中国電力男女賃金差別裁判の控訴審の報告をします。

8月29日、前日から出発していた人たちが朝から中国電力前でビラ撒きをしていたので、そこへ合流するべく、広島駅からすぐにタクシーで、と思ったら、「広島電鉄」の電車を駅前で発見!非正規の社員を全員正規の社員にした、日本では稀な企業です。敬意を表さずして広島を去ることはできません。で、乗車しました。150円也。車中で、降りる駅を隣に座った女性に確認、ついでに世間話、そのついでに「何しに広島へ来たか」も話しておきました。家族に中国電力勤務の方がいたかもしれません。

朝に撒いたビラはほぼ受け取ってもらえたそうです。お昼に再度、今度は裁判所前で撒きました。警備員がうろうろ、裁判所中へご注進に。「裁判所の敷地には入っていませんよ〜だ」。ここは人通り少なく、太陽は容赦なく照りつけ、木陰を探してのビラ撒きとなりました。1時半から開廷。控訴人と弁護士を中心に法廷へ入る姿は、夕方の朝日放送で3分間ほど放送されました。

(朝と昼のビラ撒きの間に、原爆資料館と、暑さを避ける目的で本川から太田川へ約20分間、すいすい号という9人乗りの真ん丸い船に乗りました。操縦兼ガイドは若い女性でした。下船のとき「正社員ですか」と質問。「いいえ。でも短時間の方がいいので」との回答。短時間でも正規があるべき働き方なのですが…)

いよいよ控訴審が始まりました。40人の法廷で、10人くらい入れなかったそうです。当初予定していた法廷から大きい法廷に変わったのは、78人もの弁護士が名を連ねたからだと思いました。そのいきさつをちょっと紹介します。

懸命に仕事をしてきたことが認められず、一審でのまさかの敗訴に、長迫さんは悶々とした日を送りました。眠れぬままパソコンに向かい「男女賃金差別」で検索したところ、WWN(前回のブログにも出てきています。)のHPを見付けます。メールをしたらすぐに返事が来て、「詳しいことを聞きたいから大阪へ来て」の誘い。大阪で控訴審の主任弁護士となる宮地光子さんと会います。宮地さんは住友電工・化学・金属、京ガスを初めとした男女賃金差別裁判を数多く手がけられた有能な弁護士です。宮地弁護士の呼びかけや、長迫さんが男女賃金差別裁判にかかわった弁護士たちの会議に赴き、直接訴えたこともあり、78人もの弁護団が結成されました。29日の控訴審には10名程の弁護士が法廷に入りました。その中には、中野麻美弁護士の姿もありました。中野弁護士は『労働ダンピング〜雇用の多様化の果てに』(岩波新書)の著者です。宮地さんと中野さんが組む最初の裁判です。


裁判後、弁護士から「一審と控訴審での訴えは何が異なるのか」を解説して頂きました。法的なことはすぐには理解できませんでしたが、帰宅後宮地弁護士から解説のメールを配信して頂きました。そこから引用します。


一審での争点

原告
・昇格における男女差別は違法である。

・長迫さんが受けてきた嫌がらせ(転勤の不当拒否・セクハラ通告の情報漏洩・挨拶に関する嫌がらせ・仕事面での嫌がらせなど)は不法行為である。

以上から、慰謝料を請求する。

会社側
原告が昇進しないのは、評価が低いこと。その理由は「女性差別の問題ではなく、極めて特異な個体事情を有する、原告固有の問題である」。14年前の社内の調査の結果データーによれば「女性社員は出世を望んでいない。よって、原告を不当に差別したのではない」。


これらの会社側の主張を裁判官は全面的に採用したのでした。

(「得意な固体事情」凄い表現ですね。一瞬DNAの問題かと思ってしまいました。長迫さんは営業成績が良いので会社から表彰されています。会社側は彼女には協調性がないとも言っています。グループで取り組んだプロジェクト等、長迫さんに協調性がなければとても成功できなかった事例等の証拠は沢山あります。その一例として、退職した元同僚が、親切にしてもらったことへのお礼のメールを出しているのですが、それに対しては会社側は「社交辞令」と言いました。)

控訴審の争点

控訴人(一審は原告、高裁では控訴人)
長迫さんが受けてきた嫌がらせの主張はわかりにくい面があるため、控訴審では、昇給・昇格における男女差別の違法性の問題に焦点を絞る。
一審では、賃金の実態が全く審理の対象になっておらず、差額賃金の請求も行なわずに、慰謝料の請求だけだったのを、会社からの賃金実態の開示を求め、その結果で、差額賃金を損害として請求する予定である。

(会社側がどんな賃金表を出してくるか分からないので、それによって判断するという意味で「予定」…嶋川注)


会社
中国電力の男女賃金格差は、世間よりはまし。
控訴人
仮にそうならば、会社は賃金の実態を出さなければならない。会社側が主張するように、「中国電力の男女賃金格差は、世間よりはまし」であっても、格差は少なければそれでいいというものではなく、不合理な差別は、わずかであっても許すことのできないものである。

一審と控訴理由が変わったことを、宮地弁護士は裁判官に丁寧に説明されました。控訴審の審議回数は基本的に少なく、一審の証拠以上の証拠、証人調べはなされないことも多々あり、「次回結審」といわれることもあります。「次回は10月27日」との裁判長の言葉に、審議は続くと、この点だけは一同やれやれの思いでした。


そうそう2人の女性が入閣しました。でもまだまだです。最近叫んでいないので久し振りに。
☆脱原発&☆女性の登用を」
では、今日はここまで。