嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2008年01月

マクドナルドの店長は管理職ではない&悩める卒業生からのメール

1月28日、画期的な?いいえ当たり前な判決が出ました。「マクドナルドの店長は管理職か、そうでないか」

東京地裁は、「管理職としての権限を持っていない」として、原告の高野さんに残業代を支払うよう命じました。

しかし、会社側は控訴するとか。

下級審は働いている者の味方、というより庶民の感覚と同じですが、上級審に行くほどかけ離れるから、油断はできません。

昨年「ホワイトカラー・エグゼンプション」が、もう少しで法律になるところでしたが、人々の反発が強くて、結局国会で審議されませんでした。もし法案が採択されていたら、高野さんのような外食産業の店長は、管理職ではなく、では残業代がもらえるかと言えば、ホワイトカラー・エグゼンプションに組み入れられて、残業代が出ないという、最悪な状況に位置づけられていた可能性があります。

高野さんの裁判において、マクドナルド側が、裁判の進行に協力的でなかったのは、ホワイトカラー・エグゼンプションの法律を待っていたからだとも、噂されていました。

(ホワイトカラー・エグゼンプションについては、2006817日のブログを見てください。)

 

次に、株価大暴落!

鳩山弟法務大臣と鳩山兄民主党幹事長はともにそれぞれ40億円の損失を出したとか、新聞に載っていました(2008.01.22朝日夕刊)この株価暴落を受けて、経済連の御手洗氏は「賃上げ」に慎重になってきています。

 

AERA(1月28日号)に「人気企業に強い大学」という特集が組まれていて、そこに年収(年収は会社の四季報による)が出ています。最も高いのは「フジテレビジョン」の1572万円、次いでTBSの1570万円、3位が三井物産の1435万円とあります。

マスコミの現場は、結構、多くの長時間パート労働者が働いていると聞いているので、正社員は隣で働いている非正規の人の賃金をどう思っているのでしょうかね。三井物産に勤めている女性を知っていますが、全く給料は上がっていません。1/3だと思います。

 

卒業生から、メールが来ました。本人の了解を得て紹介します。彼女は、昨年の4月から中規模の会社で、嘱託として働き始めました。正社員になりたい。しかし、月末の残業は仕方ないとしても、ほぼ毎日ある1〜3時間の残業はしたくないという考えの間で、苦しんでいます。もし、会社が「正社員にする」と回答したら、さて彼女は今後どうするべきでしょうか。

以下が悩める卒業生のメールです。

             

 5・10日(ごとび)は、多数の会社が、支払いとか入金をこの日に合わせているため経理にとっては大変です。
人事担当責任者と10月頃に話してて、「正社員にして」って言ったら、「正直、年齢がなぁ。今までから考えて、うちの会社の事務系は27,8歳までやな」と言ってました。正社員、18歳から45歳まで募集って、うそやんねえ

(解説:職安の求人に18歳から45歳まで募集とあったことを彼女は言っています)

正月あけて、7日から出勤しました。7日の日に、会社の健康診断があり、子宮ガン検診を受けたら、おなかが痛くなったので、8日の日に女性上司に言ったら、「様子をみて」って言われたので、我慢していた。年末年始の入出金が多く、一言もしゃべってられない忙しさで、7日も8日も8時過ぎまで残業していたが、9日になっても体がだるく、おなかも痛くて課長(男性)に事情を説明した。
「病院に行きや」と言う一方で、この日のうちにしないといけない銀行データが夕方の4時半になってから回ってきて、やりかけたら、金額が合わない。何とかしてもらおうと思って、「回ってきたデータがおかしいです」と報告したら、「1か所ずつ調べて」ときた。(5時をまわっていた。)
仮にすぐ、違いがわかっても、違いを指摘し、データを作りなおしてもらうように依頼しても、そのデータが戻ってきて、私の処理が終わるのは何時かも見当もつかなかった。そのデータと一緒にもう1つ別のデータがついてくるので、それもしないといけない。向かいに座ってる男性社員に言ったら、「その分はすぐできるって!」と完全に知らん顔。窓際にある、財務会計ソフトの入ったPCで処理をして、6時半前に振り返ったら、その社員も、もう一人の正社員の女性も帰っていなかった。部長まで!!!結局、私と課長だけが残ってた。

さすがにきれた。11日、課長に来週早々に、「業務監査をしている部署に言う!!」と言って、仕事をほって7時に帰った。
15日も忙しくて、業務監査の部署に行く暇が無かったが、昼休みにその部署の人にぼやいたら、「仕事が残ってても、残業をせんと帰りなさい。社員が何とかしたら良いのや。嘱託や派遣の非正規雇用のメリットは時間に拘束されない以外に何も無いのに。個人の雇用契約内容を無視して、明らかに正規雇用者より賃金も低いのに、正規雇用と同じ仕事をさせるのはおかしい。」と言ってくれました。

 

次の日、課長から呼ばれて行くと、その男性職員がニコニコ顔で、「きちんと話を聞いてもらいな〜」とその席を設けてくださっておりました。そこで、私と課長で今後の(とりあえず3月末までは)業務について話し合い、遅くても6時までで帰ると宣言して、16日からは、6時までにさっさと帰っています(^^)

もし来年度から、私の要求が認められて、正社員になった時、残業しまくって、今までの状態で・・・って考えると、正直嫌です。会社のために身を粉にして!なんて馬鹿らしい。明らかに働きすぎの人だけが出世してて、他の人はやる気無しに見えます。この会社は、賃金形態が、管理職以上になると恐ろしく増える。管理職になる前に残業をしまくり、3連休のうち2日も仕事に出ているような人しか管理職になれない。が、管理職になったら、残業代がつかへんし、部下に仕事押し付けてさっさと帰る。この会社の平社員のやる気の無さは、低賃金でこき使われるのを嫌がる原因のひとつかもと思えてきました。もちろん、私が一番低賃金ですが。

        

 

では今日はここまで。悩める彼女へアドバイスをしてください。

規制改革会議第2次答申ー今も続く「ああ、野麦峠」

昨日は成人式でした。あなたは、何年前になりますか。

当時私は、市のお偉いさん方の主催するセレモニーなんかに全く魅力を感ぜず、またいろんなことにとんがっていたので、成人式には行きませんでした。その当時、結構、そういう若者が多かったのです。

何年前?だって。それはご想像にお任せします。

 

TVで見る限り、せっかく美しい着物姿が、没個性のように思いませんか。同じような髪型、白いショール。孤立することを嫌い、周りに合わせる若者像、これにもそう考えたらいいのですかね。勿体ない。

 

さて、年頭に続いて、明るいニュースはありません。税金はいったい何に使われているのでしょうか、というくらい、人間が生きていく最低限度の、いわゆるセイフティ・ネットがどんどん悪化していくという感じですね。

 

日本の経営者の考えに対して、厚労省が反論を出したので、今日はそれを紹介します。

そうそう、唯一感心したニュースを一つ。

薬害肝炎の原告達の意志の強さです。先日ある会合で、「薬害肝炎の女性たちの一貫した態度」はどこから来るのかの話題になりました。

 

大津商業のある学年は、水俣病の学習をしました。私が担当した学年は、修学旅行で学習したことを一冊の本にまとめています。「まだ持ってますか。私は持ってますよ。」

 

修学旅行の学習の一つに、地元の高校生との交流会がありました。水俣病の原因となった、水銀を含んだ廃水を出していたチッソのことを、水俣高校の生徒は悪く言いませんでした。

唯一といっていい、地元の就職先であるチッソ、親も兄姉も勤めている会社、複雑な環境です。

 

そして、水俣病の原告たちといえば、残念ながら、一枚岩ではありませんでした。

ある人は「薬害肝炎の原告たちは、命を生み出す際に、肝炎になったのだから、そこが一枚岩の理由ではないか」と話していました。

 

私は、半分だけ賛成という感じかな?薬害肝炎の人たちの運動のあり方を是非聞いてみたいと思います。女性たちが、同一価値労働同一賃金を実現するために、参考にしたい運動のあり方です。では本題に戻りましょう。

 

ナント、ナント!薬害肝炎でも水俣病でも、実に冷淡な対応をした、厚生労働省が正義の味方に見えてきますよ。それくらい、経営者側はヒドイということなんですけどね。は規制改革会議の、は厚労省の考え方。

 

規制改革会議は、内閣総理大臣の諮問に応じ、民間有識者15名から構成されているものです。委員は、「規制改革会議」と検索すれば出てきます。文は長いし、お役所独特の表現もあるため、一部カットしています。全文は「規制改革会議第二次答申」で検索すれば出ます。最初は医療関係で、次が労働関係です。

 

規制改革会議「第2次答申」(医療分野及び労働分野の問題意識)に対する厚生労働省の考え方。平成19年12月28日
 

誰にとっても自由で開かれた市場にすることこそが、格差の是正と労働者の保護を可能とし、同時に企業活動をも活性化することとなる。

一部に残存する神話のように、労働者の権利を強めるほど、労働者の保護が図られるという安易な考え方は正しくない。

 

一般に労働市場において、使用従属関係にある労働者と使用者との交渉力は不均衡であり、また労働者は使用者から支払われる賃金によって生計を立てていることから、労働関係の問題を契約自由の原則にゆだねれば、劣悪な労働条件や頻繁な失業が発生し、労働者の健康や生活の安定を確保することが困難になることは歴史的事実である。

契約内容を当事者たる労働者と使用者の「自由な意思」のみにゆだねることは適切でなく、一定の規制を行うこと自体は労働市場の基本的性格から必要不可欠である。同様の理由から、「一部に残存する神話」、「安易な考え方」といった表現も不適切である。

 

無配慮に最低賃金を引き上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらし、同時に中小企業経営を破綻に追い込み、結果として雇用機会を喪失することになる。

 

最低賃金は、最低賃金法に基づき労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められるものである。これらの考慮要素に照らして必要がある場合には、最低賃金の引上げが必要であり、また、こうした観点からの引上げは、直ちに労働者の失業をもたらすものではないと考える。

 

過度に女性労働者の権利を強化すると、かえって最初から雇用を手控える結果になるなどの副作用を生じる可能性もある。

 

女性労働者の権利の保護は、人権上の観点から図られるべきものである。例えば、男女雇用機会均等法等は企業に対し、人権上の観点から、性差別をせずに雇用管理を行うことや、妊娠・出産に係る女性の保護など、当然のことを求めているにすぎない。「過度に女性労働者の権利を強化すると、かえって最初から雇用を手控える結果になるなどの副作用を生じる可能性もある。」という記載は、・人権上の必要性の有無にかかわらず、一方的に女性労働者の権利確保を否定することにもなり得る。「女性の雇用を手控える」企業については、その行為自体が女性に対する差別となり、男女雇用機会均等法上の指導の対象となるなど、人権上あるいは法制度上認められない行為を容認する記述であると考える。

 

まだまだ続くけれど、長くなるので、次回に回します。

どうです。すごいでしょう。「何時の時代のことを言っているのか」という感じでしょう。

 

修学旅行で、長野に行った学年もありましたね。現在39歳当たりの人かな?

岡谷の製糸工場で働いていた女性労働者、「女工哀史」を学習したグループもありました。野麦峠を登りましたね。

飛騨高山で、工女をしていたおばあさんから、当時の話を聞きました。

 

経営者の感覚は、その当時と全く変わらずといった感じですね。

しっかり覚えておかなければならないことは、規制改革会議は総理大臣の諮問を受けた委員から構成されていることです。人選をするに当たっては、当然政府の考えを代弁する人たちです。そういう意味では、厚労省を「正義の味方」と手放しで賞賛してはいけません。大切なことは、このような場当たり的な、未来を無視した意見を言う委員を許しているは、今の政府であるということです。

では今日はここまで。

年賀のご挨拶ー初夢

明けましておめでとうございます。

何もめでたくないという人も、まあ「おはようございます」くらいに聞いといてください。

 

11月、12月とブログをさぼり気味だったし、労働問題に展望は見えて来ないし、気持ちが萎えそうになってきているのですが、頂いた年賀状に「コメントしていないけど、ブログを読んでいます」と書いてあるのを見ると、初心に帰らなくてはと気持ちを新たにしています。

 

今年の年賀状に、「転勤になって、24年間勤めた会社を3月で辞めようと思います」というのがありました。

卒業してから毎年暑中見舞いと年賀状のやりとりをし、結婚の報告も子どもが生まれたことも、事務から営業に配置換えになって、保育園のお迎えの時間には到底帰れないほど遅くまで仕事をしていたことも、そのときの身を引き裂かれるような気持ちも報告してくれていました。

 

葉書の文面から、彼女がどれだけ頑張って「家庭と仕事の両立」をしていたかが分かります。今までのしんどいことを多々乗り越えてきた彼女が出した結論だから、私は尊重しますが、なんとも残念としか言いようがありません。往復3時間の通勤時間は負担が重いですね。

 

これが男性だったら、どういう選択肢があったでしょうか。いろいろと考えさせられました。

 

前回2回にわたって、職務評価について書きました。職務評価制度はEUやカナダでは既に法制化されていますが、その中でも特にカナダ・オンタリオ州の「ペイ・エクイティ法」が最も進んでいる点は、企業に義務付けていることです。また、職務評価をした結果、それまでの賃金を下げてはいけないともされています。

 

例えばAさんの時間給が1000円で、Bさんのが800円とする。職務評価の結果、AさんとBさんの仕事の価値が同じだとされた場合、Aさんの1000円を800円に下げるのではなくて、Bさんの800円を1000円にするのです。

 

このブログで何回も登場願っている京ガス裁判における原告の職務評価を行った昭和女子大学の森ます美教授は、すでに職務評価を実施している日本の企業を調査されています。残念ながら、日本の企業の職務評価は、低い賃金にするための職務評価だそうです。販売職が、殆どパートという働き方で構成されているのは周知のことです。マクドが、店長以外は全員パートというのは当たり前ですものね。

 

こういう職務評価制度は絶対に避けねばならないとずっと思ってきました。しかし、今年は少し考えを変えようと思います。

 

もし、圧倒的に多数の男性正社員の賃金が、パートとか派遣とか、要は非正規と同じ賃金になったら、「あほらしくて残業なんかしてられるか」と、さっさと帰ってしまうのではないか。そうなれば、年賀状にあった彼女も、時間の短いパートで働き続けることができるのではないかと考えるからです。当然、正社員の賃金は下がりますから、これでは生活できません。みんなそろって賃上げ要求ありうるかもしれません。結果的に、生活できる程度に正社員も、非正規も賃金が保障されれば、一時のどん底も、方便になるのではないかと。

 

「そんなの初夢の範囲に過ぎん」という声も聞こえてきそう。

高い賃金をもらっている大手の正社員の皆さん、同じ職場の、頑張っている非正規雇用の人のことも、ちとは考えてみてください。

「もう僕たちの賃上げはいい。その分、非正規の人の回してあげて」と言ってみてください。これは回りまわって、あなたの子どもに、展望のある未来を保障することになるのですよ。

 

なに、初夢どころか、たわごとに聞こえてきたですって。

そうかな〜!

今年もとりとめにない内容になりそう。我慢してお付き合いください。

今日は年賀の挨拶でした。では、今日はここまで。

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