嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2006年10月

またまたのご無沙汰です。

今日は前回の「北海道ウィメンズ・ユニオン」と「セクシュアル・ハラスメントをなくそう全国ネットワーク」の要望を紹介します。

前回にも書いたように、この赤字の部分が、要望の中身であり、言い換えれば、今回の均等法(来年4月1日施行)の不十分なところです。この赤字に留意して、青字の均等法の省令・指針を読んでみて下さい。なお、均等法の省令・指針の全文を知りたい人は厚労省のHPを検索してください。

 

職場におけるセクシュアル・ハラスメントの内容について

(3) 「労働者」とは、いわゆる正規労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規労働者を含む、事業主が雇用する労働者のすべてをいう。また、派遣労働者については、派遣元事業主のみならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者についても、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号)第47条の2の規定により、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者を雇用する事業主とみなされ、法第11条第1項の規定が適用されることから、労働者派遣の役務の提供を受ける者は、派遣労働者についてもその雇用する労働者と同様に、2以下の措置(職場におけるセクシュアル・ハラスメントの内容のこと)を講ずることが必要である。

 

この指針に対して、女性団体はおおむね評価しています。特に、労働者に非正規労働者を含むという点を高く評価し、「この内容を変えないで」と要望しています。

 

まだ審議会は継続中で、1023日の審議会では、パート労働者の労働条件を審議するなかで、使用者側は「その職場がいやなら辞めればいい」というような暴言を繰り返したとか。要するに、パート労働者も労働者であり、人権を尊重されなければならないという視点が欠けているからこのような発言ができるのです。さすがに公益側が発言にクレームをつけたようです。だからこれが書いてあってもまだ安心できません。

 

北海道ウィメンズ・ユニオンは次のような例を挙げて、さらに〔派遣元・派遣先事業主双方に対し「措置義務」について周知徹底をはかるよう〕と要望しています。

 

例:派遣先の会社の上司からセクシュアル・ハラスメントを受け続けたが、仕事を失うことを恐れて、長い間、派遣先にも派遣元にも相談できなかった。その後一年半くらい経って初めて相談した。しかし、派遣先会社は何の対応もせず、派遣元会社からは「このようなことを派遣先で起こしてほしくなかった」と言われ、退職を余儀なくされた。現在、組合との団体交渉中であるが、派遣先会社は、上司の取った行動が被害当事者に苦痛を与えたことは認めたが、会社として配慮義務違反にかかわる謝罪と損害賠償に関しては「団体交渉には馴染まず、民事訴訟でやるべきと理解している」との不誠実な対応に終始している。

 

裁判を個人が起こすことがどれほど大変かは以前のブログに書きました。長期にわたる裁判の期間、忘れたい傷をえぐり出される苦痛、費用、日本の裁判官の意識等、ホント大変なんです。それを裁判でかかって来いとはね。

 

4) 「性的な言動」とは、性的な内容の発言及び性的な行動を指し、この「性的な内容の発言」には、性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報を意図的に流布すること等が、「性的な行動」には、性的な関係を強要すること、必要なく身体に触ること、わいせつな図画を配布すること等が、それぞれ含まれる。

 

「性的な内容の発言」に、〔容姿・服装などについて言及することや業務に関係ないのに結婚、離婚、子どもの有無などプライバシーに関することについて聞くこと、おばさんと呼ぶこと等〕

「性的な行動」に、〔全身や体の一部をじろじろ見ること、電話番号やメールアドレスをしつこく聞くこと、相手の許可なく写真を撮ること、迷惑な電話やメールを送ること、パソコンの画面にわいせつな図面を表示すること、自宅に押しかけること等〕を付け加えてほしい。

 

指針に、ここまで具体的に書かなければならないほど、被害を蒙っている人がいるのだということがこの要望からよくわかりますね。

次元が低〜い。

 

前回のカンボジアの話の続きになりますが、この次元の低い話をカンボジアで聞きました。まず、行く前にガイドブックを読みました。

そこに「日本人はカンボジア人に軽蔑されている」とあったのです。

「なんで?」カンボジアへ資金援助しているのは日本が一番多いはずだし、NGOも頑張っているし、と不思議に思っていたら、TVで「サイゴンロード」を放映していました。

この名称は売春街を象徴する通りのことです。客の多くは日本人男性で、それも少女を買うのが好きなんだそうです。18歳未満の少女買春は罰せられますが、それ以前の問題ですね。タイ、ベトナム、ラオスなどから売られてきた貧しい少女が犠牲になっています。

カンボジアで暮らしている日本の女性も言ってました。日本の若者が泊まる安い宿で、「今晩は△■さんは帰って来ない」と言えば、それは買春をしているということ。

今、先進国の中で、エイズ患者が増加しているのは日本だけです。

学校でもエイズについて、買春とからめて学んでいることは少ないのではないでしょうか。

 

買春していない男性までもが軽蔑の目で見られ、そういう情けない(この表現は弱すぎる)男性を育てるというか、許している女性までもが軽蔑の眼で見られているのだとすれな、なんともやりきれません。

その同じ線上に職場におけるセクシュアル・ハラスメントがあるのです。

 

根っこは同じですね。やはりここまで具体的に書かないと、分からない人たちが存在するということなんです。

 

今回滞在したカンボジアのシェムリアップは、いわば京都のような国際観光地で、世界中から観光客が来ていました。世界遺産に登録されているアンコールワット(寺院)やアンコール・トム(都城)の遺跡があります。

「今日は涼しいね」と通訳のナムさんが言えば、それは30度のこと。リュックで背中は汗びっしょりの連日でした。

 

着いた翌日は雨でした。雨季の終わりで、かなり激しい雨の日、アンコール・ワットの上層部へ行く石の階段を上りました。

長い間放置されていた遺跡でもあり、内戦で省みられなかった遺跡でもあるので、階段部分の修復もこれからで、ステップ幅は足を横にしないと乗せられないくらい狭い箇所もあり、また一部欠けているところもあり。その階段を、途中からナムさんが持ってくれましたが、傘をさしながら上りました。手も使ってね。

上りきってから、下をみたら階段が見えない。それもその筈、この階段の斜度は65度なのです。45度で垂直に見えると言われますが、上ってからぞーっとしました。

先に上っていた男性は、後から傘をさしつつ上ってくる私と、さらに年上の女性の二人を見て、もっとぞっとしていたそうです。

階段には注意書きがありました。「自己責任で上ってください」

 

では今日はこれくらいで。

次回も指針についてです。

無事カンボジアから帰ってきました。

私がカンボジアへ行くことを知った人は、「大丈夫なの?」と必ず尋ねましたので、無事と報告します。ただ私も行くまでは一抹の不安もありました。首都のプノンペンも、私が滞在することになったシェムリアップも危険度が非常に高かったからです。

「大丈夫なの?」の問いかけは勿論カンボジアの悲惨な内戦がまだ記憶にあるということです。

日本が初めて自衛隊を海外に派遣した国でもあります。

この自衛隊派遣は当時国会でも激しく論戦があり、マスコミでそれを知ったときの人々の驚愕は、今回のイラク派遣とは比較にならないくらいの大きいものでした。授業でも話し合い、各自の考えを文集にしました。今も私は大切に持っています。19929のことです。

 

なぜこのような内戦が起きたかは一言では書けないほど複雑なのですが、この内戦は、大国の代理戦争でもあったのです。最もよく知られているのが、ポルポトという名前だと思います。虐殺・粛清により自国民300万人を殺したと言われています。そして今も被害の続く地雷もあります。

 

通訳はナムさんという25歳の男性がついてくれました。高校卒業後、シェムリアップの日本語学校で学び、日本の外務省主催の日本語コンテストで「森林破壊」について話し、見事1位となり、その賞で日本にも来たそうです。「また行きたいけど物価が高いから」と言ってました、好青年でした。

そのナムさんに何度も叱られたことがあります。

例えばおみやげ物屋さんで美しいシルクのスカーフがあったとします。「きれいね。タイシルクみたい」。「違います。タイシルクを見たら、きれいね、カンボジアシルクみたいと言ってください」。

確かに、カンボジアは913世紀に、私が滞在したシェムリアップにあるアンコール・ワット、アンコール・トムの遺跡に見られる壮大な文化を持ったクメール王国(アンコール朝)として、インドシナ半島の大部分を支配していたのです。

それがタイ(13世紀クメール王国から独立)やベトナムから侵入を受けるようになり、次第に弱体化していきます。

 

各国が侵入したくなるほどこの国は豊かであると実感しました。

丁度雨季の最後の時期に行ったので、水も緑も豊かでした。

旅行者がちょっと見ただけですが、これで商売が成り立つのかしらと心配になるほど、同じ品揃えの小さなお店が沢山あって、新鮮な野菜や、肉類等おいしそうな物が売られていました。

どの食べ物屋(レストランと表現しにくい)の食べ物も本当においしかった。

社会保障制度や教育制度を初め、まだ人々の生活に必要な制度が整っていないし、貧富の格差も大きく、問題山積ですが、日本とは違った豊かさも感じることができました。

ホテルのクーラー・冷蔵庫・テレビは全部日本製でした。ホンダ、スズキのバイクに乗ることがステータスなのだそうです。車は仕事で使うためのもので、自家用車を持っている人は殆どいないとのことです。

 

カンボジアのみやげ話は今日はこのくらいにします。カンボジアの女性のことや、教育のこと、人々の生活、世界遺産のアンコールワットやトムのことなどはおいおい書いていきます。

 

では前回に引き続き均等法の省令と指針に向けて女性が出した修正案について述べます。

ただ残念なことに、1010日にこの均等法の省令・指針に関する審議会は最終回を迎えました。結論から言えば98%、修正案は反映されなかったということになります。

使用者側の「満足」という感想から分かるでしょう

 

卒業生の調査でも、セクハラに関する記述は沢山ありました。でも、書けないようなセクハラを受けた人もいるのではないでしょうか。

今日のセクハラの修正案は、院内集会で最も熱心に訴え続けてきた「北海道ウィメンズ・ユニオン」の意見書を紹介します。

 

以下の意見書をわざわざ提出しなければならないことが、今回の均等法に欠けている点でもあるので、ちょっとややこしいですが、自分の身を守るため、泣き寝入りしないために、頭に入れておいてください。

 

青字が厚労省の出した案(今となっては案ではなく、決定事項となってしまいました。)です。赤字が北海道ウィメンズ・ユニオンの修正案黒字が私の文章です。

 

《事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針》

〔1はじめに〕のところの文章は長いわりに、法の挨拶のようなものなので、特に深い意味のある内容ではありません。

このはじめにのところに、

セクシュアル・ハラスメントは、職場環境や職場の人間関係(特に上下関係・支配関係)から起きる性暴力・人権侵害行為である〕を加えること。

〔事業主は、セクシュアル・ハラスメントが、当該労働者の労働権を侵害する労働災害であることを認識し、その防止と被害者の救済措置を講じなければならない〕を加えること。

 

〔2 職場におけるセクシュアル・ハラスメントの内容〕

職場におけるセクシュアル・ハラスメントには、職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受けるもの(以下「対価型セクシュアルハラスメント」という。)と、当該性的な言動により労働者の就業環境が害されるもの(以下「環境型セクシュアルハラスメント」という。)がある。

 

〔「職場」とは、「業務に関連する場所」を指すなど、幅広い定義にすること。会社の飲み会及びその二次会の飲食店、社員旅行などの宿泊施設、労働者及び上司の宿泊先や自宅等、移動中の交通機関などの内容、及びセクシュアル・ハラスメントは、業務とは関係のない飲食店、ホテル、女子や労働者の自宅などにおいて、職場の上下関係を背景にして起こるということも定義に加えること。〕

 

いったんここで切ります。

容量オーバーになると警告が出ますので。

続きは次回のブログを見てください。

またまたご無沙汰です。

「この不定期なブログ、いつアクセスしていいか分からないから、曜日を決めて」という声が聞こえてきそうなんですが…。

見捨てず根気よくブログをのぞいてみてね。

言い訳は見苦しいと言いつつ、原稿書きに追われていたのです。たった一つだけの原稿なんですけど…。以前にも書きましたが「労働契約法制」をまとめるのは難しい。

 

まず9月28日の出来事から。

 

参議院議員会館で院内集会がありました。院内集会とは何ぞやという人は、今年の2月16日のブログを見てください。

院内集会は参議院議員会館で行われました。

衆議院とか参議院議員会館へ行くと、その警備の厳重さにびっくりしますが、今回はなんとなんと、議員会館の前に花屋さんの車が何台も並んでいました。

その中から超高価そ〜な胡蝶蘭が次々と運び出されていました。私が価格を推定できるのはデパートで3万円くらい。「こんなん誰が買うのかしら」と思いながらただ眺めているだけのもの。それよりもっと桁違いの大きくて立派な鉢植え。鉢には多分送り主と宛て先「贈○△大臣(先生)へ  ▲■より」と書いてあるはずなのだが、残念ながら遠くて読めませんでした。

日比谷辺りの花屋さんの稼ぎ時だそうです。

なぜ花が運びこまれたのかって 確か前日か前々日に組閣が決まったからです。

「大臣就任おめでとうございます」とう訳です。

あんな高そうな花、贈賄にならないのかね。花ならいいのかしら。

でも、大きな花の鉢を抱えた花屋さんのセキュリティーは厳しそうには見えませんでしたが…。

 安倍さんの所へはどれだけの花が届けられたでしょうか。

花屋さんの横で100号くらいの大きな絵のようなものを、引っぱっていた人もいましたよ。

 

さてと、本題、本題。今回の院内集会の主な目的は、均等法の「省令と指針」に関することです。

 

花屋さんが忙しいということは、議員も忙しいということ?で、与党の議員の出席はありませんでした。また、直接担当の厚生労働省雇用均等政策課員の出席もゼロでした。とても忙しいのでという理由でした。大臣が代わると、省庁のお役人にも波及するのでしょうか。

 

北海道、東京、名古屋、大阪から約40名の女性 たちが参加して、以下のことを話しました。

 

北海道ウィメンズ・ユニオンは「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針案」について、女性ユニオンは妊娠、出産による不利益な処遇」について、岡谷鋼機の元原告の1人が「コース別人事と、和解後も続く不利益な処遇」(岡谷鋼機については6月22日のブログを見てください)について、ワーキング・ウィメンズ・ネットワークは「雇用管理区分」について。

 

発言者が指摘した「省令・指針」の問題点を次回から書いていきます。

久しぶりにブログを書いたのに、またしばらくお休みします。

8日からカンボジアへ行きます。内戦によって多くの男性が殺されました。残された女性たちの生活を調査している友達(若い女性)を頼って行ってきます。アンコールワットも見ますが、人々の生活もしっかりと見てくるつもりです。帰国したらまた再開しますので、またこのブログで再会しましょう。

では2週間のお休みをいただきます。今日はここまで。

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