嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2008年07月

今午後4時半。室温35.4度。この部屋は東南に窓があります。パソコンを立ち上げたばかりですが、本体自体が熱い。床もカーテンも、触るものみなぼわっと熱い。

毎日こなさなければいけないことは、暑さ寒さ云々と言ってられませんよね。炎天下、ママチャリに乗った母子を見ましたが、日々の生活を送るというのは、大変なことです。

(相変わらず何日もかかって書いているので、これは昨日までの気温。今日は一転して雷雨でした。)

 

今、私はケアワークにたずさわる方の職務評価を、均等待遇アクション21京都のメンバーとともにしています。

私の近所にも、ヘルパーさんの訪問を受ける家がありますが、狭くて冷房がありません。1時間〜2時間の間に、洗濯、食事の用意、掃除と、汗を拭くまもなく働いておられる様子が垣間見えます。重労働、環境最悪、低賃金、離職率の高いものもっともです。

 

来年の春までには、ケアワーカーの職務評価表を完成し、ケアワーカーの労働の価値と賃金がどれほど、不均衡であるかを数字で示したいと意気込んでいます。

 

さて、今日は京都労働局交渉の最後の報告です。

労働者派遣法について、どのような遣り取りがなされたのか報告します。

 

この項に関しては、ユニオン側は質問ではなく、反対意見を出していました。質問などという次元ではないというのが本音でしょうか。

(でも交渉なのですから、相手側から回答を引き出すことを考えるべきと思いました。)

 

まず、ユニオン側の反対項目を紹介します。

日雇い派遣の禁止。

登録型派遣の禁止

派遣対象業務を99年派遣法改正前に認めていた業務に限定すること。

規制改革会議の第二次答申、「規制改革の集中プログラム(07.12.25)」における「派遣期間の制限撤廃、派遣業務の限定撤廃、紹介予定派遣期間の延長、派遣と請負・の区分を定めた告示37号の改悪」など現行派遣法のさらなる改悪の主張に反対せよ。

 

労働局側は、「派遣法から現在の労働破壊が起こっていると解釈している」と回答しました。労働局側は基本的に、この反対表明に云々する立場にはないというのが全体を通しての回答です。

ここでは、ユニオン側の発言について解説します。

 

日雇派遣労働の実態が余りにも苛酷であるり、現代の奴隷制のようだと批判されていることを受け、厚労省は見直しに着手しました。これを受けて、厚労省の労働政策審議会労働力需給制度部会は、2008116日に「日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針()」と厚労省の省令改正案が出され、25日に少しの修正で承認されたことに対しての反対意見です。ユニオンは次の5点を日雇い派遣の問題点としています。

 

日雇い派遣労働者とは、「日々又は30日以内の期間を定めて派遣される者」と定義さえている。でも現実には、日々雇用されつつ、結果的に数ヶ月間働く者もいて、その形態は多様であるにもかかわらず、このような定義をするのは問題である。

 

多額のピンハネのようなマージンを規制するようであるが、事業報告で平均料金額を提出させるだけで、派遣料金などの労働者が本当に知りたい情報を公開することについては開示を求めていず、労働者の知りたい目的に達していない。

 

携帯メールで労働条件を明示する場合のモデル例を作成するとしているが、これは原則として文書で労働条件の明示を義務付けている労働基準法と矛盾しているし、今後、こうした労働条件の明示方法が一般化されてしまうおそれがある。

 

今回業界最大手のグッドウィルに業務停止命令が出された。(その後、廃業決定)仕事にあぶれる日雇派遣労働者が現れることが懸念されるにもかかわらず、厚労省は日雇い雇用保険の遡及適用などを認めていない。今日の収入がなければ、ネットカフェにすら宿泊できなくなってしまう日雇派遣労働者に、職業安定所での職業紹介しか行わず、失業補償を伴わない厚労省の対応は無策である。業務停止になったら最も困る労働者に、責任の一端を担わせるような措置である。

 

集合時間に遅れたら、罰則まで科せられているが、労働時間とするべきか否かの判断を避けた曖昧な記述になっている。

 

最後にユニオンは「日雇派遣という究極の細切れ、かつ不安定な雇用を合法化している根本である登録型派遣を原則として禁止していかなければ問題の解決はあり得ないと考えている。もし、派遣を存続させるのであれば

派遣会社が労働者を期間の定めのない労働者として雇用した上で派遣する常用方(特定派遣)として、派遣元の今日責任を明確にするべきである。また、本当に日単位でしか仕事と雇用がないなら、派遣は禁止して、現在ある配膳人やマネキンなどのように短期の職業紹介(紹介先企業との直接雇用)に切り替え、紹介先企業の責任を明確にしていくことこそが道理です。」と主張しています。

(もっともだ。)

 

 

労働者派遣法の日雇派遣を原則禁止する法案が秋の国会で審議されるようですが、注意深く見ていきましょう。原則という言葉ほど、どうにでも解釈できる言葉はありません。

 

では今日はここまで。

暑いですね。最近の日本は亜熱帯気候です。体がこの湿度と暑さに適応できなくて、これからが本格的な夏だというのに、早や夏バテしています。

 

今回のブログは、傍聴記の続きで「労働者派遣法」ですが、前回のブログの最後に予告していました「通常の労働者」の定義についての回答を京都労働局雇用均等室から得ましたので、先にこれから。

 

4月から施行された改正パート労働法の対象者は、「一週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用されている通常の労働者の一週間の所定労働時間に比べて短い労働者」と規定されています。

 

「正社員と同視すべきパート労働者」の待遇を差別的に取り扱うことの禁止。

 

<改正法第8条>の要旨です。(厚労省のHPより抜粋)

正社員(通常の労働者)と同視すべきパート労働者(正社員と職務(仕事の内容や責任)が同じで、人材活用の仕組み(人事異動の有無や範囲)が全雇用期間を通じて同じで、かつ、契約期間が実質的に無期契約となっているパート労働者)のすべての待遇について、パート労働者であることを理由に差別的に取り扱うことを禁止する。

 

均等室の回答から(抜粋)

「通常の労働者」とは、当該事業所において、社会通念にしたがい「通常」と判断される労働者をいいます。

(なにコレ!あったりまえジャン)

 

「通常の労働者」とは、ある業務に従事する者の中にいわゆる正規型の労働者がいる場合は、その正規型の労働者をいいます。

 

ある業務に従事する者の中にいわゆる正規型の労働者がいない場合については、その業務に基幹的に従事するフルタイム労働者がいれば、この者を「通常の労働者」とします。

(ハーイ、先生!質問です。ある業務とはどこからどこまでを言うのですか?例えば、製造工場では、ラインで働く業務はこれで一つの業務、事務系はこれで一つの業務と考えるのでしょうか?それとも、事務系なら総務課、資材調達課とかに分けるのでしょうか?)

 

正規型労働者とは、社会通念に従い、その労働者の雇用形態、賃金体系を総合的に勘案して判断するが、一言でいえば、企業が最後の最後まで解雇を回避する労働者のことです。

 

(正規労働者を解雇するためには、企業は、解雇回避努力をしなければならないことに法律上なっています。この解雇回避努力義務とは、〇間外労働の削減、配置転換による雇用維持、H鸚亀労働者の雇い止めの3つです。うーん、悩ましい。正規の雇用を守るために、非正規の首をまず切れが努力義務だとは!!)

 

フルタイムの基幹的労働者は、その業務に恒常的に従事する一週間の所定労働時間が最長の、正規型の労働者でない者を指し、一時的な業務のために臨時的に採用されているような者は含まない。

 

上記のフルタイムの基幹的労働者に、他の異なる業務に従事する正規型の労働者の最長の所定労働時間と比較して、その所定労働時間が短い場合には、このフルタイムの基幹的労働者は「通常の労働者」に含めることにはならない。

 

(おやおや、ここで先の「業務」の疑問に対する考え方がちょっと出てきました。ということは、業務のとらえ方は随分と幅広いようなので、一つの会社、一つの工場、一つのお店と考えると、その中で、一人くらいは正規労働者がいるでしょう。ということは、この正規労働者はかなり役職が上の人である可能性もあります。もし、この人しか正規の人がいなくて、フルタイムの非正規の人の労働時間が、この人よりも短い場合は、この正規の人と比べることになるから、まず非正規労働者は、法律用語で言えば、誰も同視すべき労働者とはみなされないということになりそうですね。)

 

厚労省のこの回答マニュアルでは、最後にこのように付け加えています。

近年は、就業形態が多様化する中で、経営者や管理職以外はすべて非正規労働者のみが担当する企業なども増えてきる。このように「正社員」という働き方が相対化されつつある中で、なお正社員のみを「通常の労働者」ととらえると、「通常の労働者」がいないこととなって、法の適用から外れてしまう事業所が出てきたり、異なる種類の業務に従事する者を「通常の労働者」ととらえて均衡を図るという現実感の乏しい法の適用となる場合が出てくる。よって、法の適用をできるだけ多くの事業所に及ぼし、労働者の実質的な保護を図るためには、正規型労働者以外の者であっても「通常」と言える場合は「通常の労働者」と解釈すべきであり、そのために「フルタイムの基幹的労働者」の解釈を明確化した。

 

ここに、疑問を持った内容の回答が書いてあります。でも、でも〜、労働局の解釈は、法律の行間を読むことはまずしないでしょう。この最後にある記述の配慮が、果たしてどこまで生かされるのか。これを血の通った法律にするのは、ひとえにその職にある人間にかかっていると思い至りました。

 

(質問その2。ここに「異なる種類の業務」という言葉が出てきます。しかし、これでは業務の解釈はさっぱりわかりません。これについてはさらに均等室に質問せねば。また報告できる日があると思います。)

 

ということで、法律にある「通常の労働者」の解釈だけでも随分と複雑ですね。長くなったので、労働者派遣法は次回に回します。

では今日はここまで。

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