勝手に夏の休暇をと、ブログを休んでいました。何度もアクセスしてくださった方々、お詫びと共にお礼申し上げます。
この間、安保法制反対集会や金曜日の関電前行動には、パーフェクトではありませんが参加していました。
830日は、大阪集会に参加しました。全国で100万人の呼びかけでしたが、東京で12万人、大阪は23000
人と主催者発表でした。
翌日の新聞で、湯浅誠さんが「デモは、意見がイエスかノーかの対立的になる可能性が大きい」と、デモを尊重しつつもの発言を、TVで小熊英二さんが「反安保法制だけであれだけの人が集まったとは思えない。この状況に不安と覚えている人が多いのでは」と、それぞれ報じていました。私も
30日の集会の感想としては、小熊さんの意見の方が説得力があると思いました。安倍さんが、この国をどこに持って行こうとしているか、安倍さんだから一層不安になる、だから多くの人々が集まったのではないでしょうか?

さて822日、広島に行きました。原爆資料館や安芸の宮島の観光地に数回行ったことはありましたが、2011年から2013年までは、中国電力男女賃金差別裁判傍聴で5回ほど通いました。22日、多分今日が広島に来る最後になるかも知れないと感慨深く広島駅に立ちました。
最高裁判決について、宮地弁護士から《中国電力男女賃金差別事件―その成果と残された課題》と題して解説がありました。

レジュメからの抜粋です。

2013718日の広島高裁判決では 

「控訴人(原告)と同期同学歴の事務系女性従業員の平均基準労働賃金額(賃金)は、同男性従業員の平均88.1%。(〜中略〜)同女性従業員のほとんどの賃金が、同男性従業員より低額となっている」としています。しかし、結論は「格差は認めているが、男女差別の存在はなかった」と言っているのです。
(さっぱり理解できません
)
その理由を下記のように挙げています。
・男性従業員と女性従業員とで取扱いを異にするような定めが中国電力にはないので、【人事考課制度は合理的である】
・昇格や賃金において、男女が層として明確に分離していない。
・女性従業員の就労意識調査による実態と女子保護規定の存在があった。
・原告は職場の一体感やチームワークなどに問題があり、自分本位である。

詳しくは、傍聴に行った都度書いたブログの一覧は、
2015.04.21のブログを見てください。

さらに宮地弁護士は、均等法の不備な点が、この不当な判決の根拠になっていることにも言及されました。勿論、裁判官がジェンダーの視点を持っている人なら、素人の誰が見ても、明らかに性差別であるこの事件を、判例にとらわれずに判決できたと思います。

均等法の不備な点は、

・事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。労働者の配置(実務の配分及び権限の付与を含む)、昇進、降格及び教育訓練
女性原告が男性と比べて不利に扱われたとして提訴しました。ところが、均等法は違法性の根拠にはなりますが、均等法自体に制裁措置はありません。では、何を根拠にするか?損害賠償請求(差額賃金相当額・慰謝料)の根拠は、あくまでも民法709条の不法行為責任なのだそうです。

709条 故意または過失によって他人の権利又は財産上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

問題は、故意または過失の文言です。会社側が、「故意でも過失でもありません」と主張すれば、「故意だった、過失だった」と原告が論破しなければなりません。会社側は「アンケートの結果、中国電力の女性従業員は出世を望んでいないことが分かった」と主張しています。職場結婚が多ければ、夫の出世を慮った回答が出てくるのは当然です。
以前にも書きましたが、私が退職後、当時の校長と飲んだときのことです。「海外研修制度に、女性のAさんを推薦しようと思ったのだが、家庭のある人だから男性を推薦した」と彼は言いました。彼は、すごく配慮のある決断をしたと心底思っていました。「その研修を受けるかどうかはAさんが決めることです」と私は言いましたが、彼は全く善意からの行動だったので、私の言うところが理解できないようでした。このことをもって、「彼が推薦しなかったのは故意だった」とはなかなか論証できません。ここに女性が差別を訴えた裁判が勝てない理由があります。何が差別か?その定義すら定まっていないのが日本の現状だそうです。
では、今日はここまで。