嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2009年01月

前回のブログから4日間(ナント、画期的)、なかなか忙しい日々でした。

映画を見ました。「フツーの仕事がしたい」土屋トカチ監督・撮影・編集です。近日京都みなみ会館にもかかりますので、是非見てください。

 

この映画のチラシから引用します。

≪皆倉信和さん(36)は、根っからの車好き。運送関連の仕事を転々とし、現在はセメント輸送運転手として働いている。しかし月552時間にも及ぶ労働時間ゆえ、家に帰れない日々が続き、心身ともにボロボロな状態。「会社が赤字だから」と賃金も一方的に下がった。生活に限界を感じた皆倉さんは、“誰でも一人でもどんな職業でも加入できる”という文句を頼りにユニオン(労働組合)の扉を叩く。しかし、彼を待っていたのは、会社ぐるみのユニオン脱退工作だった。生き残るための闘いが、否が応でも始まった。≫

 

この映画を撮影することになった土屋さんは、主人公が加盟したユニオンから証拠を撮影してくれるよう依頼されます。その証拠撮影とは、主人公の皆倉さんがユニオンに加入し、そのことを会社側に通告しに行く場面を撮ることです。

 

執拗な会社側の嫌がらせ、暴力が映し出されます。会社側とユニオンの遣り取りは、多分このブログを読んでくれている人、勿論私もお目にかかったことがないくらい荒々しいものです。

土屋さんに「ああいう激しい言葉の応酬は、かえって組合に偏見を持つことになりませんか」と質問しました。土屋さんは「そういうことも分かっています。もしナイフを持った人間に襲われたら、『やめろー』と叫ぶでしょう。それくらい皆倉さんにとっては生きるか死ぬかの闘いだったのです」と言われました。

 

私も在職中何度も管理職と交渉しましたが、そこまでの迫力はありませんでした。こういう質問自体が私の体験の切迫度を表しています。

 

学習会に参加しました。

昨年11月に「労働者派遣法」の院内集会に参加しました。そのときに派遣法に反対している龍大の脇田滋教授が発言されました。しかし当日あまりにも発言者が多く、脇田さんの話も早口で、前略・中略・後略のようでした。その脇田さんが大阪で講演されると知って出かけたのです。

 

前々回の派遣法のブログも脇田さんの教えによることが多いのですが、今回はさらに脇田さんに全面的に依拠した内容です。

労働者派遣法は1985年に16業務で派遣解禁(期間の上限は1年間)になり1996年に26業務に拡大され、1999年に期間3年になりました。2003年3月1日より派遣できる下記の26業務については、派遣先企業が派遣社員を受け入れる期間の制限がなくなりました。またこのとき、今回大量に派遣切りとなった製造業への派遣が解禁になりました。

 

2009年問題とは、2003年に改正された派遣法により「26業務」以外の一般業務について、派遣期間がこれまで1年であったところが3年まで継続できることになりました。だから3年を超えれば派遣は終了です。もしも3年を超えて働いてもらいたければ、派遣先企業は正社員として採用する必要があります。よってそうしたくない企業は20093月に解雇してしまうというしかけになっています。

1 コンピュータのシステム設計
2 機械等の設計、製図
3 放送番組の映像機器の操作
4 放送番組の作成における演出
5 事務用機器の操作
6 通訳、翻訳、速記
7 秘書
8 ファイリング
9 マーケティング
10
 財務処理
11
 貿易文書の作成
12
 コンピューター、自動車のマネキン
13
 ツアーコンダクター
14
 建築物の清掃
15
 建築設備の運転、点検
16
 建築物の受付
17
 科学の研究開発
18
 企業の企画、立案
19
 図書の制作における編集
20
 商品、広告のデザイン
21
 インテリアコーディネーター
22
 アナウンサー
23
 OAインストラクション
24
 テレマーケティング
25
 セールスエンジニア
26
 放送番組の大道具、小道具

 

専門職だなぁと思うのもあれば、なんでこれがというのもあります。特に5、7、8はいわゆる事務職の仕事ですよね。事務職と言えば女性。そう、労働者派遣法は当初、このような女性の仕事を派遣に置き換えたのです。よって賃金は安くて当たり前なのです。

 

ここでちょっとフランスの例を。

フランスでは、前々回のブログに書いたように、派遣労働は“Temporary work”といいます。ここからは『世界の労働』2007年9月号島田陽一論文を参考にしました。

 

フランスの派遣は、3分の2が工業と土木建築関係で、その派遣期間は9日−10日ほどです。約8割が2週間以内の派遣です。フランスにおける派遣は、急に労働者が必要になったときの一時的な対処と位置づけられています。だから報酬は、同じ職務の正社員の報酬よりも下回ってはいけないし、同一価値労働同一賃金がこの原則になっています(A)。さらに派遣終了時に「不安定な雇用」という配慮で、受取り総額の10%を手当()として加算。さらに派遣労働者には有給休暇がないので、その分として全給料(A+B)10%を有給休暇保障手当として加算。つまり正社員が時給1000円なら、同じ仕事をする派遣労働者は(1000円+100)×1.11210円の時給となります。派遣労働者ももちろん、派遣先企業と組合との協約の適用を受けることになっているから、正社員並み待遇は最低条件となっています。


フランスでは、派遣期間終了後もさらに同じところで働かせていると、その労働者は派遣先企業と期限の定めのない契約になったとみなされます。もし終了前に派遣が終わるなら、別の同条件の派遣の仕事が保障されるか、派遣終了まで受取ることになっていた報酬に等しい額を、損害賠償として得られます。派遣労働は短期で不安定だからこそ時給が高い。だから企業は派遣労働者を長くは使わないのだそうです。

では今日はここまで。次回も労働者派遣法です。

前回に引き続き、今回の内容も「労働者派遣法」についてですが、緊急に内容を変えます。

まずこのブログは、身近にある労働問題を卒業生に発信するという目的で始めました。その時々に私の思いを書いてきましたが、主体はあくまで労働問題でした。しかし、今回はその方針を変えます。

世界史の授業で、イスラエルという国の成り立ちを学びました。イスラエルは、アメリカかイギリスに作るべきであったといつでも思っています。

今こうしてブログを書いているときにもイスラエルからの爆撃にさらされているガザ、そのガザについてのメッセージを転送します。これはネットで読むこともできます。(ガザという地名は、ガーゼの語源です。)

 

この筆者のシンディシーハンは、「なぜ息子はイラクで死ななければならなかったのか」とブッシュ大統領の牧場に座り込んだ女性です。アメリカが大量破壊兵器を口実にイラクへ侵攻した戦争に、彼女の息子は派兵されました。

労働者派遣法について次回に、すぐに更新する予定です。

 

これを書きながら、私の目は真っ赤にはれています。
 血だらけの赤ちゃんや体に障がいを負った子ども、そして母親や父親が嘆き悲しんでいる写真を見るのは耐えられないことです。

 ヤハウエの「神に選ばれし」国防軍は、2か所の国連避難所を爆撃しました。イスラエルは、そこが避難所として使われていることを知っていながら、(GPS座標を提供した国連は、それほど彼らを信用していたのかしら?)学校を破壊しました。ガザの数十人の無辜の人々が殺されました。イスラエルは、ハマスが学校をロケット発射場に使っていたという便利な言い訳をしましたが、それは国連が否定しています。

「大統領はいつもひとりだけだ」と言ったナントカさん(【訳註】オバマ次期大統領のこと!)は「わたしは戦争自体否定しない。愚かな戦争に反対するだけだ」と言ったでしょう。あなたは、今ガザで行われているテロ行為にコメントするのを頑なに拒否したけれど、わたし達は、あなたが2008年7月にエルサレムを訪れた時、どちらの側に重きを置いてイスラエル大統領シモン・ペレスに話したかを知っている。南部イスラエルのスデロト、そこもイスラエルの大部分と同じようにもともとパレスチナ領土ですけどね、そこであなたはペレスに「あなたのおかげで、イスラエルが建国して60年で奇跡が花開きました」と語って、ハマスの貧弱なロケット弾からイスラエルが自衛する権利にお墨付きを与えたわね。ナントカさんに伝えましょう「わたし達は、あなたがイスラエルを大好きで、ずっと以前から、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPEC【訳註】米国の最も強力なロビー団体のひとつ。アメリカ-イスラエルの強固な関係を維持することを目的とする)と軍事で徒党を組んでいるアメリカ・イスラエル帝国の言いなりだって知ってるの。でも、パレスチナの赤ちゃんはガザからロケット弾を放ったりしないわ」

 私はここで、オバマに言いたい。戦争は愚かではありません。戦争は「邪悪」なのです!ここアメリカの貧しい黒人に対する戦争から、アメリカとイスラエルががアラブの人々を侵略するために行った虐殺まで、あらゆる戦争が邪悪です。戦争と言うものは、例外なく、完全に、絶対的に、議論の余地なくむごたらしく、邪悪なのです。アメリカ議会も、イスラエル議会も、そしてそれぞれの政権も、死と破壊を求めて、乱暴で極端な人種差別主義者が羽を休める止まり木かもしれません。洞察にとんだ「チェンジ」にも、積極的な「チェンジ」にもわたし達は全く「希望」が持てません。

 ジョージ・ブッシュはいつも死と破壊を推し進めて、共和党と民主党が戦争マシーンに忠誠を誓えば満足する役立たずの愚か者です。彼は最終的にいなくなり、それは大歓迎なのですが、経済に関わるブレインが納得できるというだけで、次の政権を歓迎していいのでしょうか。次の大統領は、ガザの無力で無抵抗な人を弁護する段になると、驚くべきすばやさと光のスピードで責任逃れに走ってしまうのです。

 殺される赤ちゃんや子ども、そしてその他の純潔な人達が、貪欲で残忍なアメリカ・イスラエル政府の対価を払わされていると思うと、気が狂いそうです。わたしは、虐殺を前に、そして、私の仲間と多くの「平和」運動が、シオニストの次の戦争モンスターに「チェンジ」を期待しているの見ると、深い無力感でいっぱいになります。そう、叫びたい「ナンセンス!」と。

 イスラエルはガザの住民を虐殺し続けています。医師にどんな薬も必要な物資も届かない状態では、数百人いえもっと多くの人達が死に、数千人以上の人が傷つけられるでしょう。そして、オバマがこれ以上沈黙しているなら、数万人が恐怖に取り残され、飢えに苦しみ続けるのです。沈黙は共犯と同じです。わたし達が似非リーダーに追従するなら、わたし達も共犯者です。


 わたし達に何ができるのでしょう。税金を支払う日が近づいている。あなたが支払った税金は、あなたが若い人でも、年老いた人でも、支払い始めてからずっと死と破壊に使われています。あなたが汗水流して稼いだお金がガザやイラクやアフガンの赤ちゃんを殺すのに使われているのを知りながら、夜すやすやと眠れる?わたしはもうめったに熟睡できません。わたしもアメリカ・イスラエル戦争マシーンに税金で資金を提供しているからばかりではないのですが。

 わたしは、サンフランシスコの議員に、イスラエルの会社の株と投資を剥奪するよう呼びかける積もりです。すべてのパレスチナ人への暴力的なアパルトヘイトを止めなければなりません。そして、南アフリカで実現したように、多くの保守的なイスラエル人とともに、公正で人道主義に根ざした解決策が経済的に推し進められなければなりません。あなたも、あなたの住む町で同じような運動を始めるか、すでに始まっていればそこに加わってください。

 わたし達が選んだ公務員に人道主義に基づいた行動をとらせるためには、組織化され、抜け目ない抗議運動をしなければなりません。アメリカ・イスラエル公共問題委員会は、政府立法を親イスラエルにさせるため無制限とも思える資金と影響力を持っています。わたし達の連邦公務員の多くがAIPACに買収されているのですから。

 わたし達が正当な怒りを表し、ファシスト政府に道徳的な水を運び、声をそろえて平和と正義を叫ぶまで、これ以上赤ちゃんの犠牲を増やすべきではありません。

 ガザ地区の住民は、アメリカ製の飛行機からアメリカ製の爆弾を落とされて組織的に殺されています。アメリカ製のヘリコプターからアメリカ製の機関銃で機銃掃射されているのです。止められるのは、まさにわたし達なのです。

 

わたし達は皆ガザとともにある【We are all Gazans】(By Cindy Sheehan, 7/Jan./2009訳:どすのメッキー
http://www.afterdowningstreet.org/node/38750

 

あけましておめでとうございます。

今年もこのブログを続けていくつもりです。なかなか更新されないと諦めてしまわず、時々はアクセスしてみてください。

 

さて、年末からの労働者の状況は、新年になったからといって何も変わらずというか、さらに悪化してます。

名古屋の、このブログにも度々登場する女性が、「名古屋でも炊きだしに集まる失業者の中に若い女性を見た」と報告してくれました。これを聞いた夜は冷え込みが厳しく雨も降っていました。彼女たちはどこで寝たのでしょうか。炊き出しは名古屋駅前のトヨタの超高層ビルの裏手で行われているとか。なんとも皮肉な場所ですね。

 

さて、前回の続き感想です。

連合が、「賃上げ」を春闘の要求にしました。

これを聞いたとき、びっくりしました。丁度リストラの嵐の風が吹き始めたときでした。

経営者側の安易な解雇の連続に唖然としましたが、連合の要求は、連合が労働者の団体であるがゆえに余計に唖然としました。「連合の言い分は内需拡大で景気を良くするのがねらい」とか。

景気の良かったときも賃上げがなされなかったから、その言い分は分かりますが、なんともタイミングが悪いというか、空気が読めないというか。経営者、政治家と同じですね。

 

「賃上げ要求分を今回大量に解雇された人たちに回すとか、賃下げしてでも非正規労働者の雇用に使うとか」の発想はなかったのでしょうか。ここまでやって経営者に対峙してもらいたかったですね。保身という点では、経営者と同じ感覚です。

 

オランダは《同一価値労働同一賃金》に基いたワークシェアリングの進んでいる国ですが、この概念に至るまでには、労働者も賃上げを我慢し、経営者と痛みを分かち合った歴史的経過があったそうです。

 

賃下げした分は、さっさと帰ってしまうとか、連合もいろんな戦術が考えられると思うのですが…。正社員の親の権利を守るために子どもは非正規で甘んじているという構図も見えてきます。

 

さてブログの内容に移りますが、新年からは労働者派遣法について、特に派遣法の何が問題なのかを何回かに分けて明らかにしていきます。

労働者派遣法がこのブログに登場するのはこれで二回目です。前回は解説でしたが、今回は問題点を主とします。

 

まず英語の勉強からです。英語では派遣労働のことをTemporary Workといいます。でも和英辞書で「派遣」と引いてみると、dispatchとあります。dispatchは「軍隊に派遣する」という意味もあって、昔の使い方では「kill」と同じともあります。「kill」と同じとはなんとも皮肉な!

政府はこの意味で使ったのかと勘ぐってしまいました。

 

これからの説明は、主に龍谷大学脇田滋教授の説を引用させてもらいますが、脇田教授は、国際的に使われている《一時的労働としてのTEMPORARY WORK》を、派遣労働制度導入の1985年当時の政府・労働省が意図的に《派遣》と誤訳したものだと言っておられます。だから国際的使われているTEMPOARY WORKは派遣期間の派遣だから、派遣期間終了後に派遣先が常用雇用するのが、イタリアやドイツでは3〜5割になるそうです。

 

時々拙い英語で会話するスェーデン人の男性も、日本の派遣労働についてはさっぱり理解できませんでした。もちろん私の英語力の問題の方が原因とは思いますが。

 

次に、日本の派遣労働には根源的な欠陥があります。

それは日本が《同一労働同一賃金》の概念を法制化していないことです。これに関しては、労基法4条にこの概念が含まれているとかいないとかの労働法学者の学術的見解があります。しかし、明文化していないことは確かです。

私は、このブログで度々《同一価値労働同一賃金》を使いますが、脇田教授の言うところの《同一労働同一賃金》とは概念が違うところがあります。しかし、派遣労働で使うときには、同じと考えてもいいと思いますので、以後脇田教授の《同一労働同一賃金》を使います。以前にもこの2つの用語の違いについては書きましたが、今回はややこしくなるのでちょっと置いておきます。

 

脇田教授によれば、EU諸国(ドイツ、イタリア、フランスなど)は、全国協約で仕事別に同一労働同一賃金が確立されており、各国派遣法でも、派遣された企業の社員と同等以上の待遇を派遣労働者に保障しています。だから、日本の派遣労働者が、派遣先の企業、例えば大分キャノンの社員よりも格段に低い賃金が当然とされているのは世界に類例がない異常なことであると述べておられます。

派遣労働者は賃金は派遣先の企業の社員の賃金よりも低くて当然と思っている、いえ思い込まされいてる私達の方が異常なことだったのです。

 

脇田教授の話はまだまだ続きますが、今日はこれくらいで。

次回をお楽しみに?

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