速報を心がけていたのですが、行動が伴いませんでした。
9月4日に金沢地方裁判所で、東和工業男女賃金差別裁判があり、傍聴してきました。その報告です。

午前11時から証人尋問が始まり、途中一時間半の休憩をはさみ、5時半近くまで続きました。

被告会社側の証人は男性2人、そこらへんにいる男性のように思えました。普通の(この言葉は毒があります。なんて表現すればいいのでしょう)、どこにでもいそうなこれらの男性が総合職で、原告が事務職のままであるのは、証人の尋問を待つまでもなく、東和工業が総合職と一般職を、男女で分けていることの証のようでした。

この裁判は、以前、ブログで取り上げています(2012.07.03)。今回の裁判と2年近く間が空いたのは、進行協議という裁判上の手続きがあって、傍聴人抜きで進められていたからです。

午前中、被告東和工業の証人尋問、午後から、原告の本間さんの証人尋問、その後再び会社側の証人尋問という流れでした。長丁場の裁判でしたが、当の本間さんの緊張と集中力と強い意志が発揮された裁判でした。

尋問は、原告側と被告側それぞれの弁護士が行います。原告側の弁護士は、原告の尋問を通して、原告に有利な証言を引き出します。逆に被告に対しては、被告がいかに原告に不当な扱いをしていたかを明らかにします。これは被告側の尋問でも逆な立場で同じことが行われます。

被告側は、原告(本間さん)の能力が低かったから、総合職になれなかったと主張します。その根拠の一つが、本間さんは決定力がなく、1から10まで上司である証人に聞いてきたと主張しました。

午後の本間さんの尋問のとき、その後証言する会社側の証人が法廷に居ることを原告弁護団は拒否しました。仮にその証人をBさんとすると、本間さんは余程Bさんに会うのがストレスなのだろうと思っていました。後で聞きましたが、Bさんは、本間さん以外の設計部の男性が全員総合職であるのに、本間さんだけが事務職に置かれていることに同情的であったそうです。本間さんは、総合職にしてほしいと再三Bさんに依頼しています。この本間さんとの会話を原告の弁護士が質問すると、Bさんは「覚えていません」の連発でした。「すまじきものは宮仕え」というところでしょうか。

会社側の証人は、口を揃えて本間さんは能力が無いから、総合職には出来ないと言いましたが、その根拠は抽象的でした。仮に仕事の難解度が1から3まであるとすると、「本間さんには1しか任せられない」と主張しますが、2と3の仕事のチャンスや研修を本間さんに与えないで、「2も3も出来ない」と主張します。

でも、本間さんの尋問で、実は本間さんは1も2も3も出来ることが明らかにされていきます。上記にBさんの立会を拒否したと書きました。実は、原告側弁護士は、本間さんにもBさんにも同じ図面を示し、その図面を解説して貰うという方法を取りました。だから、本間さんの解読を、Bさんに聞かせたくなかったから立ち会いを拒否されたのでした。この質問をするために、弁護士は徹夜で設計図と格闘されたそうです。本間さんは容易に読み解き、その根拠を示しましたが、Bさんは「これだけでは分かりません」と言いました。Bさんは設計部の上司だった人です。解説を聞く限り、本間さん側が予め学習していたから、読み解けたというような図面ではありませんでした。その場で、分かる人には分かるというような図面のようでした。

裁判官も、「本間さんが1から10まで聞くというのは、慎重な性格だったからではありませんか?」とか、「決定力がないというのは、何を根拠にしましたか」とかの質問をされました。「結果的に、男性は総合職、女性は事務職なのですね」と、何度も質問の形式を変えて本間さんの弁護団は尋問されましたが、会社側は最後の最後まで「男性は総合職、女性は事務職」とは言いませんでした。これを認めたら、均等法違反で即敗訴になると知っているからです。

次回は、12月8日、結審です。判決は来年ですね。

では、今日はここまで