年末の駆け込みブログです。原発事故、例えば朝日朝刊の「プロメテウスの罠」、夕刊の「原発とメディア」が報じる事実。私の知らなかったことばかり。毎日の中で、これも書こう、あれも書こうと思うのですが、余りにも目まぐるしく、衝撃的なことがらに、書くべきことの優先度が決められず、何も書かないままに過ぎていきます。(「単に物忘れやんか」という声もあり。)

 武器輸出三原則の緩和、八ツ場ダム・整備新幹線工事の再開のニュースで、心底民主党には呆れ果てます。民主党が政権の座についてから、弱者の側に少しは寄り添った法律、例えば労働者派遣法や、女性差別撤廃条約選択議定書批准、男女平等法等々、頑張れば成立するチャンスであったものがどんどん遠ざかって行きます。
原発事故の教訓も早やくもどこへやら。財界は原発存続を公然と言い出しています。福井にある大飯原発の運転再開の反対のネット署名をこのサイトでできます。もし福井で原発事故が起きたら、周辺府県の放射能による土壌汚染の状況等が図示されていますので、アクセスしてみてください。

http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/ooi_signature/ooi_signature1201_1.htm

 

中国電力男女賃金差別事件の裁判傍聴の報告です。

一審は惨敗という感じの判決。弁護士を変えての控訴審。三回目の1215日、東京、関西からも応援団が駆けつけて、傍聴席は満員。裁判を傍聴する機会は、日常殆どありませんが、傍聴した人なら立ち見はお断りというのが普通であると知っています。ところが、後ろで立っている人が数人いるにも関わらず、裁判官は何も言いませんでした。傍聴の終った後の参加者の第一声の声は「立ち見OKやった」でした。

二審(控訴審)では、一審と異なる争点を長迫さん側が出しました。一審で争って、納得ができないから控訴するのであるから、一審と異なる争点を出すことは原則駄目なのです。で、当然裁判官は「なぜ」と聞きます。以下、長迫さん(控訴人)弁護団の解説です。
 一審の原告の弁護士は、男女の昇格差別を根拠として、職能等級についての地位確認請求と慰謝料請求だけをしていて、賃金についての損害賠償請求をしていませんでした。しかし、賃金の損害賠償請求こそが重要であるとした、控訴審の弁護団は「訴えの追加的変更申立書」と「文書提出命令申立書」を提出。「訴えの追加的変更申立書」は、一審での請求(地位確認と慰謝料請求)に追加して、差額賃金についての損害賠償請求を求めるもの、「文書提出命令申立書」は、賃金差別の実態を明らかにするために、長迫さんと同じ昭和56
年採用の事務系男女社員の賃金台帳の提出を求めるものです。
会社はこれに対して、長迫さんの一審の弁護士は、差額賃金について損害賠償請求をしないことを明らかにしていたのに、控訴審になって、それを請求するのは許されないとの反論を行なっていました。
しかしこの日の法廷で、控訴人弁護士が言うところの、「昇格差別と賃金差別は、ともに請求の根拠は男女差別であって重なっている」との見解を裁判長は受け入れました。
裁判長は、「訴えの追加的変更の申立」と「文書提出命令申立」について、双方の意見をもう少し聞いてから判断したいと表明し、裁判は終了。その後、裁判長は、進行協議に切り替えて、双方から話を聞きたいと提案。急遽、別室で、裁判官3名、双方弁護士、長迫さんが参加して、協議が始まりました。
裁判長は、訴えの追加的変更が許されるかどうかは、「訴訟を著しく遅延させるか」がポイントであるとし、遅延させないのであれば、訴えの追加的変更も許されるとの立場を明らかにしました。
裁判長は、会社が賃金について、データー処理を行なっているかどうか、データー処理を行なっているのであれば、簡単に出せるのではないかと、会社の弁護士に対して質問。 賃金のデーター処理がなされていて、簡単に出せるのであれば、訴訟を何ら遅延させることにならず、訴えの追加的変更が許されるからです。会社の代理人は明言を避け、
次回2月1日も、引き続き進行協議期日と指定されました。
次回期日に、会社が、裁判長の質問に対して、どのような回答を行なってくるのか、その結果如何によっては、訴えの追加的変更が許されるかどうか、また文書提出命令が認められるかどうかについて、裁判所が、判断を下すことになるかも知れません。
控訴審の弁護団は、賃金差別の実態に踏み込む審理がなされるかどうかが、控訴審の重要なポイントとして位置づけていました。その一歩手前まで迫ることができました。


 
分かりましたか?控訴審は争点を変更するなどということは認めないのです。新たな証拠や事実が出てこない限り、最初に控訴人の意見陳述があって、2回目に双方の弁護士が意見を述べて、3回目は結審、4回目判決が普通です。3回ということもあります。証人尋問なんかがあったら珍しいというところです。1回目の裁判のときに、裁判長が「次回結審」と言わないか、はらはらした記憶があります。裁判が続けば、少しは望みを持てます。


賃金はとっくにデーター化されています。中国電力でも、自分のパスワードを入力すれば、遡って賃金を見ることができるそうです。会社側が「古いデーターはない」と言うならば、厚生年金のデーターがあるはずだと、裁判の後の集会に参加していた中国電力のOBが発言されました。会社側は「手作業で賃金表を作るので、時間がかかる。よって、裁判が遅延する」とは言えないでしょう。いくら世事に疎い裁判官でも「そうなんですか」と納得はしないでしょう。控訴審にしては珍しい進行でした。
では今日はここまで。大晦日になってしまいました。また来年、このブログに来てください