嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2007年03月

ユニクロの正社員化と改正均等法4月スタートに伴う電話相談

ブログの最後に電話相談に関することがありますので最後までお付き合いください。

 

さて今度はユニクロがパート従業員5,000人を2年間で正社員にするというニュースが流れました。TVでは柳井社長が「優秀なパートの人が他社の正社員に引き抜かれていく」と発言しておられましたが、多分地域差があるでしょうね。大津辺りではそこまで人材不足ではないですから。

 

ユニクのHPでは、次のように出ていました。

《株式会社ユニクロは、20074月1日より「地域限定正社員制度」の運用を開始いたします。この制度はユニクロの店舗に勤務する非正社員である契約社員(契約期間1年の有期雇用、時給契約の社員)及び準社員(契約期間6ヶ月の有期雇用、時給契約の社員)を対象に、勤務地域を限定する正社員として、契約変更を進めるものです。

 

【導入の背景】 現状、ユニクロの店舗で働く正社員は、全国を対象とした転勤を前提としておりました。そのため、優秀でありながら、制度上は正社員として雇用できなかった人材に活躍の場を作ることは、かねてよりの課題でありました。また、大型店を軸にした積極的な出店戦略を展開していく中で、人材の不足感は、今後より顕著になってくる事が予想され、人材の確保と育成の必要性も高まっておりました。》

 

以前にアパレルメーカー「ワールド」がパート従業員を子会社の正社員にしたことを書きましたが、ワールドよりもユニクロの店頭で働いている人の方がずっと若いですね。ユニクロには結構年配の方も買い物をしておられます。またベビー用品もあるから、ユニクロを利用している人は若者だけではないはずです。

 

この制度が真に働く女性の味方になるかはやはり「生活と仕事の調和」にかかっているでしょう。今働いている人が正社員になって、いずれは結婚し子育てをしつつ働き続けることができるか、言い換えれば10年もすれば中年の社員が店頭で対応しているかどうかということですね。こうなればユニクロの人材活用は本物だと言えるでしょう。

常に店員さんの年齢に注意をしましょう。

 

夜遅くまで、また土・日・祝祭日に勤務するような職種の人は、例えば女性労働の先駆的な北欧ではどのような制度で働いているのでしょうか。一度調べる価値はありそうですね。

 

人件費÷資本のような計算で考えると、徹底的に安い人件費で労働者を働かせているのはむしろ大手企業の方かもしれません。

 

前回の暉峻さんの講演の言葉を借りるなら、「日本の経営者は能力がない。賃上げ要求に対して、グローバル化に負ける・負けると言うが、日本ほど労働者を大切にしないで負けるのなら、それはよほど経営者が無能で無知なのだ。」

 

さて、ドイツの失業対策を調べましたが、とても難しい。ドイツも失業者は多く、今までの手厚い社会保障の見直し政策をとっています。ドイツに暮らしている人も「よく分からない」と言ってましたが、特に日本と異なる点についてまとめてみました。

 

失業保険制度において、今まで失業給付の期間が満了した人に対して給付していた失業扶助を廃止し、新たに失業給付兇200511日から発足した。これをハルツ庫,箸いΑ従来は、紹介された会社のある場所に図書館がないとか、以前より賃金が少ないとかの理由で拒否できたのが、失業給付兇任狼畤者は公序良俗に反しない労働は全て認容しなければならない。特に認められる理由以外にこれを拒否すれば、拒否の都度給付の30(月額約14000)3ヶ月間減額となる。即ち3回斡旋を断るともらえなくなる。しかし、25歳未満の者が拒否した場合は3ヶ月間一切の現金給付をしないという処分を受ける。が、この間の住居手当および暖房費は休職者の賃貸人に直接支払われ、相談などのサービスは受けることができる。

 

特に私が注目するのは、求職者に職業紹介をするケースマネージャーが個々の求職者に付いて職業紹介を行い、特に若年求職者は、求人紹介に係る請求権を有することです。

 

では最初に紹介した「電話相談」についてです。

 

早や来月は4月。4月から改正均等法がスタートします。審議会傍聴やら院内集会やら、均等法が改定されるまでの経過と、今回の均等法の問題点を何度も書いてきましたが、いよいよこの法律が施行されるのです。

 

もう一度簡単にまとめます。

CEDAW(国連女性差別撤廃委員会)の勧告を受けて、日本で初めて「間接差別」が明記されました。しかしたったの3例しか認められませんでした。その3例とは

身長と体重…業務に必要がないのに募集や採用で一定の身長・体重を要件としたため女性の多くが不利になる場合。

全国転勤…幹部としての能力の育成に転勤が不可欠といった合理的理由がないのに、総合職の募集・採用で全国転勤を要件としたため女性の多く不利になる場合。

転勤経験…業務に関係がないのに、転居を伴う転勤経験がなければ昇進しないという要件を入れたため女性の多くが不利になる場合。

 

この3例以外にも、例えば家族手当の所帯主要件や正社員やパート労働者の処遇の違いなど、間接差別に当たるものが沢山あります。

 

女性たちの切実な声は法律には反映されませんでしたが、以下のことが国会で附帯決議されました。

 

5年を待たずに追加見直しをはかる。そのために男女差別の実態把握や要因分析の検討をすすめる。

雇用均等室において上記3例以外の間接差別の相談や訴えにも対応する。(滋賀県労働局の所在地:大津市梅林1丁目3-10滋賀ビル5階)

男女の賃金格差是正のためにILO100号条約(同一価値労働・同一賃金)の積極的推進をはかる。

 

この附帯決議を実効あるものにするのは、働く人たちです。そこで4月からスタートの改正均等法に関連して「発見しよう!あなたのまわりの間接差別」というテーマで電話相談をワーキング・ウィメンズ・ネットワーク(WWNhttp://www.ne.jp/asahi/wwn/wwin/)が行います。

以下WWNのパンフレットから引用します。

 

あなたの職場で、おかしいと思うこと、腹がたつこと、困っていること。娘さんやお友だちのことでも、お気軽にお電話ください。法的なご相談については、後日弁護士より回答いたします。間接差別で調停や裁判をする方には、費用の一部を「住友メーカー裁判基金」よりサポートします。

 

 06−6941−8700  

 06−4793−0810   

 06−4793−0811  

日時:4月2日()〜4日()お昼12時〜夜8

 

お役に立てればいいのですが。では今日はここまで。

「続きを読む」もよろしく。

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「起立・礼」と「少子化問題」と「暉峻淑子さんの話」

さて、今日は前回の続きからです。

 

一番目の話題はTVでも盛んに報道されていましが、中川自民党幹事長が講演で「閣議に首相が入ってきても、起立、礼をしない、私語をする大臣がいる」と指摘したとか(2007.02.20朝日)。私の感想は「どこかずれている」です。中川幹事長はどういう意味でこの発言をしたのでしょうか。首相への忠誠心は起立・礼の度合いで計るのでしょうか。起立、礼をしなくても、実りある「美しい国づくり」の会議は進むでしょうにね。

 

余談ですが、私は授業時間がもったいないので、ある時期から起立も礼もしなくなりましたが、しなくても、しても授業は変わりませんでした。「なんにために起立、礼をするか」と生徒に聞かれたときは、試合の前の「気合」のようなものだと答えていましたが、ホントのところは分かっていませんでした。

 

二つ目、少子化問題について。出生率が1.30になったとか。これは景気が上向いてきて、結婚する人が増えてきたこと、若い世代の生活が安定しつつあること(厚労省)とか、朝刊でもニュースでも言ってました。ホントそうなんでしょうかね。数字から読み取るのは難しいけれど、政府の掛け声に答えたというのでは絶対ないでしょう。

 

知ってました?

太平洋戦争突入の前の19411月。政府は「人口政策確立要綱」を閣議決定しました。「高度国防国家に於ける兵力及び労力」を確保するため、結婚年齢を現状より3歳若くし、「1夫婦の出生数平均5児」とする目標を掲げたとか。要は戦争をするための兵隊と、それを支える労働力が必要だから、もっと子どもを産んでもらいたいということです。「このままでは将来の労働力不足が心配」という論調と同じでしょう。

 

ちょっと文章が難しいけれど、もう少し引用します。「母性の国家的使命を認識しめる」「個人を基礎とする世界観を廃し国と民族を基礎とする世界観の確立、徹底を図る」。(2007.02.20朝日)

 

女性は家庭にあって、育児・介護の担い手であることが本来の生き方であるというようなことを政府が言い出したときは要注意です。女性も男性も生き方は個人が選ぶものです。

おすぎさんのコメントは、柳沢発言はどこにでもあるということでしょうね。

 

話は変わりますが、先日埼玉大学名誉教授の暉峻淑子(てるおかいつこ)さんの話を聞く機会がありました。暉峻さんは1928年生まれ、「豊かさとは何か」「豊かさの条件」(岩波書店)の著者です。

何年か前に聞いた暉峻さんの理知的で爽やかな語り口、分かりやすく説得力がある講演をとても楽しみにしていました。今回は「おや、暉峻さんも歳をとられたのかな?」と思うほど、元気がありませんでした。でも段々と聞いている内に、それは暉峻さんが日本の現状にかなり絶望しておられるからだと分かってきました。

 

題は「格差社会をどう越えるか〜働き方・働かされ方の視点から〜」です。

 

暉峻さんは

『労働がなければ社会は存続できない。労働は社会の根幹である。労働の世界が崩れるとき、社会も崩れる。資本主義の目標は無限の利潤獲得である。これに対し、生活している者は、人権、福祉、環境の質を高めて、人間的な豊かさを実現することが目標である』

 

『今春闘で賃上げを要求している。要求することは必要である。しかし、そのカネで子どもを塾にやり、子どもを競争社会に放り込むのなら、カネ、カネと言って利潤追求に走る資本家と同じ論理になる。何ために賃上げをするのか、その賃上げのカネでどういう生活をしたいのかという哲学が労働者に欠けている』

 

『戦争中は命が軽んじられた時代であった。それが今言葉を変えて[企業のために]の時代になってきている。財界は財界の欲しい人材を学校教育で作るように求めている。結果的に賃上げのカネでそのような教育を受けさせ、企業の望む人材育成に手を貸している。[〜のための時代]から[自分自身のための人生を]を労働者は考えなければいけない』

 

70%以上の企業が法人税を払っていない。規制緩和の旗振り役のオリックスの宮内義彦氏がどれだけこの規制緩和で儲けたか。トヨタは消費税を一円たりとも払っていない、松下やキャノンの偽装請負等このような状況を許しているのは労働者自身である。』と聴衆(大多数は労働者)に耳の痛い話が続きました。

 

暉峻さんの声が元気になるのは、ドイツの労働政策を語られるときだと途中で気が付きました。「失業保険1・2」の制度が格差社会の底辺を支えていることの例は、暉峻さんの話は概略だったので、調べてみて分かれば次回に書きます。

では今日はここまで。

続きを読むもよろしく。

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