急激に寒くなりました。まだ夏物を出したままです。洗濯も済んでいないのに!お互い風邪には注意しましょう。良いこともあります。夕食の献立が楽になりました。「今日は寒い!お鍋にしよう」。

今回は2点についてです。労働者派遣法の解決方法と卒業生の職務評価をしたことです。

 

労働者派遣法の改正がストップしています。これについては「201011日」のブログを見てください。

現行の派遣法は、使用者側に圧倒的に有利な法律です。一昨年の年末には「年越し派遣村」が日比谷公園に設置されたのをまだ覚えている人は多いでしょう。不景気になったら即座に解雇され、会社の寮に入っていた人はこれもまた即座に住むところを失い、大きな社会現象になりました。


最近東大が「派遣」という働き方について調査し、その結果が明らかにされました。東大の調査なんだから絶対間違いない!というのは早計のようです。どういう質問内容で調査したのかと、素人の私すら唖然としました。

連合通信に東大の派遣アンケートについての記事が載りましたので、続きを読むに入れました。まさしく誘導尋問です。「製造業の派遣が禁止されたら、あなたは職を失いますが、これをどう思いますか?」って聞かれたら、誰もが「困る」と答えるでしょう。この教授は、規制緩和の立場の人のようですね。


現段階で、民主党が労働者派遣法をまとめ、国会に法案として提出するのは無理ではないかと思います。なぜなら、民主党を支える連合の傘下には多くの大企業があります。立場、立場で派遣法に対する考えが違います。その利益代表である議員が各々に主張するのですから、まとまる訳がありません。例えば、電気連合や
UIゼンセンは製造業への派遣禁止に反対しています。


全く違った視点で派遣法に迫ったほうが速いのではないかと思います。その違った視点とは「同一価値労働同一賃金」です。
2009117日のブログにも書いていますが、フランスのように「正社員の2割増しの賃金を派遣労働者に払う」とただこれだけを決めれば、全て解決の道に繋がるように思います。2割り増しの賃金を払ってまで、いくら解雇し易いといっても派遣労働者ばかりを雇用する経営者はいないでしょう。

経営者にとって都合の悪い論理です。マスコミでも報道されませんね。どうしてフランスで出来て、日本ではできないのでしょうか?闇は深いです。


もう一点、卒業生の職務評価は、なかなか興味深い結果が出ました。協力してくれた卒業生は、現在訪問看護師として週
20時間働いています。それまでは総合病院の正看護師だったのですが、心身ともに疲れて、今は次に備えて充電中だそうです。でも、家庭で病人を看ている家族の力になれるような仕事に将来的には就きたいとのことです。


このブログで何度も書いていますが、職務評価は仕事の負担・労働環境・技能・責任の4つの観点で測ります。彼女の主な仕事は、家庭を訪問して、患者を観察し、必要に応じて点滴や投薬をし、血圧や全身状態を見ながら入浴介助をし、便の出難い人の排泄介助をし、寝たきりの人の手足をマッサージしたり動かしたりのリハビリをし、体を清拭し、床ずれ等の手当てをし、胃漏の人や嚥下困難な人に食事介助をします。

これらの仕事はさすがに責任も技能
(知識を含む)負担も最大の点数になりました。環境には、不快さと危険と労働時間の3項目あって、パートなので、労働時間を除いてはやはり高い点数になりました。1000点満点中、865点でした。ところが、これらの仕事はとても時間内に終わりません。だから事務的な仕事、即ち患者宅へ行く前の、その患者に関する記録を読んだり、情報を収集したり、点滴等の物品を準備したり、終わってから記録の整理をしたりの仕事は全てサービス残業になっています。この賃金の付かない仕事の点数も618点あります。


派遣で働いている人たちも、職務評価をすれば、きっと正社員と変わらない点数が付くでしょう。
厳然とある賃金格差に切り込むのは、今や「同一価値労働同一賃金」の概念しかないと、こんなに点数の高い仕事をしているにも拘わらず、賃金に低い卒業生を見て、ますます意を強くしました。


29
日は友人の裁判です。次回はその報告をするつもりです。

では今日はここまで。

*失業不安あおる調査手法

派遣労働者の半数以上が労働者派遣法の改正に反対──。東京大学社会科学研究所はこのほど、こんなアンケート調査結果を発表した。今後、同法改正案の審議が予定されるなか、経営者・財界側は派遣労働への規制について「失業リスクが高まる」「派遣労働者自身が反対だ」などと批判。法改正を阻止しようと、巻き返しを強めている。法改正で本当に失業が広がるのか、検証したい。


*失業懸念が多数
調査を行ったのは、同研究所人材フォーラムの「請負会社・派遣会社の生産現場で働く人々の働き方とキャリア意識に関する調査プロジェクト」(代表・佐藤博樹教授)。今年8月下旬、工場の生産現場で働く派遣・請負労働者2277人から回答を得ている。それによると、派遣法改正案の「製造業務派遣の原則禁止」について、派遣労働者の55.3%が「反対」と回答した。「賛成」はわずか13.5%。請負労働者でも、「反対」が41.0%と多数派で、「賛成」は20.4%に過ぎなかった。


その理由(複数回答)として、派遣労働者では「派遣を禁止しても、正社員などの雇用機会が増えないから」(69.5%)、「自分が派遣で働けなくなるから」(65.9%)の2つが圧倒的多数だった。法改正により失業する可能性をたずねたところ、派遣労働者の79.1%が「ある」と答えた。こうした調査結果を取り上げ、経営側は「法改正で失業が広がる」と批判を強めている。


*失業生む派遣制度

派遣を規制すれば、失業は広がるのだろうか。2008年秋のリーマンショック時に派遣切りをした日産やマツダなどは昨年、派遣から期間工への転換を進めた。現状について自動車総連は「大手メーカーは、派遣から期間工にシフトしている」と指摘する。組合によると、今年3月末時点の大手自動車メーカーの工場で働く派遣労働者数は235人。これに対し、直接雇用の期間工(有期雇用契約者)の数は9198人に上っている。正社員ではないが、雇用はあるのだ。派遣でなくても、必要なら企業は労働者を雇用するということである。派遣切りが横行したのは、企業にとって最も雇用調整しやすかったためだ。派遣先企業は、派遣労働者と雇用関係がなく、容易に契約を打ち切れる。リーマンショックによる急激な減産を受け、多くの派遣先が派遣契約の解約に走ったことが大量の失業者を生み出した。むしろ失業を作り出しているのは現行派遣制度の方だろう。アンケートで「派遣を禁止しても雇用機会が増えない」などの選択肢を設定したのは「今の派遣の仕事がなくなれば失業するかも」という不安につけ込んでいるのではないか。派遣法改正に反対と答えさせる誘導尋問に近い。


*政府案は規制強化か

政府の派遣法改正案は、製造業務派遣の禁止も不十分なうえ、登録型派遣を事実上残すなど問題点が多いのも事実。それさえ「規制強化だ」と反発するのはどうかしている。

「連合通信・隔日版」