心穏やかに、素朴に暮らせない日々です。

先週は、労働者派遣法の改正(適切な言葉ではありません。変更というのはどうでしょうか?)案が、衆議院厚生労働委員会で審議され、今週にも政府案が可決されそうです。維新の党が途中から自民・公明の案に加担したので、不十分な文面ながら議員に「賛成しないで、廃案に追い込んでください」FAXをしました。

実は私は、野党が共同提案した「同一労働同一賃金推進法案」にも反対なのです。どんな内容であれ、労働者派遣法そのものに問題があると考えています。

このブログでも何度も何度も「同一(価値)労働同一賃金」という概念と、そのために職務を評価し、数字化する得点要素法という職務評価制度を紹介してきました。

これは、職務を「知識・技能、責任、労働環境、負担」の4要素から分析します。ILOが推奨している方法です。共同提案した野党の議員の何人が、この制度の長所と短所をご存じなんでしょうか?この方法は、諸(両)刃の剣にもなります。
派遣労働者の仕事と、正社員の仕事を比べてみて、正社員が
100点満点の90点で、派遣労働者の点数が80点となったと仮定します。

この場合、あなたは、どういうことが起こると予想しますか?

派遣労働者の賃金を、点数に比例して上げる。
正社員の賃金を、派遣労働者の賃金と比較して100対80になるように、点数に比例して下げる。

同一労働同一賃金という概念を労働者のものにするためには、その前にしなければならないことが多々あります。

例えば、

*いかなる点数になろうとも、正規も派遣労働者も、現在の賃金を下げない。
*職務評価は、個人ではなく、就いている仕事の内容についてする。
*ILOの得点要素法を遵守する。
*職務評価を申し立てた派遣労働者を解雇しない。
*弁護士を含む第三者からなる機関が職務評価をする。
*派遣労働者を雇用している全企業に第三機関が調査する。
*問題のある企業には、実効あるペナルティを与える。

等々。

素人の私が考えても、あれこれ思い浮かびますが、こういう前提事項があって初めて野党の言う「同一労働同一賃金」が効力を持ちます。

以前にもこのブログで紹介しました、平成2411月に厚労省雇用均等・児童家庭局の委託事業で「パートタイム労働者の納得度を高め能力発揮を促進するためにー職務評価の実施ガイドラインー」は、ILOのものとは異なり、正規と派遣の職務における「責任」が、最初から差が付いていました。
そして、維新はあろうことか、派遣と正規は「均等ではなく均衡待遇」と、与党と修正してしまいました。「均衡」という言葉の曖昧さ!に、よくぞ官僚考えたね!とある意味感心してしまいます。
同一労働同一賃金を提案している野党の皆様、軽々しくこの概念を持ち出さず、「労働者派遣は3年が限度。その仕事が3年を超えてもある場合は、それに就いていた派遣労働者は正規採用とするべし」と、ただこれだけを言ってほしいですね。これでも、派遣労働を認めていることになるので、私としては、大いに妥協した提案なんですが…。

では、今日はここまで。