蒸し暑い日が続いていますが、お元気ですか?

 

昨年末から3週間、イスラエルの攻撃に曝されたパレスティナのガザ地区のその後の話を聞きに行ってきました。

講演者のお一人である岡真理さん(京都大学准教授、専門は現代アラブ文学)は、親交のあるサイード・アブデルワーヘド(ガザにあるアル=アズハル大学)教授からネット配信されてきた生々しい攻撃のもようを話されました。

これは『ガザ通信』(青土社)として発行されています。一文を引用します。(著作権に引っ掛かるかも?)

 

≪25の建物がイスラエルに空から攻撃された。建物はすべて木っ端微塵にされた。死者はすでに推定250人に達する。負傷者は何百人にものぼるが貧弱な設備しかないガザの病院では、彼らは行き場もない。電気も来ないが、ディーゼル発電機でなんとかこれを書いている。世界にメッセージを送るために。携帯電話もすべて使用できない!(イスラエル軍は特殊電波を発信して携帯の通話を妨害していた)2008.12.27

 

イスラエルにガザ地区攻撃については、200932日の「続きを読む」に入れてあります。岡さんは、イスラエルの攻撃を、もしイランがすれば、北朝鮮がすれば、世界は黙っていないだろうと言いました。

 

世界の経済を動かすユダヤ人の国だから何も言わない。この攻撃が始まったとき、オバマはイスラエルに何も言いませんでした。このとき、「オバマ大統領も所詮アメリカ国益の側なのだ」と妙に納得して、がっかりした記憶があります。

 

自由な考え方をする友人がいます。その豊かな感性にいつも目からうろこ状態になってしまう私なのですが、その友人はインターネットをしません。嫌っているのではないようですが、使わないのは彼女にその気にさせる何か決定的要因がないからだと思います。

 

アブデルワーヘド教授からのリアルタイムの情報は、インターネットだから可能となったのです。ネット社会の功罪はさまざまにありますが、確かな情報を見極められる目を持って使っていこうと、今回のこのガザ通信で確信しました。友人にも勿論言うつもりです。残念ながら次回会ったときか、手紙で。

 

今日は、女性差別撤廃条約の話です。

今年は、国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)で、「日本の女性の状況」についての検証が行われます。この検証をする委員は、各国から選ばれていて、日本は弁護士の林陽子さんです。

(注:「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」
    Convention on the Elimination of all Forms of Discrimination against Women

 

日本は1985625日に条約を批准しています。しかし、この条約は理念であって、実際にこの条約を効力あるものにするには、「選択議定書」を批准しなければなりません。

 

条約は批准しているけれど、選択議定書を批准していないのは、先進国の中でアメリカと日本だけです。

アメリカはオバマ大統領になってから、選択議定書の批准の検討に入っています。

 

日本が批准しない理由を、「国内法で判決が出たことに対して不満のある女性が、この選択議定書の『個人通報制度』を使えば、『司法権の独立を侵害する』からである」としています。

 

自民党は4月の外交関係の合同会議で、女性差別撤廃条約の「選択議定書」をめぐって議論をしました。批准を求める意見の一方で、「国連に助けを求めるほどの女性差別は今はない」「堕胎、離婚促進法だ」などの反対意見が続出したそうです。ということは、自民党は批准する気はないのかもしれません。

(ますます世界の流れから取り残されますね。)

 

記事にあるプラミラ・パッテンさんは、今年、日本政府の答弁を審議する立場の委員です。政府答弁が、日本の女性の実態を正しく伝えていないことは、ブログの200841日・5月1日・54日に書いています。

 

今回、プラミラ・パッテンさんは、政府ではなく民間(WWN:Working Women’s Network)の女性たちに招かれて来日されました。インド洋の島、モーリシャスから飛行機を乗り継いでの来日でした。

日本では、さまざまな女性差別に苦しめられてきた裁判の原告達がパッテンさんに話をしました。政府答弁と異なる女性の状況をどのように判断されたのでしょうか?

 

パッテンさんを招いたWWNが中心となって、兼松裁判の原告や住友裁判の元原告、研究者等80人の女性たちが、今月ニューヨークへ「日本政府報告の審議」の傍聴やロビー活動のために行きます。帰国報告が楽しみですね。

 

以下記事から引用しました。

 

日本の選択議定書批准を要望

 

今年7月に国連の女性差別撤廃委員会において日本の第6次報告書の審査が行なわれる。国内からも委員会からも要請されてきた女性差別撤廃条約の選択議定書批准について、日本政府がどのような決断をするかが注目されている。

 

その審査を目前に同委員会委員の一人であるプラミラ・パッテン氏が来日し、20日には大阪で、21日には東京で国際シンポジウム(ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク主催)に出席。選択議定書の説明と活用事例の報告をし、日本の批准を希望した。

 

選択議定書は、条約の権利を侵害された個人または集団が通報委員会に対して申し立てできる「個人通報制度」と、権利の重大または制度的な侵害に対して委員会が調査できる「調査制度」の二つの制度からなる。日本は前回2003年の4次・5次調査でも批准の勧告を受けているが実現していない。今年4月の政府から委員会への報告でも「研究の部会をつくって検討を続けている」というものだった。

 

日本で批准されないのは、個人通報制度が「司法権の独立を侵害する」という立場を法務省が取っていたということもあるが、現在はすでに同省はその立場ではなく、外務省とともに批准に向けて実務的な問題について検討している。氏も「法務省も外務省も批准をした場合の結果などを検討していることがわかる。その文書をいただいたが、日本政府が批准をしないということは、この文書に対する理解が欠如している」と指摘する。

 

個人通報制度の事例として、オーストリアで夫からのDVにより殺害された女性の例を挙げたパッテン氏は、「オーストリアのようにDV防止に関する完璧と言える法律がある国でも、警察・検察が動かなかったために殺害された。委員会は、女性を暴力から守るため相当な注意を払うべき司法機関が捜査も起訴もしなかったことを締約国の違反と判断し、警察と検察との連携、加害者の早急な起訴、DVに関する司法関係者の研修などを勧告した」と司法関係者の問題について言及した。

 

差別が撤廃されないのは裁判に訴えても救済されないことも一因だ。性差別や性暴力に関する裁判官の無理解に関しては指摘され続けている。制度についても通報できるため、司法関係者、特に裁判官のジェンダー研修の不備について通報することは可能かと聞くと、個別例と同様「具体的な事例で、国内の救済手段をつくしてからになる」と答えた。

 

だが、「どの国も司法関係者はジェンダーについても研修しているというが、女性差別撤廃条約に触れている判例がどれだけあるかを示してもらって委員会が審査することは現時点で可能」とし、「日本だけでなく、いい法律はあっても実行段階でジェンダーの感覚が欠けている。司法関係者の研修については勧告で必ずとりあげる」と述べた。

(週間金曜日より引用)

 

では今日はここまで。