ご近所での挨拶は「暑いですね」の一言です。

毎日顔を合わせているご近所同士では、この言葉以外の適切な表現を思いつきません。それくらいあつ〜い。

 

さて、今日は、「同一価値労働同一賃金」についての厚労省の考えをお知らせします。ILOから何度も「日本政府は法律を作りなさい」と言われています。これを日本政府はいかに考えているのか、WWNが中心になって問い質した省庁交渉の紹介です。

(WWNは私も会員の一人です。以下にアクセスしてみてください。)

http://www.ne.jp/asahi/wwn/wwin/

 

日時は5月12日。

交渉相手は:内閣府、厚生労働省、外務省、最高裁判所、法務省。

交渉する側は、WWN、商社兼松の原告・住友メーカ裁判元原告・岡谷鋼機元原告、森ます美昭和女子大教授、福島みずほ・紙智子・西村ちなみ国会議員等18人。

 

内容は、WWNのニュースレターから取りましたが、一部難しいところもあるので、少し解説を加えてました。

私も参加したかったのですが、丁度日本にいなくて機会逃しました。次回参加して、生の取材で伝えたいと強く思っています。

 

≪同一価値労働同一賃金の概念を日本の法律にすることについて≫

 

WWN:20073月にILOは日本政府に対して、「広範で継続的な男女格差は縮小していない。労基法4条がこの概念をカバーしていると日本政府は言っているが、労基法4条が機能していないのではないか」と指摘している。

(労基法4:使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。)

 住友メーカーや岡谷鋼機などの裁判が10年以上もかかったが、労基法4条にこの『同一価値労働同一賃金』の文言が明記されていれば判決も違ったし、こんなに年数をかけなくてもすんだと原告たちは考えている。このことをどの考えるか?

 

厚労省:労基法4条はILO号条約の要請を満たしていると考えている。裁判において4条が同一価値労働同一賃金賃金にそって解釈された例があるので、現時点において法改正の必要はないと考えている。しかし、男女間格差は大きく、重要な問題であるので、施策の充実を図っていくつもりです。

(ILO100号条約:「同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約」。1条で、「同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬とは、性別による差別なしに定められる報酬率をいう。」と規定し、男女の仕事が異なっても、その価値が同一ならば同じ賃金を支払わなければならないとする。日本は1967824日に批准。)

 

WWN:ILOは「労基法4条は同一価値労働同一賃金の要素については言及していない」と勧告している。もし、入っていると考えているのなら、通達を出すとか、周知をはかるとかしてはどうですか。

 

厚労省:裁判例でも出されているの、ILOの要請は満たしていると考えています。

 

WWN:裁判例はどこのものですか。

 

厚労省:ILOに出したのは2004年の内山工業のものです。ここで男女の職務の比較をしています。2008年の兼松判決も男女を比較した記述があります。

 

WWN:内山工業は同一労働です。今の回答で、兼松の判決が同一価値労働同一賃金であると厚労省が認めて、お墨付きをくれたのなら嬉しい。95(改正均等法)以降、多くの裁判が非常に長く困難な闘いを余儀なくされました。労基法4条に明記されていれば違ったはずです。

 

(女性労働問題の判例は、下記のサイトで見ることができます。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/10/s1007-6a.html

内山工業は4番目の判例、次の京ガス裁判は5番目に書いてありますが、このブログでも2006315日と25日にも詳しく書いています。)

 

森教授:京ガス事件はなぜここに上がってこないのですか。

 

厚労省:(沈黙)

 

森教授:同一価値は職務評価で計って、価値が同じなら同一という職務評価をするプロセスが重要と指摘されていますが、日本は評価システムに言及していません。

 

厚労省:ILO勧告には職務評価分析という指摘があるが、日本の賃金システムは、仕事ではなく、勤続年数とか年功とかもろもろのものによって成り立っています。職務評価という手法よりも、人事考課や賃金制度に差別がないかを見ていくほうが日本の雇用管理に合っていると考えています。職務評価に取り組むより、制度の透明化などのガイドラインを出すなどの取り組みを進めていきます。

 

WWN:今まで男女賃金差別については、年功序列だからとか、女性は勤続年数が短いからできないと言ってきた。現在は成果主義だからできないと言っている。ILOはずっと職務評価をしなさいと言っているのに、国は企業の都合に合わせて答えを出していない。国として企業を指導しないといけないのではないですか。

 

森教授:京ガスの裁判は職務評価をして意見書を出した日本で初めての裁判です。きちっと調べてほしい。今や企業は年功序列制度を変え、成果主義さらに進めています。りそな銀行やロフトなど男女、正規・非正規に関係なく仕事に賃金を付けてきています。

 

(解説:ロフトは正社員、契約社員、パートという雇用形態をなくし、「ロフト社員」に一本化する。すべての社員の賃金は職務内容と勤務時間で決まる。りそな銀行は、ロフトと考えは似ているが、正社員とパートの区分を残したまま、能力評価基準と職務等級を統一して、正社員とパートの賃金を一本化する。同一職務で評価が同じなら時間給格差はなくなる。また働き手が正社員かパートかの雇用形態を選ぶことができる。日経ビジネス2008年2月18日号より)

 

厚労省:企業の制度については成果主義という形で仕事に就くというように変わってきていますが、調査によると労働者・使用者ともに納得していませんし、うまくいっていません。再び年功序列や能力といった方へ軌道修正しているとも聞いています。本当の意味での成果主義、仕事に対する賃金という考えにはなじんでいません。

 

長くなるので、いったんここで切ります。次回もこの続きです。

では今日はここまで。

水分補給をこまめにしましょう。