嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

本格的な暑さになってきました。

新潟の震災被害地での避難所生活は、プライバシーのない共同生活です。おまけにこの暑さ、想像しただけで汗が吹き出ます。阪神・淡路大震災のときは、全国の各家庭を避難所に提供するという呼びかけがありました。私の家も部屋が空いていましたので、提供を申し出ましたが、結局どなたもおいでになりませんでした。自分の住んでいた場所を離れて生活をするのは難しいことですね。今回はこのような動きはありませんね。

 

参議院選は自民党が大敗しました。これで秋の国会に再浮上するかもしれなかったホワイトカラー・エグゼンプションは参議院での採決はできなくなります。来年4月から施行の改正パート労働法の省令・指針にも少し変化があるかもしれません。審議会や国会を傍聴していて、そんなふうに考えるようにもなりました。

 

≪名古屋銀行団交の報告≫

さて、名古屋銀行3回目の団交の報告からです。

正行員になるための3つの条件についての銀行側の回答は第一回目と全く同じで、進展ありませんでした。

こちら側が請求していた資料の何点かは銀行側から提出されました。

今回の団交の主人公、坂さんと同じ28年間勤務している人々の賃金表です。

「ひゃぁ、銀行ってたくさん給料貰ってはるのやね」というのが第一の感想でした。(陰の声:もっと利子付けてよ)

 

男性は全員が大卒、女性は高卒でたった2人だけ。男性の平均は1千万以上、女性は400万と500万でした。確か第2回目の団交のときに、「今年採用の人数」の問いに対して、常にダンマリがちの銀行側がこのときばかりはやけにすらすらと数字を並べました。ネット検索では、女男別の数字が出ていませんが、銀行側の回答では確か女性の方が多かった筈です。回答した若手の生意気君が「ほらほら女の方を沢山採用してるんだぜ、我が行は。男女差別なんてないんだ」と言わんばかりの表情でした。「採用時に女性が多くても、勤続年数とは反比例することこそが平等ではないということをこの若手はまだ理解しておらんな」というのが私の感想でした。

 

ちなみにネット検索での名古屋銀行の昨年の採用人数は大卒122人、短大卒6人、高卒3人でした。

 

≪職務評価分析について≫

パートから正行員になるための、改正パート労働法の3つの条件の内、期間の定めのない反復契約以外の、正行員と同一視できる仕事、転勤要件が坂さんに該当すると未だ銀行側は認めていません

 

銀行側は、ユニオンの要求に対してパートの坂さんと上司の係長の仕事内容を提出しました。まあなんと恣意に満ちた回答でしょう

坂さんと係長は相互補完しながら仕事をしています。しかし、係長は重要な頭脳プレーの仕事、坂さんはその補助という構図を銀行側は示しました。

係長がする仕事には全部といっていいほど「企画・立案」と付いています。もし、どこかの支店のATMが故障した場合、もう待ったなしで処理しなければならないと思うのだけれど、これも企画・立案と付いています。業者も決まっているし、従来通りの方法で処理していくと思うのですが…。

違うのかなぁ。これって決まりきった仕事、即ちルーチン・ワークっていうものじゃないの?)

 

要はパートがこの仕事をすればルーチン・ワークで、係長がすれば企画・立案というわけ。まあ銀行の業務内容を知らない私があれこれここで書いても、間違っている場合もあります。

団交の場で「職務分析をやってみましょう」ということになり、これに関しては銀行側も「職務分析ってどうやってするのですか」「じゃあ教えますから、銀行側の資料ください」ということで、係長の仕事内容を分析できる程度資料を銀行側が出すことに決まりました。

職務分析はこのブログの京ガス訴訟の意義のところで紹介しています。(2006.03.15)

 

≪介護職の職務評価≫

銀行側は「同一価値労働・同一賃金」をどうも理解できないようでした。

「パートは仕事の割には正行員に比べて賃金が安い」と言っても、どれくらい低いのか分かりませんよね。「正行員の仕事内容を100とした場合、パートである私の仕事内容は85。でも賃金は20の割合しかない」こういうと随分分かり易いですね。実際に京ガス訴訟では昭和女子大の森ます美教授と、原告の屋嘉比さんが、職務分析をしました。裁判の証拠なので、その分析は複雑で奥が深いものです。が、ある程度の職務分析は割と簡単にできます。

 

卒業生の保護者から「介護の現場に働く者の賃金の安さについても書いてよ」と以前から言われています。実際、ヘルパーの仕事で生計を立てるなんてことはできません。でもどれくらい安いのか、それをヘルパー同士で比べていても駄目です。例えば今問題になっているコムスンの管理職とそこで働くヘルパーとの賃金比較をしない限り、ヘルパーの仕事内容が賃金と合っているかを判断することはできません。看護師と医師の職務分析も興味ありますね。

 

いずれ名古屋銀行の坂さんの職務分析を行う予定ですが、京都でも職務分析の学習会を開きます。

 

既に介護職の仕事している3人が、自分の職務分析をしています。それを発表してもらい、参加者で話し合います。自分の仕事内容と賃金に不信感を持っている人は是非参加してください。

日時:823()18:4521:00

場所:ウィングス京都第一会議室(地下鉄烏丸御池、阪急四条烏丸から徒歩5)

地図は検索してみてください。http://wings-kyoto.jp/

 

 最後に団交で私は質問しました。

「パートから正行員になるための試験を受ける資格を得るまでに嘱託B6ヶ月以上の経験、嘱託A3年以上の経験が必要である。最短でも4年の年月が転換の受験には必要とあるが、その根拠を示してください」

銀行「思い付きです」。唖然、呆然

 

4年という年数は坂さんがこの制度に乗るとしても、正行員にはなれない年数です。なぜなら正行員の定年は60歳。坂さんも4年後その歳になるからです。どうです。銀行の転換制度は坂さん外しが狙いだったことがこれではっきりしましたね。

 

団交で「思い付きです」と回答する神経が私には理解できません。人の尊厳を一刀両断に切り捨てても、それに何の疑問も感じない男性管理職よ。この言葉後々後悔することになるよ。

 

では今日はここまで。続きを読むも佳境に入ってきました。よろしく。

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台風の影響はありましたか。おまけに地震まで。気分が暗くなります。

 

近所のアパートの住民のおしゃべり。

「いやー、滋賀というところは風とか雨とか、大きな被害にあわんところですな。いいところです。しかし人は悪いですなぁ。」

話の主は方言に特徴があり、さてどこの出身のお方やら。

私は滋賀しか知らないから「いい人もいるのに」なんて心の中で反論し、一刀両断に断定する話の主に興味を持ってしまいました。

 

折から選挙カーの声が。確かに「滋賀県にもいろんな人がおりまして、いい人もいればそうでない人もいる」なんて声よりも、「滋賀県人は悪い」という声に耳をそばだててしまいますよね。まさしく小泉流、キャッチコピー、30秒CMの時代です。短い言葉の背景を知っておかねば、聞くほうも用心して聞かねばです。

 

さて、毎日の雨に、頭の中まで湿ってしまったようで、ネタ切れです。

 

2回続けて書いています名古屋銀行に象徴されるように、働く者にとって展望のない現状なのですが、段々感覚が鈍くなってきているのかもしれません。使用者の思う壷ですね。

 

三回目の名古屋銀行の団交は7月25日と決まりました。また報告します。

 

さて、14日土曜日、大阪府の男女共同参画センターである「ドーンセンター」へ行ってきました。多くの自治体が「男女共同参画センター」と名称を変えましたが、大阪府はあくまで「ドーンセンター」で通してします。それには深いこだわりがあるやに聞いています。

滋賀県は男女共同参画センターといいます。

どこにあるか知っていますか

近江八幡にあります。近江八幡駅から徒歩8分くらいのところです。「行ったことのある人、手を挙げて」

多分行ったことのない人の方が多いでしょうね。滋賀県は真ん中に琵琶湖があるから、どの地域からも行けるように等距離に施設を置こうとすると、湖上になってしまいます。京都市も大阪市も交通の便がいいから、その点はうらやましですね。京都は「ウィングス」といって、大丸の北側にあります。便利なところでしょう?

 

なんでこんなことをダラダラ書いているかというと、ドーンセンター館長の竹中恵美子さんが退任された記念講演があったからです。

 

竹中さんは多くの著作もあり、経済学者の観点から女性の労働問題を長年にわたって追及してこられた方です。検索すれば出てきます。こういう方が館長だったので、ドーンセンターの活動は目覚しく、自治体の予算が削られている中で、随分と工夫をして頑張っています。多分日本で一番頑張っているのではないでしょうか。

竹中さんの講演については、新聞に大きく報じられていました。(朝日2007.07.11)

 

「女性たちよハンマーを持て。壁はいつもハンマーを手にした人たちによって壊されてきた。座して待っていても何も変わらない。」との言葉が載っていました。

 

法律が出来ても、それを使わなければ状況は変わらないとも話されました。でも、その法律を使おうとしている名古屋銀行の坂さんには、壁がさら堅固になってきている感じです。

 

さらに竹中さんは、「自治体に何かをしてもらうのではなく、女性たちが望むような女性センターにするために、住民が自治体を変えていかなければならない」と締め括られました。最近ドーンセンターにばかり行く私には耳の痛い内容でした。

 

実際、滋賀県のセンターがどのような方針で運営されているか知りませんでしたから早速検索しました。規模、財政が全く違うなかでの比較は意味がありませんが、質はドーンセンターの方がはるかに勝っています。行政にもはっきりと物申す竹中さんのような人を、滋賀県は果たして館長にするだろうかという疑問も出てきました。正確なことはわかりませんが、最近までは滋賀県の公立小中高等学校の先生が仕事の一環として、その職に就いていた筈です。

 

竹中さんは「機会の平等よりも結果の平等」を主張してこられた方でもあります。「『女性にも男性と平等に機会を与えましたよ』とマラソンのスタートラインに並ばされても、その女性は子どもを背負っている。これではマラソンに負けるのは当然です」と表現されました。

 

1986年施行の均等法の名称は『雇用の分野における男女の平等な機会及び待遇の確保等女性労働者の福祉の増進に関する法律』といいました。1999年から『雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律』の名称です。これを見ても『機会の平等』の域にとどまっているのが分かります。

 

このへんで今日のブログはおしまいです

たいした内容ではないブログにお付き合いくださってありがとう。

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今日は琵琶湖いっせい清掃の日でした。おかげで早起きをしました。日頃、なかなか顔を会わすことがないご近所の安否を確認する日でもあるのですが、私の住む地域もあと10年もしたら超高齢社会で、誰も清掃活動なんかできないのではないかと思ったりしています。

 

さて、今日も名古屋銀行団体交渉の報告です。

627日に2回目の団交がありました。銀行側の答弁は前回と全く同じでした。前回の団交のとき、肝心な点になると、「私たちは権限がありません」に終始したから、次回は責任者をと要求したのですが、全く顔ぶれは同じでした。

 

役職のある人、それに今後続いていくだろうやや若めの人、5人です。多分役職にある人は貧乏くじを引いたと思っているだろうし、若めの人は出世コース乗ったと思っているでしょう。彼らにも働いている身近な女性がいる筈なんですが、パートの賃金は安いのは当たり前という考えから一歩も出ることはできませんでした。

 

前回に、銀行側が提示した「パートが正行員になるための転換制度」の内容が、今回の改正均等法の目的と余りにもかけ離れているから、馬鹿々しくて紹介する気にならないと書きました。今日はその馬鹿々しい転換制度を紹介します。

 

まず現在働いている2種類のパートの、フルタイムパート(ホントヘンな言葉ですね。フルタイムならパートとちゃうやろ!)は廃止する。従来どおりの短時間パートタイマーは残す。坂さんは正行員と一日につき1時間15分短い勤務時間です。

 

ではフルタイムパートはどうするか。まず嘱託Bになる。イヤなら辞めるか、短時間パートに変わる。

 

嘱託Bになるには条件がある。

◎転勤と残業ができること。

◎年間労働時間は正行員と同じで1806時間、月手当て156,000円、年収に換算すると200万円程度。パート経験6ヶ月以上が必要で、なおかつ勤務状況良好で所属長推薦が得られる者。以上銀行の要項。

 

▲年収がなぜ「程度」なのかといえば、賞与の額はまだ決まっていないからだそうです。ゆめゆめ正行員と同月数の賞与と感違いすることなかれ(156,000×12月÷1806時間≒1,036円、エ〜!この時給で転勤も残業も正行員並にあるの?。)

 

▲嘱託にならない、しかし従来どおりのフルタイムパートのままがいい人もいるかもしれないとの質問に対し、フルタイムパートの廃止の是非については次回に回答するとのことでした。

 

無事嘱託Bを1年以上経験し、総合評価がC以上で、証券外務員脅鏤邯嚇佻深圓如勤務成績等良好で所属長推薦の得られる者。これには面接試験と筆記試験が課せられて、無事合格した人は嘱託Aになる。

◎月手当は最初の1年目が166,000円。年収250万〜270万程度。(程度の意味は嘱託Bに同じ)

◎労働時間は正行員と同じ1806時間、勿論転勤・残業有り。

 

▲嘱託Aの1年目166,000円でスタートして、2年目に最高の評価Aが付けば3号上がって4号俸の169,000円、3年目も最高のAが付いて3号俸上がって172,000円。172,000円×12月=2064,000円。

(最高の評価が付いても250270万円にならないじゃん!その差額が賞与になるわけだが、そんなに賞与くれるのかな?)

 

▲証券外務員脅錣了餝覆鮖っていない正行員もいるとか。ところで証券外務員脅鏤邯嚇佻深圓塙膤兵圓箸呂匹Π磴Δ里任靴腓Δ?

 

▲嘱託Bも嘱託Aも、転勤・残業を断ることができるそうです。これは団交で銀行側が言いました。しかし、断った人を評価C以上に、また所属長が推薦とかしますかね

 

めでたく嘱託Aを3年以上勤め上げ、嘱託A月手当ての7号俸に到達し、総合評価C以上で、勤務状況等良好で所属長の推薦が得られる者が、正行員転換試験を受けることができます。面接と筆記試験。

 

▲2の月手当に関連しますが、嘱託Aになったとして、毎年最高のA評価が付いて3号俸上がる。B評価で2号俸。C評価は1号俸。D・E評価は昇号しません。ややこしいから嘱託Aの月手当表を見てください。

1号俸166,000円→2号俸167,000円→3号俸168,000円→4号俸169,000円→5号俸170,000円→6号俸171,000円→7号俸172,0008号俸173,000円→9号俸174,000円→10号俸175,000円。

 

ということは10号俸で行き止まり。175,000円×12月=210,000円。銀行側の要項によれば年収250270万円だそうだから、またまたその差額40万〜60万も賞与くれるのかな

 

▲毎年1号俸ずつ昇号しても、3年目で4号俸。正行員受験資格の7号俸にこのペースでいくと、7年もかかる。

 

▲無事正行員の受験資格を得ても、何人がどういう基準で正行員試験に合格したかは、情報公開はしないでしょうから、実態は闇の中ですね。

 

▲なんとも理解しがたい、いくらでも恣意的な判断可能な言葉が並びますね。

総合評価C以上、勤務状況等良好、所属長推薦が得られる者。

 

★パート、嘱託とも1年契約です。

 

名古屋銀行は、来年度施行の改正パート労働法を先取りし、正行員への道を開いたこの転換制度に鼻高々です。

 

団交で女性ユニオン名古屋やACW2のメンバーがいくら問題点を指摘しても、理解できないのです。

 

さて、このブログを読んでくれている人、あなたの疑問箇所はどこでしょうか?是非意見を聞かせてください。

 

では今日のブログは謎と怒りに満ちて、ここまで

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夏風邪をひいたらしく、体調が思わしくなくてなかなかブログに取りかかれず、記事に時差ができてしまいましたが、懲りずに読んでください。

 

「正規雇用と非正規雇用が共に手を携えていくことしか格差社会を打開する方法はない」

 

これは鴨桃代さんの発言ですが、同じことを以前暉峻淑子さんも話されていました。詳しくは今年の34日付のブログを見てください。

ということで話題の一つ目。6月10日に大阪で鴨桃代さんの講演を聞きました。

鴨さんの紹介は以下の通りです。

全国ユニオン会長で、「非正規雇用フォーラム」の共同代表。パート・派遣・契約社員たちとともに、均等待遇実現に向けた立法化に携わる(岩波ブックレット『非正規労働の向かう先』より)

 

鴨さんが『非正規と正規が共に手を携えて闘うことの重要さ』を強調されていたのを、ホントそうだなぁって思いつつ、大阪駅から電車に乗りました。

日曜日でしたが、夕方だったので電車は立っている人もいるくらいの混み具合。親子連れ4人がボックス席に座っていました。小さな子どもが2人。真ん中にお菓子なんぞを置いて食べつつ、立っている人に全く注意を払わない様子。膝に載せるか、一緒に座らせるとかすれば、他の人も座れるのにと考えつつ、これでは正規が非正規を思いやるのは無理だわということに考えが至りました。この子どもも将来、正規か非正規かの労働者になるだろうけれど、せっかくの学習する機会を失してしまったともいえます。

 

悪気はないが、気が付かないということなのでしょう。このような労働問題のブログを書くようになってから、私もそうだった、他人を責めることはできないと考えています。

 

職場には産休、育休、病休やカリキュラムにおける科目担当者の不足で何人もの臨時教員が働いておられました。私は大体の臨時教員の給料額を知っていましたが、その額が安すぎるとは思っていませんでした。思っていても、それは臨時教員だから仕方がないと思い込んでいた節があります。ある臨時教員が「A先生が、私を臨時の先生だからと生徒に紹介した」と憤慨しておられました。生徒の前では臨時、正規の区別はありません。それは男女の差別にも似て、「正規だから、男性だからすごい授業」とう論理が生徒には絶対に通用しないのと同じくらい、無意味な紹介方法です。今はあのときの臨時教員の悔しさが痛いほど判るようになってきました。無知とか、関心がないとかは人を鈍感にさせますね。

 

「正規雇用労働者は非正規の労働者の置かれている状況を把握していないか」、もしくは「同じ職場で働く同僚という意識を正規雇用の労働者が持っていないのか」。

後者の方が多いと鴨さんは話しておられました。現に「派遣さん」としか、名前で呼ばないところもあると卒業生が言ってました。

 

「改正パート労働法の正社員になるための3要件をあなたは満たしていません」

これが名古屋銀行の坂さんが正行員化を求めた団交の回答でした。

 

名古屋銀行の坂さんの団交へ行ってきました。団交は615日にありました。

少し早く名古屋に着いたので、駅前に出来た「トヨタビル」の42階の展望台へ上がってきました。入場料が要るのは、天下のトヨタにしてはせこいなって思いながら、シニア料金で入りました。

沢山の若い従業員が要所々に立っていて、にこやかに「こちらでございます」とか言ってくれました。果たして彼女ら、彼らの雇用形態はなんなんだと思いつつ、あまりの丁寧な雰囲気の空間に、結局聞くことはできませんでした。誰か行くことあったら聞いてみて。私は二度と入場料を払って上ることはないと思うから。

 

さて団交の本筋に戻ります。夕方7時から始まって10時過ぎまで。私は10時に会場を飛び出したので、最終何時だっかはわかりません。丁度新幹線が遅れていて、無事夜中に大津に着きました。

 

団交の主たる要求はただ一つ。

「坂さんを正社員にするか、しないか」です。今回のパート労働法がいかにザル法であっても、

正社員と同じ仕事内容。

正社員並みの配置転換がある。

期間の定めのない雇用。

 

の3要件を満たしていれば正社員になれる筈。

以前から何度もブログで書いていますように、坂さんはこの3要件を満たしています。

 

坂さんの雇用契約の更新日は711日です。契約更新寸前の団体交渉でした。地元名古屋を初め、東京、京都とサポーターが見守るなかで団交は始まりました。

 

28年間のパートの期間中、坂さんはずっと正行員化を要求し続けてきましたが、それあくまで坂さんという個人の要求に過ぎませんでした。今回女性ユニオン名古屋という労働組合からの団交です。銀行側は団交を拒否することはできません。労働組合法違反なります。

 

銀行の言い分はこうです。

《期間の定めのない雇用》の要件については、OK。

(そりゃそうでしょう。28年間も一年毎の契約を繰り返してきた事実があります。)

 

《正社員並みの配置転換がある》NO。

過去に坂さんは転勤をしています。それは坂さんが丁度労災に認定されたときです。坂さんは職業病である頸腕症候群になりました。労災に認定されたということは、銀行に責任が生じたということです。このとき坂さんは支店から本店に異動になっています。しかし、これは異動ではなく、坂さんに対する配慮というか、思いやりであって「転勤」ではないとのことです。労災認定されたときに坂さんを「正行員」にするべきところなのにね。なぜって、坂さんはこの病気になったせいで、他の職種に移る機会も失ったことになるからです。

 

さらに銀行は、パートの人とはその地で契約を結ぶのだから、パートに転勤はないと主張します。もしパート労働者が何らかの事情で転勤したい場合、今までのA支店の契約を打ち切って、B支店と新たな契約を結ぶのだそうです。しかし、坂さんの転勤は坂さん自身が願ったことではなく、銀行の命令で異動したと坂さんは主張しました。

(パートに転勤がないのなら、なんでこんな要件を改正パート法に載せるんだぁ)

 

《正社員と同じ仕事内容》NO。

これは仕事に対する考え方の問題であるので、銀行側は正社員と同じような内容の仕事をしているという認識を示しませんでした。補助的業務とか、ルーチン・ワークとか、責任がないとかごちゃごちゃ。

 

坂さんは、今、誰とどのような仕事をしているかを懇切丁寧に説明しました。もしかしたら、次回からこの仕事から外されるかもしれませんね。具体的に◎◎係長とか、△△課長とか名前が出ましたので、この実名を出された人も叱責されるかもしれません。

 

銀行側が出して来た人たちは、団交に慣れていない、全く権限を与えられていない人たちでした。人事部の部・課長だと思いますが、自己紹介のボソボソ声で詳細は聞き取れませんでした。だから彼らは何ら意見を表明することはできませんでした。たった一つ、《期間の定めのない雇用》を除いては。言い換えれば、彼らが今まで経験してきた団交は、実に御用組合との馴れ合いの団交であったかということです。坂さんたちパート労働者は、銀行の組合には入れてもらえません。

 

この3要件を坂さんが満たしていることを知っている筈の銀行は、新たな制度を出してきました。その制度は将来的に正行員になる道が一見開かれたような制度ですが、坂さんがこの制度を利用して正行員になるには最短でも4年、そのとき坂さんは定年の歳になります。余りに馬鹿々しい制度なので、これについては次回に紹介します。

 

こんな風に、たった1%、多くて4〜5%しか該当者がいないという今回の改正パート労働法の、その法律に書かれた3要件すら、使用者のどんな解釈でもありなのです。すべて使用者に権限がある日本の労働法に、なんのためのパート労働法改正なのかと、あらためて怒りが湧いてきます。

 

でも前に座っている銀行側の代表の、肝心な点になると「沈黙」する顔を見ながら、正社員と非正社員がいがみ合っている場合ではないだろうと、鴨さんの話を思い出していました。

だからパート労働者が、正行員を窮地に追い込む行動を止めてではなく、正行員こそがそのことに気が付いて、「坂さんを正行員にしなければ、銀行の未来は暗い。なぜなら日本の全女性を敵に回すことになるから」とか、「住友電工和解勧告のようにせめて、過去の社会意識を前提とする差別の残滓を容認することは社会の進歩に背を向ける結果となることに留意されなければならない。そして現在においては、直接的な差別のみならず、間接的な差別に対しても十分な配慮が求められている。」くらい、上司に進言してほしいですね。

 

なぜって、パート労働者は圧倒的に女性に多く、特に銀行では全部と言っていいほどが女性でしょう。これは明らかに間接差別でもあります(この和解勧告文は昨年7月5日のブログを見てください)

 

名古屋銀行のガードがなぜにこんなにも固いのか、以前に書いたワールドやユニクロに見られるような正社員化がなぜ出来ないのか、「敵は本能寺にあり」(古いね)。この意味すら分からん?私は愛知という地盤に問題ありと思っているのだが。ここまで書けばわかるじゃろ。

では今日はここまで。

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いよいよ梅雨到来ですね。

仕事を辞めてよかったこと、私にとっては一番目くらいにランクできること。それは雨の中を出て行かなくてもよくなったこと。なんせ歩くのが下手で、思いっきりハネをとばしてしまうから、ズボンとかスカートは見るも無残なことに。今は、よほどのことがない限り、雨小降りになるまで待つこともできる。

 

さて労働界はニュースに事欠きませんね。残念ながらいい話はありません。

その一つを紹介します。表現がまずい文章ですが、すごい分量のほんの一部です。声に出して読んでみてください。声に出して読むに値する美文ではありません。声に出すと、そのあまりの使用者に都合にいい内容に、最近体重を気にするようになったあなたの脂肪が、怒りで燃焼するからです。

ではどうぞ。

 

「一部に残存する神話のように、労働者の権利を強めれば、その労働者の保護が図られるという考え方は誤っている。

 

不用意に最低賃金を引き上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらし、そのような人々の生活をかえって困窮させることにつながる。

 

過度に女性労働者の権利を強化すると、かえって最初から雇用を手控える結果となるなどの副作用を生じる可能性もある。

 

正規社員の解雇を厳しく規制することは、非正規雇用へのシフトを企業に誘発し、労働者の地位を全体としてより脆弱なものとする結果を導く。

 

一定期間派遣労働を継続したら雇用の申し込みを使用者に義務付けることは、正規雇用を増やすどころか、派遣労働者の期限前の派遣取り止めを誘発し、派遣労働者の地位を危うくする。

 

長時間労働に問題があるからといって、画一的な労働時間上限規制を導入することは、脱法行為を誘発するのみならず、自由な意思で適正で十分な対価給付を得て働く労働者の利益と、そのような労働によって生産効率を高めることができる使用者の利益の双方を増進する機会を無理やりに放棄させる。」

 

この文章は、去る521日に政府の諮問機関である規制改革会議が、今後の日本の「開かれた自由な労働市場」に対して出した「労働提言」です。

 

ざっとまとめるとこんな感じかな。

労働者の権利を強化すると→労働者の保護につながらない。

 

最低賃金を上げると(日本は先進国中最下位)→労働者は失業する

 

女性労働者を保護すると→女性労働者は就職難と失業にみまわれる

 

解雇の面で正社員は保護されすぎ→かえって非正規が増える

 

直接雇用申し込み期限の派遣労働者よ→いつまでも派遣労働者のままで働け

 

長時間労働→サービス残業代なんぞ言っていないで効率よくもっと働け。

 

もっと辛らつにまとめた方がいいよね。

すごい使用者に都合のいいことばかり書いてあるでしょう。

これのどこに有識者の片鱗が感じられるでしょうか。

 

日本に暮らす人々が、過労死なんていう言葉を返上して、心豊かに暮らせるような、智恵を絞った意見は全くありませんね。

 

心底、奴隷制度を望んでいるような、タイムスリップしたような、全く歴史に学んでいないような。

 

どんな人がこの委員会のメンバーか知りたい次にアクセスしてみて。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/about/list/commission.html

 

提言の全部が知りたい人は次を。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/2007/0521/item070521_01.pdf

 

さすがに政府もまずいと思ったのか、次のような談話を出しました。

 

規制改革会議第1次答申、「労働提言」盛り込まず20070528日朝日)

 

政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)が月内にまとめる第1次答申で、原案にあった労働分野の提言を盛り込まないことが28日分かった。提言では安倍政権が進める最低賃金引き上げ方針に慎重な姿勢を示していたが、政府内や連合などから批判が噴出。答申に盛り込めば批判がさらに広がりかねないことから、同会議側が配慮を示した形だ。

 同会議は今月21日、作業部会名の意見書の形で労働分野に関する提言を公表。事業主が金銭を支払えば解雇できる「解雇の金銭解決」の試験的導入など労働規制の大幅な緩和を求めるとともに、最低賃金引き上げについて「不用意に引き上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらす」と指摘した。こうした内容を同会議の見解として第1次答申に盛り込む方針だった。

 だが、柳沢厚生労働相は22日の参院厚労委で「政府の一部門の末端の組織といえども、方向性において(政府方針と)まったく違うような意見表明をするのは適切さを欠いている」と批判。また、最低賃金の中長期的な引き上げを議論する政府の成長力底上げ戦略推進円卓会議に参加する連合からも「これでは円卓会議につき合えない」という反発も出たことで、政府内からも見送りを求める声が出ていた。

 

年金問題で低姿勢な政府というか与党ですが、油断はできません。なぜなら世論の反対でいったん引っ込めたホワイトカラーエグゼンプションとか、解雇の金銭的解決とか、以前からこのブログで紹介してきた労働契約法制を、この会期の迫った、問題山積の今の国会で、もしかしたら13日に衆議院で強行採決される可能性もあるのです。

これで参議院選挙で自民が勝てば、もう間違いなく上記の提言も法制化されるでしょう。

 

体脂肪減りましたか

では今日はここまで。

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《改正パート労働法参議院で採択される》

改正パート労働法が525日ついに参議院で与党の賛成多数で可決・成立しました。最悪の法律です。以前から書いているように、正規労働者と差別をしてはいけないパート労働者は、ほんのたった1%とか。これを読んでいる人は、「あれっ、私の周りには一杯いるよ。どうしてこんない少ないの」と疑問を持つでしょうね。

正社員と同じ仕事内容。

正社員並みの配置転換がある。

期間の定めのない雇用。

この3条件を満たす人が1%ということです。名古屋銀行の坂さんのように、毎年更新を繰り返して28年間パートで働いている人でも、それが「期間の定めのない雇用」かどうかの判断は使用者側がするのです。これでは、誰のためのパート労働法か分かりません。1986年に施行された「男女雇用機会均等法」の成立までに、使用者側と労働者側、それも女性の労働者代表と厚労省の官僚との3者の間に激しい論争というか、駆け引きがありました。女性たちはあまりのザル法に悔し涙を呑みながら法案を受け入れました。それはザル法であっても、「ないよりはまし」。これを手がかりに一歩でも前進しようという決意の結果でした。それから20年。日本の女性の働き方、男性の働き方は、先進国の中で相変わらず最低ですが、ようやく限定列挙ながら間接差別の文言を入れるところまで来ました。しかし、今回のパート労働法はそういう、人の好い甘い視点をもってしても評価できません。この改正パート労働は、実に訳の分からない前提があって、正社員並の労働時間を働いているパート労働者は、この法律の適用対象外だったのが、附帯決議に辛うじて一項入りました。以下私が気になった附帯決議の概略です。詳しくは参議院HPの[議案・請願・質問]の附帯決議を見てください。ただし、まだ出ていませんが

http://www.sangiin.go.jp/

 

附帯決議

同法の適用対象外のフルタイムパートについても、法律の趣旨が考慮されるべきことを広く周知し、都道府県労働局において相談に適切に対応する。

 

正社員の勤務条件について、本法を契機として合理的理由のない一方的な不利益を行うことは法的に許されない。

(正社員を辞めさせて、派遣とかパートに置き換えようとしている企業が多くなってきていることに対しての一項です。先日の労働ダンピングの著者中野麻美弁護士の講演のあとに、退職に追い込むためにいじめを受けている正社員の方からの報告がありました。中年女性がターゲットになっています。)

 

長時間労働が常態化している男性労働者の働き方の見直しを含め、短時間労働者と通常の労働者の双方において、仕事と生活の調和の実現に向け、仕事と家庭の両立がしやすい職場環境の整備を進めること。

(ホンキで言っているのかしら。もう一方でホワイトカラーエグゼンプションも画策しているのにね。この働き方については次回も継続していきます。)

 

《正社員化で連帯感生むーワールドの社長語る》

パート労働法で書いたことと逆なことをやってのけたワールドのその後談が出ていました。(07.05.24朝日)

[約5000人のパート販売員を昨年4月に正社員化したアパレル大手、ワールドの寺井秀蔵社長は、「販売員に連帯感、責任感が生まれ、活気も出てきた」と話す。新卒者分を含めて人件費は22億円膨らんだが、073月期の連結業績は、売上高、営業利益ともに過去最高を達成。『やってよかった、といのが実感です』]

詳しくは2007年1月9日のブログを見てください。

 

自衛隊の現職女性隊員のセクシュアル・ハラスメント訴訟の後日談》

代理人弁護士からの訴えです。
《昨日は提訴のために有給をとっていた彼女ですが、今朝出勤したときに、勤務場所を現在の本部の庶務から、庁舎内で「奥」とか「倉庫」といわれている6畳ほどの何もない部屋に行けと命令されたと、今朝8時頃、泣きながら電話が入りました。しかも、その理由が「お前は部隊の業務を滞らせているから」と言われたとのこと。彼女は、それまできちんと仕事をしていて文句一つ言われたことはないし、昨日は年休を取り、外出許可をもらって出ているのだから、「業務ができていない」と言うのは濡れ衣と怒り心頭。なぜ配置換えか上司に理由を問い質し記録すること、弁護団も対応するから落ち着いて行動すること、提訴のコメントで「現職で裁判を行なうことがどれだけ難しく、また、どれだけ大変かは理解しているつもりです」と啖呵を切ったのだから頑張れ、とアドバイスしたところです。》

 

《改正均等法での、セクシュアル・ハラスメント》

改正均等法以前の均等法:

事業主はセクシュアルハラスメントによって女性の働く環境が害されることのないように、雇用管理上必要な配慮を義務がある。

 

改正均等法

事業主は、労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備や、その他の雇用管理上の措置を講じる義務を負う。

 

厚労大臣は是正勧告に応じない場合の企業名を公表することができる。

 

詳しくは次のURLにアクセスすると、セクシュアルハラスメント対策に取り組む事業主の方へという項目があります。http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/kaiseidanjo/index.html

 

今回の改正均等法でも「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」(平成18年厚労省告示第615)はありますが、なんか納得できないのですね。

 

「セクハラを受けた労働者の取るべき指針」のような、直接に被害を被る労働者に対して直接書いたものはないのですかね。事業主まかせは、結局有名無実だと思いません?サービス残業代に代表されるような労働者の現状を思うと疑問を持たざるを得ません。ヨーロッパの法律の書き方はどうなっているのでしょうか。知ってる方がありましたら、教えてください。

 

パート労働法でも、均等法でも、労働者が使わなかったら何の意味もありませんね。自衛官のセクシュアルハラスメントの訴訟に対する上官の対応は、全く改正均等法を理解していない結果です。時間がたてばたつほど立証が難しくなるのがセクハラです。心当たりがある人は、解決に向けてすぐに動いてください。まずは均等室へ(大津駅前 滋賀ビル 077-523-1190)もしくはこのブログのコメントへ(名前、アドレス公表されません。)

 

では今日はここまで。続きを読むもよろしく。

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先日朝9時半頃京都御池地下鉄のホームで卒業生に出会いました。私は電車から降りたところで、彼は乗るところでした。短い再開でした。

「遅い出勤やね」「もう市役所で一仕事済ませてきたんです」「忙しいの」「はい。毎晩10時か11時頃家に帰ります」「体気つけや」。

ざっとこんな会話でした。彼は、私がこのブログを始めるきっかけになった調査対象の学年の人です。「先生、なんで女子だけに調査するんですか。男子もたいへんなんやで」「ごめん。女性労働で私の手は一杯なんや」という同窓会会場でのやりとりもありましたが、ホント男性もタイヘン。

 

さて、今日はブログの内容に入る前に2つ連絡をします。

このブログの左下のリンク先にACW2があります。ACW2については、今年の1月26日を見てください。

5月7日から16日まで、電話相談が行われています。フリーダイアルと、各紙やNHKでも報道されたこともあり、連日電話が鳴り止まない状態だそうです。さらに電話回線を増やして対応するそうなので、職場での疑問や悩みを相談してみてください。

0120−787−956 600pm〜9:00pm

日頃、疑問や悩みがあってもどこに相談したらいいのか分からないというのが殆どの人の状況ではないでしょうか。ACW2は労働組合でも、政党でもない、個人参加の女性が集まって作った女性のための組織です。

 

次にACW2加入への案内です。私は発足時に会員となりました。全国に会員は散らばっているので、一堂に集まったのは設立総会のときだけでした。だから滋賀県に会員が何人いるか分かりません。多分少ないでしょう。そこで今回、京都と滋賀の会員で、交流会を発足させました。京都のACW2の会員の活動が活発なので、その仲間に入れてもらいました。早速6月21日に「職務評価」の学習会をします。これについては、詳細が分かり次第、ブログで紹介します。

個人参加のACW2の会費は年1000円です。この会費で全国を対象にしているのですから、現在の主たる活動内容は情報提供です。1000円払ったから、問題を解決してもらえるなんて考えないでくださいね。そのへんはACW2にアクセスしてご自身で考えてください。政治の中心が東京だから、どうしても活動は東京中心になります。例えば院内集会だとか、審議会傍聴だとか。東京のメンバーは何かと動きやすいのですが、その分全国のメンバーの代表として動いているという負担もあります。あくまでも手弁当で、ホント頭が下がります。今の私は、ACW2から様々な情報を得ています。全国の女性の労働の現状がよく分かります。勇気を貰ったり、憤慨したりです。ACW2にアクセスして、入会フォームをクリックしてください。

 

さて今日の学習はセクシュアル・ハラスメントについてです。

卒業生への調査設問13は、「 働いているとき、女性だから不利だとか差別を感じたのはどのようなときですか。」というものでした。

代表的な記述は次の通りです。

女性では話にならないから、男性を出すように言われた時。同じ事を言っても、男性だと納得する人を見た時。

離婚時に姓名を変えた時、日頃交流のない人にまで興味本位に詮索され、こういう時だけ親切にする男性社員がいやで辞めた。

 昇給・賞与の査定の矛盾。制服(男性は背広)女性はハイヒール(男性はつっかけ)

 お茶当番掃除当番が女性のみ

どれだけがんばっても昇給や地位の向上がない。

産休明けに事務職から現場仕事へ変わらされたとき。

子どものことで妻が仕事を休むのは当たり前、休めないなら辞めろと夫に言われたこと

結婚が決まった時・結婚した時に退職するものと決めてかかる会社・社会の体質。

能力があったとしても同等に評価されず、昇給が男性とまったく違う。子どもが伝染病で何度も休まざるを得なかった時、「子どもがかわいそう。家庭に入ったら」と遠まわしに上司から辞めるよう言われた。

職場結婚の場合、女性が配置変えされる。昇給試験は行われていたが、実際は女性が受ける順番は後回しにされる。

会社の飲み会の後、夜中3時・4時に終わり「女の子だからちゃんと出勤するように」言われた。男性は皆遅刻だった。昼食時、男性は外食できるが、私だけは机で食べながら「電話番・接客」しながらの、落ち着かない食事。

長く働いていると、男性と同じように責任は大きくなってくるが、昇給は少なく、肩書きはいつまで経ってももらえない。

指導していた専門学校卒業の4年後輩の男性社員に3年目には給与が抜かれた

飲食時にお酌やコンパニオンまがいの事を強いられる時。

職場は男女平等だが、社会はまだまだ男社会。取引先へ行っても、男性同士なら雑談も、仕事の内でも男性対女性だと色眼鏡で見られることもある。

子どもの病気で会社を休んだ時の上司の厭味。

同じ内容の仕事で、時給が男性の6〜7割しかもらえない。

女性社員の努力により出た結果でも、上司又は男性だけが出世する

 

ハラスメントにはセクシュアル・ハラスメントパワーハラスメントモラルハラスメント等があります。定義は識者によって若干異なりますので、自分で検索してみてください。

フランスでは、2002年に労働法のなかにモラルハラスメントに関する条項が付け加えられました。ここでも日本の労働者を守る法律の整備の遅れがよく分かります。

 

今年4月施行の改正均等法にてらして、考えてみましょう。その前に、次のような訴訟が起こされましたので紹介します

「女性自衛官人権訴訟」
わいせつ被害の空自女性隊員 国に1100万円賠償請求 札幌地裁 北海道新聞(59)より

同僚男性からわいせつ行為をされ、被害を相談した上司から逆に退職を強要されたとして、道内の航空自衛隊の部隊に所属する女性隊員(21)が8日、国を相手取り、約1100万円の損害賠償を求める訴えを札幌地裁に起こした。原告代理人の弁護士によると、現職自衛隊員が国を訴えるのは異例という。訴えによると、この女性は昨年9月、勤務中に泥酔していた同僚男性(32)から基地内で押し倒され、無理やり体を触られるなどした。女性は上司数人に相談したが「退職願に(印鑑を)押せよ」「ここまでこじれたら、自衛隊ではやっていけないんだよ」などと、逆に約半年間にわたって嫌がらせを受け続けた。女性は上司に男性の退職か転勤を求めたが、基地側が適切な措置を取らず、長期にわたり精神的苦痛を受けたとしている。女性の父親(48)は提訴後、札幌市内で記者会見し、「私は加害者や上司を許すことができません。被害者が泣き寝入りする現状があってはならず、現職のまま闘います」と女性のコメントを代読。さらに父親は、女性から話を打ち明けられた時の心境を「本当につらかった。言葉には尽くせない」と語った。

 

同席した代理人の佐藤博文弁護士も「自衛隊には、世間では理解し難いようなハラスメント(嫌がらせ)がある。今回の訴訟は、氷山の一角にすぎない」と強調した。

これに対し、女性が勤務する基地は、警務隊が今年2月から強制わいせつの疑いで捜査していることを認めたが、退職の強要については「あったかどうかも含め、部内で調査中」と説明。訴状については「正式に受け取っていないので、コメントできない」としている》

 

 訴訟当事者(女性自衛官)の記者会見声明

本日、私は、自衛隊を相手とする国家賠償請求訴訟を起こしま した。
 
最初に申し上げたいのですが、加害者には家族があります。今 回の事件で、ご家族には何も非はありません。マスコミ関係者の皆様にお願いしたいのは、加害者の家族に迷惑をかけるような報道やインタビューは決して行なわないでほしいということです。私には、加害者のお子さんと同じ年の弟がおります。私はご家族のことを大変心配しております。ですから、ご家族に対する報道は控えるよう重ねてお願い申し上げます。私の事件は、民主主義の国において、決して許されないことです。加害者、そして部隊の上司が私に行なった数々の行為は、私の人権や女性としての尊厳を著しく踏みにじるものでした。 私は、現在21歳です。現職のまま裁判でたたかうことを決意しました。現職で裁判を行なうことがどれだけ難しく、又、どれだけ大変かは理解しているつもりです。私は加害者や上司を 許すことができませんでした。被害者に対する陰湿な嫌がらせ や、退職に追い込み、被害者が泣き寝入りする現状があってはなりません。

 私は現職のままたたかい、そして勝ちたいと思います。裁判所には、公平な裁判をお願いします。自衛隊には、事実を確認して、一刻も早く私の働く環境を整備することを強く要望します。

 今回、国家賠償請求という裁判を起こすまで大変な苦労をしました。父や北海道合同法律事務所の佐藤弁護士のサポートがあり、裁判を起こすことができました。 大変感謝しております。私は、通信制大学に通っています。事件後約8ヶ月の間、上司に陰湿な嫌がらせを受け、通信制大学に通わせないと脅されたり、一人孤立させられたりしましたが、つらくなったりした時には勉学に励みました。「働きながら学ぶという尊さ 働きながら通教生としての奮闘 働きながら大学生としての勉学 これほど美しく これほどすばらしき人生はない」。 これは、大学の月刊誌の表紙に書いてあった言葉ですが、この言葉に励まされました。

 

 私は、私の人権と女性としての尊厳を取り戻すため、国とたたかいたいと思います。3年前、自衛隊に入隊したころ、私は自衛隊に対する大きな期待と夢を持っていました。今でも私は自衛隊に期待をしております。それは、今後自衛隊が社会常識が通用する普通の組織となり、女性が安心して働ける職場になれるかどうかにかかっていると思います。 最後に、私が立ち上がることで、同じ体験をされた方に勇気と希望を与えることができればと思います。 本日は、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうござい ました。2007年5月8日   

 

セクシュアル・ハラスメントを裁判で争うのは、「非常に勇気のいる行為です」と、とてもそんな軽い言葉では表現できないほど悲壮な覚悟を必要とします。まして彼女は現職。提訴の翌日からさらに嫌がらせがエスカレートしています。その内容と、改正均等法との照らし合わせは、長くなったので、次回に。では今日はここまで。続きを読むもよろしく。

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今年のメーデーは、ついにワーキングプアーの人たちもデモに参加したと報道されていました。

 

組合の組織率は年々下がり続け、今や約18%です。今まで、そして今でも労働組合は正規雇用労働者のためのもののようですが、ワーキングプアーと呼ばれる非正規雇用労働者が個人加入の労働組合に加入して、今年のメーデーに参加したとのことです。職場は違うけれども同じ要求の下に集ったことになります。

 

メーデーの起源を知っていますか

日本では1920年5月2日に最初のメーデーが行われました。盧溝橋事件をきっかけに日中戦争が始まる1937年の前年の36年以降、メーデーは戦争中は禁止され、敗戦後の1946年に復活しました。

 

第一回のメーデーは上野公園で行われ、たった一人堺為子さんが女性として参加しましたが、原則女性の参加は認められませんでした。翌年からは51日になりました。このときは、十数名の女性(赤瀾会のメンバー:赤潤会は1921年に山川菊栄らを中心に組織された日本最初の女性社会主義者の団体)が参加しましたが、全員検挙されました。当時、メーデーに参加することは、警察に検挙されると同意語だったのですね。

 

メーデーそのものは、1886年アメリカの労働者が一日8時間労働制を要求して、デモ行進したのが起源です。当時112時間から14時間労働が当たり前でした。「第18時間は仕事のために、第28時間は休息のために、そして残りの8時間は、自分自身のために」が目標でした。

 

日本でも細井和喜蔵が女工哀史を書いていますが、その背景となった1925年当時はアメリカの1886年と同じ状況でした。

大商のある学年は修学旅行で、野麦峠を越えた彼女たちの足跡をたどりましたね。今もそう変わらない労働時間のようでもありますが

 

このようにメーデーの歴史的経過をみると、その時々の労働者の状況がよくわかります。

 

派遣社員の人が訴訟を起こしました。派遣社員である自分の契約期間を見直したところ、会社が直接雇用の申し込み義務を生じる期間以上に働いていることに気付きました。以前に小さな記事になったことがあります。彼女の名は田所さん、訴訟の相手はタイガー魔法瓶です。彼女は訴訟を起こす前に、労働局に相談に行っています。労働局は違法状態を認め、タイガー魔法瓶に是正指導をしました。ところが、タイガー魔法瓶はその一週間後、派遣会社に「契約解除」を一方的に通告し、彼女に何の連絡もせず、出勤してきた彼女を門前で拒否しました。彼女が所属した北河内合同労組が団体交渉を申し入れても応じようとしません。タイガー魔法瓶は「雇用していないから一切関係ない」との態度を続けています。彼女は今年2月、タイガー魔法瓶を相手に裁判を起こしました。このケースについては、分かり次第報告していきます。

 

次にこんな投書を見つけました。何が問題なのか、均等法のどこに抵触していると思うか、考えてください。

もし自分がこのような状態ならば、あなたはどうしますか。この人は主婦とありますから、会社を辞めたようですね。では投書を読んでみてください。

 

《私が指示していた男性社員が人事異動で上司になった。社の上層部から「彼には受験期の子と扶養の親がいて高い給与が必要。女性のあなたは譲ってください」とはっきりと言われた。さらに彼は仕事ができない管理職なので、私には自主的に今まで通り仕事をしろという指示までが。扶養家族の有無で昇進が決定され、女性の私はポストを得られない現実に憤然として、悔し涙もでなかった。52歳。朝日427日》

 

「グローバル化だ、成果主義だ、効率だ」と、どんどんリストラしていくご時勢に、扶養の有無で昇進という会社ってあるのですね。

 

今まで幾多の賃金差別を訴えた女性の裁判の判決の殆どは、「確かに賃金差別はある。これはけしからんことである。しかし、主たる生計の担い手が男性であるという社会の風潮からも女性は我慢しなさい」というものでしたね。これと同じ次元の考え方でしょうか。この会社では独身者は永久にポストを得られないということですかね。

 

さて、このケースを均等法に当てはめると、どの条項に抵触するのでしょうか。先日均等室から貰ってきたパンフレットで調べてみましょう。

今年4月から改正均等法が施行されましたので、旧と対比して書いてみます。彼女の問題は次の条項に該当します。

 

 第二章雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保

改正前

6条(配置、昇進及び教育訓練)

 事業主は、労働者の配置、昇進及び教育訓練について、労働者が女性であることを理由として、男性と差別的取扱いをしてはならない。

 

改正後

 事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。

一 労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む。)、昇進、降格及び教育訓練

二 住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置であって厚労省で定めるもの

三 労働者の職種及び雇用形態の変更

四 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新

 

めったに読む機会のない均等法だから、6条全部書いてみました。

改正前も後も、はっきりと昇進で差別をしてはいけないと書いてあります。

 

では彼女はなぜ辞めたのでしょうか。いろいろ考えられますが、まず経済的に逼迫していたら辞められません。そのときは黙って従うのか、会社に均等法を示すのか。

多分職場での日々のストレスは相当なもので、辞めた大きな要因でしょう。

 

都道府県にある均等室がどれくらいの力があるか分かりませんが、均等室の答えを聞いてみたいですね。誰か均等室へ相談に行く要件はありませんか。そのときは是非私を付き添いに指名してください。

 

法律があっても壁は高いというのが、前回と今回の学習でした。

今日はここまで。続きを読むもよろしく。

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ゴールデンウィークが始まりました。

成田空港で「9連休」です。「8日間の予定でイタリアへ行きます」と話している人を放送していました。

 

一方、六本木ヒルズのエレベーターでワイヤーの磨耗が見つかり、そのずさんな検査をした日本オーチスエレベーターが国土交通省の指導で全国6000基のエレベーターを点検すると報道されています。これもテレビで点検している様子が報道されていました。人生いろいろと言った総理大臣がいましたが、この場合もそう発言するでしょうか。

 

私はむしろこの点検をしている人の雇用形態が気になって仕方ありません。デパートでも、宅急便を受け取るときも、テレビを見ていても、はて正社員だろうか、有期雇用だろうか、請負だろうか、派遣だろうかとか、その人に聞いてみたくて口がむずむずしてきます。派遣といえば、こんな記事を見つけました。

 

《日立製作所の工場で、派遣社員から契約社員に切り替えて直接雇った人の労務管理を、それまでと同じ派遣会社にほぼ丸投げしていたことが分かった。賃金など労働条件も同じままで、3月末で契約は打ち切られた。契約社員らは「実態は派遣と同じ。『偽装直接雇用』だ」と反発。派遣社員に直接雇用を申し込むことを企業に義務づけた労働者派遣法の規定が無意味になりかねないとして、法の不十分さを指摘する声も出ている。〜中略〜同社の東京・青梅工場では056月2つの派遣会社から計130人に派遣社員を受け入れ、うち110人を、法定の派遣期間がすぎる066月から契約社員に切り替えた。しかし、賃金も労働条件も派遣時代と同じで、タイムカードの管理や教育訓練などを、同じ派遣会社が業務委託の形で引き続き担当。派遣会社の寮に住み続け、寮費は日立が賃金から天引きして派遣会社に渡していた。〜中略〜厚労省は「派遣法が規定するのは直接雇用を申し込む義務。契約社員にしたり労務管理を業務委託しても違法とはいえない」という。》(朝日2007429)

 

厚労省の見解はめちゃくちゃとしか言いようがない。

 

派遣で3年以上働けば、その派遣先の会社は直接雇用の義務を負うということは今まで何度も書きました。誰だって、直接雇用と聞けば「正社員」と思いますし、そのポストで3年働いたということは、そのポストに人が恒常的に必要であるということですよね。

 

派遣3年→直接雇用の契約社員、これでは労働者派遣法の直接雇用の義務はあってもなくても同じということです。この日立の場合、派遣と直接雇用の契約社員と何が違うのでしょうか。いつもいつも次回の契約更新を心配しながら働らかなければならない。

法律はざる法であり、強い者の好き勝手な解釈を許し、企業側に立つ政府です。

 

注:労働者派遣法の直接雇用の義務は、派遣期間が途中で変わっていますので、一度アクセスしてじっくり読んでください。YAHOO→労働者派遣法→2改正労働者派遣法の概要。

 

今日は、改正均等法の具体例か、もしくは労働契約法について書くつもりでしたが、小さく載っていた記事の、内容の重大さに変更しました。

最近、一回のブログが長すぎるという指摘をいただきますので、今日はここまで。続きを読むもよろしく。

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おっ、画期的な更新のはやさ。(自画自賛。問題は内容なのですけどね)

 

パート労働法の改正案が、419日に衆議院を自民・公明の圧倒的多数で原案通り可決され、参議院へ送られました。共産党の修正案は、共産と社民が賛成しましたが少数なので否決され、民主党は対案を出したけれど、国会運営上の理由で採決は行われませんでした。

(国会運営上の理由って何でしょう)

 

このパート労働法は、今年4月から施行されている改正均等法の附帯決議に次のような文言があって、それにも基づいて審議されているものです。

 

府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。パートタイム労働者が意欲を持ってその有する能力を十分発揮できるようにするため、正社員との均衡処遇に関する法制化を進めること。

 

410日の衆議院で参考人として発言した中原さんの陳述を18分だけなので、見てください。非正規労働者の代弁をしています。

 

YAHOO→衆議院→衆議院インターネット審議中継→厚生労働省→左のカレンダー410日をクリック→中原純子(参考人全国一般東京労働組合執行委員)をクリック。

 

彼女が述べているように、改正パート労働法は欠陥だらけ。何のために法改正をするのか分からない案です。

次にその問題点をまとめます。

 

中原さんの職場の同僚が「パート労働法が改正になって、これでパートの私たちの待遇もよくなるね」と言ったとか。とんでもない。以前から書いているように、このパート法が成立して救われるのはパート労働者のたった1%だけなのです。

 

その1%とは次のような人です。

1正社員と同じ仕事内容。

2正社員並みの配置転換がある。

3期間の定めのない雇用。

 

上記3点で、疑問のある人手を挙げて。

(なつかしいね。学生時代に自ら手を挙げて積極的に発言したことありましたか?考えてみればこういうチャンスって学校だけのような気がしますね。社会人になったら周りを見てしまって素直に発言しなくなったではありませんか?)

 

私は3つとも引っかかるけど、「なんのこと」と思ったのは3番目。パートで期間の定めのない人っているのでしょうか。これって永久にパートということ?これはもう立派な正社員でしょう。ということで、衆議院厚生労働委員会でも質問があったそうです。Aは柳沢大臣です。

 

Q「有期契約を何度更新したら『期間の定めのない雇用』になるのか」

A「様々な事情を考慮して判断する。回数を示すことはできない」

(このブログにも度々登場いただいている名古屋銀行の坂さんは、1年契約を28回更新しています。回数を示さないのなら、3番目は『絵に描いた餅』ですね。)

 

知ってましたか。このパート労働法が当てはまる人は、フルタイムのパート以外の人です。正社員よりも勤務時間が短くないと該当しません。正社員と同じか、それ以上働いているフルタイムパートは1,031,000人いますが、この人たちを救う法律はありません。(厚労省03年調査)

 

上記の坂さんは、正社員よりも一日に2時間15分短いので、1番目は該当します。でも、この1番目と正社員よりも短い労働時間って、矛盾しませんか。短いから正社員と同じ仕事内容ではないと経営者が言いかねません。国会で参考人として発言した中原さんは、1年契約を14回しているそうです。

 

坂さんは「仕事も責任も同等」と言っていますが、当の銀行は「職務が正社員と同等がどうかは本人と会社で意見が分かれる場合もある」と言っています。

 

この法律が成立したら、「正社員と同じ仕事」が何を指すのかは、厚労省が「例示」するそうですが、これには強制力がありません。上記の3条件に当てはまるパートがいる会社で、正社員にしたくないので、3条件から外すような動きをすでにしているところもあるようです。

 

先進国のなかで、いまだにこんな程度のパート労働法しか提案できないのです。中小企業の経営が苦しいことは度々ニュースで見ますが、巨視的にみれば、富がどこかに偏っているということでしょう。アメリカでは、労働者の取り分1に対して経営者は400だそうです。1ヵ月20万円の賃金なら8000万円の経営者の取り分ということになります。日本が目指しているのは、このアメリカ型です。

 

今日のブログの内容は、主に朝日新聞(4月14日、420日、均等待遇アクション21)から引用しました。次回は前回に引き続き均等法の具体的な学習をします。

では今日はここまで。

続きを読むもよろしく。

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またまた長い間更新できませんでした。世話のかかった小さい人が帰りましたので、ようやく自分の時間を確保できました。

 

さて、前回のブログで書きましたように、4月1日から改正均等法が施行されました。あなたの職場で何か変化はありましたか。職場研修はなされたでしょうか。今回の改正では男女ともが対象になったのですから、会社あげて周知を図るのが本筋です。何ら変化無し、または変化あり、どんなささいなことでもいいですから、コメントしてください。多くの女性の怨念と希望の結果の、不十分ながらの均等法です。これを使ってこそ、次の改正へとつなげることができます。私も早速均等室へパンフレットをもらいに行くことにします。

 

さて、今パート労働法が国会で審議されています。これもまったくの骨抜き法で、同一価値労働、同一賃金という建前を適用されるのはたったの1%の非正規雇用の人だといわれています。院内集会が4月に2回持たれますが、残念ながら私はどうしても外せない用があって参加できません。だから院内集会で多分語られたであろう、非正規労働者の赤裸々な実態をこのブログで書くことができません。何とか資料は手に入れたいと思ってはいますが…

 

さて今回のブログから改正均等法が、どのようなケースに該当していくのかを何回かに分けて書いていくつもりです。勿論このような難しい法解釈は、本を読んでの受け売りなので、著作権で訴えられるかもしれませんね。参考にしたのは新聞、男女雇用機会均等法Q&A(日本弁護士連合会編岩波ブックレット)、均等室パンフレットです。

 

第1問:派遣社員が妊娠したことが判明。育児休業を取得することができるか。(言い換えれば元の職場に復帰できるか)

 

A:このケースは2つの問題を提起しています。まず派遣であること。もう一つが育児休業を取得できるかということです。

答えは派遣であっても育児休業を取得できます

 

まず育児休業を取得できる根拠となるのは改正均等法第9条です。均等法は有期雇用の人にも適用されます。

 

9条の「不利益取扱い」には、期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないことや、予め明示されていた、例えば更新3回までという約束が、妊娠したことが分かったら2回になったことや、契約期間終了による「雇い止め」も含まれます。

 

また均等法の事業主には、派遣労働者の雇い主である派遣元だけでなく、派遣先も含まれます。(労働者派遣法47条の2)

 

だから派遣先が派遣元に対して、妊娠している女性の派遣は受け入れられないとしたり、他の人に替えるように要求したりできません。

 

正社員も退職勧奨やパートへの変更などのすべての不利益取扱いが禁止されています。

 

では抽象的だけど均等法を読んでみてください。私も入力しながら改めて読んでみました。9条3項に労働基準法第65条が出てきますので、これも末尾に付けておきます。また4項で、もし事業主が解雇した場合は、事業主が解雇の理由を証明しなければならなくしました。今まで裁判例をいくつかブログに書いてきましたが、いつも不利益を受けた側が証明しなければならなかったことから考えると、この条文はなかなかのものですね。

 

《雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律》

(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)

9条 事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。

2 事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。

3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法第65条第1項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第2項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であって

厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他の不利益な取扱いをしてはならない。

4 妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りではない。

 

3項のその他の妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものは以下の通りです。これらの理由で事業主が解雇したり不利益な取扱いをすることを禁止しました。

 

《厚労省令で定めるもの》

妊娠したこと。

出産したこと。

母性健康管理措置を求め、またはその措置を受けたこと。

(母性健康管理措置を書くと文が長くなるので検索してみてください。)

坑内労働や危険有害業務の就業制限を受けたこと。

産前産後休業を休業したこと。

軽易な業務への転換を請求したり、転換したこと。

妊産婦に関する時間外・休日・深夜業の制限を要求したり、それを受けたこと。

育児時間を請求したり、取得したこと。

妊娠又は出産に起因する症状(つわり、切迫流産、出産後の回復不全など)により労働が提供できないこと、または労働能率が低下したこと。

 

陰の声:「現実には、職場でこんなこと主張できないし、職場での自分の立場や人間関係が悪くなってしまう。」

 

法律があってもそれが守られないのが常です。法律が形骸化するのには2通りあります。知っているけれど行使しないか、知らないかです。

法律があって、その通りになっているのならとっくに男女平等は確立されているでしょうからね。

 

後はその人の勇気と行動にかかっています

 

方法はともに考えましょう。まずは私にコメントをください。何度も書いていますように、私のメールに直接入ってきますから、「公表しないで」と書いてくれればコメントは公表されません。またはこのブログにリンクしてあるACW2に相談してもいいですね。

では今日はここまで。続きを読むもよろしく。

 

(先日卒業生に出会いました。彼女曰く「先生のブログ、涙なくしては読めないわ」「えっ、そんなに感動してくれたん」「続きを読むの中国残留婦人、気の毒やわ」。彼女が涙するほど女性労働問題で迫らねば)

 

労働基準法

(産前産後)

65  使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあつては、14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。

 使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。

 使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。

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長い間更新できませんでした。こんなに更新できなかったのは、小さな人が私の家にしばらく滞在して、その世話に追われて思考停止状態に陥ったからです。

さて今日のブログは3点です。

 

一つ目は、《キャノン1000人正社員化》です。(朝日2007326)

《キャノングループ各社の工場で働く非正規雇用の労働者のうち千人を08年末までに正社員に登用する方針を明らかにした。〜中略〜キャノンは昨夏、実態は派遣なのに形式的に請負を装う違法な「偽装請負」が表面化。これをきっかけに派遣や請負の労働者から数百人を正社員にする方針を明らかにした。ところが今年2月、これを先送りする意向を表明。今国会ではキャノンの偽装請負に批判が集中した。今回の方針表明は、そうした批判に配慮した格好だ。キャノンのグループ各社の国内工場で働く派遣・請負労働者は昨年暮れの時点で2万人余。このうち主に派遣労働者(13000)から期間工(最長211ヶ月)として2500人、正社員として1000人を直接雇用する。これ以後も正社員の登用を進め、職場における正社員の比率を高める。》

 

さて、私の感想と疑問は2つ。

キャノングループで働く非正規雇用労働者は2万余り。その中の1000人、宝くじ並みか?

どういう基準で選ばれた人が正社員になるのでしょうか。今年1年の取り組みをマスコミはきちんと報道してほしいですね。

期間工の最長211ヶ月の根拠は何でしょうか?

211ヶ月経てばその現場の仕事は完了するのでしょうか。

まさか、労働者派遣法では、製造現場で働く人の最長期間が3年で、3年以上働いていれば正規雇用の義務を企業が負うから、それとの整合性からこの期間にしたのでしょうか。それとももっと他の理由があるにかも。

(注:3年は200731日から、200431日以降2007228日までは1年間、それ以前は製造現場への派遣労働は認められていなかった。)

 

2つ目は《アステラス社員「性差別で昇格遅れ」2500万円支払い和解 大阪地裁》です。(朝日2007328)

詳しくはこのブログの「裁判傍聴記」20061227日を見てください。

 

《アステラス製薬社員の仙頭さんが『男女差別を受けて昇格・昇給が遅れた』として、同学歴の男性社員らとの15年分の給与差に当たる総額5500万円の支払いを求めた訴訟が和解した。同社が和解金2500万円を支払い、和解条項に社内で男女差別が生じないよう努めるとした文章を盛り込むことで合意した。》

 

疑問点は、傍聴記にも書きましたが仙頭さんが成績優秀にもかかわらず差別を受けたのは明白。

2500万円の根拠は何なのでしょうか?

 

判決で請求額満額とか、それ以上の額が示されたのはまず見たことがありませんね。だいたいは値切られています。

 

仙頭さんのケースは、和解でなく判決を求めても勝利したでしょう。しかしそれには最高裁まで覚悟しなければなりません。日本の裁判は実に長い月日がかかります。仙頭さんは現在55歳、最高裁の判決が出ても、そのときは退職していたというのでは昇格を実現することはできません。

 

3つ目は、総合商社兼松の東京高裁の結審が3月27日にありました。判決はしばらく時間がかかるようです。

 

この裁判の概略をまず読んでください。

 

《兼松の女性労働者6人が、コース別処遇制度によって、男性に比べて低い賃金に抑えられてきたのは男女差別であり違法であるとして、同社を相手に同年同期入社男性社員との賃金差額など、計約3億2千万円の支払いを求めて19959月に提訴。兼松が同制度を実施したのは19851月。男女別だった賃金体系を「コース別」に再編。男性を全員「一般職」、女性を全員「事務職」に振り分け、「一般職は基幹的業務、事務職は補助的業務」とし、男女別の賃金体系を維持。「コース別人事制度」で男女の賃金格差はむしろ拡大し、女性たちの努力で実現した22歳の男女同一初任給も崩されてしまった。定年まで勤めても、女性の賃金は男性27歳の賃金を超えることがなく、6人の原告の女性たちの同時期入社男性社員との賃金格差は、1人あたり約2300万円から6300万円にのぼる。

仕事の内容は男女区別なく、総合商社の業務は、契約を結ぶ仕事、受注・発注、配送手配、クレーム処理、支払い、代金回収と多岐にわたる。契約を結ぶのは男性社員が多いとはいえ、ほとんどの分野で男女の区別なく仕事をしている。会社側は、「事務職」は転勤がない。「一般職」は転勤がある。賃金に差があるのは当然と主張たが、副社長を務めた男性も含め、一般職社員でも一度も転勤しないまま昇給昇格していく社員も珍しくないことを原告が示した。》

 

東京地裁の判決(200311月。ここまでに8年経過)は残念ながら原告の敗訴でした。

裁判長は、「兼松で導入された『コース別人事制度』については、男女雇用機会均等法(旧均等法)をのがれて男女別賃金制度を維持するためのものと認めながらも、『旧均等法は男女差別の禁止を努力義務としていたから、違法とまではいえない』と会社側の主張を容認。

 

そして裁判は東京高裁へと移りました。その結審が327日にあったわけです。中野麻美弁護士(『労働ダンピング』の著者 岩波新書)の意見陳述が素晴らしいので、以下に紹介します。少し長くて、難解だけれど、働く女性の状況、思いをはっきりと主張しています。

 

意見陳述      

原判決は、本件賃金格差が女性に対する差別によって生じたことを認めている。この差別によってもたらされた格差は、女性の賃金がどれだけ勤務を重ねても27歳から26歳の男性の賃金を下回る水準に過ぎないことに象徴されるように、女性の働き手としての人格的価値を貶めるものであった。しかも、この格差は年を追うごとに拡大しており、長期にわたって働き続けてきた控訴人らにとって、越えることのできない男性の賃金年齢は、年を追うごとに低年齢化してきた。控訴人らは、生きていく経済的な基盤を差別によって否定されるという賃金差別によって、何にも耐えがたい屈辱を強いられてきた。

そして、この差別は、年金にも反映するという点で女性が生涯にわたって受けることになるという、生きる基盤における差別でもある。原判決は、控訴人らが採用されてから90年代に至る過去の違法ではない差別ゆえに今日に至る差別も違法ではないとするものであるが、これは、1997年以前に就職しなければならないような年代に女性として生まれた以上、差別を受入るよう宣言するに等しく、将来にわたって差別による不利益を耐え忍ぶことを強いるものである。

会社は差別意図などない、格差は解消しているとして、社員の人員構成を示してみせているが、これがいかに事実を歪曲する主張立証であるかは、比較する母集団の恣意的な設定や事務職には女性しかいないこと、しかも均等法以前に入社して長年勤務を継続してきた女性はほとんど事務職に塩漬けされていることをみても明白である。

 

差別は法的にも人間としての尊厳を否定するものであるとされているが、これは単なる机上の理論ではなく、差別がフラストレーションや心理的葛藤を高めるものであること、行動や思考の自由を抑制し、自己評価を低め、人間としての当たり前の自信や誇り、生まれてきてよかったと思えるような自己肯定観を奪うものであることは社会共通の認識になっている。被控訴人会社が行ってきた賃金差別は、そうした性質を有するものであり、しかも被控訴人会社は、この差別を合理的なものであるとする弁解のために、控訴人らの仕事を「単なる補助」「取次ぎ」「インプット」に過ぎないものであるとして法廷における主張立証においてさらにその差別を上塗りした。このような訴訟態度こそ、糾弾されなければならない。

 

企業の効率的運営と当時の一般的な女性の就業実態という生の事実を根拠に男女差別を違法ではないとした原判決は、きわめて不当なものであり、わが国はもちろん、広く国際社会においても容認されるべきではない。原判決には、そもそも社会において追及しなければならない法的規範、社会的価値、そして経済社会において承認されるべき倫理が忘れられている。

政治哲学や経済倫理学の基礎を築いたロールズは、すべての人々に対して「自尊」または「自尊の社会的基礎」が配分されなければならないとしている。この自尊とは、自分には価値があるという感覚、自分が善いと考えることや人生についての自分の意志は実行するに値するという確信を意味するものであって、ロールズはこれを「最も重要な基本財」であるとした。働き手であるすべての人々にとって、自分の労働が公正に認められること、自分が役に立っているという確信を必要としているのであり、それは経済社会における公序を構成するというべきである。

公序を原判決のように裸の事実によって判断するのであれば、差別が強固なほど違法ではないという矛盾を犯すことになってしまうが、このようなことを法が容認できるものではない。

 

本件は、女性であるがゆえの低い賃金と、女性であるがゆえに労働に対して加えられた「補助の烙印」という明白な差別の違法性を、偽装されたコース制によって隠蔽しようとしたというものである。そして、労働関係の実態を前提にすれば本件コース制度が偽装されたものであることは明白である。既に国際社会においては隠れた差別を可視化して排除する制度を確立していた1980年代に、控訴人らが受けてきた可視化された明白な差別さえ違法と断罪できないとした原判決の誤りは明白である。女性差別撤廃の流れに棹差す判決を切に要望する次第である。

 

胸に迫ることばがいくつも出てきます。

高裁で、原告が負けるようなことがあったら、日本の労働者の人権はお先真っ暗といえますね。

では今日はここまで。

電話相談4日までです。「続きを読む」もよろしく。

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ブログの最後に電話相談に関することがありますので最後までお付き合いください。

 

さて今度はユニクロがパート従業員5,000人を2年間で正社員にするというニュースが流れました。TVでは柳井社長が「優秀なパートの人が他社の正社員に引き抜かれていく」と発言しておられましたが、多分地域差があるでしょうね。大津辺りではそこまで人材不足ではないですから。

 

ユニクのHPでは、次のように出ていました。

《株式会社ユニクロは、20074月1日より「地域限定正社員制度」の運用を開始いたします。この制度はユニクロの店舗に勤務する非正社員である契約社員(契約期間1年の有期雇用、時給契約の社員)及び準社員(契約期間6ヶ月の有期雇用、時給契約の社員)を対象に、勤務地域を限定する正社員として、契約変更を進めるものです。

 

【導入の背景】 現状、ユニクロの店舗で働く正社員は、全国を対象とした転勤を前提としておりました。そのため、優秀でありながら、制度上は正社員として雇用できなかった人材に活躍の場を作ることは、かねてよりの課題でありました。また、大型店を軸にした積極的な出店戦略を展開していく中で、人材の不足感は、今後より顕著になってくる事が予想され、人材の確保と育成の必要性も高まっておりました。》

 

以前にアパレルメーカー「ワールド」がパート従業員を子会社の正社員にしたことを書きましたが、ワールドよりもユニクロの店頭で働いている人の方がずっと若いですね。ユニクロには結構年配の方も買い物をしておられます。またベビー用品もあるから、ユニクロを利用している人は若者だけではないはずです。

 

この制度が真に働く女性の味方になるかはやはり「生活と仕事の調和」にかかっているでしょう。今働いている人が正社員になって、いずれは結婚し子育てをしつつ働き続けることができるか、言い換えれば10年もすれば中年の社員が店頭で対応しているかどうかということですね。こうなればユニクロの人材活用は本物だと言えるでしょう。

常に店員さんの年齢に注意をしましょう。

 

夜遅くまで、また土・日・祝祭日に勤務するような職種の人は、例えば女性労働の先駆的な北欧ではどのような制度で働いているのでしょうか。一度調べる価値はありそうですね。

 

人件費÷資本のような計算で考えると、徹底的に安い人件費で労働者を働かせているのはむしろ大手企業の方かもしれません。

 

前回の暉峻さんの講演の言葉を借りるなら、「日本の経営者は能力がない。賃上げ要求に対して、グローバル化に負ける・負けると言うが、日本ほど労働者を大切にしないで負けるのなら、それはよほど経営者が無能で無知なのだ。」

 

さて、ドイツの失業対策を調べましたが、とても難しい。ドイツも失業者は多く、今までの手厚い社会保障の見直し政策をとっています。ドイツに暮らしている人も「よく分からない」と言ってましたが、特に日本と異なる点についてまとめてみました。

 

失業保険制度において、今まで失業給付の期間が満了した人に対して給付していた失業扶助を廃止し、新たに失業給付兇200511日から発足した。これをハルツ庫,箸いΑ従来は、紹介された会社のある場所に図書館がないとか、以前より賃金が少ないとかの理由で拒否できたのが、失業給付兇任狼畤者は公序良俗に反しない労働は全て認容しなければならない。特に認められる理由以外にこれを拒否すれば、拒否の都度給付の30(月額約14000)3ヶ月間減額となる。即ち3回斡旋を断るともらえなくなる。しかし、25歳未満の者が拒否した場合は3ヶ月間一切の現金給付をしないという処分を受ける。が、この間の住居手当および暖房費は休職者の賃貸人に直接支払われ、相談などのサービスは受けることができる。

 

特に私が注目するのは、求職者に職業紹介をするケースマネージャーが個々の求職者に付いて職業紹介を行い、特に若年求職者は、求人紹介に係る請求権を有することです。

 

では最初に紹介した「電話相談」についてです。

 

早や来月は4月。4月から改正均等法がスタートします。審議会傍聴やら院内集会やら、均等法が改定されるまでの経過と、今回の均等法の問題点を何度も書いてきましたが、いよいよこの法律が施行されるのです。

 

もう一度簡単にまとめます。

CEDAW(国連女性差別撤廃委員会)の勧告を受けて、日本で初めて「間接差別」が明記されました。しかしたったの3例しか認められませんでした。その3例とは

身長と体重…業務に必要がないのに募集や採用で一定の身長・体重を要件としたため女性の多くが不利になる場合。

全国転勤…幹部としての能力の育成に転勤が不可欠といった合理的理由がないのに、総合職の募集・採用で全国転勤を要件としたため女性の多く不利になる場合。

転勤経験…業務に関係がないのに、転居を伴う転勤経験がなければ昇進しないという要件を入れたため女性の多くが不利になる場合。

 

この3例以外にも、例えば家族手当の所帯主要件や正社員やパート労働者の処遇の違いなど、間接差別に当たるものが沢山あります。

 

女性たちの切実な声は法律には反映されませんでしたが、以下のことが国会で附帯決議されました。

 

5年を待たずに追加見直しをはかる。そのために男女差別の実態把握や要因分析の検討をすすめる。

雇用均等室において上記3例以外の間接差別の相談や訴えにも対応する。(滋賀県労働局の所在地:大津市梅林1丁目3-10滋賀ビル5階)

男女の賃金格差是正のためにILO100号条約(同一価値労働・同一賃金)の積極的推進をはかる。

 

この附帯決議を実効あるものにするのは、働く人たちです。そこで4月からスタートの改正均等法に関連して「発見しよう!あなたのまわりの間接差別」というテーマで電話相談をワーキング・ウィメンズ・ネットワーク(WWNhttp://www.ne.jp/asahi/wwn/wwin/)が行います。

以下WWNのパンフレットから引用します。

 

あなたの職場で、おかしいと思うこと、腹がたつこと、困っていること。娘さんやお友だちのことでも、お気軽にお電話ください。法的なご相談については、後日弁護士より回答いたします。間接差別で調停や裁判をする方には、費用の一部を「住友メーカー裁判基金」よりサポートします。

 

 06−6941−8700  

 06−4793−0810   

 06−4793−0811  

日時:4月2日()〜4日()お昼12時〜夜8

 

お役に立てればいいのですが。では今日はここまで。

「続きを読む」もよろしく。

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さて、今日は前回の続きからです。

 

一番目の話題はTVでも盛んに報道されていましが、中川自民党幹事長が講演で「閣議に首相が入ってきても、起立、礼をしない、私語をする大臣がいる」と指摘したとか(2007.02.20朝日)。私の感想は「どこかずれている」です。中川幹事長はどういう意味でこの発言をしたのでしょうか。首相への忠誠心は起立・礼の度合いで計るのでしょうか。起立、礼をしなくても、実りある「美しい国づくり」の会議は進むでしょうにね。

 

余談ですが、私は授業時間がもったいないので、ある時期から起立も礼もしなくなりましたが、しなくても、しても授業は変わりませんでした。「なんにために起立、礼をするか」と生徒に聞かれたときは、試合の前の「気合」のようなものだと答えていましたが、ホントのところは分かっていませんでした。

 

二つ目、少子化問題について。出生率が1.30になったとか。これは景気が上向いてきて、結婚する人が増えてきたこと、若い世代の生活が安定しつつあること(厚労省)とか、朝刊でもニュースでも言ってました。ホントそうなんでしょうかね。数字から読み取るのは難しいけれど、政府の掛け声に答えたというのでは絶対ないでしょう。

 

知ってました?

太平洋戦争突入の前の19411月。政府は「人口政策確立要綱」を閣議決定しました。「高度国防国家に於ける兵力及び労力」を確保するため、結婚年齢を現状より3歳若くし、「1夫婦の出生数平均5児」とする目標を掲げたとか。要は戦争をするための兵隊と、それを支える労働力が必要だから、もっと子どもを産んでもらいたいということです。「このままでは将来の労働力不足が心配」という論調と同じでしょう。

 

ちょっと文章が難しいけれど、もう少し引用します。「母性の国家的使命を認識しめる」「個人を基礎とする世界観を廃し国と民族を基礎とする世界観の確立、徹底を図る」。(2007.02.20朝日)

 

女性は家庭にあって、育児・介護の担い手であることが本来の生き方であるというようなことを政府が言い出したときは要注意です。女性も男性も生き方は個人が選ぶものです。

おすぎさんのコメントは、柳沢発言はどこにでもあるということでしょうね。

 

話は変わりますが、先日埼玉大学名誉教授の暉峻淑子(てるおかいつこ)さんの話を聞く機会がありました。暉峻さんは1928年生まれ、「豊かさとは何か」「豊かさの条件」(岩波書店)の著者です。

何年か前に聞いた暉峻さんの理知的で爽やかな語り口、分かりやすく説得力がある講演をとても楽しみにしていました。今回は「おや、暉峻さんも歳をとられたのかな?」と思うほど、元気がありませんでした。でも段々と聞いている内に、それは暉峻さんが日本の現状にかなり絶望しておられるからだと分かってきました。

 

題は「格差社会をどう越えるか〜働き方・働かされ方の視点から〜」です。

 

暉峻さんは

『労働がなければ社会は存続できない。労働は社会の根幹である。労働の世界が崩れるとき、社会も崩れる。資本主義の目標は無限の利潤獲得である。これに対し、生活している者は、人権、福祉、環境の質を高めて、人間的な豊かさを実現することが目標である』

 

『今春闘で賃上げを要求している。要求することは必要である。しかし、そのカネで子どもを塾にやり、子どもを競争社会に放り込むのなら、カネ、カネと言って利潤追求に走る資本家と同じ論理になる。何ために賃上げをするのか、その賃上げのカネでどういう生活をしたいのかという哲学が労働者に欠けている』

 

『戦争中は命が軽んじられた時代であった。それが今言葉を変えて[企業のために]の時代になってきている。財界は財界の欲しい人材を学校教育で作るように求めている。結果的に賃上げのカネでそのような教育を受けさせ、企業の望む人材育成に手を貸している。[〜のための時代]から[自分自身のための人生を]を労働者は考えなければいけない』

 

70%以上の企業が法人税を払っていない。規制緩和の旗振り役のオリックスの宮内義彦氏がどれだけこの規制緩和で儲けたか。トヨタは消費税を一円たりとも払っていない、松下やキャノンの偽装請負等このような状況を許しているのは労働者自身である。』と聴衆(大多数は労働者)に耳の痛い話が続きました。

 

暉峻さんの声が元気になるのは、ドイツの労働政策を語られるときだと途中で気が付きました。「失業保険1・2」の制度が格差社会の底辺を支えていることの例は、暉峻さんの話は概略だったので、調べてみて分かれば次回に書きます。

では今日はここまで。

続きを読むもよろしく。

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今年こそは一週間に一度の更新をと密かに誓ったのですが、人間そう簡単に変われないようです。

 

気になる話題を3つばかり。中川自民党幹事長が講演で「閣議に首相が入ってきても、起立、礼をしない、私語をする大臣がいる」と指摘したとか(2007.02.20朝日)から書き出し、2つ目に少子化について、3つ目に『キャノン、正社員化先送り 請負、派遣、方針を転換』をと書き始めたのですが順番を変えました。キャノンで働く人が国会で発言したとの情報が入ってきましたから三つ目から始めます。次に「働く人に対するキャノンと住友化学の対応」を並べますので、比較してみてください。(2つは次回へ)

 

三つ目、企業への応援の表し方について。デジカメもプリンターも古くなってきているのでそろそろ買い替えを考えているのですが、やっぱりキャノン製品は買わないでおこうと、記事を読んで思いました。以前に「ワールド」の洋服を買いにいったことを書きましたが、消費者が直接気持ちを表すことができない企業もあるのですね。

 

住友化学のHPによると、主に原材料を製造している企業で、農薬部門と医薬品部門は直接消費者と関係ありそうなんですが、農薬は私には全くといっていいほど関係ないし、医薬品は医者の処方箋で購入することになるし、食べ物や電化製品や洋服のように、「買う」という行為で気持ちを表すことはできそうにない会社です。どうして私がこんな気持ちになったのかは住友化学裁判の元原告矢谷さんの文章を読んでみてください。

 

彼女は和解後も、男性では絶対要求されないだろう努力して、一般職から総合職になり、ついに管理職になりました。会社内の派遣の人を正社員にすることの火付け役をした人でもあります(2006.04.26ブログ)。住友化学の原告はこの文書を書いた矢谷さんと石田さんです。以下矢谷さんの文章です。

 

私達原告が、大阪高裁の和解時に一番こだわった事は、一般職女性で管理職になった人が歴代一人も居ない事でした。

定年退職を1ヶ月後に控えた原告の石田さんを象徴的な意味でも退職前に管理職にして欲しいと粘りましたが、「石田さんは管理職の一歩手前の級まで行っていない。飛び級は人事制度を変更する事なのでできない」という会社の返答で、叶いませんでした。和解の2日後に原告以外で、歴代初めて一般職のままで女性管理職が誕生しましたが、その後、増えていませんでした。

 

今回会社は飛び級でも管理職になれるように人事制度を改訂してきました。会社のニュースには「当社では、これまで一般職社員から管理社員に任用された女性は少数であるという事実に鑑み、男女雇用機会均等法にも規定されているポジティブアクションの考え方に基づき、女性が活躍するフィールドを拡大させていくという観点から、意欲・能力のある女性一般職社員を積極的に推薦していくこととする。」という事です。

 

私達が裁判で言い続けた事が制度になりました。少々遅れましたが、裁判をした事が、住友化学を徐々に変えてきている事を実感でき、とても嬉しいです。

 

もう一つ、派遣社員がどんどん正社員に採用されていますが、新卒の初任給から始まるので、時間給が下がる為、断る派遣社員もいました。会社はそれも改訂してきました。会社は「一般的に、何らかの職業経験を持つ者のほうが、新規学校卒業者よりも、組織人としての意識が高いことなどから早期に職務遂行能力が伸長する傾向がある。今後は、当社に入社する前の職業経験などを踏まえて初任給を設定することとし、柔軟な運用を図ることとしたい。」という事です。初任給より最低でも月6,000円が加算されるようになり、過去の職業経験は、パート、派遣、アルバイトや職務の内容も問わない事になりました。これは、04年該当者から遡及実施される事になりました。

 

これも、派遣社員は組合員じゃないと取り上げなかった組合に、度々派遣から正社員になったのだから取り上げるように要請に行っていましたので大変嬉しいです。

 

少子化対策はびっくりするくらい積極的です。ワークライフバランスという言葉も度々出てきます。保育所を愛媛と大阪工場に新設します。新設しない他の工場や事業所には民間業者と提携して保育サービスを充実させるという事です。育児休業も1年でしたが、1年半に延ばしてきました。

 

出産・育児で退職した人の再雇用もOKになりました。妊産婦が検診するために、月1回有給の休暇も認めました。保育所への送迎のための時間短縮も小学校3年生まで延長しました。

 

有給休暇も勤続年数にかかわらず一律年20日付与します。まだまだ、書ききれません。

 

先週も早速、飛び級で管理職に推薦されている一般職女性から相談にのって欲しいと話がありましたが、躊躇しているようなので、ぜひ頑張って欲しい、女性が管理職になりやすいように、会社も教育・宣伝に努めるように人事室へ言っていくからと励ましました。

 

関係会社の派遣社員で、7年もたっているのに正社員になれない人からも相談があったので、法的なこと、住化の実態などを知らせ、応援しています。

 

まだまだ、制度が変わっただけで、実態はこれからですが、現役で働ける間に元原告という立場を利用して頑張っていこうと思っています。長くなってしまいましたが、嬉しくて、お知らせまで》

 

次にキャノンです。キャノンの偽装請負の実態が衆議院の予算委員会の公聴会で報告されましたので、次をクリックして、さらに発言者一覧の三番目の大野秀之さんをクリックしてください。http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.cfm?deli_id=33631&media_type=wn

 

9分間の発言です。概略は以下です。

 キヤノンの工場で請負で働く大野秀之さん(32)が22日午前、衆院予算委員会の公聴会に招かれ、非正規雇用の労働者の思いを語った。長年にわたる職場の「偽装請負」も指摘し、「厚生労働省は労働者派遣法を適用して直接雇用をキヤノンに指導してほしい」と訴えた。 大野さんはこの7年近く、数カ月おきに更新される細切れ契約で請負会社に雇われ、キヤノンの宇都宮光学機器事業所で働いてきた。「何年働いても賃金は上がりません。ボーナスはなく、退職金制度もありません。私たちには景気回復傾向の実感はまったくなく、待遇は日に日に悪くなっているのが現状です」。キヤノンと請負会社の契約はもとは請負だった。それが一昨年5月に労働者派遣契約になり、昨年5月に再び請負契約に。さらにまた派遣契約に戻されようとした矢先の昨年10月に、労働組合東京ユニオンに加入した。不安定な将来に「精神的に限界」だった。「私たちは生身の人間です。正社員と同じ仕事をしているのであれば、同じ賃金をもらいたい。安心して子どもを産み、十分な教育を授けたい。親の面倒を見たい。そして自分自身も社会に貢献しながら幸せな老後を送りたい。そんな生活をしたいです」。昨年12月に労組のキヤノンユニオン宇都宮支部を立ち上げた。が、キヤノンからは「使用関係がない」「偽装請負はない」として団体交渉を拒否されている。「私たちのように、一度、非正社員の道に入り込んでしまうと、正社員の道を歩むことがとても困難であることをどうか知ってください」そう述べて、大野さんは陳述を締めくくった。 (ACW2MLより引用)

 

では新聞記事を紹介します。

『キヤノン、派遣・請負の正社員化後回し 新卒採用を優先』

《違法な「偽装請負」の是正策の一環として、請負・派遣労働者の一部を正社員に採用すると昨夏に表明していたキヤノンが、その後半年間の検討を経て、当面は高校新卒者らの正社員採用を優先する方針に転換した。

 

政府は、新卒一括採用システムの見直しや非正規労働者の正社員化の推進を重点課題にしているが、キヤノンの方針転換は、こうした流れに逆行しそうだ。

 

 キヤノングループでは、他社に雇われた非正規労働者を派遣契約なしで直接使う偽装請負が各地の工場で発覚し、労働局の指導を受けた。昨年8月に社長をトップとする「外部要員管理適正化委員会」を設置。偽装請負の解消に取り組むとともに、工場で請負や派遣で働く2万人以上の労働者から1,2年のうちに数百人を正社員に採用すると表明した。

 

ところが、今月に入って取材に応じた人事本部長の山崎啓二郎取締役は「技術の伝承、組織の活性化のために、若い人を採ることになった。新卒の定期採用のほうが中長期には人材的に安定する」と説明。代わりに高校や工業高専の新卒者の定期採用に力を入れる方針を明らかにした。08年春は高校新卒を100人、高専新卒を40人と採用をほぼ倍増させるという。

 

同社は非正規労働者の正社員化について「撤回したわけではなく、優秀な人がいたら採用する」という。ただ、その判断はグループ各社に委ねており、採用予定数も示していない。

 

国内のキヤノングループでは、昨年6月時点で製造にかかわる請負労働者が約15000人、派遣労働者が約7500人いた。偽装請負解消に伴い派遣を増やしたため、昨年12月には請負が約12000人に減り、派遣が約12500人に増えた。昨年は、大手請負会社コラボレートが偽装請負で事業停止処分を受けて製造請負から撤退したことなどもあって、製造にかかわる派遣労働者のうち約200人を期間従業員として直接雇用したという。

 

偽装請負をめぐっては、民主党が、日本経団連会長でもあるキヤノンの御手洗冨士夫会長を国会に参考人招致するよう求めている。(.02.18朝日)

 

この2企業についてのコメントを寄せてください。

では今日はここまで。「続きを読む」もよろしく。

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久しぶりに昔の同僚と飲みました。

随分と職場も様変わりしたようです。働いている大人の側の変化を言えば、先生が発言しなくなったそうです。

 

職員会議は校長から先生への連絡をするところで、先生が話し合って結論を出したり、意思を決定するところではないという見解を文部科学省は出していますから、その効果が見事に現れてきていると言えます。

 

労働者と経営者は対等であるとおっしゃる、理想的な経営者もいらっしゃるようですが(まともに取らないでね。皮肉なんだから)、その代表としてのザ・アールの奥谷社長は次ぎのように発言しています。彼女はこのブログでずっと書いているホワイトカラー・エグゼンプションを含む労働契約法制等の審議会委員です。

 

「経営者は、過労死するまで働けなんて言いませんからね。過労死は自己管理の問題です。労働基準監督署も不要です。『残業が多すぎる。不当だ』と思えば、労働者が訴えれば民法で済むことじゃないですか」(東洋経済2007.01.13)

 

どれだけの人が裁判を起こすことができる思ってんのとかいろいろありますが、是非コメントで感想を聞きたいですね。この会社の社員は幸せだろうな。

 

職員会議で先生がただ意見を言うだけで、最後は校長の考えで物事が決められていくのなら、段々誰も話さなくなって行きますよね。こうして政府の思惑通りに、校長に「ハイハイ」という先生ばかりになって、果たしてどんな生徒が育っていくでしょうか。

 

今の格差社会と共通すると思いませんか。

従順に、ひたすら働いてきた結果がこの格差社会だとすれば、教師も労働者も責任の一端はあります。(教師は勿論労働者ですが…)

 

前回のブログに書きましたが、自己責任の全くない中国残留孤児・婦人・邦人の苦労を思えば、一人ひとりができることころで発言をしていかなければと改めて考えています。

 

うっちさん、契約社員の実態がよく分かりました。外向けには優良な企業の実態がこれとは

50山風さん、仕事見つかるといいですが、なぜか日本では35歳が女性正社員の制限年齢のようです。吉報を待っています。

 

07年春闘「時給15円増」訴えー非正社員の待遇改善》(朝日2007.02.10)ちなみに先進国で最も最低賃金(時給)が低いのは日本です。

 

さて今日も労働問題に大きな進展がありませんので、前回に引き続き中国残留婦人Fさんの手記を掲載します。この手記はFさんの許可を得ています。Fさんは1人でも多くの人にこれを読んでもらって、二度と戦争のない世の中を作ってほしいと願っておられます。

「続きを読む」をクリックしてください。なお文中のBさんは後々まで出てくる重要人物なので覚えておいてください。

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今日は、労働問題から離れます。

このブログは労働問題に焦点を絞ったものです。以前にも書きましたが、話題を広げると収拾がつかなくなるというのがその理由です。

 

ホワイトカラー・エグゼンプションに代表される労働契約法制は、今国会での法案成立は見送られましたから、今少し労働問題に関する記事や話題は少なくなってきています。しかし、今国会で見送っただけのことで、参議院議員選挙が済んで、現与党が勝利すればすぐに国会に出てくるでしょう。

 

労働問題について話題がなくなることは全くと言っていいほどないのですが、私の脳ミソが働かないときは他の話題も有りということでしょうか。

 

何か違うという感が日増しに強くなってきます。柳沢厚労相の発言に対しての政界の対応についてです。「機械発言」を聞いたときは、「おっまたやってくれたか」という感想でした。

 

国会議員、地方議員を問わず、こういう考えをしている人は多いのではないでしょうか。それを発言するかしないかの違いだけで…。地方議員の方が、マスコミに騒がれない分、かえって酷いのではないかと思います。

 

女性国会議員の服装は、党派を問わず非常にフェミニンです。TVで確認してみてください。社民党の辻元清美さんが国会議員になって初めて登庁したとき「スカートをはけ」と男性議員から言われたというのを読んだことがあります。

 

少子化とか、将来の労働力不足とか、年金の維持だとかと言われるたびに「違うやろ」と言いたくなります。将来の労働力のために少子化をくい止めなければならないのなら、まるで太平洋戦争で叫ばれた「産めよ、増やせよ」と同じではありませんか。子どもを産む行為は、国家のスローガンとは無縁のものです。そういう意味で野党が大臣の辞任を求めたことは当然です。しかし、その後の与野党の対応は、女性が求めているところからどんどん離れています。今は愛知県の知事選挙の道具になりました。

 

圧倒的与党の前ではこの戦術しかないのだ、という野党の考えも分からないではありませんが、柳沢大臣が辞任したとしても、やっぱり本質は何も変わらないだろうと思います。

 

ある状況が、いったん当事者の手を離れて政治の側に取り込まれてしまうと、どんどんと事の本質から離れていってしまいます。宗教が弾圧されたり、国教として認められたり、そのたびに血を流したのは権力を持たない人々でした。

(世界史で勉強したこと覚えていますか)

 

待遇や賃金差別で訴えた女性への判決の多くは、「同情する。しかし当時としては、女性が男性と同じように働くとは考えていなかった時代だから、まあ仕方がない」という内容です。ことの本質を問うている女性に対してのこの判決は、今回の柳沢大臣への問題発言への対応の仕方と通じるように思えて仕方がないのです。

 

これが政治なのだといわれれば、現代はなんと人間一人ひとりが見えない不幸な時代なのでしょうか。

 

個人が国によって不幸にさせられた例は一杯あります。その代表的なのは戦争ですね。しかし、全面的に当時の政府のみが悪かったとはいえないですね。なぜなら人々によって成立しているのが国であり、その単位である個人は選挙権を持っているからです。

(この考えに異論のある人も多いです。国家があって、国民があるという考えです。)

 

戦争に関して、全く当事者ではないにも関わらず、全て自己責任とされた人々がいます。それは中国残留孤児です。

 

《日本に永住帰国した中国残留孤児40人が、「国がすみやかな帰国措置や永住後の自立支援義務を怠ったために就労や教育で不利益を被った」として賠償を国に求めた判決が30日東京地裁であった。地裁は「早期帰国を実現する法的義務や、法的な自立支援義務を国が負うとは認められない。日本の生活に慣れない孤児が一挙に大量に帰国することになれば、円滑に定着することは困難」として国の帰国支援策に問題はないとの見方を示した。》(2007.01.31朝日)

 

今日の授業はある1人の残留孤児の話です。「続きを読む」に入れましたので、是非ここをクリックしてくださいね。長文なので、労働問題が少ないときに連載していきます。(2006.03.25で予告)

 

これを読んで、あなたはこの女性が中国でさまよったのも、日本語を忘れてしまったのも、弟や妹や父親が亡くなったのも、彼女個人の問題であり、政府に早期に帰国を実現する法的義務はなかったという判決に納得がいくでしょうか。

 

この手記を書いたFさんは滋賀県在住の方です。現在81歳。一昨年に私はFさんと出会いました。Fさんの手記を読むと、その記憶力に感心します。当時の辛い日々がいかに深く深く脳に刻み込まれたかが分かります。

 

19歳で満州へ行き、30年後に帰国されました。

正式にはFさんは中国残留婦人と言われています。

孤児と婦人・邦人の違いはたった一つです。それはソ連が満州へ侵入してきた194589日に13歳以下であったか、以上であったかの違いです。13歳の根拠は、13歳が自己で物事を決めることができる年齢だからだそうです。この13歳という年齢を出してきたのは、勿論戦後の厚生省です。Fさんが中国に残ったのは、Fさんの意志という訳です。そうなのかどうか、あなたが判断してください。

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今回のブログは1月20()「働く女性の全国センター」(ACW2)が発足したことを書きます。

まずここ、働く女性の全国センターをクリックしてみてください。これはブログ左下にもリンクしてあります。

 

昨年11月5日のブログに次のように紹介しました

《各地の女姓労組や女姓NGOのメンバーが集まり、働く女性のための初の支援組織を結成する。非正規雇用が働く女性の半数を超し、既成の労組では対応できない層が急増。どの地域の女姓も個人で参加でき、法的な助言や労使交渉の支援を受けられる仕組みが必要になった。年内に約500人の加入を見込んでおり、来年1月、東京都内で旗揚げ集会を開く。〜中略〜新組織の名称は「働く女性の全国センター」〜中略〜代表に予定されている「女性ユニオン東京」前委員長の伊藤みどりさんによると、非正社員女性を中心に解雇やセクハラ、パワハラなどの相談は増加。均等違法改正で労働基準法の女子保護規定が撤廃されて以来、働く女性の健康障害、うつ病も目立ち、複合的な対応が必要になっている〜中略〜(朝日2006.10.31)

 

ACW2のHPの左側に各地で活動している団体がリンクされています。

こんなに各地で活動している女性団体があるのですが、今まで全国組織はありませんでした。

当日の様子はHPの記事欄を読んでください。

 

ここでお願いが2つあります。

一つ目は「ACW2に加入しませんか」ということです。この会を存続させるのは一人ひとりの女性の力なので、私も及ばずながら呼びかけをすることにしました。HPを読んで考えてください。

 

メーリングリストを使って会員からのメールが入ってきています。勿論個人情報は守られています。メールを読みながら、「私もここにいるわよ」「私も」と言っている声が各地から湧き上がってくるような感じがしました。

以前にも書きましたが、このブログを始めるきっかけとなったのは、卒業生への調査でした。仕事を続けるか辞めるかというような岐路に立ったときに、「相談する仲間がいないこと」や「家庭と仕事の両立をしている女性の先輩がいないから、自分の未来像が描けない」ことや「毎日の仕事をこなすのに精一杯で、労働問題について学ぶ機会がない」状況に、特に女性が置かれているということに気が付きました。

各地の女性がメールで話し合うのは素敵なことだと思います。

2つ目は就業規則アンケートにご協力くださいをクリックしてください。これはACW2のHPの「記事 ACW2からのお知らせ」に2007/01/11の項目があります。できるだけ沢山の数を集めたいので、これは別に会員でなくでも回答できるので、今仕事をしている人は是非とも協力をしてください。

さて今日はACW2にアクセスしてもらうことのみ書きました。クリックしてくれた人の感想が聞きたいですね。

 

おまけの授業はカンボジアの続きです。昨年の10月にカンボジアへ行ったことは、このブログでも少しだけ書きました(2006.10.19)。あのときは、「いずれまたおいおいと書いていきます」の言葉で締め括りましたが、あの旅行以来《カンボジア》という言葉に耳が敏感に反応するようになりました。

とは言っても1992年に日本が初めて海外に自衛隊を出した国がカンボジアであったので、敏感に反応するDNAはそのときに刷り込まれていたとは思うのですが…。2学期が始まってすぐに、教室が騒然としたことをよく覚えています。

 

そのカンボジアに滞在しておられる中川香須美さん(カンボジア弁護士の会,アジア女性資料センター会員、カンボジアの首都プノンペンの大学で「ジェンダー論」を講義。神戸出身)から「今、はじめて語られる歴史―カンボジア内戦下の性暴力―クメール・ルージュ時代の性犯罪」というテーマでお話を聞く機会を得ました。中川さんのカンボジア滞在は8年になりますが、最初に行かれたときはポルポト派(クメール・ルージュ)がUNTAC(国連暫定行政機構)主導による武装解除や停戦に抵抗していたときだったので、銃撃戦の音に机の下に隠れることもあったそうです。「怖かったでしょう」という問いに、「阪神淡路大震災に比べればどうってことありませんでした」との答えが返ってきました。この言葉であの大震災がどれほどのものであったかをかえって知ることになりました。

 

カンボジアの女性の地位は低く、特に若い女性に対しては貞操と従順を求められているのは今でも同じだそうです。性被害は被害者である女性の側に落ち度があったからだとされて、犯罪として取り上げられません。ポルポト派の兵士は、レイプした女性を殆ど殺してしまいましたから、生き残っている女性を探し出すことから始めなければなりませんでした。中川さんはこういう状況下で、カンボジアのスタッフの力を借りて、1500人の女性を調査し、さらに100人に聞き取りをされました。その調査概要の講演があったのです。ポルポト政権下で100万人とも300万人ともいわれる人々が虐殺されました。これに対する裁判が昨年の秋から始まりました。これは国際法廷ですが、裁判官も弁護士もカンボジアでは数が非常に少ないのです。なぜなら19754月から19791月までカンボジアを支配したポルポト政権は、前政権の指導者、元軍人、兵士、公務員、芸術家、医師、弁護士、学者、教師、技術者等の知識人を殺してしまったからです。眼鏡をかけた人も知識人とみなされて殺されたそうです。なぜこのようなことが起きたのかを国際法廷で明らかにしてもらいたいものですが、なんせ人材がないから裁判を開くのも大変なことなのです。

ポルポト政権についてはインターネットで沢山出ていますので検索してみてください。

では今日はここまで。

《「残業代ゼロ」提出見送り 今国会首相「理解得られぬ」》(2007.01.17朝日)

 

ついにホワイトカラー・エグゼンプションは「残業ゼロ」に代表されるようになったのかと、話の本筋を忘れて変なところで感心しています。

なんせ「ホワイトカラー・エグゼンプション」は「仕事と家庭の調和」を推進し、少子化を阻止する手立てにもなると発言する首相ですから、油断は禁物です。

 

「国民の理解得られぬ」が国会提出を断念させたのなら、永久に提出なんてできないはずです。「国民の理解得られぬ」ことがスイスイと国会で決議されているのだから、他に理由があると考えます。

経営者側は、このホワイトカラー・エグゼンプションに該当する人を厚労省の言う通りに厳密に当てはめるのならそう効果を期待できないし、これと抱き合わせの「残業代を今の25%増しから50%増し」にはしたくないからとかで、今回のような提出見送りになったまでのことでしょう。

 

年末29日に「幸せを呼ぶ?労働ビッグバン」と題して国際基督教教授八代尚宏さんと弁護士中野麻美さんの対論が掲載されました(朝日)。終わりまで読んで、これはお互いの言い分を記者が聞いた後に、まとめたものだと勘違いしてしまいました。見出しをよくよく読んでみると「対論」とあるし、文章の最初には「専門家2人が話し合った」と書いてありました。それくらい2人の話合いは交差せず、平行線のままの感がしました。特に労働ビッグバンの旗振り役である八代さんは現場のことが分かってないと実感しました。八代さんは「経済のグローバル化で低賃金の国との競争、人口減少や少子高齢化による労働力減少、だから成長促進のためには労働市場をより自由、柔軟にし、非正社員も含めて雇用のルールや働き方を大きく変える必要がある。雇用保障の犠牲やむなし」という意見です。

 

規制緩和を推し進め、日本のモデルとなっているアメリカは、超格差社会をひた走りに走っています。

2001年のアメリカの富の分布は、全所帯のトップ1%(特権階級:純資産1200億円の超金持ち約400所帯と純資産120億円の金持ち約5000所帯)が全米の富の33.4%を保有し、次の4%(純資産12億円以上の富裕層約35万所帯と純資産24千万円以上でかつ年間所得2400万円以上)25.8%で、この2つのトップ5%が60%の富を握り、最下層はアメリカの人口の2530%を占めている。貧困ラインとは(4人家族で年間所帯所得280万円以下)に満たない階層のこと。(小林由美著『超・格差社会アメリカの真実)』日経BP出版センター)

2007年の今はさらにトップの階層の保有率は高くなり、トップと貧困層の間の中間層が貧困層へシフトし、格差は拡大しているそうです。

 

なんで一部の金持ちを支えるために働かねばならないのだ

グローバル化という水戸黄門の印籠のような言葉は(古い)、一部の人を豊かにしているだけじゃないか。これを言えばみんなひれ伏すとでも思っているのでしょうかね。

 

昨年のハリケーンのニュースで、アメリカの貧困層の現実を知りました。この貧困層の面倒は最終的に誰がみるのでしょうか。そうなれば金持ち層は国外に居を移すのでしょうか。でも権力を持ちたい、威張りたい政治家は、選挙民あっての政治家なので、彼らは逃亡できないでしょうね。

 

これを読んで、教師をしていたときのもどかしさを思い出しました。今再び「学力向上のために授業時間増加」を政府が言い出しています。「7時間授業もあり」だそうです。

児童・生徒の学力低下を7時間授業で解決できると思いますか

考える力を7時間授業で養えるとしたら、それは余程今まで考えてこなかった人の考えのように思います(表現まず〜い)。

 

私が勤務していた頃、高校一年生の社会科科目は現代社会でした。多様な考え方があることを、話し合いのなかで知ることは重要です。現代社会のさまざまなことをディスカッションしました。1グループ4人でグループを作ります。1クラス40人なので10グループ、4人は座ったまま机の向きを変えるだけでグループを作ることができる数字であり、必ず発言しなければならない数字なのです。グループで話し合った内容をまとめて、みんなの前でグループの代表が発表するのに3分、10グループで30分、座席移動とか資料配布とかで5分、これでディスカッションに割ける時間は15分しかありません。話合いが佳境に入って来ると時間が来る。せめて30分は欲しいといつも思っていました。教師が一方的に授業するのとは違って、生徒が主役です。脳ミソもフル回転の一時間となります。これこそ考える授業ではないでしょうか。他の教科でも同じことが言えます。

 

そう、1クラス20人、即ち教師を2倍にすればいいのです。人の力は、40人÷20人=2倍の発言時間確保というだけではなく、その何倍もの力になります。それは目先の人件費という経費以上の効果を生み出します。

 

「日本経済のためには犠牲も止むを得ない」という社会で、人々の力は、割り算どころか累乗で衰退の一途をたどると思います。八代さんは生身の人を見ていない、机上の人という感想を持ちました。

では今日はここまで。

2007年2回目のブログです。

バーゲンも始まりました。

昨年1123日に《アパレルメーカーの「ワールド」がパート5000人正社員化》の記事を書きました。近くのデパートにワールドがあります。そこでもバーゲンが始まったので、少しだけ買い物をしました。

応対してくださった販売員の方に、この記事についてお話を伺いました。まあ世間話しの一環ですが…。

「正社員が非正社員になることの方が多いのに、時代に逆行していると驚かれるのですよ」、「育休も取れます」とのこと。

「正社員化の新聞記事に感激して服を買いに来ました」(バーゲンというのがちと悲しいね)と言うと、「社長に伝えます」と言ってくださいました。女性だけに限らず、安心して働ける職場は応援したいですね。

 

ところが、反対に「買うのを止めようかな」と思う記事を元旦の朝刊に見つけました。それは「企業も国旗・国歌を」という見出し。経済界はついに心の問題にまで言及するようになったかと思わずぎょっとしてしまいました。

世界の観光地で、被写体にレンズを向けている人々のビデオやカメラを見ると、SonyとかCanonとかPanasonicの名前をしばしば発見します。思わず「まいどありー」と言いたくなります。これって愛国心なのかしら私のデジカメもプリンターもキャノンです。

 

世界中で使われているキャノン製品、社長は御手洗さん、日本経団連会長でもあります。御手洗さんがこれを言い出したとのことです。

 

法律が成立する何年か前には、必ず経済界はそれに関連することを発言しています。そして何年か後にはそれが法律となります。

例えば均等法成立の過程において、経済界は「女性保護全面廃止」を言い、「男女平等は機会の均等であって、結果の平等を求めるとかえって困難な問題が生じる」というような趣旨の発言をしていました。その意向が取り入れられて、均等法はILOの精神を大きく外れて今でも先進国の中で恥ずかしい内容のままです。今年4月から施行される改定均等法は男女双方に適応されますが、それまでは女性にのみ適応の法律で、それも機会を与えてもらっただけでした。だから経営者側の思惑通り、女性はドアを開けてはもらいましたが(ドアの存在を知らされないというのは、試験を受ける当事者にしか分からないことなので、企業責任は問われません。男性には来る求人情報が女性には来ないということです)、そのドアを一歩入ったところから男性と歩く道が違っていました。住友裁判を始めとした女性差別裁判がその証拠です。また均等法の「均等」は、女性の働き方を男性並みにするのに使われ、男性は女性に負けじとさらに働かされるようになりました。過労死が、相撲や津波などと同じように日本語で通用する国際語となっています。今でさえ会社に身も心も捧げ、忠誠心一杯の日本の労働者に、「国旗・国歌を」とは

あなたは何を連想しますか。

「企業のために奉仕することは国のために奉仕することである」の次にどんな法律が待ち受けているのでしょうか。

 

知り合いのドイツ人が年末年始と長い休暇を取っているので、その訳を聞いたところ、「土日に仕事をしたので、休まないと罰せられるから」と言ってました。

国際的な企業の経営者なら、「ヨーロッパ並みに休暇を取ろう。サービス残業なんてとんでもない。」とまず言ってもらいたいものです。

年が明けてもいいニュースは続きませんね。

では今日はここまで

あけましておめでとうございます。

今年もブログにお付き合いください。

 

年末のブログに「春闘」と「ワコールの正社員化」の予告をしましたので、今年最初のブログはこれに対する私の考え方を紹介することから始めます。

 

私は同一価値労働・同一賃金」とワークシェアリング」が、今の日本が抱えている労働問題を解決する糸口となるとずっと考えてきました。

しかし、同一価値労働・同一賃金の考え方は、労働者に味方する方向へは行かず、むしろ正社員を非正社員化する方向に使われるようになって来ていると聞きました。(20061201日のブログの昭和女子大森ます美さんの講演と〃年3月15日「京ガス訴訟の意義」を参照してください。森ます美さんは京ガス訴訟の原告屋嘉比さんの鑑定意見書を書いた方です)

 

ワークシェアリングについては、このブログではまだ詳しく書いていませんので、次回からぼつぼつ書いていきますが、主としてオランダ型とスウェーデン型があります。

日本政府もワークシェアリングについて検討していますが、日本はオランダをモデルとしています。

 

ワークシェアリングとは、文字通りワーク(WORK)をシェア(SHARE)することです。

 

ところが労働者はワークシェアリングにあまり賛成ではないようです。労働者は賃金が低下するのであれば実施するべきではないという意見が多い。」(「ワークシェアリングに関する調査研究報告書」2001426日発表三井情報開発()へ委託実施)と結果が報告されています。

多分この労働者の大部分は男性正社員のことでしょう。主に同一価値労働、同一賃金の考え方は経営者側が、ワークシェアリングは労働者側が賛成でないとなれば、日本の今抱えている労働問題はお先真っ暗です。

 

まず「ワールドの正社員化」(20061123日のブログ)で、次のようなことが考えられませんか。

 

昨日の大晦日に私は生協とデパートと個人商店に買い物に行きました。個人商店を除いて他は大賑わいでした。多くの中年女性が働いていました。彼女たちは明日のお正月の支度とか、年末の大掃除とか、頭の片隅に置きながら仕事をしているのだろうなと思いました。

 

ワールドの正社員になった販売員の人の中には、結婚したり、子育てをしたりする人も出てくるでしょう。そのとき彼女たちは販売の知識も技術も持ちながら、仕事と家庭の両立に苦しむことになるでしょう。

(意地悪く考えると、パートから正社員になった時点では収入は大きく上がらないかもしれない。でも将来的には正社員は年数が経てば収入は増える。ではそのとき会社側は5000人分の人件費をどのように捻出するか。販売という仕事は、休日、夜遅くという時間帯に働く仕事である。だから継続して働くことができる人は少ないだろう。退職・新規採用は頻繁に起きるから人件費は年月が経ってもそんなに膨大にはならない。ワールドの経営者の方、意地悪な見方ですみません)

 

片や春闘に目を向けると、連合は「賃上げ」を要求しています。景気回復とは名ばかりで、大多数の労働者の懐はなかなか温かくならないというのが現実です。日本の企業は、企業の中で貯めておくマネー(内部留保)が非常に多いのです。だから賃上げの要求は当然です。でも正社員の労働時間の長さは世界一です。過労死、サービス残業は日本の労動者の枕詞の感がします。

「賃金は現状のままでいいから、一日8時間しか働かない。残業は一切しない。有給休暇も行使する。」と春闘で言ってもらえませんかね。

これを実現するためには労働者を増やさなければなりません。

「賃金は現状のままでいい。だから人員を増やせ。それも同一価値労働、同一賃金なのだ。」とも言ってもらえませんかね。

 

労働者が価値観、視点を変えることが今重要なことだと考えます。ずっと賃上げを要求してきた労働者側が、それで本当に豊かな生活を手に入れることができたでしょうか。

(陰の声:経営者はもっと悪意に満ちた考え方で回答するかもしれないけれど…)

これが私の春闘に対する考え方です。

 

ではこのワールドの販売員と過労死寸前もしくはサービス残業の日々の正社員が双方とも幸せになる方法はなんでしょうか。

 

それは「仕事と家庭の調和」という考え方を権利として持つことです。

「ワークシェアリング」と「同一価値労働・同一賃金」の考えは単独ではなく、車の両輪のように共に作用し合い、実現されるべきものです。その両輪を結ぶシャフトの役割をするのが「仕事と家庭の調和」(ワーク&ライフバランス)だと私は考えています。

 

働き過ぎの正社員の皆さん、会社以外での人生を楽しむことを真剣に考える時期に来ているのではないでしょうか。

元旦なので、長々しい文はこれくらいで、今日はここまで。

ブログに関して次回ちょっとしたお願いをしますので、継続して読んでくださいね。

アステラス製薬の裁判傍聴の記録から始めます。

12月20日の大阪地裁での裁判は、原告の仙頭さんの尋問でした。詳しくは「アステラス製薬 仙頭史子さんの男女差別裁判を支援する会」http://www003.upp.so-net.ne.jp/sentou/を見てください。

 

今回の裁判の要点をいくつか記しますが、声を大にしていいたいことはこれ一つに尽きます。「会社に関するものは何でも保存せよ。ゆめゆめ捨てるな!」ということです。今回の傍聴から得られた校訓です。

 

前々回は会社側の証人尋問でした。会社側は仙頭さんの上司を証人として出してきました。そのやりとりは上記のHPで見てください。

この会社側の証人は、いかに仙頭さんに能力がなかったかを言い立てたようです。

しかし今回の尋問に際して、仙頭さんはかなりの証拠を弁護士に渡していました。

仙頭さんは前々回の裁判のとき、この資料を自分が持っていることに気が付いてなかったそうです。

今回の仙頭さん自身の尋問のために、弁護士との打ち合わせをするなかで、初めてその存在に気付きました。

そこで仙頭さん側の弁護士は、これらの証拠を使って次々と前々回の元上司の証言を覆していきました。

 

仙頭さんは製薬会社で研究職として仕事をしていました。彼女は大阪高専卒業です。仙頭さんの年齢では、高専に入学するのは随分と難しいことでした。学業成績も会社側の証拠として提出されていましたが、優秀な成績でした。

でも仙頭さんは次第に研究者としての限界を感じていきます。17年間も研究所に勤務しながら、正しく評価されなかったからです。

評価というのは、そのまま給料や地位に関係します。

尋問の中で難しい化学式だの、機器の名前や専門用語が飛び交いました。

裁判長は何度も弁護士や証人の話をストップさせて、「それはどういう漢字を書きますか」と尋ねていました。なぜなら速記者がテープ起こしをするのに必要だからです。

勿論仙頭さんはすらすらと答えていました。

 

あるとき仙頭さんは、溶液の中にある物質に注目します。そこでいくつもの文献を当たり、適切な文献を探し出します。文献は10以上もあり、それらは全て英文の文献でした。上司にその文献と仙頭さんの考えを述べると、仙頭さんになんの断りもなく、上司は文献もろとも男性の研究者にその研究を委ねてしまいました。

仙頭さんは悔し涙を流したそうです。

 

元々研究職であった仙頭さんは、ここで大変身を決心します。丁度社内で女性営業職の公募がありました。

営業なら成果は数字で出る。

仙頭さんは今までの研究者としてのキャリアをすっぱり捨てて、公募に応じました。そして複数の応募者の中でたった一人合格します。藤沢製薬最初の女性営業職の誕生です。

元々研究職ですから薬の知識は豊富で、本人の努力もあって、常に2位から3位の営業成績を収めます。

しかし前々回の裁判に、それを証明するものを仙頭さんは提出することができませんでした。しかし今回は当時の営業会議でのデーターを彼女は提出することができました。常に上位の成績がその証拠書類にしっかりと書かれていました。

当時の上司が「仙頭さんは能力がなかった。だから同学歴の男性と比較して、出世が遅れるのは仕方がない」と証言したことはことごとくひっくり返りました。

なぜなら営業会議で、仙頭さんの成績を示す表に元上司の文字も書かれていたからです。

会社側はこのような優秀な仙頭さんを管理職にさせないために、出向させたり、また研究職に戻したりとあらゆる手段を取ります。

仙頭さんよりも営業成績の下の男性は、一定年数経てば全員といってもいいほど管理職になっているにもかかわらず…なのです。

 

仙頭さんは提訴してから、一ランク上の係長になりました。もし裁判をしていなかったら、多分まだヒラのままだったでしょう。

 

裁判を傍聴したことのない人は多いでしょうね。日常生活にはあまり関係しませんものね。でもこれが結構おもしろいのです。老後の楽しみにするのもいいかもね。誰でもが気軽に裁判所に行くと、この長きにわたる日本の裁判も少し変わるかもしれません。

 

仙頭さん側の弁護士は、5名中4名が女性です。なんとも爽快な、頼もしい女性弁護士たちです。弁舌さわやかに、いかに研究職として、また営業職として仙頭さんが優秀であったかを、次々と明らかにしていきました。

 

午後からは会社側の仙頭さんへの尋問でした。いかに会社側の弁護士が優秀でも、このような理不尽な男女差別をしている会社側に理があるようには持っていけるわけではありませんから、殆ど重箱の隅をつっつくような枝葉末節な尋問の内容でした。

どんなに仙頭さんに切り込んでも、すらすらと答える仙頭さんの優秀さを覆すことはできませんでした。

 

朝10時から始まった裁判は4時10分に終りました。

その後原告側の集会がありました。そこで今年6月に和解になった住友金属の元原告の人が発言しました。住友金属をはじめ、化学、電工とも一審で原告側は負けました。だから「今日の尋問がうまくいっても油断してはいけない」と彼女は釘をさしました。

会社側からは東京本社を含めて約15名の管理職らしき年齢の人が傍聴に来ていました。この数も住友三社の裁判に比べると相当に多いそうです。しかし、彼らはどのような思いでこの尋問を聞いていたのでしょうか。前々回に証言した上司は「各人の営業目標はない」とまで言ったそうです。これは仙頭さんの営業成績の優秀さを覆すために、当時は個人目標はなく、全員で目標に取り組んでいた。だから仙頭さんの営業成績が個人として優秀であったというようなことはないという意味の証言です。

 

各人が営業目標を持たないで、誰が頑張って営業活動するでしょうか。この発言にはさすがに傍聴席から失笑が漏れたそうですが…。

 

会社側の傍聴に来ていた管理職の男性の妻や姉妹や子どももどこかで働いているでしょう。彼女らがこのような理不尽な扱いを受けている可能性は十分ありますね。アステラスのような大企業が男女差別をなくすここに取り組めば、それはいつかは自分にもいい結果で返って来るでしょうにね。

 

元上司はどのような思いで証言台に立たれていたのでしょうか。会社側に立って、このような証言をせざるを得なかった元上司に憤りもありますが、同時に憐憫の気持ちも持ちました。

 

今回の原告尋問を最後に結審を待つことになります。

 

裁判長は「最後に何か言っておきたいことがありますか」と仙頭さんに尋ねました。

仙頭さんは「私は気力も体力もあったから、こうして提訴しました。でも私の後ろには同じ様な思いをしている多くの女性がいます。」と述べました。(仙頭さん、カッコイイ)

「会社側として傍聴していた男性たちよ(全て男性でした)。女性は敵ではない苦楽を共にする労働者として、同じ場に立ちましょうよ。闘うべき相手は女性ではないでしょう。」(これは私の言葉)

 

さて、私が「捨てるな」と言った理由がここに来て分かってもらえましたか。会議で配布された資料でも、社史でも、企業内新聞でも、給料明細票でも何でも残しておきましょう。業務日誌を書いている人は、できればコピーをしておいた方がいいですね。企業秘密に抵触しないようね、こっそりとね。 正社員・非正社員にかかわらず。

「紙は救い給う」です。

 

今回のブログは春闘と正社員化を図ったワールドにも言及したかったのですが、長くなったのでそれは次回に回します。

今年もあと僅か。来年は早々にブログを書きますので、年賀状とともにパソコンも見てくださいね。

では今日はここまで。

よいお年を

ブログを始めてから1年がたちました。パンパカパ〜ン、おめでとうございます。

細々と切れそうで切れない、まるで金魚のうんこのようなブログでした。たとえが汚いね。

女性卒業生の働き方の調査をしたのが、同窓会のあった20028月、会場で用紙を配布しました。

匿名の調査でしたが、もう全員といってもいいくらいの人が名前を書いて回答してくれました。

回答してくれた人の中から約20人に聞き取り調査をしたのが2003年の夏でした。

仕事のことを中心に話を聞きましたが、それは卒業から今日までの生きざまを聞くことになりました。調査と聞き取りをまとめたのが2004年の春でした。

まとめてはみたものの、卒業生が調査用紙に、またマイクに向かって回答してくれた問題が解決するわけでもなく、次に何をするべきかの模索が始まりました。いろんな人、いろんな団体に出会いました。たどり着いたのがこのブログでの情報発信でした。

最初の発信は昨年20051215日でした。このブログはあくまでも手段の一つです。いずれはブログの向こうの、今はまだお互いが見えない人々が集まって、力をつけるというのが目的です。

仕事のことで「おかしいことはおかしい」と、また「この働き方は違法ですよ」と上司に言ってみる。

理不尽なことには抗議する。もし理不尽が通って、退職を強要されたら後ろ足で砂をかけることくらいのことは最低してほしくて、働く上でのさまざまな情報を発信することにしたのです。

なぜなら泣き寝入状態で辞めている、また現況に甘んじている卒業生が多くいるからです。

ブログで発信するためには、情報を仕入れなければなりませんから、私もまたいろんな所に顔を出して交友を広げることになりました。こうして1年が過ぎたわけです。

今までブログを見てくださってありがとうございました。相変わらず不定期なブログですが、できるだけお友達にも宣伝してください。今後もよろしく。

 

さて本題に戻ります。コメントをいただきました。コメントの中に労働基準監督官の数に関する内容がありましたので、ここであらためて訂正をします。前回のブログで、労働基準監督官の数を3000人と書きましたが、ひょんなところから正しい数を知ることができました。『労其監督官の6割が残業代ゼロ労働反対』という記事のなかで「監督官は全国350ヶ所の労働基準監督署などに配置されている。監督官約1700人のうち、約8割の1319人が回答した。ホワイトカラー・エグゼンプションを導入すべきは17.9%にとどまり、すべきでないが60.0%と大幅に上回った」(朝日2006.12.114)。だから約1700人ということですね。もっと少ないということだから、企業への監督はもっと甘くなるということでしょうか。

 

ついでだからホワイトカラー・エグゼンプショオンをもう少し続けます。ドイツ人に、このホワイトカラー・エグゼンプショオンが日本に導入されるだろうと話をしたところ(もちろん日本語です)、彼女は「ドイツにもありますよ」と軽く言ってのけました。

丁度二日続けてイギリスのホワイトカラー・エグゼンプショオンの記事がありました。(朝日2006.12.1617)英国では『オプト・アウト』というそうです。英国はEUの中では最も長時間労働の国です。しかし、この記事を書いた記者はこう続けます。英国で『過労死』とう言葉を聞かない。なぜなら『仕事と生活の調和』という概念を人々が共通理解しているから。EUでは「働き手の同意があれば週48時間の規制を超えて働けるオプト・アウトがあるが、休息時間として11時間連続して働かない時間を設けることが規定されている」。だから仮にオプト・アウト制で働くことを選択しても、この連続11時間の休息時間が働き過ぎの最後の防波堤になっている。

英国よりもドイツはさらに労働時間が少ない国で、日曜日は観光客相手以外の店は閉まりますから、土曜日の午前中に買い物を済ませておかないと日曜日に食べ物がないこともありえます。

2003年のデーターで製造業の生産労働者の年間総労働時間は、日本が1975時間(これって、サービス残業は含まれていない筈)、ドイツは1525時間です(労働政策研究・研修機構より)。ちなみに年間休日は、日本127.8日、ドイツ143.2日です。

ドイツ人の女性がさらりと言ってのけるはずですね。

EUのなかでは長い労働時間の英国は1885時間です。いずれにしても日本とは労働に対する考え方が違いますね。

話しはずれますが、崖の途中で下りられなくなった野犬が救助されたニュースが大々的に報道されていましたね。まだ記憶に新しいです。崖の下にネットが張ってあって、犬を受け止めるようになっていました。

その国に暮らす人々を守るセイフティーネットの大きさ、張る場所、高さの程度が各国で大きく異なっています。せめて日本にもあの野犬に用意したセイフティーネットくらいのものをと望んでいる人は多いのではないでしょうか。

 

シングルマザーの団体である[しんぐるまざず・ふぉーらむ・関西]から、シングルマザーの2003年の平均年収が212万円(就労収入は164万円)であり、今後児童扶養手当が減額されていくので暮らしていけないという声を聞いていたときになぜかしらあの記事が浮かんできたのでした。

ちなみに子どもに対する2001年の手当(児童手当・児童扶養手当)は、日本32,804円、英国75,950円、ドイツ72,550円です。日本がお手本にしているアメリカは14,047円です。(内閣府政策統括官『社会全体の子育て費用に関する調査研究』H17.3)

 

有期雇用を希望者全員正社員にしたワールドの将来、昨日経営者側からと労働者側からコメントが出た春闘についての私の考えは次回に回すことにします。

もう今日の日付になりましたが、今日20日、アステラス製薬の裁判傍聴へ行ってきます。裁判中に居眠りしないように、早く寝なければ。

では今日はここまで。

週一回の更新を目標にしているのに、またまた守れませんでした。

ブログを書きかけては気持ちが乗らず、何回も中断してしまいました。

 

昨晩はパソコンを前に、NHKの「ワーキングプアー供廚鮓て、ますます気持ちが萎えましたが、次第に怒りに変わりました。

怒りはエネルギーがないと出てこないから、まだ闘う気力はありそうです。

中断の最大の理由は、前回のブログの《フリーターや契約社員 正社員化促進見送り》です。そしてさらに追い討ちをかけたのが12月9日付けの記事です。

「厚労省が労働契約法制の最終報告案を労働政策審議会に提出した」というものです。

記事では最終報告案とありますが、今月は21日にも審議会はある予定です。最終とあるのは、「21日に審議しても何ら変化ありませんよ」という含みなのかしら

教育基本法改定もタウンミーティング直後に衆議院で採決したし、均等法改定に対するパブリックオピニオン締め切りの翌日に、厚労省から均等法の指針と省令の最終報告書が提出されようとしたから、これが常套手段なのでしょうね。

均等法のときは、私も審議会を傍聴したりロビー活動をしたりで、状況を少しは把握していましたから、ロビー活動をした女性団体の努力と国会での法案の採択とがどのように結びついていくかを目の当たりにすることができました。

今回の労働契約法制については、間接的に情報を得ることしか今のところできていませんから、余計に腹立たしさだけが募り、また無力感に襲われます。内容は今まで労働側が懸念してきたことがしっかりと実現しそうな、そんな内容です。

いかに厚労省が使用者側の意図と異なる法案を出したとしても、結局それは通過のパフォーマンスに過ぎず、圧倒的与党多数の前に、使用者側に立った内容に変更されていくことでしょう。

 

記事から簡単にその内容を紹介しますが、今までこのブログで紹介してきたことと同じです。

ホワイトカラー・エグゼンプション導入を明示。ただし年収基準は示さず。(明示ということは実施ということね。)

残業代の割増率は、引き上げという方針を示したが、数値の明記を見送った。(現在日本は25%の割増。EUは50)

契約社員など期限付き労働者について、契約期間を規制したり正社員化を促したりする条項が、経営者の反対で見送られた。

解雇の金銭的解決は、使用者側で大企業と中小企業との間で解決金の金額の調整がつかず見送られた。(これに関しては労働側は別な考えで反対)

 

話は変わりますが、名古屋の友人の勉強会に行ってきました。まだ始まったばかりですが、こういう小さな自前の学習会を作って、お互いの職場の情報交換をしたり、働き方の疑問を話し合ったりすることは、ご飯を食べたり眠ったりするのと同じ様に明日への活力になると思いました。

また、相手が見えないブログの短所を補う方法でもあると思いました。

メンバーには、公立保育園の臨時雇用の保育士の女性が2人参加しておられました。保育園の職員は各保育園では人数も少なく、まして臨時職員は横とのつながりが得られない状況のなかで、彼女たちは組合を作り、年休や時給について市と交渉をしてきたそうです。

10年以上も臨時で雇用するということ自体が許されるのでしょうかね。

 

また保育園の状況についても話していただきましたが、まさしく保育園の子どもたちに、大人の抱えている問題が濃縮してのしかかっているようです。

会話の中で、「保育園で熱を出した子どものお迎えに親がなかなか来ない」というのがありました。待ちきれなくなった園長が子どもを病院へ連れて走ることもあったとか。私も相当昔に、すぐに終れない仕事と子どもの病気の間で葛藤したことがあったし、若い同僚が保育園からの電話を前に困っていることも多く見てきましたから、保育園と親の立場の両方が分かります。(私も同僚も正規雇用でした)

 

「保育園が病院へ行ったら駄目ですよ。親に迎えに来させないと」という他のメンバーの発言は正論であるけれど、「そうそう」と全面同意はできませんでした。

現に昨晩のNHKの番組で「子どもの病気で休んだことを理由に解雇された」という母親の姿がありました。

 

均等法に「ライフ&ワークバランス」の文言を入れるようにとの要望に対して、「均等法にはなじまないから」という厚労省の回答でした。ちなみに日本語「仕事と家庭の両立」は『育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律』にありますので、書いておきます。法律にこの文言があることと、昨晩の番組とのなんと整合性のないことよ。

《第1章総則 目的 第1条

この法律は、育児休業及び介護休業に関する制度並びに子の看護休暇に関する制度を設けるとともに、子の養育及び家族の介護を容易にするため勤務時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めるほか、子の養育又は家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること等により、子の養育又は家族の介護を行う労働者等の雇用の継続及び再就職の促進を図り、もってこれらの者の職業生活と家庭生活との両立に寄与することを通じて、これらの者の福祉の増進を図り、あわせて経済及び社会の発展に資することを目的とする。》

 

番組に出ていた女性の雇用主はこの法律を知らなかったのでしょうか、彼女も

彼女が子どもの病気を理由に解雇されたときの雇用形態が番組では分かりませでしたが、多分ずっとパートのような感じでした。

連合のパート・ネット・ファーラムで検索したら次のようなQ&Aがありました。

 《有給休暇》【労働基準法第39条】

Q:子どもの学校の都合で休むことがあるのですが、その時はお給料が出ません。「パートには有給休暇はない」と会社からは言われています。

A:パートタイム労働者にも有給休暇はあります。(ただし、とれない場合もあります。)

パートタイム労働者にも、フルタイム労働者と同じように有給休暇をとる権利があります。けれども、パートタイム労働者は1日に働く時間、1週間に働く日、それぞれ短いため、法律上はその特徴に応じた日数付与となっています。表にまとめると、次のようになります。

(あとは自分で検索してみてください。

http://www.jtuc-rengo.or.jp/roudou/koyou/part/index.html

この問題点はなんでしょうか。それは労使ともに法律を知らないということと(使用者は知っていると思うけれど?)、労働者はそれを使うことができないということです。(どこへ相談したらいいかも分からない。)

 

今回の均等法改定に、私としてはカネも時間も使い、ずっと以前から運動している女性たちはもっと使い、取り組んできました。

残念ながら省令や附帯決議に、かすかに影響したかなという感じですが、ではこの改定された均等法はどのようして企業側に伝達されるのでしょうか。

厚労省から各地の労働基準監督署へ、労基署は地元の企業を集めて説明会と、私は考えていたのです。

龍大の労働法の教授によれば、企業が何かの集まりをするときに、「ちょっとお時間をいただけませんでしょうか」と低姿勢のお邪魔虫状態で短時間の説明をするのだそうです。

大企業は体面も情報網もありますからそれなりに一応の対策とか企業間で相談をするでしょう。

でも、中小企業はもしかしたらこのような会議に出席しないかもしれない、業界新聞で知ることができるかもしれないが、労働者側の権利になるようなことを進んで実行するとは思えない。

 

全国に労働基準監督官が3千人とか。

(検索しましたが分かりませんでした。伝聞3千人です。それにしても労働基準監督官の採用倍率はすごい)

この監督官が国内の企業を回ると、一企業当たり30年に1回の割合になるのだそうです。労働者が目覚めない限り、企業は遣りたい放題が現実ですね。

アメリカは1〜2年に1回、企業に入るだけの監督官の数が確保されているTVで言っていた記憶があります。

法律ができても、その後がどうなっているのかを知らなければなりませんね。やっぱり労働者は賢くなければ。

というわけでこの名古屋の勉強会はいろんな可能性を示唆してくれました。

最後に、NHKや新聞社等のマスメディアに「あの番組、記事はよかった」と大いに誉めたコメントを入れると、それが記者を励ますし、視聴率等を気にするマスメディアの経営者への刺激になるとのことです。

ともすれば苦情を言う方が先に立ちますが、電話でもFAXでも「誉める」一報をいれることが力を持つと某新聞記者が話していました。

 

「誉められるような番組や記事をお願いね。」と、またまたクレームを付けて終るところが、教師の悪癖から抜けだしていない証拠ですね。

では今日はここまで。

夜中にブログを書いて、眠気が襲ってきたので中断して寝てしまいました。ブルーが昨晩書いた部分です。

 

今朝新聞を見てびっくり。怒りで眠気も吹っ飛んだ。

一紙しか購読していないので、インターネットで読売、毎日、京都新聞を検索してみたが、危機感を持った見出しは朝日新聞だけのようだった。

 

見出しは「派遣労働者 正社員化の義務 撤廃検討」内容は《「労働ビッグバン」として、一定期間後正社員化することを前提としている現在の派遣労働者のあり方を見直す方向で検討に入った。》とある。

 

他紙の見出しは「労働ビッグバン」で、これでは何のことか分からないし、現に派遣で働いている人も見落としてしまう。

余談ですが、見出しの付け方、記事の紙面への配置等、記者の考えが如実に出る仕事だと、かってその仕事をしていた人から聞いたことがあります。

 

朝日の記事には、さらに続けて、政府の経済財政諮問会議にこの会議の議員である国際基督教大学教授八代尚宏や御手洗富士夫日経連会長ら民間議員4人が、「労働ビッグバンと再チャレンジ支援」と題する文章を提出したとある。

御手洗さんはキャノンの会長です。(私が使っているカメラもプリンターもキャノンです。複雑な気持ち)

 

2006426日のブログで[住友化学で多くの派遣社員が正社員になります]にキャノンが登場します。ブログの一端を以下にコピーします。詳しくはブログを再読してください。
 

[キャノンが30代の女性派遣労働者を労働者派遣法で定められた期間を超えて10年以上雇用したとして、東京、神奈川労働局から管理体制を見直すよう行政指導を受けていた。派遣法では、事務作業など「一般業務」で働く派遣労働者を最長3年を超えて受け入れる場合、派遣企業はその労働者に対し直接雇用するよう申し入れをしなければならない。この女性は「OA機器の操作」などの「専門業務」に従事する契約を結んだ。専門業務は派遣期間に制限はないが、この女性の実態は正社員を補佐する一般業務が多かった。結局キャノンはこの女性を正社員として採用した。]

 

相当これが頭にカチンと来たのですかね、御手洗さんは。

 

この記事を読んだ住友化学のYさんは、自分が勤務している会社にも多くの派遣労働者が長年にわたって働いていることに気付きます。彼女の告発で会社は3年以上の派遣社員を全員正社員として採用したのでした。会社は、派遣ではスキルが伝承されないから、仕事に精通した熟練労働者を求めているとのコメントを述べています。

 

今朝の記事に戻ってみると、「規制、逆に解雇招く」と見出しが続きます。

派遣労働者で仕事が支障なく運ぶのなら、そして正社員にしたくないのなら、3年が来るまでに会社はなんやかやと理由を付けて、再雇用の契約をしなければいいのです。現に多くの企業がそうしているではありませんか。

記事にも「製造業で働く派遣労働者は1年以上たてば企業側に直接雇用の申し込み義務が生じるが、ある大手自動車メーカーは、1年が近づくと「クーリングオフ」と称して、いったん期間工に切り替え、3ヶ月たてばまた派遣に戻す脱法行為を繰り返していた」という例を挙げています。

 

期間満了でめでたく正社員になったなどと、住友化学以外まず聞いたことがありません。

 

記事にあるように、3年で正社員にするという規制が邪魔なのは、3年以上、もっと長く派遣労働者のままで働いてもらいたいからなのです。この点では、企業は熟練した労働者が欲しいということになります。長く勤めてほしい、でも正社員にしたくない、この本音がありありと見えます。

労働力は商品ではありません。この服が気に入らなくなったから、次に買い換えるという訳にはいかないのです。残念ながら、資本主義の行き着くところが、こういう人間の扱い方であるとすれば、人間の英知はたいしたことないと思いますね。

 

記事の見出しは「不安定な生活・まるで商品のよう」「ずっと派遣、人間くさる」と続きます。でも正社員なら安泰かといえばそうではありません。今審議中の労働契約法制には、「解雇の金銭的解決」が審議されています。(2006.08.2609.07のブログを見てください)

 

ここからが夜中の分です。

なんやかんやと忙しかったということもありますが、暗いニュースばかりで気力が萎えていたのもあります。このブログは労働に関係する問題を取り上げていますが、時には他のことにも発言するべきではないかとも思ったりしています。でもそうすると、話題が多岐になり収拾つかなくなって脱線したままという可能性が大なので、我慢して労働問題に限定しています。

授業を思い出して、さもありなんと合点している人もいるかも。

「戦争をなぜ止めることができなかったのか」と疑問を持ちますよね。防衛庁が省になり、教育基本法も改定され、国民投票法も成立し、憲法も改定され、「あなたはその時何をしていたの」と、後世の人に聞かれたら、「戦争をなぜ止められなかったの」と問う今の私がそこにあることになります。

様々な現象の根は同じところにあり、今の日本のあり様は、労働問題に顕著に現れています。

 

京ガス訴訟(2006.03.1503.25のブログ)の鑑定意見書を書かれた昭和女子大の森ます美教授のお話を聞く機会がありました。題は「同一価値労働・同一賃金」です。京ガスのブログでも同一価値労働・同一賃金について書いています。ワークシェアリングとこの同一価値労働・同一賃金(ペイ・エクイティ)が、これからの労働問題を考える上での重要な視点になると私はずっと考えてきました。特にペイ・エクイティは男女や正規・非正規労働者の賃金格差を解決する労働者側の宝刀であるとね。

しかし、森教授によれば、総合スーパーなどでは、販売員の仕事に対してペイ・エクイティ概念がとっくに導入されており、それは正規労働者を非正規労働者にすることに使われている。同じ販売の仕事をしているのなら、非正規を正規にするように作用するのではない。正規労働者の賃金は下がり、非正規労働者はちょっぴり上がる、賃金全体では縮小されたということになります。

労働者を守るはずの宝刀は、労働者を斬る方に変化したということです。

非正規労働者の賃金で自立した生活をすることができるのはごく一部の人です。宝刀が本来の意味を失って、正規労働者が非正規になるのに使われるのなら、「賃金は最低でも1500円くらいにはしてもらわないと」と龍谷大学の労働法の教授は話しておられました。教授は非正規の人のインターネット相談を開設しておられます。1500円というところに、非正規労働者の大部分の切実な状況が現れていますよね。

この観点でいえば、前回に紹介したワールドの5000人の正社員化はすごいことですね。

 

2日続けてパート労働の記事がありました。まだ詳細を理解していませんので、紹介程度にとどめますが、宝刀といい、このニュースといい、政治情勢といい、絶望の方が大きいですね。

 

でも、自分でできることから始めている人がいます。以前にブログで紹介した女性です(2006.02.20のブログ)。彼女は、大手銀行で26年間パートで働いています。係長と組んで、重要な仕事をこなしています。まさしくぺイ・エクイティの働き方なのです。

その彼女が勉強会を始めました。

 

今審議中のホワイトカラー・エグゼンプションでは、労働者一人ひとりが会社と契約を結ぶことになります。労働組合の加入率が20%を割り込んだ今、自分を守るために、まずは労働者の権利を学ぼうと自宅を開放したのです。明日名古屋でその学習会があるので、私も参加してきます。

絶望していても何も生まれないから、行動をする人から元気を貰ってきます。

 

では新聞記事の紹介です。

 

ここからがまた今日書いたものになりますが、昨晩の睡魔のなかで、記事について書くつもりでしたが、今日は見出しだけにします。

『パート法改正案 待遇「正社員と均衡 厚労省事業主の責務に』2006.11.24

『フリーターや契約社員 正社員化促進見送り 労働契約法の素案から削除 経済会に配慮』2006.11.25

 

では今日はここまで。

今週の月曜日、「アステラス製薬」の裁判傍聴のために大阪地方裁判所へ行ってきました。

アステラス製薬は全国でもトップの企業です。裁判の詳細はHPhttp://www003.upp.so-net.ne.jp/sentou/をみてください。06.05.23参議院傍聴記のブログにもちょっとだけ書いてあります。

 

御堂筋の銀杏がきれいでした。両手にビニル袋を持った男性が歩いてきて、歩道の植え込みに捨ててあった缶コーヒーを、耳のそばで振って、少し残っていたのか飲んでいました。それをあっけにとられた顔で、じっと見ていたビルのガードマンの表情の方が強く印象に残っています。多分私の表情も?   

 

裁判は原告側の証人尋問でした。原告は仙頭史子さん。「仙頭史子を支援する会」でも検索できます。「男女賃金差別」裁判です。

原告弁護士の尋問は、同じ原告の仙頭さん側だから安心して聞いていられるのですが、会社側の尋問は緊張しました。証人でもないのにね。

私のような扇動されやすい性格の者は、証人には向かないと思いました。

当日の証人は冷静沈着のようにみえましたが、後で弁護士は「ひやひやしたところもあった」と感想を述べられました。

午後1時半から始まって4時まで。その間15分の休憩を2回。

たった一人の証人に質問の矢が次々と放たれていきます。会社側の弁護士は、最初は短い質問をどんどん、まず「はい」「いいえ」の答えで足るような質問をしていきます。

その矢継ぎ早な短い分かりきった質問がどこに着地しようとしているのかが、傍聴している私は最初わかりませんでした。

途中で「男女間に賃金の差別のあるのは、組合も合意していたではないか」というところが着地点のようだと分かってきましたが、大勢の傍聴人を背後に、裁判官、書記、弁護士等、独特の雰囲気があるところで、証人が相手の意図を読み取るのは至難の技です。

所々なが〜い質問があって、その中にはいろんな要素の内容が含まれています。

裁判長は「できるだけ簡潔に答えてください」と言ったから、細部にこだわらずに、「はい」って言おうものなら、あとで「『はい』と言ったでしょう。」ということになります。

全て記録に残りますからね。

次回が最後で、原告の尋問です。これは10時から始まって5時まであります。弁護士は付いていますが、基本的には一人で会社と闘うのです。

これも傍聴に行くつもりをしていますので、次回はもう少し詳しい報告が書けると思います。次回は12月20日です。

 

さて、立て続けに「労働問題」の記事がありましたので、忘れてしまわないように今日のブログはこれらの紹介をします。

まず喜ばしいニュース。

 

アパレルメーカーの「ワールド」がパート5000人正社員化

直営店の販売業務に携わるパート6000人の内、約5000人を今年4月1日付けで販売子会社「ワールドストアパートナーズ」に正社員として雇用した。正社員化で人件費は年間22億円膨らむが、これから予想される人手不足を見込んだ結果。今後新規採用は原則正社員とする。百貨店などに出店している店舗の売り上げは、販売員の力量に頼る部分が大きいから、人材育成と確保のために正社員化した。》朝日 2006.11.22

 

品質や値段が変わらない場合、最後の決め手は販売員ということはよくあります。それがきっかけで、後々その店で買うことの方が私の場合は多いですね。正社員になれば、雇用保険・厚生年金・労災保険・健康保険等も保障されます。何より、安心して仕事に取り組むことができます。ボーナスも出るとなれば、頑張って働こうという気になりますね。過労死寸前は駄目ですが、それも正社員同士なら団結して会社側と交渉することもできます。

「へ〜、こんな会社もあるのだ…」というのが正直な感想です。

なぜなら次の記事の方が今の時勢を反映しているからです。

 

いつのまにか「事業主」提訴の20代被害を訴え》が見出し。2006.11.22朝日

本文の概略《訴えたのは中馬さん(24)ら4人。彼らは0210月に東京都内のイベント会社に、カード販売促進スタッフとして、時給制のアルバイトで採用されて働いていた。一年後「業務委託契約」に切り替えられて、彼らは「個人事業主」扱いになった。何の説明もなく、「契約書」を書かされ、「事業主」のまま長時間労働や休日出勤をさせられ、残業代や交通費なども出なくなった。

労働者が企業で働く場合、失業手当やけがをしたときの治療費などを保障する雇用保険や労災保険への加入が原則として義務づけられている。雇い主は、保険の種類によって全額ないし半額を負担しなければならない。けれど労働者を「社員1人でやっている取引先の自営業者」と解釈し、その個人事業主との間で請負や委託の契約をすると、この場合のイベント会社は雇い主ではないので、保険料とかを、訴えを起こした若者が負担しなければならなくなる。彼らは事業主で、労働者ではないから、残業代や有給休暇、最低賃金など労働者の権利を定めた労働関係法の保護もなくなる。

 

労基法では、労働者は使用者の指揮命令を受けて働き、賃金を支払われている人を指す。〕。厚労省は「契約の形式が請負いでも、雇い主から細かい支持を受けて働くなどの実態があれば労働者」としている。》

 

会社側の言い分は、セクハラ裁判のケースと同じです(06.05.01のブログを見てください)

彼らは労働組合を結成し、東京地裁に提訴しました。

このようなケースで黙って諦めている人は多いのではないでしょうか。多分彼らは「派遣ユニオン」のような1人でも加入できる組合に相談したのでしょう。今これを読んで、私も同じとか、私の働き方ってへんじゃないと思っている人は、そういうサイトがあるので、見てください。勿論私に言ってくださっても。

このようなケースは今たくさんあります。以下も同じですね。

 

大阪府労委、ビクター子会社に業務委託先との団交命令2006.11.20  読売新聞

 《大阪府労働委員会は20日、大手電機メーカー「日本ビクター」(横浜市)の子会社「ビクターサービスエンジニアリング」(千葉県浦安市)に対し、同社が修理業務などを委託している「代行店」と呼ばれる個人事業主でつくる労働組合との団体交渉を拒否したのは不当労働行為に当たるとして、団交に応じるよう命じた。

 労組側は「代行店は、会社側が一方的に決めた条件のもとで指揮、監督を受けており、労働者にあたる」として救済を申し立てていた。同社は中央労働委員会に再審査を申し立てる方針。労働者の非正社員化が進むなか、こうした業務委託の労働形態が企業社会に広がっており、雇用関係のあいまいさが問題視されている。

 

まだある。

 

東芝系工場に派遣の4人、正規雇用を要求 偽装請負訴え2006.11.14  朝日 

東芝グループの東芝家電製造大阪工場(大阪府茨木市)で3〜7年間、請負を装った実質派遣の状態で働いてきたとして、人材会社の労働者4人が13日、正社員として雇用するよう東芝家電製造に申し入れた。労働者派遣法は、製造業への派遣が1年を超えると派遣先企業が直接雇用を申し込まねばならないと定めている。4人は「社員と同様の仕事をしており、同じ待遇を求めたい」と主張。同社は「内容を確認中で、コメントは差し控えたい」としている。

 申入書などによると、4人は冷蔵庫の扉の製造ラインで働いている。人材会社と東芝家電製造との契約は業務請負と聞かされていたが、今年8月、2カ月さかのぼった6月からの「派遣労働者雇い入れ通知書」を人材会社に提示され、署名した。 しかし4人は、それ以前から一貫して東芝家電製造の社員から指示を受けて働き、職場では人材会社の労働者と東芝側の社員が一緒に仕事をしてきたと主張。「偽装請負だった」と訴えている。 7年間勤務している男性(38)は「社員と一緒に仕事をしてきて、いい職場を作ってきた。これからも安心して働き続けたい」と話す。4人は労働組合「武庫川ユニオン」に加入しており、団体交渉も申し入れた。

 

この団交申し入れに対し、会社側の回答が今朝の記事に出ていました。(2006.11.23 朝日)

《「正社員化巡り団交応ぜず

「4人と当社との労働契約はないため団体交渉には応じられない」と文書で回答した》。

 

アステラス製薬裁判と同様、会社の方が資料を持っています。どのような証拠を準備できるか、裁判になったとき、労働者側のスタートラインは会社側よりもずっと後方にあるのです。ビクターと東芝では争点が違いますが、いずれも労働者の置かれている立場は悲惨です。

 

ちょっぴり明るいニュースから始まりましたが、今日も暗い話題で終ることになりそうです。

 

もう一つ「世界経済フォーラム:男女平等度、日本は79位 G7で最下位に」というのもあったのですが、これは次回に。

(ということは暗い話題からということか)

では今日はここまで。

二日連続で「労働契約法制」についての記事がありましたので、この話題から始めます。(朝日2006.11.0910)

労働契約法制については、何度か書いてきました(9.139.078.268.177.27)

今、労働契約法制については労働政策審議会労働条件分科会で、均等法とパートタイム労働政策については同じ審議会の雇用均等分科会で審議が行われています。

今日1110日は30分の違いでこの二つの審議会が開催されました。

経済的に負担が大きい、労使のかみ合わない審議内容を聞いているより、新幹線の往復代をどこかに寄付した方がましだと思ったりで、私は毎回参加していません。それに傍聴の抽選によく外れますから。

東京在住の女姓たちは、「どうして同じ日に、それも同じような時間帯にするの」と言いつつ、手分けして10日も傍聴していたことでしょう。

審議会の議事録は2ヶ月後くらい経ってから厚労省のHPに載ります。

 

さて、新聞記事ですが、昨日の記事は「労働時間規制の緩和 残業代114万円カットも」という見出しで、次のような内容のものでした。

( )は私の補足です。

《厚労省の審議会で議論されているホワイトカラー・エグゼンプション制度が導入され、年収400万円以上の会社員が労働時間規制の対象から外されると、約1千万人の会社員が1人年間114万円の残業代を受け取れなくなる、とする試算を民間シンクタンク、労働運動総合研究(労働総研)がまとめた。〜中略(ホワイトカラー・エグゼンプションの説明は817日のブログを見てください。)〜労働総研は、国税庁の民間給与実態調査や総務省の労働力調査をもとに試算した。05年の会社員約4500万人のうち、年収が400万円以上の人は約2300万人で、管理職らを除くと約1013万人となった。一方、厚労省の毎月勤労統計による1人平均の年間残業時間156時間に加え、不払いの残業時間も年間240時間あると推定。計396時間に対象者の時給をかけて総額116千億円、1人年間114万円が支給されなくなる計算になった。》

 

そして今日の記事です。

「残業代規制見直し案 休日確保など義務化」

《労働法制改正の焦点となっている労働時間の見直しで、厚労省が新たな素案をまとめた。〜中略〜自律的労働時間制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)について「自由度の高い働き方にふさわしい制度」と名称を変えて導入を明記。同制度には過労による健康被害を懸念する声が強いことから、対象者の休日を週2日以上とすることを企業に義務づけ、適正に運営しなかった企業には改善命令や罰則を科すなどの内容を盛り込んだ。〜中略〜素案では(ホワイトカラー・エグゼンプション)対象者として]働時間では成果を適切に評価できない業務に従事。業務上の重要な権限や責任を相当程度伴う地位にあるG収が相当高いーなどの条件を列挙。具体的な年収水準は、素案段階での明示は見送り、今後の労使の協議に委ねる。一方で長時間労働を助長しないよう、「休日に確保、健康・福祉確保措置の実施を確実に担保」との表現を盛り込んだ。〜中略〜残業の割増賃金率については、同省は6月の当初案で「1ヶ月の残業が30時間を超えた場合は現行の25%増しを50%増しに引き上げ」としていたが、素案では、割増率引き上げの義務づけは健康にかかわるような『長時間労働者』に限るなどと後退した。〜後略》

 

私が今まで傍聴した限り、審議会で将来のこの国のありようも含めた議論があるとはとても思えません。2つ目の記事も「やっぱり」という感じですね。

労使がそれぞれの立場で発言し、公益側が時々意見を述べる。そしてその次の審議会にはこのような厚労省の素案が提出される。その素案は、均等法に見る限り使用者側の立場に大きく傾いている。

 

私は労働者側の委員としか話をしたことがありませんが、虚しい審議会であるとの感想を漏らしていました。これだけ労働者や研究者が問題点を指摘しているにもかかわらず、名前を変えて「導入を明記」とあります。

導入前提で審議が進むのなら、あとは労使がどこで手を打つかという条件闘争の問題になってきます。

また「健康にかかわるような『長時間労働者』に限る」って、あなたはどう理解しますか。

健康状態が悪くなるような働き方が問題なのです。健康にかかわることが事前に分かるような働き方だったら、それは割増率の問題ではないでしょう。

均等法に「仕事と生活の調和」という文言は入りませんでしたしね。

ホワイトカラー・エグゼンプションを中心とした労働契約法制について、これからどのように変化していくかを監視しなければなりません。

某新聞記者が講演で話した通りです。(9.13のブログ)

 

段々気持ちがすさんできました。これで諦めたら敵の思う壺。気を取り直して前回に続き、112日の審議会の傍聴報告です。

 

パートタイム労働者が通常の労働者へ転換できるチャンスを与えようということについて審議されました。

まず何を審議してほしいかについて厚労省の資料から。

《通常の労働者指針においては、所定労働時間が通常の労働者とほとんど同じ短時間労働者で同様の就業の実態にある場合については、通常の労働者としてふさわしい処遇をするよう努めるものとしていることについて、どのように考えるか。》

《指針においては、通常の労働者への転換のための措置を講ずるよう努めるものとしているところであるが、以下のような実施状況も勘案し、今後のあり方をどのように考えるか。》

 

そして、以下のような数字が提示されました。

1※ 通常の労働者への応募機会の優先的付与等の状況

(事業所ごと・平成17年パートタイム労働者実態調査((財)21 世紀職業財団))

優先的に応募の機会を提供している 16.4

優先的ではないが応募の機会を提供している 58.8

 

2※ 正社員への転換制度の有無

(事業所ごと・平成17 年パートタイム労働者実態調査((財)21 世紀職業財団))

転換制度がある 48.0

 

3※ 正社員への転換制度・適用事例の有無

(事業所ごと・多様化する就業形態の下での人事戦略と労働者の意識に関する調査(平成17 ()労働政策研究・研修機構))

転換制度があり、適用事例もある 23.3

 

各委員の意見はあくまで個人の段階にとどまっているような感じ。特に使用者。双方、突っ込まれた質問には回答があいまいになります。委員も各団体の代表であるとはいえ、意見はあくまで個人の体験から出たものに終始します。大局的な観点から審議してほしいし、そこをリードしていくのが公益側だと思うのだけど、傍聴者にとってはなんとも歯がゆい。

 

今、1110日の審議会の傍聴記録を受信しましたが、その中でも「もっと勉強してから審議に臨んで。特に使用者側」という内容がありました。

次回は1129日らしい。

 

で、私の傍聴記録に戻って、使用者側の主な意見です。

〔 〕内は私の補足。

特に中小企業の人材は大切。本人に能力や責任感があれば〔正社員〕に採用しているから、法律にすべきではない。

パートの人に先に応募機会を与えねばならないのでは、〔募集の際に〕臨機応変に対応できない。

正社員への転換の優先権を法律に明文化した場合のマイナス面も考えた方がいい。派遣法でも3年以上の項目があるから、3年未満で雇用を切るケースが多い。法制化すればかえってパートが不利になることもある。

〔派遣法派遣法では、事務作業など「一般業務」で働く派遣労働者を最長3年を超えて受け入れる場合、派遣企業はその労働者に対し直接雇用するよう申し入れをしなければならない。(’06.01.01のブログ)

 

労働者側の主な意見です。

まず正社員に転換できる数字〔厚労省提示の上記数字〕が高いことにびっくりした。

転換制度はパート労働者にとって働く上での希望につながるから、優先雇用制度を義務化してほしい。

経験年数があっても、あなたはパートだからと断られるケースが多いのが現状。目の前の人材を活用してほしい。

 

公益側の意見

パートなら誰でも正社員に採用せよといっているのではない。まずエントリーの機会を与えよと言っているのである。

 

さてさてこれを読んだあなたの感想は如何ですか。

調査対象の卒業生は、求職中の人も含めると75%近くの人がパート労働者もしくはパート予備軍です。なぜなら35歳を過ぎたら正社員の道は限りなく無に近いからです。

 

では今日はここまで。

今回は本来なら前回の続きですが、2つばかり先に報告することがありますので、それを先に紹介します。

 

まず、一つ目は《働く女性支援全国組織》という記事を見ました。概略は以下の通りです。

《各地の女姓労組や女姓NGOのメンバーが集まり、働く女性のための初の支援組織を結成する。非正規雇用が働く女性の半数を超し、既成の労組では対応できない層が急増。どの地域の女姓も個人で参加でき、法的な助言や労使交渉の支援を受けられる仕組みが必要になった。年内に約500人の加入を見込んでおり、来年1月、東京都内で旗揚げ集会を開く。〜中略〜新組織の名称は「働く女性の全国センター」〜中略〜代表に予定されている「女性ユニオン東京」前委員長の伊藤みどりさんによると、非正社員女性を中心に解雇やセクハラ、パワハラなどの相談は増加。均等違法改正で労働基準法の女子保護規定が撤廃されて以来、働く女性の健康障害、うつ病も目立ち、複合的な対応が必要になっている。〜中略〜

 

詳細が分かればこのブログで書いていきますが、私もずっとこのような組織が必要であると思ってきましたので、今後の動きに注目していきます。(朝日2006.10.31)

 

2つ目は審議会傍聴の報告です。

均等法の省令と指針の審議会が終わり、今は同じ「労働政策審議会雇用均等分科会」で「パートタイム労働」について審議がなされています。その根拠は国会での付帯決議に基づきます。何度も言っているように、付帯決議は法的拘束力を持ちません。付帯決議ではなく、法文化するべきなのです。その審議会の傍聴に112日に厚労省へ行ってきました。

 

以下がパート労働に関する国会の附帯決議です。
「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」

 

府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。パートタイム労働者が意欲を持ってその有する能力を十分発揮できるようにするため、正社員との均衡処遇に関する法制化を進めること。

 

現在審議中なので、審議会は行きつ戻りつの、議論というより話合いの感じ。

なぜなら労働者側と使用者側では議論をするための土俵が全くかみ合っていないからです。

特に使用者側は、日本の将来を見越した発言をしていないと思いました。前回のブログでも紹介したように、「パートがそんなに嫌なら、辞めればいい。他の仕事に移ればいい」の発言に象徴されています。

委員の会社だけの話をしているのではありません。日本に暮らす人々が「この国に暮らしていてよかったな」と思えるような、そんな働き方ができるような話をしてほしいのです。今審議されている項目は以下の通りです。

1労働条件の明示等

2均衡処遇の確保…賃金・教育訓練・福利厚生

3通常の労働者への転換

4労使の話合いの促進

 

私が傍聴したのは2の教育訓練と福利厚生、3、4でした。

 

厚労省がデータの説明をしました。それが以下の数字です。

〔教育訓練〕

《指針においては、教育訓練について、短時間労働者の就業の実態に応じて実施するよう努めるものとしているところである。その種類は、職務・職種別の研修、法令遵守・企業倫理研修など様々であり、現状としては以下のような実施状況である。また、今後、労働力人口減少社会の到来等を踏まえ、日本経済の活力を維持するためには、短時間労働者がその有する能力を有効に発揮できるようにしていくことが必要となってくる。》→だからこのことについて話し合ってくださいというわけです。

  • 教育的な実地訓練   正社員に実施69.5% パートに実施47.7
  • 職種・職務別の研修    〃     61.9%   〃    21.2%            
  • 法令遵守、企業倫理研修 〃     40.7%   〃    18.0

(平成17年度労働政策研究・研修機構調査)

 

使用者側の大体の意見は「もう十分教育訓練はしているからわざわざ指針

として書く必要はない」。これに対し、労働者側は「数字を見て欲しい」

というものでした。

例えば、前回のブログで書いているようなセクハラについての事業主が守

るべき内容をパート社員に研修で学ばせているでしょうかね。

これは法令順守や企業倫理研修の範疇ですね。

《 》の文章をあなたはどのような思いで読みましたか?

 

福利厚生〕

《指針においては、福利厚生制度について、施設の利用について短時間労

働者に対して通常の労働者と同様の取扱いをするよう努めるものとしてい

るところである。一方、現状としては、施設の利用、金銭の支給など様々

な福利厚生が実施されているが、これらを踏まえ、福利厚生の性格に応じ

た均衡処遇のあり方をどのように考えるか》

  • 社内行事への参加 正社員に適用92.2%  パートに適用 85.1
  • 慶弔見舞金の支給  〃    88.1%    〃    71.1
  • 保養施設の利用   〃    52.4%    〃    41.0

(平成17年パートタイム労働者実態調査 21世紀職業財団)

 

ここでも使用者側は「企業の事情もあるから、一律に指針に書くようなもの

ではない。例えば慶弔費について指針に書かれることになると、返ってやや

こしくなるから正社員に支給するのもやめようということにもなる」、労働

者側は「社員食堂とかロッカーを使用させないということも聞いている。

パートだからと日々の働きの中で自らを納得させているも慶弔の扱いが

なるのは非常に傷つくものである」と。

あなたの職場ではどうですか。この数字の感想はどうですか。

 

労使の話合いを聞いていて、思いました。根源的なパート労働についての合意

がないので、議論がかみ合わないし、内容が枝葉末節になる。

 

パート労働者は、言葉としてはフルタイム労働者に対するものです。

長時間パート労働という言葉自体が矛盾しています。ヨーロッパの国々では完全

とはいえませんが、同一価値労働時間・同一賃金の原則があ

ので、労働時間が長いか、短いかという違いだけなのですが、日本はの原則

がないので、話がかみ合わないのです。

この点に関しては、労使とも全く念頭にないように感じました。

労使のそれぞれの思惑は違いますが、そんな議論は日本では最初から無理だと思っ

ているような…。

 

審議会傍聴の件は、次回もまだ続きます。

では今日はここまで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またまたのご無沙汰です。

今日は前回の「北海道ウィメンズ・ユニオン」と「セクシュアル・ハラスメントをなくそう全国ネットワーク」の要望を紹介します。

前回にも書いたように、この赤字の部分が、要望の中身であり、言い換えれば、今回の均等法(来年4月1日施行)の不十分なところです。この赤字に留意して、青字の均等法の省令・指針を読んでみて下さい。なお、均等法の省令・指針の全文を知りたい人は厚労省のHPを検索してください。

 

職場におけるセクシュアル・ハラスメントの内容について

(3) 「労働者」とは、いわゆる正規労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規労働者を含む、事業主が雇用する労働者のすべてをいう。また、派遣労働者については、派遣元事業主のみならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者についても、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号)第47条の2の規定により、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者を雇用する事業主とみなされ、法第11条第1項の規定が適用されることから、労働者派遣の役務の提供を受ける者は、派遣労働者についてもその雇用する労働者と同様に、2以下の措置(職場におけるセクシュアル・ハラスメントの内容のこと)を講ずることが必要である。

 

この指針に対して、女性団体はおおむね評価しています。特に、労働者に非正規労働者を含むという点を高く評価し、「この内容を変えないで」と要望しています。

 

まだ審議会は継続中で、1023日の審議会では、パート労働者の労働条件を審議するなかで、使用者側は「その職場がいやなら辞めればいい」というような暴言を繰り返したとか。要するに、パート労働者も労働者であり、人権を尊重されなければならないという視点が欠けているからこのような発言ができるのです。さすがに公益側が発言にクレームをつけたようです。だからこれが書いてあってもまだ安心できません。

 

北海道ウィメンズ・ユニオンは次のような例を挙げて、さらに〔派遣元・派遣先事業主双方に対し「措置義務」について周知徹底をはかるよう〕と要望しています。

 

例:派遣先の会社の上司からセクシュアル・ハラスメントを受け続けたが、仕事を失うことを恐れて、長い間、派遣先にも派遣元にも相談できなかった。その後一年半くらい経って初めて相談した。しかし、派遣先会社は何の対応もせず、派遣元会社からは「このようなことを派遣先で起こしてほしくなかった」と言われ、退職を余儀なくされた。現在、組合との団体交渉中であるが、派遣先会社は、上司の取った行動が被害当事者に苦痛を与えたことは認めたが、会社として配慮義務違反にかかわる謝罪と損害賠償に関しては「団体交渉には馴染まず、民事訴訟でやるべきと理解している」との不誠実な対応に終始している。

 

裁判を個人が起こすことがどれほど大変かは以前のブログに書きました。長期にわたる裁判の期間、忘れたい傷をえぐり出される苦痛、費用、日本の裁判官の意識等、ホント大変なんです。それを裁判でかかって来いとはね。

 

4) 「性的な言動」とは、性的な内容の発言及び性的な行動を指し、この「性的な内容の発言」には、性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報を意図的に流布すること等が、「性的な行動」には、性的な関係を強要すること、必要なく身体に触ること、わいせつな図画を配布すること等が、それぞれ含まれる。

 

「性的な内容の発言」に、〔容姿・服装などについて言及することや業務に関係ないのに結婚、離婚、子どもの有無などプライバシーに関することについて聞くこと、おばさんと呼ぶこと等〕

「性的な行動」に、〔全身や体の一部をじろじろ見ること、電話番号やメールアドレスをしつこく聞くこと、相手の許可なく写真を撮ること、迷惑な電話やメールを送ること、パソコンの画面にわいせつな図面を表示すること、自宅に押しかけること等〕を付け加えてほしい。

 

指針に、ここまで具体的に書かなければならないほど、被害を蒙っている人がいるのだということがこの要望からよくわかりますね。

次元が低〜い。

 

前回のカンボジアの話の続きになりますが、この次元の低い話をカンボジアで聞きました。まず、行く前にガイドブックを読みました。

そこに「日本人はカンボジア人に軽蔑されている」とあったのです。

「なんで?」カンボジアへ資金援助しているのは日本が一番多いはずだし、NGOも頑張っているし、と不思議に思っていたら、TVで「サイゴンロード」を放映していました。

この名称は売春街を象徴する通りのことです。客の多くは日本人男性で、それも少女を買うのが好きなんだそうです。18歳未満の少女買春は罰せられますが、それ以前の問題ですね。タイ、ベトナム、ラオスなどから売られてきた貧しい少女が犠牲になっています。

カンボジアで暮らしている日本の女性も言ってました。日本の若者が泊まる安い宿で、「今晩は△■さんは帰って来ない」と言えば、それは買春をしているということ。

今、先進国の中で、エイズ患者が増加しているのは日本だけです。

学校でもエイズについて、買春とからめて学んでいることは少ないのではないでしょうか。

 

買春していない男性までもが軽蔑の目で見られ、そういう情けない(この表現は弱すぎる)男性を育てるというか、許している女性までもが軽蔑の眼で見られているのだとすれな、なんともやりきれません。

その同じ線上に職場におけるセクシュアル・ハラスメントがあるのです。

 

根っこは同じですね。やはりここまで具体的に書かないと、分からない人たちが存在するということなんです。

 

今回滞在したカンボジアのシェムリアップは、いわば京都のような国際観光地で、世界中から観光客が来ていました。世界遺産に登録されているアンコールワット(寺院)やアンコール・トム(都城)の遺跡があります。

「今日は涼しいね」と通訳のナムさんが言えば、それは30度のこと。リュックで背中は汗びっしょりの連日でした。

 

着いた翌日は雨でした。雨季の終わりで、かなり激しい雨の日、アンコール・ワットの上層部へ行く石の階段を上りました。

長い間放置されていた遺跡でもあり、内戦で省みられなかった遺跡でもあるので、階段部分の修復もこれからで、ステップ幅は足を横にしないと乗せられないくらい狭い箇所もあり、また一部欠けているところもあり。その階段を、途中からナムさんが持ってくれましたが、傘をさしながら上りました。手も使ってね。

上りきってから、下をみたら階段が見えない。それもその筈、この階段の斜度は65度なのです。45度で垂直に見えると言われますが、上ってからぞーっとしました。

先に上っていた男性は、後から傘をさしつつ上ってくる私と、さらに年上の女性の二人を見て、もっとぞっとしていたそうです。

階段には注意書きがありました。「自己責任で上ってください」

 

では今日はこれくらいで。

次回も指針についてです。

無事カンボジアから帰ってきました。

私がカンボジアへ行くことを知った人は、「大丈夫なの?」と必ず尋ねましたので、無事と報告します。ただ私も行くまでは一抹の不安もありました。首都のプノンペンも、私が滞在することになったシェムリアップも危険度が非常に高かったからです。

「大丈夫なの?」の問いかけは勿論カンボジアの悲惨な内戦がまだ記憶にあるということです。

日本が初めて自衛隊を海外に派遣した国でもあります。

この自衛隊派遣は当時国会でも激しく論戦があり、マスコミでそれを知ったときの人々の驚愕は、今回のイラク派遣とは比較にならないくらいの大きいものでした。授業でも話し合い、各自の考えを文集にしました。今も私は大切に持っています。19929のことです。

 

なぜこのような内戦が起きたかは一言では書けないほど複雑なのですが、この内戦は、大国の代理戦争でもあったのです。最もよく知られているのが、ポルポトという名前だと思います。虐殺・粛清により自国民300万人を殺したと言われています。そして今も被害の続く地雷もあります。

 

通訳はナムさんという25歳の男性がついてくれました。高校卒業後、シェムリアップの日本語学校で学び、日本の外務省主催の日本語コンテストで「森林破壊」について話し、見事1位となり、その賞で日本にも来たそうです。「また行きたいけど物価が高いから」と言ってました、好青年でした。

そのナムさんに何度も叱られたことがあります。

例えばおみやげ物屋さんで美しいシルクのスカーフがあったとします。「きれいね。タイシルクみたい」。「違います。タイシルクを見たら、きれいね、カンボジアシルクみたいと言ってください」。

確かに、カンボジアは913世紀に、私が滞在したシェムリアップにあるアンコール・ワット、アンコール・トムの遺跡に見られる壮大な文化を持ったクメール王国(アンコール朝)として、インドシナ半島の大部分を支配していたのです。

それがタイ(13世紀クメール王国から独立)やベトナムから侵入を受けるようになり、次第に弱体化していきます。

 

各国が侵入したくなるほどこの国は豊かであると実感しました。

丁度雨季の最後の時期に行ったので、水も緑も豊かでした。

旅行者がちょっと見ただけですが、これで商売が成り立つのかしらと心配になるほど、同じ品揃えの小さなお店が沢山あって、新鮮な野菜や、肉類等おいしそうな物が売られていました。

どの食べ物屋(レストランと表現しにくい)の食べ物も本当においしかった。

社会保障制度や教育制度を初め、まだ人々の生活に必要な制度が整っていないし、貧富の格差も大きく、問題山積ですが、日本とは違った豊かさも感じることができました。

ホテルのクーラー・冷蔵庫・テレビは全部日本製でした。ホンダ、スズキのバイクに乗ることがステータスなのだそうです。車は仕事で使うためのもので、自家用車を持っている人は殆どいないとのことです。

 

カンボジアのみやげ話は今日はこのくらいにします。カンボジアの女性のことや、教育のこと、人々の生活、世界遺産のアンコールワットやトムのことなどはおいおい書いていきます。

 

では前回に引き続き均等法の省令と指針に向けて女性が出した修正案について述べます。

ただ残念なことに、1010日にこの均等法の省令・指針に関する審議会は最終回を迎えました。結論から言えば98%、修正案は反映されなかったということになります。

使用者側の「満足」という感想から分かるでしょう

 

卒業生の調査でも、セクハラに関する記述は沢山ありました。でも、書けないようなセクハラを受けた人もいるのではないでしょうか。

今日のセクハラの修正案は、院内集会で最も熱心に訴え続けてきた「北海道ウィメンズ・ユニオン」の意見書を紹介します。

 

以下の意見書をわざわざ提出しなければならないことが、今回の均等法に欠けている点でもあるので、ちょっとややこしいですが、自分の身を守るため、泣き寝入りしないために、頭に入れておいてください。

 

青字が厚労省の出した案(今となっては案ではなく、決定事項となってしまいました。)です。赤字が北海道ウィメンズ・ユニオンの修正案黒字が私の文章です。

 

《事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針》

〔1はじめに〕のところの文章は長いわりに、法の挨拶のようなものなので、特に深い意味のある内容ではありません。

このはじめにのところに、

セクシュアル・ハラスメントは、職場環境や職場の人間関係(特に上下関係・支配関係)から起きる性暴力・人権侵害行為である〕を加えること。

〔事業主は、セクシュアル・ハラスメントが、当該労働者の労働権を侵害する労働災害であることを認識し、その防止と被害者の救済措置を講じなければならない〕を加えること。

 

〔2 職場におけるセクシュアル・ハラスメントの内容〕

職場におけるセクシュアル・ハラスメントには、職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受けるもの(以下「対価型セクシュアルハラスメント」という。)と、当該性的な言動により労働者の就業環境が害されるもの(以下「環境型セクシュアルハラスメント」という。)がある。

 

〔「職場」とは、「業務に関連する場所」を指すなど、幅広い定義にすること。会社の飲み会及びその二次会の飲食店、社員旅行などの宿泊施設、労働者及び上司の宿泊先や自宅等、移動中の交通機関などの内容、及びセクシュアル・ハラスメントは、業務とは関係のない飲食店、ホテル、女子や労働者の自宅などにおいて、職場の上下関係を背景にして起こるということも定義に加えること。〕

 

いったんここで切ります。

容量オーバーになると警告が出ますので。

続きは次回のブログを見てください。

またまたご無沙汰です。

「この不定期なブログ、いつアクセスしていいか分からないから、曜日を決めて」という声が聞こえてきそうなんですが…。

見捨てず根気よくブログをのぞいてみてね。

言い訳は見苦しいと言いつつ、原稿書きに追われていたのです。たった一つだけの原稿なんですけど…。以前にも書きましたが「労働契約法制」をまとめるのは難しい。

 

まず9月28日の出来事から。

 

参議院議員会館で院内集会がありました。院内集会とは何ぞやという人は、今年の2月16日のブログを見てください。

院内集会は参議院議員会館で行われました。

衆議院とか参議院議員会館へ行くと、その警備の厳重さにびっくりしますが、今回はなんとなんと、議員会館の前に花屋さんの車が何台も並んでいました。

その中から超高価そ〜な胡蝶蘭が次々と運び出されていました。私が価格を推定できるのはデパートで3万円くらい。「こんなん誰が買うのかしら」と思いながらただ眺めているだけのもの。それよりもっと桁違いの大きくて立派な鉢植え。鉢には多分送り主と宛て先「贈○△大臣(先生)へ  ▲■より」と書いてあるはずなのだが、残念ながら遠くて読めませんでした。

日比谷辺りの花屋さんの稼ぎ時だそうです。

なぜ花が運びこまれたのかって 確か前日か前々日に組閣が決まったからです。

「大臣就任おめでとうございます」とう訳です。

あんな高そうな花、贈賄にならないのかね。花ならいいのかしら。

でも、大きな花の鉢を抱えた花屋さんのセキュリティーは厳しそうには見えませんでしたが…。

 安倍さんの所へはどれだけの花が届けられたでしょうか。

花屋さんの横で100号くらいの大きな絵のようなものを、引っぱっていた人もいましたよ。

 

さてと、本題、本題。今回の院内集会の主な目的は、均等法の「省令と指針」に関することです。

 

花屋さんが忙しいということは、議員も忙しいということ?で、与党の議員の出席はありませんでした。また、直接担当の厚生労働省雇用均等政策課員の出席もゼロでした。とても忙しいのでという理由でした。大臣が代わると、省庁のお役人にも波及するのでしょうか。

 

北海道、東京、名古屋、大阪から約40名の女性 たちが参加して、以下のことを話しました。

 

北海道ウィメンズ・ユニオンは「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針案」について、女性ユニオンは妊娠、出産による不利益な処遇」について、岡谷鋼機の元原告の1人が「コース別人事と、和解後も続く不利益な処遇」(岡谷鋼機については6月22日のブログを見てください)について、ワーキング・ウィメンズ・ネットワークは「雇用管理区分」について。

 

発言者が指摘した「省令・指針」の問題点を次回から書いていきます。

久しぶりにブログを書いたのに、またしばらくお休みします。

8日からカンボジアへ行きます。内戦によって多くの男性が殺されました。残された女性たちの生活を調査している友達(若い女性)を頼って行ってきます。アンコールワットも見ますが、人々の生活もしっかりと見てくるつもりです。帰国したらまた再開しますので、またこのブログで再会しましょう。

では2週間のお休みをいただきます。今日はここまで。

前回のブログで、「均等法の省令と指針」についてのパブリックコメントを厚労省が募集していることを書きました。

(いきなり本題です)

9月20日の審議会の傍聴へ行った人の情報では、まだ52件しかコメントが届いていないそうです。

でも、パブリックコメントを書くためには、均等法の文言を理解しなければならず、言いたいことが一杯ある人が、そう簡単には書けないところが残念です。

その中でも、特に「雇用管理区分」の文言は理解度超難解ものです。

もしあなたが、会社へ「男性Aさんと余りにも給料が違う」と訴えたとしたら、会社はなんて言うのでしょうか?「仕事内容が違う」という回答が最も多いでしょうか。

「あなたと男性Aさんは雇用管理区分が異なっている。あなたは事務職、男性Aさんは総合職、均等法の指針に『雇用管理区分ごとに』と書いてある。同じ事務職のBさんとあなたとの給料が違うのなら、二人は同じ雇用管理区分に属しているのだから、まあ調査してみましょう」と言うでしょうか。

「雇用管理区分」が異なっていれば、差別はあっても仕方ないというように現行均等法の指針は読めます。

この点を働く女性は問題だとして「ごとに」の文言を削除するように要求し続けてきましたし、また国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)の勧告が日本政府に出されてもいます。だから、使用者側の意見との間で厚労省は相当にこの文言に苦労したと思います。

その厚労省の苦心については、前回のブログで私の感想を書きましたが、この均等法を担当している厚労省の職員は少なからず女性であり、歴代雇用均等政策課長は女性です。

彼女たちも、歯がゆい思いをしながら、この文言を考えたのでしょう。だからこそ、あんな理解度難解の文章になったのでしょう。

さらに今日のブログは、超難解文言のもう一つ「間接差別の省令」についてです。

まず、間接差別とはなんぞや。これは5月12日のブログを見てください。省令案は次のようです。

《間接差別》(法第7条関係)

雇用の分野における性別に関する間接差別とは、\別以外の事由を要件とする措置であって、当該要件を満たす男性及び女性の比率を勘案すると実質的に性別を理由とする差別となるおそれがあると考えられるものを、9舁的な理由がある場合でないときに講ずることをいう。》

このような説明ですが、分かりましたか

この項の文章もとても長いし難解なので、向学心旺盛の人は厚生労働省のHPを見てください。

では具体的にどのような例が間接差別に該当するのかとい点についても審議が行われてきました。

審議中に話し合われた間接差別についての具体例は以下の通りです。「男女雇用機会均等政策研究会報告書の概要」(2004.6)より

《間接差別として考えられる例》

(臀検採用に当たって一定の身長・体重・体力を要件とする措置

∩躪膺Δ諒臀検採用に当たって全国転勤を要件とする措置

J臀検採用に当たって一定の学歴・学部を要件とする措置

ぞ鎖覆謀たって転居を伴う転勤経験を要件とする措置

ナ〕厚生の適用や家族手当等の支給に当たって住民票上の世帯主(又は主たる生計維持者、被扶養者を有すること)を要件とする措置

正社員をパートタイム労働者等と比較して有利に扱う措置

福利厚生の適用や家族手当等の支給に当たってパートタイム労働者を除外する措置

このうち、来年度施行の均等法に省令として書かれたのは、´↓の3つだけです。もしキΝが省令となったら、多くの非正規雇用の人は助かりますね。

なぜ、これらが削除されたか、誰が反対したかは、想像できますね。

上記の間接差別の定義も抽象的だと思いませんか。一回で理解できる人がどれくらいいるでしょうか。

そもそも女姓たちが望んでいた間接差別の定義は〔外見上は性中立的な規定、基準、慣行等が、他の性の構成員と比較して、一方の性の構成員に相当程度の不利益を与え、しかもその要件等が職務と客観的な関連性がない等、合理性・正当性が認められないものというものでした。これでもまだまだ難しい。

さて、雇用管理区分で、「ごとに」という文言があるばかりに、女性側に不利であると書きました。結果的に一方の性に不利益が偏るのは、間接差別です。圧倒的に女性が管理職になれない現実があります。これは間接差別です。「雇用管理区分」と「間接差別」はお互いが非常に矛盾しあった概念なのです。

さあ、そこでお願いです。間接差別の例が´↓だけで、間接差別が禁止されるでしょうか。あなたの職場でキΝが女性のみに不利に働く現実がありますよね。女性だかに不利な扱いをしている例は他にもありませんか。今あなたが怒っている、「女性だから」という例を書いてください。そして、間接差別の例が´↓だけでは駄目なのだということ7項目とも省令に入れるようにパブリックコメントを書かいてくれませんか。パブリックコメントを沢山出すことが、次の均等法につながるからです。

来年度施行の均等法は、このように働く者にとっては到底承服できない内容のものになってしまいました。

でも、女性団体が粘り強く、地道に国会議員に請願をし、ロビー活動をした結果、野党の国会議員の努力で、少しだけ希望の持てる内容をもった付帯決議が採択されました。付帯決議自体に何の拘束力もありませんが、多くの女性は声を上げることによって、最後に付けた付帯決議のなかの、年限をさらに短くできるのです。

さらに付帯決議に『間接差別も上記3例だけではありませんよ。』という文言も入りました。

これも、パブリックコメントで、多くの例を出し続ければ、次回の改正(願いを込めて、改定とは書かずに改正)には先進国としてちょっとはましな内容を作ることにつながると思います。

パブリックコメントは9月27日が締め切りです。募集要項にはいろいろ書いてありますが、それにとらわれず、文章が短くても、あなたの体験から出た怒りがあれば、それは最大の迫力で読む者を打つでしょう。

パブリックコメントは厚生労働省のHPまたはこのURLにアクセスしてみてください。

http://nfcg.web.infoseek.co.jp(日本フェミニストカウンセリング学会)

厚生労働省→厚生労働省HP→右端の「パブリックコメント」→パブリックコメント(意見募集中案件一覧)→3つ目「指針」・4つ目「省令」。

用紙には何ページの何行目に対する意見なのかと、ページと行目を書くようになっていますが、厚労省の担当者は指針と省令を熟知しているわけだから、毎日忙しく暮らしている人に、そういうことまで求めるのは実にお役所仕事だといえます。無視して、私のブログから考えたあなたの意見を書いてください。

また、指針の意見募集には、「セクハラ」に対するものもありますが、締め切りまでの時間がないことと、ブログが膨大になることから、今回は書きませんでした。

セクシャルハラスメント(セクハラ)については、随分と内容は良くなっていると思いますが、私は次の点にひっかかります。

職場におけるセクシャルハラスメントの内容《職場とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については、「職場」に含まれる。例えば、取引先の事務所、取引き先と打合せをするための飲食店、顧客の自宅等であっても、当該労働者が業務を遂行する場所であればこれに該当する》。

現実にセクハラって、《 》内の場所だけでしょうか。業務遂行に関係しないところでセクハラって起こっていますよね。職場の飲み会とかで。私はこの点にひっかかっています。

ホント、最後まで付き合ってくださってありがとう。では今日はここまで。

参考までに付帯決議の一部分を付けておきます。

間接差別の法理・定義についての適正な理解をすすめるため、事業主・労働者等に対して周知徹底に努めると共に、その定着に向けて事業主に対する指導・援助をすすめること。また、厚生労働省令において間接差別となるおそれがある措置を定めるにあたっては、国会における審議の内容、関係審議会におけるさらなる検討の結果を十分尊重すること。

間接差別は、厚生労働省令で規定するもの以外にも存在しうるものであること、及び省令で規定する以外のものでも、司法判断で間接差別法理により違法と判断される可能性があることを広く周知し、厚生労働省令の決定後においても法律施行の5年後の見直しをまたずに、機動的に対象事項の追加・見直しを図ること。そのため、男女差別の実態把握や要因分析のための検討をすすめること。

男女労働者双方の仕事と生活の調和の実現にむけ、仕事と家庭の両立がしやすい職場環境の整備をすすめるとともに、特に、男性労働者の所定外労働時間の抑制及び年次有給休暇の取得を一層促進するなど、長時間労働の抑制に取り組むこと。また、労働時間法制の見直しに際しても、男女労働者双方の仕事と生活の調和の実現に留意すること。

パートタイム労働者が意欲をもってその有する能力を十分発揮できるようにするため、正社員との均衡処遇に関する法制化を進めること。

男女の賃金格差是正のために、ILO第100号条約にのっとり、施策の積極的な推進を図ること。

今日は均等法の省令と指針について話をします。

均等法の正式名称は「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」です、長ったらしいので以下「均等法」とします。

今審議中の均等法の争点の一つは、省令と指針というものです。省令と指針とは性格が異なります。

簡単に言えば、省令はこの均等法を実行するときの具体的なことを言い、指針は方句を示したようなものといえます。

例えば憲法第24条〔家庭生活における個人の尊厳と両性の平等〕で婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、〜(以下略)。とあります。では何歳でもお互いの合意があれば結婚できるのかといえば、そうではありません。民法731条で男性は満18歳に、女性は満16歳にならなければ婚姻できないとあります。

(男性の寿命の方が短いのに、なんで男性の方が年齢が高いのだ?というような疑問はこの際ちょっと横へ置いといて)

このようにさらに法律で細かいことを決めていきます。ちょっと例えがヘンかな?なぬ、かえって分からなくなった!

 

来年4月施行の均等法に「過料」が創設されました。

その内容は、《厚生労働大臣(都道府県労働局長)が事業主に対し、男女均等等取扱いなど均等法に関する事項について報告を求めたにもかかわらず、事業主が報告しない、又は虚偽の報告をした場合は過料に処せられますー報告徴収に応じない場合又は虚偽の報告を行った場合の過料(20万円以下)

罰則規定がないとなかなか法律というのは守られませんよね。違法だと考えた人が、労働基準監督署なり、雇用均等室なり、ついには裁判所へ訴えない限り、いくら法律があっても絵に描いた餅です。

 

さて、こんな記事がありました。

見出しは〔偽装請負のトヨタ系会社  直接雇用、告発者を除外〕

《労災隠しと偽装請負が発覚したトヨタ自動車グループの部品会社「トヨタ車体精工」(TSK)が、派遣労働者から直接雇用に切り替える際、内部告発をした男性らには採用面接の機会を与えなかったことがわかった。男性らは「告発を理由とした不利益扱いだ」として、近く愛知労基署に調査を要請する。TSKの工場では3月、男性作業員が4週間の怪我をしたのに、雇用主の人材サービス会社「大起」とTSKは労働安全法に基づく報告を怠っていた。実態は労働者派遣なのに請負契約を装う「偽装請負」がTSKで行われていたことが判明し、愛知労働局が7月に改善を指導。TSKは大起との契約を8月1日付けで請負から契約に切り替えた。中略。TSKは大起が推薦する派遣労働者を契約社員として直接採用することにした。両社(大起、TSK)は労働者向け説明会を開いたが、告発した男性ら2人は参加を拒否された。TSKによると、男性は派遣に切り替えた際大起から伝えられた対象者に入っていなかった。以下略》朝日9月19日

 

これを読んでどう思いましたか。まず多様な働き方が出てきます。派遣とか契約とか、偽装請負とか。まるで派遣よりは契約の方がいいみたいにも受け取れますね。どちらの働き方にしても、正社員ほど雇用が保障されてはいません。

内部告発は労災に対して行われたのですが、そこから偽装請負であることが発覚しました。まず、内部告発がなかったら、この記事はなかったし、愛知労働局が動くこともなかったでしょう。

この記事からの教訓は沢山ありますが、この記事と2007年4月1日から施行される均等法とを重ね合わせてみると、均等法を実効あるものにするためには、相当に課題があることが見えてきます。

隠蔽したがる事業所を相手に、何よりもお役所に頑張ってもらわなければなりません。事業所に報告を求め、それが虚偽の報告であるか否かを見極める。う〜ん、気が遠くなりそう。しかし、過料が20万円とは…。

 

では、ここで来年4月1日からスタートする均等法のどこが変わったのかをおさらいします。

来年施行の均等法は男性に対しても適用されるというのは、以前ブログで書きました。要は「男女双方に対する差別の禁止」です。

 

女性たちの均等法に対する要求は沢山ありますが、ますは「雇用管理区分」から。

(雇用管理区分については、今年の1月1日のブログを見てください。)

以下が、私が傍聴した第62回労働政策審議会雇用均等分科会で配布された資料です。そこから引用します。(これは、厚労省HP右端のパブリックコメントをクリック。パブリックコメント意見募集案内の募集要項()指針案で見ることができます)

あくまでも省令と指針は現在審議中なので、決定ではありません。念のため。

[募集及び採用並びに配置、昇進及び教育訓練についての事業主が適切に対処するための指針]

直接差別

「雇用管理区分」とは、職種、資格、雇用形態、就業形態等の区分その他の労働者についての区分であって、当該区分に属している労働者と異なる雇用管理を行うことを予定して設定しているものをいう。雇用管理区分が同一か否かについては、当該区分に属する労働者の従事する職務の内容、転勤を含めた人事異動の幅や頻度等について、同一区分に属さない労働者との間に、客観的・合理的な違いが存在しているか否かにより判断されるものであり、その判断に当たっては、単なる形式ではなく、企業の雇用管理の実態に即して行う必要がある。例えば、採用に際しては異なる職種として採用していても、入社後は、同一企業内の労働者全体について、営業や事務など様々な職務を経験させたり同一の基準で人事異動を行うなど特に取扱いを区別することなく配置等を行っているような場合には、企業全体で一つの雇用管理区分と判断することとなる。]

以下、「募集及び採用」「配置」「昇進」「降格」「教育訓練」「福利厚生」「職種の変更」「雇用形態の変更」「退職の勧奨」「定年」「解雇」「労働契約の更新」「違法とならない場合」と続きますが、今回のブログは、「雇用管理区分」についてのみ取り上げます。

今施行されている均等法の「雇用管理区分」については、以下のように書かれています。

法第5条に違反する措置]

(第5条 事業主は、労働者の募集及び採用について、女性に対して男性と均等な機会を与えなければならない。)

募集及び採用に関し、雇用管理区分(職種、資格、雇用形態、就業等の区分その他の労働者についての区分であって当該区分に属している労働者について他の区分に属している労働者と異なる管理区分を行うことを予定して設定しているものをいう。)ごとに、次に掲げる措置を講ずること

イ募集又は採用に当たって、女性であることを理由として、その対象から女性を排除すること。

(排除していると認められる例)

^貭蠅凌種について募集又は採用の対象を男性のみとすること。

△い錣罎訌躪膺Δ砲弔い栃臀庫瑤郎陵僂梁仂櫃鮹棒のみとすること。

0焚爾藁します。

 

まず、書き方からして違いますね。次年度の均等法とは異なり、今の均等法は「違反すること」を羅列しています

 

今の均等法にある「雇用管理区分ごとに」という語句に女姓たちは抗議してきました。雇用管理区分が異なれば、違法とならないように読むことができるからです。これは次回に取り上げる「間接差別」の定義と矛盾するからです。

 

今の均等法の「雇用管理区分」の文章もややこしいけど、来年度施行の文章はもっとややこしい。

使用者と労働者の意見、またCEDAW(国連女性差別撤廃委員会)の勧告を勘案しての厚労省の苦肉の策とも思えなくもないですが、まあこれを私たちが読んで、すんなり分かる人がどれくらいいることやら。

総合職、一般職という抜け道を「雇用管理区分ごとに」が作ってきたことは、もう何度も書きました。来年度施行の「雇用管理区分」の文中の「例えば以下」にその苦心のあとが見られますが、この文章からでもいろんな解釈が生まれます。「営業や事務など様々な職務を経験させたり…」とありますが、経験させるのは事業主ですから、これを逆の口実に使うこともできます。

雇用管理区分に書けば書くほど、かえって抜け道を作っているような気がします。

 

あなたは、来年度施行の雇用管理区分のどの箇所にひっかかりますか。そのひっかかった箇所を、是非パブリックコメントに書いてください。

パブリックコメントについては、厚労省のHPの右端、パブリックコメントをクリックしてみてください。また、日本フェミニストカウンセリング学会のホームページにもその方法や、なぜパブリックコメントを出した方がいいのかについて書いていますので、次のURLにもアクセスしてみてください。
http://nfcg.web.infoseek.co.jp

 

それにしても、切実な要求を持っちながらも、日々の生活に追われている労働者が、この指針を読むチャンスや時間があるだろうか。よしんばあるとしても、この文章を読みこなし、自分の意見を言うことができるのか甚だ懐疑的になりますね。

 

次はもう一つの問題点「間接差別」についてです。多分今週中には載せることができると思います。

では今日はここまで。

今日は一日中雨でした。急に涼しくなると、あの暑さが少し恋しくなったりして、勝手なものですね。

 

さて、今までに労働契約法制とそれに伴う、労働時間法制について何度か書きました。その主な要点をもう一度(三度かな?)書きますと、次のようになります。

時間外月30時間を超える場合の残業代の割増率を5割に引き上げる。

長時間残業した人の休日取得を企業に義務付ける。

年収の高い人などを労働時間規制から外して残業代をなくす「自律的労働時間制度」の創設

解雇の金銭的解決の導入の検討

 

9月12日付けの新聞に次のような記事がありました。要点をまとめてみます。

残業代割増率示さず 労働法制厚労省が修正案(朝日新聞912)

雇用契約の新たなルールを定める労働契約法制や労働時間法制の見直しをめぐり、厚労省は11日、労使双方の反発があり議論が中断していた素案を修正する案を労働政策審議会の専門分科会に示した

(→の次の文が今回の労働省の素案です。)

 

30時間を超える残業の割増率を5割に引き上げる。→残業が一定時間を超えた場合の割増率を引き上げ

有期契約更新は3回を超えて継続すれば、正社員への優先的な応募機会を付与→不必要に短期の有期契約を反復更新することのないよう配慮

 

今回の厚労省の素案は、いずれも具体的に示されていた数字が削除されています。

調査に協力してくれた卒業生の多くは有期雇用ですから、この2つ目の有期雇用についての素案は、今までこのブログでは書いてこなかったので、こんなんもあったのかと「あれっ」と思った人もいるでしょう。

618日の新聞には確かにこの素案についての言及もされていました。

でもその記事の最後に、とても冷めたコメントがあったので、これはぬか喜びになるだろうと、あえて取り上げませんでした。

 

そのコメントとは「正社員にしたくない企業は決められた更新回数の前で契約しなくなる方向に進むだろう」。

どうですか、的確なコメントでしょう。

 

今審議されているホワイトカラー・イグゼンプションの条件の一つに年収があります。使用者側の当初の考えとは異なり、その額が400万から1000万円になるという情報も聞きます。

でも油断は大敵。

 

先日、ある講演会で、講師がこう言ってました。「派遣法だって最初は派遣していい職種は限定されていたのに、どんどん規制がはずされて、今は何でも派遣でOKのようになったことから考えると、最初1000万円で、それならあまり多くの労働者は該当しないと思っていても、いったんこの法律が成立したら、どんどんと額は下がって行って、あっという間に400万円のラインに行くだろう」。

なんかすごく得心してしまいました。

 

前回のブログを見て、アメリカに住む卒業生が次のようなメールをくれました。

彼女の夫はアメリカ人で、日本でいえば整形外科の医者のような仕事をしています。豊かに暮らしている階層に属しています。アメリカの医療制度は、公的医療は低所得者や高齢者・重度障害者に対するものだけで、基本的には個人や会社が民間の保険会社と契約します。少し加筆していますが、彼女は、アメリカの医療制度について以下のように述べています。

 

《保険の事は本当に悩みます。今現在うちは入っていません。入ろうと思えば5000ドルを自腹で、それ以上の負担も月々1000ドル近くはかかります。しかも歯には使えないとかで、結局うちはその分貯金に回して、その時の貯えにしてます。幸い友達が小児科医、歯科医、内科医なので、検診などはお互い夫の診察と交換でしたりしています。アメリカの治療費は莫大だから医療破産する人が多いそうです。もしそうなっても家は取られなくするようには法律で守られているようです。夫のクリニックでも保険で治療が左右されていて、彼はいつも怒っています。自分が診察して治療法を決めるべきなのに保険会社の社員が、『この保険では5回までカバーされます。』など電話で指示するからです。未収入の診察費もたくさんあります。そもそもシステムをいうと、診察を受けるとその分を後日請求書として送ります。クリニックによってはその当日に払った場合は割引をしてるところもあります。しかも随分借金を作っても平気で来る患者も多いです。あまりに借金がかさんでる患者の場合は、専門業者にかなりの成功費用を取られながらも集金の依頼するしか方法がないんです。結局アメリカの保険っていうのは、あまり自分の健康を大事にしてない人を支えるようなものなのです。だから夫のポリシーは、その分をスポーツジム費や食費に回したほうがいいというものです。こちらは子供が熱をだして電話をしてもすぐには連れて来させないんです。だからうちみたいにめったに病気のない家庭は、子どもが医者にかかった回数なんて一人一年一回の検診のみです。その費用は、もし支払ってたら50ドルぐらいだと思います。3人の子どもで150ドル、それにプラス私の健康診断120ドル。夫も同額程度としても全部で500ドルもいかないんです。一つ間違えれば恐い話ですが、その分は車の事故の場合の身体への保証等を余計につけたりして考慮しています。》

 

どうですか、日本とは随分と制度が違いますね。長寿国日本の医療制度は、簡単に他国とは比較できませんが、カナダのようにこの制度だけは無料というものを、誰ものが関係する分野で施行するなら、随分と人々の暮らしぶり、精神の安定度も違ったものになってくるだろうと思います。

 

均等法についてはまだ勉強中です。厚労省が今、今回の改正均等法の省令また、指針について意見を求めています。できるだけ多くの女性の働く現状をコメントにして送りたいので、どの点が問題なのかを次回のブログで書くつもりをしています。そのときは協力してください。

では今日はここまで。

昨夜、マイケル・ムーア監督の2002年製作の映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」を遅まきながらTVで見ました。

銃による殺人が世界でダントツのアメリカを各国と比較する場面では、特に隣国カナダとの比較がなかなか興味深いものでした。

 

今夏、暑い日本を脱出してちょっとの間カナダへ行ってきました。しかしカナダも暑かった。

地球温暖化を痛切に感じてきました。

 

行く先々で、在カナダ日本人の方とお話する機会がありました。時には観光ガイドの方、また知り合いのカナダ移住者等です。その方々が異口同音に言うのが「医療費が無料」ということでした。

 

前回のブログにも書きましたように、アメリカは国民皆保険制ではありません。低所得者向けの医療制度はありますが、さまざまな制約があります。

それは、NHKBSで放映していた「NY物語・同時多発テロの被害者」(93)でも見ることができました。

 

ビル崩壊の粉塵の中で救助に動いたのは消防士だけではありません。多くのボランティアもいました。消防士を含め、防塵マスクを大多数の人が着けていなかったために、今、肺の病気で苦しんでいる人が多いそうです。消防士等公務員はその後法律ができて救済されたのですが、民間人には何の救済もないとか。後遺症の医療を受けようとすれば、自費治療になるので、治療もできず働くこともできない人々のケースを紹介していました。

 

話はそれましたが、ムーア監督は、カナダの行政担当官から「力で人を押さえつけては駄目だ。医療や保育所や教育の充実こそが人々を安定した気持ちにさせるのだ」というような発言を引き出していました。カナダの銃所有率は高いのですが、殺人件数はアメリカとは比較にならないほど低いのです。

 

アメリカ人が過剰とも思える他人への警戒心を持つに至ったかにムーア監督は迫ろうとしていました。

 

このTVを見ていて、日本もアメリカ型になりつつあると思いました。

 

ブログで何回も書きましたが、国会を初めとした政府機関の警戒の厳重なこと。先日厚労省のロービーで写真を撮ったら、守衛さんに注意されてしました。

 

カナダの首都はどこ

オタワの国会は休会中ということもあったのでしょうが、その場での見学自由。各国の観光客が、英語やフランス語やドイツ語案内が飛び交う中、写真を撮りながらぞろぞろと歩いていました。私もその一員でしたが。

 

そういえばカナダの教育は高校までは確か無料、大学も奨学金制度が整っていて、学生の払う授業料の、大学の教育費用に占める割合はわずか11%程度に過ぎないとか。(カナダ政府のHP)

 

アメリカでは、日本の大学の授業料が安く思えるほど、高いのだそうです。奨学金を目当てに、イラクに志願する若者の背景が垣間見えますね。

 

さて今日は「解雇の金銭的解決」についてです。前回のブログで解説だけを書きましたが、その具体例を検索していて結構時間がかかりました。このブログで、労働問題について法的なことを書いていますが、実際働いているとそんな文面どおりに行かないのが殆どです。

 

ブログを見てくれている卒業生から、先日相談を受けました。「仕事を辞めたいのだけれど、後任が見つかるまで待ってくれと言われている。でも、なかなか後任は見つからず、困っている」辞める意思表示はかなり以前から会社に示しているそうです。

 

今まで「解雇されたから、どうしよう」という前提でブログを書いていたものですから、慌てて調べてみました。この場合も法律では保障されていますが、職場は人間関係で成り立っているところでもあるからそう簡単には割り切って行動できないですよね。

「会社も困ってるのや、今後任を探してるから、もうちょっとだけ働いてえなぁ」って面と向かって言われたら、なかなか振り切れないのが人情です。

 

この人情を逆手に取ったのが、今回の「解雇の金銭的解決」ではないかと私は考えています。冒頭に書きましたが、私の知る限りで最も新しい解雇の判決をレイバーネットというHPで見つけました。

 

水戸地方裁判所下妻支部での裁判例です。20042月に大倉産業株式会社に入社し(同年331日解雇)、試用労働契約であったAさん(当時28歳)に、前代表取締役社長Bが「うちの企業風土にあわない」という理由で解雇を言い渡しました。2004年年101日、Aさんは解雇無効を前提とする損害賠償を求めて訴訟を起こしました。そして2006829日に和解しました。この裁判はまだ短い方ではないでしょうか。

 

今回の「解雇の金銭的解決」が労働契約法に入る理由として、厚労省は『解雇が無効とされた場合でも、職場における信頼関係の喪失等によって職場復帰が困難な場合があることから、解雇の金銭的解決制度の導入について検討する。』と言っています。

 

これを上記のAさんの例にあてはめると、「例えAさんが、解雇無効の判決を受けたとしても、トラブルのあった職場に復帰しにくいだろう。それが人情というものだ。結果的には、退職金をもらって退職することになる。そんな長いことかかる裁判を労力や金をかけてまでしなくても、解雇する場合は金銭で解決しようやないの。」ということになりますかしら。

確かに、裁判中に会社側の証人として上司だけでなく、同僚も証言します。Aさんが職場復帰したら、多分相当に気まずいでしょうね。

だからと言って、「解雇の金銭的解決」が大手を振って歩き出せば、経営者は、「金さえ出せば、解雇できる」ということになります。一見労働者側に配慮があるように見えるこの内容は、結果的に労働者の立場をますます弱くすると思います。

解雇は、何かしら特別な理由があるように思いますが、その理由を労働者が本当に納得するなんてことはないでしょう。それを一体いくらで話をつけようとするのでしょうか。

 

「解雇の金銭的解決」と書いていましたが、ここまで書いて、「解決」という言葉はふさわしくないと思い至りました。「金銭的手打ち」「金銭的通告」「金銭的押し付け」なんかどうでしょうか。他にふさわしい言葉ありませんかね。

 

先日傍聴してきた来年4月から施行される改正均等法について、何とかブログに書けるように勉強していますが、法律用語は難しくて、何がどのように変わったのか、変わったことで働く者への影響がどうなるのか、さっぱりつかめません。

そのネックにあるのが、1986年に施行された均等法が、女性労働のためになって来たのだろうかという点です。

法律はいいこと書いてあるけど、企業がそれを実行しないでもOKならば、法律って一体なんなの

(もちろん、効果が全くないなんては思っていません。裁判をすれば、労基署に申し立てれば、力になってくれるでしょう。)

 

特にアンケートと重ね合わせて、この点から抜け出せないのです。

では今日はここまで。

ヌエックおよび厚生労働省でお出会いし、私のブログの宣伝ビラを受け取ってくださり、また、こうしてアクセスしてくださっている方々に心よりお礼を申し上げます。

 

2005年12月15日が最初のブログですので、このブログを始めるに当たってのいきさつは12月のいくつかのブログをみていただければ少しお分かりいただけるかもしれません。

 

当初このブログは私が勤務していた高等学校の卒業生向けに作成しました。その理由をもう少し詳しく述べます。

このブログのきっかけになったのは、私の「女性と仕事」という調査からです。

 

調査対象になった商業高校生は、19814月に商業高等学校へ入学し、19843月に卒業しました。

当時の女性の進学率は短期大学20.8%、大学13.7(文部科学省「学校基本調査」1985)で、職業高校、普通科高校を問わず大部分の女生徒が卒業後就職している時代でありました。

 

また職業高校へ入学してくる生徒も、現在ほど偏差値で輪切りされていず、進学高校よりもさらに上位の成績の者も多く在籍していました。商業高校入学の動機が自分の意志であれ親の考えであれ、卒業後就職するという明確な意志を持った女生徒が多くいました。

 

求人情報を目の前にして3年生の進路相談室は、生徒、親、教師の「女性労働」に対する考え方の交錯する場所でもあります。

彼女たちが高校生であった頃の世相や、また生徒の自主活動を重視していた学校でもあったので、卒業アルバムの彼女たちは、修学旅行や学園祭で輝いてみえます。

「分かった、先生。私らに任しとき」と、頼もしい生徒たちでした。

 

ところが、今回の調査を通して、あの生き生きとした強烈な印象を残して卒業していった女生徒のその後は、「女性労働」という言葉で括られて、その中に埋没していったかのように私には感じられました。

 

普通科を選ばずに職業高校を卒業し就職するという考えは、結果的に大部分の卒業生にとっては、結婚・就職までで終ってしまったかのようです。

スカートの長さの規則を初め、納得できないルール対して徹底して教師に挑んできた生徒は、こと「女性労働」に関しては最初から闘いを挑む気持ちがなかったような感想を私は持ちました。

 

調査をしようと考えたのも、彼女たちの近況報告がきっかけでした。

卒業後約20年の現在でもなお、正規雇用で就業継続している卒業生が辞めたと報告してきます。

卒業後18年間勤めた会社を、育休中に「仕事との両立」の不安から精神的に追い詰められて、誰にも相談せずに辞めてしまった者もいます。

その時々に連絡が入ってきますが、それはいつも結果報告なのです。

 

彼女たちは、事前の相談相手に私を初め、教師を思い浮かべなかったということになります。

 

退職した今、今回のヌエックや審議会傍聴や学習会に参加することで「働く女性の状況」や、労働問題について少しは知識も持つようになりましたが、果たして在職中に卒業生から相談を受けたとき、多分対応はできなかっただろうと思います。

 

卒業生の調査とともに、聞き取りもしました。彼女たちの話を聞くなかで、愚痴を言い合う同僚はいるが、解決に結びつく

女性が働き続けることでの様々な問題を相談する人がいない。

圧倒的に妊娠・出産で退職している職場での、将来設計をするための女性モデルが少ない。

労働、特に女性労働というものを学ぶ場や、チャンスがないため、自分の判断だけで行動してしまう。

このようなことを痛切に思い知らされました。

 

そこで、私の調査に協力してくれた卒業生へのお礼も込めて、このブログで「女性労働の現状」を発信することにしたのです。

ブログ開設の連絡は、主として担任をしていた生徒にしました。

 

しかし、この調査対象となった人たちは、現在40歳です。宣伝ビラにも書きましたように、約75%が非正規雇用、もしくは非正規予備軍で、遅きに失した感があります。

これに関しては2005年12月18日のブログをご覧ください。

 

ささやかにごく限られた卒業生だけを思い浮かべながらこのブログを始めましたが、限界も感じ始めています。

 

社会人に近い段階の生徒や学生と接している高校や大学の教員だからできること、例えば「嶋川先生のブログだから見てみようか」という個人的繋がりを利用することも、教師だからできるのではないかとも考えています。

 

そういう意味をこめて、拙いブログをできるだけ宣伝することにいたしました。

(宣伝をするに至るまでにはかなりの勇気を要しました…)。

 

内容に関するご意見とともに、いかに情報を共有していくかについてのご意見もいただけると幸いです。

長文を最後まで読んでくださいましてありがとうございました。

 

卒業生のみなさん、今日のブログは勝手が違ってごめんね。

先週の土曜日と日曜日に、埼玉県にあるヌエック(国立女性教育会館)で開催された「男女共同参画のための研究と実践の交流推進フォーラム」に参加してきました。その会場で、このブログの宣伝をしました。また、翌日の月曜日(昨日)は、以前からブログでお知らせしている「均等法」の指針および省令に対する「第62回労働政策審議会雇用均等分科会」の傍聴をしてきました。このときもその場でお出会いした労働側の委員や何人かの方にこのブログの宣伝をしました。だから今日のブログは、その人向けの内容なので、とても上品な文章だったでしょう

最後まで付き合ってくださってご苦労さま。

この審議会傍聴の結果は、私がややこしいお役所文章を消化してから、書きます。(なんか相当時間かかりそう)

このややこしい文章は厚労省のHPで見ることができます。(今検索したら、今回の議事録はまだでていないようです。)

では、今日はこれくらいで

前回のブログの最後に、大商卒業生の言葉を書きました。彼女は怒りながら、当時を思い出して話してくれました。

 

卒業して2年目から均等法が施行され、働き方は何ら変わらないのに、新しく、総合職と一般職を職場を導入するに当たって、会社側は労働者の代表、即ち労働組合と協約を結んだ。このとき彼女は、組合に異議申し立てをするのですが、それは問題にもされなかったであろうということを述懐しています。

 

ちょっと横道にそれますが、日本の労働組合は基本的にクローズド・ショップ(closed shop)の企業内組合です。だから企業内組合がユニオンショップ協定を会社と結んでいる場合は、企業内組合を辞めると解雇される場合があるので要注意ですよ。

 

どうしても企業内組合を退会したい場合は、次のユニオン・ショップ協定をよく勉強してからにしてくださいね。「ユニオン・ショップ」を検索すると、次のような説明がありました。

 

《ユニオン・ショップ協定(以下「ユシ協定」といいます。)とは,会社に雇用された労働者は必ず労働組合に加入しなければならず,労働者が労働組合に加入しない場合や,組合から脱退したり除名されたりした場合には,その労働者は解雇されるという制度。労働組合法第7条第1号ただし書きは,「労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において,その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とすることを妨げるものではない。」として、過半数の労働者で組織されている組合にユシ協定の締結を認めています。〜中略〜労働者には団結権が保障されている一方,「団結しない自由」もあるのですが,判例や多くの見解では,憲法で保障された団結権を擁護するという見地から,ユシ協定に基づき,会社が組合からの脱退者や除名者を解雇することは有効としています。
[広島わーくわくネットひろしま] 広島県のサイトで検索

 

さて話を本筋に戻しましょう。冒頭の彼女の言うとおり、「均等法」が施行に伴い、会社側と労働者側は、この法律の下、協定を結びました。でも、そこには女性の意見は入っていませんでした。

そう最初から、除外されていたのです。これ以降の労働協定でも同様のことが行われてきたことは、前回のブログの[兼松]の例からも分かります。

 

「ホワイトカラー・イグゼンプション」を含む労働契約法や労働時間法が成立すれば、この法の下で、労働協約が結ばれるでしょう。

 

どのような人が対象になるかは未定ですが、少なくとも管理職もしくは、管理職候補がその対象になることは確かでしょう。

 

ところが管理職は組合員ではありません。均等法では女性を排除した労働組合側は、今度はどのような対応をするのでしょうか。

 

均等法と違ってその対象者の多くは男性です。今回の労働契約法で男性たちはいかなる対応をするのでしょうか。

男性中心の組合は抵抗勢力になりうるか?

 

法律の中身は大いに問題ですが、この点に関して私は興味深々なのです。

ここで頑張らなければ、もう労働者の前途は暗い。しかし、労働組合の動きは鈍いとある労組の方は話しておられました。

 

今日の学習は、「解雇の金銭的解決」です。ところがこれがなかなか難しい。

会社がある人を解雇するときには勿論労働基準法に基づかなければなりません。

 

例えば労基法 の解雇については次のように定められています。

 

第十八条の二  解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当で あると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

これを解説すると次のようになります。
 

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」

 

 では、今検討されている「労働契約法」が成立すれば、解雇はどのようにに変わるのでしょうか。

 

「解雇の金銭的解決」という語句から想像できますね。

 

具体的に何がどのように変わり、何か問題なのかをもっと勉強して次回にに書きます(書けるか不安)

 

最後に厚労省の言い分と、反対している労働組合とか弁護士とか研究者などの諸団体の意見を引用しておきます。

 

厚労省:解雇が無効とされた場合でも、職場における信頼関係の喪失等によって職場復帰が困難な場合があることから、解雇の金銭的解決制度の導入について検討する。

 

諸団体:裁判で使用者が「不当解雇」と判決を受けても、金を出せば労働者の意志に反して解雇できる。

 

では今日はここでいったん終ります。中途半端でごめんなさい。

 

 

残暑お見舞い申し上げます。暑い、あつい、あつ〜い、アツイ。

 

お盆は如何お過ごしでしたか。今日から会社という人も多いでしょう。買い物に行くとレジは全て女性といっても過言ではありません。パートであれ、正社員であれ、販売の仕事をしている人は、思うようにお盆の休みが取れなかったのではないでしょうか。

アメリカで暮らしている大商卒業生がお盆に一時帰国していました。彼女はアメリカで看護師として働いています。

勿論アメリカへ行ってから資格を取ったのです。卒業生名簿に「成績優秀者」のマークが付いていました。

確かアメリカへ行ったときは大して英会話はできなかったから、相当努力したのだろうと思いながら、2時間ほどおしゃべりしました。

話がパート労働者のことになってから、二人の話がなかなか噛み合いません。よーく聞いてみたら、彼女は一週に40時間も働く形態がなぜパートというのか理解できなかったのです。

「それはフルタイム労働者でしょう?勿論社会保険は付きます。加入させなかったら会社は罰せられます」と言ってました。社会保険を会社が負担するのがイヤで、偽装請負という働かし方を大手メーカーがさせていると紙上にここんところずっと出ています。今更何をという感じ。

もうとっくにメーカー現場では言われていたし、指摘されていたことですよね。何事もアメリカに追随する日本ですが、アメリカの方が違法に対しては厳しいようです。

彼女は、アメリカで働きながらナースの資格を取りましたが、社会人に資格取得のチャンスを与えるコミュニティカレッジ制度の多彩さ、またそれを保障する働き方については日本よりも優れていると言ってました。

ただし、国民健康保険制度については日本の方がずっと優れているので、この制度は守るべきであると力説していました。しかしこの点も「自由診療」という名で、少し危うくなってきているのが日本の現状です。アメリカでは同じ診療でも値段が違うので、良心的な医者を探すのに苦労するそうですお金の有無で、命が決まる、日本も段々とそうなりつつあるようです。

資本主義の権化のアメリカに対して、いい評価を付けることはできませんが、まだ日本よりもマシな点もあるようです。連邦裁判所の判決、例えばブッシュ大統領が指示した「公安機関による令状なき通信盗聴の容認」を違憲とするなどは司法の独立という点で日本の最高裁とはかなり違っていると思います。

さて、今日は前回に項目だけを挙げた、「労働契約法制」についての内容です。もう一度項目だけおさらいします。

時間外月30時間を超える場合の残業代の割増率を5割に引き上げる。

長時間残業した人の休日取得を企業に義務付ける。

年収の高い人などを労働時間規制から外して残業代をなくす「自律的労働時間制度」の創設

解雇の金銭的解決の導入の検討

今日のブログでは、この労働契約法で最も関心の高い3番目の《年収の高い人などを労働時間規制から外して残業代をなくす「自律的労働時間制度」の創設》について、説明します。

『メール残業心労も家に』というタイトルで次のような記事がありました。(朝日2006.08.15)

インターネットを活用し、帰宅後も会社の仕事を続ける「メール残業」の広がりへの懸念が、労働相談の現場で増している。かつての、書類を自宅に持ち帰る「風呂敷残業」より手間がかからないが、仕事と余暇の区別が一層つきにくくなる危険性をはらむ。〜中略〜日本労働弁護団が6月に1日だけ実施した「残業・労働トラブルホットライン」にあった、相談件数419件のうち、99件が長時間労働についてだった。〜中略〜職場でやり残した仕事のファイルをメールで自宅のパソコンに送って帰宅残業したり、休日も携帯電話で心理的に拘束され続けたりするケース。厚生労働省は、日本経団連などの要望を受け、高収入者向けに働く時間を自ら決めて残業代をなくす「自律的労働制度」の導入を検討している。これに対し、連合などの労働団体は人員削減で1人当たりの仕事量が増えており、新制度がさらに長時間労働を助長しかねない、と反発している。》

 

では、労働時間規制から外れた労働者とはどのような人のことでしょうか。まずこれらの人をアメリカではホワイトカラー・エグゼンプションといいます。だから新聞も今後この表現で出るかもしれません。

 

ホワイトカラー・エグゼンプションに対する厚生労働省の見解は次のようです。

ホワイトカラー労働者の増加と働き方の多様化が進み、その中でも自律的に働き、かつ、労働時間の長短ではなくその成果や能力などにより評価されることがふさわしい労働者が増加している。このような労働者について現行の労働時間制度では充分に対応できない部分を検証した上で、労働時間制度全般について、運用や制度そのものの見直しを行うことが必要」である。

 

そして、新しい自律的な労働時間制度の対象者の具体的なイメージを2つ例示しています

企業における中堅の幹部候補生で管理監督職の手前に位置するもの

企業における研究開発部門のプロジェクトチームのリーダー

 

まずこの2つの例示の具体的な対象者を経団連は次のように考えているようです。

経団連は年収400万円以上の労働者なら、誰でも対象者になるとしている》

厚労省の報告書でも「通常の労働時間管理下で働いている労働者の年間の給与総額を下回らないこと」を対象者の要件にあげています。

(陰の声:通常の労働時間管理下とは誰のこと正規雇用という意味なら、そう書いてほしいね。それにしてもこの定義だったら大半の労働者が該当するやん。)

では、「あなたはホワイトカラー・エグゼンプションに該当します」というのは誰が決めるのか。これは今のところ次のように定義されています。

労働時間規制の適用除外の導入にあたっては、労使協議に基づく合意に委ねる。

 

労使協定ほど訳の分からないものはありません。大体、労働組合員減少の中、労使が対等に合意できるはずがない。さらに「労働側の代表ってどんな人なの」という疑問も出てくる。

 

例えば労働基準法の[労働時間]については、必ず使用者は労働組合と協定を行わなければならないと定めています。その一部を紹介します。

第三十二条で「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。」

もしそれを超える場合は、

第三十二条の二で、「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、〜略〜」

 

この労働者側の代表が本当に労働者の代表になのかは甚だ疑問です。なぜなら、今裁判中の「兼松」の労働組合について、次のような報告があります。

兼松では今年、新たに人事制度が導入され、現在事務職が行っている職務を職責バンドの一番下に位置づけ、ここにいる限りは賃金も全く上がらない。現行よりはるかに低く据え置かれます。歴史的に兼松は人事制度が入るたびに女性の賃金は低くなり、その度に女性たちが反対してきた経過があります。また同じことの繰り返しはもう我慢できないと2名が兼松労組を脱退し、商社ウィメンズユニオンに加盟した。」(是正の会ニュースNO.66)

 

要するに兼松の労働協約は、会社側と労働組合で合意したということです。その結果女性の地位はどんどん低くなってきたということです。女性たちの立場を誰が代弁したのか、またその代表に女性は入っていたのか、これも疑問です。

(兼松については、検索してください。わぁ〜めっちゃ大企業)

 

大商の卒業生の1人も言ってます。

時期はあんまり覚えてへんのやけど、その会社の中で、地域職と総合職というのに分かれるみたいな形が、多分その男女雇用がからんでたんと思うやけど、組合で話があって、女の子は工場採用やから地域職、そこで私は『なんでなんですか』って言うた。でも高卒の男の子も工場採用の筈なんですよ、でもね『違う』って、『本社採用や。面接は工場でしているけど、本社採用や』って言う。ほんでね『腹立つ』って言った。言ったけど、私一人だけやってん。組合で職場会というのがあるんですよ、女の人はいるけど、そこの職場では私一人やった。最後まで『何で、何で』って言ったけど。でもね、言ったけど、多分私の言った話は持って行ってくれてないと思う。職場委員長が組合にも言ってない。多数決採ったら絶対負けるじゃないですか、私なんか女性で組合の役員は一人やから。一応色々反抗してきた。あのね、組合は会社と一緒やねん。ほんでね、組合で頑張った人は出世できるねん。それはもう私が見てても分かるのやから、すごいやろ」

どうです。その会社の組合が、労働者の代表としての行動をするとはとても言えませんよね。

 

だから、この労働時間について、労働協議に委ねれば、企業側の論理が勝つのは明らかです。さらに、このホワイトカラー・エグゼンプションは自分の労働時間を自分で決めることができる人ということも要件の一つなのです。労働日や出退勤務時間、出勤の有無についても自らの裁量で決めることができる人です。このような労働者とは、日経新聞には課長補佐(管理監督者の下位レベルの職務の者)が該当すると報道されましたが、課長補佐が自分の労働時間を自分で決めて、「じゃぁ、明日は出勤しません」なんて言えるのでしょうかね。

このホワイトカラー・エグゼンプションに該当する人は、専門的・技術的職業従事者のかなりの人が対象とされてしまう危険性があり、労働者の20%近くが対象となるだろうという観測もあります。

 

「あんたはホワイトカラー・エグゼンプションなんや。エリートなんや。」などとおだてられて、この法案もまぁええんちゃう」なんて思ってはいけません。

賃金や労働時間を考えれば相当に過酷な労働者になるにも関わらず、「私は、上位に位置するサラリーマンや」と思うほど、使用者側にとっては思う壺はないのですから。

 

では、今日はこれくらいで。

暑いけれど、冷蔵庫の中がからっぽ。

これからお使いに行ってきます。次回も労働契約法制です。


ようやく梅雨明けとか。ホントよく降りましたね。知合いやご親戚に被害にあわれた方はいらっしゃいませんか。お見舞い申し上げます。

今日は労働契約法制についてですが、その前に最近の私の雑感をちょっと。

7月23日の夜9時からNHKで「WORKING POOR」という番組が放送されました。何かと話題の多い、また中立という、分かったような分からない視点の甘さをもどかしく思うNHKですが、7月21日の「格差社会と戦うベネズエラ」とともに、受信料を払ってもいい番組でした。

今のベネズエラを転覆させようとする勢力の陰で暗躍するアメリカの存在に今更ながら慄然としました。

「ワーキングプア」の方は、やさしい語り口ながら、日本の進むべき方向に対する政府の無策に警鐘を鳴らしていました。

リストラで、年収600万円台から3つの仕事(深夜勤もあり)をかけもちして年収200万円になった、2児の父親でもある50歳台の男性が、「将来の子どもの進学に応えてやれないかもしれないことに対して、何度々も「子どもの責任ではないのだから」と言っていました。

「親の所得で、子どもの将来が決まる」ということを絶対してはいけないと司会者は最後に締め括っていました。

今までのブログで何度も書いてきましたが、正規雇用と非正規雇用の間に厳然として存在する「同一価値労働、同一賃金」の考え方が、資本主義国であるという点においては同じなのに、EU諸国に根付いてなぜアメリカには根付かなかったのでしょうか。

1970年代にイギリスはこの「同一価値労働、同一賃金」の考え方を導入しました。詳しい背景について理解不十分な私は、なぜそれが可能であったのかを、日本滞在10年の若きイギリス男性に尋ねました。彼は「1970年代のイギリスは社会主義国だったとも言える。なぜなら鉄道、郵便局、鉄鋼などは国有だったから。そのときだったからこそ、この考え方が容易に導入されたのだと思う」と話してくれました。

これ以上の会話は私の英語力では、また彼の日本語力では無理なので、まあ何となく分かったような感じ

その後、イギリス首相としてサッチャーが登場したわけです。映画「リトルダンサー」「ブラス」などに描かれる世界です。彼女は「鉄の女」と呼ばれましたが、私はこの呼称は好きになれませんね。彼女への評価は別にして、女性ゆえの呼称のようにも思えます。サッチャーを フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で見ると、このように書かれています。

市場原理と起業家精神を重視し、政府の経済的介入を抑制する政策を取った。こうした政治姿勢は新自由主義(ネオリベラリズム)あるいは新保守主義と呼ばれる。ほぼ時を同じくして、新自由主義の立場に基づき、サッチャーは、電話会社(1984年)やガス会社(1986年)、空港(1986年)、航空会社(1987年)などの各種国有企業の民営化や規制緩和、金融改革などを断行した。また、70年代に高まりを見せ、労働組合運動を目の敵として、徹底した弾圧によりイギリス産業界から労働組合の影響力を取り除く政策を多く打ち出した。》

ブッシュを支えている(操っている?)のはこの新保守主義(ネオコンサバティズム、略してネオコン)。

この時期、日本でも中曽根内閣のときに国鉄が民営化されています。

これを読む限り、今の日本で「間接差別」や「同一価値労働。同一賃金」を言っても、とても労働者側の意見は通りそうにもありませんね。

日本にもイギリスの1970年代のようなときがあったはずなのですが、労働者の権利に関しては全くイギリスのような道筋をたどりませんでした。この格差社会の原因を「グローバル化」いう言葉で何もかも片付けてしまいがちですが、人権のグローバル化もあるのではないかと思います。でも今となっては、労働者側の立場はますます弱くなるばかりです。

上記の「子どもの責任ではないのだ」と言っていた男性を初めとした「ワーキングプア」階層と対極にいる所謂「勝ち組」の人々は、節税対策に頭を悩ませているそうです。

「広大なセントラルパークを見下ろす超高層マンションで、日本の不動産賃貸会社会長(63)は、ゆったりと過ごしていた。税金を極力払わないですむよう国を渡り歩く『永遠の旅人』になって、この夏で迎える6度目の夏だ。〜中略〜。日本では所得税は払うが、一月一日時点の居住地に納税義務がある個人住民税は在米を理由に払っていない。在日日数を年182日以内に抑え、課税範囲が減る「非居住者」になるように調整する。日本では、財産が海外にあり、譲る側、譲られる側双方が5年以上「非居住者」であれば相続・贈与課税を回避できる。いまは『一人旅』だが、いずれ妻と相続税のない国に移住地を完全に移し、自分の資産をそっくり妻子に継がせるのが最終目的だ。」(2006719日朝日『分裂日本』)

う〜ん、考えてしまいました。感想は一杯ある。「国民の三大義務よ」なんて言う気はさらさらないけど、これって金持ちのみができる行動ですね。

以前に比べれば、現政府は高額所得の所得税率を引き下げる政策をとっていますが、こういう人を想定していたのかしら。あの村上ファンドの村上さんも根拠地をシンガポールに移したのも、上記のようなねらいだといわれていますね。

雑感はまだまだあるのですが、ぼつぼつ「労働契約法制」についての予習編を始めましょう。

「中間報告を見送り」「労働契約法・労働時間法制見直し」「労使とも強く反発」という見出しの、労働契約法の記事を紹介します。(紺字は記事からの抜粋)(2006.7.19朝日)

働く人と会社の雇用契約の基本ルールを定める新たな「労働契約法」や労働時間法制の見直しで、厚労省は18日に予定していた中間報告の取りまとめを見送った。当初から反対の強かった労働側に加え、残業代の割増率アップなどに経営者側からも反発が出ているため。(労使ともに反対なら、なんで)

厚労省は、労使の代表と公益委員で作る労働政策審議会の分科会で中間報告の取りまとめをしていたのですが、労使ともに反対しているから、中間報告は行わないまま労使の意向を再調整して、年末の分科会答申に一気にこぎつけたい考えのようです。どんな調整になるのやら。労働者側が不利になるのは均等法の改定で経験済みですから。(この労働政策審議会は私が均等法審議会の傍聴に行っていた報告ブログに度々登場します)

労働法制の見直しの主な議論は以下の4点です。

時間外月30時間を超える場合の残業代の割増率を5割に引き上げる。

長時間残業した人の休日取得を企業に義務付ける。

年収の高い人などを労働時間規制から外して残業代をなくす「自律的労働時間制度」の創設

解雇の金銭的解決の導入の検討

労使ともに反対とありますが、主な4点のどれをそれぞれが反対しているかは一目瞭然ですよね。

もしこれら4点が法律になったら、どれが実行され、どれが実行されないか、それも一目瞭然ですよね。

労使が対等であるなんて、幻想でしかないのが現実ですものね。

次回のブログから主にこれら4点について説明していきます。これからの審議会に動向に注目していてください。

2週間ほどブログをお休みします。

(誰「わざわざ断らなくても、今までも2週間くらいブログが更新されなかったことは度々ある」と言ってる人は)

では今日はここまで

よく雨が降りますね。遠くに雷鳴が聞こえると、慌ててパソコンの電源を切っています。

近くにNHKとか、NTTの高い避雷針?があるので、心配はないと思うのですが、このブログや大商卒業生が協力してくれたアンケートのデーターとか、他人には価値のないものでも、私には大切なものがパソコンに詰まっているので、つい過剰な防御をしてしまいます。全てバックアップしているわけではないのでね。

 

さて、なかなか本題に入れない住友金属の裁判についてですが、その前に一言。

『4割正社員サービス残業。月平均35時間、仕事片付かない』という記事を見つけました。(2006.07.14朝日新聞)

20067月4日付の朝日新聞にも「管理職でないサラリーマンでも、一定以上の収入があれば残業代をなくす制度を厚生労働省が検討している。」という記事がありました。

「競争社会が激しい中では、企業の存続には成果がより重要である。賃金も労働時間の長さだけでなく、成果を中心に決められるべき。」とこの法律を積極的に勧めている経済界の言い分も紹介しています。

 

これに該当するサラリーマンは自分で労働時間を決めることができるそうですが、この2つの記事を読んであなたはどう思いますか。

法律の名前は「労働契約法制」といいます。

さて、一言が長くなってしまいました。本題、本題っと

 

過去のブログで何度か引用させてもらいました、総合職と地方職に納得できなくて、課長にくってかかる卒業生の言葉をもう一度引用します。

「会社の中で、地域職と総合職というのに分かれるみたいな形が、多分その男女雇用法がからんでたんと思うやけど出てきたのです。女の子は工場採用やから地域職、そこで私は『なんでなんですか』って言った。高卒の男の子も工場採用の筈なんですよ、でもね『違う』って、『男子は本社採用や。面接は工場でしているけど、本社採用や』って言う。最後まで『何で、何で』って言ったけど。(総合職になるための試験があったのか)『ない』。(男はみんな総合職になったのか)『なった』。課長に「何で女の人の課長はいないんですか」って聞いた。よう答えはらへんかった」

(詳しくは2006.01.01のブログを見てください)

 

これと同じことが住友電工・住友化学・住友金属でも起こりました。ただ住友金属は他の2社と異なる点がありました。

上記の卒業生が語っているように、86年施行の均等法に雇用管理区分という文言があるがために、殆どの企業は男性は総合職、女性は一般職(地方職)と位置付けました。

ところが住友金属には、事務技術職掌と、技能職掌という区分をしていました。

会社の言い分によれば、「事務技術職掌は、本社採用と事業所採用があり、技能職掌は全て事業所採用である」。

勿論、女性は事務技術職掌の事業所採用です。ところが、同じ事業所採用である技能職掌の中から、事務技術職掌に転換した人がいました。男性です。

住友金属は「男女差別はない」と主張していましたが、事業所採用である女性と、事業所採用である技能職掌から事務技術職掌転換してきた人のと間で、大きな賃金格差があることが分かりました。

「分かりました」と一言で書きましたが、実はこれに至るまでに、原告たち、原告側弁護士のものすごい努力があったのです。

女性に偏見のある裁判長を忌避する申し立てをするなど、いろんなことを乗り越えてきました。

既に2001年3月に原告たちの申し立てによって、裁判所は会社側に職掌転換者の賃金台帳の提出命令をし、会社は837人分を提出していました。

原告たちは裁判を始めたとき、賃金格差を立証するための資料は全く持っていませんでした。

そりゃそうですよね。誰がいくらの給料であるかは、会社のみが持ちうる資料ですから。

原告たちは会社が提出した台帳が全ての資料だと考えて、台帳から男女の昇進・賃金に関するデータを1件ずつコツコツとデータ入力し、弁護士と相談しながら、様々な角度からの分析をしました。

この作業中に、原告たちは「あれっ、一緒に机を並べて仕事をしているAさんやBさんのデーターがない」ということに気付きました。

対象となった職掌転換者の男性全体の4分の1にあたる312名分のデータが隠されていたことが法廷で明らかになりました。

これを再度分析した結果、事務職の社員を「イロハニホ」の5段階に分けていた「闇の人事制度」の実態が、はじめて明らかになりました。住友金属は不利な証拠を組織的に隠していたということになります。

 

女性は勿論、仕事の内容・学歴に関係なく最低ランクの「ホ」に、例え役員賞や・部長賞も受賞した人でも、位置付けられていました。

どんなに頑張っても一番下のランクであるということが分かったのでした。

 

裁判所が明らかにしたのではなく、原告側が突き止めたのです。これが住友金属裁判での「闇の人事制度」といわれるものです。

 

ちょっと新聞から抜粋してみましょう。

見出しは《台帳300人分が未提出―提出命令 原告側「証拠隠しだ」》

[平成6年時点の同期男性との年収格差が最も入社年次が若い原告Cさん(当時47歳)については66万円〜115万円に、原告Dさん(当時53歳)は122万円〜147万円に広がった](産経H15.11.11)

 

さらに詳しく見ていくと、原告らの調査では平成6年〜7年当時、原告らと同じ高卒男性との比較では、年収で301万円〜126万円。同じ事業所採用として、その後技能職掌から事務技術職掌になった男性との間では202万円〜71万円の差がついたということがわかりました。

                                                                         

2005年3月28日大阪地裁判決。

相変わらず難しい文章ですが、私になりに解釈して紹介します。《》は判決文から引用。

《高卒男女間において、仮に同じ能力評価区分に該当したとしても、評価区分や査定区分において明らかに差別的取扱いをし、それに基づいて、昇給・昇進等の運用をしていたというべきであり、このような運用は、コース別取扱で認められている合理的な理由があったとは認められない》

 

このコース別というのが以前から何度も書いている雇用管理区分のことです。均等法で認められていますが、余りにもこの項に対して女性からの意見が多いので、厚生労働省も「会社はコース別をするときは合理的理由が必要です」と通達を出しています。

(どんなのが合理的理由かさっぱりわかりませんね。大体働き方にはさまざまあっても、男女で働き方を決めるというのは納得できませんよね。)

 

でも住友電工地裁判決と同じ文言が、ここでも付きました。

それは「ここは日本だ。だからそのような時代背景を考えたら、原告たちの募集・採用において高卒男性と同じ扱いをしなかったといっても、男女の実質的平等の理念を謳っている憲法14条には沿うものではないけれど、日本の風土とか習慣とか、人々の考え方とか、そういう公序良俗には違反していないのだ。」

 

でも、住友電工の地裁判決と異なる点も次に続きました。

「高卒事務職の募集・採用時に男女間でコース別取扱いをすることが、公序良俗に反しないとしても、だからといって、採用後の高卒事務職の男女間の差別的取扱いが、『コース別だから仕方がないよ』ということにはならない。会社の原告に対する取扱は、性別のみによる差別的な取扱だから、民法90条に反する。」

 

そして、原告らを、事業所採用でその後事務技能職掌へ転換した人と比較し、その結果合計約6311万に年5分の遅延損害金(2006年1月の時点で約2529万円)を会社側は原告に支払うように裁判所は命令しました。

これに対して会社側が控訴し、大阪高裁へと裁判は移ったのです。

そして、2006年4月25日に和解が成立しました。

裁判長は住友電工の、(住友金属裁判1のブログで紹介した)井垣裁判長でした。

和解内容は次の通りです。

女性労働者の処遇について会社は十分な配慮をしていく。

解決金総額7600万円  

 

最後までお付き合いくださってありがとうございました。

 

原告らの悔しさや裁判への努力を理解してもらえれば幸いです。

感想はまた聞かせてください。

 

最後に嬉しいお知らせ。

京ガスの屋嘉比さんからコメントをいただきました。少し時間をさかのぼることになりますが、2006年3月15日と3月25日のブログを読んでください。

 

では今日はここまで。 

次回は労働契約法制についてのつもりです。まだブログに書けるほど勉強できていないので、少し時間をくださいね。

おやすみなさい。

 

毎日、誰かがブログを見てくれているようですが、なかなか更新できなくて申し訳ありません。

思いがけずシドニーに暮らしている卒業生からコメントをもらいました。

日本語のコメントだったので、日本へ帰ってきているのかと一瞬とまどいました。

瞬時にして情報を得ることができる時にいるのだと実感しました。

その後、TVでコンピューター社会におけるカード被害についての番組を見て、実に単純に「いつハッカーに狙われるか分からない。もう使わないでおこう」と決心しましたが、多分この誓いはすぐに忘れてしまうことでしょう。

コンピューター社会のメリットと、デメリットのはざまで、プログラムそのものを理解することができない私はうろうろするばかりです。

 

話は変わりますが、東京在住のAさんは退職後、勤務していた会社を訴えて、現在裁判中です。勿論均等待遇を求めてです。彼女はブログに会社での悔しかった日々のことを書いています。朝礼から始まる日常の会社でのできごと、上司の言葉、賃金や各種手当てなどです。

衆議院傍聴記に書いたように、今回の均等法の付帯決議の一つ「5年以内の見直し」を短くするためには、こういうひとつひとつの事実の積み重ねが大切です。

このブログを始めるきっかけになった大津商業の卒業生も、私のアンケートに、怒りを書いてくれました。

アンケート用紙に書ききれない人は、手紙をくれました。

彼女たちは今でもあのときの怒りを持続しているでしょうか。

持続するというのは難しいことです。

自分のなかで諦めたり、こんなもんだと無理に納得してみたり、なんといっても日々の忙しさに埋没してしまったり、その怒りをどこに向けたらいいかわからないまま日々過ぎてしまったというのが殆どではないでしょうか。

住友金属裁判の原告たち、すでに和解の成立した住友電工・住友化学の元原告たちも、裁判にかけるエネルギーを持続させるのは大変な努力を要したことでしょう。

原告たちは被告の会社で日々働いているのですから、考えただけでも難しい立場であることがわかります。

住友金属の原告のうち、一人はすでに退職されていますが、3人は現職のままで、和解後の立場もなかなか大変そうです。

私も裁判を傍聴しましたが、原告たちが受けた会社からのいやがらせや待遇は想像を絶するひどいものでした。

詳しくは「住友金属男女差別裁判を勝たせる会」のホームページを見てください。

しかし、ここで「会社」と書きましたが、会社が言葉や態度を示すわけはありませんので、それは勿論人間のなせることなのです。個人と組織の関係はいつも大きな課題です。

原告と同じ様な怒りは、大商卒業生のアンケートにもありました。ごく一部を紹介します。住友金属のホームページと比べてみてください。

 

・女性では話にならないから、男性を出すように言われた時。同じ事を言っても、男性だと納得する人を見た時。

・離婚時に姓名を変えた時、日頃交流のない人にまで興味本位に詮索され、こういう時だけ親切にする男性社員がいやで辞めた。

・子供ことで休まなくてはいけない時に負い目を感じた。

昇給・賞与の査定の矛盾。制服(男性は背広)。女性はハイヒール(男性はつっかけ)。

お茶当番、掃除当番が女性のみ。

・どれだけがんばっても昇給や地位の向上がない。

・産休明けに事務職から現場仕事へ変わらされたとき。

・結婚が決まった時・結婚した時に退職するものと決めてかかる会社・

 社会の体質。        

・能力があったとしても同等に評価されず、昇給が男性とまったく違う。子供が伝染病で何度も休まざるを得なかった時、「子供がかわいそう。家庭に入ったら」と遠まわしに上司から辞めるよう言われた。

・職場結婚の場合、女性が配置変えされる。昇給試験は行われていたが、実際は女性が受ける順番は後回しにされる。

・会社の飲み会の後、夜中3時・4時に終わり「女の子だからちゃんと出勤するように」言われた。男性は皆遅刻だった。昼食時、男性は外食できるが、私だけは机で食べながら「電話番・接客」しながらの、落ち着かない食事。

・長く働いていると、男性と同じように責任は大きくなってくるが、昇給は少なく、肩書きはいつまで経ってももらえない。

・最初に就職した会社では、男性は地域職ではなく総合職で既に給料が多かった。評価も男性のほうが有利。したい仕事も出来ない。

・結婚・出産を機に以前の会社を退職した。サービス業で土日出勤の為、出産後は女性が辞めるのは当たり前という会社の雰囲気があった。

・指導していた専門学校卒業の4年後輩の男性社員に、3年目には給与が 

 抜かれた。

・飲食時にお酌やコンパニオンまがいの事を強いられる時。

・職場は男女平等だが、社会はまだまだ男社会。取引先へ行っても、男性同士なら雑談も、仕事の内でも男性対女性だと色眼鏡で見られることもある。

・女性社員の努力により出た結果でも、上司又は男性だけが出世する。

 

「そうそう、私も」って思っている人が大半でしょう。

大商の卒業生はこのように自分の怒りを冷静に把握していますが、行動には移していません。裁判に訴えるということがどれくらい大変なことか、これからでも想像できますよね。

 

今日のブログの最初に書いたAさんのように、そして私が実施したアンケートに答えてくれた卒業生のように、仕事上の理不尽なことを記録しておいてください。

またこのブログにも投稿してください。

そういう声のひとつひとつが、均等法の付帯決議5年以内を短くする原動力になっていくことでしょう。

 

住友金属の原告の怒りを紹介するところから、今日のブログを始めるつもりが、すでに長文になってしましましたので、今日はここまで。

前回の住友電工の和解文、読んでくれました。

太字は後世に残る名文ですね。

では、次回も住友金属裁判についてです。

今日こそは「住友金属和解」について書くぞぅ〜

2日のブログ、額面どおりに受け取れば画期的な「パート労働法改正」(改正と書きたい)について、どのような感想を持たれたでしょうか。

 

住友電工・住友化学に続いて住友金属裁判の和解が20064月25日大阪高裁で成立しました。簡単に概略を述べます。

この3社の住友メーカーに勤務する女性(12人)が、均等法に基づく調停を申請したのが1994年8月。調停というのは均等法14条に以下のように書かれています。

 

調停の委任)
14条 都道府県労働局長は、第12条に規定する紛争(第5条に定める事項についての紛争を除く。)について、当該紛争の当事者(以下「関係当事者」という。)の双方又は一方から調停の申請があった場合において当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、個別労働関係紛争解決促進法第6条第1項の紛争調整委員会(以下「委員会」という。)に調停を行わせるものとする。

 

彼女たちが大阪婦人少年室に調停を申請した時点の「均等法」(当時の名称は「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女性労働者の福祉の増進に関する法律」)は上記の太字のような内容ではなく、「双方の同意」が条件でした。だから、住友電工については、室長の判断で不開始、住友化学は会社の同意がなく不開始、結局住友金属だけが調停を開始しました。

しかし、1995年2月に出された調停案は全く具体性に欠けていたため、住友金属の女性たちは拒否。そして3社9名が1995年8月に裁判所に提訴しました。

提訴の理由は、簡単にいうなら「女性であることを理由に昇給や昇格で差別された」ということです。

当時の彼女たちの処遇についての詳細は、このブログの3月6日「院内集会2」で紹介しています。

 

住友電工2000年7月31日大阪地裁が原告側敗訴の判決を出す。原告側控訴

住友化学2001年3月28日大阪地裁が原告側敗訴の判決を出す。原告側控訴

住友電工20031224日大阪高裁で勝利和解

住友化学2004年6月29日大阪高裁で勝利和解

 

20031224日、住友電工の大阪高裁の井垣裁判長の和解文が、日本の女性労働者に対する方向性を示唆しました。名文なので、一度読んでみてください。

 

裁判長 和解勧告
 国際社会においては、国際連合を中心として、男女平等の実現に向けた取組みが着実に進められており、女性がその性により差別されることなく、その才能及び能力を自己の充足と社会全体のために発展させ、男性と女性が共に力を合わせて社会を発展させていける社会こそが真に求められている平等社会であることは、既に世界の共通認識となっているというべきである。
 日本国憲法は、個人の尊厳と法の下の平等を宣言しており、わが国においても、国際的潮流と連動しつつ、その精神を社会に定着させるため、女性差別撤廃条約の批准(昭和60)、男女共同参画社会基本法の制定(平成11)など、着実な取組みが進められているが、他方、一部に根強く残っている性的役割分担意識等が、男女間の平等を達成するための大きな障害となっている現実もある。
 就業の場面においては、昭和60年に制定された「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(旧均等法)が平成9年に改正され(平成114月施行、改正均等法)、事業主は、労働者の募集及び採用について女性に対し男性と均等な機会を与えなければならず、配置、昇進等においても差別的取扱いが禁止されるに至っている。
 このような改革は、男女差別の根絶を目指す運動の中で一歩一歩前進してきたものであり、すべての女性がその成果を享受する権利を有するものであって、過去の社会意識を前提とする差別の残滓を容認することは社会の進歩に背を向ける結果となることに留意されなければならない。そして現在においては、直接的な差別のみならず、間接的な差別に対しても十分な配慮が求められている。
 当裁判所は、上記事件について、審理の結果を踏まえ、かつ、上述したとおり、男女差別の撤廃に向けた国際的な取組みと、男女共同参画社会基本法が制定され、その実現に向けて、社会の隅々における取組みが進められている今日のわが国の状況を考慮し、本件紛争が早期に、かつ、前向きに解決されることを期待して、別紙和解条項をもって、当事者双方が和解することを勧告する。

 

(どうです、格調高いでしょう。間接差別に対しても言及しています。司法でこのような判断がなされているにも関わらず、今回の均等法改定には生かされませんでした)

 

またまた長くなったので、今日はこの格調高い和解文をメインにしていったん終ります

今日のブログは延び延びになっていました「住友金属和解」についてですが、その前にすごいニュースが新聞に載っていましたので紹介します。

ホント?って未だに半信半疑ですが…。まず記事を読んでください。

 

タイトル:「パート賃金 格差是正義務化へ」

     

    厚生労働省法改正「正社員と同額を」

 

内容:厚労省は30日、パート社員と正社員との賃金格差などを是正するためパート労働法を改正して処遇改善に取り組むことを決めた。

 

正社員と同じような仕事をしているパート社員には同じだけの賃金を払うことなどを法律に明記し、企業へ指導を強める方針だ

 

同省の労働政策審議会雇用均等分科会で議論し、来年の通常国会への改正案提出を目指す。93年にできたパート労働法は、企業にパート社員の雇用管理の改善を求めたが、具体的な基準がなかった。03年の「パート労働指針」には

仕事の内容や責任が実質的に正社員と同じなら、同じ賃金表や査定方法を使う。

 

正社員と異なる場合も、一律いくらではなく、能力や経験に応じて評価する「均衡処遇」をとる。

 

正社員への転換制度の創設

 

などが盛り込まれたが、強制力がなく行政指導が出来なかった。同省では、これらの措置を法律に明記して、企業への指導を強めたい考え。また、処遇の改善だけでなく、能力開発など「機会の均等」についても、盛り込むこと検討している。

(朝日新聞2006.07.01)

 

今回の均等法改定(「改正」という漢字を使いたくない。)がどのように審議され、参議院・衆議院を経て法律となっていったかを、今までのブログに書きました。

特に間接差別の明記や管理雇用区分の抹消を、女性たちは声を大にして訴えてきましたが、何らと言っていいほど実現しませんでした。

審議会での労働者側代表・公益者側代表・使用者側代表は本来対等であるべきなのに、均等法の原案は使用者側の意見に偏った内容になってしまいました。

 

この法律も均等法同様、審議会の討議を経て原案が作られていくでしょう。

今、なぜ、これが何の前ぶれもなく新聞に掲載されたのか。

あなたはどう思いますか

私はとても素直に喜べません。

この裏に何が潜んでいるのかと最初に考えてしましました。

 

今労働者の働き方を大きく変えることになる「労働契約法制」が労働政策審議会労働条件分科会で審議されています。これとセットか 

今後も要注意です。   この種の記事に目を光らせてください。

 

記事にあるように、指導を強めるにしてもの「仕事の内容や責任が実質的に正社員と同じなら」の語句がなんとも気になります。

 

実質的に同じというのは何を指すのでしょうか。

もし仮に同じ内容の仕事をしていても、長時間労働(残業を含む)をすることができない人は、責任がないということで該当しないという解釈も出来るような気がします。

素直に喜べない、勘ぐってしまうのは仕方ありません。それくらい均等法で失望したからです。

「センセ、ひねくれすぎや」って? 

 

もし法案が成立して、今までブログで書いていたような「同一価値労働、同一賃金」が実現したら、女性にとってだけでなく、働く者にとって「革命」ともいえる法律であることは確かです。

というわけで、長くなったので今日はここで終ります。

次回は住友金属です。すぐに書きます。(書くつもりです

夏になってきました。

最近はこの暑い夏に学園祭をする高校が殆どです。秋風の吹く二学期に実施するのが望ましいのだけれど、大学等の入試時期が早まってきているのもその一因。少子化で生き残りをかけている大学等は早く学生を確保したいというわけ。同じく企業の採用開始時期もどんどん早くなってきている。10年前に比べて、大卒生の3年以内の離職率が10ポイントも増加したとか。なにやら生き急ぐ感がします。

 

では今日のブログは「岡谷鋼機訴訟」について。

 

これも実に長い裁判でした。

名古屋地裁に提訴したのが19951222

原告は岡谷鋼機に勤務していた藤澤真砂子さん(93年に退職)と光岡美代子さん(現職)

被告の岡谷鋼機をインターネットで検索したら、次のような会社紹介がありました。

(資本金91億、鉄鋼商社。名古屋が本社で国内事業所29、海外拠点13カ国31事業所、滋賀県にも営業所がある)

 

今年の採用情報もちょこっと見てみよう。

総合職は中途採用だけで、それも海外駐在の経験のある人のみ。

新卒は事務補助で契約社員のみの募集、期間は5年間。

 

この会社はどうも事務の正社員は採用しないようですね。裁判で訴えられた後に、女性の正社員を採用しないというケースの典型です。

 

 訴訟内容:(中日新聞からの抜粋)

 二人は一般職として入社し、男性と同じ仕事をしていたが、賃金は男性と女性で大きな格差があった。1988年に導入されたコース別雇用制度により、男子一般職が総合職へ、女子一般職が事務職へ自動的に振り分けられ、男女差別が固定化された。二人は強制的に事務職にされ、総合職と同じ仕事をしていても、賃金や昇格で大きな差別を受けた。これらは法の下での平等をうたった憲法14条や労働基準法、民法の民法第90 (公序良俗「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。」)に違反するとして、光岡さんは同年齢の男性総合職の地位と、管理職2級へ昇格させること、3年間分の差額の賃金の約1400万円。藤澤さんは一年間の差額の賃金と退職金の約3200万円とそれぞれに慰謝料500万円の支払いを求めた。

 

(他の記事では《藤澤さんは退職した時点で同年齢の男女差は、総合職男性の本俸527300円に対して事務職女性の本俸は303,300円で、これは28歳の男性とほぼ同額。本俸の10%の調整手当てなど各種手当てにも差がある》と出ている)

 

これに対して会社側は裁判の中で次のように反論した。

原告が入社した当時は、一般事務は女性の仕事というのが社会一般の状況であり、男子一般職と女子一般職の賃金の区別は、男女差別ではなく、業務内容の違いに基づいていた。総合職や事務職への移行は、業務の違いを引き継いだだけ。コース別移行後の二人の事務職としての仕事も、判断業務をする総合職とは異なり、総合職の指示でその手足となって補助することだった。賃金差別は男女差別とは何の関係もなく、会社男女差別は存在しない。

 

そしてなが〜い、なが〜い裁判が続く。

 

20041222日名古屋地裁判決

99年の男女雇用機会均等法改正後も男女のコース別人事を維持したのは違法。しかし、旧均等法は性差別しないことを努力義務にとどめており、違法とまではいえない」として、光岡さんに慰謝料550万円を認め、総合職への転換、差額賃金の支払いの請求を棄却。藤澤さんについては、99年以前に退職したことなどを理由に請求を退けた。

 

原告・被告ともに控訴

2006320日第一回口頭弁論の後、和解成立

 

和解内容

光岡さんを今年6月に総合職にすること。

会社側は二人に和解金1000万円を支払うこと。

 

裁判の意義

現職3名と退職者1名が証人になったこと。

(特に現職の人は、仕事をしながら原告側の証言をするのは勇気が要ったことでしょう)

裁判中に総合職になった人が二人

 

問題点

このブログの最初に書いたように、今年の岡谷鋼機の事務職の女性11名全員が3年の契約社員での採用。(会社は何ら教訓を得ていない。)

裁判中に総合職になった人が二人。しかし、賃金が事務職であったときよりも下回った。

(なぜと不審に思う人もいるでしょう。説明すると次のようなことです)

事務職20年の人が到達していた給料が仮に25万円とする。彼女は事務職から総合職になったから総合職の給料表の最初からスタート。大卒22歳総合職の初任給は会社採用案内によれば20万500円。要するにこの額からスタートということです。

 

京ガスの屋嘉比さんのことをブログで書きました(2006315日・25)。しかし、和解後も待遇・賃金ともに何ら変化なしとのことです。「どんどんと勤労意欲が減っていく」と彼女は言ってました。この会社は屋嘉比さんの働きがなかったら成立しない会社のようだと以前のブログに書きました。会社を例えるのなら、自分の足を食って一時満腹感に浸っている蛸のようにも見えます。

 

このブログを始めるきっかけは、大商の卒業生の実態調査からでした。調査に応じてくれた女性の一人が次のように言ってたことを思い出しました。

「そら腹立つこと一杯あるよ、給料が少ないとか。(給料は)ランクがある。ABCある。課長が付ける、結構私は良いランクにいる。結構負けず嫌いやし。女性もやっぱりボーナスとかも職能やし、査定が入ってくる。でもな、結構女性は平均出たらOKとしなあかん。そういうラインには私はいるんや。ありがたいことに。それが見る人によって、私を評価しやはる人によって、Aなのか、今の上司はAとみてくれてるし嬉しいけど、違う人が見やはったらCかもしれへん。男の人は平均以上貰わはるかな?それは人間関係もちょっとは絡んでいるところもあるかもしれへん。」

 

 彼女は、自分が女性の中では評価されていると言っている。でも彼女よりも働きの少ない男性の方がボーナスのランクは多分上でしょう。彼女は女性の中では上だからと自分を納得させている。う〜ん、悲しすぎる

 

では今日はここまで。

次回は住友金属の裁判について。

画期的なブログ更新の早さです。「やろうと思えばやれるんだよ」と誰かに言っていたような。

今日は「岡谷鋼機訴訟」の報告でしたが、その前に、衆議院の傍聴報告を。

6月15日に均等法は改定されました。

法律の詳細は、インターネットで検索してから報告します。

今回は傍聴の感想だけ。

前回も今回も、勉強の内容でなく、私の感想が大半なので、読むに値しないのではないかと反省しつつ書いています。

しかし、傍聴体験記はそう誰にでもあるのではないので、我慢して読んでください。 

13日朝一番の新幹線で東京へ。

大阪から参加した人は4時台の電車で新大阪へ来たそうです。

一緒した人の夫が3時に起きて5人分のお弁当を作ってくれました。これがまた楽しみ。

炊き込みご飯、卵焼き、焼き塩鯖、かまぼこ、おしたし、おまけに巨峰のデザート付き、この人がなぜここまでの腕に到達し、妻と妻のついでの人にまでお弁当を作ってくれるようになったかはまたいつか書きましょう。

9時から衆議院厚生労働委員会開始。

参議院と同様、厳しいチェックを受けて会議場へ。会議場へ持って入れるのは参議院と同じくメモと筆記用具くらい。

今回はメモ用紙もパラパラとめくってのチェック。

これはへんです。思想信条の侵害にもつながる。

「なぜ」との質問に、「ビラ等を持って入ってはいけないから」との回答。

私のメモ用紙は小さな手帳、これのどこにビラを入れることができるのか。ビラ規制の目的は、もしかしたら会議場で他人に配布、もしくは議員への示威行為の予防かもしれない。

まず「ビラは持って入らないでください」と言うのが本筋。

持って入っていい物だけを壁に掲示し、「これをお読みください」と言うのが本筋。

いきなり手帳やメモをピラピラと振ることはないだろう。

 

昨日の会議内容は、午前中参考人6人の意見陳述、それ対する各党の質問。午後からは与党の質問。

参議院は傍聴者と議員がほぼ向かい合わせのような席の配置で、勿論傍聴者は離れた所に座ってはいるが、傍聴者を議員は常に視野に入れることになる。

 

ところが衆議院は教室のように、傍聴者は議員の背中を見ることになる。議員にしたら、振り返らない限り傍聴者は見えない。だからかもしれないが、態度が悪い。

立ち歩き、私語、内職等々。だいたいパソコンと一心不乱ににらめっこしていて、参考人の切実な声が聞こえるわけがない。

小泉チルドレンも勿論いましたよ。

かの無知で有名になった彼なんか、筆記具もメモ用紙も全くなく、午後からは膝の上でなんか読んでいたよう。

態度の悪い議員の名前が分からない。断固座席票を要求する

 

圧倒的与党多数のなかで、女性の悲願ともいうべき均等法は、かくも薄っぺらな人たち(全部ではありません。真剣に意見を聞いていた人もいましたが少数)によって決定されていくのかと思うと虚しさが先に立つ。

議員の定数は自民党28人 公明党3人 民主党11、共産党1人、社民党1人、国民党1人。計45人。

あまりに席を立つ人が多いので、時々勘定しました。

会議開始9時。12時10分現在出席18人。

午後の部開始13時30分。13時50分現在18名。15時24名。

(15日の採決のときは全員出席。何ら質疑応答も聴かず、長期的展望、人権の立場に立った労働観の何たるも理解しない、理解するチャンスを自ら捨てている議員が、何を根拠に挙手できるのか。最初から党の決議ありき。)

議員の主な質問は「間接差別」と「仕事と生活の調和」。

野党の民主党・共産党・社民党の女性議員がとてもよく研究し、鋭い質問をしてくれました。

同じ歳費でこの態度の違い。

教師の世界にも成果主義とかで、能力給ということが言われているが、教師の能力を何の物差しで測るかというのは多分至難の業だと思う。

国会議員はどれだけ本質をついた質問をするかで計ることができるのだから、議員こそ成果主義に挑戦してみたら

参議院の付帯決議で「5年間で見直す」という文言が何とか入ったが、なんと、なんと、衆議院で最終的に付帯決議の5年が「5年を待たずに見直す」という文言に代わった。

この法の成立後、女性がどんどんと発言していくことで、この年数を短くすることができる。

次回以降のブログに法律の内容とともに、会議場でのやりとりを報告。

乞う、ご期待。

今日も長くなったので、岡谷鋼機訴訟については次回以降に。

あ〜、今日もまた昨日になってしまった。おやすみなさい。

国会は延長なしと小泉首相が決めたとか。

それも次期首相候補者を慮っての決定だとかと報道されています。

各人の思想信条をどれくらい保障できるかが政府の度量の大きさだと私は思っているので、教育基本法とか、共謀罪とか、国民投票法とかよりも、人が生きていくための年金とか医療とか、均等法とかに議論し尽くしてほしかったと思っています。

なぜかというと、今回の参議院先議の「均等法」も、極めて政治色の強い、政争の一つに使われたと思っているからです。

何人の政治家が、真剣に女性の言うところに耳を傾けたでしょうか。

政治家の中には、こんな法律では不十分だと考える人もいただろうけれど、所属政党の決議に従えば、個の考えは全体の中に埋没してしまうから。

政治家でなくとも、このことでは私も非難できませんが…。

 

さて、いよいよ均等法は6月15日に衆議院で採択されます

 

野党は修正案を出すようですが、せめて付帯決議の5年での見直しを、2年くらいにして欲しいですね。

与党圧倒的多数のなかで、とても法律の内容に踏みこめるとは思えない。私も傍聴に行きますから、また報告します。

 

こんな記事がありました。(6月6日朝日新聞朝刊)

「働きやすさ子育て左右」がタイトル

ちょっとだけ紹介します。記事は太青字、私の感想は黒です。

 

「仕事と子育ての両立を支援する制度自体は、大企業では整ってきた。04年度の厚労省の女性雇用管理基本調査によると、育児のための短時間勤務や就業時間変更などを制度化している事業所は、従業員500人以上で89%に達した。従業員規模が小さいほどその割合は減り、3099人では58%、5〜29人では38(図表は省略)

だが、大企業の方が子どもを産みやすい環境だとは一概に言えないようだ」

 

確かに女性正社員一人当たりの出生数は、従業員が少ないほど多くなっている。

従業員数20人まで=0.92人(中略)

    301人以上=0.42人

ある中小企業の取締役の言葉が紹介されている。

 

「経営状況は厳しいので給与では応えられないが、働きやすい職場を目指すことはできる。キャリアを積んだ人材が働き続けてくれることが会社の利益になる。」

 

前回のブログで紹介した東京商工会の渡邊さんは、この記事を読んでいるでしょうか。是非意見が聞きたいところですね。

ただ、この記事で気になる点もあります。

 

「育児休業が昇進に影響しないと思うか」という問いに対して、

従業員数が少ない企業ほど%が高い」という回答です。

 

これはソンナ〜、納得できないという感じ。

京都室町に就職した卒業生の大半は出産で辞めている。よしんば、会社に残ったとしても、昇進していうという話は滅多に聞かない。これって、最初から女性は昇進から外されているということなのか?

 

さていよいよ本題、その1

今回も「均等法」に大半の女性が担っているパートという働き方に対する基本的な考え方「同一価値労働・同一賃金」の概念はかけらも盛り込まれなかった。

ただ付帯決議に次のような文言が入っただけ。

パート労働者等が能力を発揮できるよう、正社員との均衡処遇に取り組む事業主への支援、検討を含め、対策の強化を図る。」

 

現在もパート労働法がありますが、均等法と同じで、働く者の願いが入っている法ではありません。

こんな言葉に縛られる経営者がどれだけいるでしょうか。

(同一価値労働・同一賃金は3月15日のブログ「京ガス訴訟の意義」を参照してください。)

 

長くなったので、いったんここで終ります。

あんまり長いと読む気しないものね。

その2は岡谷鋼機裁判です。すぐにブログを更新します。

昨日も、ぼつぼつ更新されているかなって見てくれた人が多かったようです。

不定期なブログ更新でホントごめんなさい。

 

若葉の季節になりました。

 

さな庭にも花が咲いて、昨年よりも確実に大きくなっているとそれだけで感動です。

今までは忙しくて、学校以外になかなか目が行かなかったのですが、やはり心のゆとりは大切だと思いますね。

どうしてあんな忙しい日々を送ることができていたのか、今の私には早回しの画像を見ているようです。

前々回に、「間接差別限定列挙にすら反対している経営陣とはどのような人なのか」と書きました。

やっとその方にお目にかかれました。と言っても新聞なのですが、朝日新聞5月16日に「東京商工会議所労働委員会委員」の渡邊順彦さんの意見が掲載されています。概略を紹介しますね。

 

「限定しないと現場は混乱」というタイトル。

やっぱり限定列挙は彼が発信人か。

以下青色太字は渡邊さんの文章。

 

「厚労省の審議会では、経営側委員として間接差別の概念の導入に反対してきた。特に中小企業で、職場の混乱は必至。だからいきなり持ち込まれても、経営側をまとめられない。限定列挙方式では間接差別は解決しないというが、労組がない小さい会社では、家族的な思いで労働条件が決まる限定なしに何でも間接差別とされ、訴訟に持ち込まれるのでは、と経営者は心配している。たとえば、政府の研究会報告では、世帯主に出される家族手当は女性に不利になり、間接差別になりうるという。限定列挙の三つについても「身長・体重」はいいとしても、「全国転勤」についてはまだ異議がある。採用段階では「全国転勤は求めない」と約束できない。今の案はぎりぎりの妥協点。

 

はーい、これを読んで質問のある人、感想を述べたい人、手を挙げて。

と言えないところが残念。

では代わって私の意見を。

 

長年の女性の悲願、おんなじ仕事していたら、男性とおんなじように待遇して

もっと女性を一人の人間として見て

女性が何を求めているのか、真剣に考えて

 

あ〜、もう書き出したらきりがない。

 

そうか、渡邊さんのような人の意見が、国連女性差別撤廃委員会の勧告を無視してしまう法案につながっていくのか。

 

《男性だって全国転勤できない人もいる》

 

今回の均等法の付帯決議に次のような文言が入ってます。

 

.仕事と家庭が両立」しやすい職場環境整備を進める。長時間労働の抑制。調和の実現に留意。

 

「仕事と家庭の両立」(