百均ショップには沢山の商品があって、「なんでこれが100円なん?」。その商品の向こうで働いている人の賃金はどれくらいなんだろう。海外のどのような工場で働いているのだろう、社会保険は?等々疑問が湧いてきます。ドイツKIK社のジーンズを縫っているパキスタン南部カラチにある衣料工場で2012911日から12日にかけて火災が起き、289人の労働者が、逃げ遅れて亡くなりまし。4階建ての工場に入口は1つ。防火対策も消火や換気の設備もなく、窓は全て鉄格子、ドアや階段は品物で塞がれていたそうです。ドイツの人はこういう環境の中で、安い製品が生産されているのを知っているのかしら!KIK社って、ドイツサッカーチームのユニフォームも作っているようですね。私もユニクロの製品は知っていますが、これを作っている労働者の状況は知りません。グローバル化経済が避けて通れないのなら、想像力もグローバルにしないといけないと考えさせられた事件です。
(
http://www.youtube.com/watch?v=bV8_vCFewDw)



二点報告します。一つ目は中国電力男女賃金差別事件です。

朗報(楽観は許されませんが…)

裁判傍聴に行ってきました。控訴人の報告を一部引用します。この裁判を象徴するような場面があります。それは主任弁護士が女性たちということです。日本でも指折りの優秀・聡明な弁護士たちです。頼もしい〜!この優秀な弁護士だからこそ、控訴審が続いています。

*追加的請求が認められました。一審では賃金差額を請求していませんでした。しかし、控訴審では、控訴側の請求に基づき、裁判所は会社側に賃金台帳を提出させました。もし控訴人が男性社員並みに昇進していたら得られるであろう賃金の差額を積み上げ、請求しました。一審の争点以外の争点が二審で認められるのはなかなか難しいことです。弁護団の緻密で論理的な分析が功を奏した結果です。会社側が提出した賃金台帳には従業員の名前がありませんでしたが、これを弁護団は解読しました。そして、女性の評価が高くても昇進や賞与に反映されていないこととか、控訴人が裁判を起こしたことを「協調性がない」という評価に結び付けていたことが分かりました。
(裁判後の集会で「ロゼッタストーンを解読したシャンポリオンみたい」との声あり。シャンポリオンは「クレオパトラ」という言葉を解読出来た以降、もつれた紐が解けるがごとく、ロゼッタストーンに書かれていた文章を全て解読しました。てなことを何かで読んだ記憶があります。)


*本人尋問の請求が認められました。一審以外の新たな証拠が出ないと、証人尋問は控訴審(二審、広島高裁)では認められるのは難しいのですが、本人尋問1時間半、反対尋問1時間半と認められました。

(油断は禁物ですが…。以前書いた自治労A本部嘱託書記雇い止め事件では、大阪高裁で証人尋問が認められましたが負けました)。次回の裁判は来年214日です。



二つ目は、プラダジャパンのセクシャルハラスメント及び解雇事件です。

≪プラダ:元女性部長の解雇無効請求を棄却…東京地裁≫毎日新聞 20121026日 

イタリアの高級ブランド「プラダ」の日本法人「プラダジャパン」(東京都港区)を解雇された元部長の女性(38)が解雇無効と慰謝料などを求めた訴訟で、東京地裁(森岡礼子裁判官)は26日、請求を棄却した。判決によると、女性は09年に「人事部長から『社長はあなたの醜さを恥じている』と言われた」などと報道機関に情報提供し、報道された。判決は女性の言動について「会社の信用を傷つける行為で、懲戒解雇の理由に当たる」と指摘。その上で「(女性が提供した)情報の根幹部分は真実と信じる理由がない」と疑問視し、解雇を有効と判断した。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00234240.html


さて、この裁判の裁判官は女性です。卒業生が「センセ、おんなの敵はおんなやで」とよく言うセリフに重なります。自治労A県本部嘱託書記解雇事件でも、解雇されたのは女性、解雇をした側の中心人物も女性でした。男社会の中で、男に伍して生きていくために男以上の働きを求められるのは以前からありましたが、1985年成立の男女雇用機会均等法がさらに拍車をかけました。なぜなら、男女平等とは「女性も男性並みに働くこと」だと定義され、労基法にあったいくつかの女性保護の条文が削除されましたから。女性は同じ痛みを共有しなければ…。それが一方は裁く側で、他方が裁かれる側でも。

さらに、日本の裁判は、中国電力事件にしろ、プラダ裁判にしろ、被害を受けた側が証拠を提出しなければなりません。裁判所が賃金台帳提出命令を出してくれたから、控訴人の賃金と男性社員の賃金を比較することが出来ました。プラダでは、ハラスメントです。ハラスメント被害を証明するには、女性はいつも録音機を用意しておかねければなりません。すぐにマスコミ発表するくらいしか対抗力を持ちえないと思うのですが、原告のこの行為は会社の名誉を傷つけたことになり、解雇されても仕方ない行為だったと裁判官は述べています。ハラスメント受けた時点で、原告はこれをどのように証明すればよかったのでしょうか?


では、今日はここまで。