嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2006年11月

今週の月曜日、「アステラス製薬」の裁判傍聴のために大阪地方裁判所へ行ってきました。

アステラス製薬は全国でもトップの企業です。裁判の詳細はHPhttp://www003.upp.so-net.ne.jp/sentou/をみてください。06.05.23参議院傍聴記のブログにもちょっとだけ書いてあります。

 

御堂筋の銀杏がきれいでした。両手にビニル袋を持った男性が歩いてきて、歩道の植え込みに捨ててあった缶コーヒーを、耳のそばで振って、少し残っていたのか飲んでいました。それをあっけにとられた顔で、じっと見ていたビルのガードマンの表情の方が強く印象に残っています。多分私の表情も?   

 

裁判は原告側の証人尋問でした。原告は仙頭史子さん。「仙頭史子を支援する会」でも検索できます。「男女賃金差別」裁判です。

原告弁護士の尋問は、同じ原告の仙頭さん側だから安心して聞いていられるのですが、会社側の尋問は緊張しました。証人でもないのにね。

私のような扇動されやすい性格の者は、証人には向かないと思いました。

当日の証人は冷静沈着のようにみえましたが、後で弁護士は「ひやひやしたところもあった」と感想を述べられました。

午後1時半から始まって4時まで。その間15分の休憩を2回。

たった一人の証人に質問の矢が次々と放たれていきます。会社側の弁護士は、最初は短い質問をどんどん、まず「はい」「いいえ」の答えで足るような質問をしていきます。

その矢継ぎ早な短い分かりきった質問がどこに着地しようとしているのかが、傍聴している私は最初わかりませんでした。

途中で「男女間に賃金の差別のあるのは、組合も合意していたではないか」というところが着地点のようだと分かってきましたが、大勢の傍聴人を背後に、裁判官、書記、弁護士等、独特の雰囲気があるところで、証人が相手の意図を読み取るのは至難の技です。

所々なが〜い質問があって、その中にはいろんな要素の内容が含まれています。

裁判長は「できるだけ簡潔に答えてください」と言ったから、細部にこだわらずに、「はい」って言おうものなら、あとで「『はい』と言ったでしょう。」ということになります。

全て記録に残りますからね。

次回が最後で、原告の尋問です。これは10時から始まって5時まであります。弁護士は付いていますが、基本的には一人で会社と闘うのです。

これも傍聴に行くつもりをしていますので、次回はもう少し詳しい報告が書けると思います。次回は12月20日です。

 

さて、立て続けに「労働問題」の記事がありましたので、忘れてしまわないように今日のブログはこれらの紹介をします。

まず喜ばしいニュース。

 

アパレルメーカーの「ワールド」がパート5000人正社員化

直営店の販売業務に携わるパート6000人の内、約5000人を今年4月1日付けで販売子会社「ワールドストアパートナーズ」に正社員として雇用した。正社員化で人件費は年間22億円膨らむが、これから予想される人手不足を見込んだ結果。今後新規採用は原則正社員とする。百貨店などに出店している店舗の売り上げは、販売員の力量に頼る部分が大きいから、人材育成と確保のために正社員化した。》朝日 2006.11.22

 

品質や値段が変わらない場合、最後の決め手は販売員ということはよくあります。それがきっかけで、後々その店で買うことの方が私の場合は多いですね。正社員になれば、雇用保険・厚生年金・労災保険・健康保険等も保障されます。何より、安心して仕事に取り組むことができます。ボーナスも出るとなれば、頑張って働こうという気になりますね。過労死寸前は駄目ですが、それも正社員同士なら団結して会社側と交渉することもできます。

「へ〜、こんな会社もあるのだ…」というのが正直な感想です。

なぜなら次の記事の方が今の時勢を反映しているからです。

 

いつのまにか「事業主」提訴の20代被害を訴え》が見出し。2006.11.22朝日

本文の概略《訴えたのは中馬さん(24)ら4人。彼らは0210月に東京都内のイベント会社に、カード販売促進スタッフとして、時給制のアルバイトで採用されて働いていた。一年後「業務委託契約」に切り替えられて、彼らは「個人事業主」扱いになった。何の説明もなく、「契約書」を書かされ、「事業主」のまま長時間労働や休日出勤をさせられ、残業代や交通費なども出なくなった。

労働者が企業で働く場合、失業手当やけがをしたときの治療費などを保障する雇用保険や労災保険への加入が原則として義務づけられている。雇い主は、保険の種類によって全額ないし半額を負担しなければならない。けれど労働者を「社員1人でやっている取引先の自営業者」と解釈し、その個人事業主との間で請負や委託の契約をすると、この場合のイベント会社は雇い主ではないので、保険料とかを、訴えを起こした若者が負担しなければならなくなる。彼らは事業主で、労働者ではないから、残業代や有給休暇、最低賃金など労働者の権利を定めた労働関係法の保護もなくなる。

 

労基法では、労働者は使用者の指揮命令を受けて働き、賃金を支払われている人を指す。〕。厚労省は「契約の形式が請負いでも、雇い主から細かい支持を受けて働くなどの実態があれば労働者」としている。》

 

会社側の言い分は、セクハラ裁判のケースと同じです(06.05.01のブログを見てください)

彼らは労働組合を結成し、東京地裁に提訴しました。

このようなケースで黙って諦めている人は多いのではないでしょうか。多分彼らは「派遣ユニオン」のような1人でも加入できる組合に相談したのでしょう。今これを読んで、私も同じとか、私の働き方ってへんじゃないと思っている人は、そういうサイトがあるので、見てください。勿論私に言ってくださっても。

このようなケースは今たくさんあります。以下も同じですね。

 

大阪府労委、ビクター子会社に業務委託先との団交命令2006.11.20  読売新聞

 《大阪府労働委員会は20日、大手電機メーカー「日本ビクター」(横浜市)の子会社「ビクターサービスエンジニアリング」(千葉県浦安市)に対し、同社が修理業務などを委託している「代行店」と呼ばれる個人事業主でつくる労働組合との団体交渉を拒否したのは不当労働行為に当たるとして、団交に応じるよう命じた。

 労組側は「代行店は、会社側が一方的に決めた条件のもとで指揮、監督を受けており、労働者にあたる」として救済を申し立てていた。同社は中央労働委員会に再審査を申し立てる方針。労働者の非正社員化が進むなか、こうした業務委託の労働形態が企業社会に広がっており、雇用関係のあいまいさが問題視されている。

 

まだある。

 

東芝系工場に派遣の4人、正規雇用を要求 偽装請負訴え2006.11.14  朝日 

東芝グループの東芝家電製造大阪工場(大阪府茨木市)で3〜7年間、請負を装った実質派遣の状態で働いてきたとして、人材会社の労働者4人が13日、正社員として雇用するよう東芝家電製造に申し入れた。労働者派遣法は、製造業への派遣が1年を超えると派遣先企業が直接雇用を申し込まねばならないと定めている。4人は「社員と同様の仕事をしており、同じ待遇を求めたい」と主張。同社は「内容を確認中で、コメントは差し控えたい」としている。

 申入書などによると、4人は冷蔵庫の扉の製造ラインで働いている。人材会社と東芝家電製造との契約は業務請負と聞かされていたが、今年8月、2カ月さかのぼった6月からの「派遣労働者雇い入れ通知書」を人材会社に提示され、署名した。 しかし4人は、それ以前から一貫して東芝家電製造の社員から指示を受けて働き、職場では人材会社の労働者と東芝側の社員が一緒に仕事をしてきたと主張。「偽装請負だった」と訴えている。 7年間勤務している男性(38)は「社員と一緒に仕事をしてきて、いい職場を作ってきた。これからも安心して働き続けたい」と話す。4人は労働組合「武庫川ユニオン」に加入しており、団体交渉も申し入れた。

 

この団交申し入れに対し、会社側の回答が今朝の記事に出ていました。(2006.11.23 朝日)

《「正社員化巡り団交応ぜず

「4人と当社との労働契約はないため団体交渉には応じられない」と文書で回答した》。

 

アステラス製薬裁判と同様、会社の方が資料を持っています。どのような証拠を準備できるか、裁判になったとき、労働者側のスタートラインは会社側よりもずっと後方にあるのです。ビクターと東芝では争点が違いますが、いずれも労働者の置かれている立場は悲惨です。

 

ちょっぴり明るいニュースから始まりましたが、今日も暗い話題で終ることになりそうです。

 

もう一つ「世界経済フォーラム:男女平等度、日本は79位 G7で最下位に」というのもあったのですが、これは次回に。

(ということは暗い話題からということか)

では今日はここまで。

二日連続で「労働契約法制」についての記事がありましたので、この話題から始めます。(朝日2006.11.0910)

労働契約法制については、何度か書いてきました(9.139.078.268.177.27)

今、労働契約法制については労働政策審議会労働条件分科会で、均等法とパートタイム労働政策については同じ審議会の雇用均等分科会で審議が行われています。

今日1110日は30分の違いでこの二つの審議会が開催されました。

経済的に負担が大きい、労使のかみ合わない審議内容を聞いているより、新幹線の往復代をどこかに寄付した方がましだと思ったりで、私は毎回参加していません。それに傍聴の抽選によく外れますから。

東京在住の女姓たちは、「どうして同じ日に、それも同じような時間帯にするの」と言いつつ、手分けして10日も傍聴していたことでしょう。

審議会の議事録は2ヶ月後くらい経ってから厚労省のHPに載ります。

 

さて、新聞記事ですが、昨日の記事は「労働時間規制の緩和 残業代114万円カットも」という見出しで、次のような内容のものでした。

( )は私の補足です。

《厚労省の審議会で議論されているホワイトカラー・エグゼンプション制度が導入され、年収400万円以上の会社員が労働時間規制の対象から外されると、約1千万人の会社員が1人年間114万円の残業代を受け取れなくなる、とする試算を民間シンクタンク、労働運動総合研究(労働総研)がまとめた。〜中略(ホワイトカラー・エグゼンプションの説明は817日のブログを見てください。)〜労働総研は、国税庁の民間給与実態調査や総務省の労働力調査をもとに試算した。05年の会社員約4500万人のうち、年収が400万円以上の人は約2300万人で、管理職らを除くと約1013万人となった。一方、厚労省の毎月勤労統計による1人平均の年間残業時間156時間に加え、不払いの残業時間も年間240時間あると推定。計396時間に対象者の時給をかけて総額116千億円、1人年間114万円が支給されなくなる計算になった。》

 

そして今日の記事です。

「残業代規制見直し案 休日確保など義務化」

《労働法制改正の焦点となっている労働時間の見直しで、厚労省が新たな素案をまとめた。〜中略〜自律的労働時間制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)について「自由度の高い働き方にふさわしい制度」と名称を変えて導入を明記。同制度には過労による健康被害を懸念する声が強いことから、対象者の休日を週2日以上とすることを企業に義務づけ、適正に運営しなかった企業には改善命令や罰則を科すなどの内容を盛り込んだ。〜中略〜素案では(ホワイトカラー・エグゼンプション)対象者として]働時間では成果を適切に評価できない業務に従事。業務上の重要な権限や責任を相当程度伴う地位にあるG収が相当高いーなどの条件を列挙。具体的な年収水準は、素案段階での明示は見送り、今後の労使の協議に委ねる。一方で長時間労働を助長しないよう、「休日に確保、健康・福祉確保措置の実施を確実に担保」との表現を盛り込んだ。〜中略〜残業の割増賃金率については、同省は6月の当初案で「1ヶ月の残業が30時間を超えた場合は現行の25%増しを50%増しに引き上げ」としていたが、素案では、割増率引き上げの義務づけは健康にかかわるような『長時間労働者』に限るなどと後退した。〜後略》

 

私が今まで傍聴した限り、審議会で将来のこの国のありようも含めた議論があるとはとても思えません。2つ目の記事も「やっぱり」という感じですね。

労使がそれぞれの立場で発言し、公益側が時々意見を述べる。そしてその次の審議会にはこのような厚労省の素案が提出される。その素案は、均等法に見る限り使用者側の立場に大きく傾いている。

 

私は労働者側の委員としか話をしたことがありませんが、虚しい審議会であるとの感想を漏らしていました。これだけ労働者や研究者が問題点を指摘しているにもかかわらず、名前を変えて「導入を明記」とあります。

導入前提で審議が進むのなら、あとは労使がどこで手を打つかという条件闘争の問題になってきます。

また「健康にかかわるような『長時間労働者』に限る」って、あなたはどう理解しますか。

健康状態が悪くなるような働き方が問題なのです。健康にかかわることが事前に分かるような働き方だったら、それは割増率の問題ではないでしょう。

均等法に「仕事と生活の調和」という文言は入りませんでしたしね。

ホワイトカラー・エグゼンプションを中心とした労働契約法制について、これからどのように変化していくかを監視しなければなりません。

某新聞記者が講演で話した通りです。(9.13のブログ)

 

段々気持ちがすさんできました。これで諦めたら敵の思う壺。気を取り直して前回に続き、112日の審議会の傍聴報告です。

 

パートタイム労働者が通常の労働者へ転換できるチャンスを与えようということについて審議されました。

まず何を審議してほしいかについて厚労省の資料から。

《通常の労働者指針においては、所定労働時間が通常の労働者とほとんど同じ短時間労働者で同様の就業の実態にある場合については、通常の労働者としてふさわしい処遇をするよう努めるものとしていることについて、どのように考えるか。》

《指針においては、通常の労働者への転換のための措置を講ずるよう努めるものとしているところであるが、以下のような実施状況も勘案し、今後のあり方をどのように考えるか。》

 

そして、以下のような数字が提示されました。

1※ 通常の労働者への応募機会の優先的付与等の状況

(事業所ごと・平成17年パートタイム労働者実態調査((財)21 世紀職業財団))

優先的に応募の機会を提供している 16.4

優先的ではないが応募の機会を提供している 58.8

 

2※ 正社員への転換制度の有無

(事業所ごと・平成17 年パートタイム労働者実態調査((財)21 世紀職業財団))

転換制度がある 48.0

 

3※ 正社員への転換制度・適用事例の有無

(事業所ごと・多様化する就業形態の下での人事戦略と労働者の意識に関する調査(平成17 ()労働政策研究・研修機構))

転換制度があり、適用事例もある 23.3

 

各委員の意見はあくまで個人の段階にとどまっているような感じ。特に使用者。双方、突っ込まれた質問には回答があいまいになります。委員も各団体の代表であるとはいえ、意見はあくまで個人の体験から出たものに終始します。大局的な観点から審議してほしいし、そこをリードしていくのが公益側だと思うのだけど、傍聴者にとってはなんとも歯がゆい。

 

今、1110日の審議会の傍聴記録を受信しましたが、その中でも「もっと勉強してから審議に臨んで。特に使用者側」という内容がありました。

次回は1129日らしい。

 

で、私の傍聴記録に戻って、使用者側の主な意見です。

〔 〕内は私の補足。

特に中小企業の人材は大切。本人に能力や責任感があれば〔正社員〕に採用しているから、法律にすべきではない。

パートの人に先に応募機会を与えねばならないのでは、〔募集の際に〕臨機応変に対応できない。

正社員への転換の優先権を法律に明文化した場合のマイナス面も考えた方がいい。派遣法でも3年以上の項目があるから、3年未満で雇用を切るケースが多い。法制化すればかえってパートが不利になることもある。

〔派遣法派遣法では、事務作業など「一般業務」で働く派遣労働者を最長3年を超えて受け入れる場合、派遣企業はその労働者に対し直接雇用するよう申し入れをしなければならない。(’06.01.01のブログ)

 

労働者側の主な意見です。

まず正社員に転換できる数字〔厚労省提示の上記数字〕が高いことにびっくりした。

転換制度はパート労働者にとって働く上での希望につながるから、優先雇用制度を義務化してほしい。

経験年数があっても、あなたはパートだからと断られるケースが多いのが現状。目の前の人材を活用してほしい。

 

公益側の意見

パートなら誰でも正社員に採用せよといっているのではない。まずエントリーの機会を与えよと言っているのである。

 

さてさてこれを読んだあなたの感想は如何ですか。

調査対象の卒業生は、求職中の人も含めると75%近くの人がパート労働者もしくはパート予備軍です。なぜなら35歳を過ぎたら正社員の道は限りなく無に近いからです。

 

では今日はここまで。

今回は本来なら前回の続きですが、2つばかり先に報告することがありますので、それを先に紹介します。

 

まず、一つ目は《働く女性支援全国組織》という記事を見ました。概略は以下の通りです。

《各地の女姓労組や女姓NGOのメンバーが集まり、働く女性のための初の支援組織を結成する。非正規雇用が働く女性の半数を超し、既成の労組では対応できない層が急増。どの地域の女姓も個人で参加でき、法的な助言や労使交渉の支援を受けられる仕組みが必要になった。年内に約500人の加入を見込んでおり、来年1月、東京都内で旗揚げ集会を開く。〜中略〜新組織の名称は「働く女性の全国センター」〜中略〜代表に予定されている「女性ユニオン東京」前委員長の伊藤みどりさんによると、非正社員女性を中心に解雇やセクハラ、パワハラなどの相談は増加。均等違法改正で労働基準法の女子保護規定が撤廃されて以来、働く女性の健康障害、うつ病も目立ち、複合的な対応が必要になっている。〜中略〜

 

詳細が分かればこのブログで書いていきますが、私もずっとこのような組織が必要であると思ってきましたので、今後の動きに注目していきます。(朝日2006.10.31)

 

2つ目は審議会傍聴の報告です。

均等法の省令と指針の審議会が終わり、今は同じ「労働政策審議会雇用均等分科会」で「パートタイム労働」について審議がなされています。その根拠は国会での付帯決議に基づきます。何度も言っているように、付帯決議は法的拘束力を持ちません。付帯決議ではなく、法文化するべきなのです。その審議会の傍聴に112日に厚労省へ行ってきました。

 

以下がパート労働に関する国会の附帯決議です。
「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」

 

府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。パートタイム労働者が意欲を持ってその有する能力を十分発揮できるようにするため、正社員との均衡処遇に関する法制化を進めること。

 

現在審議中なので、審議会は行きつ戻りつの、議論というより話合いの感じ。

なぜなら労働者側と使用者側では議論をするための土俵が全くかみ合っていないからです。

特に使用者側は、日本の将来を見越した発言をしていないと思いました。前回のブログでも紹介したように、「パートがそんなに嫌なら、辞めればいい。他の仕事に移ればいい」の発言に象徴されています。

委員の会社だけの話をしているのではありません。日本に暮らす人々が「この国に暮らしていてよかったな」と思えるような、そんな働き方ができるような話をしてほしいのです。今審議されている項目は以下の通りです。

1労働条件の明示等

2均衡処遇の確保…賃金・教育訓練・福利厚生

3通常の労働者への転換

4労使の話合いの促進

 

私が傍聴したのは2の教育訓練と福利厚生、3、4でした。

 

厚労省がデータの説明をしました。それが以下の数字です。

〔教育訓練〕

《指針においては、教育訓練について、短時間労働者の就業の実態に応じて実施するよう努めるものとしているところである。その種類は、職務・職種別の研修、法令遵守・企業倫理研修など様々であり、現状としては以下のような実施状況である。また、今後、労働力人口減少社会の到来等を踏まえ、日本経済の活力を維持するためには、短時間労働者がその有する能力を有効に発揮できるようにしていくことが必要となってくる。》→だからこのことについて話し合ってくださいというわけです。

  • 教育的な実地訓練   正社員に実施69.5% パートに実施47.7
  • 職種・職務別の研修    〃     61.9%   〃    21.2%            
  • 法令遵守、企業倫理研修 〃     40.7%   〃    18.0

(平成17年度労働政策研究・研修機構調査)

 

使用者側の大体の意見は「もう十分教育訓練はしているからわざわざ指針

として書く必要はない」。これに対し、労働者側は「数字を見て欲しい」

というものでした。

例えば、前回のブログで書いているようなセクハラについての事業主が守

るべき内容をパート社員に研修で学ばせているでしょうかね。

これは法令順守や企業倫理研修の範疇ですね。

《 》の文章をあなたはどのような思いで読みましたか?

 

福利厚生〕

《指針においては、福利厚生制度について、施設の利用について短時間労

働者に対して通常の労働者と同様の取扱いをするよう努めるものとしてい

るところである。一方、現状としては、施設の利用、金銭の支給など様々

な福利厚生が実施されているが、これらを踏まえ、福利厚生の性格に応じ

た均衡処遇のあり方をどのように考えるか》

  • 社内行事への参加 正社員に適用92.2%  パートに適用 85.1
  • 慶弔見舞金の支給  〃    88.1%    〃    71.1
  • 保養施設の利用   〃    52.4%    〃    41.0

(平成17年パートタイム労働者実態調査 21世紀職業財団)

 

ここでも使用者側は「企業の事情もあるから、一律に指針に書くようなもの

ではない。例えば慶弔費について指針に書かれることになると、返ってやや

こしくなるから正社員に支給するのもやめようということにもなる」、労働

者側は「社員食堂とかロッカーを使用させないということも聞いている。

パートだからと日々の働きの中で自らを納得させているも慶弔の扱いが

なるのは非常に傷つくものである」と。

あなたの職場ではどうですか。この数字の感想はどうですか。

 

労使の話合いを聞いていて、思いました。根源的なパート労働についての合意

がないので、議論がかみ合わないし、内容が枝葉末節になる。

 

パート労働者は、言葉としてはフルタイム労働者に対するものです。

長時間パート労働という言葉自体が矛盾しています。ヨーロッパの国々では完全

とはいえませんが、同一価値労働時間・同一賃金の原則があ

ので、労働時間が長いか、短いかという違いだけなのですが、日本はの原則

がないので、話がかみ合わないのです。

この点に関しては、労使とも全く念頭にないように感じました。

労使のそれぞれの思惑は違いますが、そんな議論は日本では最初から無理だと思っ

ているような…。

 

審議会傍聴の件は、次回もまだ続きます。

では今日はここまで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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