嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

2013年02月

まず前座二題。
昨年2月、福島第一原発1号機の原子炉建屋にある非常用復水器が作動しなかったのは、その破損の原因が津波によるものなのか、地震によるものなのかを、国会事故調査委員会が現地調査しようとしたところ、実際は建屋に明かりが差し、照明もあったにもかかわらず、「原子炉建屋の中は今は真っ暗、調査は難しい」と東電が虚偽の説明をし、国会事故調査委が調査を断念したというニュースが朝日新聞に報道されました。(多分、朝日のスクープ!)

新聞の読者投稿欄に「企業業績が不振になった際、従業員を解雇して債務を減らすのではなく、まず責任を取るべきは、判断ミスや怠慢で業績不振になった責任の第一人者であるトップ。辞めるべきはトップでしょう」というのがありました。



私はほぼ毎週金曜日関電大津支社前で「大飯原発を直ちに止めろ」「琵琶湖を守れ」と叫んでいますが、上記二題から、

日本の経済が「失われた20年」とかいって、大量の非正規労働者で企業の収支を合わせているのは、グローバルとかリーマンショックとかではなく、「前例がありませんからというセリフに象徴される、リスクを取らない経営者の自己保身の頑迷な思考にあるのだ。

よって今、日本を動かしている人たちは、人間を含むあらゆる生物の命とか地球の存続とかの長期的展望・視野にたった思考が出来ないから、原発をなくす気は全くない。(電気事業連合会長の関電の八木社長は『発送電分離なら売り上げが減り、原発の維持費が出せなくなる』と言ってます。なんか、例えが悪いですが「麻薬や止めたらヤク患者が苦しむし、ヤク経済が回らなくなる」と言っているようです。)



で、ここからが今回のメイン、「中国電力男女賃金差別裁判」報告です。

なぜ、前座二題から始めたかと言えば、裁判で明らかにされた会社の体質が上記の推論と同じだからです。



控訴人(二審なので、原告ではなく控訴人)長迫さんは、中国電力の女性社員です。同期同学歴の男性に比べて昇進が低いことを広島地裁に提訴しました。詳しくは20111231日のブログを見てください。

一審の広島地裁では、まさかの原告敗訴。二審の広島高裁で何度かの書面の遣り取りの後、ようやく2013.02,14、証人尋問が行われました。地元、東京、関西等から多くの女性が広島に駆けつけました。会社側の傍聴人が9人、60人定員の法廷は、控訴人側の傍聴人で埋まりました。控訴人の弁護士から1時間半、被告中国電力の弁護人から1時間半の計3時間(休憩10分を挟んで、実質4時間弱)を、長迫さんが1人で受け答えをしました。


最初は、長迫さんの弁護士からの尋問です。弁護士は宮地光子弁護士。住友の男女賃金差別や京ガス賃金差別裁判を担当された心強い女性の味方です。次が長岡弁護士、ともに女性弁護士です。

二人の弁護士の尋問によって、長迫さんがいかに有能で、誠実な仕事ぶりであったことが明らかにされていきます。(誠実な仕事の誠実の相手は誰かと言えば、当然顧客です。決して上司ではありません。これも彼女が疎外された一因と私は思っています。)

それまで女性に担当されて貰えなかった営業部門でも、トップの成績を収めていたことがデーターで示されていきました。さらにこの尋問で、長迫さんがパワハラに遭っていたこと、現在もそれが続いていること明かになりました。聡明で活発な彼女と何度も出会っていますが、誰も気が付きませんでした。(裁判に訴えたことがハラスメントに拍車をかけました)

続いて、被告側の弁護士の尋問。

彼は、長迫さんがどれだけ職場の秩序を乱す、周りから浮いて存在であったかを浮き彫りにするために、短い尋問を次々と繰り出してきます。

被告側の弁護士と会社側はこの裁判を甘く見ていたのでしょうか?会社側と打ち合わせが出来ていませんでした。長迫さんの「それはどういう意味ですか」には「その質問は撤回します」と何度も言い、また長迫さんの「それはこういうことです」の説明に何ら反論できませんでした。

女性に関係あることだからの一例を紹介します。

Q:控訴人は、お茶くみを止めさせたと陳述書に書いてありますが、あなたがその営業所に転勤になったときは、女性のお茶くみはもう止めていましたね。

(職場環境の改善を控訴人がいくつか提案したように書いてあるが、それはあなたが提案する前から行われていた。虚偽の陳述をして、能力あるかのように書くな!の意味かな?)

A:各自のお茶は飲みたいときに飲みたい人が入れることになっていましたが、お客様へ出すお茶は、「○○ちゃん、お茶」と言われ、女性が入れていました。(女性は全員ちゃん付けだったそうです。今でも「うちの女の子」なんて男性上司が言いますね。この遣り取りを聞いてあなたは「お茶くらい女性が入れたらいいやん」って思ってませんか?それならば、私の力不足です。私はO商業高校で女性の先生がお茶を入れる慣習を止めさせるのに10年かかりました。体育科の女性の先生はその後もずっと入れていました。次の学校で分煙するのにこれも10年近くかかりました。さんざん嫌味を言われましたけれどね。日々の小さなことを通して仕事と向かい合わなければ、職場の風通しは良くなりません。一事が万事と言うでしょう。「なぜこれは個人の仕事ではなく、女性という性の仕事なのだ?」と疑問を持ち続けないとね。)

Q:あなたは△さんのパソコンを覗き見たりしたのではありませんか?

(この質問の主旨は、「権限もないのに、他人の仕事に口を挟むな」という意味)

A:私が横を通ればパソコンは閉じられ、仕事の話は中断しました。上司は廊下で私の姿を見ると、元来た道を引き返して行きました。

(彼女が日々針のむしろの上で懸命に働いていたことが分かりました。懸命というのは、それでも彼女の営業成績はトップだったからです。)



終われば、傍聴人の疲労は極度に達してました。長迫さんと弁護団は想像を絶するものがあったでしょう。明日は傍聴へという夜、「今頃長迫さん宮地弁護士は眠れていないだろうな。弁護士の職務評価をすればどれくらいになるだろう」と思っていました。
裁判の翌日、長迫さんの職場は静かだったそうですが、我慢強い彼女だからの感想かもしれません。私が今回強く思ったことは、会社側の陳述書に協力した主に元同僚の男性の心境です。(同期同学歴の男性は全員管理職員になっている)前座二題とも繋がるでしょう。



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では。今日はここまで。



 


 


 

【生活保護世帯96%で減額】と【防衛費11年ぶり増】の見出しが並んで一面に(2013128日各新聞朝刊)。
さらに【文科省、全学級35人断念
公立小中学校】の記事。
おまけに【関電値上げ後も原発頼み】の記事も。

感想は?「う~」としか言いようがないですね。

民主党の体たらくが余りにもひどかったからという選挙の影響を当然予想していたとはいえ、政権に返り咲いた自民党!ここまでやるかぁ〜参議院でも過半数取れば、もう誰にも止められない。安倍さんは、所信演説で『まずは憲法96条を変える』と言明しました。安倍さんをここまで突き動かす原動力はなんなんでしょうか。


今のところ、なぜか(分かりませんね。まだ何も始まっていないのに。こんなん風評経済じゃないですか)株価は上がり、円安になり、製造業のいくつかは景気を上方修正しました。しかし、経団連は「賃上げは出来ない。日本の賃金は十分高い。まずは景気立て直し」と言っています。
本当に日本の賃金は高いのでしょうか。実は賃金が高いとか高くないとかは、労働時間も勘案しなければならないのですね。


先進国では高くない/日本の製造業の賃金2013.01.31法政大学教授 五十嵐仁さん「連合通信・隔日版」


経労委報告では、製造業での日本の賃金が高いと述べています。本当にそうなのでしょうか。

報告では、日、米、英、独、仏、韓国、台湾の7カ国・地域のうち、年収は日本が6万8987ドルで、米国(7万501ドル)に次ぐ2位だとして、国際競争での「大きなハンディキャップ」と強調しています。しかし、これにはごまかしがあります。年収は時間当たり人件費に年間総実労働時間を掛けた数字なのですが、日本は1931・8時間、ドイツは1452・5時間など、前提となる条件があまりに違うのです。
通常は、人件費を「コスト」として比べる場合、時間当たりでみるものです。金属労協(JCM)作成資料によると、日本の製造業の時間当たり人件費は2846円(一時金も含む)。2011年の平均為替レートで換算すると35・71ドルで、英国(30・77ドル)、米国(35・53ドル)に次ぐ低水準です。強い競争力を誇るドイツが47・38ドル、北欧諸国は44〜64ドル。「低賃金政策」をことさら主張する経営者は、自身の経営力量の乏しさこそが問われるべきです。


そこでちょっと日本の労働者との違いを他国のごく身近な人の例から。
「働けど働けどわが暮らし楽にならざる」の日本の労働者は見習う必要があります。

≪フランスの小さな村のはなし≫( )は私が書き加えました。

(幼稚園児)のクラスの担任の先生はバカンス中にスキーで転倒して怪我をしたそうで年明けからずーっと休み。来月(2)も復帰出来るか不明とか。どんだけの大怪我なのか?! 骨折等はなく打撲のみだそうですが。その間代理の先生が来る予定だったのですが、一週間だけ来てその後2週間は不在原因不明だそうで。来週もおそらく居ないらしい。その間、働いていないお母さん達は子どもを預ける事ができないのです。娘は仕方なく預けていますが、毎日他のクラスに振り分けられ適当に遊んで過ごしています。(この文を書いた女性は働いています)

 

さて、前回に引き続き厚労省がバックの厚生労働省委託事業「パートタイム労働者雇用管理セミナー」についてです。この手法が本当にパート労働者の仕事の価値を正しく評価し、賃金に見合ったものになるように使えるかという点です。実は、職務評価はILOが示したものがあります。このパンフには申し訳程度にILOの職務評価が紹介されています。その説明なのですが、例えば「責任」の項目に、3つの小項目が設定されています。

「人に対する責任」「物に対する責任」「財産責任」です。特に問題なのが「人に対する責任」の説明です。
説明は「同僚や部下の育成や管理、人事評価、勤務シフトの作成や調整等に関する責任」です。これを読んだら「人に対する責任」の項はパート労働者には関係がない、だから職務評価の対象にはならないのではないかと思いませんか。京ガス裁判や商社兼松裁判で、原告たちの職務評価をしてきた昭和女子大学の森ます美・浅倉むつ子編「同一価値労働同一賃金原則の実施システム」には、☆医療・介護サービス職の「人に対する責任」の説明は、「利用者に対する責任」とあります。要は、職種によって「人に対する責任」の人が変わるのです。パンフに「職種によって異なります」とは書いてありません。労働者が同一賃金にならないためのアリバイ作りのように勘ぐられても仕方のない内容です。

では今日はここまで

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