昨夜、マイケル・ムーア監督の2002年製作の映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」を遅まきながらTVで見ました。

銃による殺人が世界でダントツのアメリカを各国と比較する場面では、特に隣国カナダとの比較がなかなか興味深いものでした。

 

今夏、暑い日本を脱出してちょっとの間カナダへ行ってきました。しかしカナダも暑かった。

地球温暖化を痛切に感じてきました。

 

行く先々で、在カナダ日本人の方とお話する機会がありました。時には観光ガイドの方、また知り合いのカナダ移住者等です。その方々が異口同音に言うのが「医療費が無料」ということでした。

 

前回のブログにも書きましたように、アメリカは国民皆保険制ではありません。低所得者向けの医療制度はありますが、さまざまな制約があります。

それは、NHKBSで放映していた「NY物語・同時多発テロの被害者」(93)でも見ることができました。

 

ビル崩壊の粉塵の中で救助に動いたのは消防士だけではありません。多くのボランティアもいました。消防士を含め、防塵マスクを大多数の人が着けていなかったために、今、肺の病気で苦しんでいる人が多いそうです。消防士等公務員はその後法律ができて救済されたのですが、民間人には何の救済もないとか。後遺症の医療を受けようとすれば、自費治療になるので、治療もできず働くこともできない人々のケースを紹介していました。

 

話はそれましたが、ムーア監督は、カナダの行政担当官から「力で人を押さえつけては駄目だ。医療や保育所や教育の充実こそが人々を安定した気持ちにさせるのだ」というような発言を引き出していました。カナダの銃所有率は高いのですが、殺人件数はアメリカとは比較にならないほど低いのです。

 

アメリカ人が過剰とも思える他人への警戒心を持つに至ったかにムーア監督は迫ろうとしていました。

 

このTVを見ていて、日本もアメリカ型になりつつあると思いました。

 

ブログで何回も書きましたが、国会を初めとした政府機関の警戒の厳重なこと。先日厚労省のロービーで写真を撮ったら、守衛さんに注意されてしました。

 

カナダの首都はどこ

オタワの国会は休会中ということもあったのでしょうが、その場での見学自由。各国の観光客が、英語やフランス語やドイツ語案内が飛び交う中、写真を撮りながらぞろぞろと歩いていました。私もその一員でしたが。

 

そういえばカナダの教育は高校までは確か無料、大学も奨学金制度が整っていて、学生の払う授業料の、大学の教育費用に占める割合はわずか11%程度に過ぎないとか。(カナダ政府のHP)

 

アメリカでは、日本の大学の授業料が安く思えるほど、高いのだそうです。奨学金を目当てに、イラクに志願する若者の背景が垣間見えますね。

 

さて今日は「解雇の金銭的解決」についてです。前回のブログで解説だけを書きましたが、その具体例を検索していて結構時間がかかりました。このブログで、労働問題について法的なことを書いていますが、実際働いているとそんな文面どおりに行かないのが殆どです。

 

ブログを見てくれている卒業生から、先日相談を受けました。「仕事を辞めたいのだけれど、後任が見つかるまで待ってくれと言われている。でも、なかなか後任は見つからず、困っている」辞める意思表示はかなり以前から会社に示しているそうです。

 

今まで「解雇されたから、どうしよう」という前提でブログを書いていたものですから、慌てて調べてみました。この場合も法律では保障されていますが、職場は人間関係で成り立っているところでもあるからそう簡単には割り切って行動できないですよね。

「会社も困ってるのや、今後任を探してるから、もうちょっとだけ働いてえなぁ」って面と向かって言われたら、なかなか振り切れないのが人情です。

 

この人情を逆手に取ったのが、今回の「解雇の金銭的解決」ではないかと私は考えています。冒頭に書きましたが、私の知る限りで最も新しい解雇の判決をレイバーネットというHPで見つけました。

 

水戸地方裁判所下妻支部での裁判例です。20042月に大倉産業株式会社に入社し(同年331日解雇)、試用労働契約であったAさん(当時28歳)に、前代表取締役社長Bが「うちの企業風土にあわない」という理由で解雇を言い渡しました。2004年年101日、Aさんは解雇無効を前提とする損害賠償を求めて訴訟を起こしました。そして2006829日に和解しました。この裁判はまだ短い方ではないでしょうか。

 

今回の「解雇の金銭的解決」が労働契約法に入る理由として、厚労省は『解雇が無効とされた場合でも、職場における信頼関係の喪失等によって職場復帰が困難な場合があることから、解雇の金銭的解決制度の導入について検討する。』と言っています。

 

これを上記のAさんの例にあてはめると、「例えAさんが、解雇無効の判決を受けたとしても、トラブルのあった職場に復帰しにくいだろう。それが人情というものだ。結果的には、退職金をもらって退職することになる。そんな長いことかかる裁判を労力や金をかけてまでしなくても、解雇する場合は金銭で解決しようやないの。」ということになりますかしら。

確かに、裁判中に会社側の証人として上司だけでなく、同僚も証言します。Aさんが職場復帰したら、多分相当に気まずいでしょうね。

だからと言って、「解雇の金銭的解決」が大手を振って歩き出せば、経営者は、「金さえ出せば、解雇できる」ということになります。一見労働者側に配慮があるように見えるこの内容は、結果的に労働者の立場をますます弱くすると思います。

解雇は、何かしら特別な理由があるように思いますが、その理由を労働者が本当に納得するなんてことはないでしょう。それを一体いくらで話をつけようとするのでしょうか。

 

「解雇の金銭的解決」と書いていましたが、ここまで書いて、「解決」という言葉はふさわしくないと思い至りました。「金銭的手打ち」「金銭的通告」「金銭的押し付け」なんかどうでしょうか。他にふさわしい言葉ありませんかね。

 

先日傍聴してきた来年4月から施行される改正均等法について、何とかブログに書けるように勉強していますが、法律用語は難しくて、何がどのように変わったのか、変わったことで働く者への影響がどうなるのか、さっぱりつかめません。

そのネックにあるのが、1986年に施行された均等法が、女性労働のためになって来たのだろうかという点です。

法律はいいこと書いてあるけど、企業がそれを実行しないでもOKならば、法律って一体なんなの

(もちろん、効果が全くないなんては思っていません。裁判をすれば、労基署に申し立てれば、力になってくれるでしょう。)

 

特にアンケートと重ね合わせて、この点から抜け出せないのです。

では今日はここまで。