嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2010年03月

いろんな仕事ー卒業生の仕事紹介3−訪問看護師

昨日電気や自動車などの大手製造業の春闘の一斉回答が出ました。ボーナスは要求を下回る回答が多かったようですが、定期昇給は昨年とは異なり実施との回答です。


世の中マネーが回らなければ、消費は伸びません。
夕方散歩へ行った帰りにちょっと買い物をしました。冷蔵庫の物を工夫すれば買う必要はないものでしたが、時給で働いている人の少しは役に立ったかもしれません。
誰か一人が10万円使うのではなく、100人が1000円使う世の中が求められていると思います。


この春闘の一斉回答に非正規労働者は含まれていません。
同一価値労働同一賃金とまではいいませんから、同一労働同一賃金でワークシェアリングのある社会にしなければいけませんね。


こんな記事を見ました。

トヨタの一般職採用ゼロー11年春入社、発足以来初(2010.03.10朝日新聞)

《事務を補助する業務職(一般職)の採用を見送った。〜中略〜業務職は、短大や専門学校を中心に多いときは300人以上、09年度も143人採用していた。》


事務補助とあるから多分女性の多い職でしょう。
兼松裁判で一般職(主に女性)と総合職(主に男性)の賃金格差に警鐘が鳴らされました。トヨタってまだこんな採用をしているのですね。裁判で負けた兼松は既にコース別採用を止めています。
(感心!カンシン!と早とちりするなかれ!もっと巧妙な、賃金差別が一見分からないような姑息な採用方法です。)

それにしても人員が補充されないとなれば、その仕事は誰がするのでしょうか?仕事量が大幅に減ったというのはあまり(というか、全然)聞かない話ですから、派遣とか契約社員で補充するのでしょうか。

前々回に兼松と三井物産の正社員の男女賃金差を紹介しましたが、トヨタの賃金体系はどうなっているのでしょうか。ネットで検索しましたが、分かりませんでした。


それにしてもトヨタの女性労働者の姿って見えてきませんね。事務系の補助なる業務職と、いわゆる総合職との差はどれくらいでしょうか。コース別を女性たちはどう思っているのでしょうか?でも裁判は起きていないようですね。
今、卒業生の仕事について、聞き取りをしています。トヨタで働く女性の実態も知りたいです。

 

では今回は「訪問看護」をしている卒業生の紹介です。

高校を卒業して3年間看護師専門学校へ、高校卒業後18年です。

☆現在の訪問看護をする前は、総合病院で正規の看護師として働いていました。

その内訳は全て病棟勤務です。よって三交代勤務をこなしてきました。

外科病棟6年。新生児集中治療室 NICU2年。内科2年。療養病棟2年。

この間、産休・育休を2年間取得。


勤務時間は日勤
8:3017:10、準夜勤16:000:50、深夜勤0:508:30

辞める時の年総支給額(夜勤手当・ボーナス等を含む)は約670万円。


この年収に見切りを付けてなぜ彼女は現在の訪問看護師を選んだのでしょうか?

「辞めたい」と盛んに言ってたとき、先輩の看護師や私にも相談がありました。先輩の看護師は「育児は一時のこと。今を乗り切ったら続けられる」。でも彼女は辞めてしまいました。

「あなたは辞められるからいいわね。独身女性は扶養してくれる人はいないから」と当時45歳の看護師に言われたそうです。
(当時彼女の方が年収は高く、というか夫の勤務する会社も経営が芳しくなくなかなかの低賃金でした。その代わり定時に帰社し彼女が準夜勤や深夜勤のときは夫が育児を担っていました。)

  

 

字数が多くなりましたので、ここからは「続きを読む」に入れます。
次回は総合職に挫折した女性を紹介する予定です。

では今日はここまで。

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いろんな仕事ー卒業生の職業紹介2ー看護助手

前回「これから講演を聴きに行ってきます」の講演者、「密約」をスクープした西山元毎日新聞記者の罪状は、「そそのかし」でした。

講演では、過去のスクープの話ではなく、「なぜ密約があるのか」を憲法9条とからめての現在の話でした。


今、民主党は「普天間の代替地をどこにするかで、五月までには結論を出します」と言っています。
34日朝刊には「辺野古以外なら海兵隊の撤退も」とありました。

「日本が辺野古NOなら→海兵隊はそのまま普天間に残る→普天間は使い難い基地→海兵隊はいずれ撤退→結果的に、日米同盟の抑止力を損ない、アジア・太平洋地域全体の米軍の兵力配備・構成にも影響」と元アメリカ国防副次官が言ったそうです。夕刊には「ジュワブ陸上案」が浮上してきました。

西山さんは「沖縄の基地はアメリカが日本へ沖縄を返還した当初と意味合いが大きく異なってきている。マスコミは『早く移転先を決めないとアメリカに守ってもらえない』という論調だが、今や日本がアメリカに貢献している方が大きくなってきている。」ということをいろんな例を挙げて話されました。普天間基地のある宜野湾市長の伊波さんは「普天間基地ではヘリコプターが小学校の頭上すれすれを飛んでいる。これは、日本の航空法の適用を受けていないからだ。航空法を適用していない基地は日本だけだ」と話されていました
(大津で講演会がありました)


人々の関心は最初「密約の存在の有無」でしたが、いつの間にか、いかにして西山記者が外務省のマル秘情報を入手したかに焦点が移りました。人々はテレビや新聞でしか知ることができませんから、マスコミがこのようなすり替えに加担したのだともいえます。連日マスコミはスキャンダラスな内容ばかりだったような記憶があります。

しかしマスコミだけでなく判決も同じ観点のものでした。
1976720日東京高裁は「西山氏に懲役4ヶ月、執行猶予1年」の判決を下しました。裁判は最高裁へ。1978531日最高裁は棄却。東京高裁判決が確定されました。最高裁の裁判官は「当初から秘密文書を入手するための手段として利用する意図で肉体的関係を持ち、女性の人格の尊厳を著しく蹂躙した」と断定しました。この文からは「女性は弱きもの」という裁判官の考えが見て取れます。当時この事務官は仕事を完璧にこなす優秀な女性。彼女は自分の意思で行動したと思うのですが…。裁判官の判断は女性の味方のようでもあり、また女性を一人前に扱っていないようにも見えます。

(以上、澤地久枝著『密約』岩波現代文庫を参考にしました。)

 

前置きが長くなりましたが、今回は、病院の看護助手の仕事を紹介します。

前々回に登場してくれた販売の仕事をしている人と同級です。2人ともそろそろ「アラサー」の年頃です。

高校卒業後、社会福祉関係の専門学校に進み、そこで介護福祉士の資格を取りました。

(介護福祉士の資格試験、年々難しくなっています。その割りに賃金は上がっていませんが…)


介護老人保健施設
(家に帰ることを目的として短期に入所できる施設。実際は特別養護老人ホームへ入るのを待つ施設になっている。)19ヶ月、次の特別養護老人ホームに43ヶ月ヘルパーとして勤務した後、現在は総合病院に勤務しています。今年の3月でまる3年です。


現在の仕事は、病院の看護助手で仕事内容はヘルパー。嘱託で、一年毎の契約更新。

患者の介助の仕事ですが、その中には清掃も含まれます。病室を清掃するのは看護助手の仕事ですが、共通の場所、例えば廊下は清掃会社の役割だそうです。知ってました?

待遇は、採用時の面接で「正規雇用との違いは退職金があるかないかだけです。」と言われたように、正規の職員と同じ勤務時間で、週休2日間制の一日7時間労働、一時間休憩の拘束です。

勤務シフトは、早番が645分〜1515分。遅番が1230分〜21時。

基本給と祝日出勤手当てと交通費で社会保険料を引いて手取り16万円ほど。ボーナスもあります。


前職の老人介護施設の正職員から嘱託になった理由は、腰痛です。職業病ですね。彼女が生徒であったとき、バスケ部で活躍していました。今も急に体の位置を変えると痛みが走るそうです。今、働いている病院でも最初バスケ部に所属していましたが、続けられらなくなり、マラソンに変更したそうです。初マラソンで
20位以内に入り、「新聞に名前が出ました」と言ってました。


以前の老人施設では、亡くなる人を多く見てきたが、今は回復期の患者のリハビリ病棟での仕事なので、歩けるようになったとか、立ち上がれるようになったとかを、患者やその家族と共に喜ぶことができるので遣り甲斐があるとのことです。老人施設では、同僚が沢山辞めていき、中には一日で辞めた人もあったとか。認知症の人に「さあ食堂に行きましょうね」と言い、納得してもらい、よっこらしょと抱きかかえて
(一人で抱きかかえます。今の病院は必ず二名)車椅子に乗せた途端、どこかへ連れて行かれるとの恐怖で混乱した老人に噛みつかれることもあったそうです。「噛みつかれても離したら怪我をさせてしまうので、噛み付かれたまま車椅子に乗せる」と言ってました。


どうして介護の仕事を選んだのかの問いには、「小さい頃からおじいちゃん子だった。両親が共働きで、保育園の送り迎えは祖父母で、でも何故かおじいちゃんの方が好きだった。早く社会に出て、お年寄りと関りたかった」との回答でした。


待遇に関する希望は「ヘルパーの資格手当と早番・遅番の不規則手当てを付けること。基本給を上げること。また、有給休暇はあるが、現実には取得できない。ぎりぎりの人員で回っているので、誰かが休むと他の人にしわ寄せが行く。
3年間で有給休暇を取ったのは新型インフルエンザの二日間だけ(土日を除いて)だったから、人員を増やして欲しい」のことでした。また、正職員との違いは「退職金があるかないかだ」と採用時に聞かされていたが、「正職員のように産休や育休を取得できない」と最近思うようになったそうです。


腰痛は後々まで影響してきます。「老人介護の仕事が好きだ」という彼女に労災認定はありません。というか、労災という文字は彼女の頭の中には入っていなかったようです。腰痛を労災で認めたら、沢山の人が該当するでしょう。

「先生、生活習慣病には気をつけてね」と最後に言われてしまいました。リハビリに励む患者の多くは、脳梗塞とか脳溢血とで体が不自由になった人だそうです。

では今日はここまで。次回は「訪問看護」をしている卒業生を紹介します。

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