前回のブログで、「均等法の省令と指針」についてのパブリックコメントを厚労省が募集していることを書きました。

(いきなり本題です)

9月20日の審議会の傍聴へ行った人の情報では、まだ52件しかコメントが届いていないそうです。

でも、パブリックコメントを書くためには、均等法の文言を理解しなければならず、言いたいことが一杯ある人が、そう簡単には書けないところが残念です。

その中でも、特に「雇用管理区分」の文言は理解度超難解ものです。

もしあなたが、会社へ「男性Aさんと余りにも給料が違う」と訴えたとしたら、会社はなんて言うのでしょうか?「仕事内容が違う」という回答が最も多いでしょうか。

「あなたと男性Aさんは雇用管理区分が異なっている。あなたは事務職、男性Aさんは総合職、均等法の指針に『雇用管理区分ごとに』と書いてある。同じ事務職のBさんとあなたとの給料が違うのなら、二人は同じ雇用管理区分に属しているのだから、まあ調査してみましょう」と言うでしょうか。

「雇用管理区分」が異なっていれば、差別はあっても仕方ないというように現行均等法の指針は読めます。

この点を働く女性は問題だとして「ごとに」の文言を削除するように要求し続けてきましたし、また国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)の勧告が日本政府に出されてもいます。だから、使用者側の意見との間で厚労省は相当にこの文言に苦労したと思います。

その厚労省の苦心については、前回のブログで私の感想を書きましたが、この均等法を担当している厚労省の職員は少なからず女性であり、歴代雇用均等政策課長は女性です。

彼女たちも、歯がゆい思いをしながら、この文言を考えたのでしょう。だからこそ、あんな理解度難解の文章になったのでしょう。

さらに今日のブログは、超難解文言のもう一つ「間接差別の省令」についてです。

まず、間接差別とはなんぞや。これは5月12日のブログを見てください。省令案は次のようです。

《間接差別》(法第7条関係)

雇用の分野における性別に関する間接差別とは、\別以外の事由を要件とする措置であって、当該要件を満たす男性及び女性の比率を勘案すると実質的に性別を理由とする差別となるおそれがあると考えられるものを、9舁的な理由がある場合でないときに講ずることをいう。》

このような説明ですが、分かりましたか

この項の文章もとても長いし難解なので、向学心旺盛の人は厚生労働省のHPを見てください。

では具体的にどのような例が間接差別に該当するのかとい点についても審議が行われてきました。

審議中に話し合われた間接差別についての具体例は以下の通りです。「男女雇用機会均等政策研究会報告書の概要」(2004.6)より

《間接差別として考えられる例》

(臀検採用に当たって一定の身長・体重・体力を要件とする措置

∩躪膺Δ諒臀検採用に当たって全国転勤を要件とする措置

J臀検採用に当たって一定の学歴・学部を要件とする措置

ぞ鎖覆謀たって転居を伴う転勤経験を要件とする措置

ナ〕厚生の適用や家族手当等の支給に当たって住民票上の世帯主(又は主たる生計維持者、被扶養者を有すること)を要件とする措置

正社員をパートタイム労働者等と比較して有利に扱う措置

福利厚生の適用や家族手当等の支給に当たってパートタイム労働者を除外する措置

このうち、来年度施行の均等法に省令として書かれたのは、´↓の3つだけです。もしキΝが省令となったら、多くの非正規雇用の人は助かりますね。

なぜ、これらが削除されたか、誰が反対したかは、想像できますね。

上記の間接差別の定義も抽象的だと思いませんか。一回で理解できる人がどれくらいいるでしょうか。

そもそも女姓たちが望んでいた間接差別の定義は〔外見上は性中立的な規定、基準、慣行等が、他の性の構成員と比較して、一方の性の構成員に相当程度の不利益を与え、しかもその要件等が職務と客観的な関連性がない等、合理性・正当性が認められないものというものでした。これでもまだまだ難しい。

さて、雇用管理区分で、「ごとに」という文言があるばかりに、女性側に不利であると書きました。結果的に一方の性に不利益が偏るのは、間接差別です。圧倒的に女性が管理職になれない現実があります。これは間接差別です。「雇用管理区分」と「間接差別」はお互いが非常に矛盾しあった概念なのです。

さあ、そこでお願いです。間接差別の例が´↓だけで、間接差別が禁止されるでしょうか。あなたの職場でキΝが女性のみに不利に働く現実がありますよね。女性だかに不利な扱いをしている例は他にもありませんか。今あなたが怒っている、「女性だから」という例を書いてください。そして、間接差別の例が´↓だけでは駄目なのだということ7項目とも省令に入れるようにパブリックコメントを書かいてくれませんか。パブリックコメントを沢山出すことが、次の均等法につながるからです。

来年度施行の均等法は、このように働く者にとっては到底承服できない内容のものになってしまいました。

でも、女性団体が粘り強く、地道に国会議員に請願をし、ロビー活動をした結果、野党の国会議員の努力で、少しだけ希望の持てる内容をもった付帯決議が採択されました。付帯決議自体に何の拘束力もありませんが、多くの女性は声を上げることによって、最後に付けた付帯決議のなかの、年限をさらに短くできるのです。

さらに付帯決議に『間接差別も上記3例だけではありませんよ。』という文言も入りました。

これも、パブリックコメントで、多くの例を出し続ければ、次回の改正(願いを込めて、改定とは書かずに改正)には先進国としてちょっとはましな内容を作ることにつながると思います。

パブリックコメントは9月27日が締め切りです。募集要項にはいろいろ書いてありますが、それにとらわれず、文章が短くても、あなたの体験から出た怒りがあれば、それは最大の迫力で読む者を打つでしょう。

パブリックコメントは厚生労働省のHPまたはこのURLにアクセスしてみてください。

http://nfcg.web.infoseek.co.jp(日本フェミニストカウンセリング学会)

厚生労働省→厚生労働省HP→右端の「パブリックコメント」→パブリックコメント(意見募集中案件一覧)→3つ目「指針」・4つ目「省令」。

用紙には何ページの何行目に対する意見なのかと、ページと行目を書くようになっていますが、厚労省の担当者は指針と省令を熟知しているわけだから、毎日忙しく暮らしている人に、そういうことまで求めるのは実にお役所仕事だといえます。無視して、私のブログから考えたあなたの意見を書いてください。

また、指針の意見募集には、「セクハラ」に対するものもありますが、締め切りまでの時間がないことと、ブログが膨大になることから、今回は書きませんでした。

セクシャルハラスメント(セクハラ)については、随分と内容は良くなっていると思いますが、私は次の点にひっかかります。

職場におけるセクシャルハラスメントの内容《職場とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については、「職場」に含まれる。例えば、取引先の事務所、取引き先と打合せをするための飲食店、顧客の自宅等であっても、当該労働者が業務を遂行する場所であればこれに該当する》。

現実にセクハラって、《 》内の場所だけでしょうか。業務遂行に関係しないところでセクハラって起こっていますよね。職場の飲み会とかで。私はこの点にひっかかっています。

ホント、最後まで付き合ってくださってありがとう。では今日はここまで。

参考までに付帯決議の一部分を付けておきます。

間接差別の法理・定義についての適正な理解をすすめるため、事業主・労働者等に対して周知徹底に努めると共に、その定着に向けて事業主に対する指導・援助をすすめること。また、厚生労働省令において間接差別となるおそれがある措置を定めるにあたっては、国会における審議の内容、関係審議会におけるさらなる検討の結果を十分尊重すること。

間接差別は、厚生労働省令で規定するもの以外にも存在しうるものであること、及び省令で規定する以外のものでも、司法判断で間接差別法理により違法と判断される可能性があることを広く周知し、厚生労働省令の決定後においても法律施行の5年後の見直しをまたずに、機動的に対象事項の追加・見直しを図ること。そのため、男女差別の実態把握や要因分析のための検討をすすめること。

男女労働者双方の仕事と生活の調和の実現にむけ、仕事と家庭の両立がしやすい職場環境の整備をすすめるとともに、特に、男性労働者の所定外労働時間の抑制及び年次有給休暇の取得を一層促進するなど、長時間労働の抑制に取り組むこと。また、労働時間法制の見直しに際しても、男女労働者双方の仕事と生活の調和の実現に留意すること。

パートタイム労働者が意欲をもってその有する能力を十分発揮できるようにするため、正社員との均衡処遇に関する法制化を進めること。

男女の賃金格差是正のために、ILO第100号条約にのっとり、施策の積極的な推進を図ること。