嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2010年05月

男女共同参画社会基本法たるものを知っていますか?

最初の質問です。

今ここに50万円あって、預金しようと考えているとします。丁度A銀行とB銀行が自宅へ営業に来ました。利率が同じなら、あなたが預金をしようとする銀行の決め手は何ですか?付加サービス?ティッシュとか!


私の決め手は、担当者ですね?担当者が女性なら一次パス。次に銀行における女性の待遇や働き易さを根掘り葉掘り聞いて、女性を認め、評価している銀行に預けます。


では次の質問です

あなたは「男女共同参画社会基本法」なる法律を知っていますか・

私は名前だけは知っていましたが、どうせ名前だけで、内容は伴わないものだろうと解釈し、積極的に知ろうとは考えていませんでした。この法律の実効性に相変わらず半信半疑を持ちながら、最近考えをホンの少しだけ考え直して、勉強会に参加してきました。


この法律の基本計画を策定するとかで、つい最近まで「広く国民のみなさまのご意見を聞く」という名目の元、各地で公聴会が開かれていました。同時に意見も募集していたので、各地で女性の団体が勉強会が持たれたのです。意見を出しても実現性は乏しいと分かっていても、何も言わなければ何も変わらないからです。


そう考える理由の一つに、文言に変化が出てきたことが挙げられます。これは政権が交代したからだろうとの意見もありますが、管轄は男女共同参画局で、トップは社民党の福島みずほさんです。

では、第3次男女共同参画基本計画策定に向けての《非正規雇用における雇用環境の整備
(中間報告)》の項を見てください。

 

() 施策の基本的方向

労働者が、多様でかつ柔軟な働き方を選択でき、それぞれの職務や能力に応じた適正な処遇・労働条件が確保されることは、女性の能力発揮の促進を図る上での重要な課題である。このため、同一価値労働同一賃金に向けた均等・均衡待遇の推進の取組として、パートタイム労働者と正社員との均衡待遇の推進など、多様な働き方の雇用の質を向上させるための施策を推進する。

() 具体的な取組

? 同一価値労働同一賃金に向けた均等・均衡待遇の推進の取組として、パートタイム労働法に基づき、パートタイム労働者と「通常の労働者」の均衡のとれた待遇を推進する。

? 同一価値労働同一賃金の実現に向けて、法整備も含めて具体的な取組方法を検討する。

? 不安定な身分やキャリア形成の困難さなど非正規雇用を巡る問題の解決を図り、非正規雇用労働者がスキルアップ、キャリアアップができるような仕組みの構築を推進する。

? 非正規雇用から正規雇用への転換を希望する者に対して、正規労働者になるための職業訓練などの支援を行う。

? 短時間正社員制度など公正な待遇が図られた多様な働き方の普及を推進するほか、フルタイムの正規雇用とこうした多様な働き方との間の双方向の転換が図りやすい環境を整備する。

? 有期労働契約の在り方について、正社員との待遇の均衡の問題を含めて検討する。

? 正規労働者以外の労働者に対する均衡処遇等について、施策において各労働者間で合理的でないアンバランスが生じることのないよう、正規労働者との待遇の均衡等の問題を検討する中で対策を講ずる。

 

どうですか、凄い内容でしょう!?待遇を推進する。?具体的な取組方法を検討する。?構築を推進する。?支援を行う。?環境を整備する。?検討する。?対策を講ずる。

「は〜い、質問をどうぞ」。「そうなんです。どこにも具体的な方策、施策は書かれていません。そうホント絵に描いた餅なのです」。


でも、でもなんです。この抽象的かつ実効性のない文章に、「同一価値労働同一賃金の実現に向けて、法整備も含めて具体的な取組方法を検討する。」という文言が入っただけでも画期的なことなのです。明らかに女性差別撤廃委員会が日本政府へ出した勧告を意識しての文言なのです。この勧告を引き出したのは、日本各地で活動する働く女性のグループです。


で、これらの絵に描いた餅のような文を、政府がやってくれるのを待たずに、骨のある法律に仕立てあげる方法を考えてみました。
(待っていたら50年かかるかもしれません。)

それは、例えばA銀行とB銀行に女性が質問状を出すのです。「私は、A銀行かB銀行か迷っています。つきましては、判断材料にしたいので、貴行の女性の管理職登用率をお知らせください」とか、「正行員と非正規行員の比率とか男女比とか賃金とか」。

 

政府は、この法律の策定に向けての中間報告の第1分野 「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」で、《民主主義社会においては、構成員の意思を公正に反映できる参画の制度と運用が必要であり、女性が社会の構成員の半分を占める中、政策や方針の決定に関わる立場の女性を増やしていくことが必要であることから、「2020 30%」をあらゆる分野においてできるだけ早期に実現する。》と言っているのですから、協力しなければ…。

では今日はここまで。

ウォルマートの性差別裁判

五月になりました。「毎日お忙しそうですね」と言われますが、実態は忙しいような、忙しくないような感じです。自ら忙しくしているようでもあります。では何もしないでいるのがいいのかと言うと、極端に言えば、ご飯を食べるのも、そのために準備をするのも忙しいことの範疇に入ってしまうので、忙しさの程度は非常に個人的なことでもあります。


卒業生の労働実態を調査するために在籍した大学で知り合った研究者が、大学当局から「雇い止め」を通告され、
3月で職場を追われました。彼女にすれば全く納得できない理由だったので、2ケ月経った今も大学と交渉を続けています。故郷は遠く、今までに築き上げてきたものは全て関西であるため、職を失うことは即路頭に迷うことなのだと実感しました。今まで私なりに分かっていたつもりでしたが、「そうか、路頭に迷うとはこんな簡単なことなのだ」と。


今回は卒業生の仕事紹介ではなく、アメリカで起きた性差別訴訟を紹介します。

アメリカの、あの安売りで有名なウォルマート・ストアーズの女性従業員が「性差別賃金」を争った裁判に決着がつくようです。

働く女性の仲間からのメールで知りました。さらに詳しく知りたいとネットで検索しましたが、出ていません。記事の詳細が知りたい以上に、「なぜ日本のマスコミは報じないのか」の疑問を持ちました。今分かっている範囲で紹介します。出典は「ウォールストリートジャーナル
53日」からです。分かり易いように記事を少しアレンジしました。


2001年に6人の女性がサンフランシスコの連邦地裁に提訴しました。提訴の内容は、過去5年間の賃金差別、昇進差別の「性差別訴訟」です。


6人は、ウォールマートで働いていた、また現在も働いている150万人の女性を代表して提訴しました。

しかし、余りにも原告の数が多いので、11人の判事の意見が分かれましたが、結局、米第9巡回区連邦控訴裁判所は今年426日、65の僅差で、小売り世界最大手の米ウォルマート・ストアーズを相手取った大規模な性差別の訴訟を、集団訴訟として審理するとの判断を下しました。


異なる判断をした判事の意見です。

集団訴訟としての扱いに賛成したマイケル・ホーキンズ判事は、賛成側を代表して、集団訴訟の規模が大きいのは事実だが、規模が大きいからといって訴訟が制御不可能になることはないと述べた。

一方、反対したサンドラ・イクタ判事は、これほど大規模の集団訴訟が認められたのは初めてだと述べた。

ウォルマートは最高裁に上告することもできるが、最高裁が取り上げる可能性は低いとみられる。 この集団訴訟で戦うことになれば、ウォルマートは莫大な訴訟費用を負担しなければならない。既に0812月、同社は、従業員の処遇をめぐる63件の訴訟で計64000万ドルの支払いに合意している。同社は、長期にわたる訴訟を避け、この性差別訴訟でも和解を模索する可能性が高いとみられる。 これにより、ウォルマートが10億ドル(約940億円)を超える負担を負う可能性が出てきた。


ウォールマートを『ウィキペディア(
Wikipedia)』で検索したら、アメリカ全土で約3500店舗ほど、また世界中に店舗を持っています。勿論日本もね。


さらに日経ビジネス
2006710日号によれば、ウォルマートで働く労働者の賃金は、フルタイム従業員の時給が10.11ドルで、小売業平均の12.5ドルを下回り、平均年収は18400ドルで、これはアメリカ連邦政府が決める4人家族の貧困家庭19350ドルよりも少なく、とても世界一の小売業の出す賃金とは思えないと出ていました。また、「過酷な条件で働かせたり、安易にリストラに走るのは日本も同じだ。『グローバル競争に勝ち抜くためには仕方がない』。経営者はこの言葉を隠れ蓑にして「搾取モデル」に走っていないか」と締めくくってありました。

しかし、すごい訴訟ですね。今後の展開と、「同一価値労働同一賃金」をどのように証明していくのか知りたいですね。

では今日はここまで。

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