「労働者と資本家は平等だ」なんてことはゆめゆめ思っていませんが、もう少しなんとかならないの〜!!

ちょっと古いのですが、以下の記事を読んでください。

 

 

≪三菱自、期間従業員の採用再開へ 年内に500人程度≫

三菱自動車は、生産現場で働く期間従業員の採用を再開する方針を明らかにした。エコカー減税などの景気対策で小型車などの販売が回復しつつあるためだ。経済危機が深まった昨秋以降、国内メーカーは大幅減産に伴って期間従業員を絞り込んできたが、三菱は販売不振が底を打ったと見て、生産現場の増員に動く。

 8月にも期間従業員の募集を始める。6月の国内販売が前年同月比37.6%増と好調だった小型車「コルト」などを生産する岡崎工場(愛知県岡崎市)向けで、販売台数の動向を見極めながら、年内にも採用数を500人程度まで拡大する計画だ。

 増員により、岡崎工場の生産体制を今年11〜12月をめどに昼夜2交代制に移行する方針。同工場は今年2月から、販売不振に伴って日中だけの勤務にとどめていた。当面は、水島工場(岡山県倉敷市)や取引先などのグループ企業から400人程度を応援要員として確保する。

 三菱自は、自動車不況により、昨年11月は3300人だった非正社員数を、今年3月末にはゼロにしていた。

 三菱は、00年以降の商用車のリコール問題を発端にした経営難で、大幅な人員削減を進めた。このため、工場の生産要員に余裕が少なく、他社に先駆けて期間従業員の採用を再開することにした。

 国内メーカーは、低燃費・低公害の「エコカー」を対象にした減税や補助金支給の効果で、ハイブリッド車や小型車の販売が持ち直し傾向にある。(大日向寛文) 2009710日朝日新聞

 

なんと勝手な。捨てたり拾ったり。

「不況だといって安直に解雇した企業に、誰が働きに行ってやるものか」と言えたらどんなにすっとするでしょう!

 

もう一つ。これも使い捨ての例です。身近に起こりました。解雇の問題です。

 

正社員のAさんは病気になって傷病休暇を取り、治療に専念しました。その甲斐あって、無事医者からの職場復帰の証明も出ました。若干半身に麻痺が残りましたが、一人で通勤もできます。病気になる前は営業職でしたが、Aさんは体のことや営業職が外部の人と対面することを考えて、事務職で復帰することを希望しました。

 

会社側の回答は「退職。その後1年間の嘱託。嘱託の状況を見て継続するかを考える」というものでした。

さあ、あなたがこの状況になったらどうしますか?大きな会社なので、働いている人は沢山います。職種も沢山あります。

 

Aさんは考えに考えて、会社の条件に同意しました。

労働問題に詳しい人は、こういう場合、「絶対に退職届を書いてはいけない」と言います。

 

「私は退職したくありません。継続してこの会社で働かせてください」と毎日言い続けるのは相当な勇気が要ります。少し後遺症が残ったとはいえ、日常生活は今まで通りにはいかないでしょうし、自己の現状を受け入れて、仕事を再開すると決意するまでには相当な勇気と覚悟が要ったでしょう。

 

法律にはこう書いてあります。

労基法18条の2[解雇]

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

 具体的な解釈を見て行きましょう。長くて難しい文章なので、Aさんに関係する箇所を太字にしました。そこだけ読んでも、Aさんに対する会社の誠意のなさが分かります。20年近く勤めて、病気になったら「はいさようなら」です。名のある企業なのに!

 

労働者の非違行為、能力欠如等を理由とする解雇

傷病による能力欠如を理由とする解雇

 

()労働者に傷病や後遺症があって従前の職に復帰するのが困難な場合、労働者の労務提供の不能や労働能力・適性の欠如を理由として解雇されることがある。

多くの企業では、労働者の私傷病による欠勤が一定期間以上にわたる場合、これを休職とし、休職満了時点でも復職が困難な場合、これを解雇したり、休職期間の満了をまって退職と扱う旨の就業規則の定めをおいていることから、このような就業規則の条項に該当するか否かのかたちで争われることが多い。実際の相談では、このような規定に基き解雇された労働者からの相談のほか、本人が復職を申し出ているにも拘らず、企業が復職を認めようとしないという解雇に至る以前の段階での相談がある。

(労災は別:解雇に対する法令上の制限)

 

()このような解雇の場合、まず問題となるのが、休職期間満了時点等において、真に従前の職に復帰することが不可能であるかどうかである。

その判断は、医師の診断によらざるを得ないケースが多い(企業の側でも、復職させるかについて、就労可能である旨の医師の診断書を求めるのが通常である)。したがって、訴訟提起の場合はもちろん、交渉をするに際しても、十分な医証を確保することが必要である。

()また、休業期間満了時に、従前の業務は十分にできないが、労務提供はできる場合に、即座に解雇する(退職扱いとする)ことが許されるかも問題になる。

これは、企業には解雇回避のために、配置転換、教育訓練の機会提供、復帰準備期間の提供などの措置を講ずべき義務があるかをめぐって争われる。

この点については、従前の職務を通常の程度に遂行できる健康状態に回復していることを要するとする見解と、復職当時は軽易業務に就き、段階的に一定程度の猶予期間をおいて通常業務に復帰できる程度に回復しておればよいとする見解に分かれていた。

ところが、建設工事の現場監督に従事していた労働者が私病を理由に、事務作業への配転を求めたところ、会社がこれを拒否し、自宅療養命令を発し、賃金カットをした事案である「片山事件」において、最高裁判決は(10.4.9労判736)、当該労働者の配転が可能であるか否かを検討して、賃金請求権の有無を決すべきとした。

片山組の判決内容は、傷病等により従前の職務への復帰が困難であることを理由とする解雇(退職扱い)の場合にも、当然に妥当と考えられる。

したがって、職種限定がない労働者の場合、従前の職場に復帰できずとも他に就労可能な職務がある場合に拘らず、そのような職務への配置可能性を検討せずになされた解雇(退職扱い)は無効となる。

判例:北産機工事件(札幌地裁判決平11.9.21労判769号)、全日空事件(大阪高裁判決平11.10.4労判771)

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法律があっても所詮「絵に描いた餅」です。企業に異議申し立てをするには、労組(企業内、地域ユニオン)、労基署、裁判等があります。しかし、これらに挑戦するには相当なエネルギーが必要です。ちなみに、会社の労組は力になってくれませんでした。

 

(余談ですが、7月の新聞に以下の記事を見つけました。)

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障害者雇用差別禁止を法制化へー厚労省が議論開始これは日本が07年に署名した「国連の障害者権利条約」批准に向けた対応の一環。〜中略〜焦点になりそうなのは、障害者権利条約が求める「合理的配慮」をどう規定するかだ。職場での合理的配慮は、使用者に過度の負担にならない限り、個々の労働者の事情に応じて必要な環境を整えることを意味し、配慮を欠くこと自体が差別とされる。〜中略〜来年の通常国会への法案提出を目指す。

 

 

では今日はここまで。

次回は、WWNがニューヨークに行った報告(前回のブログに関連して)を9月末にします。?