嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2006年02月

日が長くなって、なんとなく春の予感を感じるときもあります。
でも今日は寒い!

ちょっと遅いかと思いつつ番組の紹介です。
時間ある人是非見てください。無い人は録画なんぞしてね。
明日のNHK総合8:45「生活ほっとモーニング」
以下NHKの番組紹介文からのコピーです。

2月28日(火)暮らしを襲う「格差社会」 国会で格差拡大に危機感を抱く発言が相次ぐなど、格差社会が話題になっています。実際、生活保護の受給が100万世帯を超えるなど貧困層が急拡大しています。
ある27歳の女性は、旅行会社の契約社員で、年収は手取りで150万円程度。
大卒後、留学もしてドイツ語学を学んだが、就職できませんでした。先月、賃上げを求めて、会社と交渉を始めたが、会社は「代わりは幾らでもいる」と、解雇をほのめかします。恋人はNGO職員、このままでは結婚もできないと不安を募らせています。
こうした若年世代収入の不安定化は、年金財源の不足につながり、中高年層にとっても大きな問題となります。慶応大学の金子勝教授は、「このまま格差が広がっていくと、増え続ける非正規雇用者は結婚もできず、少子化は加速し、社会保障制度は破綻してしまう」と警鐘を鳴らします。
番組では、非正規雇用者や生活保護など年収200万円以下の暮らしの実態をル
ポ。私たちの暮らしに忍びよる「格差社会」の不安を描きます。

次に新聞記事についての授業です。
昨日(2月26日)の朝日新聞2面に「家庭と調和 暮らしやすさを求め」という記事がありました。以前から資生堂の育児支援に関する会社の取り組みに感心していたのですが、今回も紹介されていますので抜粋します。

「午後6時半。東京・汐留の高層ビル群の一角にある資生堂の社内託児所に、仕事帰りの男女が次々とやってくる。〜中略(男性が育休を取った実例が書かれている)〜女性社員が多い資生堂は、職場復帰をしようにも、待機児童が大勢いて保育所に入れない悩みを解消しようと、03年に社内託児所を開いた。男性が取得しやすい有給の育児休暇も昨年4月に新設。「今では出産で辞める女性の方が珍しい。優秀な社員が働き続けられれば、会社の活性化につながる」と社員に活用を呼びかけている。

今年度から「次世代育成支援対策推進法」で、従業員300人超の企業は、子育て支援の行動計画を届け出る義務が生じた。
300人以下の企業は義務がなく、実際に届け出たのは全国で1%にも満たない。
経営者が制度を知らない場合も多い。中略〜
埼玉県では「子育てが一段落した女性は就職先に地元の中小企業を選ぶ事が多いので、支援を強化したい」といい、3月末までに100社の実施を目指している。

主な育児支援などの取り組み(協議中も含む)の紹介

新日本石油:介護や育児のための短時間勤務制度の導入
日産自動車:育児のための短時間勤務を小3修了時まで拡大
東芝:子どもを対象にする扶養手当増額
NEC:配偶者が育児に専念できる場合の育児休業
松下電工:育児休業中の在宅勤務制度
NTT:扶養手当や介護、育児休暇制度の充実
東京電力:多様な働き方を推進する部署を新設


2月16日のブログで「院内集会」というものについてちょっこと書きましたが、10月21日にも院内集会がありました。
そこで上記のなかの企業に勤める女性からの実態が話されました。
彼女の職場は目標に向けて残業、残業の毎日でついに同僚の男性が自殺、人員増がないまま彼女も過労から欝になり、休職期間を過ぎて解雇されました。
彼女はこの新聞の見出しにある通り「仕事と家庭の調和」を訴えました。

彼女から実態を聞いている私は、「会社よ、よう言うわ」っていう感じ。
さて今日の授業の感想はどうですか。

この企業の育児支援の取り組みで何が解決されるでしょうか。
子どもがいようといなかろうと、女性が男性をも含めて望んでいることはこういうことなのでしょうか。
今までブログで女性のさまざまな状況を書いてきましたが、この企業の取り組みは私にはなにかピントがずれているように思えてならないのです。
前回書いた名古屋のパートの女性の例についてのコメントがないのが少し寂しいのですが、この例も含めて今日の授業についても考えてみてください。

本来の授業は前回の名古屋のパートの方の例に続く院内集会の実態を書くつもりでしたが、記事を優先させました。
だから次回はこんなに期間を置かずにブログを書きますので、また見てください。

前回のブログで院内集会の紹介だけしました。
今日はちょっと労働者派遣法の授業を中断して、院内集会の報告をします。

超党派の女性国会議員20人が、今「均等法」の法案を作成している厚生労働省からは女性課長補佐が参加していました。
今までブログに書いたように、50回以上も審議会をしていながら、当の女性労働者が期待する内容の法律にはなりそうにもありません。
今回の均等法の改正の審議は、4月早々に参議院から始まります。
「女性労働者の声を聞いて。法案審議に入る前にもう一度こんな法律でいいのか、考え直して」と女性労働者が集まったのです。
さて、このブログの読者は様々な思いで読んでくれているでしょう。
ずっと「女性と仕事」という内容で授業を進めてきましたが、一人ひとりの生き方を尊重するということが私の基本原則です。

「自分らしく生きる」って耳障りのいい言葉ですが、具体的にどういうことなのでしようか。

これからいくつかの事例を紹介します。
仕事で矛盾を感じた女性が、その納得できないことに対して果敢に闘い、その納得できないことを自分の胸にだけ置いておかないで、多くの人に発信しています。

彼女たちの多くは実名でこの手記を出しています。それは後に続く女性たちに同じ轍を踏ませたくないからです。
何を彼女たちから学ぶか、その学び方は読者である私達にかかっています。
(事例の中には匿名の方も数人いらっしゃるので全事例を私の独断で仮名に、また長文は若干短くさせてもらいました。)

さて、集まってくれた国会議員はこの事例から何を学んでくださったでしょうか。
法案の行方をあなたも新聞等で見守ってください。

最初の事例は名古屋の女性です。
自家製の卵でとっても美味しいシフォンケーキを焼くという特技のある方です。他にも一杯得意料理があるとか。
シフォンケーキ美味でございました。ブログを借りてお礼申し上げます。

《非正規労働者の実態》                                        
私は、名古屋の大手のA銀行でパート労働者として25年間働いています。これは正行員の平均勤続年数17年をはるかに超えています。 当初働きはじめた頃、賃金は正行員に比べて格段に低く、時給は500円、一時金(賞与)は1ヵ月分(68,000円程度)でした。
現在の時給は870円(これは10年間据え置き)25年間の時給アップはわずか370円、一時金は激減で、25年たっても100万円強の年収です。
 銀行で働くパート労働者は、経験者が多く補助的業務ではなく即戦力の基幹労働者としてなくてはならない存在になっています。
行員が退職した後をパートや派遣社員がそっくり引き継いでいるのです。
私の仕事も銀行全部のATM現金自動機のスケジュール作成、金融庁や銀行協会からの通達の配布など、男性行員の係長と同等の仕事内容です。
団体交渉の席で、A銀行は正社員とパートで仕事の区別はないと発言しています。
しかしながら「賃金の区別」は歴然としています。
正社員で私と同年齢・同学歴の男性は、月収566,084円。片や1日1時間15分労働時間が少ない私の月収は、83,520円。賞与は、896,400円に対し、18,000円です 。

男性でパートと呼ばれている人はいません。
60歳で定年退職した人をシニアスタッフと呼び、月収18万円ですが、この人たちと比較しても、私の月収は半分以下です。
一昨年よりフルタイムパート制度が導入されました。時給1,000円で、年間勤務時間が
1,750時間、年収200万円です。勤務時間は正社員が8時45分〜17時、フルタイムパートは9時〜17時です。
パートよりまし、という意味なのかフルタイムパートという言語矛盾した奇妙な雇用形態では、正社員と同様の仕事を、たった15分の差で、正行員の1/3〜1/4の年収、退職金もなく雇用の継続更新を意識しながら働かなければなりません。
しかも募集は女性のみ。
現在、私の銀行ではパート・派遣などの女性有期雇用労働者が女性行員よりも128人も上回っています。このように安い労働力を利用して業績を上げることに味を占めた金融業界では、正行員の数は年々減少し、現在パート労働者は10万人以上いるといわれています。
 

このブログの読者の中には、元銀行員も、現銀行員もいます。
これが銀行の実体ですよね。
銀行の窓口の後ろに座っている少し年配の女性は、まずパートの方と見て間違いないでしょう。勿論彼女たちは元正規の行員だったのです。

では今日はここまで。

昨日夜遅く(おっと、もう一昨日)、2月11日にオープンしたほやほやの表参道ヒルズを見学して帰ってきました。
表参道ヒルズはものすごい人、人。
火曜日というのに、私のようにおのぼりさんばかりではなさそう。結構若い人がいる。
お茶でもと思ったが、長蛇の列。なんで一杯1250円のラーメンに並ぶのだ!
東京ではお金がないと惨めになるだろうと、ホント実感しました。
お金のない若者が自暴自棄のなるのも分かる気がした。

なんで東京へ行ったかって
前回のブログに書きましたが、衆議院議員会館であった集会に参加したからです。
ず〜っとブログに書いてきましたが、今回の男女雇用機会均等法の改定案の内容には大いに問題があります。
そこで国会議員たちに「何が問題なのか」「働く女性の現状をもっと知ってもらおう」と、個人や団体の女性が集まって、所謂「院内集会」を開いたのです。
均等法に関してこれで3回の院内集会が開かれたことになります。
出席した国会議員は、数の多い順に民主、社民、自民、共産党の女性国会議員ばかりでした。
生々しい現状が女性労働者から語られました。その内容は次回から、少しずつブログで書いていきます。
勿論マスコミも多数来てました。もしかしたら、記事になってるかもしれないから、注意して見てください。
昨日(14日)の読売新聞(朝刊)に「働く私達の思い」パート・正社員と格差というタイトルの記事があったそうです。読売を読んでいる人、探してみてください。

さて、今日の授業は、派遣社員が育休を取ったという内容です。

中堅派遣元会社から大手メーカーに派遣されたAさんは、契約を更新して産休直前まで働き続け、育児休業中に職場復帰したいと考えていた。派遣元に妊娠を言った途端、派遣会社は「今回の契約の切れる時期で契約を終了する」と言ってきた。Aさんは今まで働いていた大手メーカーで働くのは無理と考え、代替の派遣先を見つけてほしいと派遣元会社に依頼した。派遣元会社は「30歳以上で、妊娠している人を受け入れてくれる派遣先などあるはずがない」と回答した。Aさんは、雇用保険の仮給付を受けながら闘った。結果的に、労使双方ともに地方労働委員会の斡旋を受け入れ、Aさんは育児休業を取得できることになった。(メデタシ、メデタシ)
(『派遣労働とジェンダー』女性労働問題研究会編から引用)
ここで確認しておきたいのは、派遣会社の多くが「派遣スタッフは育児休業の適用対象外」であると判断していることです。しかしこれは前回および前々回のブログに書いたとおりです。

でもAさんは特殊ケースと思いません?
ではその特殊とは何なのでしょうか。
それはAさんが自分で判断しないで、この場合弁護士ですが、そういう労働相談をしている所のドアを叩いたからなのです。
法律がいくら素晴らしいものでも、実際にそれを使わなければ「絵に描いた餅」にしているのは当の女性労働者とも言えます。
(最も悪いのはそりゃ会社ですが…)。
そのために「労働者の権利」を勉強しておくことは、最低限の自己防衛策なのです。

ここまでやれる人はやっぱり特殊な人?
そうかもね。

そんな特殊な例を、特殊にしないためにもこのブログで知恵を出し合いましょう。

今日の授業で一番言いたかったことは、「困ったときは誰かに相談する」ということです。
1人では弱い労働者は誰かと手を結ぶことによって強くなれるのです。

次回はちょっと労働者派遣法の勉強を中断して、「院内集会」の報告をします。

では今日はこれくらいで

寒い日が続きますが、お元気でしょうか。

いろんな職場で働いている人から、働くことについての情報が入ってきます。
男女雇用機会均等法の一部改定が今進められていることについては1月1日のブログに書きました。
その法案のための審議会が57回ありました。その後も質疑等の審議会があり、2月7日で59回目でした。
圧倒的に多い労働者の意見が反映されたものではありません
(これについては来週に衆議院議員会館で会合があるので、次回に報告します)。
「派遣法」は雇用の多様なニーズに応えるために作られた法律であると小泉首相は国会で答弁しましたが、労働者を圧迫している法律に変身し続けていると言いたくなる現状です。
また今厚生労働省は「労働契約法」の審議も進めています。
でもこの法律が今審議されていることを何人の人が知っているのでしょうか。
実は私も教えてもらうまで全く知りませんでした。
この法律は労働者の側に立つ法律になるのでしょうか。新聞にも全然載りませんよね。

今朝の新聞にフランスのことが出ていました。ちょっと引用します。
今フランスでは、首相が若者の雇用促進のために新たに導入しようとしている法律に対して反対運動が起こっている。この法律は26歳以下の若者向けの初期雇用契約についての法律で、その中身は解雇手続きを簡単にすることによって、企業が採用する意欲を高めるのが狙い。この背景には「一旦正式に雇うと能力や勤務態度に難があってもなかなか解雇できない」という経済界の不満があるから、この経済界の不満に応えるための法律。この法律は2年間も試用期間があり、その間は理由なしでも翌日解雇が可能になっているので、高校生や大学生や労働組合がかなり大規模な反対運動を展開している。連日新聞のトップニュースになっている。
ちなみに フランスでは雇用期限の有無によって無期雇用契約と有期雇用契約に分かれ、有期雇用契約が可能な職務は、臨時的職務などに法律で限定されているので、まだ総雇用者の5%程度なのだそう
うらやまし〜。(日本のデーターについては昨年の12月28日のブログにちょこっと書いてあります。)
働く者が、労働に関する法律に無関心であってはならない。でも、フランスに比べるとなんともおとなしい、もの言わぬ私達なのでしょうか。
各国の事情は異なりますが、若者が、高校生が反対運動をしているということに感激してしまいます。
余談ですが、参政権が18歳からあれば、社会科の授業は随分と面白くなってただろうと思います。選挙の翌日は「何党に入れたとか」の話題でも盛り上がったりして。

では気を取り直して派遣法の授業です。
派遣で働いている人が妊娠したとします。前回の授業で産休の権利について書きましたが、権利は保障されています。でも現実は……。
多分大多数の人がこの時点で辞めるでしょ。「出産後に再びこの職場で働きたいのですが」と言った人、またはそういうことを聞いた人いますか。

いったん派遣先の会社を産休・育休で休業したとしても、休業明けに就労する場所が決まっているのは何よりの精神的安定剤です。保育園に入園申し込みするのも、仕事先が決まっていないと受け付けてもらえません。

育児休業も次のようになっています。だから雇用が継続されるのは何かにつけてラッキーなのです。まあこんなの絵に書いた餅の感じがします。

厚生労働省は2005年1月14日、育児介護休業法改正に伴い、新たに休業の取得が認められた有期雇用者について、雇用保険からの給付を認めた。
休業を取得する有期雇用者は、1年以上の雇用実績と復帰後に3年以上の雇用見込みがあるか、逆に3年の実績と1年の見込みがある場合。
具体的に言うと
健康保険より、出産手当金支給制度、出産育児一時金支給制度あり
産後期間経過後〜乳児1歳半到達時の間、雇用保険より育児休業給付支給制度あり
ということです。これは有期雇用についてですから、派遣の人だけでなく、嘱託やパートなども含まれます。正社員なら当然のことですが

今回の授業は前置きが長くなりましたのでここまで。
次回は実際に派遣社員でありながら、この産休と育休を取得した人の例と、均等法の会合についての報告をします。

このページのトップヘ