労働問題のブログといつも自分に言いきかせていますけど…。

我慢できないこと、欺瞞に満ち満ちていることを先に。

集団的自衛権を必要とする説明のときに使われたパネルの、子どもを抱いた不安そうな、弱々しげな表情の女性の図。都議会、国会のセクハラ発言と同じものが根っこにあります。セクハラ発言に関しては謝罪していますが、何が悪かったのか分かっていないでしょう。
パネルの絵を描いたのは誰?
安倍首相の気に入りの女性像とは、心細げで男性に守ってもらう人のようです。考え過ぎ
マスコミもあの絵を「ジェンダーの観点から問題」とは言ってないようですが、ことの是非の前に、私は嫌悪感一杯になりました。


アフガニスタンで活動するペシャワール会の中村哲医師が、集団的自衛権について話しておられました。胡散臭いノーベル平和賞の受賞者の多い中で、真の平和貢献をしている人の1人がこの方だと私は思っています。アメリカのアフガニスタン侵攻のとき、全部と言っていいくらいのNGOが撤退しましたが、ペシャワール会の現地NGOは残りました。ペシャワール会については、20121227日のブログを見てください。
その中村さんが、「集団的自衛権が日本で認められたら、私は撤退する。今まで、戦禍にあっても、日本人が攻撃されなかったのは憲法9条が守っていてくれたからです。」と言っておられます。限定的だの、9条の範疇内だと、理屈をこねくり回している政治家・官僚よりは、ずっと現実をご存知の方の言葉です。中村哲医師によれば、「アフガニスタンは戦争で滅びるのではなく、旱魃(自然を無視する「文明の無知と貪欲と傲慢」)で滅びる」とのことです。人工的なものに囲まれている私たちには、見えていないですね。


 
さて、本題ですが、今回は外国人家事労働者についてです。

日本世論調査会が実施した雇用労働に関する世論調査について、次のように報じています。

≪少子高齢化や景気回復に伴う人手不足対策として外国人労働者の受け入れ拡大に賛成する人は「どちらかといえば」を含めて51%で、反対の46%をやや上回った。移民の受け入れは55%が反対した。≫2014629日東京新聞)

あなたの考えはどちらですか?私がひっかかるのは、移民受け入れ「55%反対」の項です。都合の良いときだけ「来てください」。用が済めば「日本に永住するのはお断りしますという点です。


オリンピックの施設建設に、労働力が不足します。そのため、外国人に建設労働者として来て貰おうとしていますが、施設が建てば、「はい、さようなら」です。建設費と景観破壊で「見直し」を迫られている国立競技場は、当初の計画通りだとすると、まずこれを壊すところからスタートです。もし、アスベストが使われていたら、また、他の建設資材の粉塵を吸って、帰国後症状が出たとしても、補償はされません。
また、政府は技能実習という受け入れを考えているようですが、この制度は、ILOや国際人権規約委員会から非難されています。今回特区に家事労働を担う外国人を受け入れるとしていますが、その人たちがどういう状況で来ているかを知った上で、判断せねばと思います。聞くに堪えないヘイトスピーチがあっても、政府は「憲法で保障された表現の自由」を楯に積極的に取り締まっていません。以下に、外国人家事労働者の実態を述べた文章を紹介します。友人の嶋田さんのレポートです。これを読めば、政府の政策の何が問題かが分かります。
日本は、国連の≪家事労働者の適切な仕事に関する条約≫を批准していない数少ない国の一つです。これすら批准しないで、簡単に「外国人家事労働者に来てもらって、日本の女性が男性と同等に働けるようにしよう」とよう言うわ!国連の≪家事労働者の適切な仕事に関する条約≫の条文は、「続きを読む」に入れておきます。次回も、外国人(家事)労働者のことを続けます。

では、今日はここまで。

**************

私はインドネシア、スリランカ、シンガポール、湾岸産油国などで、家事労働者の実態調査を行ってきました。

そこで見聞した家事労働に従事する女性たちは「現代の奴隷制」と言っても過言ではない悲惨な状況にありました。

渡航前の業者への斡旋料、就労後の給料からのピンハネ、債務奴隷化、渡航先での性的、身体的、精神的虐待、悪質業者による人身売買の横行、送り出し国の役人も関わる不正渡航、後を絶たない自殺、過労死などなどです。

家事労働者のほとんどは都市のスラムや貧しい農村出身で、「大金を稼げる」とい う斡旋業者の甘言に釣られて、家族の生活を支えるために出稼ぎを決意した20-40歳代の女性たちです。私たち日本の家庭では、そんなひどい虐待や奴隷状態はあり得ないと言えるのでしょうか?いくら私たちが「善意」でも、送出し国側に悪徳業者が暗躍し、不正に労働者から「渡航料」を巻き上げ、債務奴隷化する構造が存在する以上、湾岸諸国などで起きている人権侵害は日本でも避けることができません。

日本政府は、送り出し国で斡旋業者を一切介在させずに、直接家事労働者を募集し、日本語研修などを行った上で受け入れるシステムを作る覚悟があるのでしょうか?

実際、EPAの看護師、 介護福祉士で来日している人たちの中にも、現地の年収に匹敵する金額を不正に業者に支払い、その返済に苦しんでいる人がいます。

すべての渡航費用は日本の受け入れ施設が負担しているにも関わらずです。

そもそも家事をどうして男性が出来ない構図になってるのか、というところに手をつけずに外国人を使おうとするのは何なのか、ということが問題なのではないでしょうか?

雇用条件、昇進、給料などの待遇において男女の格差をなくし、働く男女が平等に家事を分担し、余暇や趣味を楽しむゆとりのある暮らし。その実現こそが重要な課題なのではないでしょうか

これを阻む男女の格差、非正規労働などの 諸問題を放置したまま、外国人家事労働者を導入しても、社会的不平等や人権侵害という問題をまた一つ増やすだけです。

私たちは、他国の女性の人権を踏み台にしてまで、「社会進出」したいのでしょうか?

私たちは、現代の「奴隷制」を導入してまでも「女性の活躍」を進めたいのでしょうか?

女性家事労働者の人権を守るために、私たち日本の女性が「奴隷主」にならないために、家事労働者の受け入れ反対を呼び掛けます。

正 式 名(仮訳): 家事労働者の適切な仕事に関する条約

(第100回総会で2011年6月16日採択。2013年9月5日発効。最新の条約)

日本の批准状況:未批准 ◆批准国一覧(英語)

条約の主題別分類:特殊なカテゴリーの労働者  条約のテーマ:家事労働者

[ 概 要 ]

その特殊性により労働・社会保障法の適用対象外になることが多い家事労働者を労働者と認定し、その労働条件改善を目指して初めて採択された歴史的な国際基準。家事労働者は他の労働者と同じ基本的な労働者の権利を有するべきとして、安全で健康的な作業環境の権利、一般の労働者と等しい労働時間、最低でも連続24時間の週休、現物払いの制限、雇用条件に関する情報の明示、結社の自由や団体交渉権といった就労に係わる基本的な権利及び原則の尊重・促進・実現などを規定。家事労働を、一つもしくは複数の世帯においてまたは世帯のために遂行する業務と定義し、雇用関係の枠内で家事労働に従事する者を家事労働者とする。すべての家事労働者を対象とするが、職業的にではなく、散発的に時々家事

労働に従事するだけの人は除外する。例えば、住み込み労働者のためにはプライバシーを尊重する人並みの生活条件が享受できるよう確保すること、児童家事労働者については義務教育を受ける機会が奪われないこと、移民労働者に関しては、国境を越える前に雇用契約書などが提供されることなど、追加的なリスクにさらされている可能性がある労働者についての特別保護規定も盛り込まれている。民間職業紹介所の不正な慣行から家事労働者を効果的に保護する措置、家事労働の特殊性に十分配慮した労働監督措置の開発なども規定されている。

同名の補足的勧告(第201号)が同時に採択されている。