嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2010年12月

2010年の大晦日ードイツと日本の労働者性(ちょっとした話題)

大晦日です。近くの若者向けファッションビルで働いている卒業生と会いました。彼女の働く店の横にユニクロ系のguが最近openしました。大きな面積の店ですが、人があまり入っていません(私が行く時間帯だけかも)。卒業生はguが呼び水になって彼女の店(guとは扱う商品が異なる)にも客が入ってくると予想していたようですが、以前と変わらないそうです。横にはguよりは少々高めの価格の、品揃えはよく似た店もありますが、そこも何とか持ちこたえています。若者って500円のTシャツを何枚も持っていたいものなのでしょうか。290円のTシャツは誰が縫っているのでしょうか?guを展開するに当たっては、当然マーケティングリサーチもしているでしょうから、勝算あっての出店とは思いますが、余りにも低価格の商品の背後に、低賃金の労働者を思い浮かべてしまいます。世界一品質管理が厳しいらしい日本の企業は、中国を初めとした東南アジア諸国の労働者にいくらの賃金を払っているのか、知りたいですね。卒業生は元旦から出勤だそうです。

友人からの又聞きですが、友人の友人
(Aさん)
がドイツのクリスマスを体験するツアーに参加されたそうです。クリスマス休暇あたりから欧米の北部は厳しい寒波に見舞われています。Aさんのツアーも悪天候のためバスは大幅に遅れ、楽しみにしていたクリスマス市場も少しの時間しか行けなったそうです。翌日、バスの出発時間は遅くなりました。その理由は?多分日本に暮らす人なら「悪天候だったんだ。天気の回復を待ったから」と回答するでしょう。ドイツ人なら何と言うか知りたいところですが、正解は「バスの運転手が前日の遅延でオーバーワークだった。その分休憩を取るから、出発は遅くなる」です。


日本なら「昨日は遅延して申し訳ありませんでした。市場をゆっくり見ていただけなかった分、今朝は早めに出発します」でしょうね。
私もその場にいたなら、ブーイングしていたでしょう。労働者はこうあるべきだの論理と、染み付いた意識には大きなギャップがあります。


卒業生はそろそろ出産を考え始めています。でも実際のところ、サービス業で働きつつ育児との両立を図るのは至難の業です。いったん仕事を辞めたら、再就職のときに同じ条件の仕事に就くのは両立するより難しいかもしれません。彼女の今まで培ったスキルは宝の持ち腐れになってしまいます。「一日
5時間くらい働けるのなら、育児との両立はできる」と彼女は考えています。パートとして5時間は可能かもしれませんが、給料もあらゆる条件も今とは大きく違ってきます。


こんな記事が入ってきました。

ドイツの派遣労働者に関することですが、裁判所が労働者側に立った判決をしています。詳しくは「続きを読む」を見てください。要約すると、ドイツの鉄鋼部門には大きな労働組合が2つあって、その一つの方が悪い条件で派遣労働者を雇用する労働協約を経営者と結んでいた。連邦裁判所は「労働者にとって悪条件の労働協約を結んでいる労働組合の労働協約は認めない。既に賃金、ボーナス、年休、病休等で派遣先正規労働者との平等を保障しているし、これを守らなければいけない、過去4年に遡り派遣労働者は損失を請求することができる。」と判決しました。


ドイツは、同一価値労働同一賃金の概念はEU指令で確立しています。
5時間働くか、フルタイムで働くかの違いだけで、他の条件は全て同じです。だから、パートという言葉は、短期間を表すことはあっても(例えばクリスマスの繁忙期に一週間学生アルバイトを採用するとか)、ずっと働いている人をパートとか非正規とかで表現することはあり得ません。全て正社員、ただ5時間なのか8時間なのかの違いだけです。


前回の続き「朝日新聞に抗議の投稿をしました」の朝日新聞からの回答はまだ来ていません。二回目はまったく返信なしです。前回の投稿即回答に誠意を感じることが出来ませんでしたので、今回は「なぜ男女比にこだわるのか」を諄々と書きました。そうしたら回答が来ません!今度は無視なのでしょうか。

その朝日新聞の昨日
(30)の社説の見出しは≪女性活用小国―能力を生かせる社会に≫でした。(よく言うよ)『健康や寿命では評価が高い日本女性の活躍度が見劣りする事実は、社会の重大な欠陥を浮き彫りにしている』と続きます。大手メディアって政治家と同じね。そう、厚顔無恥というやつですね。
ドイツの運転手の行動があるから、連邦裁判所の判決があるということになりますね。朝日新聞のオピニオン欄の男女比に改善が見られないことは、卒業生の両立は道遠しに繋がっています。


労働問題に関して、労働者側には今年も何ら進展のない年でした。政権交代でちょっとは期待したのですが…。政治が期待できないのなら、私たちもドイツの運転手の行動を見習い、日本的サービスを求めないこと。これしか方法はなさそうです。
(政治に期待するより難しいという声も聞こえてきそう)

では、今日(今年)はここまで。また来年もご愛顧ください。

(浜さんの講演の続きは宿題のままです。)

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朝日新聞オピニオンに登場する女男の比率その後

Wikileaksの代表が逮捕されました。彼らの行動の評価は分かれるところですが、アメリカの力が想像する以上に日本の隅々まで及んでいることを深く理解しました。例えば、IAEA国際原子力機関International Atomic Energy Agency)の事務局長は日本の天野という人です。核の番人でもあり中立(これは理想形ですが…)なはずの人が、米国のIAEA担当大使に対し、「高官人事からイランの核兵器開発疑惑まで、あらゆる戦略的な重要決定について、断固として米側に立つ」と表明したとか。また、民主党が突然に武器輸出三原則を見直すと言い出しましが、この唐突な発言の裏にはやはりアメリカ政府の日本政府に対しての期待発言があったとか。

日本のあらゆる出来事の裏にアメリカ在りです。ニュースを鵜呑みにしないようにとはなんとも情けない現状ですが、マスコミもウィキリークスに負けないよう嗅覚を働かせてください。


そのマスコミと言えば、以前のブログに、朝日新聞のオピニオン欄に登場する男女比が極端すぎると朝日新聞社に抗議メールを出したことと、当事者の朝日新聞社からの回答を載せました。

朝日新聞社からの回答は、「2010107日朝日新聞をご愛読いただきありがとうございます。アサヒコム・読者窓口へいただいたメールですが、朝日新聞社の窓口である東京本社・お客様オフィスから返信いたします。お寄せいただいたご意見は担当部へ伝えました。今後の紙面作りの参考にさせていただきます。 ご連絡ありがとうございました。

これからも朝日新聞をよろしくお願いいたします。朝日新聞社 東京本社 お客様オフィス」でした。

その後も虚しさと闘いつつチェックを続けました。
(どこが今後の紙面作りの参考ですか)

前回の1017日付けのブログでは女性15%、男性85%。10月7日〜16日までの7回。

その前の103日のブログでの比率は、女性16.6%、男性83.3%。9月18日から10月2日までの10


そして今回はというと!
1019日〜1211日の39回分で、総計91人が登場。その内女性は14人、男性は77人。比率にすると女性15.4%、男性84.6%でした。
(どんどん女性比率が下がっているではありませんか)もしこの比率が逆転していたら男性は黙っていないでしょう。オピニオンの内容は「続きを読む」にあります。

女性が登場するときのテーマからしても、実にジェンダーに囚われているのかがよく分かります。3人全員が女性だったときのテーマは「孤育ての国」と「子ども化が救う」で、子どもや女性に関するものでした。


話はずれるかもしれませんが、派遣切りが横行し随分と話題になりました。ワーキングプアの問題も共通の認識となりました。しかし、簡単に解雇され低賃金にずっと置かれていたのは女性たちでした。こういう状況が男性に及んできたから社会問題になりました。女性だけだったから社会問題化してこなかった一因に、「女はこんなもんだ」という女性の諦めがあったのも確かです。これは働く卒業生の調査からも分かります。このブログを始めるきっかけになった元気印であった卒業生は、社会に出ると「女性」という概念に一括りにされてしまっていました。今まで声を挙げなかった女性は反省を踏まえて、これから身近なところで自分なりの声を挙げる練習をする必要があります。今回の数字を、朝日新聞社から得た回答を添えて再度朝日新聞社に抗議します。しかし、私一人が吼えていても朝日は痛くも痒くもないでしょう。「購読止める」と言ってもやはり私一人では…。一人の声でも集まれば届く可能性は少しは高くなるでしょう。ご協力ください。


女性差別撤廃委員会は日本政府に対して、次のように勧告しています。

女性差別撤廃委員会総括所見2009720日〜87

≪ステレオタイプ≫

女性の人権に対する政府内の「バックラッシュ」に懸念を表明。メディアや教育における男女の役割に対するステレオタイプを取り除くため、教科書の見直し等の取りみを行うこと、また、公人による女性差別発言の頻発や、女性を性的対象とするポルノグラフィー、メディアにおける女性差別表現に対する政府の取り組みを求める。


次回は浜矩子さんの講演の続きを、私なりに考えたことと合わせて書きます。
では今日はここまで。


 


 

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