前回のブログから4日間(ナント、画期的)、なかなか忙しい日々でした。

映画を見ました。「フツーの仕事がしたい」土屋トカチ監督・撮影・編集です。近日京都みなみ会館にもかかりますので、是非見てください。

 

この映画のチラシから引用します。

≪皆倉信和さん(36)は、根っからの車好き。運送関連の仕事を転々とし、現在はセメント輸送運転手として働いている。しかし月552時間にも及ぶ労働時間ゆえ、家に帰れない日々が続き、心身ともにボロボロな状態。「会社が赤字だから」と賃金も一方的に下がった。生活に限界を感じた皆倉さんは、“誰でも一人でもどんな職業でも加入できる”という文句を頼りにユニオン(労働組合)の扉を叩く。しかし、彼を待っていたのは、会社ぐるみのユニオン脱退工作だった。生き残るための闘いが、否が応でも始まった。≫

 

この映画を撮影することになった土屋さんは、主人公が加盟したユニオンから証拠を撮影してくれるよう依頼されます。その証拠撮影とは、主人公の皆倉さんがユニオンに加入し、そのことを会社側に通告しに行く場面を撮ることです。

 

執拗な会社側の嫌がらせ、暴力が映し出されます。会社側とユニオンの遣り取りは、多分このブログを読んでくれている人、勿論私もお目にかかったことがないくらい荒々しいものです。

土屋さんに「ああいう激しい言葉の応酬は、かえって組合に偏見を持つことになりませんか」と質問しました。土屋さんは「そういうことも分かっています。もしナイフを持った人間に襲われたら、『やめろー』と叫ぶでしょう。それくらい皆倉さんにとっては生きるか死ぬかの闘いだったのです」と言われました。

 

私も在職中何度も管理職と交渉しましたが、そこまでの迫力はありませんでした。こういう質問自体が私の体験の切迫度を表しています。

 

学習会に参加しました。

昨年11月に「労働者派遣法」の院内集会に参加しました。そのときに派遣法に反対している龍大の脇田滋教授が発言されました。しかし当日あまりにも発言者が多く、脇田さんの話も早口で、前略・中略・後略のようでした。その脇田さんが大阪で講演されると知って出かけたのです。

 

前々回の派遣法のブログも脇田さんの教えによることが多いのですが、今回はさらに脇田さんに全面的に依拠した内容です。

労働者派遣法は1985年に16業務で派遣解禁(期間の上限は1年間)になり1996年に26業務に拡大され、1999年に期間3年になりました。2003年3月1日より派遣できる下記の26業務については、派遣先企業が派遣社員を受け入れる期間の制限がなくなりました。またこのとき、今回大量に派遣切りとなった製造業への派遣が解禁になりました。

 

2009年問題とは、2003年に改正された派遣法により「26業務」以外の一般業務について、派遣期間がこれまで1年であったところが3年まで継続できることになりました。だから3年を超えれば派遣は終了です。もしも3年を超えて働いてもらいたければ、派遣先企業は正社員として採用する必要があります。よってそうしたくない企業は20093月に解雇してしまうというしかけになっています。

1 コンピュータのシステム設計
2 機械等の設計、製図
3 放送番組の映像機器の操作
4 放送番組の作成における演出
5 事務用機器の操作
6 通訳、翻訳、速記
7 秘書
8 ファイリング
9 マーケティング
10
 財務処理
11
 貿易文書の作成
12
 コンピューター、自動車のマネキン
13
 ツアーコンダクター
14
 建築物の清掃
15
 建築設備の運転、点検
16
 建築物の受付
17
 科学の研究開発
18
 企業の企画、立案
19
 図書の制作における編集
20
 商品、広告のデザイン
21
 インテリアコーディネーター
22
 アナウンサー
23
 OAインストラクション
24
 テレマーケティング
25
 セールスエンジニア
26
 放送番組の大道具、小道具

 

専門職だなぁと思うのもあれば、なんでこれがというのもあります。特に5、7、8はいわゆる事務職の仕事ですよね。事務職と言えば女性。そう、労働者派遣法は当初、このような女性の仕事を派遣に置き換えたのです。よって賃金は安くて当たり前なのです。

 

ここでちょっとフランスの例を。

フランスでは、前々回のブログに書いたように、派遣労働は“Temporary work”といいます。ここからは『世界の労働』2007年9月号島田陽一論文を参考にしました。

 

フランスの派遣は、3分の2が工業と土木建築関係で、その派遣期間は9日−10日ほどです。約8割が2週間以内の派遣です。フランスにおける派遣は、急に労働者が必要になったときの一時的な対処と位置づけられています。だから報酬は、同じ職務の正社員の報酬よりも下回ってはいけないし、同一価値労働同一賃金がこの原則になっています(A)。さらに派遣終了時に「不安定な雇用」という配慮で、受取り総額の10%を手当()として加算。さらに派遣労働者には有給休暇がないので、その分として全給料(A+B)10%を有給休暇保障手当として加算。つまり正社員が時給1000円なら、同じ仕事をする派遣労働者は(1000円+100)×1.11210円の時給となります。派遣労働者ももちろん、派遣先企業と組合との協約の適用を受けることになっているから、正社員並み待遇は最低条件となっています。


フランスでは、派遣期間終了後もさらに同じところで働かせていると、その労働者は派遣先企業と期限の定めのない契約になったとみなされます。もし終了前に派遣が終わるなら、別の同条件の派遣の仕事が保障されるか、派遣終了まで受取ることになっていた報酬に等しい額を、損害賠償として得られます。派遣労働は短期で不安定だからこそ時給が高い。だから企業は派遣労働者を長くは使わないのだそうです。

では今日はここまで。次回も労働者派遣法です。