嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

今の女性の働く状況

東和工業男女差別賃金差別裁判をともにたたかう会の解散について。

暑い夏でした。その日その日を過ごすのに精一杯でした。これが歳をとるということのようです。

9月24日、1つの活動に終止符が打たれたので、参加してきました。

このブログでも何度か紹介した富山の「東和工業男女賃金差別裁判」の支援会(ただしくは≪男女差別をともにたたかう会≫)が解散しました。

事件の内容をざっとおさらいします。詳しくはブログの2016.9.282016.4.302015.9.10015.5.052015.3.312014.9.17にあります。

1990年から設計職で仕事をしていた原告は、その時点で男性と賃金の差はありました。しかし、彼女はその不当性を会社に訴えて、満額ではありませんでしたが補填されていました。

ところが2002年に会社はコース別を導入し、男性は総合職、女性は事務職にされました。今までと全く変ることなく、同じ仕事をしていたにもかかわらず賃金は下げられ補填もされなくなってしましました。この時から原告はずっと不当であると上司に言い続けてきましました。

原告は、
201311月に裁判に訴える。
20141月に会社を退職。

労働基準法第4条で、賃金差別を禁止しています。

男女同一賃金の原則(第4条):賃金について、女性であることを理由とした男性との差別的取扱いを禁止。

(抜け道だらけの条項ですから、男女が異なる仕事をしていれば賃金差があってもOKとの解釈もできます。しかし、原告は設計部で男性と同じ設計職でした)

2015326日金沢地裁判決、原告と被告(会社)が高裁に控訴。地裁とほぼ同じ判決。

20165月原告は最高裁に上告。

2017517日最高裁はこの件を棄却すると決定。
即ち高裁の判決がこの裁判の判決となりました。

差額補償期間は3年間だけ。能力給は認められず、同期の人との年齢を比較しての差額だけ。原告がもし係長になっていたら支給されるはずの職能給は認定されず。この会社は職能給の割合が高いのです。年金への影響も考慮されずの、判決でした。

会場で、これが最後の集りではなく、未来に繋げて行こうとの意見が出ました。

原告は気力、知識、人権感覚に優れた人物です。一人の取り組みで終わるなんて勿体ない。後に続く女性たちの、労働問題だけではなくさまざまなことを話せる場所を作れたら…の意見が出ました。

2017.03.24のブログで紹介した卒業生の話し。「誰のおかげで飯食わせてもらってんのや」的な発言に、「専業主婦の労働を換算すると年収約300万円」と反論できるためには度胸と学習が必要。(換算方法は何通りかあります)。卒業生は夫の差別的発言は手帳にメモっているそうです。これもただおろおろしているだけの人には教えてあげたい方法です。こんなことも気軽に話せる場所があったらと私も思っています。

10月に卒業生の同級会が開かれるとのことで案内が来ていました。現在43歳前後の女性たちに、相談してみるつもりです。その報告はまた。

では、今日はここまで

東京メトロ契約社員裁判&卒業生と

卒業生と昼食を共にしました。ランチをしたと書けば今風か!「先生とランチするなんて理解できない」と言うと、「なんで〜」と返ってきた。結構喧しい先生だったと思っているが、それが煙たいにならないところが昔の先生と生徒の関係との違いなんだろうか。二人とも30代半ば。所謂専業主婦。結婚前の彼女たちが転職を繰り返しながらも、生き生きと仕事をしていたのを知っている。「今日、ダンナに子どもを託して出てきた。『すみません。よろしくお願いします』と言った。なんで言うのやろ。強制されていないのに言ってしまう自分がイヤ」と冷静な分析で語る。
二人とも「主人」と言わないところは大いによろしい。
「喧嘩して形勢不利になると、彼は『誰のおかげで飯食ってるのや』と言う。そういう時は離婚したいと思う。けど、経済力がない。良き父親ではあるから、離婚したら子どもが可哀想と思い、子どもが大きくなるまで我慢、我慢」。もう一人は、4月から職場復帰する。保育園も決まったとか。「『保育園に入れるなんて子どもが可哀想』と夫は言う。夫の帰りは遅く、いつも子どもは寝ている。私はずっと子どもと一緒。時々息が詰まりそうになる。仕事をして、限られた時間で子どもと接する方が、ずっと愛せると思う」。
二人とも、夫の言葉に論理的に反論できない自分をもどかしく思っている。「女性の生き方をもっと学ばねば、ね。」と言ったが、無力を感じました。
一人は子連れで来ました。1歳6か月。ざわざわと騒がしく、子連れも多いレストランでの食事だったので、子どものテンションは最高潮。泣いたりはしゃいだり全身で表現する。帰宅してから気が付いた。泣きわめく子の声が騒音ではなかった。新たに保育園を造るときに、住民の反対が結構あると聞いているが、やはり騒音の主と騒音と感じる人との関係が希薄であるのが一因と実感した。

とんでもない判決が出ました。裁判官のレベルはこんな程度です。前々回に書いた経団連の見解をそのまま踏襲しています。
提訴していたのは東京メトロの売店で働く契約社員(非正規労働者)です。雇い主は東京メトロコマースといます。東京コマース裁判で検索すると記事が沢山出てきます。

以前ニュースで、彼女たちの仕事ぶりを見ました。狭い空間で乗客に対応するプロの仕事を記憶しています。何よりびっくりしたのは、瞬時の計算、即時のつり銭の用意でした。JRのラッシュ時の売店をしばし眺めていればその仕事が分かります。「あっ、この売店の人は正規だ、こちらは非正規ね」なんてこと分かります?裁判官は分かるみたいですね。なぜなら、原告4人は、売店で働く正規と非正規に仕事に違いはないから、同一賃金にしてくれ!と言っているのですが、認められませんでしたから。完敗と言っていいほどの判決内容です。

安倍首相の言うところの「同一労働同一賃金」に対して経団連は、「日本型雇用」を出して抵抗しています。日本型雇用とは、正社員は全人格を会社に捧げる社員のことです。残業、転勤、忠誠等、身も心も会社に捧げます。見返りとして出世があります。

東京メトロに転勤があるかどうか、私の勤務していた県立学校でも、片道1時半は通勤範囲内でしたから、まず県内で単身赴任とか家族を伴う転勤は皆無です。東京メトロも同様と考えると、裁判官は将来有用な人材であるかどうかを判断基準にしたようですね。同一労働同一賃金で重要なことは、今の仕事を判断することです。その人は将来有用な人になるかどうかは誰にも分りません。病気になることもあるし、適性がないことが段々に分かって来ることもあります。

売店で「この働き方をする人は正規で、この人は非正規」と客の誰もが判断できないのですから、売店の中の仕事だけで判断するべきなのです。これがILOのいうところの同一価値労働同一賃金です。裁判官は、メトロで働くすべての正規労働者と、売店で働く原告たちを比較しました。以下、YAHOOニュースが論点を押さえているので読んでください。

YAHOO ニュース【BuzzFeed Japan / 渡辺一樹】3/23() 18:36配信

メトロ販売員「仕事同じなのに」正社員と賃金差 契約社員側が敗訴

 

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東京メトロの売店販売員たち4人が「同じ業務をしているのに、正社員と契約社員で賃金格差がありすぎる」として、「同一労働・同一賃金」を求めて争っていた裁判。東京地裁(吉田徹裁判長)は323日、原告の訴えをほぼ退ける判決を下した。原告は不当判決だとして、控訴を表明した。裁判を振り返る。

原告4人はいずれも60代で、うち3人は77カ月〜108カ月勤務した後、定年退職済み。4人は雇用主のメトロコマースを相手取って、賃金格差分や慰謝料など合わせて4560万円を支払うよう求めて、東京地裁に提訴していた。

原告側の代理人・青龍美和子弁護士は「売店の販売員は、ほとんど1人で1つの店舗を担っています。みんな同じ制服を着て、開店・閉店作業から、店に商品を並べたり、商品を発注・返品したり、お客さんから道を聞かれれば教えたり、正社員であろうが契約社員であろうが、仕事の内容はみんな同じ」と主張していた。

青龍弁護士によると、仮に原告の一人が正社員として雇われていれば、賃金だけで1年あたり約93万〜100万円の格差があった。それ以外にも、次のような待遇格差があった。

・契約期間は、無期と1年契約(通算約10年更新)。
・基本給は、正社員が月給制、契約社員は時給制(1000円から毎年10円昇給、最大1100円)。
・契約社員の場合、住宅手当・家族手当・勤続褒章・退職金がなし。
・早出残業手当や、深夜労働手当の割増率が違う。
・賞与は、正社員だと夏に2カ月分+17万円、冬に2か月分+17万円、期末に10万円。契約社員だと夏に12万円、冬に12万円、期末に2万円。

このように、原告側が強調したのは、「売店で働いている契約社員」と「売店で働いている正社員」の待遇の違いだ。これが不合理な労働条件を禁じた労働契約法20条違反になると、原告側は主張していた。

判決は・・・

一方、東京地裁判決は、売店勤務の正社員が例外的な存在であること、売店専従の正社員とそれ以外の正社員とが同じ就業規則で働いていることなどを理由に、「売店で働いている契約社員」と「メトロコマース社の一般正社員」とを比較すべきだとした。

そのうえで、判決は次のように判断し、賃金・手当などの格差は「不合理とはいえない」と結論付けた。

1)契約社員は売店業務だけをするが、正社員は売店以外の多様な業務についている。
2)正社員は配置転換や職種転換、出向を命じられることがあるが、契約社員はない。
3)正社員は、エリアマネージャーになることもあるが、契約社員がエリアマネージャーに就くことはない。
4)正社員に対する賃金や福利厚生を手厚くし、有為な人材の確保・定着を図るという人事施策上の判断には、一定の合理性が認められる。

ただ、判決は1点、残業代の割増率に違いがある点について「不合理」だと認定。差額として、原告1人に対し4109円を支払うよう命じた。

原告サイドは控訴を宣言

青龍弁護士は「同一賃金・同一労働をめざす社会情勢に逆行する、きわめて不当な判決」と批判した。

原告の後呂良子さんは「私たちは、一緒に売店で販売業務をしている正社員と比較してほしいということで、裁判を起こしたんですが・・・。それ以外の管理部門なども含めた、正社員全体と比べられるのは納得がいかない」と述べ、「控訴します」と宣言した。後呂さんは「裁判で会社が変わることはないかもしれないが、労働者の意識は確実に変わっています。そのことが私の希望です」と話していた。


写真




世の中心ざわつくことばかりです。
では、今日はここまで。

女性活躍と外国人家事労働者

相も変わらず、書き始めてから数日経っています。

3月8日は国際女性デーでした。TVでも新聞でも殆ど扱っていませんでした。東京では300人規模の行進があったようですが、アメリカでは「女性がいなかったら」と、職場を休んだり家事を減らしたりする取り組みがあったと9日の夕刊で知りました。
36日「外国人の家事労働者」についての勉強会があったので参加してきました。平日の大阪駅20時過ぎの電車は混んでいました。座ることができた私は、大阪駅を出発してすぐに傍に立つ妊婦に気が付きました。8か月くらいかな?「代わりましょう」「ありがとうございます。でも結構です」。そうか大阪駅から5分の新大阪で降りるのかと納得。ところが新大阪で降りる気配なし。丁度横の席が空いたので私のカバンで場所を確保(ひゃーおばさん行為!)。「どうぞ」「はい」。結局彼女は私が下車した大津でもまだ座っていました。最悪の場合ずっと立つつもりだったのかしら?そこそこの乗客のいる車中で、妊婦や乳幼児連れが舌打ちされることがあると聞いたことがありますが、彼女にはもっと厚かましく乗って欲しいと思いました。

さて肝心の「家事労働者」についての報告ですが、ここは女性労働の観点から見てみます。

講師はヒューライツ大阪の藤本さんです。

藤本さんのレジュメに沿って以下に。


政府は
20146月「日本再興戦略改訂」を閣議決定します。内容は、介護・家事の負担を軽減し、「女性の活躍促進」を目的として「外国人の人材を活用すること」です。

外国人の人材については、既に受け入れている技能実習制度と介護福祉士に新たな変更事項がありましたが、ここでは、国家戦略特区における家事支援人材(家事労働者)を受け入れることについて取り上げます。

〜特区に名乗りを挙げ、具体的に動き出しているのは大阪と神奈川です。特区になると家事労働が日本人家庭でも働けるようになります。それまでは、例外的に外交官や日本の企業の重役に就く外国人は、母国から家事労働者を連れて来ることができましたが、基本的に外国人が家事労働者として日本で働くことは認められていませんでした。今回、特区に指定されたところで受け入れることになりました。〜

 

家事労働者の仕事内容です。

炊事、洗濯、掃除、買物の一般的家事

*上記に関連する、赤ちゃんをふくむ子どもの世話や保護。

身体介護以外の高齢者の補助など家庭で日常生活を営むに必要な行為の代行や補助。

〜在宅高齢者のケアをするヘルパーの仕事内容は、生活援助(通常の掃除や洗濯、調理など、日常的な家事)と、身体介護(食事介助、入浴介助、排泄介助、歩行介助など、直接利用者の身体に触れる介護)の2種類に分類されます。高齢者のいる家庭から要請があって派遣された外国人家事労働者は、身体介護はしてはいけません。例えば、調理をすることはできますが、その食事を食べさせる行為はダメです。誰がチェックするのかしら?〜

 

◆資格要件は
18歳以上、1年以上の家事代行や補助の実務経験があり知識・技能があり、基本的な日本語が理解できること。単身者。


具体的にどのように日本で働くのでしょうか。

家事代行サービス会社(事業主)がフルタイムで直接雇用する。家事サービスを利用者しようとする者(利用者)は家事代行会社と契約する。直接利用者と家事労働者が契約しない。

利用者の家に住み込むことは禁止。

(住み込みの家事労働者が利用者から虐待を受けたり、イスラム圏では、利用者にレイプされた家事労働者が「男性を誘惑した」という理由で死刑になるケースがあります。)

雇用期間は3年。

事業主は雇用契約書を交わす。

賃金は、同等な仕事に就く日本人と同額以上。

(フィリピンでの募集広告では、17万円弱の金額が提示されているそうです。神奈川の最賃に週5日、18時間労働でほぼこの額になります。)

事業主は住居を用意する。

以上のような雇用契約が守れているかどうかは、国や自治体から成る第三者管理協議会が監査する。

 

いろいろ疑問が出てきますが、女性の立場で考えてみます。
利用者、家事労働者双方に関連すること。

18時間、家事代行を利用するより、保育園のお迎えから3時間とかのある時間帯を依頼する利用者の方が多いと思います。需要の時間帯が集中する場合、労働は細切れになる可能性が大です。フルタイム8時間が確保されるでしょうか。細切れで計8時間、拘束12時間なんてこともあり得ます。

*下記の記事によると一時間2,500円とあります。誰でもがこの金額を出すことはできません。「保育園落ちた。日本死ね」の保育園待機児童は一向に解消されていません。

「女性の活躍促進」を目的としているこの制度、まずは日本の男女が家庭と仕事の両立ができることが大前提です。働き方を変えないで、外国人の家事労働者を入れるというのは、スタートがそもそも間違っています。労働力不足の日本で、いろんな職場で外国人に働いてもらうのは必然です。私的なことになりますが、ドイツに住む小さな人のクラスの2/3は両親または片方の親が外国にルーツに持っているそうです。

次に3年で帰国の条件です。移民も、勿論難民も皆無と言っていいほど認めていない日本では、家族を呼び寄せて貰っては困るのです。3年が限度とは、随分と日本に都合の良い制度です。高齢者は基本的に在宅で自己責任でが政府の方針ですから、この分野での需要は少なくなることはありません。3年ごとに一から研修では、事業主も利用者も大変です。でも、ずっと住んでもらいたくない。さて、官僚の次の手はどのようなものでしょうか?彼女たちに注目することが、彼女たちの人権を守ることになります。

http://mainichi.jp/articles/20170310/k00/00m/040/065000c

 

 写真

第1陣として来日したフィリピン人女性=成田空港で2017年3月9日、

中村かさね撮影 毎日新聞から引用

では、今日はここまで。

東和工業男女賃金差別裁判最高裁上告報告会

このブログに時々登場いただいている東和工業男女賃金差別裁判の最高裁上告の報告会と支援会の総会がありましたので、924日に富山市に行ってきました。

一審と二審の弁護団と、最高裁上告の弁護団が変わりました。東西最強の弁護士が担当されています。弁護士は大阪弁護士会の宮地光子さん、東京弁護士会の中野麻美さんです。地裁、高裁判決の何が問題なのかは既にブログに書いていますので、お読みください。
最高裁へ上告した上告理由の趣旨の一部は以下です。

(法律用語は難しいので、私なりの解釈ですから、専門家がお読みになったら叱られるかもしれません。)

 

*憲法141項の趣旨に反している。

すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により政治的、経済的又は社会的関係において差別されない。

*日本はILO100号条約を批准している。

*日本は女性差別撤廃条約を批准している。


100号条約は、同一の価値の労働に従事している男女には同一の賃金を払うこと。そのための4つの方法を示しています。高裁判決で、職務の違いがあるから具体的な格差を判断できないとして請求を棄却しているが、仕事の価値を測る職務評価のような方法があるにもかかわらず使っていないし、企業の裁量権を聖域化しすぎている。

☆職能給を計算できないとした判決は、民事訴訟法248条の解釈適用を誤っている。

☆憲法14条1項および女性差別撤廃条約は、国には女性が差別によって被る不利益を回復させる義務があり女性を差別からの効果的保護を図るものであるのに、判決は「企業の差別のやり得」を許している。

 

ILO100号条約

同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約
日本1967824日批准  

条約の主題別分類:同一報酬/女性  条約のテーマ:機会及び待遇の均等

 この条約は同一の価値の労働に対しては性別による区別を行うことなく同等の報酬を与えなければならないと決めたものである。報酬を同一労働に対して男女同等に支払う、という原則を確立する方法として、

1.国内法令、

2.法令によって設けられまたは認められた賃金決定制度、

3.使用者と労働者との間で締結された労働協約、

4.これらの各手段の組み合わせ,


民事訴訟法
248

損害が生じたことが認められる場合において、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。

 

中野弁護士は、日本の裁判所の限界、特に判決においての企業の裁量権が大幅に認められていること、労働とは?賃金とは?等裁判の根幹にかかわることについて。宮地弁護士は、原告の人格を貶めるような会社側の主張をそのまま鵜吞みにした裁判官の資質と原告の悔しさを引き受ける心意気を示されました。

お二人とも、日本の裁判官が組織に縛られていること、裁判官こそ豊かな人間性が必要であることも語られました。

(「人間死してなに残す」でしょうか。)

 

富山に一泊して翌日は観光と考えていましたが、生憎の曇り時々小雨の天気に、路面電車で富山市内を回ることにしました。富山市は先見の明がありますね。自動車産業を国の重要な産業と位置づけたことにより、各地にあった路面電車が廃止されていきました。京都市内にも縦横に路面電車が走っていましたが、神社仏閣の多い東山通りは、日々渋滞が起こっています。富山の路面電車は市民の足になっているようで、岩瀬という富山湾方面に行く電車に男性前後期高齢者が多く乗車、彼らは競輪場前で下車されました。岩瀬に行く路面電車は途中から単線になり、途中の駅で対向電車を待つ時間があります。その対向駅で、女性乗務員が下車。ずっと私の乗った電車が発車するのをホームで待ち、発車すると深々とお辞儀で見送ってくれました。

ドイツに住む小さい人が、ギムナジウムの1年生になりました。日本の5年生ですが、ドイツは4年生で小学校を卒業することになります。ギムナジウムは日本でいうところの小学校5年生から高校3年生までがいます。ギムナジウムでは、生徒が教室移動をします。生徒の根拠地になるホームルームはないので、生徒は各自の教科書等私物一切をロッカーに入れます。そのロッカーの年間使用料は30ユーロ。「貧困家庭の子どもはロッカー借りられへんやん」と、とっさに思いましたが、そこは児童手当が日本よりは高く、大学授業料も無料かそれに近い国なのでカバーはできているのでしょう。で、そのロッカーは民間の会社が管理しており、「鍵壊れた」とか、「扉が開かない」なんていう生徒の訴えに先生は対応しなくてもいいのです。これって、ワークシェアリングですよね。1校1000人の生徒が支払えば、2校〜3校で何人かの雇用は生まれます。先生の仕事の中身が明確です。なんでもやらなければならない日本の先生とは大いに違いますね。小雨の降る中でじっと電車の出ていくのを待ち、おじぎをして見送ってくれた彼女を思いました。

では今日はここまで。

高年齢再雇用制度違反の裁判

「このブログやめます」と書く決心がつかず、細々と今回も。

初めてといってもいいほどの、夏バテを経験しました。そのしんどさは表現できないほど。

20062月に、下記の記事の女性と議員会館で会いました。私の前の席で、ずっと不安そうな表情で座っておられました。2008602日のブログに書いてあります。

提訴してから12年、原告一人という立場で、よくここまで闘ってこられたと、その年数の重みと原告の意志に敬意を表します。しかし、過労から鬱を発症。休職、解雇と続く期間の損害賠償としての6000万円はあまりにも安い。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160831-00000099-mai-soci

毎年売り出される新しい製品の陰に、このような労働者の存在があります。

 

前回630日の「3つの裁判と同一(価値)労働同一賃金」のブログで報告した「ハローワーク雇止め裁判」を支援する団体署名は200団体を超えました。原告がその一部を持って最高裁に行きました。郵送でも直参でも同じ扱いであるとは思いますが、そうせざるを得ない原告の気持ちはよく分かります。

東和工業裁判については、今月末に、原告の住む、この裁判の原因を作った東和工業のある富山市で報告集会があるので、応援に行くつもりです。

ラジオメーター裁判は、914日に裁判があるので、名古屋に傍聴に行きます。今回は、このラジオメーター裁判の概略について報告します。

ラジオメーター裁判の原告が働いていたのは名古屋営業所です。本社は東京。東京を除いた全国10か所に営業所があります。病院や大学に研究等のための医療機器を販売している会社と概要にありました。原告が提訴したそもそもの原因は、原告が定年になったにもかかわらず、再雇用を拒否されたことです。確か、再雇用制度は全員を対象としていたはずなので、会社側に非があると私は考えていました。で、よくよく再雇用制度を読んでみると、以下に抜け道がありました。厚労省のHPです。

Q1−1: 改正高年齢者雇用安定法においては、事業主が高年齢者雇用確保措置として継続雇用制度を導入する場合には、希望者全員を対象とするものにしなければならないのですか。

A1−1: 事業主が高年齢者雇用確保措置として継続雇用制度を導入する場合には、希望者全員を対象とするものにしなければなりませんので、事業主が制度を運用する上で、労働者の意思が確認されることになると考えられます。〜中略〜。 なお、心身の故障のため業務に堪えられないと認められること、勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たし得ないこと等就業規則に定める解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く。)に該当する場合には、継続雇用しないことができます。ただし、継続雇用しないことについては、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが求められると考えられることに留意が必要です。

 

原告は、勤務状態不良ゆえ再雇用はできないと会社に言われました。では、誰が勤務状態不良と判断するのでしょうか?勿論雇う側です。原告が優秀でベテラン社員であったことを弁護団は実例を挙げてすでに論述しています。

次回の裁判では、もう一つの争点、男女賃金差別についてです。

被告会社は外資系企業であり男女差別などはしていないと主張していますが、今まで昇給差別があったことは下記の事実からも明らかです。

*男性職員の管理職割合は35%なのに対し、女性職員の管理職割合は4%。

*配置差別があり、営業職は男性で多数。それに対して女性は1名。

*事務職の女性は昇格できないような、評価制度の設計・運用がなされている。このため、女性は昇格できず、昇格しないと賃金は大幅に上がらないので男女賃金格差が大きくなっている。

裁判で重要なことは、これらのことを証明するのは原告だということです。その資料はもちろん会社側が持っています。その資料を何としても法廷の場に出してもらう必要がありますし、これは裁判官の命令で可能です。これからはこの攻防も争いになります。命令により資料が出てきたとしても、それが本物かどうかは原告側では見抜けません。(住友金属裁判では、会社側の出してきた資料が意図的に改竄されていることを、原告たちが見抜きました。このブログ2006719日住友金属裁判3の下方にその説明があります。)

 

 では、今日はここまで。

 

東和工業男女賃金差別裁判高裁判決

この不穏な雰囲気はなんだ!イスラム関係の本を読んだばかりで、イスラム世界のことを知らなさ過ぎで、わずかな知識も欧米側寄りであることに改めて気が付きました。
フランスで企業寄りの労働時間延長などを核心とする労働法の改定に反対して連日デモが行われ、それが過激化しているとの報道に、単に労働法改悪だけでない、フランスの旧植民地出身のいつまでも二流国民のままの人々の存在に思いをはせました。

昨年911日に労働者派遣法が改正(改悪)されました。労働者は強く反対しましたが、フランスのような状況にはなりませんでした。国民性だけの問題ではないことが分かりました。日本は顕在化しない分、根が深いと考えています。

さて、労働問題ですが、東和工業男女賃金差別裁判の高裁判決があったので、傍聴のため427日に金沢に行ってきました。

一審の判決は昨年326日、原告、被告ともに控訴して舞台は高裁に。
高裁に移ってから裁判官の和解勧告があり、その後
5回の和解のための会議が開かれました。和解は決裂し、427日に二審の判決がありました。和解会議中、原告が要求した謝罪の言葉はありませんでした。「ごめん」のたった3文字が言えないとは。会社側は、労働者の前に生身の人間であることに思いを馳せなければなりません。
このブログを始めるきっかけになった卒業生へのアンケート「賃金が安いパートでもなぜ働き続けるのか?」という問いに、「遣り甲斐がある。問題を解決できたときの充実感。お客様から感謝されるときの充実感」を挙げています。人はパンのみで働いている訳ではないのです。


二審の高裁判決は、一審と殆ど変わりませんでした。

これまでの報告は、このブログの2014.09.172015.03.312015.05.05 2015.09.10にあります。

一審と同じく「労基法4条違反」は認めましたが、それに伴う金銭的な保証はありませんでした。退職金の算定方法を一部変えて7万円だけ増えていましたがこれで全てでした。

原告は一審と二審の判決文を読み比べ、以下のように述べています。最高裁に上告するかどうかは現在考慮中ですが、勝ち目はありません。裁判官は何に重きを置いて判決を出したのか、証人尋問で明らかになった原告の専門性はなんだったのか、労働者に光の見えてこない理解に苦しむ判決でした。


原告が判決に対して指摘している点は以下です。

職能給差額の認定がなかった。

原告は専門的な仕事をしていたにもかかわらず退職までの期間、一般職のままでした。その間、原告は総合職にしてくれるよう上司に言い続けてきました。実際、彼女の仕事内容は総合職そのものでした。しかし、判決では、賃金は3年分だけ総合職の賃金表(年齢給のみ)を適用しました。東和工業は職能給の割合が高いにもかかわらず、判決では、職能給は「実際に総合職になっていないのだから、職能を測ることはできない」として、認めませんでした。

時効の適用により、賃金差額(年齢給)の認定は3年間だけで7年間が消滅。

東和工業が総合職・一般職制度を適用した以降10年間の内3年間しか認めていません。その理由は「時効」。原告は、時効という考え方そのものが納得できないと言っています。在職中絶えず「総合職に」と言っていた訳ですから、時効を認めるとなると、彼女の言い分を無視し続けた会社の遣り得に加担することになります。

総合職の退職金との差額はコース導入後の10年間分だけ。

設計職の22年間分を請求していました。

職務内容の事実が誤認されている。

これは、証人尋問のときに原告がいかに優秀な技術者であったかを、傍聴人は知りました。「コンベアの設計」のコンベアには多種あって、ベルトコンベアとかスクリューコンベアとか。多くの人が関わるベルトコンベアの仕事は、新人でも出来る部分があります。原告はスクリューコンベア担当のたった一人の専門職です。しかし、会社は単に「コンベア」とし、新人でも出来る仕事内容のような表現をしました。裁判官はこの曖昧にした言葉の意味を見抜けませんでした。

年金差額の請求を棄却。

賃金は、年金額に直結しています。判決では、実際に総合職の賃金ではなかったから「職能給に当たる部分は計算できない」としました。原告は、計算できないなどというのは職務怠慢であると言っています。1000歩譲っても、時効とはいえ3年間は総合職としての地位を認めているのだから、年齢給の分だけでも計算できる筈。裁判官が計算できずとも、社労士に依頼すれば済むことです。

快晴です。昨日から「ラ・フォル・ジュルネびわこ2016」です。
どれどれ湖岸の賑わいでも見てきましょうか。
(ハクション、今朝から花粉症)

では、今日はここまで。

東和工業男女賃金差別裁判控訴審始まる

飲み食いもすべてお国に把握され

アメリカと相談したらなかったと(討幕長会談記録)

独裁の国家笑えぬ我が日本

910日の朝日新聞朝刊にあった川柳です。


消費税の軽減税を還付するために、レシートを小売店の記録端末に読み取らせ、口座に後日、年間最高4000円を還付するという方式を財務省が考えているとか。マイナンバーと引き換えです。ご自身の財布で買い物をしたことのない麻生さんを象徴するような方法です。あまりに粗い計画なので、いずれこの計画は頓挫するとは思いますけど、この粗いざる法も真っ青になる超粗い安保法制案も成立するようなので、楽観はできませんが…。私が何を食べたかまで把握されるようなこの方式は、年間4000円は惜しいけれど使わないでおこうと思いましたが、そうは言ってられない友人の顔が浮かびました。「食べ盛りの子どもたちが、たまにはすき焼きが食べたいという。勿論、豚肉です」
どうして多くの人が反対していることばかりを政府はやろうとするのでしょうか?

原発といい、安保法制といい、派遣法といい、消費税といい、枚挙にいとまがありません。
9
2日、東和工業男女賃金差別裁判の傍聴に行きました。なんと、被告である会社側も控訴しました。生意気な!会社側の言い分なんかないはずです。

裁判の報告は、下記に書きました。
東和工業男女賃金差別裁判控訴の理由     2015.05.05
東和工業男女賃金差別裁判の判決が出ました  
2015.03.31
東和工業男女賃金差別裁判傍聴記   2014.09.17

原告・被告共に控訴ということで、舞台は高等裁判所に移りました。建物は同じですが、名称は「名古屋高等裁判所金沢支部」に変わりました。
会社側の弁護士は2人、本間さん側は3人。裁判官は3人です。会社側が金沢地裁判決の何を不服として控訴したのかは明らかにされませんでした。当日は、双方の弁護士の遣り取りがあり、最後に原告の本間さんが、意見陳述をしました。次回は、1021日です。
以下が本間さんの意見陳述です。とても心に響く内容です。裁判官にも伝わるといいのですが…。平易な文章で書かれていますので、全文紹介します。
では、今日はここまで。


冒頭意見陳述書  

 
1.私は、再雇用期間を除き、東和工業蠅韮横鞠近く勤務し、そのうちの21年4カ月は、設計職として働いてきました。2級建築士の資格を取得した翌年の平成14年、会社はコース別雇用制導入の際、社内通達で男女別にコースを振り分けると明示し、設計職でただ一人女性である私だけを一般職としました。ちょうどその時、コース制導入前後の10カ月にわたり、他の後輩男性部員2人と、同一案件のプラント設計業務を分担作業していた最中でした。業務内容の違いは全くありませんでした。私は、4〜5年長く設計職の経験を積んでいる分、効率よく業務を行っていました。会社は裁判の中で、業務内容の違いで総合職と一般職に分けたと主張してきましたが、まったく事実に反しています。

2.コース制導入以前は、現場に出向くことや宿泊を伴う県外出張を、Y設計部長の指示で、他の同僚と同様に行ってきました。コース制導入の直前、Y設計部長は私の質問に対し「本間さんは総合職になっていると思う」と部内会議の席上、返事をしていました。ところが、コース制導入以降、現場や出張の声がかからなくなったので複数回にわたり要望しましたが、まったく行かせてもらえませんでした。証人尋問や書面で、出張に行かせなかった理由として「主婦だから」あるいは、「過酷な面があるから」と述べていますが、私は、職場では主婦ではありません。一労働者です。また、現場に過酷な面が
あるとしても、男女双方が被るリスクに過ぎません。このような固定的な性別役割分担意識で仕事の制
限を行う東和工業は女性差別を今も持ち続けていることを端的に示しています。

3. 私が会社にコースの是正を求めていた時、こんなエピソードが有りました。副社長から「男は総合職、女は一般職という会社の決定を気に入らなかったら、どこか他の会社を探してもらっても結構です。これは本音です」と、はっきり言われました。端的に4条違反を物語っています。

4.金沢地裁は、実質男女別のコース別賃金は労働基準法
4条に違反する賃金差別であると判断しました。4条違反は、東和工業の男女差別を断罪し、同時に、男女差別を行っている企業に警鐘を鳴らすという意味でも、大きな意義があります。

5.しかし、原審では4条違反を認めた上で、 基本給の内、年齢給だけ総合職との差額を認め、職能給差額を損害として認めませんでした。差別を認定したなら、職能給差額も認めるべきです。仕事に頑張ってきた私にはとても受け入れがたい判断です。

6.また、原審では時効の適用を認めました。その結果、コース導入後約10年間の内、3年分しか損害が認定されませんでした。私は、コース制が導入されてから継続して是正を求めてきました。違法だからと直ちに裁判につながりません。差別の是正の努力をし、望みが消えて初めて裁判を考えました。市民感覚として通常ではないでしょうか。また、在職中提訴すれば、いつ首にされるかという心配もありました。実際、提訴後、半年も経たない内に再雇用の雇い止めを通告されました。このように、時効の適用は、市民感情からかけ離れています。その上、時効の援用は、消滅した7年間分の差別による不当利益を法律違反をした会社に与え、差別のやり得という事態を許すことになります。差別を認めながら、結果このような事態を生じさせることは、大きな問題です。差別を認定したなら、被った損害を全面的に救済すべきです。私は怒りと共に、なぜ、このようなことが司法で容認されるのかと不思議
です。

7.控訴審では、控訴理由書で述べた内容を公正に判断、職能給差額の認定、適切な退職金の認定、及び、本件では、在職中の提訴は困難であること、在職中にも是正を求めて努力していることを認め、時効は成立しないという判断をお願い致します。更に、男女賃金差別裁判では、労働者は必ずある一定期間勤務していることを考えれば、時効の適用を行なうべきではないという判断を下し、このような理不尽な問題を解決していただきたいと切に願います。

8.最後に、私の行ってきた職務内容、価値を正しく認定することを心より求めます。会社側は、男女別にコースを振り分けたという女性差別扱いを否認する後付けの理由として、業務内容の差で一般職にしたなどと主張しています。しかし、在職中、私は上司から、業務内容が他の職員と比較して簡単なものである、あるいは能力が低いなどとは、一切言われたことがありません。同僚とは、基本的に同等の業務を行ってきました。しかし、原審では、なぜか業務について事実誤認の判断がなされました。控訴審では、業務内容について立証してきました準備書面・陳述書などをよく吟味され、正確な判断を下さいますよう、切にお願い致します

中国電力男女賃金差別裁判の、これが最後の報告です。

勝手に夏の休暇をと、ブログを休んでいました。何度もアクセスしてくださった方々、お詫びと共にお礼申し上げます。
この間、安保法制反対集会や金曜日の関電前行動には、パーフェクトではありませんが参加していました。
830日は、大阪集会に参加しました。全国で100万人の呼びかけでしたが、東京で12万人、大阪は23000
人と主催者発表でした。
翌日の新聞で、湯浅誠さんが「デモは、意見がイエスかノーかの対立的になる可能性が大きい」と、デモを尊重しつつもの発言を、TVで小熊英二さんが「反安保法制だけであれだけの人が集まったとは思えない。この状況に不安と覚えている人が多いのでは」と、それぞれ報じていました。私も
30日の集会の感想としては、小熊さんの意見の方が説得力があると思いました。安倍さんが、この国をどこに持って行こうとしているか、安倍さんだから一層不安になる、だから多くの人々が集まったのではないでしょうか?

さて822日、広島に行きました。原爆資料館や安芸の宮島の観光地に数回行ったことはありましたが、2011年から2013年までは、中国電力男女賃金差別裁判傍聴で5回ほど通いました。22日、多分今日が広島に来る最後になるかも知れないと感慨深く広島駅に立ちました。
最高裁判決について、宮地弁護士から《中国電力男女賃金差別事件―その成果と残された課題》と題して解説がありました。

レジュメからの抜粋です。

2013718日の広島高裁判決では 

「控訴人(原告)と同期同学歴の事務系女性従業員の平均基準労働賃金額(賃金)は、同男性従業員の平均88.1%。(〜中略〜)同女性従業員のほとんどの賃金が、同男性従業員より低額となっている」としています。しかし、結論は「格差は認めているが、男女差別の存在はなかった」と言っているのです。
(さっぱり理解できません
)
その理由を下記のように挙げています。
・男性従業員と女性従業員とで取扱いを異にするような定めが中国電力にはないので、【人事考課制度は合理的である】
・昇格や賃金において、男女が層として明確に分離していない。
・女性従業員の就労意識調査による実態と女子保護規定の存在があった。
・原告は職場の一体感やチームワークなどに問題があり、自分本位である。

詳しくは、傍聴に行った都度書いたブログの一覧は、
2015.04.21のブログを見てください。

さらに宮地弁護士は、均等法の不備な点が、この不当な判決の根拠になっていることにも言及されました。勿論、裁判官がジェンダーの視点を持っている人なら、素人の誰が見ても、明らかに性差別であるこの事件を、判例にとらわれずに判決できたと思います。

均等法の不備な点は、

・事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。労働者の配置(実務の配分及び権限の付与を含む)、昇進、降格及び教育訓練
女性原告が男性と比べて不利に扱われたとして提訴しました。ところが、均等法は違法性の根拠にはなりますが、均等法自体に制裁措置はありません。では、何を根拠にするか?損害賠償請求(差額賃金相当額・慰謝料)の根拠は、あくまでも民法709条の不法行為責任なのだそうです。

709条 故意または過失によって他人の権利又は財産上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

問題は、故意または過失の文言です。会社側が、「故意でも過失でもありません」と主張すれば、「故意だった、過失だった」と原告が論破しなければなりません。会社側は「アンケートの結果、中国電力の女性従業員は出世を望んでいないことが分かった」と主張しています。職場結婚が多ければ、夫の出世を慮った回答が出てくるのは当然です。
以前にも書きましたが、私が退職後、当時の校長と飲んだときのことです。「海外研修制度に、女性のAさんを推薦しようと思ったのだが、家庭のある人だから男性を推薦した」と彼は言いました。彼は、すごく配慮のある決断をしたと心底思っていました。「その研修を受けるかどうかはAさんが決めることです」と私は言いましたが、彼は全く善意からの行動だったので、私の言うところが理解できないようでした。このことをもって、「彼が推薦しなかったのは故意だった」とはなかなか論証できません。ここに女性が差別を訴えた裁判が勝てない理由があります。何が差別か?その定義すら定まっていないのが日本の現状だそうです。
では、今日はここまで。

中国電力男女賃金差別裁判最高裁判決

前回に続き、裁判の報告です。
余りに不当な、刑事裁判ならば、証拠をすべて無視した冤罪ともいえるような判決でした。
裁判に訴えざるを得なかった原告の長迫さんの怒り、絶望はいかばかりでしょう。

その報告の前に、ちょっと寄り道。
京都駅前にある関西電力前の金曜日集会で、ずっと踊っている人がいます。伴奏は鉦とシュプレヒコール。振付があるようなないような。手をゆらゆら、足は緩やかなステップ。すごく本能的な感じで、天岩戸の前で踊ったアメノ
ウズメもかくやあらんと…。現代人こそ、本能のままにゆらゆらと体を動かして、自らを解き放たねばと思ったりしています。1週間に1時間、適度な運動にもなりますね。で、私は何をしているかって?憧れるけど、勇気がないから声出しだけです。

さて、本筋に戻ります。

中国電力男女賃金差別裁判については、このブログで度々報告しています。

2015年3月11日、原告から「最高裁から上告棄却の判決がありました」と配信されました。最高裁の文面を初めて見ました。原告の7年間が、これだけの文言ですか?! 


 理由とか、文書番号とか他にも記載がありますが、主文はこれだけ。


1
:本件を上告審として受理しない。上告費用及び申立費用は上告人兼申立人の負担とする。


中国電力裁判のその都度の報告は以下を見てください。

2011年7月14  2011年9月14  2011年12月31  2012年8月20  

2012年10月29  2013年2月16  2013年5月28  2013年7月20

2013年11月16  2014年1月26

 
上級審ほどダメだ、労働者を見ないで経営者を見ている。経営者とは即ち政界と表裏一体。人々に審判を下す人も組織の一員。組織に縛られる弱さを突きつけられる職業。このようは判決を出す人の心境を知りたい。

中国電力男女賃金差別事件の棄却の判決は全く納得できません。

 その理由を弁護団が「抗議声明」として出しました。これを使って、棄却がどれほど理不尽なものかを解説します。表題は「中国電力男女賃金差別事件・最高裁不当決定に対する抗議声明」です。 

*おさらいになりますが、まずは長迫さんの提訴の理由です。

・職務等級主任2級に据え置かれたまま、平社員に留め置かれたことは男女差別である。


*判決の内容です。

・広島地裁も広島高裁も「男女格差はある」と認定。しかし、「原告の請求を棄却する」

・棄却の理由は、「同じ男性間にも、昇格の早い者、遅い者があり、賃金額にも差があるので、男女間で層として明確に分離しているとは言えない。」


*これに対する弁護団の反論
・女性の圧倒的多数は、男性の昇格の遅い者と同等の扱いである。
・男性の標準者と同じ水準に達している女性はごく一握り。この一握りの女性が昇格しているから、「賃金が男性の層、女性の層と分離しているとは言えない」とするなら、男性の全員が女性より賃金が高い場合のみ、層として分離しているといえる。これは男女別賃金体系である。裁判官は、企業が男女別賃金体系を取っていれば、男女差別を認めましょうということ。

(注:男女別賃金体系は、男女雇用機会均等法に違反します。また、中国電力は男女別の賃金ではりません。男女が同じ賃金表のもとに置かれ、結果、下記の図のように上位が男性、下位が女性になっています。前回のブログ「東和工業裁判」では、東和工業は男女別賃金体系であると裁判官が判断したから、訴えが認められたのです。)

下図がある年の同学歴で同期に入社した原告を含む賃金を表したものです。青色(男性)に少しだけ赤色(女性)が混じっています。これを指して、裁判官は「男性の中に女性も混じっているではないか」、だから男女別賃金ではないと言うのです。右に多くの女性がいますが、こんなに沢山の女性が男性より能力がないのでしょうか。
*昇格・昇進しないことについての判決の内容
・「業務・能力主義で正確、迅速な業務処理、仕事の信頼度は高い。しかし、協調性がない」
*これに対する弁護団の反論
会社の主張する「協調性の欠如」は、会社の人事考課上の事由を無批判に肯定している。

中国電力






















注:最高裁では、以前ブログに書いたシカゴ大学山口教授の意見書と共に、一橋大学相澤美智子准教授の意見書も出されました。この意見書で、中国電力(男性上司)が女性に対して「ジェンダーに対するステレオタイプ」を持っていることを、分かり易い例を引いて解き明かしました。
・例:男女がそれぞれ5時に机の前にいなかった場合、人は一般に男性については「会議のために席を外しているのだろう」と解釈するのに対し、女性については「家族の世話をするために帰宅したのだろう」と--真実はどうであれ--解釈する。                         

*私の意見

・原告は営業成績がトップでした。全く独りで営業成績がトップであることって可能でしょうか?教室に入ったら独壇場の教員であった私からしてもあり得ないですね。営業に行くためには、職場で得た知識や技能が基盤です。協調性がなかったら営業はできません。「協調性がない」と評価したのは上司。だらだらつるんでいる職場が目に浮かびます。そこへ「仕事しましょ!」と発言する女性部下。男性上司は大いにメンツが傷ついたことでしょう。

国からの手厚い保護を受けている中国電力を初めとした電力会社の独占企業の体質が表れています。関電の八木社長が「原発再稼働」から抜け出せないのも同じ体質でしょう。

・東和工業裁判でも、会社側の証人は「原告は何度も聞いてくる。自分で判断ができない人物だ」と言いました。それに対して裁判官は「それは原告の慎重な性格ではありませんか?」と問いただす場面がありました。女性だから従順で、出世を望まず働くべしと考えている男性のなんと多いこと。卒業生の口惜しさが重なります。

このブログを書くにあたって、改めて弁護団の抗議声明文や、弁護団による解説を読み、ますます怒りが湧いてきました。
訴えたくても最高裁から先はないのです。国連には女性差別撤廃委員会があります。こうなったらそこに訴えるしかない!と思っても、日本は女性差別撤廃条約の選択議定書を批准していないので、訴える資格がないのです。

追伸:勝訴だった東和工業男女賃金差別裁判の原告は、悩みぬいた末に高裁に上告しました。その理由は、次回に。
では、今日はここまで。




 

2つのコメントについて

一月ももう下旬。

年始、尋ね人のブログからスタート。探していた方が返信してくださいました。

「コメント公表してもいいですよ」と快諾を頂いたのに、すぐにブログに反映できなかったのは、パソコンが二度にわたって壊れたからです。以前から液晶画面に不具合があったのですが、だましだまし使い続けていたら、ついに画面が真っ白。で、私は真っ青。
ようやく今に至った次第です。返信くださった方、反映が遅くなってすみません。

コメントを下記に記します。


住友化学で多くの派遣社員が正社員になります》にくださったコメント

検索でたどり着きました。住友化学に派遣社員として、3年+3年+3年の計9年間働きましたが、直接雇用には至っていません。理由は3年ルールの一点張りです。


このコメントのきっかけになった記事です。

http://blog.livedoor.jp/letchma11/archives/50612233.html#comments

このブログ記事の情報を提供してくれた友人に、その後の住友化学の状況を尋ねましたら、次のような回答が来ましたので、紹介します。


私も退職していますので、自分で確かめられない状況ですが、

現役の職場仲間から、昨年の4月(?)も派遣社員から正社員に何人かが採用されたと聞いています。採用されているのは、事務をしている女性たちです。

大阪本社などは、辞める人も少ないので、派遣社員が入ってこない状況が続いていると聞いています。最初は、住友化学で派遣業務を行っていても、部署自体が分社化されて、関係会社になり、引き続きその関係会社で勤務をしている人は、その関係会社の契約社員になっています。
労働法も次々変わってきているので、住友化学も部署によって、3年に達する前に一時契約を切って、また、一から雇用するなんて事にしているのかもしれませんね。
私がわかるのはこの程度で、すみません。 労働者派遣法は、国会が始まれば、再び俎上に上るでしょう。派遣法が改正()されれば、正社員化につながると政府は言ってますが、コメントをくださった方のほうが、派遣労働者の実態でしょう。
財界が必要としている低賃金で解雇しやすい労働者を供給するための法改正だということは明白です。

 

次は、卒業生からです。いつもブログを読んでくれて、感謝!励まされています。ママ友とこのような会話をしているのは頼もしい限りです。


非正規雇用社員が増える中、我が社では派遣の方が0になりました。アルバイトでの採用のみです。派遣社員だと、数年後社員として採用せざるを得ない為でしょう。
ただ、内心ホッとしているのも事実です。真面目に勤めていても《派遣社員》に首をすげ替えられるのではないかと、正規雇用でも心配です。

・同一労働同一賃金は難しい。何故なら、ベースアップを考えない雇用体系だから。
同じ仕事をして、年齢が上だから給与が多いというのはおかしい。ベースアップが無い現状。

・生産性の無い仕事で給与が上がっているのは、公務員だけではないのか? ろくに、育児休業も取得出来なかった。3年とか延長を言われても、1年取るのもしんどかった現実。推奨されても、民間に制度が浸透するまで公務員は取得すべきでない。
(何故か?と聞いたら、自分達が取得出来たら、もう民間企業の事なんか考えない。民間企業が100%普及しない限り公は取れない、としたらもう少し真剣に取り組むのでは?とのこと)

・配偶者控除は必要無い。(←シングルの方・私も賛成) 扶養控除の復活を!

・民間で働いている人ばかりです。シングルの方は看護師さんで、《休んでたら、ついていけなくなる!》と。
 

いつもいる市の職員ママが不在だった為、結構な公務員バッシングになってしまいました。普通、民間企業で、私の年齢まで継続して働き続けているのは稀でしょうか?

《国は何か言っている継続罰則規定は無い》、ので民間企業大変です。


私の考えです。

・同一価値労働同一賃金を賃金に反映するのはご指摘の通り、難しい問題点があります。

日本の会社員は、特に男性ですが、まず同一労働で定年まで働くことはありません。各課を渡り歩いて経験を積み、出世の階段を昇るというイメージです。各課を渡り歩く、また転勤するということも含めて、事務畑で働いている人は全部同一労働(この場合は同一価値労働ですね)と考えるなら、適応可能です。でも、男性から大ブーイングが出るでしょうね。事務には女性が沢山働いていますから、絶対に同一価値労働ではないと言うでしょう。

昇給は必要だと思います。新入社員も30年目の社員も同じ仕事だから同じ賃金というのは、日本の賃金慣行には合いません。ハワイの裁判官の賃金は、ベテランでも新人でも、50万円ならずっと50万だというのを聞いたことがあります。

ママ友に看護師さんがいるようですが、看護師なら具体例がいくらでもありますよね。私は、出来れば注射の上手な看護師に打ってもらいたいです。以前、採血のため何度も注射針を刺され、気分が悪くなって倒れたことがありました。

同一価値労働を測るための職務評価は、例えば看護師と医師の賃金が、仕事の価値に合ったものかを測るものです。AさんとBさんの仕事の価値を測るものではありません。
ある看護師は注射が上手くても、患者の対応は苦手という看護師もいるでしょう。すべての看護師の仕事を挙げて、ランクを付けるのは困難ですから、年数で昇給するのは、一つの方法かもしれません。よって、私は、勤続年数は賃金に反映されるべきと思っています。

・公務員バッシングは、私が公務員だったから、言いたいことは一杯ありますが、民間で働く人には「生産性」というような観点で見られているのですね。教師の生産性って何でしょうか。将来、戦場に生徒を何人送り込んだか、こういうのを生産性と言われるようになるかもしれません。

今、「経済政策で人は死ぬか?―公衆衛生から見た不況対策−」
(草思社)を読んでいます。

経済破綻したギリシアとアイスランドの例を挙げています。社会保障費をIMFの指示のもと、大幅削減したギリシアは未だ経済は回復せず、社会保障費を削減しなかったアイスランドは危機から抜け出したというものです。著者は医学の観点から、統計を駆使してそれを説明しています。働かない公務員が沢山ママ友の周りにはいるようですが、働く公務員へのバッシングは、回り回ってギリシアのように、私たちに降りかかってくる問題でもあると考えますが、どうでしょうか?

では、今日はここまで。


 



 








「女性が輝く」&規制緩和と労働者の人権についての入り口

「女性が輝く社会」とかの先鞭で、女性閣僚が誕生しましたが、小渕さんと松島さんが辞職されました。マスコミによれば、国会議員を辞めることはないとのことですが、特に小渕さんに関しては、ホントそれでいいの?と思っています。

小渕さんも松島さんが男性議員であったなら、このようなことに、仲間内でストップがかかったのではないか、秘書組織内で、巧妙な処理方法の伝授があったのではないかと勘ぐってしまいます。松島さんもお粗末極まりない理由ですが、小渕さんの未だにバスを仕立てて観劇に出かけるという構図が理解できません。日本の選挙の根っこを見せてくれました。

安倍さんは、「女性が輝く」とのスローガンを掲げていますが、このような「人寄せパンダ」的な閣僚ではなく、「もっと足元を見直しなさい」という提訴がなされました。現職の国家公務員が、男女賃金差別を裁判に訴えました。

「厚労省が女性を昇格差別」現役女性係長、国を提訴
 厚生労働省の50代の現役女性係長が、女性であることを理由に昇格差別を受けたとして、国に謝罪と約670万円の損害賠償を求める訴訟を21日、東京地裁に起こした。性別を理由にした差別を禁じる男女雇用機会均等法を所管する厚労省で、現役職員が差別解消を求めて提訴するのは異例だ。

 訴状によると、女性は現在、統計情報部に所属。1988年に国家公務員2種採用試験に合格し、翌年入省。96年に係長になったが、その後、18年間昇格していない。一方、同じ2種試験で採用された同期の男性職員のほとんどは課長補佐級以上になっているとしている。

 女性は、保育士や介護福祉士の資格をとるなど能力向上に努力し、昇級も毎年認められているといい、「勤務成績、職務能力などで男性に劣ることは断じてない」と主張。「男女間の昇格の差は女性蔑視が原因」として、男性と同様に昇格していれば受け取れていた賃金分の賠償や、国による謝罪や改善の約束を求めている。

 この日、提訴後に都内で会見した女性は「私だけなら能力の問題かもしれない。でも、部署全体で女性は昇格できておらず、明らかな差別だ」と話した。 厚労省人事課は「訴状の内容を承知していないのでコメントできない。内容を確認してから適切に対応したい」との談話を出した。(2014.10.21朝日新聞)



現職で裁判を起こすというのは相当に勇気と覚悟が要ります。同期で入った男性が、この女性を跳び越えて上司になっていくのを見ている日々。怒りは誰にでもありますが、「女性だから仕方がない」と自分で理由を見つけて納得させてしまうのが多くの女性のとる行動です。教師になる前、私は地方公務員でしたが、担当する仕事のことで市町村の課長から電話がかかってくる。「はい、担当です」「なんや、おんなか!男に替わって」。根っこのところは余り変わっていないようです。私は、闘わずして男女平等を求めて教員になり、自己解決で済ませてしまいました。

さて、今回はチト難しい経済の話です。

こういう考えがあるのかと、目から鱗の説を紹介します。

まず、今年521日にあった大飯原発訴訟の判決文です。以下は、従来の判決文の常識を覆すような、画期的な文言で有名になった部分です。

アベノミクスと関連があるのでまずは、これから。
個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益は、各人の人格に本質的なものであって、その総体が人格権であるということができる。人格権は憲法上の権利であり(13条、25)、また人の生命を基礎とするものであるがゆえに、我が国の法制下においてはこれを超える価値を他に見出すことはできない。したがって、この人格権とりわけ生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、人格権そのものに基づいて侵害行為の差止めを請求できることになる。

被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。



ここでは、経済的な利益と人間の命を同列に論じるなと言っています。これを書いた裁判官は、どのような理論に依拠して書いたのでしょうか?私は、この判決の内容は、実にまっとうなことを言っているように思うのですが、判決文ともなると感覚的な思い付きではダメです。

アベノミクスで、規制緩和を盛んに推し進めています。「女性が輝く」もその一環です。労働者の人権と規制緩和の関係はどう考えるべきなのでしょうか?大飯判決と重なる理論を見つけましたが、私が読みこなすのには時間がかかるので、ここでひとまず投稿します。

大飯原発の判決文を読んでおいてくださいね。
今日はここまで


 


 

東和工業男女賃金差別裁判傍聴記

速報を心がけていたのですが、行動が伴いませんでした。
9月4日に金沢地方裁判所で、東和工業男女賃金差別裁判があり、傍聴してきました。その報告です。

午前11時から証人尋問が始まり、途中一時間半の休憩をはさみ、5時半近くまで続きました。

被告会社側の証人は男性2人、そこらへんにいる男性のように思えました。普通の(この言葉は毒があります。なんて表現すればいいのでしょう)、どこにでもいそうなこれらの男性が総合職で、原告が事務職のままであるのは、証人の尋問を待つまでもなく、東和工業が総合職と一般職を、男女で分けていることの証のようでした。

この裁判は、以前、ブログで取り上げています(2012.07.03)。今回の裁判と2年近く間が空いたのは、進行協議という裁判上の手続きがあって、傍聴人抜きで進められていたからです。

午前中、被告東和工業の証人尋問、午後から、原告の本間さんの証人尋問、その後再び会社側の証人尋問という流れでした。長丁場の裁判でしたが、当の本間さんの緊張と集中力と強い意志が発揮された裁判でした。

尋問は、原告側と被告側それぞれの弁護士が行います。原告側の弁護士は、原告の尋問を通して、原告に有利な証言を引き出します。逆に被告に対しては、被告がいかに原告に不当な扱いをしていたかを明らかにします。これは被告側の尋問でも逆な立場で同じことが行われます。

被告側は、原告(本間さん)の能力が低かったから、総合職になれなかったと主張します。その根拠の一つが、本間さんは決定力がなく、1から10まで上司である証人に聞いてきたと主張しました。

午後の本間さんの尋問のとき、その後証言する会社側の証人が法廷に居ることを原告弁護団は拒否しました。仮にその証人をBさんとすると、本間さんは余程Bさんに会うのがストレスなのだろうと思っていました。後で聞きましたが、Bさんは、本間さん以外の設計部の男性が全員総合職であるのに、本間さんだけが事務職に置かれていることに同情的であったそうです。本間さんは、総合職にしてほしいと再三Bさんに依頼しています。この本間さんとの会話を原告の弁護士が質問すると、Bさんは「覚えていません」の連発でした。「すまじきものは宮仕え」というところでしょうか。

会社側の証人は、口を揃えて本間さんは能力が無いから、総合職には出来ないと言いましたが、その根拠は抽象的でした。仮に仕事の難解度が1から3まであるとすると、「本間さんには1しか任せられない」と主張しますが、2と3の仕事のチャンスや研修を本間さんに与えないで、「2も3も出来ない」と主張します。

でも、本間さんの尋問で、実は本間さんは1も2も3も出来ることが明らかにされていきます。上記にBさんの立会を拒否したと書きました。実は、原告側弁護士は、本間さんにもBさんにも同じ図面を示し、その図面を解説して貰うという方法を取りました。だから、本間さんの解読を、Bさんに聞かせたくなかったから立ち会いを拒否されたのでした。この質問をするために、弁護士は徹夜で設計図と格闘されたそうです。本間さんは容易に読み解き、その根拠を示しましたが、Bさんは「これだけでは分かりません」と言いました。Bさんは設計部の上司だった人です。解説を聞く限り、本間さん側が予め学習していたから、読み解けたというような図面ではありませんでした。その場で、分かる人には分かるというような図面のようでした。

裁判官も、「本間さんが1から10まで聞くというのは、慎重な性格だったからではありませんか?」とか、「決定力がないというのは、何を根拠にしましたか」とかの質問をされました。「結果的に、男性は総合職、女性は事務職なのですね」と、何度も質問の形式を変えて本間さんの弁護団は尋問されましたが、会社側は最後の最後まで「男性は総合職、女性は事務職」とは言いませんでした。これを認めたら、均等法違反で即敗訴になると知っているからです。

次回は、12月8日、結審です。判決は来年ですね。

では、今日はここまで

女性の活躍&2014国家再興戦略

安倍政権の「2014国家再興戦略」(2014.6.24閣議決定)に、10の挑戦というものがあり、その一つに「担い手を生み出す〜女性の活躍推進と働き方改革」があります。具体的には以下です。

≪女性の更なる活躍促進≫

*学童保育の拡充

*女性就労に中立的な税・社会保障制度等の実現

≪働き方の改革≫

*働き過ぎ防止のための取り組み強化

*時間でなく成果で評価される制度の改革

*多様な正社員の普及・拡大

*予見可能性の高い紛争解決システムの構築

≪外国人材の活用≫

*外国人技能実習制度の見直し

*製造業おける海外子会社従業員の受け入れ

*介護分野における外国人留学生の活躍


各項目の中で、安倍政権が「女性の人権を真剣に考えているか」に注目して、「ジェンダー」に関係するものを取り上げます。
10の挑戦を書き写していて気が付いたのですが、「女性の活用」ではなく、「女性の活躍」に変わっています。「活用」の目線は上からですから、以前、政府がこの言葉を使ったとき、即違和感を持ちました。所詮、男性議員の感覚はこんなもん、言い換えれば素直な表現とも言えますが、さすがにまずいと思ったのでしょうか?「活躍」になっています。
なぜ安倍政権が「女性の活躍」を謳いだしたか、それは女性の地位が、136カ国中105位で(「世界経済フォーラム」WEF・本部スイスが毎年発表している男女平等度評価。2013)、国際人権規約委員会、女性差別撤廃委員会、ILO等から何度も是正勧告を受けているから、せめて名目だけでも取り繕っておかねば、も理由の一つでしょう。

まず、≪女性の更なる活躍促進≫のための、【時間でなく成果で評価される制度の改革】と【多様な正社員の普及・拡大】と【外国人技能実習制度の見直し】と【介護分野における外国人留学生の活躍】を関連付けます。

安倍さんは、「新たな労働時間制度」は、労働時間ではなく、成果で評価される働き方だから、労働時間を自分でコントロールできる。だから、ワーク&バランスが両立でき易くなり、出産や子育てで女性は仕事を辞めなくてもいい。よって、女性の活躍に繋がる、と言っています。この改革は、結果的に「企業は残業代を支払わない」ということですから、『残業ゼロ法案』とも言われています。


 aの成果主義には沢山の問題点もあり、また成果を計れない職種もあります。子育てや家事を担うのは「女性」という意識は、現に存在しているのだから、仕事と家庭を両立できる仕事があればいいでしょう!転勤はありません。残業もありません。このような働き方のできる「限定正社員制度」は如何でしょうか?これが【多様な正社員の普及・拡大】です。これが含む問題点は多々ありますが、これは次回に。


c 今、再就職したいが、家事や介護で就労できないという女性が
220万人います。a・bの政策でも働くことのできない女性たちに、【外国人技能実習制度の見直し】と【介護分野における外国人留学生の活躍】を活用すれば、働くことができると言うのがこの政策です。【外国人技能実習制度の見直し】と【介護分野における外国人留学生の活躍】は突き詰めると、介護の問題に行き着きますので、先に育児と仕事の両立を考えます。2010年の統計でシングルマザーは108万人です。220万人と108万人の重なりが何人になるかは、これらの数字だけでは分かりませんが、果たしてこの政策が現実のものとなるでしょうか。このブログを書くきっかけになった卒業生は、今年度中に50歳になります。調査時点で68%の人が非正規でした。当時、仕事をしたいけれど、上述のような理由で、できなかった人が今、再就職をしていると仮定すれば、正社員で再就職できるのは奇跡のような年齢ですから、76%の女性が非正規で働いていることになります。これは、現実とそう外れた数字ではないと思っています。

家事と育児で仕事を辞めざるを得なかった女性が働ける環境は、外国人家事労働者の手を借りましょう!地域をしぼって規制を緩める「
国家戦略特区」で、掃除や洗濯など家事の負担を減らして女性の就労を促すための外国人家事労働者を家事サービスの分野で受け入れる政策です。これが、女性の活躍に繋がるでしょうか?家事と育児で仕事を辞めた女性が再び働くために、外国人家事労働者を雇用することが可能でしょうか?いったん仕事を辞めた女性は、非正規の仕事しか見つけられないのは、厳然たる事実です。非正規で働くために、外国人に家事をしてもらう、こんな図になります。一体、いくらの賃金額を外国人家事労働者に支払えというのでしょうか?さらに、外国から家事労働者として働きに来る人たちの抱える問題点も多々あります。【外国人技能実習制度の見直し】と【介護分野における外国人留学生の活躍】は、外国人家事労働者受け入れに緊密に関連しています。これらの政策の問題点は、このブログが長くなるので、外国人家事労働者の問題点と併せて次回にします。

なぜ、政府は、女性も男性も共にワーク&バランスを享受できるような政策を取らないで、小手先だけなのでしょうか?それは、心底女性に活躍して貰いたいとは思っていないからです。

小手先だけと思える事例をさらに紹介します。家事や育児で外に出られないひとり親に対し、「ひとり親家庭等の在宅就業支援事業」というものがあります。厚労省管轄です。大阪でシングルマザーの相談所を開設している女性がこの事業について説明してくれました。今年71日に持たれたこの事業についての評価検討会の内容については、ネットで検索できます。ネットで調べると、在宅で就労しているひとり親の59.3%は、月収5000円以下と出ています。この事業のために投じられている予算は約200億円。本来なら保育園充実や待機児童解消のために使われるべき「安心こども基金」から捻出しているそうです。では、この200億円はどこに使われているのでしょうか?それは、ひとり親が就労するためにスキルを学ぶ、例えばニチイ学館のような養成機関に支払われます。ネットで検索すればIT関連養成機関の名前が次々と出てきます。外国人家事労働者の受け入れと同様、この政策も女性が望む方向とずれていますよね。月収5000円以下(平均16367)の親に直接支給した方がよほど効果があると思うのですが…。結局、安倍さんの経済政策は企業の方を向いていると言えるのです。

では、今日はここまで。

外国人(家事)労働者の受け入れ

労働問題のブログといつも自分に言いきかせていますけど…。

我慢できないこと、欺瞞に満ち満ちていることを先に。

集団的自衛権を必要とする説明のときに使われたパネルの、子どもを抱いた不安そうな、弱々しげな表情の女性の図。都議会、国会のセクハラ発言と同じものが根っこにあります。セクハラ発言に関しては謝罪していますが、何が悪かったのか分かっていないでしょう。
パネルの絵を描いたのは誰?
安倍首相の気に入りの女性像とは、心細げで男性に守ってもらう人のようです。考え過ぎ
マスコミもあの絵を「ジェンダーの観点から問題」とは言ってないようですが、ことの是非の前に、私は嫌悪感一杯になりました。


アフガニスタンで活動するペシャワール会の中村哲医師が、集団的自衛権について話しておられました。胡散臭いノーベル平和賞の受賞者の多い中で、真の平和貢献をしている人の1人がこの方だと私は思っています。アメリカのアフガニスタン侵攻のとき、全部と言っていいくらいのNGOが撤退しましたが、ペシャワール会の現地NGOは残りました。ペシャワール会については、20121227日のブログを見てください。
その中村さんが、「集団的自衛権が日本で認められたら、私は撤退する。今まで、戦禍にあっても、日本人が攻撃されなかったのは憲法9条が守っていてくれたからです。」と言っておられます。限定的だの、9条の範疇内だと、理屈をこねくり回している政治家・官僚よりは、ずっと現実をご存知の方の言葉です。中村哲医師によれば、「アフガニスタンは戦争で滅びるのではなく、旱魃(自然を無視する「文明の無知と貪欲と傲慢」)で滅びる」とのことです。人工的なものに囲まれている私たちには、見えていないですね。


 
さて、本題ですが、今回は外国人家事労働者についてです。

日本世論調査会が実施した雇用労働に関する世論調査について、次のように報じています。

≪少子高齢化や景気回復に伴う人手不足対策として外国人労働者の受け入れ拡大に賛成する人は「どちらかといえば」を含めて51%で、反対の46%をやや上回った。移民の受け入れは55%が反対した。≫2014629日東京新聞)

あなたの考えはどちらですか?私がひっかかるのは、移民受け入れ「55%反対」の項です。都合の良いときだけ「来てください」。用が済めば「日本に永住するのはお断りしますという点です。


オリンピックの施設建設に、労働力が不足します。そのため、外国人に建設労働者として来て貰おうとしていますが、施設が建てば、「はい、さようなら」です。建設費と景観破壊で「見直し」を迫られている国立競技場は、当初の計画通りだとすると、まずこれを壊すところからスタートです。もし、アスベストが使われていたら、また、他の建設資材の粉塵を吸って、帰国後症状が出たとしても、補償はされません。
また、政府は技能実習という受け入れを考えているようですが、この制度は、ILOや国際人権規約委員会から非難されています。今回特区に家事労働を担う外国人を受け入れるとしていますが、その人たちがどういう状況で来ているかを知った上で、判断せねばと思います。聞くに堪えないヘイトスピーチがあっても、政府は「憲法で保障された表現の自由」を楯に積極的に取り締まっていません。以下に、外国人家事労働者の実態を述べた文章を紹介します。友人の嶋田さんのレポートです。これを読めば、政府の政策の何が問題かが分かります。
日本は、国連の≪家事労働者の適切な仕事に関する条約≫を批准していない数少ない国の一つです。これすら批准しないで、簡単に「外国人家事労働者に来てもらって、日本の女性が男性と同等に働けるようにしよう」とよう言うわ!国連の≪家事労働者の適切な仕事に関する条約≫の条文は、「続きを読む」に入れておきます。次回も、外国人(家事)労働者のことを続けます。

では、今日はここまで。

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私はインドネシア、スリランカ、シンガポール、湾岸産油国などで、家事労働者の実態調査を行ってきました。

そこで見聞した家事労働に従事する女性たちは「現代の奴隷制」と言っても過言ではない悲惨な状況にありました。

渡航前の業者への斡旋料、就労後の給料からのピンハネ、債務奴隷化、渡航先での性的、身体的、精神的虐待、悪質業者による人身売買の横行、送り出し国の役人も関わる不正渡航、後を絶たない自殺、過労死などなどです。

家事労働者のほとんどは都市のスラムや貧しい農村出身で、「大金を稼げる」とい う斡旋業者の甘言に釣られて、家族の生活を支えるために出稼ぎを決意した20-40歳代の女性たちです。私たち日本の家庭では、そんなひどい虐待や奴隷状態はあり得ないと言えるのでしょうか?いくら私たちが「善意」でも、送出し国側に悪徳業者が暗躍し、不正に労働者から「渡航料」を巻き上げ、債務奴隷化する構造が存在する以上、湾岸諸国などで起きている人権侵害は日本でも避けることができません。

日本政府は、送り出し国で斡旋業者を一切介在させずに、直接家事労働者を募集し、日本語研修などを行った上で受け入れるシステムを作る覚悟があるのでしょうか?

実際、EPAの看護師、 介護福祉士で来日している人たちの中にも、現地の年収に匹敵する金額を不正に業者に支払い、その返済に苦しんでいる人がいます。

すべての渡航費用は日本の受け入れ施設が負担しているにも関わらずです。

そもそも家事をどうして男性が出来ない構図になってるのか、というところに手をつけずに外国人を使おうとするのは何なのか、ということが問題なのではないでしょうか?

雇用条件、昇進、給料などの待遇において男女の格差をなくし、働く男女が平等に家事を分担し、余暇や趣味を楽しむゆとりのある暮らし。その実現こそが重要な課題なのではないでしょうか

これを阻む男女の格差、非正規労働などの 諸問題を放置したまま、外国人家事労働者を導入しても、社会的不平等や人権侵害という問題をまた一つ増やすだけです。

私たちは、他国の女性の人権を踏み台にしてまで、「社会進出」したいのでしょうか?

私たちは、現代の「奴隷制」を導入してまでも「女性の活躍」を進めたいのでしょうか?

女性家事労働者の人権を守るために、私たち日本の女性が「奴隷主」にならないために、家事労働者の受け入れ反対を呼び掛けます。

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ハローワーク雇い止め裁判

4月末から風邪をこじらせて、咳が止まりません。白河法皇が「賀茂河の水、双六の賽、山法師、是ぞわが心にかなわぬもの」と嘆いたとか(平家物語第一巻)。咳も加えて貰いたいわ。
在職中、試験監督のときが最も気を遣いました。一所懸命、脳みそを総動員して問題と向かい合っている生徒の邪魔だけはしたくなかったからです。

で、ままならぬ連休をうだうだと家で過ごした私ですが、今まで、ゴールデンウィークの、ゴールデンという言葉に特に違和感も持たずに働いてきました。でも、最近は「非正規の人の賃金が減る」と思うようになりました。派遣で、事務職で働いているシングルマザーの卒業生の顔が浮かびます。

労働者派遣法の見直しとか、「残業ゼロ法案」とか、政財界の人は真面目に「労働者も人間である」と考えているのでしょうか?

今回のブログの内容は、3月30日の続きです。3月30日の内容は、3月29日に大阪であった「ハローワーク雇い止め裁判を支援する集い」で、3人の元原告たちの話の紹介でした。今回は、この集会の主人公である原告の話です。

彼女(以下、Tさん)が提訴したのは2年前でしたが、おおっぴらにこの裁判を語れるようになったのはごく最近のことです。だから具体的にはこのブログでも取り上げて来ませんでした。

その流れが変わったのは、弁護士が腹を括ったからです。なかなかの物騒なもの言いですが、セクシャルハラスメント(以下、セクハラ)の二次被害が絡むややこしいケースだからです。

事件は2009年、原告Tさんが9年間勤務していた大阪府下のハローワーク(以下、HW)を雇い止めにされたことが原因です。原告Tさんは、上司からセクハラを受けたと、同じ職場の同じ非正規雇用の女性同僚から相談を受けました。このセクハラ事件は問題となり、その後示談となりました。そして、セクハラをした上司は懲戒処分を受けました。しかし、セクハラを受けた当事者の傷は深く、その後もずっとPTSD(心的外傷後ストレス傷害)に苦しむことになりました。TさんがTさん自体の「雇い止め」裁判のことを公にする、例えばマスコミに話すと、このことを見聞きしたセクハラの被害者のPTSDがさらに深くなるかもしれないことから、なかなか公に出来ませんでした。
しかし、このブログで書いている男女賃金差別裁判で闘った原告たちは、マスコミへ訴えることによって、裁判官へ「ある女性が訴えている個人的なことがら」ではなく、全女性の問題であるとすることで、多くの支援を受けて闘ってきました。

セクハラ被害者がさらに二次被害で苦しむかもしれないことを考えて、歯切れの悪い支援体制でスタートしたのです。しかし、そもそもはセクハラをした上司が悪いのであって、原告Tさんが裁判で十分に闘えないのはどう考えても納得できないと、弁護団が腹を括られたのです。セクハラに苦しむ女性が多くいることを知る弁護士にすれば、複雑な立場です。だから2年後の今年の3月29日に、ようやく「支援集会」を開くことが出来ました。

HW裁判の原告Tさんは、このセクハラを受けた同僚から相談を受けていました。Tさんは、この被害同僚に代わって上司と話をするなどして支えます。ここから、Tさんに対する嫌がらせが始まります。そして、毎年雇用されていた契約がこの年度最後の3月29日に「更新しません」と通告されたのです。
3月29日という日は、Tさんにとって忌まわしい記念すべき日なのです。(上司は、子どもを抱えたシングルマザーのTさんの明日からの生活をどのように考えていたのでしょうか?路頭に迷うかもしれないとは思わなかったでしょうか。)だから、3月29日という日に公に支援の集いをしたということは、Tさんにとって感慨深いものであったのです。
彼女は非常に優秀な相談員でした。「優秀」というのは、裁判で原告側が主張する言葉だし、被告は「普通、劣っていた」と表現する抽象的な概念です。目に見えないものを論争するのはなかなか難しいことなので、彼女がどれくらい優秀であったかは、弁護士によって証拠が提出されています。被告はHWなのですが、HWは国の機関なので、Tさんは国を相手取って裁判を起こしたことになります。常時被告の弁護士は5人、全て税金が投入されています。この税金分を考えれば、Tさんを継続雇用しておいた方が安くつくのではと思っています。多分、この裁判は最高裁まで行くでしょう。最終的に、国が弁護士に支払った額を情報公開請求して知りたいと思っています。これも特定秘密になったりして、永久に謎かも。

今まで8回の契約更新をしてきたHWが、Tさんに「来年から来て貰わなくて結構」と告げるには、何かのきっかけを利用しなければなりません。関係のある記事がありますので、ちょっとだけ紹介します。

≪ハローワーク職員1200人を年度末雇い止めー公募方式が拍車かける官製ワーキングプアの雇用不安≫
(「連合通信・隔日版」2014220日付No.8814
 ハローワーク(公共職業安定所)の内部で、今年も大量の非常勤職員が雇い止めされようとしている。特に問題なのは、業務があるにもかかわらず3年を超える労働者を一律に退職させて「公募」にかける事態が想定されていることだ。公募で再び採用されるとは限らず、職場では「雇用不安をあおるだけ。これでは業務に必要な経験と専門性を維持できない」と、困惑が広がっている。

Tさんは、2011年3月29日に雇い止め宣告を受けましたが、以前から、上司に「あなたは必要な人材です」「あなたはよくやってくれている。あとは資格を得ることやね」と言われていました。Tさんは、30万円を投じてキャリアコンサルタントの資格を取得します。当時の彼女の月収は15万円、どれほどの犠牲の元に彼女が学校に通ったかが分かります。
HWの正規職員の場合は、正規なんだから資格を取得する必要はありません。HWの組織を知らない者からすれば、キャリアコンサルタントの資格とは、非正規職員が雇用継続を願って独自で資金を投入して取得するものでしかないように思えます。必要ならば、正規職員も全員資格を取得するべきです。タクシー運転手が運転免許証が必要なように。

「キャリアコンサルタント」、私には聴き慣れない言葉です。官僚の天下りのために作った資格ではないかと思います。Tさんに確認すると、研修内容は、必ずしも質が高いようではありません。講師によっては、女性差別的な発言があったとか。Tさんは、雇用継続を願って、HWの試験を受けます。そして不採用になりました。

HW即ち国の言い分は以下です。

*Tさんの雇い止めとセクハラ被害者の支援とは関係ない。

*不採用は、Tさんよりも適正と能力を有するAさんがいたからである。

*Tさんが応募した職は、Tさんが今まで経験してきた仕事内容と異なり、相談窓口業務だから、Aさんの方が経験がある。


使用者は強いですね。採用試験の内容、経緯、結果に至るまでのあらゆる情報を原告Tさんは知ることができません。Tさんではなく、採用されたのはAさん。Aさんは「相談窓口経験者である」からとHW側は言っていますが、Tさんも相談窓口業務だったのです。これに関しては、元同僚(正職員)が「Tさんは相談業務だった」と証言をしてくれています。また、HWに求職に来た人たちからのお礼状を何通もTさんは持っています。とても丁寧な親身になっての対応だったことが手紙の内容から伺えます。お礼状を貰っているということは、相談窓口業務をしていたからです。Tさんは、HWで働く以前の経験を活かして、職場の研修の講師もしています。受講者は同じ職場の正規職員も含まれています。優秀でない人が、職場の研修担当を任されるでしょうか?

個々に反論はできますが、HW側が不採用の全ての情報を握っているから、そこを切り崩すのは至難の業です。今まで、非正規労働者が雇い止めになったことで争い、最終の上級審で、非正規労働者が勝った判決は一つもありません。


Tさんのような例は多々あるでしょう。Tさんが裁判で争う決断をした理由は、まずは個人的なことが発端ですが、彼女はこうも述べています。
「これ以上使い捨てにしないで!ハローワークで働いてきた非常勤職員が、こんなにも理不尽に簡単にあっけなく職を奪われる現実を知ってほしい。」

非正規で働く、それも家計を主として支えている女性卒業生の顔が重なります。

では、今日はここまで。

 

 

非正規労働者の賃金ー3人の女性&職務給と職能給

いつもとりとめない私の感想を先に、本題は最後にちょっと、を反省し、今回は前回の続きから始めます。前回の課題は、職務給と職能給でした。
日本は、先進国の中では特殊な賃金体系で、所謂職能給です。

昨夜、非正規労働者の小さな集まりに参加しました。大阪府下のハローワークに9年間勤めていた非正規労働者が、例年のように雇用の更新があると信じるに足る上司の言動にもかかわらず解雇されました。現在その不当性を問うている裁判の原告を励ます会です。励ます話をしてくれたのは3人。
京都市女性センターウィングス京都の非常勤職員の伊藤真理子さん。ーこの方は、仕事の内容が正規と同じ、というよりも、彼女が就いていた相談業務は嘱託しかいない、言いかえれば、正規職員と相談者からは思われていたー伊藤さんは正規職員との賃金差を求めて裁判をされました。(詳細は、伊藤真理子さんと検索すれば出てきます)京都地裁、大阪高裁、最高裁全て伊藤さんが負けました、具体的に伊藤さんから仕事の内容の説明がありましたが、他の部署の正規職員と同じくらいの仕事内容でした。伊藤さんの裁判後、嘱託職員の給料は大幅に改善され、嘱託かから正職員になった人が現在課長の職にいるそうです。

2人目は大椿裕子さん、関西学院大学を雇い止めされた方です。大椿さんは、裁判ではなく労働審判の方法を選びました。大椿さんは「4年任期」の契約で雇用されていたので、裁判では即刻敗訴の可能性が高いと判断されたからです。(大椿さん、労働審判で検索してみてください)大椿さんは関西学院大学の障害のある学生支援コーディネーターの仕事をしていました。大椿さんはなぜ4年で雇用期間が切られるかに疑問を持ちます。当然ですよね、新たに入学する学生に4年の経験は生かされます。有期雇用20年というような人はざらにいます。20年もその仕事が続いているのであれば、その仕事は無期雇用ということですよね。大椿さんが解雇された後に、経験のない人が採用されたそうです。

3人目は神戸刑務所偽装請負国賠償裁判元原告の凪佳子さんです。凪さんは、刑務所内の受刑者のために、刑務所職員と相談しながら、炊事担当の受刑者と共に服役者の食事を作ってきました。しかし、凪さんは、業務請負契約を結んだ派遣元から刑務所に派遣されていたので、刑務所職員から指示や命令を受けない立場なのです。なぜなら、刑務所は凪さんの直接の雇用主ではないからです。大阪高裁は、一審の神戸地裁の判決を変更し、165万円の賠償を命じました。(たまには労働者勝つこともがあるのだぁー)これも検索すれば出てきます。凪さんの裁判の後、全国の刑務所は管理栄養士を直接雇用に切り替えました。

3人とも、思い出したくもない裁判での屈辱や悔しさはあるが、後に続く女性たちの力になれたのではないかと思っていると話されました。

特に、伊藤さんのケースは、今日のテーマである職能給と職務給に深く関係しています。

今、卒業生の何人かに協力して貰って「非正規労働者の実態調査」をしています。やはり、仕事の内容と賃金が釣り合っていないとの声が多いですね。

正規労働者と非正規である卒業生の仕事の価値についての質問に、漠然とではありますが、各自が点数を付けてくれました。正規を100点とすると、非正規である卒業生は100点とか、90点とか。ところが、賃金となると正規がいくら貰っているか分からないとの回答です。職場で、賃金の話をしないというのもありますが、非正規は時給で、正規は月給ということも要因の一つです。手当を除く「基本給を労働時間で割る」というのも時給の目安になりますが、正規労働者にはボーナスもあり、退職金もあります。また、非正規労働者には支給されない住居手当や家族手当、金銭には換算しにくい福利厚生費用も支給されています。非正規は時給と通勤費(これも時給に含まれている人もいます)しか支給されていませんから、正規の貰っている諸手当もやはり賃金の内と考えなければ、納得できないません。このように、仕事の価値は、正規と非正規で大ざっぱでも判断がつくのに比べて、正規労働者の賃金を時給換算するのはとても難しいのです。また、同じような仕事をしている正規にも、賃金に違いがあります。単に勤務年数が長いということだけが賃金に反映されている訳ではありません。
これが顕著に現れるのが、男女の賃金差です。ずっと書いています中国電力男女賃金差別事件の原告の長迫さんが典型的な例です。

なぜこのようなややこしいことが起こるかといえば、日本の賃金体系が年功賃金という職能給だからです。仕事の価値で賃金が決まるのではなく、職務を遂行する能力とか、意欲とか、努力とか、企業への忠誠心とか、目に見えない不確かなものを査定した結果が賃金に反映されるのです。これに対し、仕事の価値に基づく賃金体系を職務給といいます。

日本の企業に勤める大半の正規労働者は、入社後、営業からデスクワークまでいろんな分野の仕事を経験し、昇格・昇給していきます。EUの職務給の考えからすれば、これはあり得ません。EUやアメリカでは、エリートでない限り、営業から経理事務へといった部署替え、他の地方への転勤はありません。労働者は契約書にある以外のことはしないというのが原則です。日本では、最初に配属された例えば、経理課勤務の辞令が永久に続くとは、特に男性は思っていません。

もし、ある会社で、同じような労働条件で、経理の仕事よりも、営業の仕事の方が賃金が多いのなら、営業の職に就きたいと思う人は多いでしょう。これでは人事異動はできません。誰も安い賃金の職に就きたくないからです。転勤あり、いろんな部署への異動ありを可能にするには、職能給という年功賃金体系を取らざるを得ないのです。日本で、仕事の価値を計る職務評価制度が普及しない、抵抗が大きいのは、このような特殊な賃金体系があるからです。

では、職能給だったら、非正規労働者の仕事の価値と賃金をどのようにして計ればいいのでしょうか?
こんなに頑張って仕事しているのに、なんでこんなに賃金が低いの?卒業生の嘆きは解消されないままです。結局、比較し難い日本型賃金体系の中での、非正規労働者の賃金は、その人の仕事の価値で決まるのではなく、国の最低賃金の額で決まっているのが現状です。

ユニクロは、現在の30000人の非正規の内、16000人を限定正社員として採用すると発表しました。賃金は正社員の8割程度とか。これが一つの手掛かりになるかもしれません。まず、限定正社員と非正規の職務評価をする。職務評価は、負担、知識・技能、責任、労働環境の4つです。昨日非正規、今日から限定正社員。何が変わるのかを分析すれば、非正規の賃金の目安が計算できるかもしれません。ただし、あのユニクロです。限定正社員も非正規と同じくらいの賃金だとすると、また別の問題も生まれますが、この制度が動き出したら、賃金表を手に入れ、職務評価をやってみる価値はあると思います。
うまくいけば職務給の道筋が見えるかもしれません。

では、今日はここまで。

凡庸な悪

「聴衆者の皆さんが、沖縄のことを心配してくださるのはありがたいけど、沖縄のことは沖縄でやりますから、あなた方は地元でやるべきことをやってください。声を出さない、出しても小さいから滋賀の頭上にオスプレイは飛び、北丹後に米軍のレーダー基地が来るのです」。これは、沖縄国際大学教授の前泊さんが講演で話された言葉です。耳が痛かったです。前泊さんのご両親は宮古の方だそうで、前泊さんはずっと沖縄に関係して生きて来られた方です。元々ジャーナリストなので、お話も分かり易かったし、著作も難しくはありません。ただ、沖縄の抱える問題は理解を超える理不尽さです。「沖縄と米軍基地」(角川新書)、「入門日米地位協定」(創元社)などが、書店に並んでいます。

久し振りに現代社会の授業を思い出しましたが、サンフランシスコ講和条約締結の1952428日から61年目の昨年428日に安倍政権は、「日本主権回復の日」の式典を行いました。日本はこの日に連合国(代表アメリカ)の占領下から解放されました。しかし、沖縄は返還されませんでした。だから沖縄にとっては、見捨てられた「屈辱の日」なのです。東京での「式典」の報道はありましたが、沖縄の怒りは殆ど報道されませんでした。

報道に関しては、東京都知事選も同じようなことがあったようです。東京在住の知人からのメールでは、都知事選の街頭演説報道も、意図的だったと言ってました。彼女が街頭演説を聞いたとき、聴衆者の多さから言えば宇都宮さんが一番だったけど、その日のNHK報道では3番目に放映されたそうです。また、女性たちが舛添さんの女性蔑視発言を告発しましたが、これも報道されませんでした。情報は出来るだけ沢山あるべきです。その中から取捨選択して投票するのですから。舛添さんの女性蔑視発言はこのサイトに出ています。
http://masuzoe.wordpress.com/2014/02/04/words/

事前に知らされていたならば、舛添さんへの女性票はもっと少なかったかもしれません。
前泊さんの講演を聞いた日は211日でした。丁度その日は、ケネディアメリカ大使が沖縄を訪問する日でした。当日の沖縄の2大新聞、沖縄タイムスが一面に、琉球新報社が2面全部に、普天間の辺野古移設を初めとした沖縄の直面している基地や日米地位協定の問題点を英語版で掲載したそうです。本土(この呼び方違和感ありますね)のマスコミの扱いは小さいものでした。福島原発以降、マスコミの報道は疑ってかかる、当然ニュースソースの政府の発言はもっと疑うということを殆どの人が学びましたが、まだまだ知らされていないことが多々あるのでしょう。

前回報告した中国電力男女賃金差別裁判の原告が8年ぶりに転勤しました。最後の一週間は今まで以上に「村八分」だったそうです。嫌がらせをした職場の上司や同僚はどういう人たちなのでしょうか。最後の最後まで、彼ら彼女らがどんなに原告に卑しい嫌がらせをしたかを書くのもおぞましく、ブログの品位が下がりますので、ここでは止めておきます。嫌がらせ、モラルハラスメントですが、この行為をした上司、同僚はそのへんにいる普通の人たちでしょう。
映画「ハンナ・アーレント」で、主人公のハンナ・アーレントは、ドイツナチスの高官のアイヒマンの裁判の傍聴をします。ハンナ・アーレントはユダヤ人で、収容者に送られた経験があります。多くのユダヤ人を収容所に送ったアイヒマンは、さぞかし巨悪な人間だろうと彼女は推測します。しかし、裁判を傍聴して、彼女はアイヒマンが余りにも凡庸な男であることに愕然とします。あれほどの悪事をするのは、凡人では出来ないと思っていたからです。彼女は「「悪は特別な人間が行うのではない。平凡な人間が悪を働くのだ。なぜ悪を働くようになるのか?それはその人が<考えること>を止めたときだ」。

沖縄の抱える問題に正面から向き合おうとしない政権、福島原発を都知事選の争点にしなかった都民、中国電力男女賃金差別裁判の原告に徹底的にハラスメントで送りだした職場の上司・同僚(バックに経営陣)、みんな考えることを止めたようです。勿論私も十分に凡庸な人間なので、常に自戒しなければなりません。年齢を重ねるほど、生き難いと考えるようになりました。
労働者派遣法が超改悪されそうです。マスコミが報道しだしたら取り上げることにしましょう。

労働問題の殆どない内容でした。今日はここまで。

特定秘密保護法&秦の商鞅の教訓

多くの人が、「特定秘密保護法(以下、秘密法)」の衆議院強行採決のことについて書いていることでしょう。素人の私は極々庶民的感覚で、この暴挙に対して何を考えていたかを記録しておきます。

しかし、最近はよく眠れませんでした。「さて、寝よう」と布団を被ると、あれこれ考えてしまいます。なんで、人々が望んでいない法案ばかりが通るのか、この秘密法にしても、原発にしても、労働者派遣法にしても、均等法改正にしても…です。

少子化担当大臣の森さんが、なぜ秘密法の担当大臣になったのか?森さんに良心の呵責はないでしょうが、目が泳いでました。答弁も抽象的な内容ばかりでした。能力あるにも拘わらず、マッチョな国会議員の世界に生きる女性の屈折した思いがあるのでしょうか?安倍首相を初めとする権力オヤジ(上野千鶴子さんの『女たちのサバイバル作戦』に出てくる男性どもは、オヤジとしか表現が見つからないので、借用しました。)どもに操られていることのジレンマがあの目をさせたのだと、せめてもの情状酌量で思うのです。法案可決に失敗したら「やっぱり女の大臣には荷が重すぎたのだ」と切り捨てられる要員だったのでは?と思ったりしました。

秘密法の特別委員会の後、安倍首相が、保守系議員の会合に出ていた映像がありましたが、安倍首相に盛んに拍手を送っている桜井よしこさんの満面の笑顔も、私には悲しく写りました。
女性ばかりに気持ちを投影すると、男性が「同性の足を引っ張る、だから女性はダメなんだ」と言われそうですね。本会議での法案通過を喜ぶ谷垣法務大臣の顔も絶対に忘れないでおこうと思います。なんであんな嬉しそうな顔ができるの?それにしても、横に並ぶ安倍首相、麻生財務大臣たちも「親の七光り大臣」なのです。安倍首相、麻生大臣の家系図なんか、もう光に溢れています。こんなこと書くと、法案成立後はしょっ引かれるかも。理由は分かりません、それは秘密だから!

世間が秘密法に気を取られている間にも、派遣法や均等法は着々と改悪が進んでいます。均等法は、コース別の文言の入ったままです。でも、今や非正規の問題に注目が集まっていて、「正規!正規なら男女賃金に差別があっても文句言わないの」との状況です。中国電力男女賃金差別裁判の広島高裁判決もその範疇なのでしょう。

さて、前回書きましたこの判決の不当性を論理的に説き明かし、最高裁に、判決を高裁に差し戻すよう要請する署名の主旨の全文が出ました。アクセスして、協力してください。

http://wwn-net.org/?cat=30

法案可決に喜ぶ見苦しい満面の笑みの議員に何か鉄鎚はないか?「こんな法律作らなければよかった」と後悔するようなことは?呪詛、折伏しか思いつかない、余りにも高く堅固な壁。

そうそう、こういう話があります。中国の戦国時代(諸説ありますが、紀元前480年〜紀元前221)、群雄割拠の時代に、後の統一国家となる秦に、商鞅(しょうおう)という人がいました。秦の孝公(紀元前361〜紀元前338)に仕えた商鞅は、取りたてられて政治経済の改革を断行します。その中に「連座制・密告性」、政策を厳格におこなうために「刑法」がありました。商鞅の政策で秦は力を持つようになります。孝公が亡くなると、商鞅に押さえつけられていた人たちが「商鞅は反乱を図っている」と孝公の後を継いだ恵文王に告げます。恵文王の追手を逃れた商鞅は、関所の宿に泊まろうとします。宿の主人は「商鞅様の法で、旅券のない旅人を泊めると、私も同じ罪に問われます」と断りました。商鞅は「法律による弊害がこれほどのものとは、我ながら知らなかった」と言い、ついに追手に捕らえられ、「車裂き」の刑で殺されてしまいます。

私が社会科の教師だったことをこれで思い出してくれましたか?満面の笑みを浮かべてこの法案の可決を喜んでいた方々に、この因果応報の話を聞かせねばならない。どこかで実感して、反省してもらわねばならない。でも、輝かしい七光りの家系に繋がる方々は、「何が秘密か秘密」「秘密の期間は60年」だから、そのような事態に陥らないような法律を、秘密裏に作成することでしょう。もう打つ手がないのかと、寒々としてきます。
では、今日はここまで

限定正社員は日本の労働者の働き方を変えることになるのか?

日曜日に書き始めました。

日曜日の3日前の木曜日、京都であったケアワーカーの賃金についての学習会に、千葉に住む会員が参加しました。彼女は、福島原発告訴団http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/

の関東事務局を担っており、福島へも度々出かけています。最近、体調が悪くなり、それまで沈黙していた持病が一気に出たので、京都の、相性の合う温泉に毒素を出しに来たのだそうです。彼女は、しばしば福島に行きますが、告訴団本部のある福島に住んでいる訳ではありません。

金曜日、関電前の集会に参加しました。そこで発見!夕暮れが早くなったこと。「反原発」とのステッカーを貼った団扇が必需品だったのに、夕闇に映えるペンライトが必需品になりました。集会で、韓国が福島とその周辺の7県の魚の輸入を禁止したことのニュースが話されました。オリンピックの開催が決まる前日の韓国の措置なので、政治的な思惑があるとの日本側のコメントが出ています。

土曜日、安倍首相が、IOCでの原発事故による汚染水の処理の問題の質問に対して、『全く問題はない。』と述べました。何の根拠があっての回答なのか?国民はそんな解決法があるなんて何も知らされていませんから、びっくり!どうかこの言葉に責任を持ってくださいね。「2020年には安倍さんは首相をしていないので、責任は取らないよ」との家族の声。原発事故の責任を取るという言葉が、具体性を持ちません。 業務上過失致死傷などの疑いで告訴・告発された東電幹部や政府関係者ら約40人全員を、検察は不起訴処分としました。オリンピック招致委員会竹田理事長が「東京と福島は250KM離れている」と発言して、福島の人たちを怒りと絶望に落としました。ミュンヘン在住の日本人が、チェルノブイリの原発事故の影響で、ミュンヘンの公園の砂場の砂は全て入れ替えられたとドイツ人から聞いたと言ってました。チェルノブイリ原発事故から27年後の現在も、未だにキノコ類は食べることができないそうです。チェルノブイリとミュンヘンは1600KMくらいは離れています。IOCの理事たちの原発事故に対する考えがよく分かりませんが、原発事故がまったく収束していない現状に対して随分と楽観的のようです。世界に向かって約束をしたのですから、政府はこれを契機に本気で事故処理に取り組んでくださいね。


さて、労働問題です。

限定正社員についての講演を聞きました。演者は、昭和女子大学の木村武男さん、龍谷大学の脇田滋さん、元甲南大学の熊沢誠さんです。三人とも労働関係の研究者です。

三人の研究者は、必ずしも「限定正社員」に否定的ではありませんでした。私は、以前、このブログに否定的なことを書いたことがありますので、この考えは意外でした。
今、限定正社員について、政府の規制改革会議で、使用者寄りの論議が進められています。即ち、限定正社員を増やし、解雇をし易くしようという内容です。今いる正社員も限定正社員になる可能性が大となります。でも、この「限定正社員」については、新たに法律が作られるということではないのです。あくまでも「あんた、転勤いややったら、限定正社員で契約せえへんか」という労働者と使用者の労働契約での問題なのです。だから、使用者に対して弱い立場の労働者は、その先に「解雇自由」のようなことが起こるであろうことが分かっていても、一人ではなかなか「いやです」とは言えないことに繋がるのです。
今、規制改革会議が提案しているのは、限定正社員の解雇をしやすくする方法です。限定正社員は転勤がありません。その地域限定の正社員ですから、その地域の職場がなくなったら、「あんたの勤務地の職場はなくなりました」と言えば、他の職場を斡旋する義務を会社は負わなくてもよいのです。現在、解雇には「解雇4要件」があって、安易に使用者は労働者を解雇できません。(現実は安易に解雇ありの社会ですが、この4要件があるから裁判も、団体交渉もできるのです。)解雇4要件については、2011.7.31のブログを参照してください。

 「限定正社員なら転勤しなくていいやん」というメリットもあります。この転勤を逆手にとったのが、三人の演者の考えです。「転勤イヤ。正社員のように過労死するほど働かない。」という限定正社員を多くの労働者が選べば、ガラパゴス化している日本の労働者の働き方を変えるチャンスになるのではないか!即ち、全人格を企業に捧げる働き方は、それを望む一部の人にしてもらい、人生も楽しみたい、家族とも過ごしたいと考える人は、定められた仕事を、定められた労働時間で働くというジョブ型雇用を選ぶ。労働者が日本に比べれば格段に守られている欧州型の働き方へと転換していくのに、限定正社員を使えばどうか、というのです。

私のように、規制改革会議が方向を出そうとしている限定正社員のデメリットばかりを考えるのは、正社員という働き方こそが正しいとする考えにとらわれているからだとも話されました。
でも、欧州型にするには、沢山の問題点があります。その最大のものは、賃金です。ユニクロでの限定正社員の賃金は、時給に少しプラスアルファがあるだけで、正社員(限定ではない正社員を無限定と呼ぶそうです。無限定!なんと人格はく奪のような言葉でしょう。)とは雲泥の賃金差があるそうです。ユニクロの店頭での店員が、誰が(無限定)正社員で、誰が限定正社員かわかりませんね。
そう、ここで問題になるのが、仕事の価値です。ユニクロの無限定正社員と限定正社員の仕事の価値の差は、賃金の差と連動しているのでしょうか?少なくとも、店頭販売の職務を測る【知識・技能、責任、労働環境、負担】の4要素にそんなに差があるようには思えません。「いやぁ!正社員と限定正社員とでは、全く仕事の価値は異なるのです」と多分、ユニクロの経営者は言うでしょう。こういうときに、力を発揮するのが「同一価値労働同一賃金原則」に基づいた職務評価です。ILO推奨の得点要素法の職務評価を、企業がやりたがらない理由、正社員で構成されている労働組合(ユニクロには組合が無い!)がやりたがらない理由は、説明しなくても読めてきます。賃金以外にも、日本の労働者が世界規格になれない点があります。何が問題なのかは次のサイトを読んでみてください。

http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2013/06/post-569.php

ここで深読みです。規制改革会議が「限定正社員」を推奨している理由の一つに、「地域限定にすれば女性が働きやすくなる」というのがあります。安倍内閣は、社会保障削減を打ち出しています。介護制度についても、今まで要支援だった人は、支援がなくなります。「必要な方で施設を利用したい人は自費でどうぞ!自費が負担できない人は家庭でどうぞ!」ということです。やはり、介護を女性の手に担わせる魂胆だな!限定正社員を女性に推奨する前に、ILOやCEDAW(女性差別撤廃委員会)や国際人権規約委員会からの勧告を真面目に聞きなさいと言いたくなります。根源的に間違ったスタート地点に立つ規制改革会議、と疑り深い私は思っています。

では、きょうはここまで

中国電力男女賃金差別裁判控訴審判決NO2

続きです。

では、女性の方が低賃金に置かれている理由はなんであるか?それを判決では

<女性の就労意識・女子保護規定の存在>があるとしています。

*「上記男女差が生じたことについては, 女性従業員に管理職に就任することを敬遠する傾向があったり , 女性従業員の自己都合退職も少なくなく,平成113月まで効力を有していた旧女性保護法(女性の深夜時間帯の労働を原則禁止し, 時間外・休日労働を制限していた。)などの事情もうかがわれるのである。」

(これは一審でも判決にありました。これでは、労基法にあった女性保護は、「賃金差別をしてもいい根拠だよ」と公然と認めていたことになります。また、長迫さん個人が「管理職になりたい」と頑張ってきたことを、一般論で処理しようとしています。)

<長迫さんの格付けについて>

長迫さんが昇格を望み、上司からも褒められるほどの仕事をしてきたにもかかわらず、なぜ昇格できなかったかの判決です。弁護士の言葉をそのままお借りします。遅くなりましたが、これらの解説を書いてくださった弁護士は宮地光子さん。住友3社の裁判、日本で最初の職務評価システムを証拠として採用した京ガス裁判等、働く女性の裁判を数多く手がけている弁護士です。
*判決では、「彼女の資質に問題があったからだ」とする会社側の言い分をそのまま認めている。会社の人事考課制度を合理的なものと認定した結果として、会社が、長迫さんに対する人事考課において低評価の理由にしてきた事柄に全く疑問を差し挟んだ判決ではありません。長迫さんの人事考課票には、事実に基づかない記載がなされている箇所があり、そのことを私達は繰り返し主張しましたが、判決は、人事考課票に記載されたことをそのまま認定し、「仕事の仕方等では, 評価が高いが, 責任・協力という面, その中で協調という面で不適切な発言もあり改善してもらいたい。」などという管理職の査定理由の説明をそのまま認定しています

(証人尋問の報告は

http://blog.livedoor.jp/letchma11/archives/51931288.html

を見てください。この証人尋問で、かえって長迫さんに対する会社の恣意的な態度が浮かび上がったことを報告しています。裁判官、なんのために思わせぶりな証人尋問を行ったの?会社側の弁護士はしどろもどろで、何度も額の汗をぬぐっていたのを忘れてしまったの!)


*判決は、会社は「主任1級や管理3級になろうとする従業員に対し,個人の成果だけでなく, 職場の一体感やチームワーク向上に対する能力・成果も求めていたものというべきである。」としたうえで、「ところが,上記のとおり,控訴人は,業務の結果については高く評価されている一方, 協力関係向上力, 指導力については問題があると評価されていたのであるから, 被控訴人が主任1級や管理3級になろうとする従業員に求められる職場の一体感やチームワーク向上に対する能力・成果を具備するに至っていなかったものと認めるのが相当である。」としているのです

(なんとなく想像できますよね。出雲営業所で、独占企業の電力会社で日々男性どもがどういう働き方をしていたか?そこに物言う女性が登場したのです。すごく疎ましかったでしょうね。想像に難くないですね。最近『裸の王様』松尾匡著を読みました。内容は経済です。この本(まだ原発事故は起こっていないときの出版)から推測すると、最も顕著な例が原発についてだと考えられます。もう破たんは目に見ているのに、誰も(経団連を初めとする財界、それと足並みを揃える政界)「王様は裸だ。(もう原発は止めよう)」と言わない、言えない社会。これを協調性と言うようです。)

☆<昇進差別について>

長迫さんは、昇格の男女差別だけでなく、平成18年2月以降は、主任の職位に昇進してしかるべきであったと、昇進差別についても主張していましたが、今回の判決は、「控訴人は, 職場の一体感やチームワーク向上に対する能力・成果を十分有していなかったことは前示のとおりである。 さらに,控訴人に対する職務適性評定の結果は、平成17年度ないし平成19年度のいずれも, 業績・能力第一主義で正確, 迅速な業務処理を行い, 仕事への信頼度は高いと評価されている反面, 毎年, 自説に固執し, 自分本位で他の意見を聞かないと評価され, 指導を要するものとされていたのである。そうすると,被控訴人が控訴人を主任に昇進させなかったことは,被控訴人の人事権の裁量の範囲内で判断されたものというべきである。」としています。この「自説に固執」するとは、長迫さんが、約款や取扱い基準について、出雲営業所の管理職の方針に疑問を呈して、中電本部が取扱いをすべきであると意見を出したことなどを指しているのですが、そのようなことが「自説に固執する」とか「自分本位である」などと評価されて、低評価の理由にされるのでは、管理職に対して自由に物も言えないということになります。

職場の一体感には、価値がおかれても、上司に意見を言うことはマイナスの評価にしかならないというのは、日本の企業社会が旧態依然とした村社会であることを端的に示していますが、このような人事考課のあり方を、何の疑問の余地もなく判決は肯定しているのです。

賃金を決定する物差しが、村社会にとって好都合か否かで決められる、その物差しが歪んでいると訴えているのに、「村社会の物差しは『こうだ』」とだけしか言わない判決は、つくづく日本の司法のお粗末さを露呈していると思います。



(私の瑣末な感想なんか吹き飛ぶ宮地弁護士の言葉です。日本の人事考課は客観的ではない。過労死寸前まで働くとか、上司に逆らわないとかを会社への貢献度として査定しています。家事や育児の性別役割分担が重い日本の女性が、貢献度が低いと査定されるのは当然です。そういえば、銀行総合職の卒業生が嘆いていました。「私は保育園にお迎えに行かなければ、ならないので、勤務時間中に段取りを考えて必死に仕事している。でもおじさんたちは、だべってばかりで、退行時間になってようやく働き出す」。貢献度は、after5で職場に居るおじさんたちの方が高いと査定されるのでしょうね。)

これで二回にわたった中国電力控訴審裁判の判決の報告を終わります。

次は、最高裁です!

では、今日(おっと、前回のブログも今日でした)はここまで。

長迫さんに送りますので、コメントを書いてください。いつも書いてますが、あなたのアドレスやお名前は公表されません。長迫さんには知らせたいですね。よろしくお願いします。


 

中国電力男女賃金差別裁判控訴審判決NO1

中国電力で働く女性が、男女に賃金差別があるとした裁判の判決があり、傍聴してきました。一審の広島地裁判では敗訴。1昨日の718日の二審の広島高裁でも負けました。「公正な裁判を」の要請ハガキを裁判官に出してくださった方々、ありがとうございました。実りませんでした。

判決の後、記者会見がありました。地元の中国新聞は来ていませんでした。朝日、毎日、地元のテレビ局等は来ていました。

今頃そのことに気が付いたのは、次の記事を目にしたからです。

【中国新聞】ニュース > 社説 - 2013.7.18 ≪'13参院選 雇用政策 「非正規」どうするのか≫

http://www.47news.jp/47topics/e/243565.php

中国電力・広島銀行・中国新聞が中国地方の御三家と聞きました。中国電力を相手にたった一人で、昇給・昇格で、女性が差別されていると訴えた判決を、中国新聞が報じる訳がありません。御三家、それプラス政治権力が悪影響を及ぼしたのでは?と言いたくなるような判決内容でした。
(中国電力、一般論でない、足元の労働問題を書くべし!)下のは、毎日新聞の記事です。

 
賠償訴訟:女性の賃金差別、高裁も認めず≫ 2013年07月19日 東京朝刊

 中国電力(本社・広島市)の女性社員(50)が、昇格・昇進に男女差別があったとして、同社を相手取り、差額賃金など2468万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が18日、広島高裁であった。宇田川基裁判長は、女性のほとんどの賃金が男性より低額なのは認めたものの「人事評価に女性差別が存在した事実は認められない」として、1審・広島地裁判決に続き、原告の訴えを退けた。



納得できない判決内容を、女性の弁護人の解説を引用して、私なりの解釈を加えて、以下に書きます。

<全体的な男女間格差について>

彼女(長迫さん、判決文では控訴人)の現在の地位は、主任1級、この職になったのは昨年の2012年度から、それまで一つ下の主任2級に実に13年間置かれたままでした。同学歴の男性の遅い人で、主任2級の期間は6年です。

【判決文の要約】平成20年の時点。

*主任1級以上の職能等級になっている者の割合は, 男子従業員の90. 4%。女性従業員は25. 7%

*男性従業員で初めて主任1級に昇格した者の年齢は36歳、男性従業員の過半数が40歳までには主任1級に昇格。女性従業員で初めて主任1級に昇格した者の年齢は41歳。

*職能等級昇格前の在級年数も同女性従業員の方が同男性従業員よりも長い傾向にある。

*その結果, 控訴人と同期同学歴の事務系女性従業員の平均基準労働賃金額は,同男性従業員の平均額の88. 1%。年収換算で85. 6 %。個人別の賃金額分布においても女性従業員のほとんどの賃金が, 男性従業員よりも低額となっている。

≪以上から読めること≫→男女間の格付け・賃金の格差を認めている。



<しかしこの格差を、男女差別とは認定しない判決の2つの理由>≪≫は弁護士の言葉、( )は私の感想。

☆人事考課制度は合理的である。

*職能等級の昇格は,人事考課(業績考課,能力考課)により決まる。

*被控訴人(中国電力のこと)の職能等級制度 、及び,人事考課の基準等にも, 男性従業員と女性従業員とで取扱いを異にするような定めはない。

(当たり前でしょう。男女で異なる扱いを明記していれば均等法違反ですぞ!そんなあからさまな違反規定を会社が明文化するわけない!)

* 評定基準が作成された上これが公表されている。(プロセスが問題なのです!)

* 評定者に女性を登用したり,評定者に対する研修が行われたりしており,人事考課の実施についても, 第一次評定者による評価を更に第二次評定者が再検討し, 被評定者にフィードバックされていて, 評価の客観性を保つ仕組みがとられている。

(ようこんなこと、会社はぬけぬけと書き、裁判官はそのまま認めたね?!階級社会?、階級会社?で、何人が査定しようが、上司に逆らってまで、女性社員を擁護するような男性上司はいないでしょう。本人に評価の内容が知らされているから、客観性があると?客観性の意味をご存知ないのは、会社も裁判官も)

≪以上から読めること≫→会社の主張をそのまま認めている。控訴人の弁護団は、人事考課の査定制度に性差別性があると指摘してきた。これに関して判決は、一顧だにもしていない。≫
☆昇格や賃金において男女が層として明確に分離していない

*女性従業員と男性従業員との比較についても, 同じ男性間にも, 昇格の早い者, 遅い者があり,賃金額にも差があるのであって,男女間で,層として明確に分離していることまではうかがわれない。

見にくいのですが、最後の表を見てください。青が男性、赤が女性の月収を表したグラフです。裁判の証拠として提出されたものは、平成13年度〜23年度までのグラフでしたが、このブログにうまく貼り付けできなかったため、下記のを使いました。証拠として提出されたグラフは、このようなのが各年度毎に集計されています。男女の位置はこんな感じです。判決分にある「男女が層として明確に分離していない」というのは、青のところに、何人かの赤が混じっていることを指します。女性だって高い月収の人はいる。だから、男女で明確なる差はないというのが会社側&裁判官の言い分です。

(このような社員の賃金を把握しているのは会社側です。日本の裁判所は、賃金台帳を持っている側に資料を作成させるのではなく、持っていない側に作成するように求めます。長迫さんが、このようなグラフを作成できたのは、二審で裁判所が会社に「賃金台帳を提出しないさい」と言ったからです。住友金属の男女賃金差別裁判でも、同様のことが起こりましたが、会社の出した台帳には個人の名前がありませんでした。仕事が終わった後、住友金属の原告たちは、個人を特定する作業をしました。そして、ついに、隠している賃金台帳があることを発見しました。長迫さんも同じ作業を延々しました。「賃金台帳を出しなさい」と言ったときの期待を、裁判官!見事に裏切ってくれたましたわね。)

≪以上から読めること。弁護士の言葉です→これが層として分離していないなどと、どうして言えるのか。今回の判決の最大の疑問であり、弱点だと思います。判決のいう「層として分離」というのは、男性は全員が女性より賃金が高くなっている場合しかあり得ないことになりますが、それは明らかな男女別賃金体系です。そのようなものでなければ層として分離にあたらないというのでは、人事考課制度のもとで、男女差別賃金を問題にすることは、およそできないということになってしまいます。

(最初の【判決の要約】のところで、男女に賃金差があると認めておきながら、矛盾する内容ですね。)

長くなるので、いったんここで終わります。


中国電力








続きは、すぐに更新します。

では、今日はここまで。


 


 


 

限定正社員…卒業生からの相談

限定正社員を知っていますか?
この限定正社員の解雇ルールについて、着々と規制緩和の方向で審議会が進められようとしています。

なぜ、今回が限定正社員なのかというと、卒業生の身に迫ってきた案件だからです。

卒業生(Aさん)から相談メールが来ました。Aさんは高校卒業後約20年間、この全国に支社のある会社で働いてきました。仕事と育児を両立させてきた、問題意識のある女性です。

最近、突然社長が『女性だけを(地域)限定正社員にするつもりだ』と宣言。

で、Aさんからの相談に対し、私が最初に問題だと思ったのは、「女性に限る」とした点です。「すぐに均等室に駆け込むべし」と言いました。均等法(改正男女雇用機会均等法)6条違反ではないかと思ったからです。

≪第6条≫

事業主は、次に掲げる事項について労働者の性別を理由として、差別的取り扱いをしてはならない

一 労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む。)、昇進、降格及び教育訓練

二 住宅資金の貸し付けその他これに準ずる福利厚生の措置であつて厚生労働省令で定めるもの

労働者の職種及び雇用形態の変更

四 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新


これらは、≪ 降格、職種変更、雇用形態の変更、労働契約の更新も差別の対象になる≫という条文です。

Aさんのケースでさらにやっかいなのは、「女性限定」という点です。「あー良かった!男性は関係ない」と思った男性組合員は、女性のために社長に抗議するというような共同行動を取らないでしょう。女性の労働条件が悪くなれば、即男性にも及ぶのですが、取り敢えず目の前の障壁だけしか見えないのが、日々馬車馬の如く働いている労働者の悲しさ。先見の明を持ちたくも、思考力ゼロ状態なのですから。このケースの結論は、「会社の労働組合ではなく、まず労働弁護団に相談すべし」でした。労働弁護士によると、Aさんの社長の行為は、均等法、労基法、憲法の、違反の塊だそうです。

で、以前、ユニクロが地域限定正社員制度を編み出したとの記事があったことを思い出し、さっそく調べてみました。以下ユニクロのHPからの引用です。

地域限定正社員制度の運用開始に関するお知らせ

20070305

株式会社ユニクロは、20074月1日より「地域限定正社員制度」の運用を開始いたします。この制度はユニクロの店舗に勤務する非正社員である契約社員及び準社員を対象に、勤務地域を限定する正社員として、契約変更を進めるものです。

【導入の背景】

 現状、ユニクロの店舗で働く正社員は、全国を対象とした転勤を前提としておりました。そのため、優秀でありながら、制度上は正社員として雇用できなかった人材に活躍の場を作ることは、かねてよりの課題でありました。また、大型店を軸にした積極的な出店戦略を展開していく中で、人材の不足感は、今後より顕著になってくる事が予想され、人材の確保と育成の必要性も高まっておりました。

【制度の概要(限定正社員のみ抜粋)しました

(注1) 地域限定正社員が現行制度上の正社員と大きく異なる点は、転居を伴う転勤が発生 しないことです。そのため、地域に愛される店づくりの核となる有用な人材として、長期にわたり継続的に店舗運営に貢献していただくこととなります。」

【制度の狙い】

1.優秀な人材の成長促進と活用によるお客様満足の向上と、それにともなう業績の向上
2.優秀な人材。の長期・安定的雇用による店舗運営・経営の安定
3.社会的課題の解決(特に若年労働層の活性化など)への寄与


転勤がない

労働者に優しい、なかなか良い制度ではないですか!って思ったあなた、ここからが本番です。「続きを読む」に東京新聞の記事を引用します。で、この記事を引用しての私なりの解釈です。

まず、正社員と限定社員に違いです。

正社員:転勤がある。どんな仕事でもする。残業がある。無期雇用である。解雇するためには制約がある。


限定正社員
:転勤なし。労働時間に制約がある。無期雇用である。仕事の内容は限定されている。事業所や仕事がなくなったときに解雇される。


この太字の箇所が、いよいよルール化されるというのが、審議会の動きなのです。勿論、これは安倍内閣の三本の矢のひとつ、規制緩和の流れです。
で、卒業生Aさんに降りかかった「女性を限定正社員に!」という社長の一声は、結果的に次のような構図になって、Aさんを追い詰めるかもしれません。

女性たちを通える範囲の支社とか営業所とかに転勤させる。→その事業所を経営上の理由(なんでもOK)から閉鎖する。→解雇

今まで限定正社員という雇用形態を持っていなかった企業も、ルール化されて解雇が安易に出来るようになれば、Aさんの社長のような行動「うちの社も限定正社員の制度をつくろうっと」をとるでしょう。ますます、労働者は解雇されやすくなります。

で、この地域限定という働き方は、転勤が大きな要素としてあるが故の制度です。転勤はどこまで可能なのでしょうか?
私の場合は、,片道1時間半以内の通勤距離は、労使合意でした。滋賀県の公務員なので、県内の異動で済みました。おかげさまで最後の勤務校は徒歩圏内でした。配慮に感謝です。でも近いから、お正月2日から、勿論土日も、毎日遅くまで仕事をしていましたけど。当時は問題意識のない労働者でした。(反省!)

で、転勤というのはとても日本的な慣習なのではないかと思い、判例を調べてみました。海外の転勤状況はうまく検索にフィットしませんでしたが、以前聞いたとり読んだりした範囲においては、日本ほど常態化していないような記憶があります。その最大の理由は、欧米では日本と違って、就社するのではなく、就職するからです。日本の場合、女性ならば、事務職のままの人が大半ですが、男性は、事務もやれば営業もやるというように、会社の中のあらゆる仕事を経験するのが原則当たり前なのです。だから、転勤は起こりえます。しかし、就職なら、その仕事に就くことが条件なので、会社の全ての職務を経験するということは考えられません。

転勤は、人生を左右する事件です。妻(夫)も働いている、介護される高齢者がいる、看病される家族がいる、転校に伴う子どもの負担等を考慮すると、転勤ってそんなに効率的な働かせ方かな!って思います。

では、以下が転勤の判例です。
http://www.jil.go.jp/hanrei/conts/036.htm

「続きを読む」もよろしく。

では、今日はここまで。



 

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中国電力男女賃金差別裁判控訴人尋問を傍聴する。

まず前座二題。
昨年2月、福島第一原発1号機の原子炉建屋にある非常用復水器が作動しなかったのは、その破損の原因が津波によるものなのか、地震によるものなのかを、国会事故調査委員会が現地調査しようとしたところ、実際は建屋に明かりが差し、照明もあったにもかかわらず、「原子炉建屋の中は今は真っ暗、調査は難しい」と東電が虚偽の説明をし、国会事故調査委が調査を断念したというニュースが朝日新聞に報道されました。(多分、朝日のスクープ!)

新聞の読者投稿欄に「企業業績が不振になった際、従業員を解雇して債務を減らすのではなく、まず責任を取るべきは、判断ミスや怠慢で業績不振になった責任の第一人者であるトップ。辞めるべきはトップでしょう」というのがありました。



私はほぼ毎週金曜日関電大津支社前で「大飯原発を直ちに止めろ」「琵琶湖を守れ」と叫んでいますが、上記二題から、

日本の経済が「失われた20年」とかいって、大量の非正規労働者で企業の収支を合わせているのは、グローバルとかリーマンショックとかではなく、「前例がありませんからというセリフに象徴される、リスクを取らない経営者の自己保身の頑迷な思考にあるのだ。

よって今、日本を動かしている人たちは、人間を含むあらゆる生物の命とか地球の存続とかの長期的展望・視野にたった思考が出来ないから、原発をなくす気は全くない。(電気事業連合会長の関電の八木社長は『発送電分離なら売り上げが減り、原発の維持費が出せなくなる』と言ってます。なんか、例えが悪いですが「麻薬や止めたらヤク患者が苦しむし、ヤク経済が回らなくなる」と言っているようです。)



で、ここからが今回のメイン、「中国電力男女賃金差別裁判」報告です。

なぜ、前座二題から始めたかと言えば、裁判で明らかにされた会社の体質が上記の推論と同じだからです。



控訴人(二審なので、原告ではなく控訴人)長迫さんは、中国電力の女性社員です。同期同学歴の男性に比べて昇進が低いことを広島地裁に提訴しました。詳しくは20111231日のブログを見てください。

一審の広島地裁では、まさかの原告敗訴。二審の広島高裁で何度かの書面の遣り取りの後、ようやく2013.02,14、証人尋問が行われました。地元、東京、関西等から多くの女性が広島に駆けつけました。会社側の傍聴人が9人、60人定員の法廷は、控訴人側の傍聴人で埋まりました。控訴人の弁護士から1時間半、被告中国電力の弁護人から1時間半の計3時間(休憩10分を挟んで、実質4時間弱)を、長迫さんが1人で受け答えをしました。


最初は、長迫さんの弁護士からの尋問です。弁護士は宮地光子弁護士。住友の男女賃金差別や京ガス賃金差別裁判を担当された心強い女性の味方です。次が長岡弁護士、ともに女性弁護士です。

二人の弁護士の尋問によって、長迫さんがいかに有能で、誠実な仕事ぶりであったことが明らかにされていきます。(誠実な仕事の誠実の相手は誰かと言えば、当然顧客です。決して上司ではありません。これも彼女が疎外された一因と私は思っています。)

それまで女性に担当されて貰えなかった営業部門でも、トップの成績を収めていたことがデーターで示されていきました。さらにこの尋問で、長迫さんがパワハラに遭っていたこと、現在もそれが続いていること明かになりました。聡明で活発な彼女と何度も出会っていますが、誰も気が付きませんでした。(裁判に訴えたことがハラスメントに拍車をかけました)

続いて、被告側の弁護士の尋問。

彼は、長迫さんがどれだけ職場の秩序を乱す、周りから浮いて存在であったかを浮き彫りにするために、短い尋問を次々と繰り出してきます。

被告側の弁護士と会社側はこの裁判を甘く見ていたのでしょうか?会社側と打ち合わせが出来ていませんでした。長迫さんの「それはどういう意味ですか」には「その質問は撤回します」と何度も言い、また長迫さんの「それはこういうことです」の説明に何ら反論できませんでした。

女性に関係あることだからの一例を紹介します。

Q:控訴人は、お茶くみを止めさせたと陳述書に書いてありますが、あなたがその営業所に転勤になったときは、女性のお茶くみはもう止めていましたね。

(職場環境の改善を控訴人がいくつか提案したように書いてあるが、それはあなたが提案する前から行われていた。虚偽の陳述をして、能力あるかのように書くな!の意味かな?)

A:各自のお茶は飲みたいときに飲みたい人が入れることになっていましたが、お客様へ出すお茶は、「○○ちゃん、お茶」と言われ、女性が入れていました。(女性は全員ちゃん付けだったそうです。今でも「うちの女の子」なんて男性上司が言いますね。この遣り取りを聞いてあなたは「お茶くらい女性が入れたらいいやん」って思ってませんか?それならば、私の力不足です。私はO商業高校で女性の先生がお茶を入れる慣習を止めさせるのに10年かかりました。体育科の女性の先生はその後もずっと入れていました。次の学校で分煙するのにこれも10年近くかかりました。さんざん嫌味を言われましたけれどね。日々の小さなことを通して仕事と向かい合わなければ、職場の風通しは良くなりません。一事が万事と言うでしょう。「なぜこれは個人の仕事ではなく、女性という性の仕事なのだ?」と疑問を持ち続けないとね。)

Q:あなたは△さんのパソコンを覗き見たりしたのではありませんか?

(この質問の主旨は、「権限もないのに、他人の仕事に口を挟むな」という意味)

A:私が横を通ればパソコンは閉じられ、仕事の話は中断しました。上司は廊下で私の姿を見ると、元来た道を引き返して行きました。

(彼女が日々針のむしろの上で懸命に働いていたことが分かりました。懸命というのは、それでも彼女の営業成績はトップだったからです。)



終われば、傍聴人の疲労は極度に達してました。長迫さんと弁護団は想像を絶するものがあったでしょう。明日は傍聴へという夜、「今頃長迫さん宮地弁護士は眠れていないだろうな。弁護士の職務評価をすればどれくらいになるだろう」と思っていました。
裁判の翌日、長迫さんの職場は静かだったそうですが、我慢強い彼女だからの感想かもしれません。私が今回強く思ったことは、会社側の陳述書に協力した主に元同僚の男性の心境です。(同期同学歴の男性は全員管理職員になっている)前座二題とも繋がるでしょう。



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では。今日はここまで。



 


 


 

≪あなたの給料はなぜ安いのか≫竹信三恵子さんのお話し

留守をしていたので、宅急便のメモが入っていました。何が届くかは分かっていたのですが、関電前の金曜日集会に参加する予定だったので、「夕方の7時半くらいにならないと帰宅しない」旨ドライバーに電話で伝えました。「いいですよ」の返事に、つい「ではお願いします」と言ってしまいました。関電大津支社から大急ぎで帰宅し待っていたのですが、結局9時近くになって配達されました。「今日でなくてもよかったのに、こんなに遅く配達して貰って悪かったですね」に、「こんなん、いつもですよ」との返事。「今朝は何時から働いているのですか」「8時からです。今日はまだ早い方です」と言い残して去っていかれました。宅急便を扱う会社に就職した卒業生が何人もいます。また、パートで営業所に働いている女性もいます。どういう勤務状態になっているのか、今日配達出来なかった分を明日配達すると、明日のノルマにどう影響するのか、分からないことばかりです。(これは金曜日に書きました)



一昨日、元朝日新聞記者・論説委員であった竹信三恵子さん(現ジャーナリスト、和光大学教授)の「あなたの給料はなぜ安いのか?=ルポ賃金差別」と、ニューヨーク市立大学名誉教授ジィス・ゲルブさんの「アメリカ大統領とアメリカ女性の状況」の講演を聞いてきました。パートの賃金が低いのも、男女で賃金差別があるのも、女性の賃金は低くて当たり前の前提があるからです。それは、女性が誰かに扶養されるという前提です。女大学そのままの男性権力者の世界がまかり通っている感じです。女大学については検索してみてください。結構面白いですよ。

竹信さんは非正規の賃金の低い理由として、岩手大学藤原千沙准教授の「女性の貧困」を引用して以下のように説明されました。
1.男女雇用機会均等法→女性保護撤廃
2.労働者派遣法
3.第3号被保険者
4.児童扶養手当削減


1については、女性を保護していた法律、例えば「女性の残業は
10時まで(例外あり)」が廃止されたことにより、女性が男性並みに働かねばならないようになった。女性が深夜まで働いているから、男性はそれ以上に働かなければならないようになった。
2については、育児や家事の中心的担い手の女性は1のようには働けない。不本意ながら1の戦力から外れた正規職を辞した女性が流れ込むであろうと予測して用意された法律。当初は原則女性を想定していた。
4にいついては、削減により、さらに厳しくなった家計を補填するために、女性は子育てと両立できる非正規労働者としての供給源となっていく。児童扶養手当については200932日のブログをみてください。



私は、これらの中でも最も性質が悪いのが、3の「第3号被保険者」制度だと思っています。それは、夫に扶養されている女性は、賃金が安くて当然だ!と法律で認めているからです
下の記事を見てください。「主婦が反発することを慮り」のように読めますが、一体誰が誰に調査をしたのでしょうか?このことで家族と話していたら「どうせ労働貴族
(男性正社員で組合の幹部。日本の大企業の組合員は殆どが労使一体なので、労働組合の幹部は会社の幹部候補生)の意見を聞いただけなのだろう」と言ってました。そういえば、東レの幹部候補生の夫を持つ年下の同僚が、「社宅から共働きで朝出勤して行くのは私のところだけ」と言ってたことを思い出しました。これはもう25
年ほど前のことなので、多分今は違う光景かもしれませんが…。

事業主は正規の男性労働者の社会保険料
(厚生年金・健康保険料)
の掛け金の半分を負担しています。その男性の妻も社会保険の適用を受けることができますから、男性労働者も事情主も妻の掛け金も負担しているかといえば、それは「NO」です。もし、事業主が妻の分の掛け金も負担していれば、「第3号被保険者制度」に即座に反対をするでしょう。でも、負担していないのだから痛くも痒くもない。妻は夫の労働を支える程度の働きの方が企業にとって都合がいいから。経済界に「保険の掛け金負担しなくていいようになるから、この制度を止めましょうよ」と呼びかけることもできない。ここを突破できれば、日本の錆びついた不名誉世界遺産ともいえる女性の地位が、ギリギリと音を立てて回り始めるのではないかとずっと思っています。


≪配偶者控除、主婦反発に配慮し廃止を見送り≫読売新聞
2012-11-06 08:20 

政府・民主党は、専業主婦のいる世帯の所得税を軽くする配偶者控除について、2013年度税制改正での廃止を見送り、当面は継続する方針だ。 複数の民主党関係者が明らかにした。 次期衆院選が近づく中で、主婦層から強い反発が予想され、党内の意見集約も難しいと判断した。 民主党は09年の衆院選の政権公約(マニフェスト)で、配偶者控除の廃止を掲げたが、4年連続の見送りとなり、衆院任期中の年度改正では実現できないことになる。 政府が12月の閣議決定を目指す13年度税制改正大綱では、配偶者控除の廃止を含む見直しについて、引き続き検討することだけを明記する見通しだ。 配偶者控除は、配偶者の年間所得が38万円(給与なら年収103万円)以下であれば、納税者の課税対象となる所得から38万円を差し引き、所得税額を軽減できる制度だ。専業主婦や、パートをしている主婦がいる世帯が恩恵を受ける。

毎週金曜日の関電大津支社前の集会で、往々にして「嘉田知事ふらふらするな!原発反対を貫け!」とかが叫ばれます。大飯原発の再稼働についての嘉田知事の態度に関しては、多くの県民が「相当な圧力がかかったな!」と感じた筈です。夏の電力ピークを過ぎてもまだ大飯原発は稼働したまま。これに対しても嘉田知事は明確なメッセージを出していません。嘉田さんの意見は「大飯原発が暫定的な安全で動いていることまで認めている訳ではない。ここで止めろと小さい声を上げても世の中の流れにはなりにくい。むしろ県民の不安を解消するため、原発事故に対する多重防護体制の構築を早く進めることが現実的な政策責任者としての方向だ」(2012.11.08朝日新聞)というもので、関電前に集まる人たちにとっては嘉田さんが「即卒()原発」と言わない分、もどかしく感じます。だから「態度を明確に」というシュプレヒコールになります。

ところが第3号被保険制度については嘉田さんは実に明確な発言をしています。「私はこの制度に反対です」と。確か、岡田副総理が「第3号被保険者制度を廃止することを断念した」というような発言に呼応するかのような発言だったので記憶していたので、
3
時間くらい記事を探したのですが、発見できませんでした。誰か発見したら、岡田副総理の記事とともに、教えてください。

配偶者のある人と、いない人が、
130万円の範囲内(非課税は103万円、社会保険の被保険者は130万円)で働いたとしたら(シングルマザーなり、パラサイトしていない独身ならこんな額で生きていけるわけがありませんけど!)、同じ時給なのに、扶養者が居るのと居ないのでは、結果的に時給が100円程度違ってくるのです。日本の賃金が同一価値労働同一賃金ではないことは今まで何度もブログで書いてきましたが、それ以外にも問題があるのです。仮に第3号被扶養者の条件を満たす範囲内で働いていたAさんが離婚した場合では、Aさんの働きは何も変わらないのに、時給が違ってくる計算になります。今は勿論同じ時給です。しかし、年金を受給する歳になってから総計算すると分かるのです。これについては2012.04.19
のブログにも書いています。


次の
ジィス・ゲルブさんが資料として提示してくださった中に、1期目のオバマ大統領の女性閣僚の写真がありました。沢山の女性、それも非白人の人が多いことを指摘されました。昨日のNHKの≪日曜討論≫を初め原子力関係の委員も99%が男性。相変わらず朝日新聞のオピニオン欄も男性ばかりの登場。男女平等が何たるかを理解していない財界、政界の重鎮たちの存在。
ゴジラが来て踏みつぶしてくれないかしら
!?

久し振りに叫ぼう!≪女性の活用と脱原発≫

では今日はここまで。


ps:勿論第3号被保険者制度をなくせば、困る人が出てきます。各人の状況に応じて対策を講じる、たとえば保育所を充実するとか、介護を手厚くするとか、別個の政策で考えるべきことだと思います。

 


 


 

中国電力男女賃金差別事件

百均ショップには沢山の商品があって、「なんでこれが100円なん?」。その商品の向こうで働いている人の賃金はどれくらいなんだろう。海外のどのような工場で働いているのだろう、社会保険は?等々疑問が湧いてきます。ドイツKIK社のジーンズを縫っているパキスタン南部カラチにある衣料工場で2012911日から12日にかけて火災が起き、289人の労働者が、逃げ遅れて亡くなりまし。4階建ての工場に入口は1つ。防火対策も消火や換気の設備もなく、窓は全て鉄格子、ドアや階段は品物で塞がれていたそうです。ドイツの人はこういう環境の中で、安い製品が生産されているのを知っているのかしら!KIK社って、ドイツサッカーチームのユニフォームも作っているようですね。私もユニクロの製品は知っていますが、これを作っている労働者の状況は知りません。グローバル化経済が避けて通れないのなら、想像力もグローバルにしないといけないと考えさせられた事件です。
(
http://www.youtube.com/watch?v=bV8_vCFewDw)



二点報告します。一つ目は中国電力男女賃金差別事件です。

朗報(楽観は許されませんが…)

裁判傍聴に行ってきました。控訴人の報告を一部引用します。この裁判を象徴するような場面があります。それは主任弁護士が女性たちということです。日本でも指折りの優秀・聡明な弁護士たちです。頼もしい〜!この優秀な弁護士だからこそ、控訴審が続いています。

*追加的請求が認められました。一審では賃金差額を請求していませんでした。しかし、控訴審では、控訴側の請求に基づき、裁判所は会社側に賃金台帳を提出させました。もし控訴人が男性社員並みに昇進していたら得られるであろう賃金の差額を積み上げ、請求しました。一審の争点以外の争点が二審で認められるのはなかなか難しいことです。弁護団の緻密で論理的な分析が功を奏した結果です。会社側が提出した賃金台帳には従業員の名前がありませんでしたが、これを弁護団は解読しました。そして、女性の評価が高くても昇進や賞与に反映されていないこととか、控訴人が裁判を起こしたことを「協調性がない」という評価に結び付けていたことが分かりました。
(裁判後の集会で「ロゼッタストーンを解読したシャンポリオンみたい」との声あり。シャンポリオンは「クレオパトラ」という言葉を解読出来た以降、もつれた紐が解けるがごとく、ロゼッタストーンに書かれていた文章を全て解読しました。てなことを何かで読んだ記憶があります。)


*本人尋問の請求が認められました。一審以外の新たな証拠が出ないと、証人尋問は控訴審(二審、広島高裁)では認められるのは難しいのですが、本人尋問1時間半、反対尋問1時間半と認められました。

(油断は禁物ですが…。以前書いた自治労A本部嘱託書記雇い止め事件では、大阪高裁で証人尋問が認められましたが負けました)。次回の裁判は来年214日です。



二つ目は、プラダジャパンのセクシャルハラスメント及び解雇事件です。

≪プラダ:元女性部長の解雇無効請求を棄却…東京地裁≫毎日新聞 20121026日 

イタリアの高級ブランド「プラダ」の日本法人「プラダジャパン」(東京都港区)を解雇された元部長の女性(38)が解雇無効と慰謝料などを求めた訴訟で、東京地裁(森岡礼子裁判官)は26日、請求を棄却した。判決によると、女性は09年に「人事部長から『社長はあなたの醜さを恥じている』と言われた」などと報道機関に情報提供し、報道された。判決は女性の言動について「会社の信用を傷つける行為で、懲戒解雇の理由に当たる」と指摘。その上で「(女性が提供した)情報の根幹部分は真実と信じる理由がない」と疑問視し、解雇を有効と判断した。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00234240.html


さて、この裁判の裁判官は女性です。卒業生が「センセ、おんなの敵はおんなやで」とよく言うセリフに重なります。自治労A県本部嘱託書記解雇事件でも、解雇されたのは女性、解雇をした側の中心人物も女性でした。男社会の中で、男に伍して生きていくために男以上の働きを求められるのは以前からありましたが、1985年成立の男女雇用機会均等法がさらに拍車をかけました。なぜなら、男女平等とは「女性も男性並みに働くこと」だと定義され、労基法にあったいくつかの女性保護の条文が削除されましたから。女性は同じ痛みを共有しなければ…。それが一方は裁く側で、他方が裁かれる側でも。

さらに、日本の裁判は、中国電力事件にしろ、プラダ裁判にしろ、被害を受けた側が証拠を提出しなければなりません。裁判所が賃金台帳提出命令を出してくれたから、控訴人の賃金と男性社員の賃金を比較することが出来ました。プラダでは、ハラスメントです。ハラスメント被害を証明するには、女性はいつも録音機を用意しておかねければなりません。すぐにマスコミ発表するくらいしか対抗力を持ちえないと思うのですが、原告のこの行為は会社の名誉を傷つけたことになり、解雇されても仕方ない行為だったと裁判官は述べています。ハラスメント受けた時点で、原告はこれをどのように証明すればよかったのでしょうか?


では、今日はここまで。


 


 


 

国から交付金をカットされた滋賀県&第三号被保険者続き

風薫る5月と言いたいのですが、天候不順ですね。

大飯原発再稼働に向けての閣僚会議やおおい町の議会の様子をTVで見ていると、男性ばかりですね。今回も「脱原発と女性の登用」を言いたくなる記事からです。

新聞の記事から二点。

≪県道の国交付金大幅削減≫滋賀県のことです。

「県によると、昨年度までは90~95%が確保されていた。本年度も当初予算で『社会資本整備総合交付金(防災分を除く)87億円計上したが、4月上旬に国から337千万円を示された。近畿24県で大幅に削減されたのは滋賀県のみといい、昨年度に比べても半減した。県が見込んでいた87億円のうち約50億円は<義務額>。トンネルやJR線との立体交差道路など大型事業のため複数年契約を結んでおり、契約不履行」が発生する可能性がある。県は一括交付金の道路枠を増やして対応できるよ検討している。ただ残りの40億円弱の<必要額>までも、一括交付金で対処するのは困難。まちづくりを担う市町は懸念を高めている」~中略~県道路課は「削減理由を国に問い合わせている。(京都新聞2012.05.10


≪男社会で働くあなたへ。女子組読者モニター
6人へ嘉田滋賀県知事がアドバイス≫

読者モニターQ「『悪気なく女性だからと言われた時、どう消化すれば?』

嘉田知事A『新幹線の凍結問題で、森喜朗元首相が私のことを<女の人だな。やっぱり(視野が)狭い>と発言した。非難すると同じ土俵にのるだけ。<駅が必要ないことに男女のは関係ない。県民が選択したのです>と答えた。左右に対して第3の道を探す。日常の処世術として大事よ』」


なぜ滋賀県のみが社会資本整備総合交付金を削減されたのでしょうか?昨年度までは9095%が確保されていたのに。あなたの考えはどうですか?

私は嘉田知事が大飯原発再稼働に反対していることと、女性知事であることが原因だと直感しました。今、契約している工事が今年度履行されなければ、業者にとっては死活問題です。当然、嘉田知事に苦情は集中します。交付金を沢山貰うには、国に楯ついてはいけないのです。「よく分かったかぁ~!!」と国(官僚)が言っているのが聞こえそうです。

≪後日談≫

ある集会でこの2つの記事について話しました。そこでの会話です。

「京都の山田知事は、そのうち原発反対とは言わなくなると政権は思っている。本人も『あれ、世論に押されて原発再稼働反対の側に来てしまった。今さら引き返せないしなぁ~』のようなことだろう。要は政権に甘く見られているのでは?」

「大阪の橋下さんも、手続きに異議ありと言っているので、いずれは政府の言うことに条件を付けながら、政府側に寄っていくだろう」

「命の問題として、また、琵琶湖の水質の学者として嘉田さんは卒原発と言いながら、反原発が本心だろう。筋金入りの反対派だから、政府も陥落できないし、最も手ごわい相手と恐れているのだろう。だから滋賀県が削減対象になったのだ」 


では、前回の社会保障の続きですが、長文なので、「続きを読む」に入れます。


 


 

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女性の地位&第三号被保険者

前回に厚労省小宮山大臣の労働者派遣法の対応についての物足りなさを書きました。大飯原発の再稼働を決めたのが閣僚会議と報道されていたので、たった一人の女性の小宮山さんは、どんな発言をされたのかと気になっていたのですが、この閣議決定のメンバーではなかったようです。日本で女性が決定権のある場に参加できるのはいつのことでしょう。少子化で、将来は労働力が不足するのは明らかなのに、女性の能力を認めない人がまだまだ多い、この点ではとても先進国とはいえない国であることは確かです。
最近、韓国の労働法制について学ぶ機会がありました。韓国では今年
411日に国会議員の選挙があって、各党の労働問題に関するマニフェストの載った資料が配布されました。その資料には、各党の代表や、労働法制に関する意見を強く発言している人たちの写真がありましたが、6人中5人が女性でした。
会場から韓国の政治家の女性の地位を尋ねる質問がありました。講師の龍谷大学脇田滋教授は「韓国は儒教の国なので、日本よりも圧倒的に女性の地位は低いです。日本では夫婦別姓を人権の立場で主張していますが、韓国が現在でも夫婦別姓なのは、妻は夫の家に入れないからです。非正規労働者も女性が多く、この写真のように、なぜ女性たちばかりが掲載されているかわ分かりません」と答えました。会場から「韓国の母親としての地位は高い。息子も母親には頭が上がらない」の声がありました。確かに韓流ドラマでは、何故息子はそこまで母親の顔を気にするかな!って思う場面が多々見受けられます。
イタリアも女性の地位が低いとの記事を朝刊(朝日2012.4.29)で発見。日本と同じように少子化なのですが、「女性は家庭へ」の考えが強いとのことです。しかしながら、女性の地位を表す世界フォーラムの「男女格差指数」で昨年、イタリアは
135カ国中74位、日本は98位でした。スウェーデンでは、男性を100としたときの女性の賃金は80%台です。日本は圧倒的に女性に多い非正規老奏者の賃金を含めると40%(以前から何度も書いてますが、EUでは非正規の時間単価は正規より高い)です。長年にわたり女性たちが運動していてもこの状況です。机上やデモや署名で抗議しても一向に先進国並みにならない。実効ある方法の一つが、スウェーデンのように「女性は男性の80%の賃金なのだから、買い物では価格の80%しか払わない」という方法ではないでしょうか(実際に行われているか、近所のスウェーデン人に聞かねば。うまく通じたらの話ですが…)


さて、この学習会で友人が話をしました。与えられた題は「パート労働者と社会保障」です。友人Aは
32年間パート労働者でした。年間の賃金は100万円強でした。130万円までなら、会社員の夫の被扶養者として第3号被保険者で、年金を掛けなくても将来年金を受け取ることができます。でもAはこの制度を利用しませんでした。夫の扶養家族にならずに、独立した一人の労働者として、自らの賃金の中から社会保険料を支払い続けたのです。(ある卒業生が言ってました。彼女は最初アパレルに勤め、結婚を契機に辞めました。最近子育てと両立できるパートを始めました。卒業生の殆どがこのパターンです。この卒業生曰く『夫の扶養家族だと、例えば「ブラウスを買ったの」と夫に報告するのも屈辱、夫が「どんなん?」と聞いてくると、「俺の稼ぎで勝手に買って」と言われているようでまた屈辱!』)
その結果、Aは保険料総額約200万円強を支払い、65歳で年金年額99万円を受給するという通知を日本年金機構(旧社保庁)から受け取りました。Aの友人Bは、同じような年齢でパート歴も同じです。Bは第3号被保険者となり、結婚するまでの間の5年間の社会保険料18万円以外掛け金を支払うことなく、年額95万円の年金を受け取ります。≪女性は夫の扶養範囲内で、家計補助的に働くことが優位である≫の典型的な例です。
では、扶養してくれる相手のいない人はどうなるのでしょうか?それはAと同じように、社会保険料を払い続けるのです。
2016年からパート労働者の社会保険に関する制度が変わります。次回はその点について少し解説します。なんとなく見過ごして生きればストレスは少ないかもしれませんが、人権には敏感にならないと、とは思っています。では、今日はここまで。

セクハラ裁判&伝統ー共通するものがある!

BSNHKで、イザベラバードの番組を見ながらパソコンに向かっています。(それから早や一週間経ってしまいました。なにしてたんや!!)

≪イザベラ・バードは、イギリス・ヨークシャー出身。1878年(明治11年)6月から9月にかけて、東京を起点に日光から新潟へ抜け、日本海側から北海道に至る北日本を旅し(連れは通訳の日本人男性1名のみ)、また10月から神戸、京都、伊勢、大阪を訪ね、これらの体験を1880 "Unbeaten Tracks in Japan" 2巻にまとめた。第1巻は北日本旅行記、第2巻は関西方面の記録。≫(wikipediaより)


私は余程ひねくれているのかな?って思いながら見ていました。イザベラ・バードが旅した頃の日本を、今の日本に訪ねる番組です。いわゆる温故知新かな?江戸時代の風習が今でも大切に伝承されている滋賀県甲賀市水口町北内貴の「十人組」を紹介していました。集落のこの十人の長老が年24回の行事を執り行いっていくことで、伝統行事が継承されています。それ自体に文句はありません。しかしなのです。この長老が全部男性で、どうもこの集落は長男がその任を受け継いでいるようです。で、年24回の下支えは誰かって?勿論女性です。行事の後の宴会のために女性が待機しています。「大変でしょう」との取材人の問いかけに曖昧な表情の女性の顔。そりゃ言い難いでしょう。女性に人権のなかった時代の行事をそのまま伝承することが、伝統を守るということなのでしょうか。厳しいイスラム原理主義の下、頭からすっぱりと全身を覆うブルカを着なければならない女性たちを「気の毒」って思っている日本の女性も大差ないかもしれません。


さて、本題です。
衝撃的な判決でした。まさかの敗訴です。判決の内容は下記に記した動画サイトで語られています。

事件は以下です。この記事はACW2(働く女性の全国センター)のHPから採りました。


≪就職氷河期、社長と店長による、アルバイト中の就職内定者である学生へのセクハラ≫ 

1. 概要 (原告より)
2007
4月、私は株式会社銀蔵に内定しました。就職難の中、私は大好きなバッグやジュエリーにかかわる仕事、そしてバイヤーを目指したいという夢で、この会社に内定できて、とても嬉しく、頑張りたい気持ちでいっぱいだった。20078月下旬、人事より連絡があり、秋に関西初進出するので、私に卒業まではアルバイトとして一緒に行かないかということだった。行くか、行かないか、を一週間で決めろと言われた。既に私は大学の卒業に必要な単位は取り終えていた。関西初進出の新店舗のオープンから携われるなんて滅多にないことで、バイヤーを目指すのにいいチャンスだと思い、大阪行きを決意した。200710月大阪・心斎橋に引っ越して正社員と同じように勤務していた。働き始めて約1カ月半経った頃、社長からのセクハラに遭い、その5日後今度は店長からセクハラに遭ってしまった。突然のことで、しかも短い期間で2人からセクハラに遭うなんて…社長と店長はグルなのかもしれないと思った。それが複数回続いた。どうしたらよいか分からず、結局体調を崩していき、20083月に退社の決意をしました。セクハラがあったことを会社側に伝えると、生活費やなどは私が社会復帰できるまで補償する、医療費も支払うということで、正式に退社をしたが、会社側は全く約束を守りませんでした。現在私はPTSDによって働くこともできず、毎日、頭痛や胃痛、身体の痛みなど様々な症状に耐えながら生活しています。この苦しみは、被告にはわからないだろうと思うと本当に憤りを感じます。

2.裁判の状況
2010
3月訴訟を起こしてから、1年半以上が経ちました。証拠書類は、原告側は約40ページもの陳述書以外にもいくつか提出していますが、被告側はほんの数ページの陳述書のみです。20116月と7月に行われた証人尋問では、被告は「覚えていない」「記憶にない」ばかり。それどころか、「男だったらヤルでしょう」というようなとんでもない発言や、法廷で声を上げるなど、ひどい様子でした。


彼女は勇気があります。実名も顔も出しています。しかし、この記者会見で「もう生きていたくない」とも言っています。司法の判断は、「イヤなら逃げ出せばいい」から一歩もでていません。このタイトルにもあるように、正社員の職に就ける女性がどれだけいるでしょうか。多くに非正規の労働者が、「次回は更新しない」と使用者に言われるのではないか、正社員も「クビ」と言われるのではないかと戦々恐々の中で、権利を主張しないで働いています。

裁判官って、どういう思考の人なのか分かりませんが、冒頭に書いたことと相通じるものがあると思いませんか?

http://www.ustream.tv/recorded/20175988

ではきょうはここまで

龍谷大学助手雇い止め裁判の和解内容&相変わらずの権力構造

意識は変わりませんなぁ〜!

今、TVで「ガイアの夜明け」を見つつ、このブログを書いていますが、感想はこれですね。

軽自動車に特化して売り出そうとしているホンダと、女性の方が軽自動車を購入するのが多いという定説(疑問もありますが…)に基づき、一足先に改革を進めているスズキの戦略が内容です。

「これからは女性をターゲットにする」という、ホンダの全国販売店店長の戦略会議の光景もありましたが、多分99%は男性。国内軽自動車の販売戦略トップを先頭に、店内改装を相談している光景も男性ばかり。もし、TVに写っていない場面に女性が沢山活躍していたら、どうかホンダやスズキのトップの方々、利用するだけでなく、登用してくださいね。


同じ視点で、もう一点。今日の朝刊
(朝日)の≪原発国家≫の記事のショッキングな見出し。

≪女を恐れた原子力村≫「理論的に話してもわからないし、純情そのもので『こどもを守ろう』というようなことだけですから、かえって怖い」。この文の主語は女性で、これを語ったのは86年のチェルノブイリ原発事故当時の科学技術庁原子力局長・原子力委員であった島村武久さんです。


書き出したら止まらない内容ですが、「女性は感情的に動くことを前提に消費者行動を考えるべし」との記述のあった高校の商業科目の教科書。以前にも書きましたが、オーストリアハプスブルグ家当主のマリア・テレジア
(神聖ローマ帝国共同統治者)を紹介する高校世界史資料集にも彼女に関する説明文は『16人の子どもを産む』という、為政者よりも性に重きをおいた内容だったし、その娘マリー・アントワネットも「美貌だが軽薄」という説明でした。同じ構図ですね。
いや〜!日本はどれだけ沢山の人が犠牲になっても変わりませんなぁ〜!男とか女とかではなく、人権に疎いだけの問題だと思うし、疎いことに男性が多いのなら、とても可哀想な境遇なのです。


さて、今日の本題です。

私が事務担当をしていた龍谷大学特任助手(有期)雇止め裁判の「和解報告」の続きです。前回、弁護団の声明を載せました。何の語句にひっかかるって?私は以下です。

今回の和解内容は、雇用期間が1年にとどまるとはいえ、本件のような非正規雇用の地位確認請求訴訟、特に、初回更新時の更新拒否事案において、使用者側に雇い止めを撤回させ、事実上の「職場復帰」を実現させる内容の和解が成立したことは、非正規労働者に対して厳しい司法判断が続いたり、勝訴判決を得ても金銭解決にとどまり職場復帰を果たせない事例も多いなかで、画期的といえます。

問題点をまとめると

*有期雇用における更新は、効力を持たない。特に初回で雇い止めされたら勝ち目はない。

*雇止めが撤回されたとしても、職場に復帰するのは容易ではない。

*雇止めの理由は特に問題ではない。(嶋田さんは、次回の更新がないと告げられたとき、「あなたに問題がある訳ではない」と告げられています。「仕事の引継ぎをしてください」とも。これって職場は存続しているという意味です。裁判が進むにつれて、嶋田さんの働き方にこそ問題があったのだと変化してきました。)


弁護士のお一人が言ってました。「裁判の経過とともに当局の雇い止めの理由が変化してきた
(上述の三つ目)。こういう場合、職場の同僚の証言「原告の働き方や性格に問題があります」を出して、解雇は原告本人に問題があると変化するものだが、この裁判に関しては同僚からの証言がなかった。稀なケースでした」と。

中国電力で現在係争中の長迫さんも、会社側から「昇進できないのは、彼女に協調性がなく特異体質だからだ」と言い、「そうだ、そうだ」の同僚の陳述を出してきています。以前に書いた「豊中女性センター館長雇い止め」裁判でも、原告の三井マリ子さんへの激しい人格攻撃がなされました。

圧倒的な権力と資金と証拠を持つ企業はいくらでも証拠を捏造し、同僚を裏切らせることができます。「裁判は公平・平等」という理念は、こと労働問題においては全くの絵空事です。(原発も同じ!)

では今日はここまで。

龍谷大学経済学部助手(有期)雇い止め裁判&リバーベンドブログ

今年もお付き合いください。

4日は仕事始め。東日本大震災の東北各県の県庁の「仕事始め」の様子が放映されました。壇上の知事の前に陣取る幹部クラスは男性ばかり。年度途中だからと大目に見てあげますが、来年度女性に地位を半分譲ってくださいね。2012年も「脱原発と女性の登用」を言い続けます。
また、昨年のこの時期に疑問に思った「証券取引所の大発会に着物姿で写っている女性たちの着物代&着付け代&美容院代は誰が負担しているの?」のブログにコメントを頂きました。そうか、派遣の女性もいるんだぁ〜!(コメント欄の一番上)

突然ですが、TPPについてどう考えますか?「賛成それとも反対」。近所のJAバンクには、「反対!はんた〜い!」の幟がに所狭しとなびいています。

分からないまま新聞や本を読んでますが、賛成派の言うことに「なるほど」と心動き、反対派の言うことにも「なるほど」と、考えが定まりませんでした。ところが直接TPPに関係のない『バグダッドバーニング機Ν供を読んで、考えが定まりました。TPPは、グローバル経済で恩恵を受け、もっともっと富が欲しい人たちの戦略の一つであると考えたら分かりやすいようです。それが経済用語で「グローバル経済」「爛熟した資本主義(これはわたしの造語)」と呼ばれようともです。『バクダッドバーニング』は、経済の本ではありません。イラクの首都バクダッドに住む女性のブログです。リバーベンドはハンドルネームです。日本語にも訳されています。本を購入しなくてもネットで読むことができます。このサイトの「日本語訳」をクリック。
http://www.geocities.jp/riverbendblog/

2007年が最新版です。それまでの分は右側に過去のログがあります。「最新版なのに、なぜ2007年までなの?」と疑問を持ちますよね。そうなんです。彼女の現在の消息は分かりません。シリアに2007年に逃れ、その後のブログは途絶えています。昨年は「中東の春」と言われたように、エジプトのムバラクやリビアのカダフィが長期政権の座から引きずり下ろされました。しかし、彼女の逃れたシリアは今、政府軍と反政府市民とが内戦状態です。アサド大統領は強硬派で、市民の血がたくさん流されています。難民となって逃げ込んだイラク人の生きる道はあるのでしょうか?


2011
年にアメリカはイラクから完全撤退しましたが、今もほぼ毎日爆弾で死傷者の出ているイラク。リーバベンドのブログを読めば、占領下で生きるということがどういうことかよく分かります。そしてアメリカが何を目的にイラクに侵攻したかも。こういう一人ひとりの発する言葉にこそ真実が書かれていると思いました。そういう意味では、昨年311日の地震・津波も福島原発も、ジャーナリストや研究者が書くだけでなく、体験した一人ひとりが書いて残しておかなければならないことです。私のブログも、そういう点では意味あるのかもしれません。


新年早々の話題は、私が約2年間応援していた裁判の報告です。原告は研究者で友人です。記者発表した弁護団の声明を先に読んでください。ここまでで十分長い文章になったので、解説は次回に回します。

経済学部和解解決のご報告
20111226
京都地裁に係属していた、嶋田ミカを原告、学校法人龍谷大学を被告とする地位確認等請求事件につき、1222日、両者間で和解が成立いたしました。
本件は、龍谷大学経済学部サービスラーニングセンターの助手として3年の期限付きで雇用された原告が、1回目の更新時に雇い止めされたため、少なくとも1回については更新されるはずであった旨を主張して、地位確認等を請求した事件です。
和解の具体的内容は、被告が雇い止めの意思表示を撤回するとともに、原契約を合意解約したうえ、原告を新たに1年間、龍谷大学アフラシア多文化社会研究センターで雇用するというものです。
本件においては、昨年7月の提訴以降、計7回の口頭弁論を重ね、審理が続いておりましたが、本年10月中旬より、予定されていた証人尋問の実施をいったん延期し、原被告間で和解に向けた協議を重ねてきたものであります。
今回の和解内容は、雇用期間が1年にとどまるとはいえ、本件のような非正規雇用の地位確認請求訴訟、特に、初回更新時の更新拒否事案において、使用者側に雇い止めを撤回させ、事実上の「職場復帰」を実現させる内容の和解が成立したことは、非正規労働者に対して厳しい司法判断が続いたり、勝訴判決を得ても金銭解決にとどまり職場復帰を果たせない事例も多いなかで、画期的といえます。
雇用期間が1年に限られることに関しては、原告の思いを最大限満足させる内容とは必ずしも言えません。しかし、原告としては、「職場復帰」を果たすことが何よりも重要であると考え、また、少なくない関係者の方々が、原告の訴えを重く受け止め、その解決の方向性を真剣に考えてくださっているとも感じましたので、ここに和解を受け入れる決断をしました。
原告はこれまで、雇い止めされる前から、龍谷大学教職員組合、「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」をはじめ、多くの方々の支援に支えられてきました。今日の和解解決も、支援者のみなさまのお力添えによるものと、深く感謝しております。
以上原告嶋田ミカ、原告弁護団

今日はここまで

中国電力男女賃金裁判報告2

年末の駆け込みブログです。原発事故、例えば朝日朝刊の「プロメテウスの罠」、夕刊の「原発とメディア」が報じる事実。私の知らなかったことばかり。毎日の中で、これも書こう、あれも書こうと思うのですが、余りにも目まぐるしく、衝撃的なことがらに、書くべきことの優先度が決められず、何も書かないままに過ぎていきます。(「単に物忘れやんか」という声もあり。)

 武器輸出三原則の緩和、八ツ場ダム・整備新幹線工事の再開のニュースで、心底民主党には呆れ果てます。民主党が政権の座についてから、弱者の側に少しは寄り添った法律、例えば労働者派遣法や、女性差別撤廃条約選択議定書批准、男女平等法等々、頑張れば成立するチャンスであったものがどんどん遠ざかって行きます。
原発事故の教訓も早やくもどこへやら。財界は原発存続を公然と言い出しています。福井にある大飯原発の運転再開の反対のネット署名をこのサイトでできます。もし福井で原発事故が起きたら、周辺府県の放射能による土壌汚染の状況等が図示されていますので、アクセスしてみてください。

http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/ooi_signature/ooi_signature1201_1.htm

 

中国電力男女賃金差別事件の裁判傍聴の報告です。

一審は惨敗という感じの判決。弁護士を変えての控訴審。三回目の1215日、東京、関西からも応援団が駆けつけて、傍聴席は満員。裁判を傍聴する機会は、日常殆どありませんが、傍聴した人なら立ち見はお断りというのが普通であると知っています。ところが、後ろで立っている人が数人いるにも関わらず、裁判官は何も言いませんでした。傍聴の終った後の参加者の第一声の声は「立ち見OKやった」でした。

二審(控訴審)では、一審と異なる争点を長迫さん側が出しました。一審で争って、納得ができないから控訴するのであるから、一審と異なる争点を出すことは原則駄目なのです。で、当然裁判官は「なぜ」と聞きます。以下、長迫さん(控訴人)弁護団の解説です。
 一審の原告の弁護士は、男女の昇格差別を根拠として、職能等級についての地位確認請求と慰謝料請求だけをしていて、賃金についての損害賠償請求をしていませんでした。しかし、賃金の損害賠償請求こそが重要であるとした、控訴審の弁護団は「訴えの追加的変更申立書」と「文書提出命令申立書」を提出。「訴えの追加的変更申立書」は、一審での請求(地位確認と慰謝料請求)に追加して、差額賃金についての損害賠償請求を求めるもの、「文書提出命令申立書」は、賃金差別の実態を明らかにするために、長迫さんと同じ昭和56
年採用の事務系男女社員の賃金台帳の提出を求めるものです。
会社はこれに対して、長迫さんの一審の弁護士は、差額賃金について損害賠償請求をしないことを明らかにしていたのに、控訴審になって、それを請求するのは許されないとの反論を行なっていました。
しかしこの日の法廷で、控訴人弁護士が言うところの、「昇格差別と賃金差別は、ともに請求の根拠は男女差別であって重なっている」との見解を裁判長は受け入れました。
裁判長は、「訴えの追加的変更の申立」と「文書提出命令申立」について、双方の意見をもう少し聞いてから判断したいと表明し、裁判は終了。その後、裁判長は、進行協議に切り替えて、双方から話を聞きたいと提案。急遽、別室で、裁判官3名、双方弁護士、長迫さんが参加して、協議が始まりました。
裁判長は、訴えの追加的変更が許されるかどうかは、「訴訟を著しく遅延させるか」がポイントであるとし、遅延させないのであれば、訴えの追加的変更も許されるとの立場を明らかにしました。
裁判長は、会社が賃金について、データー処理を行なっているかどうか、データー処理を行なっているのであれば、簡単に出せるのではないかと、会社の弁護士に対して質問。 賃金のデーター処理がなされていて、簡単に出せるのであれば、訴訟を何ら遅延させることにならず、訴えの追加的変更が許されるからです。会社の代理人は明言を避け、
次回2月1日も、引き続き進行協議期日と指定されました。
次回期日に、会社が、裁判長の質問に対して、どのような回答を行なってくるのか、その結果如何によっては、訴えの追加的変更が許されるかどうか、また文書提出命令が認められるかどうかについて、裁判所が、判断を下すことになるかも知れません。
控訴審の弁護団は、賃金差別の実態に踏み込む審理がなされるかどうかが、控訴審の重要なポイントとして位置づけていました。その一歩手前まで迫ることができました。


 
分かりましたか?控訴審は争点を変更するなどということは認めないのです。新たな証拠や事実が出てこない限り、最初に控訴人の意見陳述があって、2回目に双方の弁護士が意見を述べて、3回目は結審、4回目判決が普通です。3回ということもあります。証人尋問なんかがあったら珍しいというところです。1回目の裁判のときに、裁判長が「次回結審」と言わないか、はらはらした記憶があります。裁判が続けば、少しは望みを持てます。


賃金はとっくにデーター化されています。中国電力でも、自分のパスワードを入力すれば、遡って賃金を見ることができるそうです。会社側が「古いデーターはない」と言うならば、厚生年金のデーターがあるはずだと、裁判の後の集会に参加していた中国電力のOBが発言されました。会社側は「手作業で賃金表を作るので、時間がかかる。よって、裁判が遅延する」とは言えないでしょう。いくら世事に疎い裁判官でも「そうなんですか」と納得はしないでしょう。控訴審にしては珍しい進行でした。
では今日はここまで。大晦日になってしまいました。また来年、このブログに来てください

川島織物セルコン男女賃金差別訴訟(続編)

川島織物セルコン男女賃金差別訴訟の続きです。
提訴から2年間、ずっと書面の遣り取りでした。「裁判が始まったら傍聴和に行くからね」と原告の松田さんに言っていたのですが、突然和解のメールが回ってきました。原告側の宮地弁護士の解説を要約します。宮地弁護士は94日で紹介した中国電力男女賃金差別事件の二審の弁護士のお一人でもあります。原告の側に寄り添うことの出来る感性豊かな弁護士です。


要約

被告の会社側の主張

・原告と男性営業職とは業務内容が異なる。扱う商材が違う。男性は、大型商業施設に対する責任施工取引を担当していたが、原告はそのような取引を担当していない。


原告側の反論&判明したこと
・上記いずれの理由も、会社の男女異なる取扱いを、さらに浮き彫りにするものではあっても、松田さんへの賃金差別を合理化するものではない。
・原告は、入社時は事務職であったが、数ヶ月後から営業に従事するようになり、以来、男性と同様の営業職に従事してきた。しかし男性はすべて総合職であるが、原告は地域限定職である。

・会社は、原告が主任に昇任しなかったのは、原告の年間査定が、C上を超えたことがないからだとしていたが、原告の比較対象の男性は、年間査定がC上でも主任に昇任している。


和解をする上での問題点
・ 裁判所は、男女差別が存在したことを前提に和解協議を進行させたが、原告にとって困難な課題は、原告が入社した当時の会社が、社員が十数人の小さな会社であり、その後、他社との合併で全体の規模は大きくなったもの、原告と社歴が同じで、年齢・勤続年数がほぼ等しい男性社員というと、たった1名に絞り込まれてしまい、いわゆる男女差別の大量観察ができないという点。


和解内容

この1名の男性との過去10年間の差額賃金の総額は、約800万円。和解解決の水準は、この約半分の450万円を支払わせたことになる。


和解における原告側の問題点

・比較対象者が1名しかおらず、男女の賃金についての大量観察ができないという点。
・判決になれば時効という問題も出てくる可能性があった。


松田さんが和解を受け入れた最大の要因はなんだったと思いますか?原告の松田さんの言葉です。前回に「松田さんを全否定」した会社側の言い分を書きました。ずっと営業の仕事に従事し、男性と同じように深夜勤もこなし、顧客の信頼を得てきた松田さんに対し「あなたは幽霊です」と言ったも同然の言葉でした。


和解を受け入れるか、判決までいくべきか、ずいぶん悩みましたが裁判官の「これまで提出されている書面から、松田さんが男性と同等の営業の仕事をしてこられた事が見て取れる。」という発言があり、この一言が和解を受け入れた大きな要因でもあります。

では今日はここまで。

川島織物セルコン男女賃金差別訴訟&ジェンダーギャップ

今冬の寒さは厳しいそうです。南半球のラニーニャ現象の影響だとか。TPPに参加すべきか否かも日本の思惑を超えたところの要因で決まるのでしょう。「TPPは純粋な貿易問題ではない」(朝日新聞20111113日朝刊)とありますが、今読んでいる『バクダッド・バーニング、イラク女性の占領日記』(アートン2004)からも、アメリカがイラクを攻撃した真の意図が見て取れます。これについは、またどこかで紹介したいと思っています。


日本の女性の地位は相変わらず最低です。次の文は「ギャップ」についてです。即ち格差です。だから例えば経済で日本より豊かでない国でも、格差が小さければ上位です。

世界経済フォーラム(WEF)は、1012日、2010年のジェンダー・ギャップ指標の報告を公表しました。ジェンダー・ギャップ指標は経済、政治、健康、教育の4つの分野で男女間の格差を表したものです。経済の分野では、参加、報酬、昇進などの格差、教育では、初等、中等、高等教育における格差、健康では、出生児の男女比、平均寿命の差、政治の分野では政治的な意思決定の場における男女の格差が取りあげられています。


1
位のアイスランドから7位のデンマークまでは09年と変わらず、上位を主に北欧諸国が占めました。世界的に見て、健康と教育の分野での格差は縮小していますが、政治と経済の分野の格差の縮小が進んでいないことが指摘されています。
日本は、09年の報告では、75位とされていましたが、後に101位に修正されました。10年には、94とわずかに上昇しています。報告は、経済の分野で女性の報酬にわずかな増加があったこと、国会議員の数の増加などを理由にあげています。一方、日本と104位の韓国がOECD諸国の中で最も低いことも指摘しています。

アジアでは、フィリピンが9位と09年と変わらず、スリランカが16位でした。他の地域では、フランスが、閣僚の女性の割合の低下など政治の分野での格差の拡大により、18位から46位と大きく後退し、一方、米国が経済や政治の分野での参加の拡大、教育での格差の縮小などにより31位から19位に上がり、この指標が2006年に始まって以来、初めて上位20位に入りました。
出所:The Global Gender Gap Report 2010 (WEF) 
http://www.weforum.org/en/Communities/Women%20Leaders%20and%20Gender%20Parity/GenderGapNetwork/index.htm



この情報は私が参加しているWWNのMLから得ました。上記のサイトは「ヒューライツ大阪(財団法人アジア・太平洋人権情報センター)がHPに載せたものです。これに対し、


日本で順位が低いのはいつもの事ですが韓国が107位というのは納得できない気がします。その理由は 東洋経済「女性はなぜ出世しないのか」1015号で、韓国では外交官試験で女性合格者は60%、国家公務員試験、司法試験合格者は50%に迫る勢い。(2010年)と書かれているのです。1996年公務員でのポジティブ・アクションが導入され女性採用枠が高められたとあります。結果が出るのはこれからなのでしょうか。 ともかく数年先の韓国と日本の違いは歴然としたものになりそうです。】という投稿がありました。

日本の女性の状況を最も知らないのが、当の日本の女性だと思います。その典型的な裁判の和解の報告をします。
原告の松田さんは、結構有名な会社<川島織物セルコン>で営業の仕事をしてこられました。川島織物セルコンの壁紙は最高裁の法廷にも貼られているそうです。先日京都のデパートの呉服売り場で見た高価な帯は川島織物の製品でした。原告の松田さんが最初に働いたのは内装工事の会社で、小さな会社でした。現在の社名は川島織物セルコンですが、吸収合併されて現在の社名になりました。最初の34ヶ月は事務の仕事でしたが、その後は社内でただ一人の女性営業職として男性の営業職と同等の職務についてきました。松田さんが賃金に疑問を持ったのは、この会社が現在の川島織物セルコンに吸収合併されるに当たり、人事制度の見直しをしたからです。松田さんの賃金ランクは、入社12年の男性社員のランクでした。また退職金制度の廃止にあたって示された退職金は勤続17年で、 2,468900円という低額でした。彼女は悩んだ結果、平成2039日、人事部長に説明を求めました。人事部長は彼女の賃金について「総合職と地域限定に分かれていまして、女性の場合は地域限定職、いわゆる一般事務の方がそうです。だから松田さんの場合、一般事務職の賃金です」と答えました。また、松田さんが「私は営業職です」と言うと、人事部長は「女性の営業職はありませんし、女性の営業もいません」と回答し、その後の社長との直談判でも退職金が低いことを含めて人事部長と同じ回答でした。(松田さんの仕事を全否定しています。)


その後の執拗な退職勧奨に松田さんは「会社は、
私が辞めるというまで退職勧奨は続くと言いました。合併しても何ら変わらず、もはやこの組織の中では何を言っても無駄なんだと思い知らされると同時に、権力の前にあまりにも無力である自分が一人で立ち向かうことの困難さに、退職勧奨を受け入れ退職しました。もうこれ以上、何も失うものなどないと思うに至り、裁判という選択をしました。」と語っています。

長くなったので、中断します。和解内容は次のブログで見てください。

では、きょうはここまで。

中国電力第一回控訴審報告

中国電力男女賃金差別裁判の控訴審の報告をします。

8月29日、前日から出発していた人たちが朝から中国電力前でビラ撒きをしていたので、そこへ合流するべく、広島駅からすぐにタクシーで、と思ったら、「広島電鉄」の電車を駅前で発見!非正規の社員を全員正規の社員にした、日本では稀な企業です。敬意を表さずして広島を去ることはできません。で、乗車しました。150円也。車中で、降りる駅を隣に座った女性に確認、ついでに世間話、そのついでに「何しに広島へ来たか」も話しておきました。家族に中国電力勤務の方がいたかもしれません。

朝に撒いたビラはほぼ受け取ってもらえたそうです。お昼に再度、今度は裁判所前で撒きました。警備員がうろうろ、裁判所中へご注進に。「裁判所の敷地には入っていませんよ〜だ」。ここは人通り少なく、太陽は容赦なく照りつけ、木陰を探してのビラ撒きとなりました。1時半から開廷。控訴人と弁護士を中心に法廷へ入る姿は、夕方の朝日放送で3分間ほど放送されました。

(朝と昼のビラ撒きの間に、原爆資料館と、暑さを避ける目的で本川から太田川へ約20分間、すいすい号という9人乗りの真ん丸い船に乗りました。操縦兼ガイドは若い女性でした。下船のとき「正社員ですか」と質問。「いいえ。でも短時間の方がいいので」との回答。短時間でも正規があるべき働き方なのですが…)

いよいよ控訴審が始まりました。40人の法廷で、10人くらい入れなかったそうです。当初予定していた法廷から大きい法廷に変わったのは、78人もの弁護士が名を連ねたからだと思いました。そのいきさつをちょっと紹介します。

懸命に仕事をしてきたことが認められず、一審でのまさかの敗訴に、長迫さんは悶々とした日を送りました。眠れぬままパソコンに向かい「男女賃金差別」で検索したところ、WWN(前回のブログにも出てきています。)のHPを見付けます。メールをしたらすぐに返事が来て、「詳しいことを聞きたいから大阪へ来て」の誘い。大阪で控訴審の主任弁護士となる宮地光子さんと会います。宮地さんは住友電工・化学・金属、京ガスを初めとした男女賃金差別裁判を数多く手がけられた有能な弁護士です。宮地弁護士の呼びかけや、長迫さんが男女賃金差別裁判にかかわった弁護士たちの会議に赴き、直接訴えたこともあり、78人もの弁護団が結成されました。29日の控訴審には10名程の弁護士が法廷に入りました。その中には、中野麻美弁護士の姿もありました。中野弁護士は『労働ダンピング〜雇用の多様化の果てに』(岩波新書)の著者です。宮地さんと中野さんが組む最初の裁判です。


裁判後、弁護士から「一審と控訴審での訴えは何が異なるのか」を解説して頂きました。法的なことはすぐには理解できませんでしたが、帰宅後宮地弁護士から解説のメールを配信して頂きました。そこから引用します。


一審での争点

原告
・昇格における男女差別は違法である。

・長迫さんが受けてきた嫌がらせ(転勤の不当拒否・セクハラ通告の情報漏洩・挨拶に関する嫌がらせ・仕事面での嫌がらせなど)は不法行為である。

以上から、慰謝料を請求する。

会社側
原告が昇進しないのは、評価が低いこと。その理由は「女性差別の問題ではなく、極めて特異な個体事情を有する、原告固有の問題である」。14年前の社内の調査の結果データーによれば「女性社員は出世を望んでいない。よって、原告を不当に差別したのではない」。


これらの会社側の主張を裁判官は全面的に採用したのでした。

(「得意な固体事情」凄い表現ですね。一瞬DNAの問題かと思ってしまいました。長迫さんは営業成績が良いので会社から表彰されています。会社側は彼女には協調性がないとも言っています。グループで取り組んだプロジェクト等、長迫さんに協調性がなければとても成功できなかった事例等の証拠は沢山あります。その一例として、退職した元同僚が、親切にしてもらったことへのお礼のメールを出しているのですが、それに対しては会社側は「社交辞令」と言いました。)

控訴審の争点

控訴人(一審は原告、高裁では控訴人)
長迫さんが受けてきた嫌がらせの主張はわかりにくい面があるため、控訴審では、昇給・昇格における男女差別の違法性の問題に焦点を絞る。
一審では、賃金の実態が全く審理の対象になっておらず、差額賃金の請求も行なわずに、慰謝料の請求だけだったのを、会社からの賃金実態の開示を求め、その結果で、差額賃金を損害として請求する予定である。

(会社側がどんな賃金表を出してくるか分からないので、それによって判断するという意味で「予定」…嶋川注)


会社
中国電力の男女賃金格差は、世間よりはまし。
控訴人
仮にそうならば、会社は賃金の実態を出さなければならない。会社側が主張するように、「中国電力の男女賃金格差は、世間よりはまし」であっても、格差は少なければそれでいいというものではなく、不合理な差別は、わずかであっても許すことのできないものである。

一審と控訴理由が変わったことを、宮地弁護士は裁判官に丁寧に説明されました。控訴審の審議回数は基本的に少なく、一審の証拠以上の証拠、証人調べはなされないことも多々あり、「次回結審」といわれることもあります。「次回は10月27日」との裁判長の言葉に、審議は続くと、この点だけは一同やれやれの思いでした。


そうそう2人の女性が入閣しました。でもまだまだです。最近叫んでいないので久し振りに。
☆脱原発&☆女性の登用を」
では、今日はここまで。




 


 


 

硬直した業界と闘う女性ー男女賃金差別裁判の概要

ダラダラと数日かかって書いています。以下☆から下は1時間前に書いた分。今、「え〜!東電、電気余っているのぉ?関西へ融通する」って社長がTVで発言。
下に書いたように本当に何も情報を明らかにしない企業ですね。さて、以下の部分です。


☆菅首相の支持率が
16%、民主党の支持率は下がり、自民党の支持率は上がったと報道されています。分かりませんね〜!原発を推し進めてきたのは自民党でしょう。自民党から一度だって「福島原発事故」に関しての見解を聞いたことがありません。自民党が政権を再び執ったら、原発問題はうやむやにされて、再び原発推進の国になるだろうとの考えを、反原発の立場の人たちの講演会では聞きます。私は、今までの原発事故の情報隠し、データーの捏造から、反原発の人たちの意見の方に賛成です。菅さん、首相の寿命も短いことですから、この際小出しにしないではっきり言ったらどうですか、「反原発だ」と。相変わらずの与謝野さんですね。いくら原発推進の中曽根さんの手下だと言っても、将来を見通せる力はありませんね。経済界一辺倒です。原発は安全か安全ではないか、それぞれの立場の人は譲りません。(反原発の立場の人の方が説得力と論理性があるように思いますが…)。視点を変えて核燃料の処理の観点から議論してはどうでしょうか。こればかりは、両方の立場の人も「完全なる処理方法はない」ということで意見は一致するでしょう。何故、与謝野さんは原発にしがみつくのでしょうか。菅さんも即原発廃止とは言ってませんのにね。反原発の立場の人からすれば菅さんだってはっきりしない物言いだと思います。


電力総連
(電力会社で作る労働組合。組合員数22万人。民主党の強力な集票団体)は原発推進の立場を崩していません。ずっと以前にこのブログで埼玉大学名誉教授暉峻淑子(てるおかいつこ)さんが労働組合員に向かって話されたことを書きました。(2007年3月4日を読んでください)。最も民主的かつ人権を重んじるべき労組は企業同様、手に負えないマッチョな集団のようです。(セクハラで訴えられるかしら?)要は男性正社員こそが労働者であり、一家を支える稼ぎ手なのだとする思想に凝り固まった組織。だから当然、電力会社も男尊女卑。その電力会社を相手に、男女賃金差別を質して、裁判をしている女性と知り合いました。彼女の状況を説明します。企業名や名前は、彼女の許可を得てから出しますので、ここでは単に彼女、電力会社です。


彼女は入社以来30年、宿直もこなし、男性と同じように働いているにもかかわらず、未だに一般社員のままです。高校卒業から30年というと、このブログのきっかけとなった大商卒業生と同じくらいの年齢ですね。入社当初は、同期入社の男性が重要な仕事を割り当てられたのに対し、彼女はお茶くみ、コピーのような仕事と男性社員のサポート業務しか割り当てられませんでした。さらに、業務開始までに毎日、男性社員が当直で使用した布団のシーツ交換や残飯整理をやらなければなりませんでした。
(そうそう、女性は始業までに机を拭いたりお茶を用意したりしなければなりませんでした。今はどうでしょうか)。
会社で使用する車の運転も男性は入社当初から会社の経費で自動車学校に行くことが出来たのに対し、彼女は自費で免許証を取得し、入社10年目にして運転が許可されました。

賃金は勿論大きく男性と差がついています。最初は男女同じですが、入社10年目の昇給からは、昇給の早い順に並べると、男性の早いグループ→翌年に男性の遅いグループ→さらに翌年男性の遅いグループと女性の早いグループ→さらに翌年所女性の遅いグループ、の順です。

入社12年目から彼女は男性と同じ業務を行うようになります。さらに女性の深夜労働が認められると、彼女は当直業務も行い、台風等の停電事故時には男性と同じ業務をこなしました。今、彼女は同期入社した一番早く昇進した男性と11段階の差がついています。また、男性の二人に一人が管理職なのに対し、女性は二人だけで、後は全員一般職です。彼女は人事考課面接で管理職から「良くやってくれている」「期待している」と好評価をもらっているにも拘わらず、職能等級は上がらないのだそうです。彼女はこのような状況を変えるべく裁判を起こしましたが、一審は敗訴でした。「予想外の敗訴でした」と言ってましたが、そりゃそうでしょう。どう考えたって男女差別ですよね。でも判決では「(会社が14年前の労働者アンケート調査の結果を引用して)被告の女性社員の中には、就労するのは結婚出産等までという意識や、女性は家庭を守るべきであるという意識を有している者が少なからず存在することが窺われるところ、このような意識が労働意欲等に影響を与える結果、人事考課において評価が男性社員よりも低くなる女性社員がいる可能性も否定できない」としました。
(裁判官!女性差別撤廃委員会からの勧告を知っているのかぁ!!)


途方にくれた彼女は、今年
423日に東京で開催された男女賃金差別全国交流会を知り、そこで訴えました。その結果、日本の女性差別裁判のエキスパートともいうべき素晴らしく有能な女性弁護士が彼女の弁護をすることになりました。今、裁判は高裁に移りました。次の裁判は829日です。私の住む地からは少し遠いですが、応援に行くつもりです。これはその都度報告します。
では今日はここまで。

わからないこと

今回は「わからない」シリーズです。

エジプトで大統領辞任要求の運動が起こりました。そして、ついに2011211日ムバラクは辞任しました。チュニジアはジャスミン革命、エジプトは何と呼ばれるのでしょうか?連日のTVに、大統領の辞任を要求する人々が映し出されていました。その中に、少なからず女性がいるのを見て、このデモ隊の要求はホンマもので、成功するだろうと考えました。


イスラム教で分からないことの最大のものが、女性の立場です。イスラム教の創始者ムハンマドは、女性の権利を認めていた筈です。娘にも財産を残しています。ところが、サウジアラビアとかイエメンとかイランとかアフガニスタンとかでは、女性は表に出てきません。人口の半分を占める女性は発言せず、男性だけでものごとを決めるのは何かヘン!アフガニスタンのタリバンは「女性に教育は要らない」という立場です。イランとかは、女生徒を教えるのは女教師、女性の患者を看るのは女医と決まっているので、女性も職業を持って自立しているとしています。しかし、「日本の主婦は夫の給料を管理しているから強い」との論調とどこか似ているようにも思えます。

以前にも紹介しましたが、韓国ドキュメンタリー映画「外泊」のストライキは
500日以上にわたって行われました。この映画は、観る人によって様々なに受け止め方が出来ます。500日以上も続いたのは、主体が女性たちであったこと、スーパーマーケットを占拠して最初にしたことが「食事作り」だったことに私は注目しました。生活と行動が一致しています。エジプトの女性の姿を見て「この運動はホンマもんだ」と思ったのと同じ視点です。しかし、最大野党のムスリム同胞団は、女性が大統領になることを認めていないのだそうです。本格的な民主化はこれからですが、日本の状況もそう変わらないとも言えます。

なぜなら、政府の社会保障改革集中検討委員会のメンバーは全員が男性。人事を考えたのは、与謝野
国務大臣 
(経済財政政策担当・少子化対策・男女共同参画担当・社会保障・税一体改革担当)です。「女性の自立」を説いた与謝野晶子の孫とは到底思えない鈍感さ!というより、社会の半分を構成するもう片方の性の存在にすら気がついていない。無知は最大の罪です。委員には、以前「女性は子どもを生む機械だ」と言った柳沢元厚労大臣も入っています。こんな人に、日本の将来のことを託したくありません。


わからないこと。子ども手当ては「ばらまきなの?」

マスコミは野党がばらまきと言うのをそのまま報道しています。というより、同調しているようにもみえます。「子ども手当て」は、女性が経済的に自立するための第一歩だと私は思っているから、「ばらまき」の意味が分かりません。先進国はもっと手厚く実施しているではありませんか。反対する理由に地方自治体の負担があるとするなら、「全額国費で」と言えばいいのです。まだ小額ですが、経済的に自立できないからDVの夫の元から逃げられないとか、シングルで子どもを育てている女性とかには役に立っているはずです。子ども手当てと同時に、以前の累進課税率の復活とか、第三号被扶養者の扶養控除とか、国民年金第3号被保険者制度の廃止とかを同時進行し、どういう生き方を選ぶにせよ、女性が自立できるようにするのが重要で、子ども手当てはその最初の一歩だと思うからです。「子ども手当てよりも保育所を」という政府の代弁者のような論調よりも、「子ども手当ても保育所も」と、なぜ野党もマスコミも言わないのかしら?他に節約するところあると思いますが。


長くなるのでこれで最後にしますが、寺島実郎さんの講演を聞きに行って来ました。寺島さんは条件付でTPP賛成(「仕方ないなぁ」という感じ)、以前書いた浜矩子さんは反対でした。これもわからないですね。

浜さんの宿題は、寺島さんの講演内容と併せて次回書きます。「他に節約」のヒントを講演から貰いましたので。
では今日はここまで。

女性自衛官人権訴訟

決して日当たりが良いとはいえない東南に窓のある部屋の温度は、午後3時半現在、34.8度。扇風機の風を支えに、何とか入力の山場を越しました。

友人の訴訟の支援会の事務をしています。


直接、事務局のアドレスに「賛同人になります」と送信してくださる方法は、アドレスをそのまま支援会作製の名簿に貼り付ければいいのですが、原告が集会等に出向いて行く場合は、賛同人申し込み用紙に手書きしてもらうことになります。このアドレスを判読するのが結構難しいのです。ハイフォンなのかアンダーバーなのか、nなのかhなのか、nなのかmなのか、uなのかvなのか、
etc


お名前は悪筆
(失礼!)であっても、漢字や仮名ならなんとか解読できます。幼少の頃からアルファベットの世界で生きている人は、多分、私が漢字や仮名を判断するのと同じくらいアルファベットを解読できるのでしょう。育ってきた言語環境の存在は大なり…というところです。


この会は、
Web上で活動するので、そのアドレスに送信できないと困ります。あれこれ解読して送信し受信されたときの嬉しさ。逆に何度も「デリバリーできませんでした」と帰ってくると気持ちがひるみます。という訳で、まだ何人かの方とは連絡が取れていません。

 

卒業生の仕事紹介も取材できていないまま、ブログも開店休業状態です。

今回も私自身が取材してきたものではありませんが、セクシャルハラスメントについての判決があり、被告となって国が控訴を断念した事件の紹介をします。提訴当時は記事にもなったのですが、判決についての記事はどうだったでしょうか。何社か調べましたが、 次の二社がまだましかな?という感じです。二社を併せて読むと、少しだけ全体像がつかめます。「続きを読む」に入れました。


弁護団は札幌地裁の判決を以下のように評価しました。

・本日、女性自衛官に対する性暴力に関する国家賠償請求事件(女性自衛官人権訴訟)について、札幌地方裁判所民事第3部(橋詰均裁判長)は、原告の主張をほぼ全面的に認める勝訴判決を言い渡した。

1.被害者の言動を評価するにあたり、物理的強制の存否や程度といった外形的な事実に拘泥することなく、被害者の心理など実情を踏まえた丁寧な検討を行なった。具体的には、

? 被害者の供述の一部に変遷や不合理と思われる点があっても、「性的暴行の被害を思い出すことへの心理的抵抗が極めて強いこと」「共感をもって注意深く言い分に耳を傾けないと、客観的事実と異なる説明やもっとも恥ずかしい事実を伏せた説明をしてしまうことはままある」「本事件に関する原告からの事情聴取は、もっぱら男性上司や男性警務隊員によって行われており、原告が性的暴行を冷静に思い出したり、記憶を言葉で説明することができなかった可能性が高い」等と指摘した。


? 本件現場、組織の特性として、「隊内の規律統制維持のため隊員相互間の序列が一般社会とは比較にならないほど厳格で、上命下服の意識が徹底した組織」であることを明確に判断したうえで、原告が「上位者である加害者に逆らうことができない心境に陥ることが不自然ではないと判示した。


2.被害者に対する保護・援助の点では、職場の法的責任につき、?被害職員が心身の被害を回復できるよう配慮すべき義務(被害配慮義務)、?加害行為によって当該職員の勤務環境が不快となっている状態を改善する義務(環境調整義務)、?性的被害を訴える者がしばしば職場の厄介者として疎んじられさまざまな不利益を受けることがあるので、そのような不利益の発生を防止すべき義務(不利益防止義務)を負う、と事後の配慮義務について積極的かつ具体的な判断基準を示して、それに対する違反があったとしたと認定した。


3.慰謝料580万円が認容され、判決はその内訳を性暴力200万円、その後の保護・援助の不作為300万円とした。性暴力後の対応に多額の慰謝料を認めたことは、性被害の実態の捉え方(2次、3次被害の苦しみの大きさ)、被害者の所属する組織の責任の重大さを示した点で重要であり、賠償水準の引き上げにも寄与した。

 

セクハラ裁判は時間がかかるし、原告が二次被害にあうこともあって、ハードルの高い裁判です。原告となった女性が、よくぞ訴え出たとまずここから感服です。しかし、勝ったとはいえ何と賠償額の少ないことよ。


ここで思い出しました。確かアメリカのトヨタで、かなり地位の高い人がセクハラで訴えられ、巨額の賠償金を要求されたことを。早速調べてみました。ウイキペディアからの引用です。私の脳みそが覚えていたくらいだから、当時かなり記事になっていたはず。多分これに関して記事の内容に捏造はないと思います。今考えると、記事を抑えるのにトヨタはどれくらいお金を使ったか?も知りたいですね。


トヨタ自動車のアメリカ法人である北米トヨタ自動車の元社長秘書が、2005秋、同社の社長兼CEO(Chief Executive Officer、即ちトップということ)大高英昭から出張先のホテルの部屋や公園で体を触られるなどのセクハラ行為を受けたというものである。この元秘書は51ニューヨーク州地裁に、同社長と北米トヨタ、トヨタ自動車本社を相手取り、懲罰的損害賠償を含む総額19,000万ドル(当時の日本円換算で215億円)の支払いを求める訴訟を提起した。

同社長は訴訟を受けて、「裁判では全面的に嫌疑を晴らせると期待しているが、社長にとどまることは結果的に会社の利益にならないと判断した」としてまもなく辞任し(会社による事実上の更迭)、6月下旬に別の子会社のダイハツ工業関東自動車工業監査役への就任の内定も取り消された。訴訟自体は、同年84に非を認めた会社側と被害者の間で巨額の和解金により決着している。

(
巨額ってどれくらいの額なのでしょうか?えー、これって回りまわって、消費者が支払っている図ではないでしょうね!)

 

では、今日はここまで。

 

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有期雇用の友人が、理解できない理由で雇止めになりましたので、賛同人を募ります。

蒸し暑くなってきました。夜中にパソコンに張り付いています。主にエクセルを使って作業をしています。エクセルを使っていると、成績を付けていたことを思い出します。
「なんでそんなしんどいことをしたのか?」に対しては、「赤点を取らさないため」が最大の理由です。

どの科目でも小テストを毎回しました。受ける生徒も大変なら、問題を作って採点する側も大変で、双方が「大変」なら「止めたらいいのに」と今でも思います。

 

学期ごとの中間・期末試験ではギャンブル的要素もあります。当日体調が悪かったり、寝坊したりetcとか。小まめな小テストと配点の高い定期テスト。ホント、成績を付けるのは苦労したなぁ~
パソコンが普及してからは随分助かりました。
そんなことを考えながら、作業をしています。

なんでそんな作業をしているのか?そういう疑問をお持ちの方は、以下の嶋田ミカさんの雇用継続を求める会賛同人のお願い」を読んで、あなたも賛同人に名前を連ねてください。そう、最後まで読んでくれた人には、私の役割が分かりましたね。同じような、有期雇用の卒業生からメールが来ていますので、「続きを読む」に入れておきます。

2010623

 

「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」賛同人のお願い

             

「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」 

代表 田中宏

 

龍谷大学特別任用教員助手の嶋田ミカさんが、本年3月、「雇い止め」を通告されたことをご存知ですか。嶋田さんは20074月に経済学部サービス・ラーニングセンターに3年契約(一回更新可)の助手として採用されましたが、大学当局から何らの理由も明らかにされることなく、単に「期間終了」というのみで解雇されました。大学当局の行為は、とうてい納得のできるものではありません。

嶋田さんは民際学の研究者としての業績だけでなく、インドネシアの貧困女性を対象にマイクロ・クレジットを供与するという地道な活動も続けています。嶋田さんのこうした研究業績や実践がサービス・ラーニング・センター助手の仕事にも生かされたことはいうまでもありません。

龍谷大学は、建学の精神(浄土真宗の精神)に基づく、すべての「いのち」が平等に生かされる「共生(ともいき)」の理念を掲げています。「人間のポイ捨て」に等しい今回の雇い止めは、この建学の精神に合致しているとは思えません。

この間、嶋田さんは、龍谷大学教職員組合を通じて大学当局と交渉を続けてきましたが、大学当局の態度は全く変わりませんでした。嶋田さんは今回の雇い止めは、あまりに理不尽であると考え、やむなく、75日京都地方裁判所に提訴することにしました。

最近、多くの大学で所謂「高学歴ワーキングプア」と称される非正規の教員が増加し、理由なき有期雇用や「雇い止め」が横行しています。しかし、ほとんどの人が次の就職などを考え、泣き寝入りせざるを得ないという現状です。

この流れを止めるためにも自分が声をあげなければという嶋田さんの堅い決意に対して、私たちは「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」を発足させて、全力で支援していこうと考えています。嶋田さんの闘いを支えるために、この会の賛同人になっていただきますようお願い申し上げます。賛同していただける方は、「賛同人申し込みフォーム」にご記入の上、第一次締め切り7月3日までにメールかFAXで以下の事務局に送ってください。

 

嶋田さんの雇用継続を求める会

556-0022大阪市浪速区桜川2-13-15  外国人政策懇話会気付  

Tel&Fax: 06-7492-7166  

EMails.koyokeizoku@gmail.com  

事務局担当: 嶋川まき子 林真司  

呼び掛け人一覧              (6月23日現在、五十音順)

代表:田中宏(元龍谷大学経済学部特別任用教授・一橋大学名誉教授)

生田武志(野宿者ネットワーク代表)

井上昌哉(京都大学時間雇用職員組合ユニオンエクスタシー世話人)

小川恭平(京都大学時間雇用職員組合ユニオンエクスタシー世話人)

小川裕子(生活保護施設職員)

片山一義(札幌学院大学経済学部教員)

角岡賢一(龍谷大学経営学部教授)

北上田毅((特活)京都サマール友好協会理事長)

久場嬉子(元龍谷大学経済学部特別任用教授・東京学芸大学名誉教授)

竹中恵美子(元龍谷大学経済学部特別任用教授・大阪市立大学名誉教授)

戸村京子((特活)チェルノブイリ救援・中部理事)

中村尚司(龍谷大学研究フェロー・(特活)JIPPO専務理事)

春山文枝(多目的カフェかぜのね協同経営者・元京都精華大学人文学部准教授

古屋哲(大谷大学非常勤講師)

細川孝(学術人権ネットワーク事務局次長・龍谷大学経営学部教員)

丸山里美(立命館大学産業社会学部准教授)

宮田弘(京都市交通局職員)

望月太郎(大阪大学大学教育実践センター教授)

森石香織(看護師)

屋嘉比ふみ子(ペイ・エクイティ・コンサルティング・オフィス代表)

山崎淳子(元京都橘高等学校教

山根実紀(京都大学大学院教育学研究科院生

山原克二(ゼネラルユニオン委員長)

脇田滋(龍谷大学法学部教授)

嶋川まき子(元高等学校教員・女性卒業生のための労働相談室主宰)

林真司(外国人政策懇話会世話人)

 



賛同人申し込みフォーム

・お名前
・フリガナ
・所属
・肩書き
・メールアドレス
・住所〒
・電話
・お名前の公表:可(  )・不可(  )どちらかに○
・肩書きの公表:可(  )・不可(  )そちらかに○
・肩書き公表可の方は、公表のときの肩書きの名称:
 例肩書き府立△△高校教諭→大阪府立高校教員
・メール登録:可(  )・不可(  ) 裁判等の情報をお知らせします。どちらかに○

賛同団体申し込みフォーム
・団体名
・代表者
・所在地〒
・電話
・メールアドレス
・メール登録:可(  )・不可(  )どちらかに○











 

 

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いろんな仕事ー卒業生の仕事紹介3−訪問看護師

昨日電気や自動車などの大手製造業の春闘の一斉回答が出ました。ボーナスは要求を下回る回答が多かったようですが、定期昇給は昨年とは異なり実施との回答です。


世の中マネーが回らなければ、消費は伸びません。
夕方散歩へ行った帰りにちょっと買い物をしました。冷蔵庫の物を工夫すれば買う必要はないものでしたが、時給で働いている人の少しは役に立ったかもしれません。
誰か一人が10万円使うのではなく、100人が1000円使う世の中が求められていると思います。


この春闘の一斉回答に非正規労働者は含まれていません。
同一価値労働同一賃金とまではいいませんから、同一労働同一賃金でワークシェアリングのある社会にしなければいけませんね。


こんな記事を見ました。

トヨタの一般職採用ゼロー11年春入社、発足以来初(2010.03.10朝日新聞)

《事務を補助する業務職(一般職)の採用を見送った。〜中略〜業務職は、短大や専門学校を中心に多いときは300人以上、09年度も143人採用していた。》


事務補助とあるから多分女性の多い職でしょう。
兼松裁判で一般職(主に女性)と総合職(主に男性)の賃金格差に警鐘が鳴らされました。トヨタってまだこんな採用をしているのですね。裁判で負けた兼松は既にコース別採用を止めています。
(感心!カンシン!と早とちりするなかれ!もっと巧妙な、賃金差別が一見分からないような姑息な採用方法です。)

それにしても人員が補充されないとなれば、その仕事は誰がするのでしょうか?仕事量が大幅に減ったというのはあまり(というか、全然)聞かない話ですから、派遣とか契約社員で補充するのでしょうか。

前々回に兼松と三井物産の正社員の男女賃金差を紹介しましたが、トヨタの賃金体系はどうなっているのでしょうか。ネットで検索しましたが、分かりませんでした。


それにしてもトヨタの女性労働者の姿って見えてきませんね。事務系の補助なる業務職と、いわゆる総合職との差はどれくらいでしょうか。コース別を女性たちはどう思っているのでしょうか?でも裁判は起きていないようですね。
今、卒業生の仕事について、聞き取りをしています。トヨタで働く女性の実態も知りたいです。

 

では今回は「訪問看護」をしている卒業生の紹介です。

高校を卒業して3年間看護師専門学校へ、高校卒業後18年です。

☆現在の訪問看護をする前は、総合病院で正規の看護師として働いていました。

その内訳は全て病棟勤務です。よって三交代勤務をこなしてきました。

外科病棟6年。新生児集中治療室 NICU2年。内科2年。療養病棟2年。

この間、産休・育休を2年間取得。


勤務時間は日勤
8:3017:10、準夜勤16:000:50、深夜勤0:508:30

辞める時の年総支給額(夜勤手当・ボーナス等を含む)は約670万円。


この年収に見切りを付けてなぜ彼女は現在の訪問看護師を選んだのでしょうか?

「辞めたい」と盛んに言ってたとき、先輩の看護師や私にも相談がありました。先輩の看護師は「育児は一時のこと。今を乗り切ったら続けられる」。でも彼女は辞めてしまいました。

「あなたは辞められるからいいわね。独身女性は扶養してくれる人はいないから」と当時45歳の看護師に言われたそうです。
(当時彼女の方が年収は高く、というか夫の勤務する会社も経営が芳しくなくなかなかの低賃金でした。その代わり定時に帰社し彼女が準夜勤や深夜勤のときは夫が育児を担っていました。)

  

 

字数が多くなりましたので、ここからは「続きを読む」に入れます。
次回は総合職に挫折した女性を紹介する予定です。

では今日はここまで。

続きを読む

大企業の実態ー商社に働く女性からの報告2例

国会へ行ったこと、各省庁を訪問したことを前回書きましたが、そのときに発言したのは、主に男女賃金差別裁判で闘った原告たちでした。その内容が文章になって送られてきましたので、紹介します。大企業の実態の凄まじいこと。


先日、「女性と貧困」というテーマで、大沢真理さん(東大社会科学研究所教授)の話を聞きました。
「今の日本の社会・経済の再生の鍵は、女性の賃金と就業率をアップすることである。」と話されました。


能力ある女性を、男性の補助として置いておきたい、了見の狭い見識のない男性経営陣が居座る大企業。全く「今」しか見ていませんね。全ての男性がそうだとは思いませんが、男性であるというだけである種の権力が手に入るようです。絶対手放したくない魅力的なものなのでしょう。

コメントをくださったみーちゃんも「メシ、フロ、ネル」って言ってみたいですよね。

 

 

すみません。下にある「大企業の実態」は以下は前回と重複しています。いよいよ健忘症激しくなってきた感強し!
できるだけ早く更新します。次回は卒業生の仕事紹介の第二弾。看護助手の仕事です。聞き取りは済んでいるのですが…。(言い訳タラタラ)

これから大阪で、ある講演会に参加します。テーマは「暴かれた国家のウソ」です。私はこの問題をジェンダーの視点からとても関心を持っています。人々を、この場合は国民でしょうか?いともカンタンに操作できるという典型例です。勿論この操作の一端を担ったのはマスコミ(一端と書きましたが全部かもしれません。時の政府とマスコミでどんな密約があったのかも興味深いですが)。この情報を漏らした外務省事務官(女性)と、この情報を掴み、いち早くスクープした毎日新聞の西山記者は「国家公務員の機密漏洩罪」で起訴され有罪となりました。政府は密約の存在を否定しました。
(アレ〜!密約がないのなら逮捕の理由もないのでは?今日の講演で確かめなねば!)

密約の内容は「1972年、沖縄の施政権が日本に返還される際、アメリカ政府が本来支払うべき米軍用地の現状復帰費用400万ドル(当時の為替レートは360円)を日本政府が肩代わりするというもの。これが約束=沖縄「密約」。
(沖縄は戦後から日本返還までアメリカの占領地だったのです。私の従兄は学生時代、パスポートを持って沖縄観光へ出かけました。)

当時マスコミは「密約はあったか、なかったか」で書き立てました。しかしすぐに問題の核心は西山記者が、どのようにしてこの情報を手に入れたかに変化しました。そこから男性と女性のスキャンダラスな関係ばかりが新聞に書き立てられるようになりました。当時女性事務官は結婚していましたので、マスコミは「淫らな女性」というレッテルを女性に貼りました。密約の存在はどこかへ置き忘られ、問題はスキャンダルにすり替わりました。
2009年12月1日、当時のアメリカ局長吉野文六さんが東京地裁で「サインしたのは私の部屋(外務省アメリカ局)です」と証言しました。やはり密約はあったのです。事務官も西山記者も、職場を追われ、罪を被りました。

冒頭に書いたように、「日本の閉塞感を破るのは、女性パワーを活用すること」と大沢真理さんは言いましたが、これはOECD(世界協力開発機構)の事務局長が2009年11月18日に出したコメントでもあるのです。

この「密約」の問題の本質をスキャンダルにすり替えたマスコミも、それにまんまと乗ってしまった国民も、賢くならねばなりません。ということでこれから行ってきます。

以下が大企業の実態です。(ここからが前回と重複しています。私のコメントは今回の方がありますが)

「総合職に占める女性の割合はわずか数%」「女性だけを3年の契約社員で雇用している」

男女雇用機会均等法が制定されて今年で25年。しかし、働く場における男女平等は実現したとはとても言えない状況だ。

均等法の問題点などを訴え続けているワーキング・ウィメンズ・ネットワーク(WWN)が23日、国会内で開いた国会議員との意見交換会でも、驚くような実態が報告された。


コース別雇用も合法

 実質的に総合職を男性、一般職を女性に分けている「コース別雇用」。均等法の指針によれば法違反にはあたらないが、結果的に男女差別になる「間接差別」にあたるとWWNは主張してきた。

そのせいか、最近は全員を総合職としつつ、従来の事務職を最低の格付けにして賃金に差をつけるケースがみられるという。

 
大手総合商社の三井物産。男女とも総合職だが、総合職の中を「担当職」と「業務職」に分けている。一般職にあたる業務職は全員が女性。一方、転勤もある担当職の女性は3.7%(2007年)にすぎない。業務職女性の賃金は担当
職男性の44%。担当職の男性は毎年25000円の昇給があるが、業務職の女性はわずか5000円。しかも、35歳を過ぎると賃金は頭打ちだ。


(
この実態を話した女性は裁判をしていません。今まで彼女は会社名を公表していませんでしたが、ついに国会議員を前に公表しました。彼女の怒りが伝わってきます。)

 

若年定年制が復活!?

鉄鋼や機械を扱う商社の岡谷鋼機では、なんと若年定年制が復活している。同社では、女性の一般職募集がなくなった代わりに2006年、3年の契約社員が設けられた。事実上そこに女性だけが採用されている。雇用期間は最大5年まで延長可能。このため、来年3月には最初の「雇い止め」問題が起きるという。女性だけを有期雇用で採用しているのに均等法違反とならないのは、均等法の細かいことを定めた「指針」に、「募集・採用・昇進について「一の雇用管理区分(同じ採用区分のこと)」における男女差別しか禁止していないからだ。

 

「一の雇用管理区分」
事務職の男性と女性を差別してはいけない。しかし、総合職と事務職で賃金が違ってもそれは差別ではないということ。そして、たいていは女性ばかりの事務職、男性ばかりの総合職で、この二つの異なった職は「同じ雇用管理区分」ではないから、賃金に差があっても法律違反とならないという理屈?屁理屈!。

この場合、形式的に男性の契約社員も募集していれば法違反にはあたらない。コース別雇用が違法でないのも同様の理屈から。

WWNは、問題の多い均等法指針の「雇用管理区分」の削除や、男女平等の実現に向けた実効性のある法規制を強く求めている。


「男女雇用機会均等法」
雇用の場における男女平等の実現を目的として1985年に制定された。国連の女性差別撤廃条約を批准するために制定されたという背景もある。募集・採用・配置・昇進などあらゆる場面での男女差別を禁じているが、厚労省による指針が事実上の抜け道になっていると指摘されている。


若年定年制
均等法制定以前、女性は結婚したら退職するという結婚退職制や、女性だけ若い定年(30歳や50歳など)を設けることが横行していた。結婚退職しなかったため解雇された女性が裁判で解雇無効を勝ち取ったのを機に、女性若年定年制や男女別定年制も裁判で不合理な差別と判断された。

「連合通信・隔日版2010.02.13

院内意見交換会&省庁訪問

前回に紹介した販売業の女性の補足です。大学卒業後8年、勤務先は今の会社で二社目です。

彼女が店長でありながら契約社員であり、年次有給休暇等の詳細を知らないし、行使したこともないと語ったとき、非正規の希望者全員を正社員にしたあるアパレルの会社を思い出しました。

(この企業については200719日と5月25日で紹介しています。)


今年はバーゲン品を何も買っていないしと言い訳しつつ覗いてみました。

「会社は雇用を守っています。私は正社員の店長です。しかし、正社員からパートを選ぶ人が増えています。」

(私がバーゲン品を見に行ったとき、店長一人だけでした。ということ人員減で対応しているということ?もしそうなら正社員の負担が大きくなっていることですから、正社員からパートを選択する人が増えていることの原因の一つかもしれません。)

「今まで比較的高価格の品揃えで頑張ってきましたが、とうとう低価格商品も売り出すことにしました。生地が少し薄くなっています」とのことで、何点か見せていただきました。従来の半値くらいでした。

 

一週間のうちに3つほどのイベントに参加しました。

共通して得た感想は「行動力は知ることから」でした。「知ることは行動力」ではありません。


一つ目は、女性国会議員との意見交換会に参加してきました。国会前の衆議院議員会館でありました。その後、この条約批准に関係する与野党の議員へのロビー活動、さらに関係省庁、内閣府・厚労省・外務省を訪問しました。

(余談:最もセキュリティが厳しかったのは外務省でした。荷物検査をする女性は、フライトアテンダントのような、また受付の女性も胸元に白のリボンをあしらった黒のワンピースの制服でした。厚労省の受付担当の方の服装はまちまち、要は私服ということでした。)


国会議員への要請は、度々ここで取り上げている以下の事項ですが、本文が長くなりますので「続きを読む」に入れます。。

 

主に男女賃金差別裁判で闘ってきた元原告の女性たちが現状を説明しました。
(詳細は「続きを読む」に入れてあります。)
国会開催中でしたが、昼休みの時間に出席したのは、民主党女性議員6人と福島大臣でした。
(福島さんの正式な肩書きは「消費者及び食品安全・少子化対策担当」です。ある議員は、「私の娘も非正規雇用です」と仰ってました。)

 

省庁訪問での私の印象に残ったことを紹介します。

<内閣府>課長補佐OR係長級の女性2人と男性1人。

(具体的に何の仕事をしているか分かりませんでした。CEDAWからの勧告を受けた日本政府の窓口となって、各指摘された事項を関係省庁に割り振るお役所です。)

どこまで進んでいるのですか?
各省庁がすることなので…。


<
厚労省>
均等室女性課長補佐。

雇用管理区分の削除を。

均等法には「差別をしてはいけない」と様々な箇所で書いてあるので、雇用管理区分を削除する必要はないと考えている。

(例えば「次のような告示を出していますから」という意味なのでしょうか。『労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針(2006年厚労省告示第614))

均等法の付帯決議には「5年を待たずに見直す」とある。作業は始まっているのか?(均等法施行200741)

審議会も立ち上げなければならないし、まだです。

(審議会は3つのグループで構成されます。労働者側、使用者側、公益側。第三者としての役目を担う公益側の人選は厚労省の「今後均等法はどうあるべきか」の方針に沿った学者たちが選ばれます。間に合うの〜?)

 

<外務省>人権人道課女性課長&女性係長?

女性差別撤廃条約の選択議定書批准に向けて、今国会中に提出することは可能ですか?

無理です。例えば女性差別撤廃条約の選択議定書をまず日本語訳にしなければなりません。この選択議定書はまだ批准していないため、担当官がいませんし、正式な日本語訳はまだありません。今すぐに取り掛かっても最低でも1年半かかります。早くて来年の国会ですね。

政治主導で、「最初に女性差別撤廃条約の選択議定書から検討しろ」と言ってもらえれば私たちはとても仕事がやり易くなります。政治を動かすのは皆さんの声です。
(民間が訳したのはネットで見ることができます。外務省が訳する場合、言葉一つ一つを、国内法に照らして整合性があるかどうか考えねばなりませんから、膨大な時間がかかります。政府には緊急に批准しなければ国際条約が6つあります。)

 

他の二つの集会は次回に報告します。

国会議員へ元原告たちが報告した職場の実態が「連合通信」に載りましたので「続きを読む」に入れておきます。大企業がどれほどえげつない差別をしているか知ってください。犯罪だと思うのですが…。

では今日はここまで。

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いろんな仕事ー卒業生の仕事紹介ー販売

一月ももう終わりですね。若いときほどには「一年の計は元旦にあり」と意気込まなくなりましたが、「行動を伴った知識」をひそかに誓いました
(ブログに書いて、どこが「ひそか」なんですかね。)
 

「誰か貰ってくれる人はいないかな?」「可愛がってもらうんだぞ」

というセリフ、一体何について話をしているのでしょうか?

愛犬、愛猫、ペットの話?


いえいえ、女性の話です。

先日、小津安次郎監督の映画「晩春」をTVでみました。大学教授の父と結婚前の娘を描いた映画です。父はなかなか結婚しない娘を案じて、友人に相談するのが最初のセリフ。次のが、結婚が決まった娘に父が言うセリフです。


小津監督といえば世界的に有名な人です。ネットで検索すると、「たとえ小品であっても、必ずそこに人生が含まれている」と紹介されています。
人生は男だけかよ〜って毒づきたくなります。違和感あります。

 

世界史でフランス革命を学びましたよね
(念押し!下記の販売について語ってくれた彼女は「授業、忘れてしもた」って言ってましたので)。
フランス革命は市民革命です。しかし、市民に女性は含まれていませんでした。革命当初、女性も革命の担い手としての存在でした。しかし、革命が成功し、革命後の政権争いの中で女性は排除されていきます。


小津監督の、こと女性に対する意識はフランス革命時と変わらなかったのかしら?いつの時代にも「人権」に対する正しい意識を持っている人はいるのだから、影響力の強い人には、なおさら賢さを求めます。

 

でもこういう言葉、割と無造作に使っている人いますよね。若い人なんか「うちの嫁」って平気で言いますものね。「『嫁』のなにが気に障るのか?」って!「主人」というのと同じかなぁ?日本語って、夫婦を呼ぶのにぴったりという言葉、なかなかないことも原因の一つだとは思うのですが…。

 

朝日新聞朝刊に「オピニオン」とう欄があります。そこで「オピニオン」を言っているのは男性ばかり(たまに女性も出ますが、毎回むかつきながら、男女の数を計算していないので、数字で示せないところが残念。)

「女性だってオピニオン持っているんだぞ〜!という言う以前に、ジャーナリストの見識を疑いますね。世の中に鋭いメスを入れるのがジャーナリストの役目の一つなら、男女比を率先して考慮し、お手本を示すのが使命。マスメディアのマスを人権分野で大いに活用してほしいです。

 

さて、今日は卒業生の一人に話を聞いてきましたので、紹介します。

本日の「働く女性」は「販売」をしている人です。

 

アパレル関係の販売です。
雇用形態は契約社員、一年更新。成績悪かったら更新がないこともある。ポジションは店長で、アルバイト店員3人を束ねています。(アルバイト店長もあるとか。)会社は全国展開で出店しています。


週休2日で、社会保険、交通費は保障されています。

(週休の取り方の話をしていると、どうも「裁量労働制」のような感じ。でも販売業は「裁量労働制」という働き方には該当しないはずです。認められているのは専門業種です。商品開発とか、デザイナーならOKですが…。彼女は今の会社の前に、他の会社の「商品開発」の部門で働いていたので、疑問を抱いていなかったのかもしれませんが、明らかに労基法違反です。でも、全国展開の会社だから、法律に裁量があるのかも。いずれにしても調べてみないと)


勤務時間は二交代制で、早番が9時半〜
19時、遅番が11時〜20時半。その間、昼休みが1時間、夕方の休憩が30分。


賃金は月給制で、店長手当てを入れて手取り
23万円くらい。残業代、ボーナスなし。入社して2年目、昇給はなし。(前歴を認められて、一種のヘッドハンティングです。)


年次有給休暇は「多分取れると思うんだけど、周りで行使している人を知らない、何日あるのかも知らない」。
もし年休とかを取りたいとき、賃金を上げてもらいたいときは、何店舗かを管轄・管理している上司に電話で言ことになるとか。しかし、この上司をとてもよく知っているので(彼女を引き抜いた人)、もしこのような要求を言うことになれば「非常に言いにくい」とも。


近々、結婚するが、その時の特別休暇
5日間はもう上司の了解を得ているし、有給だと思う。結婚後も勤めるが、将来子どもを持てば、仕事と家庭の両立は難しいと思う。社長は「3人の子どもを育てつつ仕事をしている人もいるので頑張ってください」と言うが、東京で勤務している人なので、どういう状況で両立できているかの実態を知らないから、予測が立てられない。(親と同居なのか、正社員なのか。)

 

店長とアルバイト店員で構成されている店舗なので、他店の同じ立場の人との密接な繋がりはなく、店長会議で年に何回か出会うくらい。よって、年休とか、昇給とか、労働条件とかを話し合うのを今までしたことがない。

 

話の中で、初歩的な疑問は「年次休暇」についてでした。これは権利なのです。しかし、店長やバイトの人が年休を行使したらたちまち店が回らなくなるというのは、この人員から十分に予測できます。

 

販売が好きなのはお客さんとのコミュニケーションがあるところ。これは遣り甲斐に繋がっている(同じような価格で、同じような商品なら、私は店員の資質で選びます。)

以前、このブログで紹介した「非正規雇用の人を正規にしたアパレルメーカーのワールド」は、正社員にしたことでかかった社会保険料を上回る経常利益を翌年に挙げました。会社が認めれば、それに応えようとするのが労働者です。(労働者にとって、これが落とし穴でもあるのですが

 

一番してみたい仕事内容はバイヤー。ディスプレイは店長の裁量であり、売れ筋をチェックし、上部に上げることもできるので、一店舗の中ではあるがバイヤー的な動きもできるだろうけれど、現状は店舗の運営で精一杯である
(そりゃそうでしょう。この人員で、契約とはいえ店長には責任があるのだから、売り上げとスタッフのことで精一杯でしょう。能力あるし、接客好きだし、経験もある人なのに、宝の持ち腐れです。)


では今日はここまで。

韓国映画「外泊」について。

今映画「外泊」今回は、前回に予告していた韓国ドキュメンタリー「外泊」についてです。
まずあらすじからです。


 

 2007630日、ソウルの大型スーパーのレジ30台の間にパート女性500人が座り込んだ。勤続18カ月以上の労働者は正社員にするという新法の施行を前に会社がパートを全員解雇し、レジ係を外部委託すると発表したからだ。21日間、泊まり込んだ。

 キム・ミレ監督は初日から撮影を開始。女性たちが「占拠」を通じて家事からも解放され、生き生きとしていく様子をとらえた。「(ストと言えば)堂々と家を出られる」「メシ、フロと言う人もいない」。タイトルは、パートの一人がストを「結婚後、初めての外泊」と表現したことからつけた。

 月収は80万ウォン(約6万円)未満。「女は低賃金で十分だと言われる」「トイレ休憩もなく6時間以上立ちっぱなし」「職場ではいつも『おばさん』と呼ばれる。私にも名前があるのに」。パート女性の苦悩は日韓共通だ。キム監督は「女性には妻、母の役割を持ったまま働くという特有の困難があり、それは争議では変わらなかった。なぜ、と問いながら撮った」と話す。

 ストは警察の突入で60人が連行され、終わった。争議は1年半後、スーパーが別の会社に買収され収束した。(20091211日「朝日新聞」より)

 

 

この映画を見た独身の女性が、「なんで女性は結婚するのでしょうか?男なんか女性の邪魔をしているだけではないですか。ストライキの素晴らしい事実よりも、ストライキ中の妻を『早く家事をしてくれ。誰が子どもの面倒をみるのだぁ』とか言って連れ戻しに来る夫たちの封建的な考え、そういう夫と結婚している今まさにストライキを決行している女性たちとのギャップに戸惑ってしまいました。」と感想を言ってくれました。(私も共感!)


しかし同時に、ストライキをする女性たちを見て涙が止まらなかったという意見も多くの、特に非正規で働く女性たちから出ました。
(横にいた私の友人は2回目なのに上映中ずっと涙していました。)

 

その後交流会があり、お二人がゲストで来て下さいました。

争議当時の組合副委員長で解雇されたイ・キョンオクさんと、職場復帰して分会長を務めるファン・オクミさんです。お二人とも正社員でした。(なんで正社員とパート労働者が共にストライキをすることが出来るの?)


では上映会があった大阪と京都へ来てくださったお二人に質問した内容を紹介することで、争議の実態を知ってください。長くなるので、ここからは「続きを読む」に入れます。


あなたもこの映画を見てみたいとは思いませんか?勇気をもらえるし、何より地に着いた女性たちの運動に感動を覚えます。男性と女性の運動の何が異なるのかを考えることもできます。
(私は男性とか女性とかで分けたくないのですが、この映画を見ていると「命」に対する考え方に違いがあるのではないかと思えたりします。)

何人か見たい人があれば、上映会を企画したいですね。

では良い年をお迎えください。

 

 

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緊急ホットライン「新型インフルエンザがあなたの仕事に影響しましたか?」

いつもは最初にぐだぐだとした私見を書くことから始めるのですが、緊急のお知らせがあるので、まずはそれを読んでください。

最後に「ぐだぐだ」があります。

 

緊急のホットラインのお知らせ

 

<新型インフルエンザの休業についてのホットライン>

休業を余儀なくされて賃金カットになった人はいませんか?

子どもの保育園が開かれなくて、仕事を休まざるを得なかった人はいませんか?解雇になった人はいませんか?

 

以下の趣旨を読んで、電話をしてください。様々な事例を集め、厚労省に実態を突きつけなければ。

 

電話をかける時間のない人は、このコメント欄に書いてください。直接公表されないように設定してあります。コメントは、私のメールに入ってきますので、私から返事を出すこともできます。施策によって、休業を余儀なくさせられる可能性は、冬に再び起きるかもしれません。政府に沢山の声を届けて、自己責任論にならないように要求していきましょう。



日時:6月25日(木)15:00〜20:00
Tel:
 06−6949−1561・1562

趣旨 
5月の新型インフルエンザ発症による休業は、時給・日給で働く非正規労働者の生活を直撃しました。保育所や学校が休みになり、子どもを預かってくれるところが見つからなかったシングルマザーは仕事を休まざるを得ず、その分減給されてしまい、ただでさえ低賃金にあえいでいるところに、さらに大きな痛手となりました。のみならず、仕事を休み続けていることを理由に、解雇されるのではないかという不安の声が、シングルマザーの当事者団体の元に寄せられています。

また、今回の休業は、介護施設等にも及びました。介護現場で非正規で働く労働者にとって、職場の休業は賃金の減額に直結しています。介護現場にはシングルマザーがたくさん働いています。つまり、今回の休業措置によってシングルマザーはダブルパンチを受けたわけです。

労働局は、労働基準法第26条をもとに、「「法令に基づく、強制的な休業決定」か「事業主の責任で独自に判断した休業」か、を臨時休業時の賃金補償の判断基準にしているとのことですが、事業主にも労働者にも周知徹底されたとは言えず、ほとんどの労働者は何の補償もなかったと考えざるを得ません。さらに、インフルエンザを口実にした便乗休業による無給の自宅待機もあったようです。
 また、厚労省は、保育所や介護施設の休所による労働者への特別の配慮を事業主に求める要請を出しましたが、どれほどの効果があったのか疑問です。

 冬季を迎える南半球での多発を受けて世界保険機構は、警戒度を「6」に引き上げました。日本でも、一時の騒ぎは収まったものの今も感染者は増え続け、自治体の危機管理担当者は、秋から冬にかけて耐性ウイルスによる発症の広がりを懸念しています。

今回の休業、保育所等の休業によって減額された賃金を補償させ、今後の事態を視野に入れて、非正規労働者が安心して暮らせる労働条件の確保とセーフティネットの充実を、政府、自治体、事業主に緊急に要請する必要があります。今回の休業によって起こった様々な事態や、困窮、不安や怒りの声を集約していくために、ホットラインを開催します。

 

共催:いこる、しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西、コミュニティ・ユニオン関西ネット

 

≪ぐだぐだ

琵琶湖を遊覧してきました。大商で琵琶湖の汚染を観察するために乗って以来でした。何年前でしょうか。もう古(いにしえ)の感!

今回の乗船は、知り合いのフランス人・日本人カップルが帰国するので、そのお別れ記念のためでした。子どもの将来を考えると、フランスで育てるのがいいと決断したそうです。

 

具体的には医療費、教育費がほぼ無料に近いというのが大きいですね。

 

もう一つの理由としては、フランス人にとって日本で働くということは長期にバカンスを取れないことでもあるのです。たまにお里帰りしたくても、一週間ではね。1ヶ月も休暇を取るには、退職してからになりかねません。

 

でも、フランスの介護制度はこれからだそうです。

フランスの経済学者が来日されていて、この方の話を聞く機会がありました。 ティエリー・リボーさん、1994年よりCNRS(フランス国立科学研究所)所属。日本へは15年前から来ておられるそうで、「もう何回来たか数えられません」と日本語で。最近「フランスの介護」について本を出版されました。フランス政府の委託を受けて介護制度の調査をされているのですが、この本には「フランス政府に対する批判」が一杯入っているそうです。さすがフランス。日本語翻訳はまだ出ていません。

 

フランスはまだ国の介護制度はありません(来年当たり制度化されるとか)から、市場経済の競争の中で、安価で質の悪い介護が伸びてきている。介護労働に携わる人たちの賃金はとても安く、本人がフランス国籍を持っていても、両親が外国人である割合は他の仕事に比べると高い。

 

授業料値上げで高校生がデモし、マクドナルドの進出に待ったがかかる程の権利意識の強いお国柄なのに、どうしてヘルパーの賃金は安いのか?

それは、女性の仕事だから。介護の専門性が定義されていないため誰でもが簡単に出来る仕事だと思われているから。ヘルパーの組織化がなされていないから。

 

昨日、朝日新聞と龍谷大学の共催で、「誰が私たちの面倒をみるのかー介護現場のいま」と題してシンポジウムがありました。(来週の日曜日628日の朝日新聞に詳しく掲載されるそうです。)

 

介護制度のある日本と、介護制度のないフランスに共通する点があることが興味深かったですね。その報告は次回にします。

では今日はここまで。

 

 

 

 

男女共同参画センター職員実態調査結果と裁判&民主党の労働者派遣法案

一週間前、狭いところの草取りを無理な姿勢でやったせいか、腰痛になってしまいました。大分直ってきたところで、再度無理な姿勢をする羽目になってさらに悪化させてしまいました。特に同じ姿勢の後に、動作を変えると耐え難い痛みが襲います。どうもパソコンに向かっているときの腕の位置も関係するのか、これが最もしんどい動作です。「ナニナニ?ブログが更新できていない言い訳にしか聞こえないって」。とんでもない。言い訳は以下です。

最近情報収集のためのお出掛けを怠っています。世の中、ゴマンと労働問題があるというのに、私の感覚はますます鈍感になりつつあります。

「どっちにしても認めがたい言い訳である?」「どうもすみません」

 

民主党が労働者派遣法の改正で新たな動きを示しました。もしかしたら今置かれている民主党の状況と関係があるのかもしれません。民主党が政権を取っても自民党の政治とそう変わらないだろうという考えもありますが、そうなら、一度変えてみるのか一計かもしれません。

 

族議員の要求を全面的に入れた今回の補正予算案がすっぱぬかれていました。(朝日513)「経済危機対策」としてエコカー、デジタルテレビ、施設の新築費用など省庁が要求した満額回答の3800億円が盛り込まれているそうです。

その同じ紙面に「母子加算廃止で窮する親子」と題して、「ママ、私高校行けないんでしょ」「修学旅行に行かなくてもいい」との記事があります。

 

前回のブログで「定額給付金寄付」について書きました。ずっと支援している「あしなが募金」やDV被害者のシェルター「いくの学園」でも同じようなことが報告されています。

 

政府は、小泉政権の社会保障費抑制策として段階的に、生活保護費を受給している母子家庭の加算を廃止しています。05年度から07年度に16歳〜18歳の子どものいる、07年度から094月にかけて15歳以下の母子加算をゼロにしています。約205億円の削減です。この額と、前述の省庁への3800億円、どちらに使った方が人道的な、また未来への投資になるか、言うまでもないことです。セイフティ・ネットが、それを必要とする未来のある者に働かない国です。

 

労働者派遣法の記事です。(朝日2009513)

民主党は13日、仕事がある時だけ雇用契約を結ぶ「登録型」派遣について、通訳など専門性の高い業務以外では、原則禁じる方向で検討に入った。同党は登録型禁止に慎重だったが、厳しい規制に踏み込む姿勢を見せたことで、難航していた同法改正をめぐる野党間の協議が、大きく進展する可能性が出てきた。

 民主、社民両党は年明けから法改正に向けて協議。すでに製造業への派遣禁止ではほぼ合意に達しており、労働組合などから「不安定雇用の温床」との批判が出ている登録型派遣にまで、禁止対象を広げるかが焦点になっていた。 〜中略〜


 登録型について、社民は原則禁止を求めてきたが、民主は「問題が少ない事務派遣も不可能になり、経済や雇用への影響が大きい」と慎重な姿勢を示していた。具体的には、製造業や一般的な事務への派遣は派遣会社が労働者を長期に雇用し、仕事がない時も賃金が支払われる「常用型」に限って認め、登録型は通訳や秘書など専門性の高い業務に限定する。

 近く社民党に提案する。両党間で合意できれば、ほかの野党にも働きかけ、今国会に野党共同で改正案を提出したい考えだ。 派遣法については、政府も昨年秋に、日雇い派遣の禁止を柱とする改正案を提出したが、実質的な審議は始まっていない。政府・与党は登録型の規制に慎重な姿勢を示している。

 

「何が専門的業務か」については抜け道にもなりそうです。EU、特にフランスの派遣法については以前に書きましたので、比べてください。

 

次に、男女共同参画センターの職員についての情報です。

男女共同参画の推進を担う職員の実態調査が公表されました。内閣府男女共同参画局「男女共同参画センター等の職員に関するアンケート結果について」実施日:2008718日〜25日 回答率70.8%

 

職員数は数字で出ているのですが、賃金に関しては具体的な数字の集計ではなくグラフでしか示されていません。これでは実際のところが分かりません。すごく作為的なものも感じます。よって数字が明示されているのだけを示します。

 

(数字は職員数の調査結果だけですがナントナント!男女別の数字は明示されていますが、これが正規と非正規の表になると、合計数の箇所は男女ミックスの数字しか示されていません。ちなみに、男女ミックスでは、正規職員の割合は58%、非正規は42%です。そうか、正規の方がまだ多いのだと納得してはいけません。以下の数字を見てください。この数字は私が表から計算しました。一々計算しなくても、一目瞭然の表にするべきです。男女参画の名が泣くよ〜!審議会の委員はこのことに気づいているのかしら?)

 

参画センターには直営、指定管理者、その他とありますが、これらの区別をしないで数字を出しました。今は直営は少なくどんどん指定管理に変わってきています。指定管理については、ご自身で調べてね。

正規職員 女  597人 50.8% 男 29081.9

非正規職員女  579人 49.2% 男 64人 18.1

  

今、元豊中女性センター館長(すてっぷ)の三井マリ子さんと京都女性センターの伊藤真理子さんが裁判中です。上の数字と関係がありますので、これらの裁判についてお知らせします。まず三井さんからです。

三井さんはなぜ解雇されたのか、その理由を探ることによって、女性センターの問題点が出てきます。今月22日に結審がありますので、次回に報告します。伊藤さんはもう結審が終っていて、判決は7月16日です。おいおいブログに載せていきますが、男女参画センターの実態がこうでは、日本はまだまだ人権のグローバル化にはほど遠いですね。

 

この訴訟については「続きを読む」を見てください。

では今日はここまで。

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パワーハラスメント〜これってパワーハラスメント?〜

はや10月最後の週末になりました。うかうかしているとまた歳をとってしまいそう。

 

大阪で「パワーハラスメント」の3回連続講座があります(ありました)。

このブログを見て、「行ってみよう」と思う人はコメントしてください。

最後に次回からの案内を書いておきます。

 

一回目のテーマは「これってハラスメント?〜おかしいと思う実感を大切に〜」講師三木啓子さん

この学習会を受講したので、その報告をします。

さて、あなたは次の項目に思い当たりますか?

 

仕事に必要な情報を与えられない。

上司に挨拶しても、うなずくだけである。(または無視される)

よく休む従業員や、退職する従業員が多い。

長時間立たせたままで説教されることがある。

暴力を受けたり、暴言を言われたことがある(直接暴力を受けることは稀なのかもしれませんが、机を叩いたり、ドアの開閉に大きな音をたてるようなことも暴力に含みます。)

人前で怒鳴られたことがある。

「出来の悪い部下ばかりだ」と言われている。

就業時間外の付き合いを強要されることがある。

「パートさん」「アルバイトさん」「派遣さん」と雇用形態で呼ばれた。

「明日から来なくてよい」と言われたことがある。

 

あなたはいくつチェックがつきましたか?これらに思い当たることがあればそれがパワーハラスメントです。

 

パワーハラスメントの定義は次の通りです。

「職場などにおいて、権力関係にある者が、本来の業務の範囲を超えた権力を行使し、人としての尊厳・人格を侵害させる言動を継続的に行い、就業者の働く環境を悪化させたり、雇用不安を与えること。」(被害の感じ方には個人差がある。あなたが被害を感じたらそれはパワーハラスメントです。)

 

ハラスメントには、

・セクシュアルハラスメント ・パワーハラスメント ・アカデミックハラスメント ・モラルハラスメント ・スクールハラスメント ・ドメスティクハラスメント(DV) ・デートハラスメント ・いじめ 等があります。

 

この中で、法律になっているのは「セクシュアルハラスメント」だけです。その法律は2007年4月からの改正男女雇用機会均等法です。

セクシュアルハラスメントの主な改正の内容は以下のようなものです。

・セクシュアルハラスメント体躯として雇用管理上必要な措置を講ずることを事業主に義務付けたこと。

・事業主と労働者間の紛争について、調停など紛争解決援助の対象に追加。

・是正勧告に応じない場合の企業名公表。

・報告徴収に応じない又は虚偽の報告をした場合、企業は過料(20万円以下)を支払う。

・男性に対するセクシュアルハラスメントも対象。

 

今日は、パワーハラスメントなので、セクシャルハラスメントはここまでにします。

 

一つでもにチェックの付いた人。

 

パワーハラスメントを受けたとき、あなたは何をなすべきでしょうか。

記録する・いつ ・どこで ・誰から ・何があったのか ・目撃者はいるのか

あなたはどのように対応したいのか考えましょう。謝罪させたいのか、問題としたいのか。

職場の窓口、弁護士、公的機関、カウンセラーなどに相談する。

 

では、があり、このような状況が続き、眠れない、食欲がない、胃痛がする、頭痛がする、無口になる、意欲が湧かない等の状態が続いたときは、「職場における心理的負荷評価表」をしてみましょう。これはネットで検索できます。このような状況が2週間続いたら、専門医に相談した方がいいそうです。

また<鬱>かどうかを診断するシートも出ています。「うつ診断シート」と検索すると出てきます。

 

 

原因が職場にあって、不幸にも<鬱>と診断されたら、直ちに労災認定の申請をしましょう。従来、これがなかなか認定されませんでした。しかし、200826日付け厚労省労働基準局労災補償部補償課長名で、「上司のいじめによる精神障害等の業務以外の認定について」が出されました。従来、労災として認定されるのは余りにも厳しい関門で、「上司からのいじめ」は労災認定の対象外だったのですが、この通達により上司のいじめは労災認定の条件になりました。これも検索すれば出てきます。

 

でも大事なことは

このような状況になる前に、日頃のあなたはストレスを感じるとどのような症状になるかを知ることが大切です。

眠れない、食欲がない、胃痛がする、頭痛がする、無口になる、意欲が湧かない

こういう自分の症状を知っておくと、ストレスなのか、単に風邪なのかを判断することができます。

 

次回は、この対処法を学んできますので、その報告をします。

1115()「わたしは悪くない!!〜ハラスメントへの対処法を考えよう」講師フェミニスト・カウンセラーの周藤由美子さん

最後が

1129()「日本にもハラスメント規正法を!〜ヨーロッパの先進的取り組みに学ぶ」講師弁護士大橋さゆりさん

 

どちらも大阪のドーンセンター 時間は午後1時半から4時半まで。

です。

では今日はここまで。

タイガー魔法瓶派遣社員解雇問題のその後と卒業生

青空に誘われて本を買いに出かけました。

途中で大津高校を卒業して10年になる卒業生にばったり会いました。あの人、この人の名前を出しながら近況を伝えあいましたが、結構同級生同士で結婚しているのですね。

う〜ん、長い付き合いになりますね。

 

さて、今日も私自身の見聞がありませんので、臨場感あふるる報告は書けません。書く内容がないし、「職務評価を大津でしませんか」の呼びかけにもその後誰からも返事がないので、「ブログを続けるかどうしょうかなぁ」ってちょっとへこんで歩いていたのです。

 

ばったり出会った卒業生は「先生、ブログ見ています。でも今は働いていないから、コメントをするとかの資格がないと思ってます。派遣で働いていたとき、正社員と同じ仕事をしていたのに、待遇が違ったから悔しい思いをしました」と言ってました。「ありがとう。またブログを続ける元気が出てきました」

 

さて、今日のブログは新聞から拝借です。

以前「タイガー魔法瓶」で働いていた派遣女性社員が「正規雇用を会社に求めたところ解雇されたことを書きました。(2007.05.06)

その後の経過が出ていましたのでお知らせします。

 

≪タイガー魔法瓶、派遣労組と団交拒否は不当大阪府労委≫

「タイガー魔法瓶」(大阪府門真市)で請負や派遣労働者として働いた30代女性の直接雇用を求め、派遣労働者の女性が所属する個人加盟の北河内合同労組(地域労組)が申し入れた団体交渉を同社が拒否したのは不当として、大阪府労働委員会(府労委)は15日、交渉に応じるよう命令したことを明らかにした。女性が大阪労働局に違法行為を申告し、組合が交渉を申し入れた直後に同社が派遣契約を解除したことを、府労委は女性への報復行為と厳しく批判した。

 労働者派遣法は、期間が3年を超える場合は直接雇用を申し込むよう企業に義務付けている。

 

女性は06年10月、01年から実質的に5年にわたり派遣労働者として働かされているのは違法として、大阪労働局に申告。

 

命令書などによると、女性は請負会社の従業員として、「開発(実験)補助」の名目で2001年から同社で勤務。04年から派遣労働者となったが、長年働いても同社に直接雇用されないことを不審に思い、同労組に相談。女性が加入した労組も団体交渉を申し入れたが同社が拒否。労働局は06年11月、雇用を前提に派遣契約を解除するよう是正指導。だが同社は契約を解除しただけで、雇用は拒否。団体交渉の申し入れも無視した。

06年11月に派遣会社との契約を解除し女性は失業した。

 

府労働委は、同社が商談会の出張など「開発(実験)補助」の範囲外の業務も女性に命じており、社員と同様に扱っていたと認定。同社が派遣契約を一方的に解除し、団体交渉に応じないのは不当と判断した。 

 

タイガー魔法瓶広報室は「どう対応するかは検討中。係争中でもありコメントは差し控えたい」としている。

20081015  読売新聞と毎日新聞の抜粋)

 

労働者が勇気を出して会社に意見を言った。でも相手にされない。1人では団体交渉はできないから、地域労組に加入して、その労働組合を通じて団体交渉を会社側に申し出た。まず非正規の労働者はその会社の労働組合に入れてもらえないから、個人加入の地域労組に入ることになります。これらはすべて法律で保障されていることです。しかし、会社は団交を拒否した。

 

まあ団交をしたからと言って、このブログに何度も登場する名古屋銀行のパート女性のように、全く話のかみ合わないことの方が多いのですけれどね。でもまず土俵の上に乗るべきでしょう。権威ある?その労働委員会の命令を「どう対応するかは検討中」という会社側のコメントです。労働者は全く人権を守られていませんね。

 

「労使は対等です」などと絵空事を言った経営者を厚労省の労働政策審議会で見ましたが、ホントこの発言をした経営者の会社で働いてみたいね。

 

次回は多分26日くらいに「パワーハラスメント」の報告ができると思います。

今日も洗濯物がよく乾くでしょう。では今日はここまで。

間接差別・雇用管理区分・パブリックコメント

前回のブログで、「均等法の省令と指針」についてのパブリックコメントを厚労省が募集していることを書きました。

(いきなり本題です)

9月20日の審議会の傍聴へ行った人の情報では、まだ52件しかコメントが届いていないそうです。

でも、パブリックコメントを書くためには、均等法の文言を理解しなければならず、言いたいことが一杯ある人が、そう簡単には書けないところが残念です。

その中でも、特に「雇用管理区分」の文言は理解度超難解ものです。

もしあなたが、会社へ「男性Aさんと余りにも給料が違う」と訴えたとしたら、会社はなんて言うのでしょうか?「仕事内容が違う」という回答が最も多いでしょうか。

「あなたと男性Aさんは雇用管理区分が異なっている。あなたは事務職、男性Aさんは総合職、均等法の指針に『雇用管理区分ごとに』と書いてある。同じ事務職のBさんとあなたとの給料が違うのなら、二人は同じ雇用管理区分に属しているのだから、まあ調査してみましょう」と言うでしょうか。

「雇用管理区分」が異なっていれば、差別はあっても仕方ないというように現行均等法の指針は読めます。

この点を働く女性は問題だとして「ごとに」の文言を削除するように要求し続けてきましたし、また国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)の勧告が日本政府に出されてもいます。だから、使用者側の意見との間で厚労省は相当にこの文言に苦労したと思います。

その厚労省の苦心については、前回のブログで私の感想を書きましたが、この均等法を担当している厚労省の職員は少なからず女性であり、歴代雇用均等政策課長は女性です。

彼女たちも、歯がゆい思いをしながら、この文言を考えたのでしょう。だからこそ、あんな理解度難解の文章になったのでしょう。

さらに今日のブログは、超難解文言のもう一つ「間接差別の省令」についてです。

まず、間接差別とはなんぞや。これは5月12日のブログを見てください。省令案は次のようです。

《間接差別》(法第7条関係)

雇用の分野における性別に関する間接差別とは、\別以外の事由を要件とする措置であって、当該要件を満たす男性及び女性の比率を勘案すると実質的に性別を理由とする差別となるおそれがあると考えられるものを、9舁的な理由がある場合でないときに講ずることをいう。》

このような説明ですが、分かりましたか

この項の文章もとても長いし難解なので、向学心旺盛の人は厚生労働省のHPを見てください。

では具体的にどのような例が間接差別に該当するのかとい点についても審議が行われてきました。

審議中に話し合われた間接差別についての具体例は以下の通りです。「男女雇用機会均等政策研究会報告書の概要」(2004.6)より

《間接差別として考えられる例》

(臀検採用に当たって一定の身長・体重・体力を要件とする措置

∩躪膺Δ諒臀検採用に当たって全国転勤を要件とする措置

J臀検採用に当たって一定の学歴・学部を要件とする措置

ぞ鎖覆謀たって転居を伴う転勤経験を要件とする措置

ナ〕厚生の適用や家族手当等の支給に当たって住民票上の世帯主(又は主たる生計維持者、被扶養者を有すること)を要件とする措置

正社員をパートタイム労働者等と比較して有利に扱う措置

福利厚生の適用や家族手当等の支給に当たってパートタイム労働者を除外する措置

このうち、来年度施行の均等法に省令として書かれたのは、´↓の3つだけです。もしキΝが省令となったら、多くの非正規雇用の人は助かりますね。

なぜ、これらが削除されたか、誰が反対したかは、想像できますね。

上記の間接差別の定義も抽象的だと思いませんか。一回で理解できる人がどれくらいいるでしょうか。

そもそも女姓たちが望んでいた間接差別の定義は〔外見上は性中立的な規定、基準、慣行等が、他の性の構成員と比較して、一方の性の構成員に相当程度の不利益を与え、しかもその要件等が職務と客観的な関連性がない等、合理性・正当性が認められないものというものでした。これでもまだまだ難しい。

さて、雇用管理区分で、「ごとに」という文言があるばかりに、女性側に不利であると書きました。結果的に一方の性に不利益が偏るのは、間接差別です。圧倒的に女性が管理職になれない現実があります。これは間接差別です。「雇用管理区分」と「間接差別」はお互いが非常に矛盾しあった概念なのです。

さあ、そこでお願いです。間接差別の例が´↓だけで、間接差別が禁止されるでしょうか。あなたの職場でキΝが女性のみに不利に働く現実がありますよね。女性だかに不利な扱いをしている例は他にもありませんか。今あなたが怒っている、「女性だから」という例を書いてください。そして、間接差別の例が´↓だけでは駄目なのだということ7項目とも省令に入れるようにパブリックコメントを書かいてくれませんか。パブリックコメントを沢山出すことが、次の均等法につながるからです。

来年度施行の均等法は、このように働く者にとっては到底承服できない内容のものになってしまいました。

でも、女性団体が粘り強く、地道に国会議員に請願をし、ロビー活動をした結果、野党の国会議員の努力で、少しだけ希望の持てる内容をもった付帯決議が採択されました。付帯決議自体に何の拘束力もありませんが、多くの女性は声を上げることによって、最後に付けた付帯決議のなかの、年限をさらに短くできるのです。

さらに付帯決議に『間接差別も上記3例だけではありませんよ。』という文言も入りました。

これも、パブリックコメントで、多くの例を出し続ければ、次回の改正(願いを込めて、改定とは書かずに改正)には先進国としてちょっとはましな内容を作ることにつながると思います。

パブリックコメントは9月27日が締め切りです。募集要項にはいろいろ書いてありますが、それにとらわれず、文章が短くても、あなたの体験から出た怒りがあれば、それは最大の迫力で読む者を打つでしょう。

パブリックコメントは厚生労働省のHPまたはこのURLにアクセスしてみてください。

http://nfcg.web.infoseek.co.jp(日本フェミニストカウンセリング学会)

厚生労働省→厚生労働省HP→右端の「パブリックコメント」→パブリックコメント(意見募集中案件一覧)→3つ目「指針」・4つ目「省令」。

用紙には何ページの何行目に対する意見なのかと、ページと行目を書くようになっていますが、厚労省の担当者は指針と省令を熟知しているわけだから、毎日忙しく暮らしている人に、そういうことまで求めるのは実にお役所仕事だといえます。無視して、私のブログから考えたあなたの意見を書いてください。

また、指針の意見募集には、「セクハラ」に対するものもありますが、締め切りまでの時間がないことと、ブログが膨大になることから、今回は書きませんでした。

セクシャルハラスメント(セクハラ)については、随分と内容は良くなっていると思いますが、私は次の点にひっかかります。

職場におけるセクシャルハラスメントの内容《職場とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については、「職場」に含まれる。例えば、取引先の事務所、取引き先と打合せをするための飲食店、顧客の自宅等であっても、当該労働者が業務を遂行する場所であればこれに該当する》。

現実にセクハラって、《 》内の場所だけでしょうか。業務遂行に関係しないところでセクハラって起こっていますよね。職場の飲み会とかで。私はこの点にひっかかっています。

ホント、最後まで付き合ってくださってありがとう。では今日はここまで。

参考までに付帯決議の一部分を付けておきます。

間接差別の法理・定義についての適正な理解をすすめるため、事業主・労働者等に対して周知徹底に努めると共に、その定着に向けて事業主に対する指導・援助をすすめること。また、厚生労働省令において間接差別となるおそれがある措置を定めるにあたっては、国会における審議の内容、関係審議会におけるさらなる検討の結果を十分尊重すること。

間接差別は、厚生労働省令で規定するもの以外にも存在しうるものであること、及び省令で規定する以外のものでも、司法判断で間接差別法理により違法と判断される可能性があることを広く周知し、厚生労働省令の決定後においても法律施行の5年後の見直しをまたずに、機動的に対象事項の追加・見直しを図ること。そのため、男女差別の実態把握や要因分析のための検討をすすめること。

男女労働者双方の仕事と生活の調和の実現にむけ、仕事と家庭の両立がしやすい職場環境の整備をすすめるとともに、特に、男性労働者の所定外労働時間の抑制及び年次有給休暇の取得を一層促進するなど、長時間労働の抑制に取り組むこと。また、労働時間法制の見直しに際しても、男女労働者双方の仕事と生活の調和の実現に留意すること。

パートタイム労働者が意欲をもってその有する能力を十分発揮できるようにするため、正社員との均衡処遇に関する法制化を進めること。

男女の賃金格差是正のために、ILO第100号条約にのっとり、施策の積極的な推進を図ること。

労働契約法制の厚労省素案について

今日は一日中雨でした。急に涼しくなると、あの暑さが少し恋しくなったりして、勝手なものですね。

 

さて、今までに労働契約法制とそれに伴う、労働時間法制について何度か書きました。その主な要点をもう一度(三度かな?)書きますと、次のようになります。

時間外月30時間を超える場合の残業代の割増率を5割に引き上げる。

長時間残業した人の休日取得を企業に義務付ける。

年収の高い人などを労働時間規制から外して残業代をなくす「自律的労働時間制度」の創設

解雇の金銭的解決の導入の検討

 

9月12日付けの新聞に次のような記事がありました。要点をまとめてみます。

残業代割増率示さず 労働法制厚労省が修正案(朝日新聞912)

雇用契約の新たなルールを定める労働契約法制や労働時間法制の見直しをめぐり、厚労省は11日、労使双方の反発があり議論が中断していた素案を修正する案を労働政策審議会の専門分科会に示した

(→の次の文が今回の労働省の素案です。)

 

30時間を超える残業の割増率を5割に引き上げる。→残業が一定時間を超えた場合の割増率を引き上げ

有期契約更新は3回を超えて継続すれば、正社員への優先的な応募機会を付与→不必要に短期の有期契約を反復更新することのないよう配慮

 

今回の厚労省の素案は、いずれも具体的に示されていた数字が削除されています。

調査に協力してくれた卒業生の多くは有期雇用ですから、この2つ目の有期雇用についての素案は、今までこのブログでは書いてこなかったので、こんなんもあったのかと「あれっ」と思った人もいるでしょう。

618日の新聞には確かにこの素案についての言及もされていました。

でもその記事の最後に、とても冷めたコメントがあったので、これはぬか喜びになるだろうと、あえて取り上げませんでした。

 

そのコメントとは「正社員にしたくない企業は決められた更新回数の前で契約しなくなる方向に進むだろう」。

どうですか、的確なコメントでしょう。

 

今審議されているホワイトカラー・イグゼンプションの条件の一つに年収があります。使用者側の当初の考えとは異なり、その額が400万から1000万円になるという情報も聞きます。

でも油断は大敵。

 

先日、ある講演会で、講師がこう言ってました。「派遣法だって最初は派遣していい職種は限定されていたのに、どんどん規制がはずされて、今は何でも派遣でOKのようになったことから考えると、最初1000万円で、それならあまり多くの労働者は該当しないと思っていても、いったんこの法律が成立したら、どんどんと額は下がって行って、あっという間に400万円のラインに行くだろう」。

なんかすごく得心してしまいました。

 

前回のブログを見て、アメリカに住む卒業生が次のようなメールをくれました。

彼女の夫はアメリカ人で、日本でいえば整形外科の医者のような仕事をしています。豊かに暮らしている階層に属しています。アメリカの医療制度は、公的医療は低所得者や高齢者・重度障害者に対するものだけで、基本的には個人や会社が民間の保険会社と契約します。少し加筆していますが、彼女は、アメリカの医療制度について以下のように述べています。

 

《保険の事は本当に悩みます。今現在うちは入っていません。入ろうと思えば5000ドルを自腹で、それ以上の負担も月々1000ドル近くはかかります。しかも歯には使えないとかで、結局うちはその分貯金に回して、その時の貯えにしてます。幸い友達が小児科医、歯科医、内科医なので、検診などはお互い夫の診察と交換でしたりしています。アメリカの治療費は莫大だから医療破産する人が多いそうです。もしそうなっても家は取られなくするようには法律で守られているようです。夫のクリニックでも保険で治療が左右されていて、彼はいつも怒っています。自分が診察して治療法を決めるべきなのに保険会社の社員が、『この保険では5回までカバーされます。』など電話で指示するからです。未収入の診察費もたくさんあります。そもそもシステムをいうと、診察を受けるとその分を後日請求書として送ります。クリニックによってはその当日に払った場合は割引をしてるところもあります。しかも随分借金を作っても平気で来る患者も多いです。あまりに借金がかさんでる患者の場合は、専門業者にかなりの成功費用を取られながらも集金の依頼するしか方法がないんです。結局アメリカの保険っていうのは、あまり自分の健康を大事にしてない人を支えるようなものなのです。だから夫のポリシーは、その分をスポーツジム費や食費に回したほうがいいというものです。こちらは子供が熱をだして電話をしてもすぐには連れて来させないんです。だからうちみたいにめったに病気のない家庭は、子どもが医者にかかった回数なんて一人一年一回の検診のみです。その費用は、もし支払ってたら50ドルぐらいだと思います。3人の子どもで150ドル、それにプラス私の健康診断120ドル。夫も同額程度としても全部で500ドルもいかないんです。一つ間違えれば恐い話ですが、その分は車の事故の場合の身体への保証等を余計につけたりして考慮しています。》

 

どうですか、日本とは随分と制度が違いますね。長寿国日本の医療制度は、簡単に他国とは比較できませんが、カナダのようにこの制度だけは無料というものを、誰ものが関係する分野で施行するなら、随分と人々の暮らしぶり、精神の安定度も違ったものになってくるだろうと思います。

 

均等法についてはまだ勉強中です。厚労省が今、今回の改正均等法の省令また、指針について意見を求めています。できるだけ多くの女性の働く現状をコメントにして送りたいので、どの点が問題なのかを次回のブログで書くつもりをしています。そのときは協力してください。

では今日はここまで。

解雇の金銭的解決 その2

昨夜、マイケル・ムーア監督の2002年製作の映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」を遅まきながらTVで見ました。

銃による殺人が世界でダントツのアメリカを各国と比較する場面では、特に隣国カナダとの比較がなかなか興味深いものでした。

 

今夏、暑い日本を脱出してちょっとの間カナダへ行ってきました。しかしカナダも暑かった。

地球温暖化を痛切に感じてきました。

 

行く先々で、在カナダ日本人の方とお話する機会がありました。時には観光ガイドの方、また知り合いのカナダ移住者等です。その方々が異口同音に言うのが「医療費が無料」ということでした。

 

前回のブログにも書きましたように、アメリカは国民皆保険制ではありません。低所得者向けの医療制度はありますが、さまざまな制約があります。

それは、NHKBSで放映していた「NY物語・同時多発テロの被害者」(93)でも見ることができました。

 

ビル崩壊の粉塵の中で救助に動いたのは消防士だけではありません。多くのボランティアもいました。消防士を含め、防塵マスクを大多数の人が着けていなかったために、今、肺の病気で苦しんでいる人が多いそうです。消防士等公務員はその後法律ができて救済されたのですが、民間人には何の救済もないとか。後遺症の医療を受けようとすれば、自費治療になるので、治療もできず働くこともできない人々のケースを紹介していました。

 

話はそれましたが、ムーア監督は、カナダの行政担当官から「力で人を押さえつけては駄目だ。医療や保育所や教育の充実こそが人々を安定した気持ちにさせるのだ」というような発言を引き出していました。カナダの銃所有率は高いのですが、殺人件数はアメリカとは比較にならないほど低いのです。

 

アメリカ人が過剰とも思える他人への警戒心を持つに至ったかにムーア監督は迫ろうとしていました。

 

このTVを見ていて、日本もアメリカ型になりつつあると思いました。

 

ブログで何回も書きましたが、国会を初めとした政府機関の警戒の厳重なこと。先日厚労省のロービーで写真を撮ったら、守衛さんに注意されてしました。

 

カナダの首都はどこ

オタワの国会は休会中ということもあったのでしょうが、その場での見学自由。各国の観光客が、英語やフランス語やドイツ語案内が飛び交う中、写真を撮りながらぞろぞろと歩いていました。私もその一員でしたが。

 

そういえばカナダの教育は高校までは確か無料、大学も奨学金制度が整っていて、学生の払う授業料の、大学の教育費用に占める割合はわずか11%程度に過ぎないとか。(カナダ政府のHP)

 

アメリカでは、日本の大学の授業料が安く思えるほど、高いのだそうです。奨学金を目当てに、イラクに志願する若者の背景が垣間見えますね。

 

さて今日は「解雇の金銭的解決」についてです。前回のブログで解説だけを書きましたが、その具体例を検索していて結構時間がかかりました。このブログで、労働問題について法的なことを書いていますが、実際働いているとそんな文面どおりに行かないのが殆どです。

 

ブログを見てくれている卒業生から、先日相談を受けました。「仕事を辞めたいのだけれど、後任が見つかるまで待ってくれと言われている。でも、なかなか後任は見つからず、困っている」辞める意思表示はかなり以前から会社に示しているそうです。

 

今まで「解雇されたから、どうしよう」という前提でブログを書いていたものですから、慌てて調べてみました。この場合も法律では保障されていますが、職場は人間関係で成り立っているところでもあるからそう簡単には割り切って行動できないですよね。

「会社も困ってるのや、今後任を探してるから、もうちょっとだけ働いてえなぁ」って面と向かって言われたら、なかなか振り切れないのが人情です。

 

この人情を逆手に取ったのが、今回の「解雇の金銭的解決」ではないかと私は考えています。冒頭に書きましたが、私の知る限りで最も新しい解雇の判決をレイバーネットというHPで見つけました。

 

水戸地方裁判所下妻支部での裁判例です。20042月に大倉産業株式会社に入社し(同年331日解雇)、試用労働契約であったAさん(当時28歳)に、前代表取締役社長Bが「うちの企業風土にあわない」という理由で解雇を言い渡しました。2004年年101日、Aさんは解雇無効を前提とする損害賠償を求めて訴訟を起こしました。そして2006829日に和解しました。この裁判はまだ短い方ではないでしょうか。

 

今回の「解雇の金銭的解決」が労働契約法に入る理由として、厚労省は『解雇が無効とされた場合でも、職場における信頼関係の喪失等によって職場復帰が困難な場合があることから、解雇の金銭的解決制度の導入について検討する。』と言っています。

 

これを上記のAさんの例にあてはめると、「例えAさんが、解雇無効の判決を受けたとしても、トラブルのあった職場に復帰しにくいだろう。それが人情というものだ。結果的には、退職金をもらって退職することになる。そんな長いことかかる裁判を労力や金をかけてまでしなくても、解雇する場合は金銭で解決しようやないの。」ということになりますかしら。

確かに、裁判中に会社側の証人として上司だけでなく、同僚も証言します。Aさんが職場復帰したら、多分相当に気まずいでしょうね。

だからと言って、「解雇の金銭的解決」が大手を振って歩き出せば、経営者は、「金さえ出せば、解雇できる」ということになります。一見労働者側に配慮があるように見えるこの内容は、結果的に労働者の立場をますます弱くすると思います。

解雇は、何かしら特別な理由があるように思いますが、その理由を労働者が本当に納得するなんてことはないでしょう。それを一体いくらで話をつけようとするのでしょうか。

 

「解雇の金銭的解決」と書いていましたが、ここまで書いて、「解決」という言葉はふさわしくないと思い至りました。「金銭的手打ち」「金銭的通告」「金銭的押し付け」なんかどうでしょうか。他にふさわしい言葉ありませんかね。

 

先日傍聴してきた来年4月から施行される改正均等法について、何とかブログに書けるように勉強していますが、法律用語は難しくて、何がどのように変わったのか、変わったことで働く者への影響がどうなるのか、さっぱりつかめません。

そのネックにあるのが、1986年に施行された均等法が、女性労働のためになって来たのだろうかという点です。

法律はいいこと書いてあるけど、企業がそれを実行しないでもOKならば、法律って一体なんなの

(もちろん、効果が全くないなんては思っていません。裁判をすれば、労基署に申し立てれば、力になってくれるでしょう。)

 

特にアンケートと重ね合わせて、この点から抜け出せないのです。

では今日はここまで。

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