嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2007年05月

《改正パート労働法参議院で採択される》

改正パート労働法が525日ついに参議院で与党の賛成多数で可決・成立しました。最悪の法律です。以前から書いているように、正規労働者と差別をしてはいけないパート労働者は、ほんのたった1%とか。これを読んでいる人は、「あれっ、私の周りには一杯いるよ。どうしてこんない少ないの」と疑問を持つでしょうね。

正社員と同じ仕事内容。

正社員並みの配置転換がある。

期間の定めのない雇用。

この3条件を満たす人が1%ということです。名古屋銀行の坂さんのように、毎年更新を繰り返して28年間パートで働いている人でも、それが「期間の定めのない雇用」かどうかの判断は使用者側がするのです。これでは、誰のためのパート労働法か分かりません。1986年に施行された「男女雇用機会均等法」の成立までに、使用者側と労働者側、それも女性の労働者代表と厚労省の官僚との3者の間に激しい論争というか、駆け引きがありました。女性たちはあまりのザル法に悔し涙を呑みながら法案を受け入れました。それはザル法であっても、「ないよりはまし」。これを手がかりに一歩でも前進しようという決意の結果でした。それから20年。日本の女性の働き方、男性の働き方は、先進国の中で相変わらず最低ですが、ようやく限定列挙ながら間接差別の文言を入れるところまで来ました。しかし、今回のパート労働法はそういう、人の好い甘い視点をもってしても評価できません。この改正パート労働は、実に訳の分からない前提があって、正社員並の労働時間を働いているパート労働者は、この法律の適用対象外だったのが、附帯決議に辛うじて一項入りました。以下私が気になった附帯決議の概略です。詳しくは参議院HPの[議案・請願・質問]の附帯決議を見てください。ただし、まだ出ていませんが

http://www.sangiin.go.jp/

 

附帯決議

同法の適用対象外のフルタイムパートについても、法律の趣旨が考慮されるべきことを広く周知し、都道府県労働局において相談に適切に対応する。

 

正社員の勤務条件について、本法を契機として合理的理由のない一方的な不利益を行うことは法的に許されない。

(正社員を辞めさせて、派遣とかパートに置き換えようとしている企業が多くなってきていることに対しての一項です。先日の労働ダンピングの著者中野麻美弁護士の講演のあとに、退職に追い込むためにいじめを受けている正社員の方からの報告がありました。中年女性がターゲットになっています。)

 

長時間労働が常態化している男性労働者の働き方の見直しを含め、短時間労働者と通常の労働者の双方において、仕事と生活の調和の実現に向け、仕事と家庭の両立がしやすい職場環境の整備を進めること。

(ホンキで言っているのかしら。もう一方でホワイトカラーエグゼンプションも画策しているのにね。この働き方については次回も継続していきます。)

 

《正社員化で連帯感生むーワールドの社長語る》

パート労働法で書いたことと逆なことをやってのけたワールドのその後談が出ていました。(07.05.24朝日)

[約5000人のパート販売員を昨年4月に正社員化したアパレル大手、ワールドの寺井秀蔵社長は、「販売員に連帯感、責任感が生まれ、活気も出てきた」と話す。新卒者分を含めて人件費は22億円膨らんだが、073月期の連結業績は、売上高、営業利益ともに過去最高を達成。『やってよかった、といのが実感です』]

詳しくは2007年1月9日のブログを見てください。

 

自衛隊の現職女性隊員のセクシュアル・ハラスメント訴訟の後日談》

代理人弁護士からの訴えです。
《昨日は提訴のために有給をとっていた彼女ですが、今朝出勤したときに、勤務場所を現在の本部の庶務から、庁舎内で「奥」とか「倉庫」といわれている6畳ほどの何もない部屋に行けと命令されたと、今朝8時頃、泣きながら電話が入りました。しかも、その理由が「お前は部隊の業務を滞らせているから」と言われたとのこと。彼女は、それまできちんと仕事をしていて文句一つ言われたことはないし、昨日は年休を取り、外出許可をもらって出ているのだから、「業務ができていない」と言うのは濡れ衣と怒り心頭。なぜ配置換えか上司に理由を問い質し記録すること、弁護団も対応するから落ち着いて行動すること、提訴のコメントで「現職で裁判を行なうことがどれだけ難しく、また、どれだけ大変かは理解しているつもりです」と啖呵を切ったのだから頑張れ、とアドバイスしたところです。》

 

《改正均等法での、セクシュアル・ハラスメント》

改正均等法以前の均等法:

事業主はセクシュアルハラスメントによって女性の働く環境が害されることのないように、雇用管理上必要な配慮を義務がある。

 

改正均等法

事業主は、労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備や、その他の雇用管理上の措置を講じる義務を負う。

 

厚労大臣は是正勧告に応じない場合の企業名を公表することができる。

 

詳しくは次のURLにアクセスすると、セクシュアルハラスメント対策に取り組む事業主の方へという項目があります。http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/kaiseidanjo/index.html

 

今回の改正均等法でも「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」(平成18年厚労省告示第615)はありますが、なんか納得できないのですね。

 

「セクハラを受けた労働者の取るべき指針」のような、直接に被害を被る労働者に対して直接書いたものはないのですかね。事業主まかせは、結局有名無実だと思いません?サービス残業代に代表されるような労働者の現状を思うと疑問を持たざるを得ません。ヨーロッパの法律の書き方はどうなっているのでしょうか。知ってる方がありましたら、教えてください。

 

パート労働法でも、均等法でも、労働者が使わなかったら何の意味もありませんね。自衛官のセクシュアルハラスメントの訴訟に対する上官の対応は、全く改正均等法を理解していない結果です。時間がたてばたつほど立証が難しくなるのがセクハラです。心当たりがある人は、解決に向けてすぐに動いてください。まずは均等室へ(大津駅前 滋賀ビル 077-523-1190)もしくはこのブログのコメントへ(名前、アドレス公表されません。)

 

では今日はここまで。続きを読むもよろしく。

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先日朝9時半頃京都御池地下鉄のホームで卒業生に出会いました。私は電車から降りたところで、彼は乗るところでした。短い再開でした。

「遅い出勤やね」「もう市役所で一仕事済ませてきたんです」「忙しいの」「はい。毎晩10時か11時頃家に帰ります」「体気つけや」。

ざっとこんな会話でした。彼は、私がこのブログを始めるきっかけになった調査対象の学年の人です。「先生、なんで女子だけに調査するんですか。男子もたいへんなんやで」「ごめん。女性労働で私の手は一杯なんや」という同窓会会場でのやりとりもありましたが、ホント男性もタイヘン。

 

さて、今日はブログの内容に入る前に2つ連絡をします。

このブログの左下のリンク先にACW2があります。ACW2については、今年の1月26日を見てください。

5月7日から16日まで、電話相談が行われています。フリーダイアルと、各紙やNHKでも報道されたこともあり、連日電話が鳴り止まない状態だそうです。さらに電話回線を増やして対応するそうなので、職場での疑問や悩みを相談してみてください。

0120−787−956 600pm〜9:00pm

日頃、疑問や悩みがあってもどこに相談したらいいのか分からないというのが殆どの人の状況ではないでしょうか。ACW2は労働組合でも、政党でもない、個人参加の女性が集まって作った女性のための組織です。

 

次にACW2加入への案内です。私は発足時に会員となりました。全国に会員は散らばっているので、一堂に集まったのは設立総会のときだけでした。だから滋賀県に会員が何人いるか分かりません。多分少ないでしょう。そこで今回、京都と滋賀の会員で、交流会を発足させました。京都のACW2の会員の活動が活発なので、その仲間に入れてもらいました。早速6月21日に「職務評価」の学習会をします。これについては、詳細が分かり次第、ブログで紹介します。

個人参加のACW2の会費は年1000円です。この会費で全国を対象にしているのですから、現在の主たる活動内容は情報提供です。1000円払ったから、問題を解決してもらえるなんて考えないでくださいね。そのへんはACW2にアクセスしてご自身で考えてください。政治の中心が東京だから、どうしても活動は東京中心になります。例えば院内集会だとか、審議会傍聴だとか。東京のメンバーは何かと動きやすいのですが、その分全国のメンバーの代表として動いているという負担もあります。あくまでも手弁当で、ホント頭が下がります。今の私は、ACW2から様々な情報を得ています。全国の女性の労働の現状がよく分かります。勇気を貰ったり、憤慨したりです。ACW2にアクセスして、入会フォームをクリックしてください。

 

さて今日の学習はセクシュアル・ハラスメントについてです。

卒業生への調査設問13は、「 働いているとき、女性だから不利だとか差別を感じたのはどのようなときですか。」というものでした。

代表的な記述は次の通りです。

女性では話にならないから、男性を出すように言われた時。同じ事を言っても、男性だと納得する人を見た時。

離婚時に姓名を変えた時、日頃交流のない人にまで興味本位に詮索され、こういう時だけ親切にする男性社員がいやで辞めた。

 昇給・賞与の査定の矛盾。制服(男性は背広)女性はハイヒール(男性はつっかけ)

 お茶当番掃除当番が女性のみ

どれだけがんばっても昇給や地位の向上がない。

産休明けに事務職から現場仕事へ変わらされたとき。

子どものことで妻が仕事を休むのは当たり前、休めないなら辞めろと夫に言われたこと

結婚が決まった時・結婚した時に退職するものと決めてかかる会社・社会の体質。

能力があったとしても同等に評価されず、昇給が男性とまったく違う。子どもが伝染病で何度も休まざるを得なかった時、「子どもがかわいそう。家庭に入ったら」と遠まわしに上司から辞めるよう言われた。

職場結婚の場合、女性が配置変えされる。昇給試験は行われていたが、実際は女性が受ける順番は後回しにされる。

会社の飲み会の後、夜中3時・4時に終わり「女の子だからちゃんと出勤するように」言われた。男性は皆遅刻だった。昼食時、男性は外食できるが、私だけは机で食べながら「電話番・接客」しながらの、落ち着かない食事。

長く働いていると、男性と同じように責任は大きくなってくるが、昇給は少なく、肩書きはいつまで経ってももらえない。

指導していた専門学校卒業の4年後輩の男性社員に3年目には給与が抜かれた

飲食時にお酌やコンパニオンまがいの事を強いられる時。

職場は男女平等だが、社会はまだまだ男社会。取引先へ行っても、男性同士なら雑談も、仕事の内でも男性対女性だと色眼鏡で見られることもある。

子どもの病気で会社を休んだ時の上司の厭味。

同じ内容の仕事で、時給が男性の6〜7割しかもらえない。

女性社員の努力により出た結果でも、上司又は男性だけが出世する

 

ハラスメントにはセクシュアル・ハラスメントパワーハラスメントモラルハラスメント等があります。定義は識者によって若干異なりますので、自分で検索してみてください。

フランスでは、2002年に労働法のなかにモラルハラスメントに関する条項が付け加えられました。ここでも日本の労働者を守る法律の整備の遅れがよく分かります。

 

今年4月施行の改正均等法にてらして、考えてみましょう。その前に、次のような訴訟が起こされましたので紹介します

「女性自衛官人権訴訟」
わいせつ被害の空自女性隊員 国に1100万円賠償請求 札幌地裁 北海道新聞(59)より

同僚男性からわいせつ行為をされ、被害を相談した上司から逆に退職を強要されたとして、道内の航空自衛隊の部隊に所属する女性隊員(21)が8日、国を相手取り、約1100万円の損害賠償を求める訴えを札幌地裁に起こした。原告代理人の弁護士によると、現職自衛隊員が国を訴えるのは異例という。訴えによると、この女性は昨年9月、勤務中に泥酔していた同僚男性(32)から基地内で押し倒され、無理やり体を触られるなどした。女性は上司数人に相談したが「退職願に(印鑑を)押せよ」「ここまでこじれたら、自衛隊ではやっていけないんだよ」などと、逆に約半年間にわたって嫌がらせを受け続けた。女性は上司に男性の退職か転勤を求めたが、基地側が適切な措置を取らず、長期にわたり精神的苦痛を受けたとしている。女性の父親(48)は提訴後、札幌市内で記者会見し、「私は加害者や上司を許すことができません。被害者が泣き寝入りする現状があってはならず、現職のまま闘います」と女性のコメントを代読。さらに父親は、女性から話を打ち明けられた時の心境を「本当につらかった。言葉には尽くせない」と語った。

 

同席した代理人の佐藤博文弁護士も「自衛隊には、世間では理解し難いようなハラスメント(嫌がらせ)がある。今回の訴訟は、氷山の一角にすぎない」と強調した。

これに対し、女性が勤務する基地は、警務隊が今年2月から強制わいせつの疑いで捜査していることを認めたが、退職の強要については「あったかどうかも含め、部内で調査中」と説明。訴状については「正式に受け取っていないので、コメントできない」としている》

 

 訴訟当事者(女性自衛官)の記者会見声明

本日、私は、自衛隊を相手とする国家賠償請求訴訟を起こしま した。
 
最初に申し上げたいのですが、加害者には家族があります。今 回の事件で、ご家族には何も非はありません。マスコミ関係者の皆様にお願いしたいのは、加害者の家族に迷惑をかけるような報道やインタビューは決して行なわないでほしいということです。私には、加害者のお子さんと同じ年の弟がおります。私はご家族のことを大変心配しております。ですから、ご家族に対する報道は控えるよう重ねてお願い申し上げます。私の事件は、民主主義の国において、決して許されないことです。加害者、そして部隊の上司が私に行なった数々の行為は、私の人権や女性としての尊厳を著しく踏みにじるものでした。 私は、現在21歳です。現職のまま裁判でたたかうことを決意しました。現職で裁判を行なうことがどれだけ難しく、又、どれだけ大変かは理解しているつもりです。私は加害者や上司を 許すことができませんでした。被害者に対する陰湿な嫌がらせ や、退職に追い込み、被害者が泣き寝入りする現状があってはなりません。

 私は現職のままたたかい、そして勝ちたいと思います。裁判所には、公平な裁判をお願いします。自衛隊には、事実を確認して、一刻も早く私の働く環境を整備することを強く要望します。

 今回、国家賠償請求という裁判を起こすまで大変な苦労をしました。父や北海道合同法律事務所の佐藤弁護士のサポートがあり、裁判を起こすことができました。 大変感謝しております。私は、通信制大学に通っています。事件後約8ヶ月の間、上司に陰湿な嫌がらせを受け、通信制大学に通わせないと脅されたり、一人孤立させられたりしましたが、つらくなったりした時には勉学に励みました。「働きながら学ぶという尊さ 働きながら通教生としての奮闘 働きながら大学生としての勉学 これほど美しく これほどすばらしき人生はない」。 これは、大学の月刊誌の表紙に書いてあった言葉ですが、この言葉に励まされました。

 

 私は、私の人権と女性としての尊厳を取り戻すため、国とたたかいたいと思います。3年前、自衛隊に入隊したころ、私は自衛隊に対する大きな期待と夢を持っていました。今でも私は自衛隊に期待をしております。それは、今後自衛隊が社会常識が通用する普通の組織となり、女性が安心して働ける職場になれるかどうかにかかっていると思います。 最後に、私が立ち上がることで、同じ体験をされた方に勇気と希望を与えることができればと思います。 本日は、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうござい ました。2007年5月8日   

 

セクシュアル・ハラスメントを裁判で争うのは、「非常に勇気のいる行為です」と、とてもそんな軽い言葉では表現できないほど悲壮な覚悟を必要とします。まして彼女は現職。提訴の翌日からさらに嫌がらせがエスカレートしています。その内容と、改正均等法との照らし合わせは、長くなったので、次回に。では今日はここまで。続きを読むもよろしく。

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今年のメーデーは、ついにワーキングプアーの人たちもデモに参加したと報道されていました。

 

組合の組織率は年々下がり続け、今や約18%です。今まで、そして今でも労働組合は正規雇用労働者のためのもののようですが、ワーキングプアーと呼ばれる非正規雇用労働者が個人加入の労働組合に加入して、今年のメーデーに参加したとのことです。職場は違うけれども同じ要求の下に集ったことになります。

 

メーデーの起源を知っていますか

日本では1920年5月2日に最初のメーデーが行われました。盧溝橋事件をきっかけに日中戦争が始まる1937年の前年の36年以降、メーデーは戦争中は禁止され、敗戦後の1946年に復活しました。

 

第一回のメーデーは上野公園で行われ、たった一人堺為子さんが女性として参加しましたが、原則女性の参加は認められませんでした。翌年からは51日になりました。このときは、十数名の女性(赤瀾会のメンバー:赤潤会は1921年に山川菊栄らを中心に組織された日本最初の女性社会主義者の団体)が参加しましたが、全員検挙されました。当時、メーデーに参加することは、警察に検挙されると同意語だったのですね。

 

メーデーそのものは、1886年アメリカの労働者が一日8時間労働制を要求して、デモ行進したのが起源です。当時112時間から14時間労働が当たり前でした。「第18時間は仕事のために、第28時間は休息のために、そして残りの8時間は、自分自身のために」が目標でした。

 

日本でも細井和喜蔵が女工哀史を書いていますが、その背景となった1925年当時はアメリカの1886年と同じ状況でした。

大商のある学年は修学旅行で、野麦峠を越えた彼女たちの足跡をたどりましたね。今もそう変わらない労働時間のようでもありますが

 

このようにメーデーの歴史的経過をみると、その時々の労働者の状況がよくわかります。

 

派遣社員の人が訴訟を起こしました。派遣社員である自分の契約期間を見直したところ、会社が直接雇用の申し込み義務を生じる期間以上に働いていることに気付きました。以前に小さな記事になったことがあります。彼女の名は田所さん、訴訟の相手はタイガー魔法瓶です。彼女は訴訟を起こす前に、労働局に相談に行っています。労働局は違法状態を認め、タイガー魔法瓶に是正指導をしました。ところが、タイガー魔法瓶はその一週間後、派遣会社に「契約解除」を一方的に通告し、彼女に何の連絡もせず、出勤してきた彼女を門前で拒否しました。彼女が所属した北河内合同労組が団体交渉を申し入れても応じようとしません。タイガー魔法瓶は「雇用していないから一切関係ない」との態度を続けています。彼女は今年2月、タイガー魔法瓶を相手に裁判を起こしました。このケースについては、分かり次第報告していきます。

 

次にこんな投書を見つけました。何が問題なのか、均等法のどこに抵触していると思うか、考えてください。

もし自分がこのような状態ならば、あなたはどうしますか。この人は主婦とありますから、会社を辞めたようですね。では投書を読んでみてください。

 

《私が指示していた男性社員が人事異動で上司になった。社の上層部から「彼には受験期の子と扶養の親がいて高い給与が必要。女性のあなたは譲ってください」とはっきりと言われた。さらに彼は仕事ができない管理職なので、私には自主的に今まで通り仕事をしろという指示までが。扶養家族の有無で昇進が決定され、女性の私はポストを得られない現実に憤然として、悔し涙もでなかった。52歳。朝日427日》

 

「グローバル化だ、成果主義だ、効率だ」と、どんどんリストラしていくご時勢に、扶養の有無で昇進という会社ってあるのですね。

 

今まで幾多の賃金差別を訴えた女性の裁判の判決の殆どは、「確かに賃金差別はある。これはけしからんことである。しかし、主たる生計の担い手が男性であるという社会の風潮からも女性は我慢しなさい」というものでしたね。これと同じ次元の考え方でしょうか。この会社では独身者は永久にポストを得られないということですかね。

 

さて、このケースを均等法に当てはめると、どの条項に抵触するのでしょうか。先日均等室から貰ってきたパンフレットで調べてみましょう。

今年4月から改正均等法が施行されましたので、旧と対比して書いてみます。彼女の問題は次の条項に該当します。

 

 第二章雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保

改正前

6条(配置、昇進及び教育訓練)

 事業主は、労働者の配置、昇進及び教育訓練について、労働者が女性であることを理由として、男性と差別的取扱いをしてはならない。

 

改正後

 事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。

一 労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む。)、昇進、降格及び教育訓練

二 住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置であって厚労省で定めるもの

三 労働者の職種及び雇用形態の変更

四 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新

 

めったに読む機会のない均等法だから、6条全部書いてみました。

改正前も後も、はっきりと昇進で差別をしてはいけないと書いてあります。

 

では彼女はなぜ辞めたのでしょうか。いろいろ考えられますが、まず経済的に逼迫していたら辞められません。そのときは黙って従うのか、会社に均等法を示すのか。

多分職場での日々のストレスは相当なもので、辞めた大きな要因でしょう。

 

都道府県にある均等室がどれくらいの力があるか分かりませんが、均等室の答えを聞いてみたいですね。誰か均等室へ相談に行く要件はありませんか。そのときは是非私を付き添いに指名してください。

 

法律があっても壁は高いというのが、前回と今回の学習でした。

今日はここまで。続きを読むもよろしく。

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