嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

カテゴリ: 職務評価

友人が亡くなりました。個人的なことですが、彼女の死を記録しておきたくてブログに書くことにしました。亡くなったのは、このブログに何回か登場してもらった、名古屋銀行で正行員になるためにパート労働法が改正されたときに団交をし、女性ユニオン名古屋の創設者であり、既存の組織に頼ることなく、非正規で働く女性たちを束ねていく運動のリーダーであった坂喜代子さんです。2017年1月25日朝6時に逝ってしまわれました。2007.06.202007.07.01007.07.30のブログに坂さんの記事があります。2012年の夏に身体に異変を覚え、その1か月後の私の携帯に、「異変のあった前日に大学病院の団体交渉を3時間やり、労働相談や裁判の傍聴を前々日にやったりと忙しくしていた」というメールが残っています。

 

今回も同一労働同一賃金についてです。

前回は経団連の出した≪同一労働同一賃金の実現に向けて≫に示された「企業に説明責任がない」ことでした。今回は20161220日に出た≪同一労働同一賃金ガイドライン案≫(以下、政府案)に示された「基本給」についてです。ガイドラインでは以下のように記載されています。

(1)基本給

 ヾ靄楜襪砲弔い董∀働者の職業経験・能力に応じて支給しようとする場合、無期雇用フルタイム労働者と同一の職業経験・能力を蓄積している有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、職業経験・能力に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。また、蓄積している職業経験・能力に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならない。

 

問題点は基本給の中身です。

基本給を、職業経験・能力と明記していますが、「職業経験・能力に応じて支給しようとする場合」とあり、他の支給要素もあるかのような書き方です。パート労働者にとって、同一労働同一賃金であるかどうかを判断する最も重要な要素は職務給の概念です。ILOの「職務評価」は職務給が基本です。しかし、経団連は「日本の雇用慣行に職務給はなじまない」と主張しています。経団連の意向を汲むなら「職業経験・能力に応じて支給する場合」とするべきで、「しようとする場合」の文言は不要です。ILOからの勧告を完全に無視していないような、抜け道を上手に作っておく文のように思えます。


職業経験の文言は、パート労働者の賃金を質す場合に使えるかもしれません。同じ職場でずっと同じ年月、同じ仕事をしていたパート労働者はいる可能性はあります。これは使える文言なので覚えておきましょう。

ところが、問題なのは「能力に応じて」の文言です。能力は誰が測るのでしょうか?どういう方法で測るのでしょうか?

 

さらに、ガイドラインには、上記ヾ靄楜襪猟蟲舛砲弔い討硫鮗瓩続きます。

注)無期雇用フルタイム労働者と有期雇用労働者又はパートタイム労働者の間に基本給や各種手当といった賃金に差がある場合において、その要因として無期雇用フルタイム労働者と有期雇用労働者又はパートタイム労働者の賃金の決定基準・ルールの違いがあるときは、「無期雇用フルタイム労働者と有期雇用労働者又はパートタイム労働者は将来の役割期待が異なるため、賃金の決定基準・ルールが異なる」という主観的・抽象的説明では足りず、賃金の決定基準・ルールの違いについて、職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情の客観的・具体的な実態に照らして不合理なものであってはならない。

 

従来、使用者の説明の中心は「無期雇用フルタイム労働者(世間でいう正社員)は転勤があるから」でした。これは主観的・抽象的ではなく具体的な説明です。しかし、これだけではなく「賃金の決定基準・ルールの違いについて、職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情の客観的・具体的な実態」とありますから、この≪注≫を素直に解釈すれば、使用者が具体的な説明義務を負うようにも取れます。しかし、あくまで注なので、具体的にどのような文言になるか、経団連の猛反撃も予想されます。

 

前回の記事について、由太郎さんからコメントを頂いています。政府案には、勿論「派遣労働者」のことについても書いてあります。最後ですけど。

3.派遣労働者

派遣元事業者は、派遣先の労働者と職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情が同一である派遣労働者に対し、その派遣先の労働者と同一の賃金の支給、福利厚生、教育訓練の実施をしなければならない。また、職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情に一定の違いがある場合において、その相違に応じた賃金の支給、福利厚生、教育訓練の実施をしなければならない。

 

賃金の支給に関して、派遣労働者は「職務内容」、パート労働者は「職業経験、能力」とあります。では派遣労働者には職務評価が使えるかもしれない。しかし、「職務内容・配置の変更範囲」の文言が続きます。「職務内容」と「職務内容・配置の変更範囲」の双方を満たすことが条件なら、まずこれで派遣労働者の救済は不可能です。
さらに派遣労働者は派遣元に雇用されていて、派遣先で仕事をしています。派遣元は中間マージンを取っていまから、仮に派遣先と同じとされた派遣労働者には、派遣先は派遣元に中間マージンを含んだ費用を支払わなければなりません。「ならば、派遣労働者を直接雇用します」となるでしょうか?「何ら痛みを感じることなく解雇できる都合のいい派遣労働者」のままで働いてもらうために、使用者は「職務内容・配置の変更範囲」を持ち出すでしょう。また職務内容だから
ILOの職務評価とはならず、厚労省≪要素別点数法による職務評価の実施ガイドライン≫を使うというでしょう。これについては2013.02.01のブログを見てください。
昨日27日の第12回「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」で、委員の水町勇一郎さん(東京大学社会科学研究所)は、次のように述べています。

ここでより重要なのは、労働者の待遇について制度の設計と運用をしている使用者に、待遇差についての労働者への説明義務を課し、労働者と使用者の間の情報の偏りをなくすことである。

 

水町さんの意見が反映されたものになるのか、今後政府がどんな法律を作るのか、注視していきます。

26日にこの虹を、写真とは対岸のびわ湖ホール前から見ました。鳥は飛んでいませんでしたが.
今日はここまで。
京都新聞2017.02.06から拝借しました。

20170206203733niji1000

30日、2016年最後の反原発集会に参加してきました。京都9条の会からぜんざいが振舞われ、その光景だけみれば温かいのですが、集まっている理由は深刻です。1時間の集会の最後は、関電の通用口で「来年も来るぞ」「原発廃止になるまで来るぞ」と締めくくりました。「ええ加減原発諦めたら
私としては、今年は何人かの知人の訃報もあり、今年一年そこそこに暮らせたことを、感慨深く思う年末です。

今年の締めくくりのブログの内容は、勿論「同一価値労働同一賃金」についてです。

少々遡リますが、今年6月2日付で 閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」に≪同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善≫が明記されました。

要旨は「続きを読む」に入れました。

これに対し、719日に日本経済団体連合会(経団連)が「同一労働同一賃金の実現に向けて」を発表しました。さらに、閣議決定を受け、1220日に政府はガイドラインを発表しました。
政府の打ち出した「同一労働同一賃金」は、褒めて言えば「言葉知ってたんだぁ〜」であり、冷めて言えば「どうせ言葉だけですね。」というところです。

 

「続きを読む」に入れた閣議決定の太字の内、今回は使用者の説明義務について、経団連とガイドラインはどのように言っているのかについて述べます。太字は何点かありますが、長くなるので今年の締めは簡潔に一点だけ。

正規のAさんと非正規のBさんを比べて、同じ仕事なら同じ賃金を払いましょうというのが本旨です。

最初の疑問。
AさんとBさんは同じ仕事であると、どうやって誰が判断するのでしょうか。
もし、Bさんが「同じ仕事をしているのに、なぜ賃金に差があるのか」と上司に尋ねた場合、閣議決定では「企業の説明義務」とあります。非正規が上司に尋ねることも、Bが正規Aの賃金を知ることができるのかも含めて、非正規が実際このような行動をとること自体かなりハードルが高いと思いますが、経団連は説明義務をどのように考えているのでしょうか。

経団連の同一労働同一賃金は、日本型同一労働同一賃金であり、欧米型のとは違うのだということを力説して書いています。企業の説明責任については引用します。
「労働条件の差の合理性の立証責任を使用者に負わせる仕組みのもとでは、企業はトラブルを回避すべく、正規従業員と非正規従業員の仕事内容を明確に分ける行動(職務分離)を採り、結果として非正規従業員の正社員登用機会を減少させるおそれがある」と。

ひゃ~!恫喝ではありませんか。「なぜ賃金が低いのか」を尋ねると、「正規になるチャンスを失い、泣きを見ることになるぞ」と言っているのです。

「パート労働法8条、労働契約法20条は職務内容、配置の変更の範囲(転勤)、その他の事情を考慮して不合理と認められるものであってはならない」としていますが、これで正規になった人の事例はほぼ無いに等しいと言われています。だのに、尋ねることすら「頭が高い」というようです。
さらに高齢者の再雇用についても、
「企業は60歳以降の継続雇用確保に努力しており、高齢者がもつ能力やノウハウを活かして定年前と同様の業務に従事してもらう場合少なくないが、紛争回避のため、こうした人災活用を断念せざるをえず、高齢者の活躍が阻害されるなど、さまざまな弊害が予想される。~~
以上の理由から、現行法(労働契約法20条、パートタイム労働法8条・9)不合理性の立証責任についての基本的な仕組みは変更するべきではない。

 

これは、多分、以下の判決を意識してのことでしょう。
同一労働同一賃金といえども、日本型であり欧米型ではないと至る所で協調している経団連の提言ですが、裁判に訴えたトラック運転手は、再雇用前と全く同じ仕事なのですから日本型云々は関係ありません。むしろ、仕事の内容(職務)が同じの欧米型同一労働同一賃金というべきです。日本型と欧米型を都合よく使い分けているとの印象が強いです。

2016513日の朝日新聞の記事です。

定年後に再雇用されたトラック運転手の男性3人が、定年前と同じ業務なのに賃金を下げられたのは違法だとして、定年前と同じ賃金を払うよう勤務先の横浜市の運送会社に求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であった。佐々木宗啓裁判長は「業務の内容や責任が同じなのに賃金を下げるのは、労働契約法に反する」と認定。定年前の賃金規定を適用して差額分を支払うよう同社に命じた。

 

閣議決定には、「経団連の基本的な考え方と」あり、これは、経団連と相談してという意味でしょうから、説明義務は省かれるでしょう。政府の出したガイドラインには説明義務は見当たりませんでした。

では今日はここまで。
 

続きを読む

「ブログにアクセスしたら更新されてなかった。病気かと心配してたんやで」と友人から言われ、書き手の動静を案じてくれている人もいることを再認識。すみません。長い間更新できていない理由は「私だけしか書けない労働問題がなかった」ということを根拠にする怠慢でした。

今、傍聴等で支援をしている裁判は、「東和工業男女賃金差別裁判」、「茨木ハローワーク雇止め裁判」、「ラジオメーター女性差別継続雇用拒否・女性差別賃金裁判」の3つです。東和工業男女賃金差別裁判と茨木ハローワーク雇止め裁判は現在最高裁に移っています。最高裁の場では、口頭弁論が開かれることは絶望的と言っていいほどありません。だから、最高裁に上告した2つの事件が今どのように扱われているのか、まったく知る方法がありません。絶望的にと書きましたが、弁護士は当然この実態を十分に知っているので、「上告しても徒労に終わるだけ」と言うことが多いようです。最高裁に上告するのは、理は原告側にあるのに、地裁も高裁も負けて、このままでは「泣き寝入り」ではないかと考える原告たちの理不尽な力に対抗する知性の行動です。
ハローワーク雇止め裁判は、支援者の「このまま座して判決を待つだけ?」の声に押されて、現在団体署名を集めている最中です。多くの団体が賛同署名をしてくださっています。すでに最高裁に届けた分もあり、現在も集めている最中です。グループで活動している人で「賛同してもいいわ」という方は、

http://hw-yatoidome.jimdo.com/団体署名のお願い/

からダウンロードしてください。

ラジオメーター裁判は、まだ始まったばかりなので追々報告していきます。74日に裁判があるので傍聴してきます。

 

さて、私だけしか書けないことではありませんが、「同一労働同一賃金」について報告します。政府は「同一労働同一賃金」と「同一価値労働同一賃金」とは別物であると考えています。以前から何度も書いているように同一労働と聞くと、職場のいろんな労働を思い浮かべる人も多いかもしれません。トヨタのような大企業ではもしかしたら全く同じ仕事内容をこなしている労働者がいるかもしれませんが、「同じ仕事」は何をもって同じとするか、難しいです。車内には、メーター、エアコン、オーディオ等があります。これをそれぞれに取り付ける労働者は「同じ仕事か、そうでないのか」。

さて、今朝の朝日新聞に次のような記事がありました。

 同一労働同一賃金が実現しても、同じ仕事の賃金差はなくしにくいと考える中小企業が多いことが、日本商工会議所が29日発表したアンケートでわかった。人によって違う仕事のこなし具合や、将来の期待値などを賃金に含める中小が多いためだ。 今春、2405社が答えた。労使紛争で賃金差の理由を求められた場合、立証が難しい項目を挙げてもらった。最多は「本人の生産性」(47%)。事務職などは仕事の成果をつかみにくく、こなし具合に個人差があるが、差の数値化が難しいためだ。政府が検討中の同一労働同一賃金について、賛成の立場の日商だが、「中小企業がこれまで積み重ねてきた労働慣行に配慮し、慎重に進める必要がある」としている。

このような解釈で同一(価値)労働同一賃金を考えてもらったら困ります。ILO推奨の職務評価制度を学んでぇ〜!と、政府の労働政策審議会と経営者に言いたい。もちろん、労働者は当然です。

では今日はここまで。

大津の地に、社民党の福島みずほさんが来られましたので、少しの時間会って頂きました。その理由は、支援しているハローワーク雇止め裁判の実情について、国会で質問して欲しいと思ったからです。

このハローワーク雇止め裁判は、現在最高裁に舞台を移していますが、非正規で、毎年更新を繰り返しながら、9年間働いてきた原告に全くと言っていいほど勝ち目がありません。裁判官の判断基準は法律です。国、地方自治体に働く非常勤公務員は、民間に働く労働者の権利を保障したような法律が少なく、無権利状態なのです。
お会いしたのは、321日の夜でした。翌日「同一価値労働同一賃金」について、その次の日に「非正規公務員」について、参議院で質問しようと考えていたのでと、逆にいろいろと尋ねられました。
ハローワークに働いていた原告は、「はい、あなたは雇止めです。41日から来なくていいです」と、公募と言う一見公平な名のもと、面接試験終了15分後に言われました。何が不採用の理由なのか、なぜ原告だけが不採用になったのか、分からないままでした。このような立場の人が沢山いるので、非常勤公務員の質問は、圧倒的に多い女性の労働問題と位置付けて福島さんは、質問されました。ネット中継は下記のサイトで見ることができます。

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

 

22日は同一価値労働同一賃金についての質問です。

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

福島さんが確認されたのは、以下の点です。

平成2411月作成の厚労省の「パートタイム労働者の納得度を高め能力発揮を促進するために」〜要素得点法による職務評価の実施ガイドライン〜については、国際基準の職務評価ではない。

*職務評価とは、ILO100号条約にある「知識・技能、責任、負担、労働環境」の4大ファクターに基づいた職務評価制度である。

*同一労働同一賃金は、同一価値労働同一賃金の意味である。その根拠は、従来から政府は「ILO100号条約(100号条約は、同一価値労働同一賃金を謳っている)を批准したからといって、国内法を新たに作る必要はない。なぜなら、労基法4条にこの概念は含まれているから」と答弁してきている。

 

ということで、同一労働同一賃金の審議会が早速今日から始まりました。メンバーに、このブログにも時々登場する、ILO100号条約、そのツールとしての職務評価を研究している研究者は一人も入っていませんでした。
以前、女性労働問題を討議する会場で、「学者の役目は何ですか」と質問がありました。多分に、研究ばっかりしていて、実動してください、の意味を含んでいたようでした。その時の研究者の回答は「政府の審議会等で、発言することです」でした。研究者が望んでいても、政府に都合の悪い研究者を審議員として招かない傾向は最近ますます顕著なようです。

委員の名前は、このサイトで。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11601000-Shokugyouanteikyoku-Soumuka/0000117326.pdf


審議会そのものは、次のサイトで。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000117320.html


資料は以下のサイトで。
P32に「正社員の方が非正規従業員よりも賃金が高い要因」があります。「責任」がトップに来ています。4大ファクターによる職務評価で、実験してみたいですね。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11601000-Shokugyouanteikyoku-Soumuka/0000117327.pdf

 

最後に、竹信三恵子さんの【「パワハラ公募」に泣くハローワーク非常勤相談員】を読んでください。自由に使ってもいいということですから、拡散してください。

http://synodos.jp/society/16439

では、今日はここまで。

心穏やかに、素朴に暮らせない日々です。

先週は、労働者派遣法の改正(適切な言葉ではありません。変更というのはどうでしょうか?)案が、衆議院厚生労働委員会で審議され、今週にも政府案が可決されそうです。維新の党が途中から自民・公明の案に加担したので、不十分な文面ながら議員に「賛成しないで、廃案に追い込んでください」FAXをしました。

実は私は、野党が共同提案した「同一労働同一賃金推進法案」にも反対なのです。どんな内容であれ、労働者派遣法そのものに問題があると考えています。

このブログでも何度も何度も「同一(価値)労働同一賃金」という概念と、そのために職務を評価し、数字化する得点要素法という職務評価制度を紹介してきました。

これは、職務を「知識・技能、責任、労働環境、負担」の4要素から分析します。ILOが推奨している方法です。共同提案した野党の議員の何人が、この制度の長所と短所をご存じなんでしょうか?この方法は、諸(両)刃の剣にもなります。
派遣労働者の仕事と、正社員の仕事を比べてみて、正社員が
100点満点の90点で、派遣労働者の点数が80点となったと仮定します。

この場合、あなたは、どういうことが起こると予想しますか?

派遣労働者の賃金を、点数に比例して上げる。
正社員の賃金を、派遣労働者の賃金と比較して100対80になるように、点数に比例して下げる。

同一労働同一賃金という概念を労働者のものにするためには、その前にしなければならないことが多々あります。

例えば、

*いかなる点数になろうとも、正規も派遣労働者も、現在の賃金を下げない。
*職務評価は、個人ではなく、就いている仕事の内容についてする。
*ILOの得点要素法を遵守する。
*職務評価を申し立てた派遣労働者を解雇しない。
*弁護士を含む第三者からなる機関が職務評価をする。
*派遣労働者を雇用している全企業に第三機関が調査する。
*問題のある企業には、実効あるペナルティを与える。

等々。

素人の私が考えても、あれこれ思い浮かびますが、こういう前提事項があって初めて野党の言う「同一労働同一賃金」が効力を持ちます。

以前にもこのブログで紹介しました、平成2411月に厚労省雇用均等・児童家庭局の委託事業で「パートタイム労働者の納得度を高め能力発揮を促進するためにー職務評価の実施ガイドラインー」は、ILOのものとは異なり、正規と派遣の職務における「責任」が、最初から差が付いていました。
そして、維新はあろうことか、派遣と正規は「均等ではなく均衡待遇」と、与党と修正してしまいました。「均衡」という言葉の曖昧さ!に、よくぞ官僚考えたね!とある意味感心してしまいます。
同一労働同一賃金を提案している野党の皆様、軽々しくこの概念を持ち出さず、「労働者派遣は3年が限度。その仕事が3年を超えてもある場合は、それに就いていた派遣労働者は正規採用とするべし」と、ただこれだけを言ってほしいですね。これでも、派遣労働を認めていることになるので、私としては、大いに妥協した提案なんですが…。

では、今日はここまで。

次の「職場の組織図」を見てください。

4つの部署があります。□:正規職員、●:8時間勤務の非正規、○:7時間勤務の非正規

A部署は□・□・□・●・○

B部署は□・□

C部署は□・□・●・●

D部署は○(アさん)・○・○

●と○は、単に労働時間の違いだけではありません。○はパート労働法対象者です。●はフルタイムパート(へんな言葉!)なので、パート労働法は適用されません。

ここからが問題です。

D部署の○(アさん)は、正規職員と比べて賃金が低いことを問題とします。D部署は、この組織図の重要な仕事をしている部署です。しかし、全員が非正規です。ということは、外部から見れば、彼女たちは正規職員と思われています。
では、○(アさん)は、誰と賃金を比較するべきでしょうか?

「勿論、正規職員と比較するべき」と答える人が大多数でしょう。D部署には非正規しかいないから、D部署の三人では比較できません。○(アさん)は、裁判に訴えました。裁判官は「アさん、あなたは賃金額をどれくらい欲しいのか、明確に立証していないから却下します」という判決をします。同じ部署に正規職員がいれば、その人との仕事内容と比較して、それを賃金差に当てはめることができます。言い換えれば、裁判官は「同じ仕事をしている部署に正規がいないから、比較できない」と言っているのです。D部署の三人は永久に、「正規並みの賃金を」ということができません。A・B・C部署の正規職員と比較するのが、同一価値労働同一賃金の考えです。裁判官は、ILOが日本政府に勧告している、職務評価制度を知らないということを露呈した判決です。これでは、非正規は救われません。アさんの悔しさは想像に余りあります。

 

住んでいる地区の「ガラス瓶の収集方法」が変わりました。

透明瓶と茶色瓶はガラスの収集日に、それぞれ市の指定袋に別々に入れて、それ以外の瓶は「燃やせないゴミ」の日に出してくださいとのことです。

今までは、瓶ならば何色でも「瓶」の収集日に出すことができました。

最近、国産ワインを愛飲しています。緑色です。先日、呑んだドイツ産ワインは透かして見るとブルー系、透かさないと茶色に見えます。友人から貰って大切に呑んでいた日本酒の瓶はすりガラス状でした。

苦情兼要望を伝えるため、市に電話しました。電話で対応してくれたのは女性、「同じ苦情を何件も貰っています」とのこと。「上司に伝えます」との返事に、雇用形態を聞きました。非正規だそうです。上司に伝えても、上司が動かなかったとき、彼女に「ちゃんと改善してください」と言う権限はないでしょうね。市民の声を直接聞くところこそ、正規の職員を配置するべきです。全員が正規職員があらまほしき姿ですが…。公務員バッシングの結果の公務員削減は、時として何倍もの無駄を生みだしているかもしれません。


大学で教えている友人の話し。女子学生の結婚願望が強く、働く意欲が薄いとのこと。「一生、男性に経済的に面倒見て貰えると思っているの?」との私の問いに、「単なる願望だけ。男子学生は働くことにもっと暗いイメージしか持っていない」との返事。国家戦略経済特区とか、残業ゼロとか、派遣法の改悪とか、限定正社員とか、解雇制限の緩和とか、そりゃ、過労死、低賃金の将来しか浮かばないかも知れませんね。こういう若者のこと、安倍さんは分かっているのかしら?

このブログは、学者が書く労働問題ではありませんから、出来るだけ私の見聞きしたことを発信したいと思っていますが、最近、身近なそういう話題がありませんので、更新ができませんでした。

では、今日はここまで。いよいよ梅雨です。
黴を生やさないように気をつけましょう。

今年もよろしくお願いします。

一月から、ブログの更新が遅れました。トホホ、先が思いやられます。

さて、元旦早々、職務評価の助っ人に新幹線に乗って出かけました。ナント、格安チケットもジパングも使えない期間で、正規の運賃を払ってしましました。年金生活者なのに。

年末に予告していた中国電力男女賃金差別裁判の報告を押しのけて、これを書くのは、労働者の実態はとても酷いのですが、まさしく「働く仲間」といった感じの人たちに出会ったからです。

男女賃金差別裁判を起こしたのは2人の女性。彼女たちの仕事が男性と同じか、それ以上だったにもかかわらず、男性より低い賃金に置かれていました。こういう場合、それを証明するのに職務評価という方法を使います。日本ではまだまだ普及していない方法ですが、欧米では一般的で、沢山の本も出ています。

原告の仕事に1000点満点の何点が付くか、果たしてそれが賃金額と合っているのかを調べるには、比較する対象が必要です。

でも、裁判ともなると、比較対象者の協力はなかなか得られないのが普通です。なぜなら、裁判の証拠として提出される場合、「なぜ原告に協力したのか」と会社から睨まれてしまうからです。仮に対象者が退職していても、なかなか会社側を敵に回してまで原告の味方をしてくれる人は少ないですね。ところが、比較対象者になってくれる2人の男性が同席してくれたのです。

原告の女性KさんとNさんの職務評価の結果、かなり高い点数が出ました。男性比較対象者とほぼ同じだったのですが、男性が班長とかの肩書きがある分だけ、ほんのちょっとだけ低くなりました。でも、賃金差は、仕事の点数とは比べものにならないくらいの大きさでした。こういうことが職務評価で分かったのです。これを裁判の証拠に使えるかどうかは分かりません。なぜなら、日本の経営者はこの職務評価を認めていないので、裁判所も当然同じ傾向だからです。しかし、作業中にいくつか深く心に刻むことがあったので、以下にまとめました。

中小企業の現場で働く人たちの賃金は凄く低いということ。

私の友人にも低い賃金の人はいますが、勤めている先がNPOとかの非営利団体なので、低いのは当然と勝手に納得していたところがありました。この会社は全国に工場のある中堅どころの会社です。

職務評価をしている人たちの雰囲気が良かったこと。仲間という感じで、会話も暖かい。お互いによく知っていて「自家製の化粧品で顔を腫らしてきたね」などと笑い合いながらの作業でした。部屋は寒かったけど、ほかほかしました。

原告たちが仕事と賃金が釣り合っていないとする理由の一つに、仕事の出来ない男性同僚の存在があります。2人いるのですが、この人たちは同じ作業場にいる原告のKさんに比べれば、半分の点数しか出ませんでした。でも、女性のKさんよりはずっと高い賃金です。もし、彼らが、仕事に見合った分だけの賃金であったら、あまり能力のない人たちも働くことのできる、良い職場だと思いました。

ハラスメントは、職場に余裕がないとさらに発生し易くなります。教師もプロフェッショナルとは言えない人もいましたが、そうでない人たちをカバーする仲間意識がありました。これは、一つには、同一労働同一賃金が保障されていたのも大きな要因だと思っています。

労働者にゆとりがなく、目一杯で働く今の職場は、個人的な繋がりもあっさりしていて、スマートになったかもしれませんが、「あんなことあったね」と笑い合う職場からは大きく乖離してきているようです。

給料は安く、男女差もあったけど、残業がなく、働きやすい職場であったことにちょっと感動しましたので、新年の最初の報告にしました。では、今日はここまで

【生活保護世帯96%で減額】と【防衛費11年ぶり増】の見出しが並んで一面に(2013128日各新聞朝刊)。
さらに【文科省、全学級35人断念
公立小中学校】の記事。
おまけに【関電値上げ後も原発頼み】の記事も。

感想は?「う~」としか言いようがないですね。

民主党の体たらくが余りにもひどかったからという選挙の影響を当然予想していたとはいえ、政権に返り咲いた自民党!ここまでやるかぁ〜参議院でも過半数取れば、もう誰にも止められない。安倍さんは、所信演説で『まずは憲法96条を変える』と言明しました。安倍さんをここまで突き動かす原動力はなんなんでしょうか。


今のところ、なぜか(分かりませんね。まだ何も始まっていないのに。こんなん風評経済じゃないですか)株価は上がり、円安になり、製造業のいくつかは景気を上方修正しました。しかし、経団連は「賃上げは出来ない。日本の賃金は十分高い。まずは景気立て直し」と言っています。
本当に日本の賃金は高いのでしょうか。実は賃金が高いとか高くないとかは、労働時間も勘案しなければならないのですね。


先進国では高くない/日本の製造業の賃金2013.01.31法政大学教授 五十嵐仁さん「連合通信・隔日版」


経労委報告では、製造業での日本の賃金が高いと述べています。本当にそうなのでしょうか。

報告では、日、米、英、独、仏、韓国、台湾の7カ国・地域のうち、年収は日本が6万8987ドルで、米国(7万501ドル)に次ぐ2位だとして、国際競争での「大きなハンディキャップ」と強調しています。しかし、これにはごまかしがあります。年収は時間当たり人件費に年間総実労働時間を掛けた数字なのですが、日本は1931・8時間、ドイツは1452・5時間など、前提となる条件があまりに違うのです。
通常は、人件費を「コスト」として比べる場合、時間当たりでみるものです。金属労協(JCM)作成資料によると、日本の製造業の時間当たり人件費は2846円(一時金も含む)。2011年の平均為替レートで換算すると35・71ドルで、英国(30・77ドル)、米国(35・53ドル)に次ぐ低水準です。強い競争力を誇るドイツが47・38ドル、北欧諸国は44〜64ドル。「低賃金政策」をことさら主張する経営者は、自身の経営力量の乏しさこそが問われるべきです。


そこでちょっと日本の労働者との違いを他国のごく身近な人の例から。
「働けど働けどわが暮らし楽にならざる」の日本の労働者は見習う必要があります。

≪フランスの小さな村のはなし≫( )は私が書き加えました。

(幼稚園児)のクラスの担任の先生はバカンス中にスキーで転倒して怪我をしたそうで年明けからずーっと休み。来月(2)も復帰出来るか不明とか。どんだけの大怪我なのか?! 骨折等はなく打撲のみだそうですが。その間代理の先生が来る予定だったのですが、一週間だけ来てその後2週間は不在原因不明だそうで。来週もおそらく居ないらしい。その間、働いていないお母さん達は子どもを預ける事ができないのです。娘は仕方なく預けていますが、毎日他のクラスに振り分けられ適当に遊んで過ごしています。(この文を書いた女性は働いています)

 

さて、前回に引き続き厚労省がバックの厚生労働省委託事業「パートタイム労働者雇用管理セミナー」についてです。この手法が本当にパート労働者の仕事の価値を正しく評価し、賃金に見合ったものになるように使えるかという点です。実は、職務評価はILOが示したものがあります。このパンフには申し訳程度にILOの職務評価が紹介されています。その説明なのですが、例えば「責任」の項目に、3つの小項目が設定されています。

「人に対する責任」「物に対する責任」「財産責任」です。特に問題なのが「人に対する責任」の説明です。
説明は「同僚や部下の育成や管理、人事評価、勤務シフトの作成や調整等に関する責任」です。これを読んだら「人に対する責任」の項はパート労働者には関係がない、だから職務評価の対象にはならないのではないかと思いませんか。京ガス裁判や商社兼松裁判で、原告たちの職務評価をしてきた昭和女子大学の森ます美・浅倉むつ子編「同一価値労働同一賃金原則の実施システム」には、☆医療・介護サービス職の「人に対する責任」の説明は、「利用者に対する責任」とあります。要は、職種によって「人に対する責任」の人が変わるのです。パンフに「職種によって異なります」とは書いてありません。労働者が同一賃金にならないためのアリバイ作りのように勘ぐられても仕方のない内容です。

では今日はここまで

2012414日≪大飯原発に安全宣言≫政府が再稼働に向けてのお墨付きを出した記念すべき日になりました。閣僚に女性は厚労大臣の小宮山さんだけ。(均等法やパート労働法の院内集会で小宮山さんを何度か見ましたが、勉強熱心で弱者の立場を理解している人だとの感想を持っていました。が、それは大臣には求められない内容のようです。ついでですが、枝野さんの原発に関してのどんどん後退する発言の裏をどのように理解すればいいのでしょうか?)。女性が命に関して男性よりも深い思考をするとは思っていませんが、閣僚に半数の女性がいれば再稼働容認にはならなかったのではないかと思っています。

再度言いましょう!「脱原発と女性の登用」


さて本題です。毎日が日曜日の身なので、曜日に鈍感になっています。で、とんでもない勘違いをしました。裁判の傍聴に行かなければならなかったのに、1週間取り違えていました。何の裁判かって?2月
29日のこのブログにちょっとだけ予告した日系ブラジル人の裁判です。一回目の裁判は217日でした。で、二回目が1昨日だったのです。前回の傍聴席には、リーマンショック後に一番に解雇された他の職場の日系ブラジル人の方が20名ほどと、原告を応援している地域労組の5人ほどの参加でした。私は原告を支えている人から、原告の賃金と仕事の内容が合っていないことを職務評価で証明できないかとの相談を受けたので、関わらせて貰うことにしました。

さて、本題の労働問題です。

2人の日系ブラジル人が賃金差額を求めて提訴しました。派遣労働者ですが、派遣元()と派遣先()の間にさらに二社あって、A→B→C→Dの間に中間搾取があったのです。BとかCとかで働いていたことはありません。本来DがAに支払う賃金がB・Cを経由して減額されていました。その分を支払えというのが争点です。B・C社が原告の派遣の中間に存在していたことを証明するのは原告側です。どうしたら証明できるのか、想像しただけでも困難が浮かび上がります。

一回目の裁判は、裁判官から双方の弁護士に、訴状について何点か質問があって、次回の日程を決めて終わり。約15分ほどでした。その後、集会が持たれましたが、全部で30人ほど集まった中で、女性は私を含めて2人だけでした。集会で、女性弁護士が丁寧にゆっくりと、まるで小学生に語りかけるように話されるので、「法律用語は難しいもんね」と思ったのですが、その後の質疑で謎が解けました。かなり達者に日本語を話す彼らの感想は「分からない」でした。次回はポルトガル語の通訳をお願いせねばとの弁護団の言葉でした。争点は、上記の中間搾取と、2003年に製造業で認められた派遣労働以前から、原告たちは派遣として働いていたことです。

職務評価をするためには、原告たちの仕事を検証しなければなりません。原告たちはガラス製造工場で働いていました。働いていたのは日本電子硝子能登川工場でした。硝子繊維の糸(太さ平均1.5ミリ)の製造に従事していました。原告のAさんは階上で、紡糸ノズルから吐き出される5400本の硝子フィラメントの太さをそろえる仕事です。階下のBさんは、階上で調整されて紡がれた硝子繊維の糸を、巻き取り機にセットしたボビンに巻きつける仕事です。ボビンが一杯になったら台車に積みこみ、その台車を出荷場所に運び込みます。さらに階上のAさんは階下を見ていて、状況に応じてボビンをセットします。職務評価は4つの項目でします。知識・技能、負担、労働環境、責任です。その環境ですが、溶けたガラスは1500度もあり、冬場でも室温は50度を超えます。また、階上から階下へ降りてくる繊維をボビンに巻き取るために適当な長さにカットしなければなりません。階上から階下へ降りてくる段階でガラス繊維はゆっくりと冷やされ800度くらいになっています。カットがうまくできないと、ガラスが粉になって雨のように降って来ます。
原発労働者が着ているような、ガラス繊維を防護する作業着姿です。暑さを想像するだけに消耗しそうですね。職務評価で言えば労働環境は最悪です。次に責任ですが、階下のBさんはが階上から下りてくるカラス繊維をカットし損ねたら多大なる損失です。もし、階上のAさんが、ノズルから出てきたガラス繊維を見て、原材料が適切に配合されているかの判断を過てば大きな損失になります。原材料の配合は企業秘密なので正社員がします。慣れたらAさんでも出来るようですが、気温や湿度に左右されるので、この工程は責任と知識がさらに必要であるとのことです。労働時間は日本人よりも悪く、三交代制の最も過酷なシフトが組まれています。このように職務評価の観点から見て行くと、多分日本人の同じ立場の非正規労働者と、さらには日本人の正規労働者と、賃金差以上の仕事の価値の差はないと考えられます。

このブログでも紹介しました自治労A県本部の嘱託を解雇されたBさんの裁判で、私は彼女の仕事を職務評価の観点から考察し、意見としてまとめて大阪高裁に提出しました。しかし、大阪高裁の裁判官は、仕事の価値を評価する職務評価を、個人を評価する人事考課と同じものと考えたようでした。これと同じ轍を踏まないように、司法関係者に職務評価の宣伝をしていかなければなりません。

では今日はここまで。

325日、ずっとかかわってきた介護労働者の職務評価調査報告会を京都で行いました。職務評価についてはこのブログで度々取り上げていますが、実際に評価した人でないと、ピンとは来ないシロモノです。私も最初に職務評価の解説書を読んだとき、沢山出てくる数字の意味を読み取ることができませんでした。まず参加者の数に不安がありました。結果的に、全員で50人くらい、東京や名古屋からの参加もあって、やれやれのスタートとなりました。
職務評価は1000点満点で計算します。第一次で分析した186人の平均点は713点でした。
ケア労働、具体的には高齢者や障害者の介護をする仕事ですが、その中には利用者宅への訪問介護(ヘルパー)や施設でのケアをする職員とか、さらにはケアマネージャーとか、職種もいろいろとあります。そういうケア労働に従事している人の仕事の価値を点数化し、平均点が713点というわけです。ケア労働の報酬はとても低く設定されているのは周知のことです。年収200万円で、所謂ワーキングプアの範疇に入る職種です。
その理由は、介護は元々家庭で、女性、即ち妻とか嫁とかの立場の人が担っており、家庭では無報酬の仕事だからです。この制度の詳細を考えた官僚・政治家にとっては、無報酬であったものを外注化したのが介護保険制度であり、それは元々女性の仕事だったから安くて当然なのです。職務評価の最高点は1000点ですから、社会的地位の高い医者の仕事を例にすれば、全ての項目(知識・技能、負担、労働環境、責任)で満点を取ったとしても最高は1000点です。713点:1000点の比と、実際の賃金を比較した場合、医者の職務評価をしなくても、この比以上の賃金差があることは予想がつくことです。今後も調査を続け、今後の待遇改善につなげていくための方策を講じることも考えていかなければなりませんから、時々報告します。


さて、328日に「労働者派遣法改正」が国会で成立しました。今回も「改正」ではなく
「改悪」です。主な要点だけをまとめると次のようになります。→以降は今回の改正内容です。

派遣対象業務の限定(現在26業種。どんどん派遣で働くことができる業種が増えています)→特に問題ありとされている製造業派遣の原則禁止も今回は見送られ、現行のままだが、法施行1年後に労働政策審議会で検討を開始することとされた。

登録型派遣の禁止(派遣先が存在する時のみに、派遣業者と雇用契約を結ぶ)登録型派遣は問題が多いとして政府案で原則禁止となっていたが、今回は見送られ、現行のまま。しかし、法施行1年後に労働政策審議会で検討を開始することとされた。

日雇い派遣の全面禁止(登録型派遣のうち、雇用契約の関係が生じる期間が30日以内のもの)不安定な働き方の極限ともいえる日雇い派遣をはじめ短期の派遣労働は、禁止期間が「30日以内」になった。

直接雇用のみなし規定の創設→派遣先の企業が契約期間以上に働かせた場合、社員と認めさせる「みなし雇用制度」を施行3年後に導入

均等待遇の義務付け→同じ仕事をする派遣先の正社員と賃金のバランスも考慮するよう求めたが、罰則規定なしの努力義務。

マージン率の上限規制→派遣社員に支払う賃金と派遣先から受け取る料金との差額の公表を義務付け。

派遣でしか働いたことのない人は、毎年契約を更新しなくてもよい正社員の安定さが理解できません。今後ますます派遣労働者が増加すると、経営者に要求していく内容そのが低くなることが考えられます。国家が経済破綻を起こしつつあるスペインで、労働者のストライキとデモがあったと報じていました。日本では、労働組合そのものを敵視する世論が形成されています。今まで以上に労働者の権利がなくなる日もすぐそこ!という感がしてなりません。

全国紙の批判度が低いにもかかわらず、
ずっと労働者側に立って書いている中国新聞(2012.03.29)から以下を抜粋しました。
派遣会社への規制を強め、派遣社員を保護するという当初の狙いはかなり薄められている。〜中略〜もともと経済界や自公両党は「派遣労働を規制すると、企業が正社員しか雇えなくなり、雇用がかえって減る」と当初の案に反対していた。〜中略〜政府案そのものが労使や有識者の議論の末にまとまった妥協の産物でもあった。派遣社員でつくる労組などが改正法を「骨抜き」と批判するのは無理もなかろう。〜中略〜とりわけ04年に小泉構造改革で解禁された製造業派遣を現状のまま容認していいのだろうか。技術、技能の蓄積と継承には正社員の常用労働を基本とするのが望ましいはずだ。関係企業は派遣受け入れを繰り返すのではなく、中長期の人材育成の観点からも正社員登用の道をもっと開いてほしい。
では、今日はここまで

腹立たしいことが多いですね。

勿論原発に関することが最も多いです。私の年齢では細胞分裂が活発ではありませんので放射能をそんなに気にしなくてもいいのですが、今、わが家に小さい人が滞在していますので、食べ物の産地にはこだわっています。ところが、全ての野菜を原発事故地から遠いところから調達するのは難しいですね。風評被害や東北地方を応援するためなのか、生協の共同購入の野菜は福島産が多いです。そもそも政府と東電の秘密主義及び「直ちに人体に影響ありません」の楽観主義が、時を経るに従って嘘であると判明するようになってからは、全て疑いの目で見てしまいます。福島は果物の産地でも有名ですが、一個500円もする桃が売れないので廃棄処分にされているのをTVで見ました。計り知れないほどの直接・間接の原発被害、それでも政権は脱原発を表明していません。


16
日、久し振りにデモに参加してきました。車道をゆるゆる歩き、シュプレヒコールも言いつつ、ストレス&運動不足解消になりました。シュプレヒコールは主に「反原発」と「非正規労働者をなくせ」です。日曜日だったので、京都四条通りには多くの若者が繰り出していました。私が参加したデモは毎年、「反戦・反貧困」をテーマにしていますが、今年は「反原発」が加わりました。反貧困も反原発もこれからの人生が長い若者が強く要求することですが、残念ながら若者の参加は少なかったです。デモは労働組合型のシュプレヒコールを繰り返すだけのものであったので、沿道の人は加わり難かったと思います。


まずお知らせを一点。
働く女性の全国センターからです。

働く女性のための転ばぬ先の杖 有料電話案内 http://www.acw2.info/
私たち働く女性の全国センターは、全国の女性ユニオンと働く女性のNGOで女性の労働問題に取り組んでいるNGOで2007年1月に結成されました。http://acw2.org

働く女性の全国センターは、通話料無料のフリーダイヤルの働く女性のホットライン(0120-787-956)を行っています。 (フリーダイヤルの詳細はhttp://wwt.acw2.org/?page_id=45

電話が混雑していて何度電話してもつながらないという声を聞きます。そこで、このたび、完全予約制の確実に聴いてもらえる有料電話相談サービスを開始しました。こんな人には、便利です。職場で現在働いている女性(性自認女性も含む)て安心して相談できる友人がいない。有料でも必ず繋がる。話を聞いてもらう場所が欲しい。定期的に職場の愚痴を吐き出す場所が欲しい。安心できる情報が欲しい。

次に、裁判の判決についてです。自治労A県本部の嘱託書記であったBさんが大阪高裁でまさかの敗訴の判決を受けたことは前々回に書きました。その判決文についてですが、要約すると、「待遇改善を求めて控訴人
(清水さん)はもう一人の嘱託書記の人と労働組合を作り、使用者側と交渉をしていたのだから、その条件が折り合わない以上、雇い止めは仕方ない」というものでした。これは素人の私にも合点が行きません。なぜなら、待遇改善を求める労働者の契約を更新しないでいいのなら、労働者は雇い主に何も言うことができず、言いなりになるしかないことを意味しているからです。

また、私がBさんの仕事について書いた職務評価は無視されたのも同然でした。裁判官は職務評価を分かっていないということが露呈されました。解雇されたBさんの仕事は今、派遣労働者がやっています。その人が「Bさんは普通の働きぶり」と言っています。職務評価は特定の個人の能力について評価するのではなく、嘱託書記の仕事がどれくらいの価値のある仕事なのかを評価するものです。例えば、幼稚園の先生はピアノを弾かなければなりません。そのピアノの技能は、ある幼稚園のC先生が、ショパンコンクールで入賞した人であったとしても、幼稚園の先生に要求されるピアノを弾く能力はそれよりは低いものです。だからCさんが幼稚園の先生である限り、ピアノ技能の職務評価はトップ評価ではなく、幼稚園の先生に求められる中程度です。私が書いた職務評価は、正規と非正規の仕事の違いを評価したものです。しかし、裁判官は個人の能力と勘違いしてしまい、使用者側の「彼女はミスが多かった」という証言を証拠として採用しました。嘱託書記の仕事内容は正書記と殆ど変わらず、それだけの仕事内容を
18年間もやってきたBさんの能力が劣っているはずはありません。また18
年間もミスをしていたのならとっくに解雇されていた筈です。Bさんが担当していた退職者の関する仕事は放置されたままで、それは退職者の人が証言しています。

私も今、大学を雇い止めになった研究者の裁判の支援の事務をしています。提訴してから一年半が経過しました。この間、ずっと裁判というものを眺めてきましたが、個人が組織を相手に闘うというのは、蟻が象に挑むようなものだと痛感しています。裁判費用にしても、被告である組織の誰か個人の懐が痛むわけではありません。しかし解雇された原告は負ければ裁判にかかった費用を個人で払わなければなりません。現在進行中の、このブログにも登場した中国電力男女賃金差別の長迫さん、京大図書館非常勤講師雇い止めの井上さん小川さんは大きな壁に体当たりしているような無力感をずっと感じていると思います。労働者と組織は力の大きさから言っても対等ではありません。しかし、裁判官は対等として扱い、組織の言い分の背後やその力を考慮しないで、判決文を書いてしまっています。

日本の裁判官は、労働者側に立っているとはとても言えません。財界と政界とぴったりと同じ方向を向いていると、友人たちの裁判を見て実感しています。

では今日はここまで。

台風の被害はありましたか?

昨日は大阪で裁判の傍聴がありました。JRが止まったりしたら大ごとなので、早めに出かけました。駅まで傘をさしましたが、それ以降は傘なしで大丈夫でしたが、足取り重く帰ってきました。
その訳は、裁判の原告
(高裁段階だから控訴人)が負けたからです。「控訴人の訴えを棄却する」とたったこれだけでした。控訴人は自治労A県本部の嘱託書記で、18年間も勤務していたにも拘わらず、更新されずに解雇になりました。
解雇の理由は、表向きの理由と実は…の2つあります。実は…はハラスメントです。

表向きの理由は組合結成です。採用当初の労働条件がどんどん悪くなっていった、例えば採用当初、嘱託といえども定年まで雇用するとあったものが、労働者派遣法のような働き方の規制緩和が推進されるのと時期を同じくして、彼女も毎年、契約更新を繰り返すような労働条件になっていきました。そこで他の嘱託書記と労働組合を結成し、労働条件について交渉を申し入れていきます。
私が察するに、控訴人
が労組を作り交渉をするなどは、自治労で働いていたからこそ知り得たことで、そういう意味では自治労が推奨する労働者の権利行使の一方法を実行したに過ぎないともいえます。詳しくは「続きを読む」を見てください。


一審の大津地裁は敗訴、そして昨日の大阪高裁の判決も敗訴でした。大阪高裁に舞台が移ったときに、私はBさんと共に彼女の職務評価をしました。その結果を陳述書にして裁判所に提出しました。職務評価は「負担」「知識・技能」「労働環境」「責任」の
4項目について、その仕事の価値を測っていくものです。18年間も同じ職場にいたのだから、誰よりも仕事に精通しています。Bさんの仕事内容を聞きながら、よくこんなに沢山の仕事をこなしていたなぁと感心してしまいました。当のBさんも「あんたは嘱託やから、たいした仕事はしていない」と言われ続けていましたので、すっかり洗脳されていたようで、「えっ、私ってこんなに凄い仕事をしていたの!?」ってびっくりしていました。今、Bさんの後には派遣の人が来ています。派遣なら3年未満で正々堂々と解雇できますから。



「Bさんの契約更新をしないでおこう」と誰が言い出したのでしょうか。
実は…は、ハラスメントですが、
18年間同じで職場で仕事に精通している人がいて、その人の身分が非正規である(このこと自体がヘンなのですが)、電話の応対もてきぱきこなす。「あなたは嘱託でしょう。正規のような応対をしないで」と目障りだったのかもしれません。でも、Bさんが「私は嘱託なので代わります」と言えば、「それくらいやりなさいよね」となったかもしれません。


雇用する立場の人は、解雇することの意味を深く考え悩み抜かなければなりません。解雇は、金銭は当然のこと、生活、その人の人生そのものをも否定してしまうことになります。B
さんに仕事上の問題点があれば言えばいいのです。立場はBさんの方が弱いのですから、怖くて言えないことはない筈です。
ハラスメントをしたのは同性だとそうです。この方は、ご自身をてきぱき仕事の出来る有能な女性と思っていることでしょう。現在はトップの座にありますから、努力もされてきたのだと想像します。
このハラスメントをしたのも、されたのも同性であることに、問題があると私は考えています。
以前にも書きましたが、「先生、女の敵は女やで」と女性卒業生が言うたびに、「そうなんだろうな」と思いつつ、「その背後で笑っているのは誰?」と返してきました。
80年代、女性差別撤廃条約批准のために国内で条件を満たす環境を作らねばなりませんでした。政府は均等法を制定しました。それまでの女子のみの家庭科履修が、男子も履修するようになり、深夜労働などの女性のための保護法も解禁されました。ようやく女性も男性のように能力を認められるようになったと思いましたが、「男性並に働く」ことがその前提になりました。先進国で一番労働時間の長い男性労働者の労働条件が改善されたのではなく、女性がその中に取り込まれていきました。社会的価値観は変わらないままですから、当然、家事育児介護を担う女性は脱落していきました。男性並に働くことが出来る女性とそうでない女性の二極化が起りました。男性の働き方へ男性並に働く女性が算入してくれば喜ぶのは誰か分かります。より有能な人材の中から選別することのできる経営陣です。こういう構図に女性ははまってはいけないし、敏感でなければなりません。

中山千夏さんって名前聞いたことがありますか?一番近くで言えば「じゃりん子チエ」の声を務めていたタレントです。彼女が実に示唆に富んだ文章を書いています。「ソクラテスの妻に会いたかった」から一部抜粋します。
『夫の名によって仕事する女は、自分しか頼りのない私から見れば、ふざけたモンだった。(筆者は)リブで変わった。彼女たちは、男に同化すること、男の名によって在ることを女に強いる社会の申し子であり、これは全女の問題と知ったからだ。かくして、文壇が蔑視しかつ利用してきたソクラテスの妻たちは、今や私の同志である。』<()は私の注です。週刊金曜日863号から引用>

では今日はここまで。


 

続きを読む

ブログに書くべきこと溜まってきました。その前に一つ。今後このブログの最初にいつも同じ語句を入れます。

≪脱原発と女性の登用≫

(人災である原発に関しての政府関係者やマスコミに登場する有識者・関係者。天災である地震・津波に関しても同じ。さらには『日本は強い国』とか『日本の団結力』とかを発する競技者やタレントは全員男性です。女性は銃後の守りか、バリケードの後ろでおにぎり握っとれの時代と同じではないですか!以前から朝日新聞「オピニオン」欄の男女比について疑義を持つ私には、今回の人災の「福島原発事故」の教訓は、☆脱原発&☆女性の登用(表現変えるなら男性撤退。この際女性に任せなさい)以外に、日本が生き残る道はないと考えます。だから、いつも同じ語句を!☆脱原発&☆女性の登用


では本題。労働問題から1点。

*京都大学の図書館で遡及入力の仕事をしていた有期雇用の二人が、5年の任期にもかかわらず4年で雇い止めになったことを訴えた裁判の判決がありました。331日、京都地裁です。傍聴に行きました。裁判長の一言「棄却」、1分で閉廷です。「判決理由を読んでください」の傍聴席からの要望にもかかわらず、あっという間の裁判長退場でした。


判決文は、その後の集会で弁護士から紹介されましたが、さらに唖然!

原告の2人が感想を書いています。原告の文章は、いずれも深い洞察に満ちた文章です。判決文はこのサイトです。p34からが裁判長の本音です。
http://bit.ly/g1aHQN


原告の文章は、
http://extasy07.exblog.jp/m2011-04-01/ にアクセスしてください。


集会で私は質問しました。「二人の仕事は、補助的でしたか?」「はい、補助的だと思います」「職務評価をやってみませんか」「やります」。

このような遣り取りの一週間後に、原告が営業している京大正門の外側にある「くびくびカフェ」で職務評価をしました。当日は入学式で、「京大入学式」と書かれた立て看板の前で、親子の記念撮影が行われていました。

裁判長は原告
2人が非正規の職を選んだのは彼らの人生観にあると言いました。「京大出身の原告たちは、正規の職に就くこともできるのに!」。新入生と彼らの何年か前の姿が重なりました。


原告たちの遡及入力の仕事というのは、非常に専門的知識の要ることが、職務評価をする中で、次第に判明してきました。「入力」と聞くと、パソコンにデーターを打ち込む作業と思いますが、「遡及」というのがなかなかややこしい作業なのです。京大には沢山の蔵書があります。新しいものから古いものまで。蔵書のデーターベースは世界共通で作成されているそうです。そのデーターベース
(DB)に、京大の蔵書が正しく入力されているかどうかをチェックします。「もし」されていない場合は新たに蔵書目録を作成します。「もし」というのは、されているかもしれないのです。

日本語でもとても長いタイトルの本がありますよね。例えば今私の手元にある本の表紙には『スウェーデンとオランダに学ぶ
(横書き)』『人を大切にする社会システム(縦書き)』と二つのタイトルが記載されています。奥付には『スウェーデンとオランダに学ぶ人を大切にする社会システム』とあるので、タイトルはこの二つを足したものだと分かります。でも、これが古書で、ラテン語だったらどうでしょうか。DBには片方しか書いていない場合もあります。この場合、DBにヒットしないから新たに蔵書目録を作らなければと判断してはいけません。ラテン語であれ、何語であれ、どれがタイトルで、サブタイトルで、著者名で、出版社で、第何刷かが理解でき、DBにあるのが、この本なのか、他の本なのか判断しなければなりません。京大の蔵書は、東大に次ぐ膨大なもので、大学の中でも権威があるとされており、失敗は許されないとのことです。古書はかび臭く埃もあります。古本屋さんって独特の臭いがしますよね。パソコンの画面をずっと凝視する作業です。

これらを職務評価の
4項目≪知識・技能、責任、負担、労働環境≫に照らし合わせて評価すると、とても補助的な業務ではないほどの高得点になりました。原告2人も「補助的な仕事ではないね」と再認識でした。この仕事を非正規がする仕事であるのが、そもそも間違っているのです。でも、彼らが解雇されても、直ぐに代わりが見つかるというのが「高学歴ワーキングプア」の象徴的なことでもあります。

もう一つは、最高裁で画期的な判決が出ました。上級審へ行くほど、労働者にとっては厳しい判決が続いています。身近なところでは、上記の京大図書館であり、試用期間中に解雇された日本基礎技術の本田さんの敗訴です。
http://blog.livedoor.jp/futoukaiko/


長くなるので新聞紹介に止め、「続きを読む」に入れました。上級審の久し振りの「弱い者」の立場に寄り添った判決です。

では今日はここまで。

次回は原発についての集会とデモの報告をします。

 

続きを読む

客観的資料に基づき、決して感情的にならず、冷静沈着な内容を目指しています(?!)。しかし、今回は浅薄とは思いつつ、怒りでブログを更新してしまいました。


なんという硬直化した組織でしょうか!
(組織の動き方は、自分が経験した職場でからしか判断できませんから、原発事故「こんなことはあってはならないことですが…」のようなことがあらば、私が働いていたの場合はどのように動くだろうか、と想像出来できますが、東電の行為は全く私には理解できません。)


東電が
331日付けで政府に提出した次年度の「電力供給計画」には福島原発の7・8号機の建設が盛り込まれていたとNHKが放送しました。詳細は「続きを読む」で

 

東電では、事故対応をしている部局と、この計画書を策定する部局は全く別物なのでしょう。全体的にものごとを考える人(組織)は東電には存在していないのでしょうか。前々回のブログで、東電の社長と原発現場の作業員の職務評価について書きましたが、この場合は、職務評価の4項目≪知識・技能、負担、労働環境、責任≫の内の知識と責任は、東電の社長には必要ないということが明らかになってきます。


巨大で尊大で硬直化しているとしか考えられない東電の組織、取締役とかの幹部たちに、
3月分の給料は支払われたのでしょうか。こんな計画書を出すのだから、この原発事故に対応している部局と、給料を支払う経理部は全く別組織であり、当然従来通りの給料が支払われたと考えるほうが妥当でしょう。高濃度の放射能が検出されている地区の酪農家が搾乳を捨てている場面も放映されています。月160万円の損失だそうです。この人たちには何ら補償費用は支払われていません素人目にも取り返しのつかないこの状況は、原発が当然の職場では、まだ何とかなるの状況のようです。


明日は京都で、
416日は大阪で反原発のデモがあります。福井原発に近い滋賀県は?
「反原発」と言うと、「それでも原発に依存して生活しているからなぁ〜」と返されてしまいます。本当に原発でしかこの生活は維持できないのでしょうか。そこで9日に原発の学習会があるのをネットで発見しました。詳しくはこのサイトを見てください。

http://www.jca.apc.org/mihama/index.html

頑張って学習したことを次回のブログで報告します。

では、今日はここまで。

続きを読む

私が今取り組んでいるのは「同一価値労働同一賃金」に至る職務評価の普及です。先日も、ある裁判の集会に参加しました。この裁判は一審で負け、今高裁で裁判中です。高裁はよほどのことがない限り、一審以上の証人尋問とかはしません。それをしてもらうためには、新たな事実を提出しなければなりません。今回、解雇された原告がどれほど重要な仕事をしていたかが新たな証拠として提出され、原告の証言の機会が認められました。その経過を聞きつつ、「あれっ!弁護士は職務評価を知らないな?」と思いました。弁護士ですらご存知ない「職務評価」を普及させるためにはかなりの宣伝が必要です。そこで、「宣伝ビラ」を作ることになりました。ここ何日もキャッチコピーを考えていますが、いい案が浮かびません。

そして、とんでもないことが起こりました。福島原発の事故現場で働いている作業員2人が高レベルの放射線量を浴びました。東電はこの現場に放射線で汚染された水たまりがあることを事故が起こった六日前に知っていたけれど、その情報を知らせていなかったことが分かりました。「情報を共有できていなかった」ではなくて、「知らせていなくて申し訳ありません」が正しい言葉ではありませんか、東電の幹部の方。
2人は下請け、孫請会社の労働者でした。これらの会社は「親方の東電から言われれば危険な作業でも断れない」と述べています。

今回の被爆された作業員の仕事内容が、職務評価を知ってもらえるきっかけになるのではないかと思い付きました。

職務評価は4つの項目で評価します。
これからはクイズです。

仕事内容は原子力発電所です。

東電の社長と現場の作業員について仕事に対するレベルを答えてください。

1.原発に対する知識はどちらが高いでしょうか?

2.原発に対する技能はどちらが高いでしょうか?

3.原発に対する責任はどちらが重いでしょうか?

4.危険はどちらが高いでしょうか?

5.労働時間はどちらが不規則でしょうか?
6.ストレスはどちらが強いでしょうか?

7.肉体的にはどちらがしんどいでしょうか?

8.不快さはどちらが強いでしょうか?

9.問題解決力はどちらがより求めれられるでしょうか?

10.コミュニケーションの技能はどちらにより求められますか?
では、最後の質問です。給料はどちらが高いですか?

(上の質問項目で、社長に最も求められるのは「責任」だと思います。責任には「人に対する責任」「金銭(利益)に対する責任」があります。責任は企業のトップである社長が負うと一般常識では思いますが、事故発生2日目くらいに「原発現場から撤退します」と首相に言って、怒鳴られたと報道されていました。責任取らなくてもいいとは、気楽な稼業ですね、と毒づきたくなります。社長の方がレベルの高いのは9.10でしょうか。ということは作業員の方が求められるレベルの高い項目が多いということになります。社長業は身近に知り合いがいないので、分からないことも沢山ありますが、給料の額と正比例しているとは、とても思えません。)

 

どうですか?職務評価の方法の一端、理解してもらえたでしょうか?こんな風にして、それぞれの仕事内容にレベルを付けていきます。

現場で働く人の仕事がもっと高く評価されるために、手に職を持っている人が大切にされるために。
どうです!職務評価って使える手段でしょう。

原発反対!

では今日はここまで

急激に寒くなりました。まだ夏物を出したままです。洗濯も済んでいないのに!お互い風邪には注意しましょう。良いこともあります。夕食の献立が楽になりました。「今日は寒い!お鍋にしよう」。

今回は2点についてです。労働者派遣法の解決方法と卒業生の職務評価をしたことです。

 

労働者派遣法の改正がストップしています。これについては「201011日」のブログを見てください。

現行の派遣法は、使用者側に圧倒的に有利な法律です。一昨年の年末には「年越し派遣村」が日比谷公園に設置されたのをまだ覚えている人は多いでしょう。不景気になったら即座に解雇され、会社の寮に入っていた人はこれもまた即座に住むところを失い、大きな社会現象になりました。


最近東大が「派遣」という働き方について調査し、その結果が明らかにされました。東大の調査なんだから絶対間違いない!というのは早計のようです。どういう質問内容で調査したのかと、素人の私すら唖然としました。

連合通信に東大の派遣アンケートについての記事が載りましたので、続きを読むに入れました。まさしく誘導尋問です。「製造業の派遣が禁止されたら、あなたは職を失いますが、これをどう思いますか?」って聞かれたら、誰もが「困る」と答えるでしょう。この教授は、規制緩和の立場の人のようですね。


現段階で、民主党が労働者派遣法をまとめ、国会に法案として提出するのは無理ではないかと思います。なぜなら、民主党を支える連合の傘下には多くの大企業があります。立場、立場で派遣法に対する考えが違います。その利益代表である議員が各々に主張するのですから、まとまる訳がありません。例えば、電気連合や
UIゼンセンは製造業への派遣禁止に反対しています。


全く違った視点で派遣法に迫ったほうが速いのではないかと思います。その違った視点とは「同一価値労働同一賃金」です。
2009117日のブログにも書いていますが、フランスのように「正社員の2割増しの賃金を派遣労働者に払う」とただこれだけを決めれば、全て解決の道に繋がるように思います。2割り増しの賃金を払ってまで、いくら解雇し易いといっても派遣労働者ばかりを雇用する経営者はいないでしょう。

経営者にとって都合の悪い論理です。マスコミでも報道されませんね。どうしてフランスで出来て、日本ではできないのでしょうか?闇は深いです。


もう一点、卒業生の職務評価は、なかなか興味深い結果が出ました。協力してくれた卒業生は、現在訪問看護師として週
20時間働いています。それまでは総合病院の正看護師だったのですが、心身ともに疲れて、今は次に備えて充電中だそうです。でも、家庭で病人を看ている家族の力になれるような仕事に将来的には就きたいとのことです。


このブログで何度も書いていますが、職務評価は仕事の負担・労働環境・技能・責任の4つの観点で測ります。彼女の主な仕事は、家庭を訪問して、患者を観察し、必要に応じて点滴や投薬をし、血圧や全身状態を見ながら入浴介助をし、便の出難い人の排泄介助をし、寝たきりの人の手足をマッサージしたり動かしたりのリハビリをし、体を清拭し、床ずれ等の手当てをし、胃漏の人や嚥下困難な人に食事介助をします。

これらの仕事はさすがに責任も技能
(知識を含む)負担も最大の点数になりました。環境には、不快さと危険と労働時間の3項目あって、パートなので、労働時間を除いてはやはり高い点数になりました。1000点満点中、865点でした。ところが、これらの仕事はとても時間内に終わりません。だから事務的な仕事、即ち患者宅へ行く前の、その患者に関する記録を読んだり、情報を収集したり、点滴等の物品を準備したり、終わってから記録の整理をしたりの仕事は全てサービス残業になっています。この賃金の付かない仕事の点数も618点あります。


派遣で働いている人たちも、職務評価をすれば、きっと正社員と変わらない点数が付くでしょう。
厳然とある賃金格差に切り込むのは、今や「同一価値労働同一賃金」の概念しかないと、こんなに点数の高い仕事をしているにも拘わらず、賃金に低い卒業生を見て、ますます意を強くしました。


29
日は友人の裁判です。次回はその報告をするつもりです。

では今日はここまで。

続きを読む

日産のゴーン社長の年収が8億9千万円と株主総会で明らかにされたとTVで放映していました。社外取締役を含む12人の報酬総額が169千万円。ゴーン社長は「他のグローバル企業に比べて決して高くはない」とのご弁。

 

マツダ(広島)で惨劇が起きました。真相は分かりませんが、亡くなった方も同じ労働者でした。会社の責任者は「正社員と期間工の待遇に大差はない」と述べていました。これはTVで見ましたが、新聞には書いてありませんね。

 

お金は沢山あった方がいいのですよね。年収9億近い額をどう使うんだろう(感想&疑問)!?60歳定年で85歳まで生きるとすると5千万円近く必要と何かで読んだ記憶がありますから、5000万円までは自分の脳みそが把握できる額かな?これで年250万円、もう少し贅沢をして1億円、年500万円の計算です。やはり年収9億近い額(手取りはいくらかしらと興味津々。ネットで検索したら約41500万円と出ました。配偶者以外の扶養家族3人で計算。勿論、健康保険や年金などの社会保険料や税金を差し引いています。)は、使い切れないのではないかと思います。

 

兼松裁判の原告の職務評価をこのブログで紹介したことがありますが、Aさんの職務評価の相手は当時の上司でした。上司100点に対して確か95点くらいありました。その上司は今の商社兼松の社長です。いくらくらいの年収なのでしょうか?


社長と労働者の仕事の価値って、そんなに差があるものなのでしょうか?
ゴーンさんを含む役員の報酬額を少なくすれば、何人の期間工や派遣労働者は食いつなぐことができただろうと思います。これが資本主義なんだと、頂点に居る人は言うでしょうね。

 

キルギスタンの紛争の実態はなかなか見えてきません。前回のウズベキスタンの見聞録でも書きましたが、政治的な話題はご法度でした。私たち日本から行った観光客が聞かなかったからなのか、聞けば若いハンサムな通訳はどんな顔をしただろうか、と少々残念な感じです。キルギスタンで権力を持つことができれば、それを身内にまで拡大できると新聞で読みました。今回の内乱を操ったとされる前大統領、それを倒して政権を執った現大統領も同じ轍を踏んでいるようです。

 

アフリカでも最貧国のジンバブエの大統領に繋がる一族が22億円で豪邸を建てたと「NHKhi」で見ました。その大金持ちの人物に「どうしてこんなにお金持ちになったのか」と記者が質問していましたが、「神の思し召し」「すべては神がお決めになったこと」との回答を繰り返していました。神の意見も聞いてみたいですね。

 

権力にいない者には見えていない、分かっていないことが沢山あります。賢くあらねばと思います。では今日はここまで

「職務評価をやってみよう(詳しくは文の後半を読んでください。)

 

よく降りましたね。急に寒くなった夜、薄い布団のまま寝ていてどうやら風邪を引いたらしいです。

本格的な風邪にしないために、人混みへの外出と会話を控えています。

(両方とも無理だって?)

 

というわけで今日は東レ派遣社員のセクシュアルハラスメントの裁判傍聴へ行くつもりだったのですが、断念しました。

傍聴人を会社側は動員しているようなので、原告側も負けないように応援団を繰り出さなければいけないのですが、残念ながら京都のユニオンの応援団ばかりです。

私の情報網が狭いのかもしれませんが、大阪や京都が建物や人間の数だけでなく、こういう労働者側の支援体制が充実?していることに、やはり滋賀県だわと思ってしまいます。

 

湖南市などには日系ブラジル人が大勢働いておられますが、この人たちの労働相談は兵庫県まで行っておられると聞きました。

 

「日教組が戦後教育をダメにした」「日本は単一民族」「成田空港はゴネ得。これも戦後教育が悪い」と言って辞めた大臣がいましたが、この方、東大卒業後、現在の財務省(当時の大蔵省)から議員になった典型的なエリートコースを歩んできた人なのですね。

哲学者の鶴見俊輔さんはいつも「東大を潰さなければ」と仰います。ヨーロッパやアメリカに追いつくために明治、日本は急速に改革を推し進めました。それは上意下達の方法で進められ、その先頭には官僚がいました。それから約150年近く、民主主義を標榜している日本は、官僚国家とも呼ばれたりします。

鶴見さんの主旨は、このブログの暉峻淑子さんの言葉とも重なります。(200734日参照)

 

というわけで(どこを受けて文言か)外出を控え静かに暮らしている私は、見聞録を書くネタがありません。

 

前回にも書いたように、何らパート労働者の側に立たないパート労働法の不備を、名古屋銀行の在職29年目に入った坂さんと、国会議員と厚労省へ言いに行ったことは前回書きました。

 

「係長の仕事と私の仕事の価値は同じです」と証明するのは、誰なのかという問題です。

名古屋銀行の交渉では、いくら坂さんが「これだけの責任ある仕事をしているのだ」と言っても、銀行側が「パートは補助です」と言えばそこで交渉は終ってしまいます。それを誰が証明するのかということです。

 

厚労省が出した最新の「パートタイム労働法」の概要にも、やはり誰が判断するのか書いてありません。(以下抜粋です。)

 

 

「職務の内容が同じ」かどうか

1.職種を比較  例:営業職、販売職、事務職

 

2.従事している業務のうち中核的業務で比較

 例:パート…接客、レジ、品出し、清掃

   正社員…接客、レジ、品出し、クレーム処理、発注

「中核的業務」とは、ある労働者に与えられた業務に伴う個々の業務のうち、その職務を代表する中核的なものを指し、与えられた職務に不可欠な業務、業務の成果が事業所の業務や評価に大きな影響を与える業務、労働者の職務全体に占める時間・頻度において割合が大きい業務という基準に従って総合的に判断します。

 

3.責任の程度を比較

 

さて誰が判断するのでしょうか。

この概要の最後に「紛争解決援助の解決例」があります。

 

事例1

パートタイム労働者Aが勤務する事業所では、正社員への転換制度が設けられていますが、要件が「正社員としての能力がある者」とあいまいなものであり、制度が設けられて○年が経過した現在も、未だにパートタイム労働者から正社員に登用された者は一人もいません。Aは、実効性のある転換制度にしてもらいたいと、事業主に主張しましたが、事業主は法違反ではないとの主張を繰り返すばかりで対応してくれません。そこで、Aは労働局長から具体的なアドバイスをしてもらいたいと第21条に基づく都道府県労働局長の援助の申出を行いました。

 

解決策

申出に基づき、パートタイム労働者、事業主双方に事情聴取を行ったうえで、労働局長から実効性のある転換制度について具体的な制度を助言したところ、双方が納得し、転換試験を行いその結果に基づき登用するという新しい転換制度が導入され、紛争の解決が図られました。

 

事例2

パートタイム労働者Bは、パートタイム労働者であることを理由に解雇されましたが、解雇前の職務内容は正社員と同じであり、人材活用の仕組み・運用なども正社員と同じで、契約期間も定められていませんでした。元の職場への復職は望みませんが、違法な解雇に対する金銭補償を求めたいと第22条に基づく調停の申請がありました。

 

解決策

調停会議において、それぞれの主張を聴取し、争点は、「パートタイム労働者であることを理由とする解雇であるか」という点で整理され、同僚のパートタイム労働者にも意見をききながら事実関係を確認し、調停会議としては、「事業主は解雇前半年分の賃金額を支払うこと」とする調停案を提示して、双方が調停案を受諾することにより、紛争の解決が図られました。

 (解決策を読む限り、Bさんは正社員と認められていません。条件が揃っているにも関わらず、パート労働者として解雇とあります。)

 

会社へ不服を言った労働者は、最終的にはその会社のある労働局へ行かなければならないということははっきりしています。

 

制度の不備を嘆いていても仕方がない。「そう、法律は使ってなんぼのもん」なのです。思い切って労働局へ行こう。

(とてもこんなこと言えません。これは厚労省の担当官が言うセリフ。どれだけの時間と勇気が要ることでしょう。その前に解雇が待っていますよね。坂さんが銀行側と何回も待遇改善について交渉できたのは、彼女に信念があること。彼女を支える地域ユニオンの仲間がいることです。銀行側は坂さんを辞めさせたがっているでしょう。でも坂さんは労災認定を受けている人なのです。労災中は解雇できません。でもどうもこの労災も今、切られそうなのです。まだ直っていないのに。)

 

一度自分の職務評価をやってみませんか。厚労省のこんなどうにでも解釈できる「判断基準」ではなく、きちっと数字で出しましょう。

この方法はEUやカナダでは一般的な方法なのです。

そこでお知らせです。

 

≪職務評価入門講座≫

日時:20081023()、夕方6時半から

場所:京都ひと・まち交流館(河原町通り5条下がる東側)

事前予約なし。資料代として2〜300円。

 

平日の夕方、「とても外出できないわ」というあなた。

大津でもやりましょう。

前回のブログで宣伝しました。ただ今申込者1名。

 

この職務評価は、何人かでワイワイいいながらやった方が楽しいし、自分の仕事を客観的に見ることにも繋がるのです。

場所は県庁の近く、駐車場あり(23台無料)

土曜日の昼からを予定していますが、日はまだ決まっていません。なぜなら、まだ1名の申し込みだからです。

講師は勿論私です。顔を見たい人は是非参加してください。

参加する人はコメント欄にその旨とアドレスを書いてください。

コメント・アドレスは、あなたの許可がないかぎり公表しません。

参加を待っています。

では今日はここまで。

ご近所での挨拶は「暑いですね」の一言です。

毎日顔を合わせているご近所同士では、この言葉以外の適切な表現を思いつきません。それくらいあつ〜い。

 

さて、今日は、「同一価値労働同一賃金」についての厚労省の考えをお知らせします。ILOから何度も「日本政府は法律を作りなさい」と言われています。これを日本政府はいかに考えているのか、WWNが中心になって問い質した省庁交渉の紹介です。

(WWNは私も会員の一人です。以下にアクセスしてみてください。)

http://www.ne.jp/asahi/wwn/wwin/

 

日時は5月12日。

交渉相手は:内閣府、厚生労働省、外務省、最高裁判所、法務省。

交渉する側は、WWN、商社兼松の原告・住友メーカ裁判元原告・岡谷鋼機元原告、森ます美昭和女子大教授、福島みずほ・紙智子・西村ちなみ国会議員等18人。

 

内容は、WWNのニュースレターから取りましたが、一部難しいところもあるので、少し解説を加えてました。

私も参加したかったのですが、丁度日本にいなくて機会逃しました。次回参加して、生の取材で伝えたいと強く思っています。

 

≪同一価値労働同一賃金の概念を日本の法律にすることについて≫

 

WWN:20073月にILOは日本政府に対して、「広範で継続的な男女格差は縮小していない。労基法4条がこの概念をカバーしていると日本政府は言っているが、労基法4条が機能していないのではないか」と指摘している。

(労基法4:使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。)

 住友メーカーや岡谷鋼機などの裁判が10年以上もかかったが、労基法4条にこの『同一価値労働同一賃金』の文言が明記されていれば判決も違ったし、こんなに年数をかけなくてもすんだと原告たちは考えている。このことをどの考えるか?

 

厚労省:労基法4条はILO号条約の要請を満たしていると考えている。裁判において4条が同一価値労働同一賃金賃金にそって解釈された例があるので、現時点において法改正の必要はないと考えている。しかし、男女間格差は大きく、重要な問題であるので、施策の充実を図っていくつもりです。

(ILO100号条約:「同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約」。1条で、「同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬とは、性別による差別なしに定められる報酬率をいう。」と規定し、男女の仕事が異なっても、その価値が同一ならば同じ賃金を支払わなければならないとする。日本は1967824日に批准。)

 

WWN:ILOは「労基法4条は同一価値労働同一賃金の要素については言及していない」と勧告している。もし、入っていると考えているのなら、通達を出すとか、周知をはかるとかしてはどうですか。

 

厚労省:裁判例でも出されているの、ILOの要請は満たしていると考えています。

 

WWN:裁判例はどこのものですか。

 

厚労省:ILOに出したのは2004年の内山工業のものです。ここで男女の職務の比較をしています。2008年の兼松判決も男女を比較した記述があります。

 

WWN:内山工業は同一労働です。今の回答で、兼松の判決が同一価値労働同一賃金であると厚労省が認めて、お墨付きをくれたのなら嬉しい。95(改正均等法)以降、多くの裁判が非常に長く困難な闘いを余儀なくされました。労基法4条に明記されていれば違ったはずです。

 

(女性労働問題の判例は、下記のサイトで見ることができます。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/10/s1007-6a.html

内山工業は4番目の判例、次の京ガス裁判は5番目に書いてありますが、このブログでも2006315日と25日にも詳しく書いています。)

 

森教授:京ガス事件はなぜここに上がってこないのですか。

 

厚労省:(沈黙)

 

森教授:同一価値は職務評価で計って、価値が同じなら同一という職務評価をするプロセスが重要と指摘されていますが、日本は評価システムに言及していません。

 

厚労省:ILO勧告には職務評価分析という指摘があるが、日本の賃金システムは、仕事ではなく、勤続年数とか年功とかもろもろのものによって成り立っています。職務評価という手法よりも、人事考課や賃金制度に差別がないかを見ていくほうが日本の雇用管理に合っていると考えています。職務評価に取り組むより、制度の透明化などのガイドラインを出すなどの取り組みを進めていきます。

 

WWN:今まで男女賃金差別については、年功序列だからとか、女性は勤続年数が短いからできないと言ってきた。現在は成果主義だからできないと言っている。ILOはずっと職務評価をしなさいと言っているのに、国は企業の都合に合わせて答えを出していない。国として企業を指導しないといけないのではないですか。

 

森教授:京ガスの裁判は職務評価をして意見書を出した日本で初めての裁判です。きちっと調べてほしい。今や企業は年功序列制度を変え、成果主義さらに進めています。りそな銀行やロフトなど男女、正規・非正規に関係なく仕事に賃金を付けてきています。

 

(解説:ロフトは正社員、契約社員、パートという雇用形態をなくし、「ロフト社員」に一本化する。すべての社員の賃金は職務内容と勤務時間で決まる。りそな銀行は、ロフトと考えは似ているが、正社員とパートの区分を残したまま、能力評価基準と職務等級を統一して、正社員とパートの賃金を一本化する。同一職務で評価が同じなら時間給格差はなくなる。また働き手が正社員かパートかの雇用形態を選ぶことができる。日経ビジネス2008年2月18日号より)

 

厚労省:企業の制度については成果主義という形で仕事に就くというように変わってきていますが、調査によると労働者・使用者ともに納得していませんし、うまくいっていません。再び年功序列や能力といった方へ軌道修正しているとも聞いています。本当の意味での成果主義、仕事に対する賃金という考えにはなじんでいません。

 

長くなるので、いったんここで切ります。次回もこの続きです。

では今日はここまで。

水分補給をこまめにしましょう。

いつものようにご無沙汰です。

もう11月です。早く暗くなるし、今日は冬を予感させる空気の冷たさで、心がせかせかしてしまいました。

 

先に宣伝です。前にも紹介しましたが、恒常的に電話相談が開設されています。

もう一度確認してください。

詳しくはこのブログの左下のリンクACW2へアクセスしてください。

「働く女性の全国ホットライン」

電話番号:120−787−956

電話相談日:毎月5日、10日、15日、20日、25日、30日(年末年始休み)

時間:平日18時〜21時  土曜日:14時〜17時

毎月5日は、セクシャル・ハラスメント集中相談日

相談は無料、秘密厳守

働く上での女性の悩みはなんでもOKです。

 

さて、今日のブログも私の体験から出たものではありませんが、今、私が取り組んでいることに関係する記事が立て続けに載ったので、今日はそれを紹介します。今日と書いている間に日付が変わってしまいましたが。

 

前回と前々回の2回にわたって紹介した「職務評価」です。

 

日本で最初の同一価値労働同一賃金を認めた京ガスの京都地裁の判決、その証拠となったのが職務評価です。昭和女子大学森ます美教授が書かれた、原告と男性の監督職との職務評価の意見書を、以前に読んだときには数字の羅列もあり、すぐに睡魔が襲ってきて、なかなか理解できませんでした。

 

でも前回のブログに書いた職務評価を、ワークシートを使って実際にやってみた結果、再度読むと、今回は睡魔も襲ってこず、よく頭に入りました。

 

京ガスの原告、彼女の仕事と男性ガス工事監督職の職務の評価は107:100。

手当てを含む年収総額では、70:100と逆転します。

 

仮に監督職が500万円の年収とすると、原告には535万円支払われるべきなのに、実際は350万円しか支払われていなかったということになります。

一年で約200万円の差が付くというわけです。これは退職金にも年金にも反映しますから、生涯の差は膨大なものになります。

 

どうですか、このように、緻密な分析をしての数字は説得力があるでしょう。

 

記事の一つは、≪給与いくらが適正か?≫

「同一価値労働に同一賃金を」

「イギリスやカナダ、すでに立法化」

のタイトルで、職務評価を紹介しています。この記事は、私も参加していた職務評価のワークショップを取材して書かれたものです。(2007.10.24朝日大阪版)

 

もう一つは、

≪男と女 賃金格差大国 日本≫

<同一価値労働同一賃金へILO「法律を」>

というタイトルで、欧米で普及している職務評価を紹介しています。

 

特に、日本政府が、ILOの「同じ価値の労働なら性別に関係なく同じ賃金」を定めた国際条約を批准していながら、同一価値労働同一賃金原則を規定した国内法を作らないのは、すでにある労働基準法4条が

<女性であることを理由に賃金において男性と差別的取り扱いをしてはならない>

と定めているからだと書いてあります。

 

労基法4条が額面通りなら、京ガスの原告が裁判をする必要はありませんでした。

 

日本政府にいくら働きかけても、均等法指針の≪雇用管理区分≫は削除されないし、間接差別の定義も女性が望んでいたものからははるかにかけ離れたものだし

こういう現状を、外圧に弱い日本政府にILOから働きかけてもらうために、住友裁判の元原告や、現在裁判中の商社兼松の原告が、ジュネーブへ身銭を切って訴えに行ったことがこの記事の元になっています。(2007.10.26朝日全国版)

 

いくら労基法4条があっても、「男性は総合職、女性は一般職。だから走っているコースが違うのだから、男女に賃金差別があっても、それは賃金差別ではないんだ」。これが企業の言い分です。裁判をしない限り、この言い分が正当であるとする企業は多いでしょう。

 

さて、11月私はとても多忙な月となります。よって、11月中ブログの更新ができません。

この間に名古屋銀行の団交や、上記記事のILO直訴旅の報告やらがありますが、それらは12月に書きます。

 

風邪引かないように、お風呂に入ったらさっさと寝ましょう。

では今日はここまで。

このページのトップヘ