嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2008年04月

旧知の元同僚と三井寺を散策してきました。

疎水の桜も先週末でお仕舞いのようです。桜吹雪の中を歩きました。

 

さて、今日のブログはILO勧告の続きの予定でしたが、緊急性の強いニュースが入ってきましたので、それから始めます。ILO勧告の続編は次回に回します。

 

一つはお知らせです。

私も会員のACW2からです。

 

≪パートホットラインで声を上げよう≫
いよいよ改正パート法スタート。しかし、現実は?

職場から、地域から、あなたの声を聞かせて下さい。

働く女性の全国センターACW2は、07年1月に発足したNGOです。働く女性のホットラインを常設して、女性たちの声を国会や厚生労働省などへ届けています。4月からのパート労働法改正が職場でどのように活かされているか、厳しい現場の声を聴くために集中ホットラインを計画しました。
パート労働者を雇用しているのは、企業全体の65.5%で、従業員規模別では15人未満の企業は43.5%100299人以上の企業では82.1%と規模が大きくなるほど割合が高くなっており、パート労働者は企業にとってなくてはならない存在です。
今回の改正法は、パート労働者と正社員など通常の労働者との差別的取扱いを禁止するはずのものでした。しかし、ILO175号条約の趣旨である均等待遇から大きく外れ、改正パート労働法で差別が禁止されるパート労働者はわずか数パーセントに過ぎません。今回の改正パート労働法は経営者側にとって、都合のよい法
改正となっており、多くの企業が改正されても「影響なし」と答えています。よって、格差の拡大と差別を固定化するものです。3年後のパート労働法の見直しに向け、ホットラインを活用して現場の声を集めながら、私たちが望む均等待遇を実現できる法律にしていきたいと思います。

0120−787−956(フリーダイヤルなやみなくそうコール)
全国集中ホットライン

全国どこでも無料・秘密厳守
日 時 2008年5月9日(金)18:00から21:00
        5月10日(土)14:00から17:00
        5月11日(日)14:00から17:00

 

2つ目は、同じくACW2が企画した厚労省交渉の結果の報告です。

410日厚労省で、改正パート労働法について交渉が行われました。

 

関係省庁出席者は、
厚生労働省 労働基準局 監督課 法規係長 
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 短時間・在宅労働課 企画法規係長 
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 短時間・在宅勤務課 均衡待遇推進室係長
厚生労働省 政策統括菅付 労働担当参事官室 室長補佐
厚生労働省大臣官房地方課 労働紛争処理業務室 労働紛争係長
内閣府男女共同参画局 推進課 課長補佐
内閣府男女共同参画局 推進課 推進係長 
(この人たちを官僚というのですよ。)

国会議員は

小宮山洋子衆議院議員、西村ちなみ衆議院議員、郡和子衆議院議員、神本みえ子参議院議員、高橋千鶴子衆議院議員、小池晃参議院議員、福島瑞穂  参議院議員。木原誠二衆議院議員・岡本みつのり衆議院議員・相原久美子参議院議員は秘書が出席。

報道関係者は 朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、NHK

3時から4時というたった1時間の交渉でしたが、このメンバーの出席を依頼し、調整するのは本当に大変なエネルギーを要しただろうと思います。


☆合同酒精のパートタイマーの実態と、このブログに度々登場する名古屋銀行の29年目に入ったパート労働者の坂さんが質疑しました。


名古屋銀行が、今年4月から施行された改正パート労働法を、いかに銀行側に有利に運用しようとしているかは再三団交の様子を書いてきました。

 

合同酒精の方の報告の詳細は分かりませんので、ここでは坂さんのことを報告します。ACW2の報告には、「議員の方からも、改正パート法で懸念したことが現実になった。現場の事例に愕然としたと驚きの声が上がった」とあります。

(改正パート労働法は名前だけで、正社員になる人なんか誰もいないのではないかと最初から言われていました。愕然とした声って、最初から分かっていたはずと、私は「議員の愕然」に愕然としてしまいましたわ。)

坂さんは、名古屋銀行の正行員転換制度について質問しました。最短でも4年、でもこれは昇給が一年で3段階ほどアップしての話し。良くても、年に一度1号昇給するのが普通でしょう。それもパート労働者なのですから。いまや銀行は、カウンターに座っている人も殆どが契約とか派遣とかのパート労働者です。正規と非正規の仕事は交じり合い、明確に線引きはできないのが現実です。それは銀行に勤めている卒業生も言っています。

 

同じ仕事をしている人を、なんやかんやと屁理屈を付けて、順当に毎年1号ずつ昇給して7年もかかる転換制度が果たして、改正パート労働法の目的に合致した制度なのかどうかについての坂さんの疑問に対する厚労省の見解は、「違法とまではいえない」(なんのこっちゃ!!)とのことです。

 

坂さんは仕事が終ってから毎晩遅くまで、今回の交渉のための文章を書き続けました。勿論新幹線代も自前で、一日の賃金何千円かを犠牲にして東京へ行ったのです。本人の疲労感は相当なものだったと察します。疲労は徒労に終るという一日だったようですね。

 

最初から分かっていたはずの結論。しかし、何も言わなければ、何も変わらない。というわけで、一番目のホットラインへ、是非思いの丈をぶつけてください。

では今日はここまで。

膳所周辺の湖岸道路の桜の蕾はかすかにピンクを帯びていましたが、ここ数日の寒さで開花はまだまだのようです。今年はお弁当を持ってお花見に行くつもりです。

 

久しぶりに卒業生と約15年ぶりに会いました。キャリアを積んで、4月からプロジェクトの一員として働くそうです。大商のときに学んだ情報処理とか、簿記とかが仕事上で大いに役に立っていると言ってました。今まで、「簿記検定とか、全く役に立たない」という声を聞くことの方が多かったので、新鮮な響きでした。

聡明で、自らの手で道を切り拓いていく芯の強い素敵な女性になっていました。でも賃金は低いと嘆いていました。

 

さて、今回のブログは、住友金属・化学・電工や兼松の原告、このブログで何度か登場していただいている名古屋銀行のパート労働者、研究者などが昨年9月にILOへ行ったことの報告をします。

「何をしに行ったのか」って?

ILOへ日本の女性の労働状況について直訴に行ったんです。日本政府が全く改善の姿勢がないからです。日本の女性の労働状況については、このブログそのものが語っています。このような内容のことを英文にまとめて訴えたのです。3月に、大阪、福岡、名古屋、東京でその報告会がありました。330日に東京であった報告会で、ILO条約勧告適用専門家委員会が日本政府に出した勧告の内容が明らかにされました。WWN(ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク)の会員が日本語に訳してくれました。カンタンにその内容を書きますが、この勧告を読んだ最初の感想は、「草の根の運動が、ようやくここまで来たか」というものでした。ILOから日本政府がこのような勧告を突きつけられているということを知っておくことはとても重要だと考えます。どれも重要なので、今日は半分だけにします。

20083

ILO条約勧告適用専門家委員会報告 

1951年「同一報酬条約」(第100号条約)(批准:1966年)

 

1.本委員会は、20076月に総会委員会(基準適用委員会)で討議した。その結果、本委員会は、同一価値労働に対する男女の同一報酬を法律上も事実上も、より積極的に促進するよう日本政府に強く要請する。その理由は、政府報告と、同報告に添付された日本労働組合総連合会(連合)20071019日付情報に含まれた本条約適用に関する意見と、「商社ウィメンズ・ユニオン」と「女性ユニオン名古屋」の総代である「ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク(WWN)」の2007523日付情報である。この情報は、2007713日に政府に送付した。

 

☆商社ウィメンズ・ユニオン、女性ユニオン名古屋、WWNのメンバーがILOへ行ったのです。

 

2.男女間賃金格差に関する評価

委員会は、男女間賃金格差が、依然として非常に大きいこと、フルタイム労働者の時間当たり所得格差が、2004年以来拡大していることをとりわけ懸念している。本委員会は、男女間賃金格差の根本要因について、採用と昇進における差別が男女間賃金格差に影響を与えていると日本政府が指摘しているから、これを分析した結果を日本政府が提供すること。また、根本的要因に対処するための行動についても情報を提供することを日本政府に求める。委員会はさらに、男女の所得に関する詳細かつ比較可能な統計情報を今後も提供することを日本政府に求める。

 

3.パートタイム労働

本委員会は、20075月の「パートタイム労働法」の改正が、男女間賃金格差の削減に寄与することを日本政府が期待しているとのことであるが、連合は、パートタイム労働者に対する差別は、依然として多くの面で性別に基づく差別であることを強調しているし、また同法の改正によって新たな保護の対象となるのはパートタイム労働者のごく一部に過ぎないとして、同法の改正は不十分であったと述べている。本委員会は、改正パートタイム労働法の実際の適用状況についての情報を提供するよう日本政府に求める。この情報には、法改正が男女間賃金格差の解消にどの程度、寄与したのかに関するものも含む。日本政府はさらに、改正法の下で賃金差別の保護によって利益を得るパートタイム労働者の比率を性別によって示すとともに、この保護をパートタイム労働力に対してさらに総合的に拡大することを考えているかどうか述べるよう求める。

 

4.同一価値労働

労働基準法第4条では、「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」と規定している。が、同法が同一価値労働同一報酬の基本に触れていないことから、本条約の原則を十分に反映していないと考えている。日本政府は、報告の中で、「第4条は本条約の要件を十分に満たしている」とする見解を繰り返している。内容の異なる仕事を行う男女間の賃金格差は、労働基準法第4条に違反するとした判例もあり、企業内で1つの職務から他の職務に労働者を配置することは、長期の人的資源開発を保証するものであり、日本では慣行であったと説明している。しかし、その場合、賃金は「職務遂行能力」に基づいて決定されたのであり職務評価に基づいたものではないと本委員会は考えている。

 

(勧告文は、独特の表現です。よって私が訳者に断りも無く勝手に表現を変えました。)

 

次回もILO勧告の続きです。

では今日はここまで。

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