30日、2016年最後の反原発集会に参加してきました。京都9条の会からぜんざいが振舞われ、その光景だけみれば温かいのですが、集まっている理由は深刻です。1時間の集会の最後は、関電の通用口で「来年も来るぞ」「原発廃止になるまで来るぞ」と締めくくりました。「ええ加減原発諦めたら
私としては、今年は何人かの知人の訃報もあり、今年一年そこそこに暮らせたことを、感慨深く思う年末です。

今年の締めくくりのブログの内容は、勿論「同一価値労働同一賃金」についてです。

少々遡リますが、今年6月2日付で 閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」に≪同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善≫が明記されました。

要旨は「続きを読む」に入れました。

これに対し、719日に日本経済団体連合会(経団連)が「同一労働同一賃金の実現に向けて」を発表しました。さらに、閣議決定を受け、1220日に政府はガイドラインを発表しました。
政府の打ち出した「同一労働同一賃金」は、褒めて言えば「言葉知ってたんだぁ〜」であり、冷めて言えば「どうせ言葉だけですね。」というところです。

 

「続きを読む」に入れた閣議決定の太字の内、今回は使用者の説明義務について、経団連とガイドラインはどのように言っているのかについて述べます。太字は何点かありますが、長くなるので今年の締めは簡潔に一点だけ。

正規のAさんと非正規のBさんを比べて、同じ仕事なら同じ賃金を払いましょうというのが本旨です。

最初の疑問。
AさんとBさんは同じ仕事であると、どうやって誰が判断するのでしょうか。
もし、Bさんが「同じ仕事をしているのに、なぜ賃金に差があるのか」と上司に尋ねた場合、閣議決定では「企業の説明義務」とあります。非正規が上司に尋ねることも、Bが正規Aの賃金を知ることができるのかも含めて、非正規が実際このような行動をとること自体かなりハードルが高いと思いますが、経団連は説明義務をどのように考えているのでしょうか。

経団連の同一労働同一賃金は、日本型同一労働同一賃金であり、欧米型のとは違うのだということを力説して書いています。企業の説明責任については引用します。
「労働条件の差の合理性の立証責任を使用者に負わせる仕組みのもとでは、企業はトラブルを回避すべく、正規従業員と非正規従業員の仕事内容を明確に分ける行動(職務分離)を採り、結果として非正規従業員の正社員登用機会を減少させるおそれがある」と。

ひゃ~!恫喝ではありませんか。「なぜ賃金が低いのか」を尋ねると、「正規になるチャンスを失い、泣きを見ることになるぞ」と言っているのです。

「パート労働法8条、労働契約法20条は職務内容、配置の変更の範囲(転勤)、その他の事情を考慮して不合理と認められるものであってはならない」としていますが、これで正規になった人の事例はほぼ無いに等しいと言われています。だのに、尋ねることすら「頭が高い」というようです。
さらに高齢者の再雇用についても、
「企業は60歳以降の継続雇用確保に努力しており、高齢者がもつ能力やノウハウを活かして定年前と同様の業務に従事してもらう場合少なくないが、紛争回避のため、こうした人災活用を断念せざるをえず、高齢者の活躍が阻害されるなど、さまざまな弊害が予想される。~~
以上の理由から、現行法(労働契約法20条、パートタイム労働法8条・9)不合理性の立証責任についての基本的な仕組みは変更するべきではない。

 

これは、多分、以下の判決を意識してのことでしょう。
同一労働同一賃金といえども、日本型であり欧米型ではないと至る所で協調している経団連の提言ですが、裁判に訴えたトラック運転手は、再雇用前と全く同じ仕事なのですから日本型云々は関係ありません。むしろ、仕事の内容(職務)が同じの欧米型同一労働同一賃金というべきです。日本型と欧米型を都合よく使い分けているとの印象が強いです。

2016513日の朝日新聞の記事です。

定年後に再雇用されたトラック運転手の男性3人が、定年前と同じ業務なのに賃金を下げられたのは違法だとして、定年前と同じ賃金を払うよう勤務先の横浜市の運送会社に求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であった。佐々木宗啓裁判長は「業務の内容や責任が同じなのに賃金を下げるのは、労働契約法に反する」と認定。定年前の賃金規定を適用して差額分を支払うよう同社に命じた。

 

閣議決定には、「経団連の基本的な考え方と」あり、これは、経団連と相談してという意味でしょうから、説明義務は省かれるでしょう。政府の出したガイドラインには説明義務は見当たりませんでした。

では今日はここまで。
 

≪同一労働同一賃金の実現に向けて≫2016719日日本経済団体連合会

 女性や若者などの多様で柔軟な働き方の選択を広げるためには、我が国の 労働者の約4割を占める非正規雇用労働者の待遇改善は、待ったなしの重要課題である。〜中略〜パートタイム労働者の賃金水準は、欧州諸国においては正規労働者に比べ2割低い状況であるが、我が国では4割低くなっている。 再チャレンジ可能な社会をつくるためにも、正規か、非正規かといった雇用の形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保する。そして、同一労働同一 賃金の実現に踏み込む。 同一労働同一賃金の実現に向けて、我が国の雇用慣行には十分に留意しつつ、躊躇なく法改正の準備を進める。

*正規か、非正規かといった雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保する。

*わが国の雇用慣行に十分に留意しつつ、躊躇なく法改正の準備を進める

非正規雇用労働者の処遇に関するルールを定める現行法(労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法)の的確な運用を図るため、ガイドラインを策定。

不合理な待遇差に関する司法判断の根拠規定の整備、非正規雇用労働者と正規労働者の待遇差に関する企業の説明義務の整備等を含め、現行法の一括改正等を検討

*正規労働者と非正規雇用労働者の賃金差について、欧州諸国に遜色のない水準を目指す。

*わが国の雇用慣行に留意した日本型同一労働同一賃金を目指していく観点から、日欧の雇用慣行や人事賃金制度の相違を踏まえ、経団連の基本的な考え方と非正規従業員の待遇改善に向けた具体策を提言する。