2012414日≪大飯原発に安全宣言≫政府が再稼働に向けてのお墨付きを出した記念すべき日になりました。閣僚に女性は厚労大臣の小宮山さんだけ。(均等法やパート労働法の院内集会で小宮山さんを何度か見ましたが、勉強熱心で弱者の立場を理解している人だとの感想を持っていました。が、それは大臣には求められない内容のようです。ついでですが、枝野さんの原発に関してのどんどん後退する発言の裏をどのように理解すればいいのでしょうか?)。女性が命に関して男性よりも深い思考をするとは思っていませんが、閣僚に半数の女性がいれば再稼働容認にはならなかったのではないかと思っています。

再度言いましょう!「脱原発と女性の登用」


さて本題です。毎日が日曜日の身なので、曜日に鈍感になっています。で、とんでもない勘違いをしました。裁判の傍聴に行かなければならなかったのに、1週間取り違えていました。何の裁判かって?2月
29日のこのブログにちょっとだけ予告した日系ブラジル人の裁判です。一回目の裁判は217日でした。で、二回目が1昨日だったのです。前回の傍聴席には、リーマンショック後に一番に解雇された他の職場の日系ブラジル人の方が20名ほどと、原告を応援している地域労組の5人ほどの参加でした。私は原告を支えている人から、原告の賃金と仕事の内容が合っていないことを職務評価で証明できないかとの相談を受けたので、関わらせて貰うことにしました。

さて、本題の労働問題です。

2人の日系ブラジル人が賃金差額を求めて提訴しました。派遣労働者ですが、派遣元()と派遣先()の間にさらに二社あって、A→B→C→Dの間に中間搾取があったのです。BとかCとかで働いていたことはありません。本来DがAに支払う賃金がB・Cを経由して減額されていました。その分を支払えというのが争点です。B・C社が原告の派遣の中間に存在していたことを証明するのは原告側です。どうしたら証明できるのか、想像しただけでも困難が浮かび上がります。

一回目の裁判は、裁判官から双方の弁護士に、訴状について何点か質問があって、次回の日程を決めて終わり。約15分ほどでした。その後、集会が持たれましたが、全部で30人ほど集まった中で、女性は私を含めて2人だけでした。集会で、女性弁護士が丁寧にゆっくりと、まるで小学生に語りかけるように話されるので、「法律用語は難しいもんね」と思ったのですが、その後の質疑で謎が解けました。かなり達者に日本語を話す彼らの感想は「分からない」でした。次回はポルトガル語の通訳をお願いせねばとの弁護団の言葉でした。争点は、上記の中間搾取と、2003年に製造業で認められた派遣労働以前から、原告たちは派遣として働いていたことです。

職務評価をするためには、原告たちの仕事を検証しなければなりません。原告たちはガラス製造工場で働いていました。働いていたのは日本電子硝子能登川工場でした。硝子繊維の糸(太さ平均1.5ミリ)の製造に従事していました。原告のAさんは階上で、紡糸ノズルから吐き出される5400本の硝子フィラメントの太さをそろえる仕事です。階下のBさんは、階上で調整されて紡がれた硝子繊維の糸を、巻き取り機にセットしたボビンに巻きつける仕事です。ボビンが一杯になったら台車に積みこみ、その台車を出荷場所に運び込みます。さらに階上のAさんは階下を見ていて、状況に応じてボビンをセットします。職務評価は4つの項目でします。知識・技能、負担、労働環境、責任です。その環境ですが、溶けたガラスは1500度もあり、冬場でも室温は50度を超えます。また、階上から階下へ降りてくる繊維をボビンに巻き取るために適当な長さにカットしなければなりません。階上から階下へ降りてくる段階でガラス繊維はゆっくりと冷やされ800度くらいになっています。カットがうまくできないと、ガラスが粉になって雨のように降って来ます。
原発労働者が着ているような、ガラス繊維を防護する作業着姿です。暑さを想像するだけに消耗しそうですね。職務評価で言えば労働環境は最悪です。次に責任ですが、階下のBさんはが階上から下りてくるカラス繊維をカットし損ねたら多大なる損失です。もし、階上のAさんが、ノズルから出てきたガラス繊維を見て、原材料が適切に配合されているかの判断を過てば大きな損失になります。原材料の配合は企業秘密なので正社員がします。慣れたらAさんでも出来るようですが、気温や湿度に左右されるので、この工程は責任と知識がさらに必要であるとのことです。労働時間は日本人よりも悪く、三交代制の最も過酷なシフトが組まれています。このように職務評価の観点から見て行くと、多分日本人の同じ立場の非正規労働者と、さらには日本人の正規労働者と、賃金差以上の仕事の価値の差はないと考えられます。

このブログでも紹介しました自治労A県本部の嘱託を解雇されたBさんの裁判で、私は彼女の仕事を職務評価の観点から考察し、意見としてまとめて大阪高裁に提出しました。しかし、大阪高裁の裁判官は、仕事の価値を評価する職務評価を、個人を評価する人事考課と同じものと考えたようでした。これと同じ轍を踏まないように、司法関係者に職務評価の宣伝をしていかなければなりません。

では今日はここまで。