嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2006年12月

アステラス製薬男女賃金差別裁判傍聴記

アステラス製薬の裁判傍聴の記録から始めます。

12月20日の大阪地裁での裁判は、原告の仙頭さんの尋問でした。詳しくは「アステラス製薬 仙頭史子さんの男女差別裁判を支援する会」http://www003.upp.so-net.ne.jp/sentou/を見てください。

 

今回の裁判の要点をいくつか記しますが、声を大にしていいたいことはこれ一つに尽きます。「会社に関するものは何でも保存せよ。ゆめゆめ捨てるな!」ということです。今回の傍聴から得られた校訓です。

 

前々回は会社側の証人尋問でした。会社側は仙頭さんの上司を証人として出してきました。そのやりとりは上記のHPで見てください。

この会社側の証人は、いかに仙頭さんに能力がなかったかを言い立てたようです。

しかし今回の尋問に際して、仙頭さんはかなりの証拠を弁護士に渡していました。

仙頭さんは前々回の裁判のとき、この資料を自分が持っていることに気が付いてなかったそうです。

今回の仙頭さん自身の尋問のために、弁護士との打ち合わせをするなかで、初めてその存在に気付きました。

そこで仙頭さん側の弁護士は、これらの証拠を使って次々と前々回の元上司の証言を覆していきました。

 

仙頭さんは製薬会社で研究職として仕事をしていました。彼女は大阪高専卒業です。仙頭さんの年齢では、高専に入学するのは随分と難しいことでした。学業成績も会社側の証拠として提出されていましたが、優秀な成績でした。

でも仙頭さんは次第に研究者としての限界を感じていきます。17年間も研究所に勤務しながら、正しく評価されなかったからです。

評価というのは、そのまま給料や地位に関係します。

尋問の中で難しい化学式だの、機器の名前や専門用語が飛び交いました。

裁判長は何度も弁護士や証人の話をストップさせて、「それはどういう漢字を書きますか」と尋ねていました。なぜなら速記者がテープ起こしをするのに必要だからです。

勿論仙頭さんはすらすらと答えていました。

 

あるとき仙頭さんは、溶液の中にある物質に注目します。そこでいくつもの文献を当たり、適切な文献を探し出します。文献は10以上もあり、それらは全て英文の文献でした。上司にその文献と仙頭さんの考えを述べると、仙頭さんになんの断りもなく、上司は文献もろとも男性の研究者にその研究を委ねてしまいました。

仙頭さんは悔し涙を流したそうです。

 

元々研究職であった仙頭さんは、ここで大変身を決心します。丁度社内で女性営業職の公募がありました。

営業なら成果は数字で出る。

仙頭さんは今までの研究者としてのキャリアをすっぱり捨てて、公募に応じました。そして複数の応募者の中でたった一人合格します。藤沢製薬最初の女性営業職の誕生です。

元々研究職ですから薬の知識は豊富で、本人の努力もあって、常に2位から3位の営業成績を収めます。

しかし前々回の裁判に、それを証明するものを仙頭さんは提出することができませんでした。しかし今回は当時の営業会議でのデーターを彼女は提出することができました。常に上位の成績がその証拠書類にしっかりと書かれていました。

当時の上司が「仙頭さんは能力がなかった。だから同学歴の男性と比較して、出世が遅れるのは仕方がない」と証言したことはことごとくひっくり返りました。

なぜなら営業会議で、仙頭さんの成績を示す表に元上司の文字も書かれていたからです。

会社側はこのような優秀な仙頭さんを管理職にさせないために、出向させたり、また研究職に戻したりとあらゆる手段を取ります。

仙頭さんよりも営業成績の下の男性は、一定年数経てば全員といってもいいほど管理職になっているにもかかわらず…なのです。

 

仙頭さんは提訴してから、一ランク上の係長になりました。もし裁判をしていなかったら、多分まだヒラのままだったでしょう。

 

裁判を傍聴したことのない人は多いでしょうね。日常生活にはあまり関係しませんものね。でもこれが結構おもしろいのです。老後の楽しみにするのもいいかもね。誰でもが気軽に裁判所に行くと、この長きにわたる日本の裁判も少し変わるかもしれません。

 

仙頭さん側の弁護士は、5名中4名が女性です。なんとも爽快な、頼もしい女性弁護士たちです。弁舌さわやかに、いかに研究職として、また営業職として仙頭さんが優秀であったかを、次々と明らかにしていきました。

 

午後からは会社側の仙頭さんへの尋問でした。いかに会社側の弁護士が優秀でも、このような理不尽な男女差別をしている会社側に理があるようには持っていけるわけではありませんから、殆ど重箱の隅をつっつくような枝葉末節な尋問の内容でした。

どんなに仙頭さんに切り込んでも、すらすらと答える仙頭さんの優秀さを覆すことはできませんでした。

 

朝10時から始まった裁判は4時10分に終りました。

その後原告側の集会がありました。そこで今年6月に和解になった住友金属の元原告の人が発言しました。住友金属をはじめ、化学、電工とも一審で原告側は負けました。だから「今日の尋問がうまくいっても油断してはいけない」と彼女は釘をさしました。

会社側からは東京本社を含めて約15名の管理職らしき年齢の人が傍聴に来ていました。この数も住友三社の裁判に比べると相当に多いそうです。しかし、彼らはどのような思いでこの尋問を聞いていたのでしょうか。前々回に証言した上司は「各人の営業目標はない」とまで言ったそうです。これは仙頭さんの営業成績の優秀さを覆すために、当時は個人目標はなく、全員で目標に取り組んでいた。だから仙頭さんの営業成績が個人として優秀であったというようなことはないという意味の証言です。

 

各人が営業目標を持たないで、誰が頑張って営業活動するでしょうか。この発言にはさすがに傍聴席から失笑が漏れたそうですが…。

 

会社側の傍聴に来ていた管理職の男性の妻や姉妹や子どももどこかで働いているでしょう。彼女らがこのような理不尽な扱いを受けている可能性は十分ありますね。アステラスのような大企業が男女差別をなくすここに取り組めば、それはいつかは自分にもいい結果で返って来るでしょうにね。

 

元上司はどのような思いで証言台に立たれていたのでしょうか。会社側に立って、このような証言をせざるを得なかった元上司に憤りもありますが、同時に憐憫の気持ちも持ちました。

 

今回の原告尋問を最後に結審を待つことになります。

 

裁判長は「最後に何か言っておきたいことがありますか」と仙頭さんに尋ねました。

仙頭さんは「私は気力も体力もあったから、こうして提訴しました。でも私の後ろには同じ様な思いをしている多くの女性がいます。」と述べました。(仙頭さん、カッコイイ)

「会社側として傍聴していた男性たちよ(全て男性でした)。女性は敵ではない苦楽を共にする労働者として、同じ場に立ちましょうよ。闘うべき相手は女性ではないでしょう。」(これは私の言葉)

 

さて、私が「捨てるな」と言った理由がここに来て分かってもらえましたか。会議で配布された資料でも、社史でも、企業内新聞でも、給料明細票でも何でも残しておきましょう。業務日誌を書いている人は、できればコピーをしておいた方がいいですね。企業秘密に抵触しないようね、こっそりとね。 正社員・非正社員にかかわらず。

「紙は救い給う」です。

 

今回のブログは春闘と正社員化を図ったワールドにも言及したかったのですが、長くなったのでそれは次回に回します。

今年もあと僅か。来年は早々にブログを書きますので、年賀状とともにパソコンも見てくださいね。

では今日はここまで。

よいお年を

ブログを始めて1年たちました。

ブログを始めてから1年がたちました。パンパカパ〜ン、おめでとうございます。

細々と切れそうで切れない、まるで金魚のうんこのようなブログでした。たとえが汚いね。

女性卒業生の働き方の調査をしたのが、同窓会のあった20028月、会場で用紙を配布しました。

匿名の調査でしたが、もう全員といってもいいくらいの人が名前を書いて回答してくれました。

回答してくれた人の中から約20人に聞き取り調査をしたのが2003年の夏でした。

仕事のことを中心に話を聞きましたが、それは卒業から今日までの生きざまを聞くことになりました。調査と聞き取りをまとめたのが2004年の春でした。

まとめてはみたものの、卒業生が調査用紙に、またマイクに向かって回答してくれた問題が解決するわけでもなく、次に何をするべきかの模索が始まりました。いろんな人、いろんな団体に出会いました。たどり着いたのがこのブログでの情報発信でした。

最初の発信は昨年20051215日でした。このブログはあくまでも手段の一つです。いずれはブログの向こうの、今はまだお互いが見えない人々が集まって、力をつけるというのが目的です。

仕事のことで「おかしいことはおかしい」と、また「この働き方は違法ですよ」と上司に言ってみる。

理不尽なことには抗議する。もし理不尽が通って、退職を強要されたら後ろ足で砂をかけることくらいのことは最低してほしくて、働く上でのさまざまな情報を発信することにしたのです。

なぜなら泣き寝入状態で辞めている、また現況に甘んじている卒業生が多くいるからです。

ブログで発信するためには、情報を仕入れなければなりませんから、私もまたいろんな所に顔を出して交友を広げることになりました。こうして1年が過ぎたわけです。

今までブログを見てくださってありがとうございました。相変わらず不定期なブログですが、できるだけお友達にも宣伝してください。今後もよろしく。

 

さて本題に戻ります。コメントをいただきました。コメントの中に労働基準監督官の数に関する内容がありましたので、ここであらためて訂正をします。前回のブログで、労働基準監督官の数を3000人と書きましたが、ひょんなところから正しい数を知ることができました。『労其監督官の6割が残業代ゼロ労働反対』という記事のなかで「監督官は全国350ヶ所の労働基準監督署などに配置されている。監督官約1700人のうち、約8割の1319人が回答した。ホワイトカラー・エグゼンプションを導入すべきは17.9%にとどまり、すべきでないが60.0%と大幅に上回った」(朝日2006.12.114)。だから約1700人ということですね。もっと少ないということだから、企業への監督はもっと甘くなるということでしょうか。

 

ついでだからホワイトカラー・エグゼンプショオンをもう少し続けます。ドイツ人に、このホワイトカラー・エグゼンプショオンが日本に導入されるだろうと話をしたところ(もちろん日本語です)、彼女は「ドイツにもありますよ」と軽く言ってのけました。

丁度二日続けてイギリスのホワイトカラー・エグゼンプショオンの記事がありました。(朝日2006.12.1617)英国では『オプト・アウト』というそうです。英国はEUの中では最も長時間労働の国です。しかし、この記事を書いた記者はこう続けます。英国で『過労死』とう言葉を聞かない。なぜなら『仕事と生活の調和』という概念を人々が共通理解しているから。EUでは「働き手の同意があれば週48時間の規制を超えて働けるオプト・アウトがあるが、休息時間として11時間連続して働かない時間を設けることが規定されている」。だから仮にオプト・アウト制で働くことを選択しても、この連続11時間の休息時間が働き過ぎの最後の防波堤になっている。

英国よりもドイツはさらに労働時間が少ない国で、日曜日は観光客相手以外の店は閉まりますから、土曜日の午前中に買い物を済ませておかないと日曜日に食べ物がないこともありえます。

2003年のデーターで製造業の生産労働者の年間総労働時間は、日本が1975時間(これって、サービス残業は含まれていない筈)、ドイツは1525時間です(労働政策研究・研修機構より)。ちなみに年間休日は、日本127.8日、ドイツ143.2日です。

ドイツ人の女性がさらりと言ってのけるはずですね。

EUのなかでは長い労働時間の英国は1885時間です。いずれにしても日本とは労働に対する考え方が違いますね。

話しはずれますが、崖の途中で下りられなくなった野犬が救助されたニュースが大々的に報道されていましたね。まだ記憶に新しいです。崖の下にネットが張ってあって、犬を受け止めるようになっていました。

その国に暮らす人々を守るセイフティーネットの大きさ、張る場所、高さの程度が各国で大きく異なっています。せめて日本にもあの野犬に用意したセイフティーネットくらいのものをと望んでいる人は多いのではないでしょうか。

 

シングルマザーの団体である[しんぐるまざず・ふぉーらむ・関西]から、シングルマザーの2003年の平均年収が212万円(就労収入は164万円)であり、今後児童扶養手当が減額されていくので暮らしていけないという声を聞いていたときになぜかしらあの記事が浮かんできたのでした。

ちなみに子どもに対する2001年の手当(児童手当・児童扶養手当)は、日本32,804円、英国75,950円、ドイツ72,550円です。日本がお手本にしているアメリカは14,047円です。(内閣府政策統括官『社会全体の子育て費用に関する調査研究』H17.3)

 

有期雇用を希望者全員正社員にしたワールドの将来、昨日経営者側からと労働者側からコメントが出た春闘についての私の考えは次回に回すことにします。

もう今日の日付になりましたが、今日20日、アステラス製薬の裁判傍聴へ行ってきます。裁判中に居眠りしないように、早く寝なければ。

では今日はここまで。

労働契約法制の最終報告案・小さな勉強会

週一回の更新を目標にしているのに、またまた守れませんでした。

ブログを書きかけては気持ちが乗らず、何回も中断してしまいました。

 

昨晩はパソコンを前に、NHKの「ワーキングプアー供廚鮓て、ますます気持ちが萎えましたが、次第に怒りに変わりました。

怒りはエネルギーがないと出てこないから、まだ闘う気力はありそうです。

中断の最大の理由は、前回のブログの《フリーターや契約社員 正社員化促進見送り》です。そしてさらに追い討ちをかけたのが12月9日付けの記事です。

「厚労省が労働契約法制の最終報告案を労働政策審議会に提出した」というものです。

記事では最終報告案とありますが、今月は21日にも審議会はある予定です。最終とあるのは、「21日に審議しても何ら変化ありませんよ」という含みなのかしら

教育基本法改定もタウンミーティング直後に衆議院で採決したし、均等法改定に対するパブリックオピニオン締め切りの翌日に、厚労省から均等法の指針と省令の最終報告書が提出されようとしたから、これが常套手段なのでしょうね。

均等法のときは、私も審議会を傍聴したりロビー活動をしたりで、状況を少しは把握していましたから、ロビー活動をした女性団体の努力と国会での法案の採択とがどのように結びついていくかを目の当たりにすることができました。

今回の労働契約法制については、間接的に情報を得ることしか今のところできていませんから、余計に腹立たしさだけが募り、また無力感に襲われます。内容は今まで労働側が懸念してきたことがしっかりと実現しそうな、そんな内容です。

いかに厚労省が使用者側の意図と異なる法案を出したとしても、結局それは通過のパフォーマンスに過ぎず、圧倒的与党多数の前に、使用者側に立った内容に変更されていくことでしょう。

 

記事から簡単にその内容を紹介しますが、今までこのブログで紹介してきたことと同じです。

ホワイトカラー・エグゼンプション導入を明示。ただし年収基準は示さず。(明示ということは実施ということね。)

残業代の割増率は、引き上げという方針を示したが、数値の明記を見送った。(現在日本は25%の割増。EUは50)

契約社員など期限付き労働者について、契約期間を規制したり正社員化を促したりする条項が、経営者の反対で見送られた。

解雇の金銭的解決は、使用者側で大企業と中小企業との間で解決金の金額の調整がつかず見送られた。(これに関しては労働側は別な考えで反対)

 

話は変わりますが、名古屋の友人の勉強会に行ってきました。まだ始まったばかりですが、こういう小さな自前の学習会を作って、お互いの職場の情報交換をしたり、働き方の疑問を話し合ったりすることは、ご飯を食べたり眠ったりするのと同じ様に明日への活力になると思いました。

また、相手が見えないブログの短所を補う方法でもあると思いました。

メンバーには、公立保育園の臨時雇用の保育士の女性が2人参加しておられました。保育園の職員は各保育園では人数も少なく、まして臨時職員は横とのつながりが得られない状況のなかで、彼女たちは組合を作り、年休や時給について市と交渉をしてきたそうです。

10年以上も臨時で雇用するということ自体が許されるのでしょうかね。

 

また保育園の状況についても話していただきましたが、まさしく保育園の子どもたちに、大人の抱えている問題が濃縮してのしかかっているようです。

会話の中で、「保育園で熱を出した子どものお迎えに親がなかなか来ない」というのがありました。待ちきれなくなった園長が子どもを病院へ連れて走ることもあったとか。私も相当昔に、すぐに終れない仕事と子どもの病気の間で葛藤したことがあったし、若い同僚が保育園からの電話を前に困っていることも多く見てきましたから、保育園と親の立場の両方が分かります。(私も同僚も正規雇用でした)

 

「保育園が病院へ行ったら駄目ですよ。親に迎えに来させないと」という他のメンバーの発言は正論であるけれど、「そうそう」と全面同意はできませんでした。

現に昨晩のNHKの番組で「子どもの病気で休んだことを理由に解雇された」という母親の姿がありました。

 

均等法に「ライフ&ワークバランス」の文言を入れるようにとの要望に対して、「均等法にはなじまないから」という厚労省の回答でした。ちなみに日本語「仕事と家庭の両立」は『育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律』にありますので、書いておきます。法律にこの文言があることと、昨晩の番組とのなんと整合性のないことよ。

《第1章総則 目的 第1条

この法律は、育児休業及び介護休業に関する制度並びに子の看護休暇に関する制度を設けるとともに、子の養育及び家族の介護を容易にするため勤務時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めるほか、子の養育又は家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること等により、子の養育又は家族の介護を行う労働者等の雇用の継続及び再就職の促進を図り、もってこれらの者の職業生活と家庭生活との両立に寄与することを通じて、これらの者の福祉の増進を図り、あわせて経済及び社会の発展に資することを目的とする。》

 

番組に出ていた女性の雇用主はこの法律を知らなかったのでしょうか、彼女も

彼女が子どもの病気を理由に解雇されたときの雇用形態が番組では分かりませでしたが、多分ずっとパートのような感じでした。

連合のパート・ネット・ファーラムで検索したら次のようなQ&Aがありました。

 《有給休暇》【労働基準法第39条】

Q:子どもの学校の都合で休むことがあるのですが、その時はお給料が出ません。「パートには有給休暇はない」と会社からは言われています。

A:パートタイム労働者にも有給休暇はあります。(ただし、とれない場合もあります。)

パートタイム労働者にも、フルタイム労働者と同じように有給休暇をとる権利があります。けれども、パートタイム労働者は1日に働く時間、1週間に働く日、それぞれ短いため、法律上はその特徴に応じた日数付与となっています。表にまとめると、次のようになります。

(あとは自分で検索してみてください。

http://www.jtuc-rengo.or.jp/roudou/koyou/part/index.html

この問題点はなんでしょうか。それは労使ともに法律を知らないということと(使用者は知っていると思うけれど?)、労働者はそれを使うことができないということです。(どこへ相談したらいいかも分からない。)

 

今回の均等法改定に、私としてはカネも時間も使い、ずっと以前から運動している女性たちはもっと使い、取り組んできました。

残念ながら省令や附帯決議に、かすかに影響したかなという感じですが、ではこの改定された均等法はどのようして企業側に伝達されるのでしょうか。

厚労省から各地の労働基準監督署へ、労基署は地元の企業を集めて説明会と、私は考えていたのです。

龍大の労働法の教授によれば、企業が何かの集まりをするときに、「ちょっとお時間をいただけませんでしょうか」と低姿勢のお邪魔虫状態で短時間の説明をするのだそうです。

大企業は体面も情報網もありますからそれなりに一応の対策とか企業間で相談をするでしょう。

でも、中小企業はもしかしたらこのような会議に出席しないかもしれない、業界新聞で知ることができるかもしれないが、労働者側の権利になるようなことを進んで実行するとは思えない。

 

全国に労働基準監督官が3千人とか。

(検索しましたが分かりませんでした。伝聞3千人です。それにしても労働基準監督官の採用倍率はすごい)

この監督官が国内の企業を回ると、一企業当たり30年に1回の割合になるのだそうです。労働者が目覚めない限り、企業は遣りたい放題が現実ですね。

アメリカは1〜2年に1回、企業に入るだけの監督官の数が確保されているTVで言っていた記憶があります。

法律ができても、その後がどうなっているのかを知らなければなりませんね。やっぱり労働者は賢くなければ。

というわけでこの名古屋の勉強会はいろんな可能性を示唆してくれました。

最後に、NHKや新聞社等のマスメディアに「あの番組、記事はよかった」と大いに誉めたコメントを入れると、それが記者を励ますし、視聴率等を気にするマスメディアの経営者への刺激になるとのことです。

ともすれば苦情を言う方が先に立ちますが、電話でもFAXでも「誉める」一報をいれることが力を持つと某新聞記者が話していました。

 

「誉められるような番組や記事をお願いね。」と、またまたクレームを付けて終るところが、教師の悪癖から抜けだしていない証拠ですね。

では今日はここまで。

非正規労働者へ、密かに進む労働ビッグバン

夜中にブログを書いて、眠気が襲ってきたので中断して寝てしまいました。ブルーが昨晩書いた部分です。

 

今朝新聞を見てびっくり。怒りで眠気も吹っ飛んだ。

一紙しか購読していないので、インターネットで読売、毎日、京都新聞を検索してみたが、危機感を持った見出しは朝日新聞だけのようだった。

 

見出しは「派遣労働者 正社員化の義務 撤廃検討」内容は《「労働ビッグバン」として、一定期間後正社員化することを前提としている現在の派遣労働者のあり方を見直す方向で検討に入った。》とある。

 

他紙の見出しは「労働ビッグバン」で、これでは何のことか分からないし、現に派遣で働いている人も見落としてしまう。

余談ですが、見出しの付け方、記事の紙面への配置等、記者の考えが如実に出る仕事だと、かってその仕事をしていた人から聞いたことがあります。

 

朝日の記事には、さらに続けて、政府の経済財政諮問会議にこの会議の議員である国際基督教大学教授八代尚宏や御手洗富士夫日経連会長ら民間議員4人が、「労働ビッグバンと再チャレンジ支援」と題する文章を提出したとある。

御手洗さんはキャノンの会長です。(私が使っているカメラもプリンターもキャノンです。複雑な気持ち)

 

2006426日のブログで[住友化学で多くの派遣社員が正社員になります]にキャノンが登場します。ブログの一端を以下にコピーします。詳しくはブログを再読してください。
 

[キャノンが30代の女性派遣労働者を労働者派遣法で定められた期間を超えて10年以上雇用したとして、東京、神奈川労働局から管理体制を見直すよう行政指導を受けていた。派遣法では、事務作業など「一般業務」で働く派遣労働者を最長3年を超えて受け入れる場合、派遣企業はその労働者に対し直接雇用するよう申し入れをしなければならない。この女性は「OA機器の操作」などの「専門業務」に従事する契約を結んだ。専門業務は派遣期間に制限はないが、この女性の実態は正社員を補佐する一般業務が多かった。結局キャノンはこの女性を正社員として採用した。]

 

相当これが頭にカチンと来たのですかね、御手洗さんは。

 

この記事を読んだ住友化学のYさんは、自分が勤務している会社にも多くの派遣労働者が長年にわたって働いていることに気付きます。彼女の告発で会社は3年以上の派遣社員を全員正社員として採用したのでした。会社は、派遣ではスキルが伝承されないから、仕事に精通した熟練労働者を求めているとのコメントを述べています。

 

今朝の記事に戻ってみると、「規制、逆に解雇招く」と見出しが続きます。

派遣労働者で仕事が支障なく運ぶのなら、そして正社員にしたくないのなら、3年が来るまでに会社はなんやかやと理由を付けて、再雇用の契約をしなければいいのです。現に多くの企業がそうしているではありませんか。

記事にも「製造業で働く派遣労働者は1年以上たてば企業側に直接雇用の申し込み義務が生じるが、ある大手自動車メーカーは、1年が近づくと「クーリングオフ」と称して、いったん期間工に切り替え、3ヶ月たてばまた派遣に戻す脱法行為を繰り返していた」という例を挙げています。

 

期間満了でめでたく正社員になったなどと、住友化学以外まず聞いたことがありません。

 

記事にあるように、3年で正社員にするという規制が邪魔なのは、3年以上、もっと長く派遣労働者のままで働いてもらいたいからなのです。この点では、企業は熟練した労働者が欲しいということになります。長く勤めてほしい、でも正社員にしたくない、この本音がありありと見えます。

労働力は商品ではありません。この服が気に入らなくなったから、次に買い換えるという訳にはいかないのです。残念ながら、資本主義の行き着くところが、こういう人間の扱い方であるとすれば、人間の英知はたいしたことないと思いますね。

 

記事の見出しは「不安定な生活・まるで商品のよう」「ずっと派遣、人間くさる」と続きます。でも正社員なら安泰かといえばそうではありません。今審議中の労働契約法制には、「解雇の金銭的解決」が審議されています。(2006.08.2609.07のブログを見てください)

 

ここからが夜中の分です。

なんやかんやと忙しかったということもありますが、暗いニュースばかりで気力が萎えていたのもあります。このブログは労働に関係する問題を取り上げていますが、時には他のことにも発言するべきではないかとも思ったりしています。でもそうすると、話題が多岐になり収拾つかなくなって脱線したままという可能性が大なので、我慢して労働問題に限定しています。

授業を思い出して、さもありなんと合点している人もいるかも。

「戦争をなぜ止めることができなかったのか」と疑問を持ちますよね。防衛庁が省になり、教育基本法も改定され、国民投票法も成立し、憲法も改定され、「あなたはその時何をしていたの」と、後世の人に聞かれたら、「戦争をなぜ止められなかったの」と問う今の私がそこにあることになります。

様々な現象の根は同じところにあり、今の日本のあり様は、労働問題に顕著に現れています。

 

京ガス訴訟(2006.03.1503.25のブログ)の鑑定意見書を書かれた昭和女子大の森ます美教授のお話を聞く機会がありました。題は「同一価値労働・同一賃金」です。京ガスのブログでも同一価値労働・同一賃金について書いています。ワークシェアリングとこの同一価値労働・同一賃金(ペイ・エクイティ)が、これからの労働問題を考える上での重要な視点になると私はずっと考えてきました。特にペイ・エクイティは男女や正規・非正規労働者の賃金格差を解決する労働者側の宝刀であるとね。

しかし、森教授によれば、総合スーパーなどでは、販売員の仕事に対してペイ・エクイティ概念がとっくに導入されており、それは正規労働者を非正規労働者にすることに使われている。同じ販売の仕事をしているのなら、非正規を正規にするように作用するのではない。正規労働者の賃金は下がり、非正規労働者はちょっぴり上がる、賃金全体では縮小されたということになります。

労働者を守るはずの宝刀は、労働者を斬る方に変化したということです。

非正規労働者の賃金で自立した生活をすることができるのはごく一部の人です。宝刀が本来の意味を失って、正規労働者が非正規になるのに使われるのなら、「賃金は最低でも1500円くらいにはしてもらわないと」と龍谷大学の労働法の教授は話しておられました。教授は非正規の人のインターネット相談を開設しておられます。1500円というところに、非正規労働者の大部分の切実な状況が現れていますよね。

この観点でいえば、前回に紹介したワールドの5000人の正社員化はすごいことですね。

 

2日続けてパート労働の記事がありました。まだ詳細を理解していませんので、紹介程度にとどめますが、宝刀といい、このニュースといい、政治情勢といい、絶望の方が大きいですね。

 

でも、自分でできることから始めている人がいます。以前にブログで紹介した女性です(2006.02.20のブログ)。彼女は、大手銀行で26年間パートで働いています。係長と組んで、重要な仕事をこなしています。まさしくぺイ・エクイティの働き方なのです。

その彼女が勉強会を始めました。

 

今審議中のホワイトカラー・エグゼンプションでは、労働者一人ひとりが会社と契約を結ぶことになります。労働組合の加入率が20%を割り込んだ今、自分を守るために、まずは労働者の権利を学ぼうと自宅を開放したのです。明日名古屋でその学習会があるので、私も参加してきます。

絶望していても何も生まれないから、行動をする人から元気を貰ってきます。

 

では新聞記事の紹介です。

 

ここからがまた今日書いたものになりますが、昨晩の睡魔のなかで、記事について書くつもりでしたが、今日は見出しだけにします。

『パート法改正案 待遇「正社員と均衡 厚労省事業主の責務に』2006.11.24

『フリーターや契約社員 正社員化促進見送り 労働契約法の素案から削除 経済会に配慮』2006.11.25

 

では今日はここまで。

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