前回に厚労省小宮山大臣の労働者派遣法の対応についての物足りなさを書きました。大飯原発の再稼働を決めたのが閣僚会議と報道されていたので、たった一人の女性の小宮山さんは、どんな発言をされたのかと気になっていたのですが、この閣議決定のメンバーではなかったようです。日本で女性が決定権のある場に参加できるのはいつのことでしょう。少子化で、将来は労働力が不足するのは明らかなのに、女性の能力を認めない人がまだまだ多い、この点ではとても先進国とはいえない国であることは確かです。
最近、韓国の労働法制について学ぶ機会がありました。韓国では今年
411日に国会議員の選挙があって、各党の労働問題に関するマニフェストの載った資料が配布されました。その資料には、各党の代表や、労働法制に関する意見を強く発言している人たちの写真がありましたが、6人中5人が女性でした。
会場から韓国の政治家の女性の地位を尋ねる質問がありました。講師の龍谷大学脇田滋教授は「韓国は儒教の国なので、日本よりも圧倒的に女性の地位は低いです。日本では夫婦別姓を人権の立場で主張していますが、韓国が現在でも夫婦別姓なのは、妻は夫の家に入れないからです。非正規労働者も女性が多く、この写真のように、なぜ女性たちばかりが掲載されているかわ分かりません」と答えました。会場から「韓国の母親としての地位は高い。息子も母親には頭が上がらない」の声がありました。確かに韓流ドラマでは、何故息子はそこまで母親の顔を気にするかな!って思う場面が多々見受けられます。
イタリアも女性の地位が低いとの記事を朝刊(朝日2012.4.29)で発見。日本と同じように少子化なのですが、「女性は家庭へ」の考えが強いとのことです。しかしながら、女性の地位を表す世界フォーラムの「男女格差指数」で昨年、イタリアは
135カ国中74位、日本は98位でした。スウェーデンでは、男性を100としたときの女性の賃金は80%台です。日本は圧倒的に女性に多い非正規老奏者の賃金を含めると40%(以前から何度も書いてますが、EUでは非正規の時間単価は正規より高い)です。長年にわたり女性たちが運動していてもこの状況です。机上やデモや署名で抗議しても一向に先進国並みにならない。実効ある方法の一つが、スウェーデンのように「女性は男性の80%の賃金なのだから、買い物では価格の80%しか払わない」という方法ではないでしょうか(実際に行われているか、近所のスウェーデン人に聞かねば。うまく通じたらの話ですが…)


さて、この学習会で友人が話をしました。与えられた題は「パート労働者と社会保障」です。友人Aは
32年間パート労働者でした。年間の賃金は100万円強でした。130万円までなら、会社員の夫の被扶養者として第3号被保険者で、年金を掛けなくても将来年金を受け取ることができます。でもAはこの制度を利用しませんでした。夫の扶養家族にならずに、独立した一人の労働者として、自らの賃金の中から社会保険料を支払い続けたのです。(ある卒業生が言ってました。彼女は最初アパレルに勤め、結婚を契機に辞めました。最近子育てと両立できるパートを始めました。卒業生の殆どがこのパターンです。この卒業生曰く『夫の扶養家族だと、例えば「ブラウスを買ったの」と夫に報告するのも屈辱、夫が「どんなん?」と聞いてくると、「俺の稼ぎで勝手に買って」と言われているようでまた屈辱!』)
その結果、Aは保険料総額約200万円強を支払い、65歳で年金年額99万円を受給するという通知を日本年金機構(旧社保庁)から受け取りました。Aの友人Bは、同じような年齢でパート歴も同じです。Bは第3号被保険者となり、結婚するまでの間の5年間の社会保険料18万円以外掛け金を支払うことなく、年額95万円の年金を受け取ります。≪女性は夫の扶養範囲内で、家計補助的に働くことが優位である≫の典型的な例です。
では、扶養してくれる相手のいない人はどうなるのでしょうか?それはAと同じように、社会保険料を払い続けるのです。
2016年からパート労働者の社会保険に関する制度が変わります。次回はその点について少し解説します。なんとなく見過ごして生きればストレスは少ないかもしれませんが、人権には敏感にならないと、とは思っています。では、今日はここまで。