五月になりました。「毎日お忙しそうですね」と言われますが、実態は忙しいような、忙しくないような感じです。自ら忙しくしているようでもあります。では何もしないでいるのがいいのかと言うと、極端に言えば、ご飯を食べるのも、そのために準備をするのも忙しいことの範疇に入ってしまうので、忙しさの程度は非常に個人的なことでもあります。


卒業生の労働実態を調査するために在籍した大学で知り合った研究者が、大学当局から「雇い止め」を通告され、
3月で職場を追われました。彼女にすれば全く納得できない理由だったので、2ケ月経った今も大学と交渉を続けています。故郷は遠く、今までに築き上げてきたものは全て関西であるため、職を失うことは即路頭に迷うことなのだと実感しました。今まで私なりに分かっていたつもりでしたが、「そうか、路頭に迷うとはこんな簡単なことなのだ」と。


今回は卒業生の仕事紹介ではなく、アメリカで起きた性差別訴訟を紹介します。

アメリカの、あの安売りで有名なウォルマート・ストアーズの女性従業員が「性差別賃金」を争った裁判に決着がつくようです。

働く女性の仲間からのメールで知りました。さらに詳しく知りたいとネットで検索しましたが、出ていません。記事の詳細が知りたい以上に、「なぜ日本のマスコミは報じないのか」の疑問を持ちました。今分かっている範囲で紹介します。出典は「ウォールストリートジャーナル
53日」からです。分かり易いように記事を少しアレンジしました。


2001年に6人の女性がサンフランシスコの連邦地裁に提訴しました。提訴の内容は、過去5年間の賃金差別、昇進差別の「性差別訴訟」です。


6人は、ウォールマートで働いていた、また現在も働いている150万人の女性を代表して提訴しました。

しかし、余りにも原告の数が多いので、11人の判事の意見が分かれましたが、結局、米第9巡回区連邦控訴裁判所は今年426日、65の僅差で、小売り世界最大手の米ウォルマート・ストアーズを相手取った大規模な性差別の訴訟を、集団訴訟として審理するとの判断を下しました。


異なる判断をした判事の意見です。

集団訴訟としての扱いに賛成したマイケル・ホーキンズ判事は、賛成側を代表して、集団訴訟の規模が大きいのは事実だが、規模が大きいからといって訴訟が制御不可能になることはないと述べた。

一方、反対したサンドラ・イクタ判事は、これほど大規模の集団訴訟が認められたのは初めてだと述べた。

ウォルマートは最高裁に上告することもできるが、最高裁が取り上げる可能性は低いとみられる。 この集団訴訟で戦うことになれば、ウォルマートは莫大な訴訟費用を負担しなければならない。既に0812月、同社は、従業員の処遇をめぐる63件の訴訟で計64000万ドルの支払いに合意している。同社は、長期にわたる訴訟を避け、この性差別訴訟でも和解を模索する可能性が高いとみられる。 これにより、ウォルマートが10億ドル(約940億円)を超える負担を負う可能性が出てきた。


ウォールマートを『ウィキペディア(
Wikipedia)』で検索したら、アメリカ全土で約3500店舗ほど、また世界中に店舗を持っています。勿論日本もね。


さらに日経ビジネス
2006710日号によれば、ウォルマートで働く労働者の賃金は、フルタイム従業員の時給が10.11ドルで、小売業平均の12.5ドルを下回り、平均年収は18400ドルで、これはアメリカ連邦政府が決める4人家族の貧困家庭19350ドルよりも少なく、とても世界一の小売業の出す賃金とは思えないと出ていました。また、「過酷な条件で働かせたり、安易にリストラに走るのは日本も同じだ。『グローバル競争に勝ち抜くためには仕方がない』。経営者はこの言葉を隠れ蓑にして「搾取モデル」に走っていないか」と締めくくってありました。

しかし、すごい訴訟ですね。今後の展開と、「同一価値労働同一賃金」をどのように証明していくのか知りたいですね。

では今日はここまで。