嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2008年09月

言い訳の前回を除いての更新から早や4週間近くが経ってしまいました。

先週の水曜日に、CEDAWの日本政府への勧告の学習会に参加してきました。

同じ週の金曜日に、東京で厚労省の担当者や国会議員に会って少し行動してきました。今回はその2つの報告をします。

 

まず、数字からです。

67.1」これが日本の男女賃金格差、男性を100としたときに女性の賃金の割合を示した数字です。

例えば、あなたの住んでいるところの労働局雇用均等室へ行くと、いろんなパンフレットが置いてあります。そこにもこの数字が並んでいます。

数字はよーく見ないとダメなんです。この数字は、短時間労働者を含まない一般労働者の時間当たりの賃金格差の数字です。

 

今や、非正規労働者は2000万人近くにもなり、その2/3は女性です。むしろ女性の働き方の実態をよく示しているのは、非正規の人たちなのですから、非正規の労働者の数字を出さないと、日本の女性の賃金の実態は分かりません。

 

では、ここでいろんな数字を挙げてみましょう。

この数字は平成18年の賃金構造基本統計の数字です。

 

政府の統計では、正規労働者を「一般労働者」と表しているので、ここでは一般労働者と書きますが、一般って意味深長な言葉ですね。

 

上記の「67.1」は一般労働者の給料の1時間当たりの男女格差の数字です。

ボーナスの男女格差は、53.6です。これを含めると、「62.9」になります。

 

どうですか?数字はいかなる料理でも出来、違う結果で出るのです。

 

では、男性の一般労働者とパートの女性では、その格差はどれくらいだと思いますか?

一般労働者の男女格差で60台だったから、5040302010のどれでしょうか?

答えは賃金とボーナスを含んだ数字での比較です。男性一般労働者を100としたとき、「38」です。

 

ついでに男性の一般労働者とパートの男性では、43です。同じパートでも、女性の方が低いのが分かりますね。

 

女性の一般労働者とパートの女性では、59です。

 

この数字には、家族手当のようなものは含まれていません。

なぜなら、パート労働者の統計には、この項目の調査はしていないからです。まあ、パートの人が賃金、残業代、ラッキーならボーナス、それ以外に手当てがでることはあまり考えられませんからね。

だから、一般労働者はこういう手当てをもらっているので、実際の数字はもっと開くはずです。

 

さあ、いよいよ今日の本題です。

 

CEDAW(国連女性差別撤廃委員会)は日本政府に「勧告」を出しています。引用します。

33番目がこのブログの内容に関係します。

「委員会は、主に職種の違いやコース別雇用管理制度に現れるような水平的・垂直的な雇用分離から生じている男女間の賃金格差の存在、及び雇用機会均等法に関連する政府のガイドラインに示されている間接差別の慣行と影響についての認識の不足に懸念を有する。委員会はさらに、パートタイム労働者は派遣労働者に占める女性の割合が高く、彼らの賃金が一般労働者より低いことに懸念を有する。」

 

これ対して、日本政府の回答は以下です。

 

「改正された均等法では、女性に対する差別的取扱いが禁止され、男女均等取扱いは確実に浸透してきているが、事実上の格差は依然として残っている。今後の課題は、事実上の格差をいかに解消するかである。〜中略〜。

女性は、パートタイム労働者の7割を占めており、女性雇用者の4割はパート労働者であるが、そうした労働者の賃金は正社員より低くなっている。今年3月に発表された報告を踏まえ、政府は、正社員とパートタイム労働者との均衡を考慮した処遇の考え方を示す指針の改正準備を進めている。」

 

こんな回答で、日本の女性が置かれている状況をCEDAWの委員は理解できるでしょうか。まして、政府はその根拠となる数字を「67.1」として送るでしょう。

ここはなんとしても、日本の女性労働は圧倒的に非正規であり、ワーキングプアであることを正確に伝えてもらわなければなりません。

 

次に名古屋銀行のパート29年目に突入した坂さんの例をひきます。

東京でちょっと動いてきたというのは、今年4月から施行された「改正パート労働法」では、なんとも救済できない坂さんの正行員への転換の道を、探ってきたのです。

 

結論から言えば、方法はないということになりますかしら?

こんな悔しいことってあるでしょうか。29年間も、正行員と同じか、それ以上の仕事をこなしてきた結果が、29年間で時給400円アップです。賞与は年間18000円、成績が悪ければなし。誰が査定するのでしょうか。

退職金なし、慶弔休暇なし。

 

あと2年近くで退職。全国のパートで働く人たち、特に女性のために、こんな低賃金にもかかわらず、全国を飛び回り運動してきた坂さん、それがもしかしたら何の恩恵も得られないかもしれないのです。

 

一つの会社の労働組合なら団結して、会社側に交渉を申し入れることもできますが、パート労働者はバラバラです。そもそも正社員の組合に入れてもらえないことが普通ですものね。だから坂さんのような人が行動を起こしても、集団にはなり難いのです。

 

国会は多分今月の24日くらいに開会されて、補正予算だけ審議したらすぐに解散になるでしょう。こんな大事なときに、坂さんのような人たちの切実な願いになんら応えることなしにです。

 

どうすれば労働者が働きやすい、報われる世の中になるのか、いかに1票を使うか真剣に考えるときがすぐそこに来ていますね。

 

一方でCEDAWへの働きかけ、他方で、改正パート労働法をもう少しまともな法律にすることが、今必要です。車の両輪のようにね。

 

CEDAWは、外圧専門のWWNを初めとした各地の女性労働団体にまかせるとして、改正パート労働法をパート労働者側の法律に作り直していかなければなりません。

 

坂さんがいくら「私の仕事は正行員の仕事と変わりません」と言っても、銀行側がそれを認めなければ、坂さんの主張は通らないのです。これが通らなかったら、正行員にはなれません。正社員になるためには、他に2つの要件を満たさなければなりませんが、この職務の分析が最も主観的な判断材料に使われそうです。

 

そこで今日は提案します。

パートで働くあなた、あなたの職務分析をしませんか。誰がするって?

勿論このブログの書き手である嶋川センセで〜す。

 

職務分析をやってもいい人は、コメントにそう書いてください。ブログの左下にあるように、あなたのコメントは私のアドレスに入り、あなたの許可なく公表されることはありません。

 

日本中のパート労働者が「私の職務分析の結果です」と厚労省へ突きつけたら、きっとパート労働法は、使用者のものから、パート労働者の法へ万分の一でも変わると思います。

 

では今日はここまで。

最近は2週間ごとにブログの更新をしています。ブログ開始時とは較ぶべきもありませんが…。まあ私としては比較的真面目に更新してきたつもりです。今日が更新日なのですが、中身がありません。

今、大津地裁でのセクハラ裁判の傍聴に行ってますが、これが法的に説明しようと思うととても難しい。まだまだこの裁判は長引くようのなので、いずれ報告します。

今週の水曜日に、CEDAW(女性差別撤廃委員会)から日本政府に出された「日本の女性労働状況」についての勧告の学習会があります。それには参加するつもりなので、今週のどこかでこの報告はできるかもしれません。更新するという予告だけで、本日はこれでおしまいです。すみません。

 

 

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