嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2010年01月

一月ももう終わりですね。若いときほどには「一年の計は元旦にあり」と意気込まなくなりましたが、「行動を伴った知識」をひそかに誓いました
(ブログに書いて、どこが「ひそか」なんですかね。)
 

「誰か貰ってくれる人はいないかな?」「可愛がってもらうんだぞ」

というセリフ、一体何について話をしているのでしょうか?

愛犬、愛猫、ペットの話?


いえいえ、女性の話です。

先日、小津安次郎監督の映画「晩春」をTVでみました。大学教授の父と結婚前の娘を描いた映画です。父はなかなか結婚しない娘を案じて、友人に相談するのが最初のセリフ。次のが、結婚が決まった娘に父が言うセリフです。


小津監督といえば世界的に有名な人です。ネットで検索すると、「たとえ小品であっても、必ずそこに人生が含まれている」と紹介されています。
人生は男だけかよ〜って毒づきたくなります。違和感あります。

 

世界史でフランス革命を学びましたよね
(念押し!下記の販売について語ってくれた彼女は「授業、忘れてしもた」って言ってましたので)。
フランス革命は市民革命です。しかし、市民に女性は含まれていませんでした。革命当初、女性も革命の担い手としての存在でした。しかし、革命が成功し、革命後の政権争いの中で女性は排除されていきます。


小津監督の、こと女性に対する意識はフランス革命時と変わらなかったのかしら?いつの時代にも「人権」に対する正しい意識を持っている人はいるのだから、影響力の強い人には、なおさら賢さを求めます。

 

でもこういう言葉、割と無造作に使っている人いますよね。若い人なんか「うちの嫁」って平気で言いますものね。「『嫁』のなにが気に障るのか?」って!「主人」というのと同じかなぁ?日本語って、夫婦を呼ぶのにぴったりという言葉、なかなかないことも原因の一つだとは思うのですが…。

 

朝日新聞朝刊に「オピニオン」とう欄があります。そこで「オピニオン」を言っているのは男性ばかり(たまに女性も出ますが、毎回むかつきながら、男女の数を計算していないので、数字で示せないところが残念。)

「女性だってオピニオン持っているんだぞ〜!という言う以前に、ジャーナリストの見識を疑いますね。世の中に鋭いメスを入れるのがジャーナリストの役目の一つなら、男女比を率先して考慮し、お手本を示すのが使命。マスメディアのマスを人権分野で大いに活用してほしいです。

 

さて、今日は卒業生の一人に話を聞いてきましたので、紹介します。

本日の「働く女性」は「販売」をしている人です。

 

アパレル関係の販売です。
雇用形態は契約社員、一年更新。成績悪かったら更新がないこともある。ポジションは店長で、アルバイト店員3人を束ねています。(アルバイト店長もあるとか。)会社は全国展開で出店しています。


週休2日で、社会保険、交通費は保障されています。

(週休の取り方の話をしていると、どうも「裁量労働制」のような感じ。でも販売業は「裁量労働制」という働き方には該当しないはずです。認められているのは専門業種です。商品開発とか、デザイナーならOKですが…。彼女は今の会社の前に、他の会社の「商品開発」の部門で働いていたので、疑問を抱いていなかったのかもしれませんが、明らかに労基法違反です。でも、全国展開の会社だから、法律に裁量があるのかも。いずれにしても調べてみないと)


勤務時間は二交代制で、早番が9時半〜
19時、遅番が11時〜20時半。その間、昼休みが1時間、夕方の休憩が30分。


賃金は月給制で、店長手当てを入れて手取り
23万円くらい。残業代、ボーナスなし。入社して2年目、昇給はなし。(前歴を認められて、一種のヘッドハンティングです。)


年次有給休暇は「多分取れると思うんだけど、周りで行使している人を知らない、何日あるのかも知らない」。
もし年休とかを取りたいとき、賃金を上げてもらいたいときは、何店舗かを管轄・管理している上司に電話で言ことになるとか。しかし、この上司をとてもよく知っているので(彼女を引き抜いた人)、もしこのような要求を言うことになれば「非常に言いにくい」とも。


近々、結婚するが、その時の特別休暇
5日間はもう上司の了解を得ているし、有給だと思う。結婚後も勤めるが、将来子どもを持てば、仕事と家庭の両立は難しいと思う。社長は「3人の子どもを育てつつ仕事をしている人もいるので頑張ってください」と言うが、東京で勤務している人なので、どういう状況で両立できているかの実態を知らないから、予測が立てられない。(親と同居なのか、正社員なのか。)

 

店長とアルバイト店員で構成されている店舗なので、他店の同じ立場の人との密接な繋がりはなく、店長会議で年に何回か出会うくらい。よって、年休とか、昇給とか、労働条件とかを話し合うのを今までしたことがない。

 

話の中で、初歩的な疑問は「年次休暇」についてでした。これは権利なのです。しかし、店長やバイトの人が年休を行使したらたちまち店が回らなくなるというのは、この人員から十分に予測できます。

 

販売が好きなのはお客さんとのコミュニケーションがあるところ。これは遣り甲斐に繋がっている(同じような価格で、同じような商品なら、私は店員の資質で選びます。)

以前、このブログで紹介した「非正規雇用の人を正規にしたアパレルメーカーのワールド」は、正社員にしたことでかかった社会保険料を上回る経常利益を翌年に挙げました。会社が認めれば、それに応えようとするのが労働者です。(労働者にとって、これが落とし穴でもあるのですが

 

一番してみたい仕事内容はバイヤー。ディスプレイは店長の裁量であり、売れ筋をチェックし、上部に上げることもできるので、一店舗の中ではあるがバイヤー的な動きもできるだろうけれど、現状は店舗の運営で精一杯である
(そりゃそうでしょう。この人員で、契約とはいえ店長には責任があるのだから、売り上げとスタッフのことで精一杯でしょう。能力あるし、接客好きだし、経験もある人なのに、宝の持ち腐れです。)


では今日はここまで。

あけましておめでとうございます。

本年も細々ながらだらだらと続けていく所存でありますので、お付き合いくださいますようお願いいたします。

 

さて、2010年最初に送る内容は!!

大上段に構えても、現場の取材ができていませんので、今回は労働者派遣法改正の骨子についてです。

 

新聞各社によって評価はまちまちですが、概ね好意的です。「民主党・社民党・国民新党の連立政権だからここまで出来た!」のような。

でも問題山積です。「年末年始緊急相談会」の様子が報道されていますが、炊き出しに並んでいる人たちの中に女性の姿は見られません。あえて女性を撮っていないのかもしれませんが、400人集まった中に2人の女性がいたとの報道がありました。女性の貧困は表になかなか現れてきませんね。

 

労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)がまとめた改正案の骨子は以下です。

仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ登録型派遣は禁止

常用雇用型を除く製造業への派遣は禁止

1日単位から2カ月以内の期間の派遣をすべて原則禁止。 

禁止業務への派遣や偽装請負などの違法があった場合、派遣先企業は派遣労働者に直接雇用契約を申し込んだとみなす。

施行は公布日から半年以内。しかし、経営側への配慮から、登録型は5年間、製造業は3年間の猶予期間を置く。

 

この改正案の審議での経営者側の意見は


・女性は「ワーク&バランス」の観点から労働時間を拘束される正社員よりも派遣という働き方を選ぶ人が多い。

(そもそもこのブログを始めたきっかけは「女性卒業生の仕事の実態」からでした。詳しくは最初のブログをご覧ください。経営者側の考えの前提が間違っています。正社員で働きたいけど「ワーク&バランス」出来ないから、仕方なく非正規を選んでいるのです。以前から女性には正社員の道は開かれず、開かれていたとしても早期退職で肩たたきが定番でしたが…。このあたりにも「女性の貧困」が見えてこないことと連動しています)


・派遣という働き方に今以上に規制を強くすれば、企業は派遣労働者を雇用しなくなる。その結果派遣労働者を守るための改正案が労働者の雇用機会を奪うことになる。

(新聞はこれに関し次のように反論しています。「11月の完全失業率が52%、有効求人倍率は045倍という現状で労働者が「働きたい時に働く」ことができるのか。」)


・派遣労働者を雇用できずに、正社員で雇用するとなると賃金コストが高くなる。そうなれば企業は海外へ移転するしかない。ますます雇用の機会はなくなる。

ここも新聞によれば、「海外移転は消費地との直結や円高対策の面が強く、雇用とは直結しない。」) 

(毎日新聞・中日新聞参考)

 

さらに法案には「原則として」の文言が随所に出てきます。「原則」ってどういう法的拘束力と連動するのでしょうか疑問です。また専門26業種についても現実には随分と拡大解釈されています。「ファイリング」と曖昧な業種で随分と問題が生じました。このブログでも相当以前に紹介しましたが、キャノンは労基署から指導を受けています。

 

年末のブログにも書いた「イーランド争議」の女性の一人は、「韓国は日本の後追いをしている」と言いました。

確かに日本の派遣切りの理由は、不景気にプラスして「3年を超えたら直接雇用の義務が生じるから、3年未満で解雇」が現状です。でも、そもそもの主旨は違いますよね。誰が考えたって「3年も同じ仕事があるのなら派遣先が雇用してもいいはずだ」です。が、主旨を外れてとんでもない反対方向に使われているのが今の派遣法です。


原則は、「原則でないのもあり」と同意語です。そんなややこしい文言の法律はやめて
(派遣という働き方を認めるのなら)「派遣OK!でも正社員よりも高い賃金を払いなさい」とすれば、すっきりします。

「それって、同一価値労働同一賃金原則のない日本では無理ではないの?」そうかもしれない。でもやれる部分もある。


年収
(含むボーナス。ボーナスも入れないと企業は毎月の賃金を安くし、ボーナスで補うかもしれないから。省く残業代)を正規の労働時間で割るというのは単純過ぎるかな?

以前、このブログでも書きました。「フランスでは正規労働者の賃金を下回ってはいけないし、派遣という不安定な雇用・有給休暇の保障がないという理由でさらに2割り増しを支払わなければならない」という内容でした。


派遣労働者を雇用するとかえって人件費がかかる。みんな直接雇用にする。当然、人件費の見直しが必要。「同一労働・同一賃金」を考えるようになる。→「なんで現場と事務の賃金に差があるのか?同一価値労働・同一賃金原則ってなんだぁ?」政府もあらゆる職種について同一価値労働・同一賃金の研究部門を立ち上げる。賃金の見直しが起こる。
(正社員と非正規とのバランスを取るためにも正社員の賃金が下がるかもしれない。当然反発が起きる。)下がっても労働者が安心して働けるよう、最低限のセイフティネットの政策を講じられる。医療費と教育費が無料になり、公的な住宅が増える。気持ちにゆとりができる。休日は自分自身のため、また家族・友人・近隣と過ごす。身のにあった穏やかな暮らし。+社会のことを考える時間ができる。→健全な景気回復ILO・CEDAWの日本政府に対する評価もちょっとだけ上がる。


(
おっと!初夢もどきになってきました。でも韓国のイーランド争議は現実の話なんですよね。)

では今日はここまで。

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