あけましておめでとうございます。

今年もこのブログを続けていくつもりです。なかなか更新されないと諦めてしまわず、時々はアクセスしてみてください。

 

さて、年末からの労働者の状況は、新年になったからといって何も変わらずというか、さらに悪化してます。

名古屋の、このブログにも度々登場する女性が、「名古屋でも炊きだしに集まる失業者の中に若い女性を見た」と報告してくれました。これを聞いた夜は冷え込みが厳しく雨も降っていました。彼女たちはどこで寝たのでしょうか。炊き出しは名古屋駅前のトヨタの超高層ビルの裏手で行われているとか。なんとも皮肉な場所ですね。

 

さて、前回の続き感想です。

連合が、「賃上げ」を春闘の要求にしました。

これを聞いたとき、びっくりしました。丁度リストラの嵐の風が吹き始めたときでした。

経営者側の安易な解雇の連続に唖然としましたが、連合の要求は、連合が労働者の団体であるがゆえに余計に唖然としました。「連合の言い分は内需拡大で景気を良くするのがねらい」とか。

景気の良かったときも賃上げがなされなかったから、その言い分は分かりますが、なんともタイミングが悪いというか、空気が読めないというか。経営者、政治家と同じですね。

 

「賃上げ要求分を今回大量に解雇された人たちに回すとか、賃下げしてでも非正規労働者の雇用に使うとか」の発想はなかったのでしょうか。ここまでやって経営者に対峙してもらいたかったですね。保身という点では、経営者と同じ感覚です。

 

オランダは《同一価値労働同一賃金》に基いたワークシェアリングの進んでいる国ですが、この概念に至るまでには、労働者も賃上げを我慢し、経営者と痛みを分かち合った歴史的経過があったそうです。

 

賃下げした分は、さっさと帰ってしまうとか、連合もいろんな戦術が考えられると思うのですが…。正社員の親の権利を守るために子どもは非正規で甘んじているという構図も見えてきます。

 

さてブログの内容に移りますが、新年からは労働者派遣法について、特に派遣法の何が問題なのかを何回かに分けて明らかにしていきます。

労働者派遣法がこのブログに登場するのはこれで二回目です。前回は解説でしたが、今回は問題点を主とします。

 

まず英語の勉強からです。英語では派遣労働のことをTemporary Workといいます。でも和英辞書で「派遣」と引いてみると、dispatchとあります。dispatchは「軍隊に派遣する」という意味もあって、昔の使い方では「kill」と同じともあります。「kill」と同じとはなんとも皮肉な!

政府はこの意味で使ったのかと勘ぐってしまいました。

 

これからの説明は、主に龍谷大学脇田滋教授の説を引用させてもらいますが、脇田教授は、国際的に使われている《一時的労働としてのTEMPORARY WORK》を、派遣労働制度導入の1985年当時の政府・労働省が意図的に《派遣》と誤訳したものだと言っておられます。だから国際的使われているTEMPOARY WORKは派遣期間の派遣だから、派遣期間終了後に派遣先が常用雇用するのが、イタリアやドイツでは3〜5割になるそうです。

 

時々拙い英語で会話するスェーデン人の男性も、日本の派遣労働についてはさっぱり理解できませんでした。もちろん私の英語力の問題の方が原因とは思いますが。

 

次に、日本の派遣労働には根源的な欠陥があります。

それは日本が《同一労働同一賃金》の概念を法制化していないことです。これに関しては、労基法4条にこの概念が含まれているとかいないとかの労働法学者の学術的見解があります。しかし、明文化していないことは確かです。

私は、このブログで度々《同一価値労働同一賃金》を使いますが、脇田教授の言うところの《同一労働同一賃金》とは概念が違うところがあります。しかし、派遣労働で使うときには、同じと考えてもいいと思いますので、以後脇田教授の《同一労働同一賃金》を使います。以前にもこの2つの用語の違いについては書きましたが、今回はややこしくなるのでちょっと置いておきます。

 

脇田教授によれば、EU諸国(ドイツ、イタリア、フランスなど)は、全国協約で仕事別に同一労働同一賃金が確立されており、各国派遣法でも、派遣された企業の社員と同等以上の待遇を派遣労働者に保障しています。だから、日本の派遣労働者が、派遣先の企業、例えば大分キャノンの社員よりも格段に低い賃金が当然とされているのは世界に類例がない異常なことであると述べておられます。

派遣労働者は賃金は派遣先の企業の社員の賃金よりも低くて当然と思っている、いえ思い込まされいてる私達の方が異常なことだったのです。

 

脇田教授の話はまだまだ続きますが、今日はこれくらいで。

次回をお楽しみに?