

森教授:同一価値は職務評価で計って、価値が同じなら同一という職務評価をするプロセスが重要と指摘されていますが、日本は評価システムに言及していません。

 

厚労省:ILO勧告には職務評価分析という指摘があるが、日本の賃金システムは、仕事ではなく、勤続年数とか年功とかもろもろのものによって成り立っています。職務評価という手法よりも、人事考課や賃金制度に差別がないかを見ていくほうが日本の雇用管理に合っていると考えています。職務評価に取り組むより、制度の透明化などのガイドラインを出すなどの取り組みを進めていきます。

 

WWN:今まで男女賃金差別については、年功序列だからとか、女性は勤続年数が短いからできないと言ってきた。現在は成果主義だからできないと言っている。ILOはずっと職務評価をしなさいと言っているのに、国は企業の都合に合わせて答えを出していない。国として企業を指導しないといけないのではないですか。

 

森教授:京ガスの裁判は職務評価をして意見書を出した日本で初めての裁判です。きちっと調べてほしい。今や企業は年功序列制度を変え、成果主義さらに進めています。りそな銀行やロフトなど男女、正規・非正規に関係なく仕事に賃金を付けてきています。

 

(解説:ロフトは正社員、契約社員、パートという雇用形態をなくし、「ロフト社員」に一本化する。すべての社員の賃金は職務内容と勤務時間で決まる。りそな銀行は、ロフトと考えは似ているが、正社員とパートの区分を残したまま、能力評価基準と職務等級を統一して、正社員とパートの賃金を一本化する。同一職務で評価が同じなら時間給格差はなくなる。また働き手が正社員かパートかの雇用形態を選ぶことができる。日経ビジネス2008年2月18日号より)

 

厚労省:企業の制度については成果主義という形で仕事に就くというように変わってきていますが、調査によると労働者・使用者ともに納得していませんし、うまくいっていません。再び年功序列や能力といった方へ軌道修正しているとも聞いています。本当の意味での成果主義、仕事に対する賃金という考えにはなじんでいません。

 

長くなるので、いったんここで切ります。次回もこの続きです。

では今日はここまで。

水分補給をこまめにしましょう。

今午後4時半。室温35.4度。この部屋は東南に窓があります。パソコンを立ち上げたばかりですが、本体自体が熱い。床もカーテンも、触るものみなぼわっと熱い。

毎日こなさなければいけないことは、暑さ寒さ云々と言ってられませんよね。炎天下、ママチャリに乗った母子を見ましたが、日々の生活を送るというのは、大変なことです。

(相変わらず何日もかかって書いているので、これは昨日までの気温。今日は一転して雷雨でした。)

 

今、私はケアワークにたずさわる方の職務評価を、均等待遇アクション21京都のメンバーとともにしています。

私の近所にも、ヘルパーさんの訪問を受ける家がありますが、狭くて冷房がありません。1時間〜2時間の間に、洗濯、食事の用意、掃除と、汗を拭くまもなく働いておられる様子が垣間見えます。重労働、環境最悪、低賃金、離職率の高いものもっともです。

 

来年の春までには、ケアワーカーの職務評価表を完成し、ケアワーカーの労働の価値と賃金がどれほど、不均衡であるかを数字で示したいと意気込んでいます。

 

さて、今日は京都労働局交渉の最後の報告です。

労働者派遣法について、どのような遣り取りがなされたのか報告します。

 

この項に関しては、ユニオン側は質問ではなく、反対意見を出していました。質問などという次元ではないというのが本音でしょうか。

(でも交渉なのですから、相手側から回答を引き出すことを考えるべきと思いました。)

 

まず、ユニオン側の反対項目を紹介します。

日雇い派遣の禁止。

登録型派遣の禁止

派遣対象業務を99年派遣法改正前に認めていた業務に限定すること。

規制改革会議の第二次答申、「規制改革の集中プログラム(07.12.25)」における「派遣期間の制限撤廃、派遣業務の限定撤廃、紹介予定派遣期間の延長、派遣と請負・の区分を定めた告示37号の改悪」など現行派遣法のさらなる改悪の主張に反対せよ。

 

労働局側は、「派遣法から現在の労働破壊が起こっていると解釈している」と回答しました。労働局側は基本的に、この反対表明に云々する立場にはないというのが全体を通しての回答です。

ここでは、ユニオン側の発言について解説します。

 

日雇派遣労働の実態が余りにも苛酷であるり、現代の奴隷制のようだと批判されていることを受け、厚労省は見直しに着手しました。これを受けて、厚労省の労働政策審議会労働力需給制度部会は、2008116日に「日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針()」と厚労省の省令改正案が出され、25日に少しの修正で承認されたことに対しての反対意見です。ユニオンは次の5点を日雇い派遣の問題点としています。

 

日雇い派遣労働者とは、「日々又は30日以内の期間を定めて派遣される者」と定義さえている。でも現実には、日々雇用されつつ、結果的に数ヶ月間働く者もいて、その形態は多様であるにもかかわらず、このような定義をするのは問題である。

 

多額のピンハネのようなマージンを規制するようであるが、事業報告で平均料金額を提出させるだけで、派遣料金などの労働者が本当に知りたい情報を公開することについては開示を求めていず、労働者の知りたい目的に達していない。

 

携帯メールで労働条件を明示する場合のモデル例を作成するとしているが、これは原則として文書で労働条件の明示を義務付けている労働基準法と矛盾しているし、今後、こうした労働条件の明示方法が一般化されてしまうおそれがある。

 

今回業界最大手のグッドウィルに業務停止命令が出された。(その後、廃業決定)仕事にあぶれる日雇派遣労働者が現れることが懸念されるにもかかわらず、厚労省は日雇い雇用保険の遡及適用などを認めていない。今日の収入がなければ、ネットカフェにすら宿泊できなくなってしまう日雇派遣労働者に、職業安定所での職業紹介しか行わず、失業補償を伴わない厚労省の対応は無策である。業務停止になったら最も困る労働者に、責任の一端を担わせるような措置である。

 

集合時間に遅れたら、罰則まで科せられているが、労働時間とするべきか否かの判断を避けた曖昧な記述になっている。

 

最後にユニオンは「日雇派遣という究極の細切れ、かつ不安定な雇用を合法化している根本である登録型派遣を原則として禁止していかなければ問題の解決はあり得ないと考えている。もし、派遣を存続させるのであれば

派遣会社が労働者を期間の定めのない労働者として雇用した上で派遣する常用方(特定派遣)として、派遣元の今日責任を明確にするべきである。また、本当に日単位でしか仕事と雇用がないなら、派遣は禁止して、現在ある配膳人やマネキンなどのように短期の職業紹介(紹介先企業との直接雇用)に切り替え、紹介先企業の責任を明確にしていくことこそが道理です。」と主張しています。

(もっともだ。)

 

 

労働者派遣法の日雇派遣を原則禁止する法案が秋の国会で審議されるようですが、注意深く見ていきましょう。原則という言葉ほど、どうにでも解釈できる言葉はありません。

 

では今日はここまで。

暑いですね。最近の日本は亜熱帯気候です。体がこの湿度と暑さに適応できなくて、これからが本格的な夏だというのに、早や夏バテしています。

 

今回のブログは、傍聴記の続きで「労働者派遣法」ですが、前回のブログの最後に予告していました「通常の労働者」の定義についての回答を京都労働局雇用均等室から得ましたので、先にこれから。

 

4月から施行された改正パート労働法の対象者は、「一週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用されている通常の労働者の一週間の所定労働時間に比べて短い労働者」と規定されています。

 

「正社員と同視すべきパート労働者」の待遇を差別的に取り扱うことの禁止。

 

<改正法第8条>の要旨です。(厚労省のHPより抜粋)

正社員(通常の労働者)と同視すべきパート労働者(正社員と職務(仕事の内容や責任)が同じで、人材活用の仕組み(人事異動の有無や範囲)が全雇用期間を通じて同じで、かつ、契約期間が実質的に無期契約となっているパート労働者)のすべての待遇について、パート労働者であることを理由に差別的に取り扱うことを禁止する。

 

均等室の回答から(抜粋)

「通常の労働者」とは、当該事業所において、社会通念にしたがい「通常」と判断される労働者をいいます。

(なにコレ!あったりまえジャン)

 

「通常の労働者」とは、ある業務に従事する者の中にいわゆる正規型の労働者がいる場合は、その正規型の労働者をいいます。

 

ある業務に従事する者の中にいわゆる正規型の労働者がいない場合については、その業務に基幹的に従事するフルタイム労働者がいれば、この者を「通常の労働者」とします。

(ハーイ、先生!質問です。ある業務とはどこからどこまでを言うのですか?例えば、製造工場では、ラインで働く業務はこれで一つの業務、事務系はこれで一つの業務と考えるのでしょうか?それとも、事務系なら総務課、資材調達課とかに分けるのでしょうか?)

 

正規型労働者とは、社会通念に従い、その労働者の雇用形態、賃金体系を総合的に勘案して判断するが、一言でいえば、企業が最後の最後まで解雇を回避する労働者のことです。

 

(正規労働者を解雇するためには、企業は、解雇回避努力をしなければならないことに法律上なっています。この解雇回避努力義務とは、〇間外労働の削減、配置転換による雇用維持、H鸚亀労働者の雇い止めの3つです。うーん、悩ましい。正規の雇用を守るために、非正規の首をまず切れが努力義務だとは!!)

 

フルタイムの基幹的労働者は、その業務に恒常的に従事する一週間の所定労働時間が最長の、正規型の労働者でない者を指し、一時的な業務のために臨時的に採用されているような者は含まない。

 

上記のフルタイムの基幹的労働者に、他の異なる業務に従事する正規型の労働者の最長の所定労働時間と比較して、その所定労働時間が短い場合には、このフルタイムの基幹的労働者は「通常の労働者」に含めることにはならない。

 

(おやおや、ここで先の「業務」の疑問に対する考え方がちょっと出てきました。ということは、業務のとらえ方は随分と幅広いようなので、一つの会社、一つの工場、一つのお店と考えると、その中で、一人くらいは正規労働者がいるでしょう。ということは、この正規労働者はかなり役職が上の人である可能性もあります。もし、この人しか正規の人がいなくて、フルタイムの非正規の人の労働時間が、この人よりも短い場合は、この正規の人と比べることになるから、まず非正規労働者は、法律用語で言えば、誰も同視すべき労働者とはみなされないということになりそうですね。)

 

厚労省のこの回答マニュアルでは、最後にこのように付け加えています。

近年は、就業形態が多様化する中で、経営者や管理職以外はすべて非正規労働者のみが担当する企業なども増えてきる。このように「正社員」という働き方が相対化されつつある中で、なお正社員のみを「通常の労働者」ととらえると、「通常の労働者」がいないこととなって、法の適用から外れてしまう事業所が出てきたり、異なる種類の業務に従事する者を「通常の労働者」ととらえて均衡を図るという現実感の乏しい法の適用となる場合が出てくる。よって、法の適用をできるだけ多くの事業所に及ぼし、労働者の実質的な保護を図るためには、正規型労働者以外の者であっても「通常」と言える場合は「通常の労働者」と解釈すべきであり、そのために「フルタイムの基幹的労働者」の解釈を明確化した。

 

ここに、疑問を持った内容の回答が書いてあります。でも、でも〜、労働局の解釈は、法律の行間を読むことはまずしないでしょう。この最後にある記述の配慮が、果たしてどこまで生かされるのか。これを血の通った法律にするのは、ひとえにその職にある人間にかかっていると思い至りました。

 

(質問その2。ここに「異なる種類の業務」という言葉が出てきます。しかし、これでは業務の解釈はさっぱりわかりません。これについてはさらに均等室に質問せねば。また報告できる日があると思います。)

 

ということで、法律にある「通常の労働者」の解釈だけでも随分と複雑ですね。長くなったので、労働者派遣法は次回に回します。

では今日はここまで。

梅雨らしい毎日が続きます。夏椿の花も散ってしまいました。茶色になって落ちている花を、ひたすら箒で掃くことが、夏椿との今年の付き合いでした。

 

前回に続き、京都労働局交渉の続きです。

 

≪パート労働法について≫

白熱の交渉が続きました。回答する側は労働局均等室の女性。役職は分かりませんが、多分責任ある地位の方。他のメンバーに比べたら断然若い(若く見える?)

 

私も職場での団体交渉に何度も参加しているので、回答する側の立場もなかなかしんどいだろうと同情することもあるのですが、お互い異なる立場にある以上は、そんな思いを捨ててぶつからなければなりません。こういう場合、いろんな対応の仕方があるのですが、彼女は、多分熱くなるいタイプの人。質問者の怒りと同じ程度のエネルギーで回答してくるので、結局口角泡を飛ばすという感じになりました。ある意味、交渉慣れしていない、正直な人という感想を持ちました。交渉が終って自席に戻ったときに、同僚から「もっと冷静に」と言われたのではないでしょうか。余談ですけど…。では本題・本題っと。

 

ユニオン側の質問次項は3つですが、その前に、改正パート労働法第9条を見てください。

第9条≪賃金≫

事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用するパートタイム労働者(通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案し、その賃金(基本給、賞与、役付手当)を決定するように努めるものとする。

2事業主は、前項の規定にかかわらず、職務内容同一短時間労働者(通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く)であって、当該事業所おける慣行その他の事情からみて、当該事業主に雇用される期間のうちの少なくとも一定の期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるのもについては、当該変更が行われる期間においては、通常の労働者と同一の方法により賃金を決定するように努めるものとする。

 

ひゃー、相変わらずの古文書を読んでいるような文言です。これでも抽象的な語句の一部を補足しました。

以下第10条≪教育訓練≫、第11条≪福利厚生施設≫と同じ様な内容の文言が続きます。

 

この第9条に関する質問の一つ目。

パート労働法の質問事項を出したのは、均等待遇アクション21京都です。以下[均等京都]とします。

パート労働法に基く一律時給募集の改善指導について明らかにすること。

 

[均等京都]はユニークな資料を示して迫りました。それは、新聞の求人の折り込み広告を丹念に調べたものです。

以下、折り込み広告の求人から2つの例を紹介します。

 

例1病院でのパート看護師募集:

ヾ埜郢娵邉33万円以上、パートでも可・時給2,000円。

介護職員(ケアスタッフ)月給20.3万円以上、パートでも可・時給850

(´△箸癸蓋鯊絅轡侫叛)

この求人内容で第9条を見てみると、まず、賃金は職務によるものではなく、準看とか正看とかの資格による時給表示です。

 

例2コピー・印刷業(最近、駅近くで安価でスピーディにコピーや名刺とかラミネートとかちらしとかを印刷するとかをする店)

     店頭接客正社員給与182,000円〜・勤務時間は9:0018:00休日は日・祝・隔週土曜、パート・アルバイト時給820円・勤務時間は9:0016:00・休日は土・日・祝。

同じ店頭接客の仕事に、正社員とパートの募集が同時に載っています。このパートの賃金は時給すると正社員は1140円、パートは820円となっています。

 

第9条をよ〜く読めば、これら例の求人広告には全くその賃金の根拠が明示されていません。だから[均等京都]は「4月から施行されたパート労働法下で、こんな旧来のままの求人でいいのですか。均等室は、これらの広告をチェックしたことがあるのですか」と迫ったのです。

 

労働局の回答は、広告のチェックはしていない。第9条1項は事業主の努力義務であるというものでした。この質問に対しては明解な回答はありませんでした。

 

次の質問事項は

・正社員のいない職場などでの「均等(均衡)処遇」をするために比較できる対象は誰のことか。

[均等京都]は次のように言います。上記第9条に「通常の労働者」という文言が出てきますが、これは正社員のことですか?でも正社員とは全く書いていませんね。正社員とはどういう人のことですか?

 

労働局均等室は、勿論「正社員」と答えます。

 

以前のブログにも書きましたように、銀行では正行員とそうでない行員、即ちパートとの仕事の区別はもはやできないところまで来ています。正行員のしていた仕事を派遣なり、パートなりがするようになってきているのですから。

 

正社員でしかできない仕事があるとすれば、それはごく一部のトップ層に属する正社員が担っている仕事だけである。このトップ層にある正社員が「通常の労働者」なら、パート労働者は永久に≪通常の労働者との均衡処遇≫は得られない。また同じ職務をする正社員のいない職場もある。こういう場合は一体誰との≪均衡処遇≫を比較すればいいのか。

 

労働局均等室の回答

比較すべき正社員がいない場合はフルタイムパートと比較してください。これもその職場にいない場合は、同じ会社の他の職場のフルタイムパートと比較してください。

 

改正パート労働法には、第9条からも分かるように、「通常の労働者」という文言は出てきますが、「正社員」とはどこにも書いていません。この解釈をめぐって、冒頭で書いた労働局均等室の女性と大分激しい遣り取りが続きました。彼女は、親分である厚労省のマニュアルに「通常の労働者とは」があるので、それを均等京都の事務所に送ると言いました。すぐにこの約束は実行されたと聞いていますが、私はまだ見せてもらっていませんので、これに関しては分かり次第紹介します。

 

正社員登用制度をどのように指導しているか。

これは、名古屋銀行の団体交渉で何度も述べていますので、詳しい説明はしませんが、「何のこと?」という方は以前のブログを読んでください。

 

労働局の回答

・正社員化の条件が整えられていない場合、合理的な理由がなく正社員の募集をしていない場合は、指導・助言している。

 

さらに[均等京都]は続けます。

・同じような職務の内容の仕事をしている正社員と比べて、労働局の指導により10円、いいえ1円でも時給が上がればそれで法律が適用されたと解釈できるのか。

 

結果的に言えば、それでよしということです。ここまであからさまに労働局側は言いませんでしたが、そう解釈できるほど、労働局側には権限がないようでした。なんせ事業主の「努力義務」だもんね。

 

では今日はここまで

次回は≪労働者派遣法≫に関するこの続きです。

夏椿(沙羅の木)の花が咲きました。この花は、咲くとその日の内に散ってしまいます。梅雨時に咲くので、茶に変色した花が地面に貼り付くのを見るばかりで、今までしみじみ鑑賞する機会がありませんでした。気持ちにゆとりがなかったせいかもしれません。ここ何日か晴れ間が続いていますので、ゆっくりと眺めています。

 

昨年に引き続き京都労働局交渉に参加しました。

誘ってくれる人があって野次馬で行きましたが、このブログのネタ探しが主たる目的です。

交渉したのは、ユニオンネットワーク・京都です。滋賀県での労働局交渉の情報がありましたら、どなたか教えてください。

 

主な交渉内容は、何点かありましたが、労働局の回答の姿勢は、「労働者に関する法が適切に適応されているかを仕事としているので、法律が労働者の側に立っているかどうかを判断することころではない」というものです。どの基盤に立っているかのスタートラインがそもそも違うので、交渉は噛みあわない箇所が多々ありました。

 

では一つ目です。

労基法上の「管理監督者」についての周知が全く不徹底であり、少なくない企業で課長以上は残業代をつけないなどということがまかり通っている。いわゆる「名ばかり管理職」に関する指導についてどのように行っているのか。

 

まず労基法を見てください。

労基法第41条第2

(労働時間等に関する規定の適用除外)

41条 この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

1.別表第1第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者

2.事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者

3.監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

 

ここで問題としているのは、2項です。

「管理若しくは管理の地位にある者」とはいかなる者のことでしょうか。以下の人たちは管理職とされています。これらは判例から導きだされたものです。

職務の内容や職務遂行上、使用者と一体的な地位にあると言えるほどの権限を有し、これに伴う責任を負担していること。

出退勤についての裁量がある(拘束が弱い)こと。すなわち、法的な労働時間規制をせずとも、労働者保護に欠けることがない(自己の必要に応じて自ら労働時間を調整しうる)だけの自己決定権を有し、現実にこれを行使できること。

基本給、役付手当、ボーナスの額などにおいて、一般労働者と比べて優遇されるなど、その責任と権限にふさわしい待遇を受けていること。

 

労働局の回答は以下の通りです。

定期監督で企業に入るが、指導は難しい。労働局としては、各企業における管理職に該当する人は、もっともっと少ないと考えているので、従来にもまして指導強化していく。内部告発してもらえば労働局は動き易くなる。

 

(このブログにも度々登場する住友裁判の原告の1人は、和解に基づき「課長待遇」になりました。これにより管理職手当てが付きましたが、管理職手当額の方が残業手当より少ないそうで、実質的に手取り額は少なくなったそうです。労働時間は同じか、長くなったそうです。)

 

2番目の交渉 

就業規則、時間外労働など労使関係の重要な局面で労働者代表の役割が重要になってきているが、労働者代表の選出が極めてずさんである。選出方法、投票方法など民主的な手続きの確保にむけどのような指導が行われているのか。

 

≪労使協定≫

労使協定とは、「事業場に労働者の過半数を組織する労働組合があるときはその労働組合、過半数を組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者と使用者のとの書面による協定をいいます。例えば、方て労働時間を越えて労働(残業)させるには、使用者は労働者の過半数を組織する労働組合、または過半数を代表する者との間で労基法361項に定める時間外労働に関する労使協定(いわゆる36協定)を結ばなければならない。この36協定などを労使協定といいます。労基法上、他に労使協定を結ばなければならないのは

・1ヶ月変形労働時間制(32条の2)

・フレックスタイム制(32条の3)

・1年変形労働時間制(32条の4)

・一斉休憩の適用除外(342)

・事業場外労働のみなし労働時間(38条の2第2)

・専門職の裁量みなし時間(38条3)

・計画年休(39条5項)

 ・年休手当額(標準報酬日額相当額)(396)

・社内貯金(182)

・賃金控除(241)

・育児・介護休業の対象から除外する労働者を定める労使協定(育児介護休業法6条1項但書、同122)

 

上記の中で、労基署に届け出て初めて効力が発生するのは36協定だけです(ということは、届けていない場合は無効ということ。労基法と入力すれば、労基法が出てくるから、詳しいことは各自で調べてね。)

 

 

労働局は例をあげて回答しました。

あるファミリーレストランは、正社員3人、パート10人。就業規則を正社員3人で決めていることが分かったので、指導に入った。

500人の企業で、労働者代表選出に200人しか参加していなくて、300人が欠席していても、選出会議が無効であるとは言及できない。廊下に張り紙で公示してあれば、たとえ300人が参加していなくても選出の効力は発生する。

 

これに対してユニオン側は

パートの労働条件を正社員だけで決めてしまう例や、労働組合がない事業場において、使用者側に立つ人が労働者代表になってしまうケースが多いことを述べ、また労働者側の代表とはいかなる人のことをいうのかを問いました。さらに労働局が明確に指示を出す必要があること、公示すれば参加者が少なくても、その過半数があれば労使協定が結べるとするのは、法律をどう読んでもそういう解釈はできないこと、投票は正規、非正規を問わずその事業場で働く労働者に、1人1票無記名投票を保障するべきであることを主張しました。

 

まだまだ交渉は続きます。次回は≪パート労働法≫≪労働者派遣法≫についてです。次回も是非アクセスしてください。すぐに更新するつもりです。

では今日はここまで。

前回5月下旬に更新すると予告?しましたが、早や6月に入りました。

前回ブログを更新した後、少しの間ドイツのミュンヘンへ行ってました。

行く前の日本と、ドイツ滞在中とに、対照的な体験をしましたのでまずこれを紹介します。

 

強制連行に関することです。

戦前から、特に戦争末期の2.3年前には、朝鮮半島から中国大陸から多くの人々が労働力として日本に強制連行されていました。

 

詩人の茨木のり子さんが「劉連仁(リュウリェンレン)物語」を書いておられます。

私は、世界史の授業でこの一大叙事詩を取り上げるのですが、私の早口をもってしても、朗読に1時間強かかります。勿論事前にプリントを配り、予備知識を学んだ上でのことですが…。

一部を「続きを読む」で紹介します。『りゅうりぇんれん物語 詩集鎮魂歌』(思潮社1965)から引用

 

丹波マンガン記念館

4月下旬、京都にある「丹波マンガン記念館」の館長李龍植(リリョンシク)さんのお話を聞く機会がありました。これから紹介する内容は、『ワシらは鉱山(ヤマ)で生きてきたー丹波マンガン記念館の精神史』から採りました。

この本は、館長のお父さんの還暦の記念に作成された本です。館長のお父さんは、マンガン鉱夫として働いていました。

 

マンガンは、単独では使用されないが、鋼材の脱硫酸用(なんのことですかね?)、ジュラルミン、乾電池などに使用されている鉱物のことで、世界的な産出国は、ロシア、南アフリカ、インド、ブラジル。日本では海外の安価な輸入品に押されて、今では採掘していないけれど、明治から、1980年代まで採掘していました。

 

近畿地方のマンガン鉱床は、殆どが丹波山地の中央部に密集し、鉱床は500.比叡山、大文字山から大津市、琵琶湖西岸、南岸にも鉱床の分布がみられる。

 

「強制連行」は、1937年の日中戦争勃発後の労働力不足を補うため、1939年から国策として行われました。最初は「募集」の形で、戦争の拡大とともに「徴用」の形で、日本の敗戦までに約160万人が日本に連れてこられ、このうち、軍艦や大砲などの生産に欠かせないマンガン採掘に朝鮮人が労働力として使われ、約15万人が送られました。

 

マンガンを掘り出すためには、まず坑道を作り、次にマンガン採掘です。いずれも、手掘り、もしくはダイナマイトで爆破します。その粉塵を吸入した結果、喘息やじん肺になります。記念館のHPアドレスです。

http://www6.ocn.ne.jp/~tanbamn/index.html

 

なぜ李貞鎬(リジョンホ)さんはこの記念館を建てようとしたのか?

「それは、戦争中に強制連行などで働かされ、若死にしたり、いまは散りじりになってしまった同胞のために、かつて彼らが生きたモニュメントとして残したいと考えた」ことが発端です。李貞鎬さんは1995年にじん肺のために62歳で亡くなられました。

 

現館長は次のように語っています。「多くの人がマンガン・鉱山の勉強に来られるので、マンガン記念館を作ろうと町に補助を求めたが、前京北町長は『金や銀なら良いが、マンガンなどは誰も知らなし、見学者は来ない。また、部落や朝鮮人の働いた歴史など暗いイメージで町のイメージが悪くなる。』と協力せず、逆に邪魔をして妨害した」。このマンガン記念館は、全くの家族でだけで1989年に作られました。維持費だけでも、毎年何百万もかかり、大赤字で、もう持ちこたえられない、限界だと館長は言っておられました。

 

ダッハウ強制収容所

次はドイツのでの体験です。

ナチスが作った収容所へ行きました。ダッハウ強制収容所といい、ミュンヘンの中心から電車で30分くらいのところにあります。

 

この収容所は、1933年にナチスが最初に作った収容所です。この収容所は、後に建てられた全収容所のモデルとなりました。教科書には「アウシュビッツ」が出てきますね。アンネの日記でもよく知られています。何がモデルになったかというと、ナチ親衛隊員(SS)のための「残虐行為の養成所・訓練所」でした。収容所があった12年の間に、ヨーロッパ各地から20万人以上の人々が、ダッハウ及びダッハウ収容所所管の各地の小規模収容所に拘留され、その内43000人以上が死亡しました。1945429日、アメリカ軍が生き残った人々を解放しました。

 

この収容所は、ドイツバイエルン州が支援しています。入場料は無料です。

 

この2つの何が対照的でしょうか。

 

マンガン記念館の館長李龍植さんの言葉があります。

「日本人は、戦争中の被害(広島・長崎)は言うが、加害は言わない」。

これらの施設を管理している団体も全く違います。個人、それも被害側が必死で持ちこたえているのと、加害側が税金を使って支援しているのと。

 

こうして考えてみると、日本の労働者の働きぶりに、この2つの施設の違いの根っこのところが繋がっているように私には思えます。

 

さてと、このブログの目的を忘れてはいけません。労働問題について一つ報告します。

以前、200636日のブログ「院内集会」の続きです。

 

国会議員を前にして、各地から議員会館に集まった女性たちは、「賃金差別や待遇、セクシャル・ハラスメント」について切々と訴えました。そのなかに若い女性がいました。私は丁度彼女の真後ろに座っていたので、彼女が緊張しているのがよく分かりました。彼女が何を訴えたのか、面倒でない人は以前のブログを見てください。

面倒な人は、彼女の弁護団のコメントを以下に紹介します。

また彼女のブログにアクセスしてみてください。

http://shigemitsu.blog40.fc2.com/blog-entry-271.html

 

≪弁護団のコメント≫

2008年4月22日、東京地裁において、株式会社東芝の社員がうつ病に罹患したのは過重業務が原因であるとし,解雇は無効であるとの判決が言い渡された。
原告は,被告株式会社東芝に就職し勤務していたところ,平成12年11月頃より被告会社内で発足したプロジェクト業務に従事し,長時間残業・休日出勤や各種会議開催等の過重な業務により,業務上の過度のストレスを受け,そのためにうつ病に罹患し,平成13年9月4日より休業を余儀なくされた。そして,東芝は,原告が業務上の疾病に罹患しているにもかかわらず,休職期間満了を理由に,平成16年9月9日付けで解雇する旨の通知を同年8月6日に行った。
本件は,原告が東芝に対し,解雇の無効確認(労働契約上の権利を有する地位にあることの確認),並びに,治療費・賃金と傷病手当金等との差額分・慰謝料等及び平成16年9月以降の賃金を請求した事案である。本日の判決は,原告側の主張をほぼ全面的に認め,
1 原告のうつ病発症(平成13年4月)は,平成12年12月から同13年3月にかけての長時間労働等業務に起因するものであり,
2 労基法19条1項により,解雇は無効であり,賃金の支払いを命じ,
3 被告に対し安全配慮義務違反があったとして損害賠償を命じた。
本判決は、今日の日本の職場の状況に照らして,画期的な意義を有する。
1 即ち,過重な業務が原因でうつ病に罹患した労働者を,会社が一方的に解雇するなど不利益取扱いをするケースが多い。本判決は,被告会社を含め日本の企業に対して重大な警告を発するものである。
2 また,本件で熊谷労基署の業務外決定の誤りが事実上明確となった。労働行政は,労働者を保護するべき役割を今後きちっと果たすことが強く求められる。
3 本件被告東芝は,日本の代表的な企業である。本判決を真摯に受け止め,職場を改善し,労働者の健康を守るよう抜本的に努力すべきである。

 

でも東芝は、即日控訴しましたでは今日はここまで。

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53日は憲法記念日。今年は改憲の声が昨年ほど強くなく、改憲反対の人は66%、賛成の人は23%だと報道されていました(朝日53)

 

「衣食足って礼節を知る」が、「居職足らない」昨今だから、憲法に謳われている生存権は、「絵に描いた餅」状態で、かえって人々は改憲論議に冷静なのかもしれません。

 

さて、画期的な更新です。まさかこんなに早い更新とは誰も思わないだろうから、アクセスは当分ないでしょうね。

 

ILO100号条約勧告適用専門家委員会からの勧告の最後部分です。

前回に引き続き、勧告文をそのまま紹介し、後半に私の解説兼感想を書きます。なかなか難しい文言が並びますが、ILOが日本政府にどのような要求を突きつけているか、めったにお目にかかれない文章なので、我慢してお付き合いくださいね。音読なんかどうですか。

 

7.間接差別

本委員会は、間接差別とみなされる措置について判断する権限を厚生労働省に与えている均等法第7条に関する先の意見を想起しつつ、2006年の均等法改正に続いて修正された均等法の施行規則第2条が、以下の3つの措置を規定していることに留意する。すなわち、(1)労働者の身長、体重、体力に関する要件、(2)コース別雇用管理制度における労働者の募集と採用に関連して、住居の移転を伴う結果となる配置転換に労働者が応じられるかどうかにかかわる要件、(3)職務の異動と配置転換を通じて得られた労働者の経験といった昇進のための要件である。委員会は、間接差別に関する一般的定義が、均等法の指針(「均等法指針」)の中に含まれており、施行規則第2条に列挙された事例に含まれない間接差別は司法により違法とみなされるとする政府の指摘にも留意する。政府は、問題の見直しを続け、判決の動向を踏まえつつ、必要に応じて施行規則第2条を改正するとしている。連合は、間接差別に関する均等法の限定的な規定が国際基準に合致するかどうか疑問視しており、引き続き間接差別の範囲を特定しない幅広い定義を同法に盛り込むよう求めるとした。WWNも、間接差別のより幅広い定義が適用されるべきであるとの意見を提出している。報酬に関するあらゆる形態の間接差別は、本条約に即した措置を講じられるべきであることを想起しつつ、委員会は、均等法第7条とその施行規則第2条の適用に関する詳細な情報を提供することを日本政府に求める。委員会は政府に対して、労働者団体および使用者団体と間接差別問題について協議を続け、関連する裁判について報告し、間接差別の定義によって報酬に関するあらゆる形態の間接差別が効果的に保護されることを保障する上で、いかなる進展がみられたかを報告するように求める。

 

前回のブログの雇用管理区分と全く矛盾する概念が、この間接差別です。「あなたは男性だから賃金が高い。あなたは女性だから安い」は直接差別。結果的に見れば、パートで働いているのは女性が圧倒的に多いとか、いつまでもヒラのままでいるのは女性ばかりというのは、間接差別です。

 

この観点からみると、間接差別が上記()()()だけであるはずがない。例えば「福利厚生の適用や家族手当等の支給に当たって住民票上の世帯主(又は主たる生計維持者、被扶養者を有すること)を要件とする措置」で、女性が排除されてきた例はごまんとあります。圧倒的に世帯主は男性ですから。こういう()()()以外にも間接差別はあると均等法の指針(均等法を具体的に運用していくための方針)には書いてあります。

だからこの3点以外を争った裁判の判例をも参考にするとすると指針で述べているのなら、なぜわざわざ3点だけに絞ったのかと、委員会は日本政府に問うています。

 

また、今回の改正均等法に間接差別として考えられる例を3点に限定して列挙してあるが、そのことによる効果を報告すること。それと、これが最も重要なのですが、「間接差別を限定して列挙するのではなく、≪間接差別はダメ≫と、範囲を特定しないで均等法に明記しなさいと委員会は政府に求めています。

 

この間接差別を均等法に明記するように労働者側代表は求めていましたが、使用者側の強固な反対によって、限定列挙になってしまいました。均等法制定の審議会で間接差別を議論してきたにも関わらず、突然限定列挙となって、それまで積み上げてきた議論がどこかへ消えてしまった経過があります。こういう点も専門家委員会は多分把握しているのではないでしょうか。だから、労使で、論議を続けることをも求めています。

 

8.コース別雇用管理制度

本委員会は、政府報告から、2006年「女性雇用管理基本調査」によれば、コース別雇用管理制度をとっている企業は全体の11.1パーセントで、2003年と比較して1.6パーセント増である点に留意する。コース別の男女間分布に関して、新たな情報は得られていない。連合とWWNの双方とも、コース別雇用管理制度が、事実上、依然として男女差に基づく雇用管理として利用されていると主張している。両者は、政府が出した「均等法指針」では、男女差別の禁止の適用を各「雇用管理区分」内に限定しているために、同一価値労働同一報酬原則に反して、別の区分で雇用された男女間の比較を排除することになる。そのため政府によるこの指針が、男女差にもとづく雇用管理の端緒を開くことになったとも両者は主張している。委員会は、企業によって設けられた異なる雇用区分に属する男女に対して、本条約原則の適用を制限することはできないと考える。本委員会は日本政府に対して、委員会の審査のために「均等法指針」のコピーを提供するとともに、もしあれば、連合とWWNによって提起された上記の問題に返答する意見を提供するよう求める。委員会は、とりわけコース別の男女数を含め、コース別雇用管理制度がどの程度用いられているのかについて、最新の統計情報を提供することも政府に求める。総会委員会が求めたように、賃金差別に対処する観点から、コース別雇用管理制度が女性の所得に及ぼす影響について、さらに調査するとともに、その調査結果について報告することを日本政府に求める。

 

すごいですね。WWNが提出した均等法の問題点を理解し、コース別雇用管理制度をいつまで日本政府は許しておくのだと、指摘しています。雇用管理区分の何が問題なのかは、前回のブログを読んでください。

 

9.客観的な職務評価

客観的な職務評価手法を促進するための努力を強化するよう政府に求めた総会委員会の要請を想起しつつ、本委員会は、日本政府がこの点に関して取った措置についていかなる情報も提供していないことに留意する。連合は、同一価値労働同一報酬原則を実施するための手段として、客観的な職務評価手法の活用を提案したとしている。本委員会は日本政府に対し、本条約第3条に則って客観的な職務評価を促進するために取られた措置について、次回報告で示すよう強く要請する。

 

日本政府の対応を叱っています。ILOが何度も日本政府に、女性の待遇改善の具体策の報告を求めているにも関わらず、いつも日本政府は数字の羅列と、「改善されている」という回答に終始しています。同一価値労働同一賃金を実現するために、「職務評価をする気が有るのか」と迫っているような文章です。

 

日本はILO100号条約を1967年に批准しています。

ちなみに第3条1項とは、「行なうべき労働を基礎とする職務の客観的な評価を促進する措置がこの条約の規定の実施に役だつ場合には,その措置を執るものとする。」というものです。即ち、同一価値であるかどうかを判断するために,客観的な職務評価を執るように言っています。

 

最後に、もう一度パートで働く人たちのホットラインのお知らせです。

あなたの声を聞かせてください。

5月9日ー11日 パートホットラインで声を上げよう

≪パートホットラインで声を上げよう
いよいよ改正パート法スタート。しかし、現実は?≫

職場から、地域から、あなたの声を聞かせて下さい。

働く女性の全国センターACW2は、07年1月に発足したNGOです。働く女性のホットラインを常設して、女性たちの声を国会や厚生労働省などへ届けています。4月からのパート労働法改正が職場でどのように活かされているか、厳しい現場の声を聴くために集中ホットラインを計画しました。
パート労働者を雇用しているのは、企業全体の65.5%で、従業員規模別では15人未満の企業は43.5%、100〜299人以上の企業では82.1%と規模が大きくなるほど割合が高くなっており、パート労働者は企業にとってなくてはならない存在です。

 今回の改正法は、パート労働者と正社員など通常の労働者との差別的取扱いを禁止するはずのものでした。しかし、ILO175号条約の趣旨である均等待遇から大きく外れ、改正パート労働法で差別が禁止されるパート労働者はわずか数パーセントに過ぎません。今回の改正パート労働法は経営者側にとって、都合のよい法改正となっており、多くの企業が改正されても「影響なし」と答えています。よって、格差の拡大と差別を固定化するものです。3年後のパート労働法の見直しに向け、ホットラインを活用して現場の声を集めながら、私たちが望む均等待遇
を実現できる法律にしていきたいと思います。

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        Email:office@acw2.org

 

 

では今日はここまで。

次回は、5月下旬の更新する予定です。何かいいニュースが報告できるといいのですが。

5月になりました。新緑が目に眩しいほどです。

 

昨日も今日もブログにアクセスしてくださった人があったのに、更新していなくて申し訳ありませんでした。

今日はメーデー、参加した人もいるかもしれませんね。

最近は連休に配慮して、4月中にメーデーを済ませてしまう組合もあるようですが…。

 

日本で最初のメーデーは1920年でした。戦時色が濃くなる1936年には政府によって禁止され、戦後の1948年にまた出来るようになりました。

 

最近、個人加入のユニオンが主催するメーデーに参加する人も多くなっています。従来の企業組合のメーデーと違って、鳴り物入りで楽しそうです。が、それすら規制の対象になると今朝の新聞に載っていました。自衛隊宿舎にイラク派兵反対のビラを入れた人たちが有罪になりました。表現の自由が、じわじわと脅かされているような気配も感じます。

 

さて今日は前々回の続きです。ILO条約勧告適用専門家委員会が日本政府へ出した勧告の後半です。要約するのが難しいので、原文をそのまま載せて、下に私の感想を書きます。読めば読むほど、日本の労働環境の悪さに憤りを覚えます。日本語訳はWWN会員の方ですが、橋下知事の削減財政で彼女の職場の存続も危ぶまれているそうです。

 

20083

ILO条約勧告適用専門家委員会報告

1951年「同一報酬条約」(第100号条約)(批准:1966年)

 

5WWNによれば、労働基準法第4条に基づいて、女性原告の労働が比較の対象とする男性の労働と「同一価値労働」であるとした最終判決は1件に過ぎない。WWNは、同一賃金に関する裁判が余りにも長い期間かかることまた、男女同一価値労働同一報酬原則が法律で規定されていれば、より効果的に同原則が実施できるだろうと主張している。これは、年功賃金制から成果主義に基づく賃金制度への進行中の変化に照らしても必要であった。

 

大阪に拠点を置くWWN(ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク)が、ILOへ、政府の回答とは異なる日本の女性の労働実態を報告しました。

上記文章の部分は、京ガス裁判のことです。

また海老茶色は、住友裁判でもよく分かるように、非常に長い年数がかかります。兼松裁判の原告6人のうち、定年退職したのはすでに4人です。例え、勝利判決であっても、在職中の「どうしてこんなに働いているのに、男性と比べて賃金が低いの」「どうして私が仕事を教えた年下の男性が上司になるの」と、そのときの悔しさは決して回復するものではありません。在職中に勝利判決を聞きたいですよね。しかし、住友金属のように勝利和解で、「女性たちの待遇を改善しなさい」と裁判所から言われ、合意のサインをしたにも関わらず、原告たちは未だに以前と同じ待遇のままということもあります。裁判のその後を追跡することも大切です。

藍色部分は、日本の法律に同一価値労働同一賃金を明記しなさいと言っています。

 

6.本委員会は、男女同一価値労働同一報酬原則は、男女が行う職務または労働を、技能、努力、責任、あるいは労働条件といった客観的要素に基づいて比較することが必須であると強調する。本委員会は日本政府に対して、男女同一価値労働同一報酬原則を規定するために法改正の措置を取るよう求める。委員会は政府に対して、本条約の原則に影響を与えるような労働基準法第4条の下での賃金差別に関する、あらゆる新たな判例について詳細な情報を提供するよう求める。賃金差別に対処するという目的で、雇用管理制度と賃金制度が女性の所得に与える影響をさらに調査するよう求めた総会委員会の政府への要請を考え、本委員会は政府に対して、これに関して政府がとった措置と調査から得られた結果について示すよう求める。

 

ここでは、「あなたの労働の価値と私の労働の価値は同じですよ」という場合の、モノサシ即ち職務評価制を言っています。

9月20日・21日付けのブログで紹介した職務評価を法律にすること。

日本政府が主張する労働基準法第4条が男女賃金差別禁止を謳っているというのなら、賃金差別裁判の判決内容を報告すること。

「均等法に雇用管理区分という言葉があり、これが総合職とか一般職とかの根拠になっている。女性たちが雇用管理区分の文言をなくすように言っているにも関わらず、未だに雇用管理区分が均等法から削除されていない。日本政府は、雇用管理区分が女性の賃金にどのように影響を与えているか、調査して報告しなさい。

 

さて、日本政府はどのような報告をするのか、これも監視していかなければなりません。

 

またまた長くなるので、今日はここまで。

あと2項目勧告は続きます。

旧知の元同僚と三井寺を散策してきました。

疎水の桜も先週末でお仕舞いのようです。桜吹雪の中を歩きました。

 

さて、今日のブログはILO勧告の続きの予定でしたが、緊急性の強いニュースが入ってきましたので、それから始めます。ILO勧告の続編は次回に回します。

 

一つはお知らせです。

私も会員のACW2からです。

 

≪パートホットラインで声を上げよう≫
いよいよ改正パート法スタート。しかし、現実は?

職場から、地域から、あなたの声を聞かせて下さい。

働く女性の全国センターACW2は、07年1月に発足したNGOです。働く女性のホットラインを常設して、女性たちの声を国会や厚生労働省などへ届けています。4月からのパート労働法改正が職場でどのように活かされているか、厳しい現場の声を聴くために集中ホットラインを計画しました。
パート労働者を雇用しているのは、企業全体の65.5%で、従業員規模別では15人未満の企業は43.5%100299人以上の企業では82.1%と規模が大きくなるほど割合が高くなっており、パート労働者は企業にとってなくてはならない存在です。
今回の改正法は、パート労働者と正社員など通常の労働者との差別的取扱いを禁止するはずのものでした。しかし、ILO175号条約の趣旨である均等待遇から大きく外れ、改正パート労働法で差別が禁止されるパート労働者はわずか数パーセントに過ぎません。今回の改正パート労働法は経営者側にとって、都合のよい法
改正となっており、多くの企業が改正されても「影響なし」と答えています。よって、格差の拡大と差別を固定化するものです。3年後のパート労働法の見直しに向け、ホットラインを活用して現場の声を集めながら、私たちが望む均等待遇を実現できる法律にしていきたいと思います。

0120−787−956(フリーダイヤルなやみなくそうコール)
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日 時 2008年5月9日(金)18:00から21:00
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        5月11日(日)14:00から17:00

 

2つ目は、同じくACW2が企画した厚労省交渉の結果の報告です。

410日厚労省で、改正パート労働法について交渉が行われました。

 

関係省庁出席者は、
厚生労働省 労働基準局 監督課 法規係長 
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 短時間・在宅労働課 企画法規係長 
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 短時間・在宅勤務課 均衡待遇推進室係長
厚生労働省 政策統括菅付 労働担当参事官室 室長補佐
厚生労働省大臣官房地方課 労働紛争処理業務室 労働紛争係長
内閣府男女共同参画局 推進課 課長補佐
内閣府男女共同参画局 推進課 推進係長 
(この人たちを官僚というのですよ。)

国会議員は

小宮山洋子衆議院議員、西村ちなみ衆議院議員、郡和子衆議院議員、神本みえ子参議院議員、高橋千鶴子衆議院議員、小池晃参議院議員、福島瑞穂  参議院議員。木原誠二衆議院議員・岡本みつのり衆議院議員・相原久美子参議院議員は秘書が出席。

報道関係者は 朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、NHK

3時から4時というたった1時間の交渉でしたが、このメンバーの出席を依頼し、調整するのは本当に大変なエネルギーを要しただろうと思います。


☆合同酒精のパートタイマーの実態と、このブログに度々登場する名古屋銀行の29年目に入ったパート労働者の坂さんが質疑しました。


名古屋銀行が、今年4月から施行された改正パート労働法を、いかに銀行側に有利に運用しようとしているかは再三団交の様子を書いてきました。

 

合同酒精の方の報告の詳細は分かりませんので、ここでは坂さんのことを報告します。ACW2の報告には、「議員の方からも、改正パート法で懸念したことが現実になった。現場の事例に愕然としたと驚きの声が上がった」とあります。

(改正パート労働法は名前だけで、正社員になる人なんか誰もいないのではないかと最初から言われていました。愕然とした声って、最初から分かっていたはずと、私は「議員の愕然」に愕然としてしまいましたわ。)

坂さんは、名古屋銀行の正行員転換制度について質問しました。最短でも4年、でもこれは昇給が一年で3段階ほどアップしての話し。良くても、年に一度1号昇給するのが普通でしょう。それもパート労働者なのですから。いまや銀行は、カウンターに座っている人も殆どが契約とか派遣とかのパート労働者です。正規と非正規の仕事は交じり合い、明確に線引きはできないのが現実です。それは銀行に勤めている卒業生も言っています。

 

同じ仕事をしている人を、なんやかんやと屁理屈を付けて、順当に毎年1号ずつ昇給して7年もかかる転換制度が果たして、改正パート労働法の目的に合致した制度なのかどうかについての坂さんの疑問に対する厚労省の見解は、「違法とまではいえない」(なんのこっちゃ!!)とのことです。

 

坂さんは仕事が終ってから毎晩遅くまで、今回の交渉のための文章を書き続けました。勿論新幹線代も自前で、一日の賃金何千円かを犠牲にして東京へ行ったのです。本人の疲労感は相当なものだったと察します。疲労は徒労に終るという一日だったようですね。

 

最初から分かっていたはずの結論。しかし、何も言わなければ、何も変わらない。というわけで、一番目のホットラインへ、是非思いの丈をぶつけてください。

では今日はここまで。

膳所周辺の湖岸道路の桜の蕾はかすかにピンクを帯びていましたが、ここ数日の寒さで開花はまだまだのようです。今年はお弁当を持ってお花見に行くつもりです。

 

久しぶりに卒業生と約15年ぶりに会いました。キャリアを積んで、4月からプロジェクトの一員として働くそうです。大商のときに学んだ情報処理とか、簿記とかが仕事上で大いに役に立っていると言ってました。今まで、「簿記検定とか、全く役に立たない」という声を聞くことの方が多かったので、新鮮な響きでした。

聡明で、自らの手で道を切り拓いていく芯の強い素敵な女性になっていました。でも賃金は低いと嘆いていました。

 

さて、今回のブログは、住友金属・化学・電工や兼松の原告、このブログで何度か登場していただいている名古屋銀行のパート労働者、研究者などが昨年9月にILOへ行ったことの報告をします。

「何をしに行ったのか」って?

ILOへ日本の女性の労働状況について直訴に行ったんです。日本政府が全く改善の姿勢がないからです。日本の女性の労働状況については、このブログそのものが語っています。このような内容のことを英文にまとめて訴えたのです。3月に、大阪、福岡、名古屋、東京でその報告会がありました。330日に東京であった報告会で、ILO条約勧告適用専門家委員会が日本政府に出した勧告の内容が明らかにされました。WWN(ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク)の会員が日本語に訳してくれました。カンタンにその内容を書きますが、この勧告を読んだ最初の感想は、「草の根の運動が、ようやくここまで来たか」というものでした。ILOから日本政府がこのような勧告を突きつけられているということを知っておくことはとても重要だと考えます。どれも重要なので、今日は半分だけにします。

20083

ILO条約勧告適用専門家委員会報告 

1951年「同一報酬条約」(第100号条約)(批准:1966年)

 

1.本委員会は、20076月に総会委員会(基準適用委員会)で討議した。その結果、本委員会は、同一価値労働に対する男女の同一報酬を法律上も事実上も、より積極的に促進するよう日本政府に強く要請する。その理由は、政府報告と、同報告に添付された日本労働組合総連合会(連合)20071019日付情報に含まれた本条約適用に関する意見と、「商社ウィメンズ・ユニオン」と「女性ユニオン名古屋」の総代である「ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク(WWN)」の2007523日付情報である。この情報は、2007713日に政府に送付した。

 

☆商社ウィメンズ・ユニオン、女性ユニオン名古屋、WWNのメンバーがILOへ行ったのです。

 

2.男女間賃金格差に関する評価

委員会は、男女間賃金格差が、依然として非常に大きいこと、フルタイム労働者の時間当たり所得格差が、2004年以来拡大していることをとりわけ懸念している。本委員会は、男女間賃金格差の根本要因について、採用と昇進における差別が男女間賃金格差に影響を与えていると日本政府が指摘しているから、これを分析した結果を日本政府が提供すること。また、根本的要因に対処するための行動についても情報を提供することを日本政府に求める。委員会はさらに、男女の所得に関する詳細かつ比較可能な統計情報を今後も提供することを日本政府に求める。

 

3.パートタイム労働

本委員会は、20075月の「パートタイム労働法」の改正が、男女間賃金格差の削減に寄与することを日本政府が期待しているとのことであるが、連合は、パートタイム労働者に対する差別は、依然として多くの面で性別に基づく差別であることを強調しているし、また同法の改正によって新たな保護の対象となるのはパートタイム労働者のごく一部に過ぎないとして、同法の改正は不十分であったと述べている。本委員会は、改正パートタイム労働法の実際の適用状況についての情報を提供するよう日本政府に求める。この情報には、法改正が男女間賃金格差の解消にどの程度、寄与したのかに関するものも含む。日本政府はさらに、改正法の下で賃金差別の保護によって利益を得るパートタイム労働者の比率を性別によって示すとともに、この保護をパートタイム労働力に対してさらに総合的に拡大することを考えているかどうか述べるよう求める。

 

4.同一価値労働

労働基準法第4条では、「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」と規定している。が、同法が同一価値労働同一報酬の基本に触れていないことから、本条約の原則を十分に反映していないと考えている。日本政府は、報告の中で、「第4条は本条約の要件を十分に満たしている」とする見解を繰り返している。内容の異なる仕事を行う男女間の賃金格差は、労働基準法第4条に違反するとした判例もあり、企業内で1つの職務から他の職務に労働者を配置することは、長期の人的資源開発を保証するものであり、日本では慣行であったと説明している。しかし、その場合、賃金は「職務遂行能力」に基づいて決定されたのであり職務評価に基づいたものではないと本委員会は考えている。

 

(勧告文は、独特の表現です。よって私が訳者に断りも無く勝手に表現を変えました。)

 

次回もILO勧告の続きです。

では今日はここまで。

今回のブログは、前回報告した、悩める卒業生が正社員になったことの続きです。

 

彼女が、3児の母で、正規と非正規の境界線の年齢35歳を少々超過していたにも関わらず、正社員になることができたのは、彼女が優秀だったからは当然のことですが、それ以上に、何よりもラッキーであった、というのが私の正直な感想です。それくらいに、これは奇跡としかいいようがないほどのことなのです。奇跡は彼女にとってはラッキーでしたが、雇用される側から言えば、困ったことです。奇跡は、雇用が不透明で一貫性に欠ける事の同意語でもあるからです。

 

彼女が面接に行ったときから報告を受けていました。

面接のときに、確か「中途採用(年齢のこと)は前例がないから、あなたは嘱託から始めてもらいます。」と言われたと記憶しています。

「『何年嘱託を続ければ、正社員になれますか』と聞いたか?」と私。

「よう聞かんかった」と彼女。

この会話の記憶があるので、悩める卒業生からのコメントやメールで、正社員が帰った後も、嘱託の彼女が働いていたこと、また正社員である前任者が何年もほっておいた沢山の書類の分類と綴じ込みを3ヶ月間、来る日も来る日もやり続けたこと等を知っていました。だから彼女が正社員化を要求したとき、決してそれが無謀な要求ではないと彼女に言いました。

 

彼女の要求に対して、会社の最初の回答は、「転勤できますか」「残業できますか」というものでした。この段階で彼女は怖気づきました。

「残業できますか」に対しては、彼女の父上の言葉「社員になったら、お先です〜って、帰れば良いやんか。残業しないからって、クビにはできひん」に勇気をもらい、出たとこ勝負と気持ちを固めました。

残るは「転勤」。彼女が今いる部署で、嘱託にも関わらず、ずっと残業をし続けていたことは彼女からのコメントで分かります。ということは、この部署は人手不足なのです。もし正社員になった途端、転勤となればこれは明らかに「いやがらせ」と考えられます。そのときは、個人参加のユニオンに入って闘うと、これも最後は腹をくくったようです。

 

手前味噌ですが、彼女がこのブログを読んでくれている一人であること、ブログによって、闘っている女性が全国にいることを知ったこと、陰ながら私も労働問題に詳しい友人からの情報を提供したことが、彼女の行動を後押ししました。家族で引越しするほどの転勤は無いはずです。片道30分くらいはあるかもね。

 

当初、会社側は「正社員になりたいのなら、転勤は覚悟しいや」と言いま

したが、この転勤に関して、兼松裁判の原告が出した資料がありますので、紹介します。こういうことも知っていれば、「転勤」の言葉に怖気付くことは少しは軽減されるかもしれません。

 

東京地裁での兼松の原告の申し立てに対して、東京地裁は次のように述べている。

「転勤によって形成される知識・経験・業務処理能力は異なるから、転勤を予定するかどうかが男女間の業務知識や業務処理能力の格差を決定付ける。」

 

これに対して、兼松の原告側は、次のように反論する。

「地裁の判決を裏付ける事実及び根拠を何も示していない。一般的に、日本の企業において、男性社員を対象にローテーションとして転勤を経験させて管理職に登用するというキャリア形成が企画され、それが、日本の女性労働に低い賃金などの待遇を余儀なくさせてきたことは事実である。しかし、職務の実態はこれと全く異なり、男女で異なるものではなかった。特に総合商社においては、担当商品や貿易実務に関する専門性を深めることを旨とし、適材適所の観点から転勤の必要があればこれを実施するというものであって、日本型雇用の特徴として指摘されてきた人事ローテーションによるキャリア形成とは全く異なるものであった。総合商社において、転勤がなければ熟練が形成できない業務分野も存在はするが、そうした分野は限られている。」「兼松においても、転勤のないまま定年を迎える社員は少なくなく、職掌別制度を導入する以前には相当数の男性社員が転勤をしていなかった。」

 

話しを元に戻して、悩める卒業生のように、「正社員になりたいのなら転勤も覚悟を」の一言を言われたなら、その会社でどれくらいの割合の人が転勤しているのかの資料を示すよう、会社側に迫りましょう。東京地裁と同じ様に、単なる思い込みだけのことも多々のような気がします。

 

冒頭に、彼女はラッキーだったと書きましたが、最終的に彼女を正社員に採用したこの会社は、規模的に一人ひとりの従業員との距離の近い会社であったことが最大の勝因だと思います。彼女の真面目さ、能力の高さをきちんと評価するだけの上司がいたこと、その上司の判断が決定権に繋がる組織の会社であったこと等も含めて、彼女にはラッキーな就職先でした。嘱託から正社員へ、今後職場において、どのような変化があるのか、また彼女に報告してもらいましょう。ともあれ、41日、若い社員と一緒に入社式を迎える彼女に、心からの祝福を送ります

(たかが正社員になっただけなのに、この喜びようが、今の日本の労働者の状況をよく表しています。)

では今日はここまで

200841日から「改正パート労働法」が施行されます。

名古屋銀行で28年間パート労働者として働く女性が、今回の改正パート労働法を根拠に、正行員化を求めました。銀行側との団体交渉の様子を昨年、何度かにわたり、このブログに載せました。(詳しくは昨年4月23日、6月20日、7月1日、7月30日参照してください)。

 

先日、この、改正パート労働法の学習会がありましたので、今日はその報告から始めます。

結論から言えば、個人で使うにはハードルが高すぎるという感想をさらに強くしました。

 

講師は弁護士の平方かおるさんでした。学習会のレジュメと厚生労働省が発行している「パートタイム労働法が変わります」から一部引用して、説明していきます。

≪「短時間労働者の雇用管理の改善に関する法律」改正の6つのポイント≫

パートタイムを4つの類型に分けてそれぞれに応じた待遇を保障することとしたこと。

労働条件明示義務を努力義務から罰則を科して強制する義務としたこと。

通常の労働者への転換を推進するための義務を定めたこと。

待遇の決定に当たって考慮した事項の説明義務を定めたこと。

苦情の自主解決のための手段、方法を定め、自主的解決を行うことを努力義務として定めたこと。

都道府県労働局長による紛争解決援助義務を課し、また調停による解決も予定したこと。

と、これら6点がポイントなんだそうです。

 

パートタイムを4つの類型に分けるという点に関して、ではあなたはどこに該当するか考えてみてください。

その前に確認。

この改正パート労働法に該当するのは、その会社で通常働いている労働者の労働時間よりも短い人が該当します。フルタイムパート(完全に日本人の間でしか通用しないヘンは概念)には、この法は適用されないのですが、「適用されないが、類推適用される」のだそうで、フルタイムパートの人も参加してください。(法律の解釈はややこしいですね)

 

まず5つ(A〜E)の条件があります。これがいくつ当てはまるかで、類型できます。

5つの条件。

A:通常の労働者より1週間の所定労働時間が短い。

B:通常の労働者と、業務の内容及び責任の程度が(職務の内容)が同一。

C:通常の労働者と、一定期間、人材活用の仕組みや運用などが同じ。

D:通常の労働者と、雇用終了までの全期間、人材活用の仕組みや運用などが同じ。

E:無期契約(これと同視すべき有期契約を含む)

 

第一類型=A

第二類型=A・B

第三類型=A・B・C

第四類型=A・B・D・E

 

あなたの類型が分かりましたか?

 

では次に、類型に応じた待遇を確認してみましょう。

賃金は2つ(a、b)あります。

a  :職務関連賃金:基本給、賞与、役付手当等

b:a以外の賃金:退職手当、家族手当、通勤手当等

 

教育訓練も2つ(c,d)あります。

c:職務遂行に必要な能力を付与する

d:c以外のもの(キャリアアップのための訓練など)

 

福利厚生も2つ(e,f)あります。

e:給食施設、休憩室、更衣室

f:e以外のもの(慶弔休暇、社宅の貸与等)

 

以上の類型に応じた待遇を、事業主が講じなければならない程度は次のようになります。

◎…パートタイム労働者であることによる差別的取扱いの禁止

○…実施義務・配慮義務

□…同一の方法で決定する努力義務

△…職務の内容、成果、意欲、能力、経験等を勘案する努力義務

 

これを、パートタイム労働者の4類型に当てはめると、次のようになります。

第一類型:aは△。bは該当しない。cは△。dは△。eは○。fは該当しない。

第二類型:aは△。bは該当しない。cは○。dは△。eは○。fは該当しない。

第三類型:aは□。bは該当しない。cは○。dは△。eは○。fは該当しない。

第四類型:aは◎。bは◎。cは◎。dは◎。eは◎。fは◎。

 

次に、この◎、○、□、△の区分の効力を見て行きます。

◎は禁止事項なので、当然違反すれば罰則があります。○の実施義務と△の努力義務の違いは、法律の専門家によれば、「実施義務違反」は裁判で闘うことができるが、「努力義務違反」は裁判では闘えないということだそうです。

 

こうして見てみると、まことにこの改正パート労働法は、実のない法と言えます。◎の付く人は、4%とも、1%ととも言われていますが、肝心の政府にしてもはっきりとした数字を示すことができません。私が調べた正社員と同視できるパート労働者の数字は「続きを読む」に入れておきますので、関心のある方はどうぞ。

意外に事業主は、正社員とパート労働者の区分を、論理的に定義していないようです。

 

どうですか。自身の類型と待遇が合致していない場合、あなたは会社側と個人で交渉することができますか。

今回の、パート労働者の願いとは大きくかけ離れている改正パート労働法を、少しでもパート労働者のための法にするには、どう考えても個人では無理。ユニオンのような労働組合の一員になって、集団で対峙するしか方法がないようです。

上記の「努力義務違反」も、個人ではどうすることもできませんが、事業主が努力をしているかどうかを労働組合が点検し、団体交渉で使うことができるそうです。

 

改正パート労働法については、次回も続けます。

さて次は嬉しいニュースです。

1月29日のブログ「悩める卒業生からのメール」を紹介しました。彼女からその後の報告がありましたので以下に紹介します。

 

≪華ママさん、コメントありがとうございました。
華ママさんのコメントに「家族にしわよせが」ってありましたね。やはり、私が一番気になるところです。
仕事は自らの意思でしていますので、宝くじが4億円当たっても何らかの仕事はしていくと思います。
ただし、老後の心配がいらないから、嘱託でもパートでも構わないかも。〈笑)
悩んでいる私に、父が明るく「社員になったら、残業しないからって簡単にクビには出来ないんだよ〜。」って言ったんです。
社員だからこそ、今のように頑張り過ぎなくても、来年の雇用を気にすることも無く自分のペースでやれば良いと。
「目からうろこ」でした。私は自他共に認める 我道を行くタイプですが、1年後の契約更新の為に頑張りすぎていたようです。
社員O.Kとなれば、ラッキー!と思って、生活と仕事のバランスを考えて、自分の思うように働きたいと思います。
もちろん、仕事の手を抜くわけではありませんよ。
「働くママ」の銀行員の方(ブログ作成者の注:212日のブログで紹介したAさんのこと。また彼女については、インターネットで「京都新聞」→「TOP」→「右側下方『社説・コラム・ニュース詳報』の下方「働くママは今」→「()時間と手間のロス省く」の女性は彼女です。)の、同じ業務でも時間の無駄を極力減らすというのにも刺激を受け、前以上に業務の効率化に目覚め、時間削減に成功しています。職種柄、経理部門は決算と監査時期は地獄・・・。決算は1年目で部分部分の手伝いをした程度で、よく理解出来ないので業務の効率化は難しいですが、そのために何をどんな風に揃えたりまとめたりすれば良いのか、手順書を含め作成して、段取りよく出来る下地を作れば前よりはずっと楽になるはずなので、頑張ります!
悩める卒業生より≫

 

そして報告が来ました。彼女はついに今年の4月から正社員になります。来年の契約更新の話のときに勇気を出して「正社員にしてください」と言ったことが実りました。今日は長くなるので、報告だけに止めますが、彼女が正社員になれた要因は次回に検証していきます。

 

では今日はここまで。

続きを読む

またまた長いブランクが生じました。お許しください。

 

毎日放送ラジオで、このブログのことを取りあげていただきました。卒業生の声も放送されました。さすがプロ。最後に同一価値労働同一賃金と、それに至る職務評価も紹介していただきました。京ガス事件の屋嘉比さんのコメントもありました。「職務評価をすることで、自分の仕事に自信を持つことができます」の言葉は、職務評価の意義をよく表しています。

 

そして、放送日(16)には、沢山の方がこのブログにアクセスしてくださいました。ありがとうございました。それにも関わらず私は、今日まで全くブログを更新できていず、もう呆れられて、見捨てられたかもしれませんね。

お気に入りに登録してくださった方もあったとか。頑張って書いていきますので、末永くお付き合いください。

このブログは、カテゴリに分けていないので、とっても読み辛いのです。一回のブログに、いくつもの内容が含まれるので、カテゴリに分けにくいのですが、レイアウトに工夫をして出来るだけ読みやすくなるよう努力します。お気づきの点がありましたら、コメントください。 

 

商社兼松裁判のその後の詳細が分かりましたので、まずはこのことから報告します。

原告のお1人からACW2の会員に向けて、次のようなメッセージが届きましたので聞いてください。(と言ってもブログなので、文字だけですが…)


東京高裁で1月31日に出された判決は、「男女の差によって賃金を差別する状態を形成、維持した被控訴人の措置は、労働基準法4条、不法行為の違法性の基準とすべき雇用関係についての私法秩序に反する違法な行為」とされ、これはコース別賃金が労基法4条に違反とした高裁での初めての判決です。
判決では男女で仕事の質に違いが無く女性が定年まで働いても男性の27歳の賃金に達しない大きな賃金格差は性差別としました
しかし、原告4名に対しては男性の30歳位までの賃金差額を認め原告2名についてはまったく請求を認めないという判決でした。私たちは全員の勝利に向けて最高裁に2月12日に上告しました。
今後はさらに皆さまの大きな支援をいただき、一生懸命自分たちの運動を広げて行きたいと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。
           兼松女性賃金差別裁判原告  

 

このメッセージを使って、兼松裁判を解説します。

 

下線部,砲弔い董

労働基準法4条(男女同一賃金の原則)

 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

 

コース別とは、総合職とか事務職とか、地方職とか、いろんな言い方がありますが、一般的には総合職と一般職がよく使われます。主に、総合職が男性コース、一般職が女性コースです。なぜコースを作ったかというと、1986年に施行された均等法の指針に、「雇用管理区分」という文言があったからです。これに関しては、もう今までから何度もこのブログで書いています(20060523日・924日参照のこと)。要するに雇用管理区分がコース別人事を生み出したのです。

指針は、その法律を運用するための具体的な方針のことです。あくまでも均等法が親分の法律です。裁判で「コース別人事による賃金は労基法4条に違反」は、「均等法は労基法4条に違反」ということになり、画期的な判決ということができます。

 

下線部△砲弔い董

兼松裁判の原告側の証拠として、職務評価が提出されました。このブログでも度々ご登場いただいている昭和女子大学森ます美教授が評価されました。この証拠から、6人の原告の職務評価と賃金との関係を紹介します。

原告は6人。新聞等で実名報道されていますので、このブログでも実名で紹介します。

木村さんは、鉄鋼の輸出取引業務。織田さんは、羊肉の輸入取引業務。小関さんは、原糖購入、精糖の国内取引・輸出業務。逆井さんは、紙製品の国内取引業務。守さんは、物流管理業務。本間さんは、鉄鋼統括室業務。

 

仕事内容の詳細は省きますが、ヒャー!凄い仕事をされていたのだと、森先生の鑑定意見書を読んで心底思いました。5人の職務評価と賃金格差を見てください。男性を100とした場合です。(週刊金曜日222日号)

守さんの職務評価点は111、賃金は48。逆井さんの職務評価は92、賃金格差は58。小関さんの職務評価100、賃金格差は67。木村さんの職務評価は95、賃金格差は54。織田さんの職務評価は102、賃金格差は63(本間さんの資料は記載されていませんでした。私が参考にしているのは、20076月に開催されたILO総会のために作成された資料に基づいて書いています。これには本間さんの記述がありませんが、総額約7300万円の内、本間さんは二番目に高い額ですから、職務評価と賃金格差にかなりの差があることは確かです。)

 

下線部について。

兼松が、コース別人事から成果主義という名の下に、新たに導入した制度については、この裁判の原告でもある逆井さんの院内集会での証言がありますので、「続きを読む」に入れておきます。

 

下線部い砲弔い董

弁護士は言います。38千万円の根拠は、原告と一般職(兼松では所謂総合職を一般職、一般職とか事務職とかを事務職)の賃金の差すべてと、退職金等の付加給を含めた額です。しかし、認められた額は、その約五分の一の7300万でした。この7300万円の根拠は、裁判所が1ヵ月当たりの違法な賃金格差を10万円で計算したからだそうです。この法的根拠は民法第248条で、これは「損害の認定が困難なときに、裁判所が適切に決めることができる」とした条文です。裁判所はこの248条を用いて、1ヵ月10万円にしたことになる。また、同じ職場の同じような仕事をしている30歳代くらいの男性よりも責任が低いから、1ヵ月10万円くらいの損賠賠償の額でいいだろう。

 

下線部イ砲弔い董

逆井さんと織田さんの2人は、差額賃金請求を認められませんでした。その理由は次のような内容です。

逆井さんは、原告たちが請求した年、平成441日以降、専門性が必要な職務を発行していない。秘書の仕事でした。それ以前の仕事は、一定の専門知識は必要であったことは否定できないが、専門知識や一定の交渉力などにより重要な仕事を行ってきたとは言えないから、賃金の格差を違法ということはできない。

織田さんは、平成441日の時点において10年勤続で、退職した平成8年7月10日時点において役143ヶ月の勤続であり、この勤続年数と職務では、給与の格差を違法とすることはできない。

 

弁護士の専門的な解説を待たずしても、素人にも「へんだなぁ」と思うことがありますよね。

6人の請求額は、3億8千万でした。それが約五分の一の7300万の支払い命令でした。

逆井さんと織田さんが棄却された理由がさっぱり分かりません。

なぜ、30歳の男性と比較するのでしょうか。

今日もまたまた難しい内容でした。

次回はできるだけ早く更新します。では今日はここまで。

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2月になりました。節分の豆まきをしましたか(かなりの時差!ぼつぼつ書いているのでこんなずれが生じる)

年々豆を一つ多く食べることになります。子どもの頃は、もっと沢山食べたかったのに、今は堪能するほどの量です。

 

さて、商社兼松の判決に、会社側はすぐに控訴しました。原告側も勿論控訴する方針と新聞に載っていましたが、詳細な情報が入ってきていませんので、今回のブログではまだ報告は出来ません。

兼松の判決では、原告6人のうち、4人だけに賠償命令が出ました。「これを、原告の結束を乱すねらいの判決と解釈しないでください」と原告からの発言がありました。薬害肝炎患者の結束と同様に、ここでも原告の固い結束を感じました。最高裁での判決に注目していかなければなりません。

 

216日土曜日、夜8時から9時の毎日放送ラジオで、このブログのことが放送されます。

 

このブログは、女性卒業生の労働の実態調査がそもそもの発端なので、卒業生の声も欲しいとのことで、放送記者のお供をして、3人の卒業生に会いに出かけました。雪の降るとても寒い日でしたが、電車の窓から見る雪景はなかなかおつなものでした。今日はその3人について書きます。

 

Aさん、Bさんの2人は、学校を卒業して最初に勤めた会社でずっと正社員で働いています。Cさんは、正社員から派遣、派遣からパートの職歴があります。

3人とも、個性的な高校生でした。自己の意見を主張できる人たちでした。

3人に共通する私の感想は、同一価値労働同一賃金が、彼女たちに適応されていれば、この3人の働き方、正社員とかパートとかにかかわらず、持てる能力を発揮して、もっと生き生きと働いているだろうというものです。

 

Aさんは、会社始まって以来の育児休暇を3回取りました。家庭と両立させるために、仕事への集中力はすごいものがあります。全く無駄な時間がありません。いかに効率よく仕事をこなすことができるか、考えに考えて、今に至っています。負けず嫌いで、転勤以外の「出来ない」という言葉は彼女にはなさそうです。仕事に見合った給料と昇格と引き換えに定時に退社しています。

 

Bさんは今、任された業績を頑張って建て直したにも関わらず、正当に評価されていないようで、不遇を囲っています。でも、黙っています。今以上の給料を、正社員でくれるところはないと考えているからです。

 

Cさんは、能力を持て余しています。最初の正社員で働いていた企業は、販売戦略のために、彼女を出向させました。そのプロジェクト終了後も、同時に出向した男性は戻ったのに、彼女を本社に戻しませんでした。彼女は、プロジェクトの一員であり、専門職であったにも関わらず、その出向先での補助的な仕事を割り当てられました。彼女は、給料の高い専門職の女性をこうして退職に追い込むのだと会社の意図を察しました。結局、彼女は退職したのですから、まんまと会社の計略通りになったのです。次の派遣先でも、パート先でも、教えられたことはメモを取り、手順を覚え、求められる以上の仕事をこなしてきました。しかし、会社は、彼女の工夫や能力に対して、そういう努力をしない人と同等の賃金しか払いませんでした。彼女には、これから先有期雇用しか残されていません。「あ〜、もったいない」と、彼女を知る私は胸が痛くなります。

 

結局、この3人は、女性という非常に選択肢のない道を歩いています。賃金の面で見れば、正社員の2人は、この道の先を、パートの彼女は、まだスタートライン当たりにいるような感じですが、正社員もパートも、同じ道を歩いていることにおいては同じのようです。

 

同一価値労働同一賃金なら、Aさんは子育てと仕事を両立しているだろうし、賃金が労働の価値に合ったものならば、彼女は昇格を望ます、5時間ほどの勤務を選択していたかもしれません。

Bさん、Cさんは昇格も昇給も果たして、リーダーとして働いていたと思います。そういう姿も見てみたい。)

 

さて、前回の嘱託で働く悩める女性にコメントがありました。華ママの意見は、「そんな会社辞めてしまえ。また他に仕事は見つかるから」でした。さて、あなたの意見はどうですか。

 

明日はまた大津にも雪が降りそう。暖かくして、ではおやすみなさい。今日はここまで。

1月28日、画期的な?いいえ当たり前な判決が出ました。「マクドナルドの店長は管理職か、そうでないか」

東京地裁は、「管理職としての権限を持っていない」として、原告の高野さんに残業代を支払うよう命じました。

しかし、会社側は控訴するとか。

下級審は働いている者の味方、というより庶民の感覚と同じですが、上級審に行くほどかけ離れるから、油断はできません。

昨年「ホワイトカラー・エグゼンプション」が、もう少しで法律になるところでしたが、人々の反発が強くて、結局国会で審議されませんでした。もし法案が採択されていたら、高野さんのような外食産業の店長は、管理職ではなく、では残業代がもらえるかと言えば、ホワイトカラー・エグゼンプションに組み入れられて、残業代が出ないという、最悪な状況に位置づけられていた可能性があります。

高野さんの裁判において、マクドナルド側が、裁判の進行に協力的でなかったのは、ホワイトカラー・エグゼンプションの法律を待っていたからだとも、噂されていました。

(ホワイトカラー・エグゼンプションについては、2006817日のブログを見てください。)

 

次に、株価大暴落!

鳩山弟法務大臣と鳩山兄民主党幹事長はともにそれぞれ40億円の損失を出したとか、新聞に載っていました(2008.01.22朝日夕刊)この株価暴落を受けて、経済連の御手洗氏は「賃上げ」に慎重になってきています。

 

AERA(1月28日号)に「人気企業に強い大学」という特集が組まれていて、そこに年収(年収は会社の四季報による)が出ています。最も高いのは「フジテレビジョン」の1572万円、次いでTBSの1570万円、3位が三井物産の1435万円とあります。

マスコミの現場は、結構、多くの長時間パート労働者が働いていると聞いているので、正社員は隣で働いている非正規の人の賃金をどう思っているのでしょうかね。三井物産に勤めている女性を知っていますが、全く給料は上がっていません。1/3だと思います。

 

卒業生から、メールが来ました。本人の了解を得て紹介します。彼女は、昨年の4月から中規模の会社で、嘱託として働き始めました。正社員になりたい。しかし、月末の残業は仕方ないとしても、ほぼ毎日ある1〜3時間の残業はしたくないという考えの間で、苦しんでいます。もし、会社が「正社員にする」と回答したら、さて彼女は今後どうするべきでしょうか。

以下が悩める卒業生のメールです。

             

 5・10日(ごとび)は、多数の会社が、支払いとか入金をこの日に合わせているため経理にとっては大変です。
人事担当責任者と10月頃に話してて、「正社員にして」って言ったら、「正直、年齢がなぁ。今までから考えて、うちの会社の事務系は27,8歳までやな」と言ってました。正社員、18歳から45歳まで募集って、うそやんねえ

(解説:職安の求人に18歳から45歳まで募集とあったことを彼女は言っています)

正月あけて、7日から出勤しました。7日の日に、会社の健康診断があり、子宮ガン検診を受けたら、おなかが痛くなったので、8日の日に女性上司に言ったら、「様子をみて」って言われたので、我慢していた。年末年始の入出金が多く、一言もしゃべってられない忙しさで、7日も8日も8時過ぎまで残業していたが、9日になっても体がだるく、おなかも痛くて課長(男性)に事情を説明した。
「病院に行きや」と言う一方で、この日のうちにしないといけない銀行データが夕方の4時半になってから回ってきて、やりかけたら、金額が合わない。何とかしてもらおうと思って、「回ってきたデータがおかしいです」と報告したら、「1か所ずつ調べて」ときた。(5時をまわっていた。)
仮にすぐ、違いがわかっても、違いを指摘し、データを作りなおしてもらうように依頼しても、そのデータが戻ってきて、私の処理が終わるのは何時かも見当もつかなかった。そのデータと一緒にもう1つ別のデータがついてくるので、それもしないといけない。向かいに座ってる男性社員に言ったら、「その分はすぐできるって!」と完全に知らん顔。窓際にある、財務会計ソフトの入ったPCで処理をして、6時半前に振り返ったら、その社員も、もう一人の正社員の女性も帰っていなかった。部長まで!!!結局、私と課長だけが残ってた。

さすがにきれた。11日、課長に来週早々に、「業務監査をしている部署に言う!!」と言って、仕事をほって7時に帰った。
15日も忙しくて、業務監査の部署に行く暇が無かったが、昼休みにその部署の人にぼやいたら、「仕事が残ってても、残業をせんと帰りなさい。社員が何とかしたら良いのや。嘱託や派遣の非正規雇用のメリットは時間に拘束されない以外に何も無いのに。個人の雇用契約内容を無視して、明らかに正規雇用者より賃金も低いのに、正規雇用と同じ仕事をさせるのはおかしい。」と言ってくれました。

 

次の日、課長から呼ばれて行くと、その男性職員がニコニコ顔で、「きちんと話を聞いてもらいな〜」とその席を設けてくださっておりました。そこで、私と課長で今後の(とりあえず3月末までは)業務について話し合い、遅くても6時までで帰ると宣言して、16日からは、6時までにさっさと帰っています(^^)

もし来年度から、私の要求が認められて、正社員になった時、残業しまくって、今までの状態で・・・って考えると、正直嫌です。会社のために身を粉にして!なんて馬鹿らしい。明らかに働きすぎの人だけが出世してて、他の人はやる気無しに見えます。この会社は、賃金形態が、管理職以上になると恐ろしく増える。管理職になる前に残業をしまくり、3連休のうち2日も仕事に出ているような人しか管理職になれない。が、管理職になったら、残業代がつかへんし、部下に仕事押し付けてさっさと帰る。この会社の平社員のやる気の無さは、低賃金でこき使われるのを嫌がる原因のひとつかもと思えてきました。もちろん、私が一番低賃金ですが。

        

 

では今日はここまで。悩める彼女へアドバイスをしてください。

昨日は成人式でした。あなたは、何年前になりますか。

当時私は、市のお偉いさん方の主催するセレモニーなんかに全く魅力を感ぜず、またいろんなことにとんがっていたので、成人式には行きませんでした。その当時、結構、そういう若者が多かったのです。

何年前?だって。それはご想像にお任せします。

 

TVで見る限り、せっかく美しい着物姿が、没個性のように思いませんか。同じような髪型、白いショール。孤立することを嫌い、周りに合わせる若者像、これにもそう考えたらいいのですかね。勿体ない。

 

さて、年頭に続いて、明るいニュースはありません。税金はいったい何に使われているのでしょうか、というくらい、人間が生きていく最低限度の、いわゆるセイフティ・ネットがどんどん悪化していくという感じですね。

 

日本の経営者の考えに対して、厚労省が反論を出したので、今日はそれを紹介します。

そうそう、唯一感心したニュースを一つ。

薬害肝炎の原告達の意志の強さです。先日ある会合で、「薬害肝炎の女性たちの一貫した態度」はどこから来るのかの話題になりました。

 

大津商業のある学年は、水俣病の学習をしました。私が担当した学年は、修学旅行で学習したことを一冊の本にまとめています。「まだ持ってますか。私は持ってますよ。」

 

修学旅行の学習の一つに、地元の高校生との交流会がありました。水俣病の原因となった、水銀を含んだ廃水を出していたチッソのことを、水俣高校の生徒は悪く言いませんでした。

唯一といっていい、地元の就職先であるチッソ、親も兄姉も勤めている会社、複雑な環境です。

 

そして、水俣病の原告たちといえば、残念ながら、一枚岩ではありませんでした。

ある人は「薬害肝炎の原告たちは、命を生み出す際に、肝炎になったのだから、そこが一枚岩の理由ではないか」と話していました。

 

私は、半分だけ賛成という感じかな?薬害肝炎の人たちの運動のあり方を是非聞いてみたいと思います。女性たちが、同一価値労働同一賃金を実現するために、参考にしたい運動のあり方です。では本題に戻りましょう。

 

ナント、ナント!薬害肝炎でも水俣病でも、実に冷淡な対応をした、厚生労働省が正義の味方に見えてきますよ。それくらい、経営者側はヒドイということなんですけどね。は規制改革会議の、は厚労省の考え方。

 

規制改革会議は、内閣総理大臣の諮問に応じ、民間有識者15名から構成されているものです。委員は、「規制改革会議」と検索すれば出てきます。文は長いし、お役所独特の表現もあるため、一部カットしています。全文は「規制改革会議第二次答申」で検索すれば出ます。最初は医療関係で、次が労働関係です。

 

規制改革会議「第2次答申」(医療分野及び労働分野の問題意識)に対する厚生労働省の考え方。平成19年12月28日
 

誰にとっても自由で開かれた市場にすることこそが、格差の是正と労働者の保護を可能とし、同時に企業活動をも活性化することとなる。

一部に残存する神話のように、労働者の権利を強めるほど、労働者の保護が図られるという安易な考え方は正しくない。

 

一般に労働市場において、使用従属関係にある労働者と使用者との交渉力は不均衡であり、また労働者は使用者から支払われる賃金によって生計を立てていることから、労働関係の問題を契約自由の原則にゆだねれば、劣悪な労働条件や頻繁な失業が発生し、労働者の健康や生活の安定を確保することが困難になることは歴史的事実である。

契約内容を当事者たる労働者と使用者の「自由な意思」のみにゆだねることは適切でなく、一定の規制を行うこと自体は労働市場の基本的性格から必要不可欠である。同様の理由から、「一部に残存する神話」、「安易な考え方」といった表現も不適切である。

 

無配慮に最低賃金を引き上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらし、同時に中小企業経営を破綻に追い込み、結果として雇用機会を喪失することになる。

 

最低賃金は、最低賃金法に基づき労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められるものである。これらの考慮要素に照らして必要がある場合には、最低賃金の引上げが必要であり、また、こうした観点からの引上げは、直ちに労働者の失業をもたらすものではないと考える。

 

過度に女性労働者の権利を強化すると、かえって最初から雇用を手控える結果になるなどの副作用を生じる可能性もある。

 

女性労働者の権利の保護は、人権上の観点から図られるべきものである。例えば、男女雇用機会均等法等は企業に対し、人権上の観点から、性差別をせずに雇用管理を行うことや、妊娠・出産に係る女性の保護など、当然のことを求めているにすぎない。「過度に女性労働者の権利を強化すると、かえって最初から雇用を手控える結果になるなどの副作用を生じる可能性もある。」という記載は、・人権上の必要性の有無にかかわらず、一方的に女性労働者の権利確保を否定することにもなり得る。「女性の雇用を手控える」企業については、その行為自体が女性に対する差別となり、男女雇用機会均等法上の指導の対象となるなど、人権上あるいは法制度上認められない行為を容認する記述であると考える。

 

まだまだ続くけれど、長くなるので、次回に回します。

どうです。すごいでしょう。「何時の時代のことを言っているのか」という感じでしょう。

 

修学旅行で、長野に行った学年もありましたね。現在39歳当たりの人かな?

岡谷の製糸工場で働いていた女性労働者、「女工哀史」を学習したグループもありました。野麦峠を登りましたね。

飛騨高山で、工女をしていたおばあさんから、当時の話を聞きました。

 

経営者の感覚は、その当時と全く変わらずといった感じですね。

しっかり覚えておかなければならないことは、規制改革会議は総理大臣の諮問を受けた委員から構成されていることです。人選をするに当たっては、当然政府の考えを代弁する人たちです。そういう意味では、厚労省を「正義の味方」と手放しで賞賛してはいけません。大切なことは、このような場当たり的な、未来を無視した意見を言う委員を許しているは、今の政府であるということです。

では今日はここまで。

明けましておめでとうございます。

何もめでたくないという人も、まあ「おはようございます」くらいに聞いといてください。

 

11月、12月とブログをさぼり気味だったし、労働問題に展望は見えて来ないし、気持ちが萎えそうになってきているのですが、頂いた年賀状に「コメントしていないけど、ブログを読んでいます」と書いてあるのを見ると、初心に帰らなくてはと気持ちを新たにしています。

 

今年の年賀状に、「転勤になって、24年間勤めた会社を3月で辞めようと思います」というのがありました。

卒業してから毎年暑中見舞いと年賀状のやりとりをし、結婚の報告も子どもが生まれたことも、事務から営業に配置換えになって、保育園のお迎えの時間には到底帰れないほど遅くまで仕事をしていたことも、そのときの身を引き裂かれるような気持ちも報告してくれていました。

 

葉書の文面から、彼女がどれだけ頑張って「家庭と仕事の両立」をしていたかが分かります。今までのしんどいことを多々乗り越えてきた彼女が出した結論だから、私は尊重しますが、なんとも残念としか言いようがありません。往復3時間の通勤時間は負担が重いですね。

 

これが男性だったら、どういう選択肢があったでしょうか。いろいろと考えさせられました。

 

前回2回にわたって、職務評価について書きました。職務評価制度はEUやカナダでは既に法制化されていますが、その中でも特にカナダ・オンタリオ州の「ペイ・エクイティ法」が最も進んでいる点は、企業に義務付けていることです。また、職務評価をした結果、それまでの賃金を下げてはいけないともされています。

 

例えばAさんの時間給が1000円で、Bさんのが800円とする。職務評価の結果、AさんとBさんの仕事の価値が同じだとされた場合、Aさんの1000円を800円に下げるのではなくて、Bさんの800円を1000円にするのです。

 

このブログで何回も登場願っている京ガス裁判における原告の職務評価を行った昭和女子大学の森ます美教授は、すでに職務評価を実施している日本の企業を調査されています。残念ながら、日本の企業の職務評価は、低い賃金にするための職務評価だそうです。販売職が、殆どパートという働き方で構成されているのは周知のことです。マクドが、店長以外は全員パートというのは当たり前ですものね。

 

こういう職務評価制度は絶対に避けねばならないとずっと思ってきました。しかし、今年は少し考えを変えようと思います。

 

もし、圧倒的に多数の男性正社員の賃金が、パートとか派遣とか、要は非正規と同じ賃金になったら、「あほらしくて残業なんかしてられるか」と、さっさと帰ってしまうのではないか。そうなれば、年賀状にあった彼女も、時間の短いパートで働き続けることができるのではないかと考えるからです。当然、正社員の賃金は下がりますから、これでは生活できません。みんなそろって賃上げ要求ありうるかもしれません。結果的に、生活できる程度に正社員も、非正規も賃金が保障されれば、一時のどん底も、方便になるのではないかと。

 

「そんなの初夢の範囲に過ぎん」という声も聞こえてきそう。

高い賃金をもらっている大手の正社員の皆さん、同じ職場の、頑張っている非正規雇用の人のことも、ちとは考えてみてください。

「もう僕たちの賃上げはいい。その分、非正規の人の回してあげて」と言ってみてください。これは回りまわって、あなたの子どもに、展望のある未来を保障することになるのですよ。

 

なに、初夢どころか、たわごとに聞こえてきたですって。

そうかな〜!

今年もとりとめにない内容になりそう。我慢してお付き合いください。

今日は年賀の挨拶でした。では、今日はここまで。

前回のブログにコメントをくれた50嵐さん、嘱託ゆえにボーナスが支給されていない、悔しいですね。毎日の仕事では、特に正社員とか、臨時とかいちいち考えないで懸命に取り組んでいるのに、給料日とかボーナス日とかには、深く傷つきますね。

 

17日月曜日に、ワーキングプアーの番組がNHKで放映されました。見ましたか

日本、韓国、アメリカ、イギリスのワーキングプアーの現況と、政府の政策について取り上げていました。

特にイギリスは、政府が5兆円を投じて、雇用対策を講じている点が特徴的でした。日本政府の最近の無策、人々の生活に焦点が当たらない政策にはあきれるを通り越して、情けなくなりますね。一体税金はどこに使われているのでしょうか。この程度の政治なら、素人の私にもできるという感じです。

規制緩和政策を推し進めるのなら、そこから弾かれた人への対策を講じるのが、政府のなすべきことと思うのでが…

さて、今日は、前回の続き、グリーンの部分についてです。

(1)労働者の受ける不利益の程度、

(2)労働条件の変更の必要性、

(3)変更後の就業規則の内容の相当性、

(4)労働組合等との交渉の状況

これも朝日の記事から引用します。これらの実例は、前回も書いたようにACW2等に寄せられたアンケートからのものです。

 

事例1≪契約社員の労働時間が短縮され、賃金が大幅に下がった。正社員労組は同意した。≫

例えば、この事例で、()()までに照らし合わせて、合理性が認められないと判断されたとする。

(前回も書いたように誰が判断するのかは明示されていない。労働基準監督署か、はたまた裁判か。労基署は人手がないし、早急の判断は期待できない。裁判はもっと時間がかるし、お金も要る)

 

今回の労働契約法では

≪労働契約の成立≫
労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。

とあります。だから、この事例では、いくら正社員労組が同意しているからといっても、この契約社員個人が合意していなければ、会社側の労働条件の変更は無効です。

(ここでも「でも」って言いたくなりますよね。個人で「合意できません」と言えますか)

 

では、来年の4月から実際にこのようなことが生じたらあなたはどうするか。

そう、「合意できません」といい続けるしかないのです。

 

ACW2に以下のような実践例が出ています。これで何とか持ちこたえて、私に言ってきてください。
就業規則を見せられたら、「見ましたが合理性があるか理解できません」と書面で書いて会社に送りつける。

何回、示されても、理解するために勉強しなければいけないし時間かかるし、理解できませんと書いて送る。

 

さて、次にこんな記事を見つけました。

≪解雇・労災…サバイバル術紹介≫≪フリーター「虎の巻」≫

インターネットで、詳細がわかります。http://freeter-union.org/union/

 

緊急に何か労働問題が生じなければ、年内のブログ更新はありません。

では今日はここまで。

インフルエンザに要注意!外出から帰ったら、手洗いとうがいをね。

1ヵ月ぶりの再開です」と、入力したら「再会」と出ました。こっちの方が適切な感じですね。

11月、私にとっては負担の重い仕事を引き受けて、楽しい遊びのお誘いも断り、紅葉を愛でることもなく、ストレスに押し潰されそうになりながら、毎日パソコンと向かい合っていました。ようやく、責任を果たしましたので、ブログを再開します。

11月中ブログを休みます。」と書いてから、ものすごく大事な法律が国会で採択されてしまいました。よほど途中で、そのことだけでも知らせようと考えたのですが、「絶対誰も見ていない」と確信があったので、止めました。今からその法律のことを書きます。以前、「就業規則」について、ACW2のアンケートに応じてほしいとブログに書いたら、うっちさんが応えてくれました。他にも応えてくれた人があったかもしれませんね。

「就業規則」に関係する法律は、「労働契約法」という名前です。この法律には大きな欠陥があると見抜いていたのは、ACW2だけでした。ACW2はこのブログにもしばしば出てきます。リンクしてあるので、是非アクセスしてみてください。何が問題なのかが分かります。ACW2が、「こんな法律ができたら、後悔しますよ。労働者諸君、目を覚まして」と、何度も何度も呼びかけて、ようやくいくつかの労働団体が、それに気付いてくれました。

最初はACW2だけで、審議会の傍聴をしたり、国会前でビラをまいたり、横断幕を持って集会をしたり、孤軍奮闘していました。労働者に直結する法律の中身だから、当然厚労省も、労働者の意見を聞いている筈です。ではどこの労働団体の意見を聞いたのでしょうか。それは組織率18%の連合の意見だけです。おまけに、連合はこの法案に賛成、というか、問題はあるんだけど、「ない状態よりまし」という考えです。連合と民主党は勿論同じ考えですから、衆参両院とも実にあっさりと採択されてしまいました。

 

労働者派遣法も最初は、無権利に置かれた労働者を守るための法律としてできたのですが、現実はひどいものです。派遣元会社のマージンが30%、酷いところでは50%とか。まるで「山椒大夫」のようですね。「例えが分からん」というあなた、もっと文学に親しみましょう。

 

 このブログは、できるだけ私の目と耳を通したことを書くつもりですが、審議会傍聴も国会前集会も、国会議員へのロビー活動も、均等法のように出来ていません。こういうとき、東京の人はいいなぁって思います。

 

 朝日新聞東京版にタイムリーな記事がでましたので、今回はそれを使わせてもらいます。記者は、編集委員の竹信三恵子さん。いつも女性の視点で、分かりやすく、かつ内容の充実した記事を書く方です。まず、厚労省の法案の特に問題になっているところを抜粋します。インターネットで調べたものです。

 

二 労働契約の内容の変更
1 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。
2 使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、3の場合は、この限りでない。
3 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、三1に該当する場合を除き、この限りでない。

(三 その他の労働契約及び就業規則に関する事項
  1 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無    効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。)

 

何が問題か分かりましたか?

結論から言えば、

1「変更後の就業規則を労働者に周知させ」であればOK

2 就業規則の変更が、以下の4点の条件を満たし、それが合理的であると判断された場合は、変更した就業規則は、新たな労働条件となります。

(1)労働者の受ける不利益の程度、

(2)労働条件の変更の必要性、

(3)変更後の就業規則の内容の相当性、

(4)労働組合等との交渉の状況

 

こんな風に考えればどうでしょうか?

会社側「業績悪化により、パートの人の時給を30円下げます。」

()30円程度なら大した不利益にはならんでしょう。

()業績悪化なんだから、この賃下げは必要なんだ。

()労働組合はOK出したし。

()この意味するところ、私は不勉強のため分かるような、分からないような」>

 

あなたは、会社の就業規則を見たことがありますか

変更した就業規則は合理的である」を誰が判断するのでしょうか。

「労働組合等との交渉の状況」

 

思い出してください。

記憶で新しいのは、名古屋銀行の28年間パートで働いている女性。もう何回もこのブログに書いていますよね。パート労働法が来年4月から施行されるのに伴って、正行員になるための方式がパートの人に提示されましたが、この方式に合意したのは、正行員から成る労働組合で、パートのことを決めるのに、肝心のパートの人は組合に加入させてもらえないのが現実です。

古くは、均等法です。1986年に施行されましたね。

このブログを始めるきっかけになった卒業生は、高校卒業後の2年目に均等法と出会ったことになります。これも、このブログに何度もてくる人の言葉。

「同じ高校卒で入社した男性は総合職、女性は地方職(一般職)、『なんで、なんで』と課長にも、組合にも聞いたけど、誰もよう答えはらへんかった」。

均等法以前はなかった総合職とか一般職のコース別職種を、使用者と労働者が合意して決めたから、この制度が採用されたのです。この場合の労働者の代表とは労働組合のことです。この会社では、女性の意見を聞くことなく、「女性は地方職」と労使で決めたのです。

 

ACW2は、電話相談をしています。

電話相談から、また上述のうっちさんのようにアンケートの回答から、事例を多く知っているから反対したのです。

では朝日の竹信さんの記事を見てみましょう。(2007121)

 

就業規則」を会社側はいつも、誰でもが見ることができるようにしておかなければいけません。

 

朝日はこんな声を紹介しています。

実例1「会社の社内ネットでしか就業規則が見られないが、非正社員なのでパスワードがなく、見られない。」

実例2 「総務部に見たいと言ったら、専務の許可が必要と言われた。」

実例3 「見ることはできるがコピーは禁止。」

   

どうです。私の会社も同じと頷いている人、いるのではありませんか。

もっとそれ以前の問題かもしれませんね。「パートは見る必要ない」と

か。

実例の3つとも、法律違反です。でも「法律違反です」って、パートの身

ではなかなか言い難いよね。でも、言わなかったら、「変更後の就業規則

を労働者に周知させ」たことになって、労働者側は、就業規則が変わった

ことをOKしていることになります。

 

次の緑字の部分は次回にします。では今日はここまで。

いつものようにご無沙汰です。

もう11月です。早く暗くなるし、今日は冬を予感させる空気の冷たさで、心がせかせかしてしまいました。

 

先に宣伝です。前にも紹介しましたが、恒常的に電話相談が開設されています。

もう一度確認してください。

詳しくはこのブログの左下のリンクACW2へアクセスしてください。

「働く女性の全国ホットライン」

電話番号:120−787−956

電話相談日:毎月5日、10日、15日、20日、25日、30日(年末年始休み)

時間:平日18時〜21時  土曜日:14時〜17時

毎月5日は、セクシャル・ハラスメント集中相談日

相談は無料、秘密厳守

働く上での女性の悩みはなんでもOKです。

 

さて、今日のブログも私の体験から出たものではありませんが、今、私が取り組んでいることに関係する記事が立て続けに載ったので、今日はそれを紹介します。今日と書いている間に日付が変わってしまいましたが。

 

前回と前々回の2回にわたって紹介した「職務評価」です。

 

日本で最初の同一価値労働同一賃金を認めた京ガスの京都地裁の判決、その証拠となったのが職務評価です。昭和女子大学森ます美教授が書かれた、原告と男性の監督職との職務評価の意見書を、以前に読んだときには数字の羅列もあり、すぐに睡魔が襲ってきて、なかなか理解できませんでした。

 

でも前回のブログに書いた職務評価を、ワークシートを使って実際にやってみた結果、再度読むと、今回は睡魔も襲ってこず、よく頭に入りました。

 

京ガスの原告、彼女の仕事と男性ガス工事監督職の職務の評価は107:100。

手当てを含む年収総額では、70:100と逆転します。

 

仮に監督職が500万円の年収とすると、原告には535万円支払われるべきなのに、実際は350万円しか支払われていなかったということになります。

一年で約200万円の差が付くというわけです。これは退職金にも年金にも反映しますから、生涯の差は膨大なものになります。

 

どうですか、このように、緻密な分析をしての数字は説得力があるでしょう。

 

記事の一つは、≪給与いくらが適正か?≫

「同一価値労働に同一賃金を」

「イギリスやカナダ、すでに立法化」

のタイトルで、職務評価を紹介しています。この記事は、私も参加していた職務評価のワークショップを取材して書かれたものです。(2007.10.24朝日大阪版)

 

もう一つは、

≪男と女 賃金格差大国 日本≫

<同一価値労働同一賃金へILO「法律を」>

というタイトルで、欧米で普及している職務評価を紹介しています。

 

特に、日本政府が、ILOの「同じ価値の労働なら性別に関係なく同じ賃金」を定めた国際条約を批准していながら、同一価値労働同一賃金原則を規定した国内法を作らないのは、すでにある労働基準法4条が

<女性であることを理由に賃金において男性と差別的取り扱いをしてはならない>

と定めているからだと書いてあります。

 

労基法4条が額面通りなら、京ガスの原告が裁判をする必要はありませんでした。

 

日本政府にいくら働きかけても、均等法指針の≪雇用管理区分≫は削除されないし、間接差別の定義も女性が望んでいたものからははるかにかけ離れたものだし

こういう現状を、外圧に弱い日本政府にILOから働きかけてもらうために、住友裁判の元原告や、現在裁判中の商社兼松の原告が、ジュネーブへ身銭を切って訴えに行ったことがこの記事の元になっています。(2007.10.26朝日全国版)

 

いくら労基法4条があっても、「男性は総合職、女性は一般職。だから走っているコースが違うのだから、男女に賃金差別があっても、それは賃金差別ではないんだ」。これが企業の言い分です。裁判をしない限り、この言い分が正当であるとする企業は多いでしょう。

 

さて、11月私はとても多忙な月となります。よって、11月中ブログの更新ができません。

この間に名古屋銀行の団交や、上記記事のILO直訴旅の報告やらがありますが、それらは12月に書きます。

 

風邪引かないように、お風呂に入ったらさっさと寝ましょう。

では今日はここまで。

過ごしやすくなってきました。またまたのご無沙汰です。

忙しいのは多分言い訳。ネタ切れが本当のところです。

世の中ネタだらけなんだけど、ブログに「書きたい」という湧き上がるものがない。

くたびれているのかな?それとも労働者側の待遇改善に少しも進展がみられない現状にうんざりして、エネルギーが削がれているのでしょうかね。

 

遠くアメリカ在住の卒業生から、「毎日チェックしているのに、どこか旅行中?」とのメールが来てしまいました。

 

10月6・7・8日の3日間、京都ウィングスで、働く女性のための教育ワークショップに参加してきました。遠くは仙台、福岡からの参加者もあって、そんなに人数は多くなかったのですが、なかなか充実した、すごく盛りだくさんの疲労困憊の3日間でした。

 

前回に書いた「カンタン職務評価」もやりました。初めての人が多かったのですが、皆さん興味を持ってもらえました。職場でこのような職務評価をすると、自分が不満に思っていることの根拠がはっきりをとしてきて、自信に繋がります。

やはり働く者の権利を知ることが、自分の行動、例えば残業代を払ってもらえないとか、年休が取れないような場合に、それがなかなか実現しなくても、「私は法律に書いてる最低限のことを要求しているにすぎない」と自身を肯定することができます。

 

ここで、ひとつ宣伝です。

働く女性のための電話相談が常設されます。

既に二回実施しているのですが、電話が話中で繋がらないという苦情が多かったため、5で割り切れる日の午後6時から9時まで、土日は午後2時から5時まで電話相談を行います。読売や朝日新聞にこのことが掲載されています。詳しくは以下にアクセスしてください。

電話番号も書いてあります。

http://acw2.org/ 

 

同じく、上記のHPのQ&Aもクリックしてみてください。

労働相談の内容が出ています。年休とか、残業代とか、知っておくと強い味方になります。

 

では、気になったニュースを一つ。

派遣規制 労働側が攻勢 −法改正へ逆転国会追い風

労働者派遣法の改正をめぐり、規制強化を求める労働側の攻勢が際立ってきた。一貫して規制緩和を勝ち取ってきた経営側だが、格差問題への批判の高まりや参院選での野党大勝で、形勢は逆転。

 

労働側が不安定な登録型派遣の原則禁止などを掲げて攻勢を強める一方、経営側は「風向きが悪すぎる」と、改正自体に及び腰だ。

 

厚労大臣の諮問機関、労働政策審議会の部会では9月から、労使代表による派遣法の改正論議が本格化。〜中略〜

 

労働者側が強く求めているのは、派遣会社に労働者が登録し、派遣先が決まった時だけ雇用契約を結ぶ「登録型派遣」の原則禁止だ。派遣が終るととたんに無収入になる不安定な働き方だからだ。登録型派遣を専門性の高い26業種に限定し、日雇い派遣も禁止するように主張する。登録型派遣で働く人は延べ193万人。もし改正が実現すると、このうちのかなりの人を企業が直接雇用するか派遣会社で常用型で雇うかしなければならなくなる。〜中略〜。

 

労働者側には「これまで譲歩しすぎた」(連合幹部)との反省もあり、一挙に巻き返す考えだ。強気の背景には、連合を支持母体とする民主党が参議院で多数を占めたことがある。〜中略〜。

 

規制緩和の急先鋒だった政府の経済財政諮問会議(提言の内容は2007.07.06のブログにあります)も後ろ盾だった安倍首相が辞任。福田新首相は4日の代表質問で、派遣労働の規制強化を求められ、必要な見直しを検討する方針を示した。〜中略〜。

激しい逆風で、経済界は一転弱腰に。登録型派遣の原則禁止には明確に反対しているが、批判の強い日雇い派遣では「規律の強化には反対しない」(経営側委員)(朝日105日?) 

 

さて、この記事にあるように、ようやく国会論戦が始まりました。参議院では野党過半数なので、労働者側に立った論議がなされるかのようですが、安心してはいけません。

 

こんな呼びかけもあります。私も賛同人になり、また審議会傍聴にも行くつもりです。内容の濃い審議会ならね。

 

以下の文にある労働契約法、ホワイトカラー・エグゼンプションなどは2006年7月812月のブログを見てください。

 

 

 

 労働契約法NO 労働基準法・労働組合法の強化を!


 秋の国会キャンペーン実行委員会(仮称)賛同のお願

今国会で「労働契約法」の審議が本格的に始まります。周知のように、同法は、労働契約の変更における就業規則や労使委員会の活用、解雇等に対する金銭解決制度、自律的労働時間制度(ホワイトカラー・イグゼンプション)の導入等が謳われており、その内容は働く人たちの現状を改善するとはとうてい言い難いものです。また、労働契約法案自体も知られておらず、ほとんどの人たちは自らの労働条件に同法案が何をもたらすかについて、十分に考える材料もないという現状にあります。

そこで、この秋の国会での審議に向け、働く者の現状を訴え、よりよい労働条件、職場環境を手にする提案を行っていくために、労働現場の当事者、労働組合、NPO、研究者などによる実行委員会「労働契約法NO! 労働基準法・労働組合法の強化を――秋の国会キャンペーン実行委員会(仮称)」を立ち上げたく、皆様のご理解とご協力をお願いするものです。活動は主として以下の3点です。

 就業規則の不利益変更の事例を集め、実態を知ってもらう。

労働相談ホットラインでは女性や若者、非正社員の労働条件が就業規則によって不利益変更された事例が多く寄せられています。
「産前産後の賃金保障が減額され、交通費のカットを提案された。異議を唱えたところ、退職勧奨と正社員からパートになれと雇用形態の変更まで迫られた」。
「多数労組が、妊娠した女性の意見も聞かず育児休業休暇の除外協定を会社と結んでしまった」。
このような声を集め、労働基準法すら守られていない現状、就業規則変更によって不利益な労働条件が押し付けられている実態を訴えたいと思います。

労働基準法、労働組合法の強化を提案する。

今、多くの非正社員が職場で孤立しています。安心してユニオンに加入し、意見を言うためには、労働組合法の強化が求められます。最近、若者たちが、自らの生存権をかけて「生きさせろ」とフリーターや日雇い派遣のユニオンを立ち上げ、果敢に企業の競争原理優先主義に歯止めをかけようとしています。労働契約法は様々なコミュニティ・ユニオンの正当な活動を封じ込め、組合民主主義の機能を停止させかねません。また、労働基準法すら守られていない現状を考えれば、労働契約法は「会社やりたい放題法案」とも言えるものです。このような労働契約法に反対し、まず労働基準法、労働組合法の強化が必要であることを訴えていきます。


国会議員や多くの働く人たちの関心を呼び起こし行動する。

労働契約法案への関心は低く、その内容も十分に知られていません。何が問題なのかを発信し、働く人、国会議員への働きかけが必要です。

 

ぜひとも、この「労働契約法NO! 労働基準法・労働組合法の強化を――秋の国会キャンペーン実行委員会(仮称)」へのご理解をいただき、ここに皆様のご賛同を呼びかけます。
                       
これも上記電話相談と同じhttp://acw2.org/ へアクセスしてみてください。詳細が出ています。

 

名古屋銀行の団交も始まります。ブログも頑張らねば。

今回のブログは、他からの引用が多くて、私自身の報告は少ないことが欠点です。

では今日はここまで。

ステップ4

配点表です。あくまでも例です。4つの要因に各250点ずつです。

技能:配点250

   技術:普通25点・大変45点・とても大変70

   コミュニケーション技能:普通20点・大変40点・とても大変60

   問題解決能力:普通20点・大変40点・とても大変60

   知識:普通20点・大変40点・とても大変60

負担:250

   肉体的負担:普通40点・大変85点・とても大変125

   精神的負担:普通40点・大変85点・とても大変125

責任:250

業務責任:普通40点・大変85点・とても大変125

利益責任:普通40点・大変85点・とても大変125

環境:250

不快さ:普通30点・大変60点・とても大変90

危険:普通25点・大変50点・とても大変80

労働時間:普通25点・大変50点・とても大変80

内訳の点数は変えることができます。例えば、レジの仕事では、多分環境はそう悪くないと思います。

40人の若さムンムンの生徒を前に、冷房無しの今の時期の教師に比べれば、ずっとましかも。

外で工事をしているような人の場合は、不快さの点数を、労働時間が不規則なひとは、労働時間の点数をもっと高くしてもいいのです。

要は、とても大変の合計が各要因で250点になるように配点してあればいいのです。

 

合計1000点ですから、どこかを上げると、どこかを下げるということになります。自分の仕事内容を考えてみて調整しますが、ややこしくなるのでこの例では4つの要因は全部同じ250点です。

 

 

自分の仕事内容を、とても大変大変普通とステップ3で分けました。それを見ながら、点数に印を付けます。

 

合計がレジの仕事の評価点数です。このように自分の仕事を、それぞれの仕事内容に従って点数化していきます。

 

スーパーでレジを含めていろんな仕事をしている人は、そのすべてにステップ1から4までの作業をし、計算化します。最後に合計をすべて足して、職務評価した仕事内容の数で割ります。最高でも1000点を超えることはありません。当たり前ですが…

 

ではこれをどのように使っていくかですね。

例えばレジの仕事で正規雇用の人が身近にいますか。

レジを打つという仕事内容は同じでも、苦情処理もするとか、変則的労働時間だとか、会議に出るとか、パートの人とは別な仕事内容を持っているでしょう。

もしそういう人の仕事内容が手に入れば、同じように一つずつの仕事内容についてステップ1から4までを行います。

 

仮に正規雇用の人が、900点で、あなたが500点とすると、賃金がそのようになっていますか。安いのも納得という人もいるでしょうけど、多分殆どの人は職務評価の点数と賃金が比例していないと思いますよ。

私は今までいくつかの職務評価をしましたが、正規と非正規で納得できる賃金は一つもありませんでした。

 

次の課題は、違う仕事内容の人と比較するこ