嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2008年02月

またまた長いブランクが生じました。お許しください。

 

毎日放送ラジオで、このブログのことを取りあげていただきました。卒業生の声も放送されました。さすがプロ。最後に同一価値労働同一賃金と、それに至る職務評価も紹介していただきました。京ガス事件の屋嘉比さんのコメントもありました。「職務評価をすることで、自分の仕事に自信を持つことができます」の言葉は、職務評価の意義をよく表しています。

 

そして、放送日(16)には、沢山の方がこのブログにアクセスしてくださいました。ありがとうございました。それにも関わらず私は、今日まで全くブログを更新できていず、もう呆れられて、見捨てられたかもしれませんね。

お気に入りに登録してくださった方もあったとか。頑張って書いていきますので、末永くお付き合いください。

このブログは、カテゴリに分けていないので、とっても読み辛いのです。一回のブログに、いくつもの内容が含まれるので、カテゴリに分けにくいのですが、レイアウトに工夫をして出来るだけ読みやすくなるよう努力します。お気づきの点がありましたら、コメントください。 

 

商社兼松裁判のその後の詳細が分かりましたので、まずはこのことから報告します。

原告のお1人からACW2の会員に向けて、次のようなメッセージが届きましたので聞いてください。(と言ってもブログなので、文字だけですが…)


東京高裁で1月31日に出された判決は、「男女の差によって賃金を差別する状態を形成、維持した被控訴人の措置は、労働基準法4条、不法行為の違法性の基準とすべき雇用関係についての私法秩序に反する違法な行為」とされ、これはコース別賃金が労基法4条に違反とした高裁での初めての判決です。
判決では男女で仕事の質に違いが無く女性が定年まで働いても男性の27歳の賃金に達しない大きな賃金格差は性差別としました
しかし、原告4名に対しては男性の30歳位までの賃金差額を認め原告2名についてはまったく請求を認めないという判決でした。私たちは全員の勝利に向けて最高裁に2月12日に上告しました。
今後はさらに皆さまの大きな支援をいただき、一生懸命自分たちの運動を広げて行きたいと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。
           兼松女性賃金差別裁判原告  

 

このメッセージを使って、兼松裁判を解説します。

 

下線部,砲弔い董

労働基準法4条(男女同一賃金の原則)

 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

 

コース別とは、総合職とか事務職とか、地方職とか、いろんな言い方がありますが、一般的には総合職と一般職がよく使われます。主に、総合職が男性コース、一般職が女性コースです。なぜコースを作ったかというと、1986年に施行された均等法の指針に、「雇用管理区分」という文言があったからです。これに関しては、もう今までから何度もこのブログで書いています(20060523日・924日参照のこと)。要するに雇用管理区分がコース別人事を生み出したのです。

指針は、その法律を運用するための具体的な方針のことです。あくまでも均等法が親分の法律です。裁判で「コース別人事による賃金は労基法4条に違反」は、「均等法は労基法4条に違反」ということになり、画期的な判決ということができます。

 

下線部△砲弔い董

兼松裁判の原告側の証拠として、職務評価が提出されました。このブログでも度々ご登場いただいている昭和女子大学森ます美教授が評価されました。この証拠から、6人の原告の職務評価と賃金との関係を紹介します。

原告は6人。新聞等で実名報道されていますので、このブログでも実名で紹介します。

木村さんは、鉄鋼の輸出取引業務。織田さんは、羊肉の輸入取引業務。小関さんは、原糖購入、精糖の国内取引・輸出業務。逆井さんは、紙製品の国内取引業務。守さんは、物流管理業務。本間さんは、鉄鋼統括室業務。

 

仕事内容の詳細は省きますが、ヒャー!凄い仕事をされていたのだと、森先生の鑑定意見書を読んで心底思いました。5人の職務評価と賃金格差を見てください。男性を100とした場合です。(週刊金曜日222日号)

守さんの職務評価点は111、賃金は48。逆井さんの職務評価は92、賃金格差は58。小関さんの職務評価100、賃金格差は67。木村さんの職務評価は95、賃金格差は54。織田さんの職務評価は102、賃金格差は63(本間さんの資料は記載されていませんでした。私が参考にしているのは、20076月に開催されたILO総会のために作成された資料に基づいて書いています。これには本間さんの記述がありませんが、総額約7300万円の内、本間さんは二番目に高い額ですから、職務評価と賃金格差にかなりの差があることは確かです。)

 

下線部について。

兼松が、コース別人事から成果主義という名の下に、新たに導入した制度については、この裁判の原告でもある逆井さんの院内集会での証言がありますので、「続きを読む」に入れておきます。

 

下線部い砲弔い董

弁護士は言います。38千万円の根拠は、原告と一般職(兼松では所謂総合職を一般職、一般職とか事務職とかを事務職)の賃金の差すべてと、退職金等の付加給を含めた額です。しかし、認められた額は、その約五分の一の7300万でした。この7300万円の根拠は、裁判所が1ヵ月当たりの違法な賃金格差を10万円で計算したからだそうです。この法的根拠は民法第248条で、これは「損害の認定が困難なときに、裁判所が適切に決めることができる」とした条文です。裁判所はこの248条を用いて、1ヵ月10万円にしたことになる。また、同じ職場の同じような仕事をしている30歳代くらいの男性よりも責任が低いから、1ヵ月10万円くらいの損賠賠償の額でいいだろう。

 

下線部イ砲弔い董

逆井さんと織田さんの2人は、差額賃金請求を認められませんでした。その理由は次のような内容です。

逆井さんは、原告たちが請求した年、平成441日以降、専門性が必要な職務を発行していない。秘書の仕事でした。それ以前の仕事は、一定の専門知識は必要であったことは否定できないが、専門知識や一定の交渉力などにより重要な仕事を行ってきたとは言えないから、賃金の格差を違法ということはできない。

織田さんは、平成441日の時点において10年勤続で、退職した平成8年7月10日時点において役143ヶ月の勤続であり、この勤続年数と職務では、給与の格差を違法とすることはできない。

 

弁護士の専門的な解説を待たずしても、素人にも「へんだなぁ」と思うことがありますよね。

6人の請求額は、3億8千万でした。それが約五分の一の7300万の支払い命令でした。

逆井さんと織田さんが棄却された理由がさっぱり分かりません。

なぜ、30歳の男性と比較するのでしょうか。

今日もまたまた難しい内容でした。

次回はできるだけ早く更新します。では今日はここまで。

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2月になりました。節分の豆まきをしましたか(かなりの時差!ぼつぼつ書いているのでこんなずれが生じる)

年々豆を一つ多く食べることになります。子どもの頃は、もっと沢山食べたかったのに、今は堪能するほどの量です。

 

さて、商社兼松の判決に、会社側はすぐに控訴しました。原告側も勿論控訴する方針と新聞に載っていましたが、詳細な情報が入ってきていませんので、今回のブログではまだ報告は出来ません。

兼松の判決では、原告6人のうち、4人だけに賠償命令が出ました。「これを、原告の結束を乱すねらいの判決と解釈しないでください」と原告からの発言がありました。薬害肝炎患者の結束と同様に、ここでも原告の固い結束を感じました。最高裁での判決に注目していかなければなりません。

 

216日土曜日、夜8時から9時の毎日放送ラジオで、このブログのことが放送されます。

 

このブログは、女性卒業生の労働の実態調査がそもそもの発端なので、卒業生の声も欲しいとのことで、放送記者のお供をして、3人の卒業生に会いに出かけました。雪の降るとても寒い日でしたが、電車の窓から見る雪景はなかなかおつなものでした。今日はその3人について書きます。

 

Aさん、Bさんの2人は、学校を卒業して最初に勤めた会社でずっと正社員で働いています。Cさんは、正社員から派遣、派遣からパートの職歴があります。

3人とも、個性的な高校生でした。自己の意見を主張できる人たちでした。

3人に共通する私の感想は、同一価値労働同一賃金が、彼女たちに適応されていれば、この3人の働き方、正社員とかパートとかにかかわらず、持てる能力を発揮して、もっと生き生きと働いているだろうというものです。

 

Aさんは、会社始まって以来の育児休暇を3回取りました。家庭と両立させるために、仕事への集中力はすごいものがあります。全く無駄な時間がありません。いかに効率よく仕事をこなすことができるか、考えに考えて、今に至っています。負けず嫌いで、転勤以外の「出来ない」という言葉は彼女にはなさそうです。仕事に見合った給料と昇格と引き換えに定時に退社しています。

 

Bさんは今、任された業績を頑張って建て直したにも関わらず、正当に評価されていないようで、不遇を囲っています。でも、黙っています。今以上の給料を、正社員でくれるところはないと考えているからです。

 

Cさんは、能力を持て余しています。最初の正社員で働いていた企業は、販売戦略のために、彼女を出向させました。そのプロジェクト終了後も、同時に出向した男性は戻ったのに、彼女を本社に戻しませんでした。彼女は、プロジェクトの一員であり、専門職であったにも関わらず、その出向先での補助的な仕事を割り当てられました。彼女は、給料の高い専門職の女性をこうして退職に追い込むのだと会社の意図を察しました。結局、彼女は退職したのですから、まんまと会社の計略通りになったのです。次の派遣先でも、パート先でも、教えられたことはメモを取り、手順を覚え、求められる以上の仕事をこなしてきました。しかし、会社は、彼女の工夫や能力に対して、そういう努力をしない人と同等の賃金しか払いませんでした。彼女には、これから先有期雇用しか残されていません。「あ〜、もったいない」と、彼女を知る私は胸が痛くなります。

 

結局、この3人は、女性という非常に選択肢のない道を歩いています。賃金の面で見れば、正社員の2人は、この道の先を、パートの彼女は、まだスタートライン当たりにいるような感じですが、正社員もパートも、同じ道を歩いていることにおいては同じのようです。

 

同一価値労働同一賃金なら、Aさんは子育てと仕事を両立しているだろうし、賃金が労働の価値に合ったものならば、彼女は昇格を望ます、5時間ほどの勤務を選択していたかもしれません。

Bさん、Cさんは昇格も昇給も果たして、リーダーとして働いていたと思います。そういう姿も見てみたい。)

 

さて、前回の嘱託で働く悩める女性にコメントがありました。華ママの意見は、「そんな会社辞めてしまえ。また他に仕事は見つかるから」でした。さて、あなたの意見はどうですか。

 

明日はまた大津にも雪が降りそう。暖かくして、ではおやすみなさい。今日はここまで。

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