嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2011年03月

働く女性センター(ACW2)の会員からの声2

前々回に引き続き、仙台に住むACW2の会員からの便りです。筆者の状況が痛いほど伝わってきます。


≪3月23日≫
連休が明け、震災で休んでいた人達が職場に向かい始めた。今日は地下鉄駅に着くと入場規制がしかれ、なかなか乗ることができなかった。震災のため仙台の地下鉄南北線は北方面4駅が閉鎖されている。開通している現在の北端「台原駅」めがけ、何台も連なった臨時シャトルバスでやってきた人、私 のようにリュック背負って2駅、3駅歩いて辿り着いた人、人、人…で駅構内が満杯になっているのだ。先週とは様変わりだ。どの職場も動き始めたんだな、と感じた。満員の地下鉄の中は、シャンプーできない髪のにおいがした。

被害が甚大だった海沿いに通じる国道45号に、救援物資を積んだ自衛隊のトラック、他県ナンバーをつけた廃棄物処理の特殊車両、満杯の荷物を積んだアルミボデーのトラックがどんどん入っていく。お願いします…祈るような気持ちで見送った。震災から2日後の朝に新潟ナンバーの電気工事車両を見た時も、水を汲みに行った小学校で「札幌水道局」の給水車を見た時も、心から〈うれしい〉と思ったが、他県ナンバーを目にしただけで、こんなに力づけられ励まされるんだと知った。


職場に着くと、津波の後、安否不明になっている父親を捜しに行った同僚に会った。躊躇しながら挨拶すると「生きていた」。なんと、津波で押し流された家の2階にいたという。泥にまみれ、傾いた家の片隅で避難生活を送っている方が大勢いるのだ。テレビでは救出された祖母と孫が大きく報道されているが、あの流された家や車両の中には、まだ何千もの人がいる。海沿いの人達には、電気も電話も通じない。安否不明者が0になるのは一体いつだろう。1分でも早く、暖かいところで足を伸ばして休んでもらいたい。


午後、ずっと休んでいた派遣社員の女性が顔を出した。地震の時、私の隣の机にもぐった方だ。震災後、派遣会社から「暫く休みます」と連絡が入ったまま10日が経過していたので毎日心配していた。いつもハイヒールでキレイにしている彼女は、泥だらけでかかとが切れたスニーカーを履いていた。1階が水に浸かった実家と、津波で流された親戚の所にずっと行っていたという。地震の日、津波と聞いて、自分の住居に戻らず直行したそうだ。津波の現場を探し回り、靴が二つ壊れたという。迎えに行くことができない沢山のご遺体が瓦礫と水の向こうに見え、「ここは別世界だ。心が壊れそうだ。」とつぶやいた。同じ宮城でも、海を見た人と見ていない私の間には、ものすごい違いがあるのだと思い知った。


荷物を運ぶためタクシーに乗った時、運転手さんに「水は出たの?」と聞かれ、「ようやく。運転手さんは?」と応えたら「余るくらいある」と返され、湧き水でも出る山の方に住んでいる方なのかなと思ったら、「真っ黒い水が来て、家も母親も海に連れて行った」と世間話でもするかのように言われ慄然とした。地区丸ごと持って行かれ、みんなで捜したが見つからず、もう諦めて会社の寮に寝泊まりしながら仕事に戻ったという。地震で壊れて片付ける家があるだけ幸せ…何という現実だろうか。柱1本残さずさらわれた跡に、もう一度家を建てることはできない。


福島の代理店さんは、朝の6時に「避難しろ」とたたき起こされて、寝ぼけ眼でパジャマにジャンバー羽織って出たら、そのまま県外に連れて行かれ、いつ帰れるのかもわからないと会社に連絡をよこした。街は動き出した。ただ、どうなるのか、みんながわからない。



では今日はここまで 

職務評価ー東電の社長と福島原発の作業員の仕事の価値

私が今取り組んでいるのは「同一価値労働同一賃金」に至る職務評価の普及です。先日も、ある裁判の集会に参加しました。この裁判は一審で負け、今高裁で裁判中です。高裁はよほどのことがない限り、一審以上の証人尋問とかはしません。それをしてもらうためには、新たな事実を提出しなければなりません。今回、解雇された原告がどれほど重要な仕事をしていたかが新たな証拠として提出され、原告の証言の機会が認められました。その経過を聞きつつ、「あれっ!弁護士は職務評価を知らないな?」と思いました。弁護士ですらご存知ない「職務評価」を普及させるためにはかなりの宣伝が必要です。そこで、「宣伝ビラ」を作ることになりました。ここ何日もキャッチコピーを考えていますが、いい案が浮かびません。

そして、とんでもないことが起こりました。福島原発の事故現場で働いている作業員2人が高レベルの放射線量を浴びました。東電はこの現場に放射線で汚染された水たまりがあることを事故が起こった六日前に知っていたけれど、その情報を知らせていなかったことが分かりました。「情報を共有できていなかった」ではなくて、「知らせていなくて申し訳ありません」が正しい言葉ではありませんか、東電の幹部の方。
2人は下請け、孫請会社の労働者でした。これらの会社は「親方の東電から言われれば危険な作業でも断れない」と述べています。

今回の被爆された作業員の仕事内容が、職務評価を知ってもらえるきっかけになるのではないかと思い付きました。

職務評価は4つの項目で評価します。
これからはクイズです。

仕事内容は原子力発電所です。

東電の社長と現場の作業員について仕事に対するレベルを答えてください。

1.原発に対する知識はどちらが高いでしょうか?

2.原発に対する技能はどちらが高いでしょうか?

3.原発に対する責任はどちらが重いでしょうか?

4.危険はどちらが高いでしょうか?

5.労働時間はどちらが不規則でしょうか?
6.ストレスはどちらが強いでしょうか?

7.肉体的にはどちらがしんどいでしょうか?

8.不快さはどちらが強いでしょうか?

9.問題解決力はどちらがより求めれられるでしょうか?

10.コミュニケーションの技能はどちらにより求められますか?
では、最後の質問です。給料はどちらが高いですか?

(上の質問項目で、社長に最も求められるのは「責任」だと思います。責任には「人に対する責任」「金銭(利益)に対する責任」があります。責任は企業のトップである社長が負うと一般常識では思いますが、事故発生2日目くらいに「原発現場から撤退します」と首相に言って、怒鳴られたと報道されていました。責任取らなくてもいいとは、気楽な稼業ですね、と毒づきたくなります。社長の方がレベルの高いのは9.10でしょうか。ということは作業員の方が求められるレベルの高い項目が多いということになります。社長業は身近に知り合いがいないので、分からないことも沢山ありますが、給料の額と正比例しているとは、とても思えません。)

 

どうですか?職務評価の方法の一端、理解してもらえたでしょうか?こんな風にして、それぞれの仕事内容にレベルを付けていきます。

現場で働く人の仕事がもっと高く評価されるために、手に職を持っている人が大切にされるために。
どうです!職務評価って使える手段でしょう。

原発反対!

では今日はここまで

働く女性の全国センター(ACW2)の会員からの声

伝わってくる事実が実感できません。TVで見る光景と、京都のデパートの食料品売り場の品物の豊富さと賑わい。違いがあり過ぎます。授業中によく言ってました。「想像力を働かせよ」とね。世界史なら、その時代に生きた人の服装や生活、息遣いなど。しかし、今回の大災害、それに天災の原発の事故は、私の想像力をはるかに超えました。


このブログのテーマは労働問題ですが、これも吹っ飛んでしまいました。倒産や休業、これからの生活補償を初め、生きていくためにいかに稼いでいくか、生活の根源的な問題が同時進行しています。しかし今、このようなことを書いても、書いている私も、読んでくれる人にもすっきりと胸に届きません。隔靴掻痒の感じ。本当は靴も履いていないのにね。
そこで、今回は、女性労働問題を通して知り合った全国の女性ネットワークからの声を転載します。これも女性労働問題が縁で得られた情報なのです。新聞やマスコミでは分からない生の声です。


2011/03/20 (
)

☆血圧を下げる薬が切れ病院にやっと行ったが、計ったら220ありビックリ。何も感じず働いていた。でも薬の供給なく薬もいつもの半分、期限区切られた。どの人もそうで不安そうだった。クリニック、病院も被災していて検査できない。前と同じ薬を少しもらえるだけ。

三分に一度位で余震あり、めまいなのか地震なのか分からないくらい、いつも身体が揺れている。地震は続いてる。建物がどんどん壊れている。一昨日駅前のデパートの外壁が落ち、歩道が通行止め。私が大好きだった仙台駅は立入禁止で新幹線ホームは廃墟のよう。

肉や魚などタンパク質は、何処にもない。野菜もない。何を買うにも45時間並ばなければ手に入らないから、働いている私達は並べない。仕事終わる夕方は、店はほとんど閉まってる。フリカケが貴重なおかず。避難所が満杯なので皆キケンな家にいる。救援物資は避難所にしか届かないし、そもそも足りないので、一般には全く届かない。個人の宅急便は全く入らない。親も食べ物送ろうとしてくれたらしいが、被災地には送れないと言われたとのこと。

海沿いが全てやられたので、下水処理が回復するのは一年後とニュース。ガスも大元のタンク、施設が地震・津波で壊滅。自宅で風呂に入れるのは年を越すのか?

皆、飢え、疲れきってる。それなのに避難所でカメラ向けられると「大丈夫だから。安心して」なんて泣きながら笑顔向ける東北人。東京の電力作ってる原発なんだから、東京の人で片付けてくれと、心で思ってるのに、さいたまスーパーアリーナに連れていかれてボランティアの親切に感涙している人の良さ。

もっと怒っていいよね…。


☆一昨日は吹雪、昨日も雪でしたが、今日は晴れ少し気分が和みます。水が足りず、放射能の雪だなあと思いながらも背に腹はかえられず、トイレ用の水として浴槽に雪を入れました。灯油がないので寒いですが厚着して何とか過ごしています。海沿いの人達の事を思えばなんてことないです。東北人の我慢強さには舌をまきます。有史以来、虐げられてきたDNAがなせるわざ?皆、黙して耐えてます。もっと騒いでいいのにね。


昨日、家を流された同僚が出社がしましたが、惨状と沢山の遺体がそのままで地獄を見るのは最後にしたいと泣き、言葉もありませんでした。

原発臨界で、逃げる人は逃げ始めてますが、金も手段も行く先もない多くの人は座してます。いったいどうなるんだろと思いながら、今、水が出始めた友人の所で在庫なくなったパンツと靴下洗ってます。

物資は我慢しているうち、入ってくるかと思いますが、ライフラインで一番打撃を受けているのがガスで最低でも三ヶ月は風呂なし、ガスコンロなしです。私もそうですが、電気の鍋やヤカンはすぐほしいです。原発反対してて矛盾してますが。卓上コンロ使って煮炊きしてましたが、ガスボンベがもうなくなってます。これほどの惨状、長期化予測できず、皆がガスボンベがもうないと言ってます。あとはお金。ものすごくモノが高く、どの家計からも飛ぶようにお金が出ていってます。

次回も伝えます。では今日はここまで

数字に強くなるー女性を活用しない国

今年3月にめでたく定年退職する人と、定年まで10年近くある人と3人で、退職祝いをしました。勿論割り勘で!(10円のお釣りは主賓に)私以外の2人は事務屋です。その2人が「男性優位の職場で働くことが苦痛である」と口を揃えて言ってました。「モチベーション下がるわ」「年金が少なくてももう働きたくない」等々。

私もこの理不尽な男性優位職場がイヤで、男女平等な職場を求めてたどり着いたのが教師だったので、状況はよく分かります。しかし、彼女たちと同じ職場を去って
30年、未だに男性優位なのです。(学校も完全なる男女平等の職場とは言えませんでしたが、生徒の手前あからさまな不平等へは、「教育」という名を借りて質すことができました。
)


日本のジェンダーエンパワーメント指数
(女性の国会議員、管理職、専門・技術職比率、男女の所得比率を指数にしたもの)は、世界109カ国中57位。

人間開発指数(平均寿命、国民所得/1)10位。

ジェンダー格差指数(男女格差の度合い)134カ国中101位。内訳:女性国会議員等の政治分野110位。所得格差等の経済分野108位。教育分野84位。

女性議員比率ランキング186カ国中92

女性取締役の比率35カ国・地域中下から五番目。

この数字の羅列は!どうです。この現実に愕然としませんか。

最後にある女性取締役の比率においては、日本の一つ前にはヨルダン、後ろにはバーレン。(ヨルダンもバーレンも中東のイスラムの国です。前回のブログに書いたように女性の人権に関しては、日本の方が高いと思われていますよね。ショック!)

 

の人間開発指数は、平均寿命が長く所得が高いということを表しています。これは日本が先進国である証拠です。先進国の日本が、この開発指数以外は下位であることが日本の女性の置かれている状況の異常さを表しています。諸外国からは、「日本の女性はこれで満足しているの?」と、不思議がられています。(以上は朝日新聞論説委員竹信三恵子さんの「女性を活用する国、しない国」岩波ブックレットからの引用です。いすれの数字も最新のものです。)


冒頭の元同僚の「男性優位の職場で働くことが苦痛である」の裏には、「男性優位に迎合する同性の女性との関係にくたびれる」があります。今から
25年ほど前の職場の学年会議で、同僚の教師(圧倒的に男性が多い)にお茶を出すべきか、それとも平等意識の強い同僚(私のことです)の気持を慮って淹れないでおくか、狭間で苦しむ年下の女性教師を見て「お茶を淹れた方が精神的に楽になるならどうぞ」と言った記憶があります。


話は変わりますが、「永田洋子」という名を知っていますか。彼女がどういう人なのかを知りたい人は検索してみてください。「連合赤軍の副委員長で同志
12人総括という名の下に殺害し、死刑判決を受けたが病気のため今年25日東京拘置所で死亡」とだけ書いておきます。逮捕された1972年当時も今も、殺害する側のナンバー2にいたのが女性であったという理由で注目されました。彼女に関する本は沢山書かれていますが、考えさせる文に出会いました。

「『女』でありすぎた永田洋子」という題で田中美津さんが朝日新聞に書いています。
(201132日夕刊)
。田中さん自身、ウーマンリブ運動の中心的存在でした。ウーマンリブが何かを知らないですって!これは勉強不足だからちゃんと自分で調べること。その田中さんがリブ運動を始めたとき、新聞のインタビューを受けたときのことを書いています。

「新聞のインタビューで歳を聞かれ、ホントは
27歳だったのに『26歳ですっ』と答えてしまって、女は若いに限るとうそぶく世間に対して、やっと叛旗を掲げたというのに、1歳でも若く思われたいなんて!あぁ情けない!としばし煩悶した末に私は気づく。~中略~一人の女の中には<毅然と生きたい私>もいれば、<1歳でも若く見られたい私>もいる。その両方で『ここにいる女』の私だ。~中略~。自称革命家の男たちに認められたい一心で、永田は永遠に、政治的に革命的に振舞おうとした。そんな<どこにもいない女>
として行きようとした。〜中略〜。永田は男並みを目指すには「女」であり過ぎたのよ。自らの分身を、彼女は殺した」


田中美津さんの言葉を借りれば、日本の女性は、「毅然と生きるか」、「
1歳でも若く見られたい私か」のどちらかしか選択できない状況なのかもしれません。その分断に女性も男性も気付くべきだと、視点は違いますが朝日の竹信さんも田中さんも言っているのではないでしょうか。

 

またまた話は変わりますが、TVでもお馴染みの寺島実郎さん(日本総合研究所理事長)の話を聞く機会を得ました。寺島さんは開口一番「数字を読んでください。数字に強くなってください」と仰いました。

例えば、<日本の貿易相手国のシェアの推移(貿易総額)>において、1990年アメリカへは27.4%201011月時点12.9%。同じく1990年大中華圏(中国大陸・香港・マカオ・台湾)へは13.7%31.7%です。これからも日本の立ち位置が見えてきますよね。


次回は、竹信さんが数字で示したこと、寺島さんが「数字を読め」と言ったことについての意味を書きます。「浜さんの課題が出てこないではないか」ですって?これでも段々と近づいているつもりなのです。

では今日はここまで。

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