朝日新聞の川柳欄に「好き放題『安』にやられた年の暮れ」を発見。「年の暮れ」は「一年中」とした方がいいのでは…。今年の漢字は「安」です。これで、またまた感違いする人が一人いますよね。「ぼくって、そんなに人気あったんだ」と。今後「安」という字を見るたびに、「不安」がもくもくと湧いてきます。

さて、こんなに長くブログを更新しなかったのは初めてです。労働問題に関する他の方の書かれたのを拝見していると、足元にも及ばない鋭い内容で、私なんぞが、無い知恵を絞ってうんうん言いながら書くこともないだろう、そろそろこのブログも精神的負担になってきたし、なんてうだうだと思う2か月でした。私しか書けない内容は何か?で、今回は、ハローワーク雇止め裁判の大阪高裁判決を報告します。1125日の判決の日、他用があって傍聴に行けませんでしたので、臨場感はありませんが、その分丁寧に、を心がけました。高裁判決は敗訴でした。最高裁へ上告するかどうか、控訴人は悩んだそうですが、「上告する」と決断されました。4人の弁護士が、上告理由を書かれます。費用がかかりますので、現在裁判費用のカンパを募っています。末尾に、カンパの振り込み先を記しますので、額は問いませんので、ご協力ください。

さて、この裁判のそもそもの原因は原告が雇止されたことです。原告側は、なぜ彼女が9年間も契約更新をしてきたのに、この時に限って契約更新されなかったのか?それは、職場で起きた、彼女の同僚への上司からのセクシャルハラスメント(以下、セクハラ)を、その同僚の側に立って、彼女が上司に苦言を呈したことが、直接の原因だと考えています。しかし、彼女がセクハラを受けた訳ではなく、また、セクハラを受けた同僚が、PTSDで苦しんでいたので、証言してもらえない可能性が大だったこともあり、争点を「期待権」にしました。期待権とは、次年度も働き続けられるという確信でしょうか?彼女が、勝手に期待を抱いていたのではなく、確たる上司からの言葉があったからです。9年間も働いていたということは、彼女の能力に問題があったことではありません。なぜ、更新がされなかったのか、それは、彼女が従事していた職務がなくなったから、「更新されたければ他の職務の公募試験を受けなさい」と言われたからです。原告弁護団は、この公募についても反論しました。確かに、国からの方針で、ハローワークの職務の整理統合が行われました。例えるなら、今まであったAとCの職務がなくなり、AとCの両方を兼ねるBという職務が現れました。今までAに従事していた彼女は、試験を受けます。これで採用されたのは、Dの職務をしていた人でした。この職務に関しても、彼女がAに従事していたことを、当時の座席表、同僚の証言(文章のみ)で証明しまし
たが、裁判官は採用しませんでした。

ここでややこしいのは、非正規公務員という立場です。公務員は、正規、非正規を問わず「任用」という言葉が、使われます。
問題点は、非正規公務員も、「任用」という正規公務員の採用の概念と同等に扱われなければならないのか?です。
この点についての解説を読んでください。
民間企業などで働く労働者は、使用者との間に「労働契約」を締結して、その法律関係は労働契約法により規律され、労働者保護が図られています(例えば、解雇に関する労働契約法16条、就業規則不利益変更に関する労働契約法10条など)。しかし、公務員については、実務では「労働契約」が存在せず、民間企業で働く労働者に適用される労働契約法は公務員には適用されないという法解釈が支配的です。このように、公務員について「労働契約」の成立を否定する考えの論拠は、公法と私法とを峻別し、公務員と国・地方自治体との関係は「公法」であるから、私法とは異なり労働契約は存在しないし労働契約法も適用されないというのです。この考え方によれば、民間の労働者とは異なり、公務員は労使合意によって「労働契約」が成立することはあり得ず、国や地方公共団体が一方的に「任用」するに過ぎないとされています。
(公務員と労働契約
−「非正規公務員」の現状−/嶋量(事務所だより20131月発行第46号掲載)
ということは、労働法で地位が守られていないから、その人を解雇するのも、契約更新するのも、上司の胸三寸ということになります。民間の非正規労働者に適用される労働契約法では、解雇について厳しい規定があります。例え、それが空文であるとしても、です。

また、この裁判で、原告は期待権と共に、9年間も非正規で働かせたこと自体が間違っていますと訴えています。
判決は「原告が、契約更新の期待を持つような上司からの言動はなかった」というものでした。基幹業務を長年非正規に担わせていたことについては、何も言及されていません。

弁護団は、判決は、労働契約法16条により民間では理不尽な解雇は許されないにもかかわらず、公務員の世界は上司が次回も採用すると誤解をあたえた場合のみ、期待権の裏切りとして採用されるケースがある。全国で、このような裁判が10件闘われているが、その期待も裏切るのか追求しなければならない。民間であれば救済される事案。行政任用行為で雇止めの法理はどの法律に書いてあるのか?任用で押し切られているが、任用の根拠を示さないのが裁判所の判断だ。最高裁に政的な判断をしてもらわなければならない。流れをかえなければならない」と、判決後の集会で述べました。
 最後に、原告の訴えです。
茨木のハローワークで恒常的基幹業務を、1年更新しながら何年も非正規職員に委ねている実態がそもそもおかしい。「安い給料でよくやってくれている。後は資格を取って客観的根拠を作ることやね」と言われて、勧められた資格を取得したら、普通に働き続けられると期待するでしょう。英語対応もし、求職者セミナーも職員研修も担当してきて、9年間職場に貢献してきたのに。私がセクハラ被害者支援をしてから、雇い止めになるまでの経緯についても、何時間もかけて苦しみながら書き起こした陳述書についてまるで顧みられず、「確かに、控訴人は、セクハラ被害者支援活動をおこなったことがあった。しかし、公募にしたことには必要性も合理性もあった」とだけ結ばれています。公募が排除のための仕掛けになっていることに気がついて欲しい。

 最後に、裁判官が最優先の判断基準にしなければならなかったことは、生存権であったと、私は考えています。原告の時任さんは、在職中に生活の苦しさを上司に訴えています。実際、彼女は予想もしなかった雇止めになった後、最貧のどん底の生活をしなければなりませんでした。息子が高校に入学したばかりの時です。上司は、この人を解雇したらどんな生活になるかと分かっていた筈です。彼は、会社経営者ではありません。彼女を解雇しなければ、会社が存続できないというのではないのです。宮田課長の懐は全く痛まないのです。この課長の他者を思いやることのない行為こそ、裁かれるべきでなかったかとも思えます。私は、日産のゴーン社長にはなれない。多数のワーキングプアの非正規労働者が、彼の年収9億円を支えているのです
郵貯
ハローワーク雇い止め裁判を支援する会
口座記号 00990-2-233526
では、今日はここまで。