嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

カテゴリ: パート労働

このブログの目的が逸脱しないように、最初は労働問題から書き始めるという決心は早や崩れました。

なんで内閣支持率が59%もあるの?

413日の京都新聞は、共同通信社の全国世論調査の結果を報じました。

集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更に反対が52.1%で゙賛成の38.0%を越えているのに、原発再稼働を進める政府の「エネルギー基本計画」を評価するのは39.0%で評価しない53.8%なのに、武器三原則に代わる新たな輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」に賛成は36.2%で反対が50.4%なのに、安倍内閣の支持率は前回322日の調査より2.9%上昇とあります。

JR山科から三人の中年女性が乗車。座っている私の背後に関東弁が聞こえる。その内、車内で「あんな」と親に話しかける子どもの声。間髪いれず背後の女性の1人が「孫も『あんな』という。だらしない言葉。だからその都度『あのね』と言い直させている」と言った。どうも孫は関西圏に住んでいるよう。「あんな」、優しい響きの言葉ではありませんか?関西圏の列車の中で「だらしない言葉」と公然と言う神経が理解できません。電気を供給して貰っていた福島の人々の思いを考慮せず、都知事選で原発事故を争点にしなかった東京都民の片鱗が見えた気がしました。こういう人が安倍政権の支持率を上げているのかと勘ぐってしまいました。我が娘は子どもに「由緒正しい江州弁(豪州弁ではない)を喋りや」と言っている。あっぱれです。

前回書いた今法案化真っ最中の「労働者派遣法」について、派遣労働者として働いている女性たちの対談が「労働情報884885に載っています。国会答弁ではなく本音トークなので状況がよく分かりますが、パートと派遣の違いを一言で言えば、解雇し易さにあると私は思っています。派遣労働者は派遣先の会社からすれば、レンタル労働者だから、必要がなければ「お返しします」と言えば済みます。ややこしい手続きは必要ありません。では、なぜ労働者は派遣で働くのかと言えば、パートでは生活できないからです。派遣も正社員に比べれば格段に安い賃金ですが、正社員並みの労働時間を要求されます。フルタイムパートという働き方もありますが、賃金がすこしはましな派遣労働とどちらで働くか、悩ましいところです。正社員並みの労働時間を要求されるのなら正社員にするべきと思うのですが、今目論まれている派遣労働者法では、永久的に派遣労働者を雇用できるシステムになっています。対談でも「派遣労働者の求人票しかない」と話されています。日本の派遣労働者は圧倒的に女性が多いですね。男性はリーマンショックで失業し、住むところも失い、日比谷公園で「年越し野宿村」が設営されて表に現れてきたけど、この人たちは製造現場が主でした。事務系は女性の派遣しかいないというのが現状です。最近の日本の派遣労働者の数は100万人を少し下回り、女性が2/3、男性は13/です(総務省統計局2013年2月)。派遣も含めた非正規労働者の7割は女性です。ネットで調べていたら、派遣労働に関する以下の文を発見。羨ましい箇所を太字にしておきます。


フランス:雇用省(2011Linterim en 2010 : reprise du travail temporaire

恒常的業務に関わる派遣労働の利用は禁止されており, 利用事由は, (1)代替要員の補充, (2)企業の業務量の一時的変化への対応, (3)本来的に一時的な業務(季節労働等), (4)雇用政策上の措置(訓練目的の派遣労働及び就職上の困難に直面する者の派遣労働)―のいずれかでなければならない。

派遣先労働者との賃金, 労働条件の均等原則あり。

派遣期間の上限は原則18か月, 更新は1回まで(更新前の契約期間と合わせて18か月以上は, 原則として不可)他の雇用者の代替要員及び安全確保のための緊急作業の場合は最長9か月。

派遣先は派遣元の社会保険料の未払いについて連帯責任あり。

国会で「転勤要件」について質疑がされています。ちょっと紹介。

4月1日参議院厚生労働委員会

福島みずほさんの質問内容の一つは次のようなものです。私流に要約しました。

「均等法には、転勤を理由として女性を差別してはいけない」とあるのに、パート労働法では、パート労働者が正社員になるためには3つの要件を満たさなければならないとあり、正社員と同じような仕事をしてること、継続して勤務していること、将来に転勤できること(過去に転勤したことがある)である。非正規労働者の多くは女性である。均等法では転勤要件を禁じ、パート労働省では転勤要件を入れるというのは矛盾しているのではないか?」

これに対し、田村厚労省大臣の答弁は以下です。

確かに、パートタイムという形態で働く方々には女性が多いのは事実でありますが、これは女性に限った働き方ではないわけでありまして、当然、男性もパートタイム労働をされている方々はおられるわけであります。

ですから、その中において、この転勤というもの、まあ転勤だけではありませんけれども、その人材活用の仕組みというものが要件に入る。これは一般の働き方と同じ話でありまして、一方、均等法の中で合理的でないものに関して、それは転勤等々は要件にしちゃならぬわけでありまして、そこは十分に両方ともバランス取れているわけでありますから、女性に限ったパートタイム労働法でないということで御理解をいただきますようお願いいたします。

 

均等法の転勤要件は、これで女性を差別してはいけないことだが、パート労働者には男性もいるから転勤要件が入っていることは矛盾しないと田村さんは言いたいようです。福島さんは、質問の中で「パート労働者の7割は女性です。」と念を押しています。田村厚労省大臣の回答は的から外れています。こんな答弁で国会質議が通って行くなら、国会なんか必要ないやんか!(正当な江州弁か?)

では今日はここまで。
海津大崎の桜をおまけします。
琵琶湖から見た桜

いつもとりとめない私の感想を先に、本題は最後にちょっと、を反省し、今回は前回の続きから始めます。前回の課題は、職務給と職能給でした。
日本は、先進国の中では特殊な賃金体系で、所謂職能給です。

昨夜、非正規労働者の小さな集まりに参加しました。大阪府下のハローワークに9年間勤めていた非正規労働者が、例年のように雇用の更新があると信じるに足る上司の言動にもかかわらず解雇されました。現在その不当性を問うている裁判の原告を励ます会です。励ます話をしてくれたのは3人。
京都市女性センターウィングス京都の非常勤職員の伊藤真理子さん。ーこの方は、仕事の内容が正規と同じ、というよりも、彼女が就いていた相談業務は嘱託しかいない、言いかえれば、正規職員と相談者からは思われていたー伊藤さんは正規職員との賃金差を求めて裁判をされました。(詳細は、伊藤真理子さんと検索すれば出てきます)京都地裁、大阪高裁、最高裁全て伊藤さんが負けました、具体的に伊藤さんから仕事の内容の説明がありましたが、他の部署の正規職員と同じくらいの仕事内容でした。伊藤さんの裁判後、嘱託職員の給料は大幅に改善され、嘱託かから正職員になった人が現在課長の職にいるそうです。

2人目は大椿裕子さん、関西学院大学を雇い止めされた方です。大椿さんは、裁判ではなく労働審判の方法を選びました。大椿さんは「4年任期」の契約で雇用されていたので、裁判では即刻敗訴の可能性が高いと判断されたからです。(大椿さん、労働審判で検索してみてください)大椿さんは関西学院大学の障害のある学生支援コーディネーターの仕事をしていました。大椿さんはなぜ4年で雇用期間が切られるかに疑問を持ちます。当然ですよね、新たに入学する学生に4年の経験は生かされます。有期雇用20年というような人はざらにいます。20年もその仕事が続いているのであれば、その仕事は無期雇用ということですよね。大椿さんが解雇された後に、経験のない人が採用されたそうです。

3人目は神戸刑務所偽装請負国賠償裁判元原告の凪佳子さんです。凪さんは、刑務所内の受刑者のために、刑務所職員と相談しながら、炊事担当の受刑者と共に服役者の食事を作ってきました。しかし、凪さんは、業務請負契約を結んだ派遣元から刑務所に派遣されていたので、刑務所職員から指示や命令を受けない立場なのです。なぜなら、刑務所は凪さんの直接の雇用主ではないからです。大阪高裁は、一審の神戸地裁の判決を変更し、165万円の賠償を命じました。(たまには労働者勝つこともがあるのだぁー)これも検索すれば出てきます。凪さんの裁判の後、全国の刑務所は管理栄養士を直接雇用に切り替えました。

3人とも、思い出したくもない裁判での屈辱や悔しさはあるが、後に続く女性たちの力になれたのではないかと思っていると話されました。

特に、伊藤さんのケースは、今日のテーマである職能給と職務給に深く関係しています。

今、卒業生の何人かに協力して貰って「非正規労働者の実態調査」をしています。やはり、仕事の内容と賃金が釣り合っていないとの声が多いですね。

正規労働者と非正規である卒業生の仕事の価値についての質問に、漠然とではありますが、各自が点数を付けてくれました。正規を100点とすると、非正規である卒業生は100点とか、90点とか。ところが、賃金となると正規がいくら貰っているか分からないとの回答です。職場で、賃金の話をしないというのもありますが、非正規は時給で、正規は月給ということも要因の一つです。手当を除く「基本給を労働時間で割る」というのも時給の目安になりますが、正規労働者にはボーナスもあり、退職金もあります。また、非正規労働者には支給されない住居手当や家族手当、金銭には換算しにくい福利厚生費用も支給されています。非正規は時給と通勤費(これも時給に含まれている人もいます)しか支給されていませんから、正規の貰っている諸手当もやはり賃金の内と考えなければ、納得できないません。このように、仕事の価値は、正規と非正規で大ざっぱでも判断がつくのに比べて、正規労働者の賃金を時給換算するのはとても難しいのです。また、同じような仕事をしている正規にも、賃金に違いがあります。単に勤務年数が長いということだけが賃金に反映されている訳ではありません。
これが顕著に現れるのが、男女の賃金差です。ずっと書いています中国電力男女賃金差別事件の原告の長迫さんが典型的な例です。

なぜこのようなややこしいことが起こるかといえば、日本の賃金体系が年功賃金という職能給だからです。仕事の価値で賃金が決まるのではなく、職務を遂行する能力とか、意欲とか、努力とか、企業への忠誠心とか、目に見えない不確かなものを査定した結果が賃金に反映されるのです。これに対し、仕事の価値に基づく賃金体系を職務給といいます。

日本の企業に勤める大半の正規労働者は、入社後、営業からデスクワークまでいろんな分野の仕事を経験し、昇格・昇給していきます。EUの職務給の考えからすれば、これはあり得ません。EUやアメリカでは、エリートでない限り、営業から経理事務へといった部署替え、他の地方への転勤はありません。労働者は契約書にある以外のことはしないというのが原則です。日本では、最初に配属された例えば、経理課勤務の辞令が永久に続くとは、特に男性は思っていません。

もし、ある会社で、同じような労働条件で、経理の仕事よりも、営業の仕事の方が賃金が多いのなら、営業の職に就きたいと思う人は多いでしょう。これでは人事異動はできません。誰も安い賃金の職に就きたくないからです。転勤あり、いろんな部署への異動ありを可能にするには、職能給という年功賃金体系を取らざるを得ないのです。日本で、仕事の価値を計る職務評価制度が普及しない、抵抗が大きいのは、このような特殊な賃金体系があるからです。

では、職能給だったら、非正規労働者の仕事の価値と賃金をどのようにして計ればいいのでしょうか?
こんなに頑張って仕事しているのに、なんでこんなに賃金が低いの?卒業生の嘆きは解消されないままです。結局、比較し難い日本型賃金体系の中での、非正規労働者の賃金は、その人の仕事の価値で決まるのではなく、国の最低賃金の額で決まっているのが現状です。

ユニクロは、現在の30000人の非正規の内、16000人を限定正社員として採用すると発表しました。賃金は正社員の8割程度とか。これが一つの手掛かりになるかもしれません。まず、限定正社員と非正規の職務評価をする。職務評価は、負担、知識・技能、責任、労働環境の4つです。昨日非正規、今日から限定正社員。何が変わるのかを分析すれば、非正規の賃金の目安が計算できるかもしれません。ただし、あのユニクロです。限定正社員も非正規と同じくらいの賃金だとすると、また別の問題も生まれますが、この制度が動き出したら、賃金表を手に入れ、職務評価をやってみる価値はあると思います。
うまくいけば職務給の道筋が見えるかもしれません。

では、今日はここまで。

【生活保護世帯96%で減額】と【防衛費11年ぶり増】の見出しが並んで一面に(2013128日各新聞朝刊)。
さらに【文科省、全学級35人断念
公立小中学校】の記事。
おまけに【関電値上げ後も原発頼み】の記事も。

感想は?「う~」としか言いようがないですね。

民主党の体たらくが余りにもひどかったからという選挙の影響を当然予想していたとはいえ、政権に返り咲いた自民党!ここまでやるかぁ〜参議院でも過半数取れば、もう誰にも止められない。安倍さんは、所信演説で『まずは憲法96条を変える』と言明しました。安倍さんをここまで突き動かす原動力はなんなんでしょうか。


今のところ、なぜか(分かりませんね。まだ何も始まっていないのに。こんなん風評経済じゃないですか)株価は上がり、円安になり、製造業のいくつかは景気を上方修正しました。しかし、経団連は「賃上げは出来ない。日本の賃金は十分高い。まずは景気立て直し」と言っています。
本当に日本の賃金は高いのでしょうか。実は賃金が高いとか高くないとかは、労働時間も勘案しなければならないのですね。


先進国では高くない/日本の製造業の賃金2013.01.31法政大学教授 五十嵐仁さん「連合通信・隔日版」


経労委報告では、製造業での日本の賃金が高いと述べています。本当にそうなのでしょうか。

報告では、日、米、英、独、仏、韓国、台湾の7カ国・地域のうち、年収は日本が6万8987ドルで、米国(7万501ドル)に次ぐ2位だとして、国際競争での「大きなハンディキャップ」と強調しています。しかし、これにはごまかしがあります。年収は時間当たり人件費に年間総実労働時間を掛けた数字なのですが、日本は1931・8時間、ドイツは1452・5時間など、前提となる条件があまりに違うのです。
通常は、人件費を「コスト」として比べる場合、時間当たりでみるものです。金属労協(JCM)作成資料によると、日本の製造業の時間当たり人件費は2846円(一時金も含む)。2011年の平均為替レートで換算すると35・71ドルで、英国(30・77ドル)、米国(35・53ドル)に次ぐ低水準です。強い競争力を誇るドイツが47・38ドル、北欧諸国は44〜64ドル。「低賃金政策」をことさら主張する経営者は、自身の経営力量の乏しさこそが問われるべきです。


そこでちょっと日本の労働者との違いを他国のごく身近な人の例から。
「働けど働けどわが暮らし楽にならざる」の日本の労働者は見習う必要があります。

≪フランスの小さな村のはなし≫( )は私が書き加えました。

(幼稚園児)のクラスの担任の先生はバカンス中にスキーで転倒して怪我をしたそうで年明けからずーっと休み。来月(2)も復帰出来るか不明とか。どんだけの大怪我なのか?! 骨折等はなく打撲のみだそうですが。その間代理の先生が来る予定だったのですが、一週間だけ来てその後2週間は不在原因不明だそうで。来週もおそらく居ないらしい。その間、働いていないお母さん達は子どもを預ける事ができないのです。娘は仕方なく預けていますが、毎日他のクラスに振り分けられ適当に遊んで過ごしています。(この文を書いた女性は働いています)

 

さて、前回に引き続き厚労省がバックの厚生労働省委託事業「パートタイム労働者雇用管理セミナー」についてです。この手法が本当にパート労働者の仕事の価値を正しく評価し、賃金に見合ったものになるように使えるかという点です。実は、職務評価はILOが示したものがあります。このパンフには申し訳程度にILOの職務評価が紹介されています。その説明なのですが、例えば「責任」の項目に、3つの小項目が設定されています。

「人に対する責任」「物に対する責任」「財産責任」です。特に問題なのが「人に対する責任」の説明です。
説明は「同僚や部下の育成や管理、人事評価、勤務シフトの作成や調整等に関する責任」です。これを読んだら「人に対する責任」の項はパート労働者には関係がない、だから職務評価の対象にはならないのではないかと思いませんか。京ガス裁判や商社兼松裁判で、原告たちの職務評価をしてきた昭和女子大学の森ます美・浅倉むつ子編「同一価値労働同一賃金原則の実施システム」には、☆医療・介護サービス職の「人に対する責任」の説明は、「利用者に対する責任」とあります。要は、職種によって「人に対する責任」の人が変わるのです。パンフに「職種によって異なります」とは書いてありません。労働者が同一賃金にならないためのアリバイ作りのように勘ぐられても仕方のない内容です。

では今日はここまで

留守をしていたので、宅急便のメモが入っていました。何が届くかは分かっていたのですが、関電前の金曜日集会に参加する予定だったので、「夕方の7時半くらいにならないと帰宅しない」旨ドライバーに電話で伝えました。「いいですよ」の返事に、つい「ではお願いします」と言ってしまいました。関電大津支社から大急ぎで帰宅し待っていたのですが、結局9時近くになって配達されました。「今日でなくてもよかったのに、こんなに遅く配達して貰って悪かったですね」に、「こんなん、いつもですよ」との返事。「今朝は何時から働いているのですか」「8時からです。今日はまだ早い方です」と言い残して去っていかれました。宅急便を扱う会社に就職した卒業生が何人もいます。また、パートで営業所に働いている女性もいます。どういう勤務状態になっているのか、今日配達出来なかった分を明日配達すると、明日のノルマにどう影響するのか、分からないことばかりです。(これは金曜日に書きました)



一昨日、元朝日新聞記者・論説委員であった竹信三恵子さん(現ジャーナリスト、和光大学教授)の「あなたの給料はなぜ安いのか?=ルポ賃金差別」と、ニューヨーク市立大学名誉教授ジィス・ゲルブさんの「アメリカ大統領とアメリカ女性の状況」の講演を聞いてきました。パートの賃金が低いのも、男女で賃金差別があるのも、女性の賃金は低くて当たり前の前提があるからです。それは、女性が誰かに扶養されるという前提です。女大学そのままの男性権力者の世界がまかり通っている感じです。女大学については検索してみてください。結構面白いですよ。

竹信さんは非正規の賃金の低い理由として、岩手大学藤原千沙准教授の「女性の貧困」を引用して以下のように説明されました。
1.男女雇用機会均等法→女性保護撤廃
2.労働者派遣法
3.第3号被保険者
4.児童扶養手当削減


1については、女性を保護していた法律、例えば「女性の残業は
10時まで(例外あり)」が廃止されたことにより、女性が男性並みに働かねばならないようになった。女性が深夜まで働いているから、男性はそれ以上に働かなければならないようになった。
2については、育児や家事の中心的担い手の女性は1のようには働けない。不本意ながら1の戦力から外れた正規職を辞した女性が流れ込むであろうと予測して用意された法律。当初は原則女性を想定していた。
4にいついては、削減により、さらに厳しくなった家計を補填するために、女性は子育てと両立できる非正規労働者としての供給源となっていく。児童扶養手当については200932日のブログをみてください。



私は、これらの中でも最も性質が悪いのが、3の「第3号被保険者」制度だと思っています。それは、夫に扶養されている女性は、賃金が安くて当然だ!と法律で認めているからです
下の記事を見てください。「主婦が反発することを慮り」のように読めますが、一体誰が誰に調査をしたのでしょうか?このことで家族と話していたら「どうせ労働貴族
(男性正社員で組合の幹部。日本の大企業の組合員は殆どが労使一体なので、労働組合の幹部は会社の幹部候補生)の意見を聞いただけなのだろう」と言ってました。そういえば、東レの幹部候補生の夫を持つ年下の同僚が、「社宅から共働きで朝出勤して行くのは私のところだけ」と言ってたことを思い出しました。これはもう25
年ほど前のことなので、多分今は違う光景かもしれませんが…。

事業主は正規の男性労働者の社会保険料
(厚生年金・健康保険料)
の掛け金の半分を負担しています。その男性の妻も社会保険の適用を受けることができますから、男性労働者も事情主も妻の掛け金も負担しているかといえば、それは「NO」です。もし、事業主が妻の分の掛け金も負担していれば、「第3号被保険者制度」に即座に反対をするでしょう。でも、負担していないのだから痛くも痒くもない。妻は夫の労働を支える程度の働きの方が企業にとって都合がいいから。経済界に「保険の掛け金負担しなくていいようになるから、この制度を止めましょうよ」と呼びかけることもできない。ここを突破できれば、日本の錆びついた不名誉世界遺産ともいえる女性の地位が、ギリギリと音を立てて回り始めるのではないかとずっと思っています。


≪配偶者控除、主婦反発に配慮し廃止を見送り≫読売新聞
2012-11-06 08:20 

政府・民主党は、専業主婦のいる世帯の所得税を軽くする配偶者控除について、2013年度税制改正での廃止を見送り、当面は継続する方針だ。 複数の民主党関係者が明らかにした。 次期衆院選が近づく中で、主婦層から強い反発が予想され、党内の意見集約も難しいと判断した。 民主党は09年の衆院選の政権公約(マニフェスト)で、配偶者控除の廃止を掲げたが、4年連続の見送りとなり、衆院任期中の年度改正では実現できないことになる。 政府が12月の閣議決定を目指す13年度税制改正大綱では、配偶者控除の廃止を含む見直しについて、引き続き検討することだけを明記する見通しだ。 配偶者控除は、配偶者の年間所得が38万円(給与なら年収103万円)以下であれば、納税者の課税対象となる所得から38万円を差し引き、所得税額を軽減できる制度だ。専業主婦や、パートをしている主婦がいる世帯が恩恵を受ける。

毎週金曜日の関電大津支社前の集会で、往々にして「嘉田知事ふらふらするな!原発反対を貫け!」とかが叫ばれます。大飯原発の再稼働についての嘉田知事の態度に関しては、多くの県民が「相当な圧力がかかったな!」と感じた筈です。夏の電力ピークを過ぎてもまだ大飯原発は稼働したまま。これに対しても嘉田知事は明確なメッセージを出していません。嘉田さんの意見は「大飯原発が暫定的な安全で動いていることまで認めている訳ではない。ここで止めろと小さい声を上げても世の中の流れにはなりにくい。むしろ県民の不安を解消するため、原発事故に対する多重防護体制の構築を早く進めることが現実的な政策責任者としての方向だ」(2012.11.08朝日新聞)というもので、関電前に集まる人たちにとっては嘉田さんが「即卒()原発」と言わない分、もどかしく感じます。だから「態度を明確に」というシュプレヒコールになります。

ところが第3号被保険制度については嘉田さんは実に明確な発言をしています。「私はこの制度に反対です」と。確か、岡田副総理が「第3号被保険者制度を廃止することを断念した」というような発言に呼応するかのような発言だったので記憶していたので、
3
時間くらい記事を探したのですが、発見できませんでした。誰か発見したら、岡田副総理の記事とともに、教えてください。

配偶者のある人と、いない人が、
130万円の範囲内(非課税は103万円、社会保険の被保険者は130万円)で働いたとしたら(シングルマザーなり、パラサイトしていない独身ならこんな額で生きていけるわけがありませんけど!)、同じ時給なのに、扶養者が居るのと居ないのでは、結果的に時給が100円程度違ってくるのです。日本の賃金が同一価値労働同一賃金ではないことは今まで何度もブログで書いてきましたが、それ以外にも問題があるのです。仮に第3号被扶養者の条件を満たす範囲内で働いていたAさんが離婚した場合では、Aさんの働きは何も変わらないのに、時給が違ってくる計算になります。今は勿論同じ時給です。しかし、年金を受給する歳になってから総計算すると分かるのです。これについては2012.04.19
のブログにも書いています。


次の
ジィス・ゲルブさんが資料として提示してくださった中に、1期目のオバマ大統領の女性閣僚の写真がありました。沢山の女性、それも非白人の人が多いことを指摘されました。昨日のNHKの≪日曜討論≫を初め原子力関係の委員も99%が男性。相変わらず朝日新聞のオピニオン欄も男性ばかりの登場。男女平等が何たるかを理解していない財界、政界の重鎮たちの存在。
ゴジラが来て踏みつぶしてくれないかしら
!?

久し振りに叫ぼう!≪女性の活用と脱原発≫

では今日はここまで。


ps:勿論第3号被保険者制度をなくせば、困る人が出てきます。各人の状況に応じて対策を講じる、たとえば保育所を充実するとか、介護を手厚くするとか、別個の政策で考えるべきことだと思います。

 


 


 

風薫る5月と言いたいのですが、天候不順ですね。

大飯原発再稼働に向けての閣僚会議やおおい町の議会の様子をTVで見ていると、男性ばかりですね。今回も「脱原発と女性の登用」を言いたくなる記事からです。

新聞の記事から二点。

≪県道の国交付金大幅削減≫滋賀県のことです。

「県によると、昨年度までは90~95%が確保されていた。本年度も当初予算で『社会資本整備総合交付金(防災分を除く)87億円計上したが、4月上旬に国から337千万円を示された。近畿24県で大幅に削減されたのは滋賀県のみといい、昨年度に比べても半減した。県が見込んでいた87億円のうち約50億円は<義務額>。トンネルやJR線との立体交差道路など大型事業のため複数年契約を結んでおり、契約不履行」が発生する可能性がある。県は一括交付金の道路枠を増やして対応できるよ検討している。ただ残りの40億円弱の<必要額>までも、一括交付金で対処するのは困難。まちづくりを担う市町は懸念を高めている」~中略~県道路課は「削減理由を国に問い合わせている。(京都新聞2012.05.10


≪男社会で働くあなたへ。女子組読者モニター
6人へ嘉田滋賀県知事がアドバイス≫

読者モニターQ「『悪気なく女性だからと言われた時、どう消化すれば?』

嘉田知事A『新幹線の凍結問題で、森喜朗元首相が私のことを<女の人だな。やっぱり(視野が)狭い>と発言した。非難すると同じ土俵にのるだけ。<駅が必要ないことに男女のは関係ない。県民が選択したのです>と答えた。左右に対して第3の道を探す。日常の処世術として大事よ』」


なぜ滋賀県のみが社会資本整備総合交付金を削減されたのでしょうか?昨年度までは9095%が確保されていたのに。あなたの考えはどうですか?

私は嘉田知事が大飯原発再稼働に反対していることと、女性知事であることが原因だと直感しました。今、契約している工事が今年度履行されなければ、業者にとっては死活問題です。当然、嘉田知事に苦情は集中します。交付金を沢山貰うには、国に楯ついてはいけないのです。「よく分かったかぁ~!!」と国(官僚)が言っているのが聞こえそうです。

≪後日談≫

ある集会でこの2つの記事について話しました。そこでの会話です。

「京都の山田知事は、そのうち原発反対とは言わなくなると政権は思っている。本人も『あれ、世論に押されて原発再稼働反対の側に来てしまった。今さら引き返せないしなぁ~』のようなことだろう。要は政権に甘く見られているのでは?」

「大阪の橋下さんも、手続きに異議ありと言っているので、いずれは政府の言うことに条件を付けながら、政府側に寄っていくだろう」

「命の問題として、また、琵琶湖の水質の学者として嘉田さんは卒原発と言いながら、反原発が本心だろう。筋金入りの反対派だから、政府も陥落できないし、最も手ごわい相手と恐れているのだろう。だから滋賀県が削減対象になったのだ」 


では、前回の社会保障の続きですが、長文なので、「続きを読む」に入れます。


 


 

続きを読む

前回に厚労省小宮山大臣の労働者派遣法の対応についての物足りなさを書きました。大飯原発の再稼働を決めたのが閣僚会議と報道されていたので、たった一人の女性の小宮山さんは、どんな発言をされたのかと気になっていたのですが、この閣議決定のメンバーではなかったようです。日本で女性が決定権のある場に参加できるのはいつのことでしょう。少子化で、将来は労働力が不足するのは明らかなのに、女性の能力を認めない人がまだまだ多い、この点ではとても先進国とはいえない国であることは確かです。
最近、韓国の労働法制について学ぶ機会がありました。韓国では今年
411日に国会議員の選挙があって、各党の労働問題に関するマニフェストの載った資料が配布されました。その資料には、各党の代表や、労働法制に関する意見を強く発言している人たちの写真がありましたが、6人中5人が女性でした。
会場から韓国の政治家の女性の地位を尋ねる質問がありました。講師の龍谷大学脇田滋教授は「韓国は儒教の国なので、日本よりも圧倒的に女性の地位は低いです。日本では夫婦別姓を人権の立場で主張していますが、韓国が現在でも夫婦別姓なのは、妻は夫の家に入れないからです。非正規労働者も女性が多く、この写真のように、なぜ女性たちばかりが掲載されているかわ分かりません」と答えました。会場から「韓国の母親としての地位は高い。息子も母親には頭が上がらない」の声がありました。確かに韓流ドラマでは、何故息子はそこまで母親の顔を気にするかな!って思う場面が多々見受けられます。
イタリアも女性の地位が低いとの記事を朝刊(朝日2012.4.29)で発見。日本と同じように少子化なのですが、「女性は家庭へ」の考えが強いとのことです。しかしながら、女性の地位を表す世界フォーラムの「男女格差指数」で昨年、イタリアは
135カ国中74位、日本は98位でした。スウェーデンでは、男性を100としたときの女性の賃金は80%台です。日本は圧倒的に女性に多い非正規老奏者の賃金を含めると40%(以前から何度も書いてますが、EUでは非正規の時間単価は正規より高い)です。長年にわたり女性たちが運動していてもこの状況です。机上やデモや署名で抗議しても一向に先進国並みにならない。実効ある方法の一つが、スウェーデンのように「女性は男性の80%の賃金なのだから、買い物では価格の80%しか払わない」という方法ではないでしょうか(実際に行われているか、近所のスウェーデン人に聞かねば。うまく通じたらの話ですが…)


さて、この学習会で友人が話をしました。与えられた題は「パート労働者と社会保障」です。友人Aは
32年間パート労働者でした。年間の賃金は100万円強でした。130万円までなら、会社員の夫の被扶養者として第3号被保険者で、年金を掛けなくても将来年金を受け取ることができます。でもAはこの制度を利用しませんでした。夫の扶養家族にならずに、独立した一人の労働者として、自らの賃金の中から社会保険料を支払い続けたのです。(ある卒業生が言ってました。彼女は最初アパレルに勤め、結婚を契機に辞めました。最近子育てと両立できるパートを始めました。卒業生の殆どがこのパターンです。この卒業生曰く『夫の扶養家族だと、例えば「ブラウスを買ったの」と夫に報告するのも屈辱、夫が「どんなん?」と聞いてくると、「俺の稼ぎで勝手に買って」と言われているようでまた屈辱!』)
その結果、Aは保険料総額約200万円強を支払い、65歳で年金年額99万円を受給するという通知を日本年金機構(旧社保庁)から受け取りました。Aの友人Bは、同じような年齢でパート歴も同じです。Bは第3号被保険者となり、結婚するまでの間の5年間の社会保険料18万円以外掛け金を支払うことなく、年額95万円の年金を受け取ります。≪女性は夫の扶養範囲内で、家計補助的に働くことが優位である≫の典型的な例です。
では、扶養してくれる相手のいない人はどうなるのでしょうか?それはAと同じように、社会保険料を払い続けるのです。
2016年からパート労働者の社会保険に関する制度が変わります。次回はその点について少し解説します。なんとなく見過ごして生きればストレスは少ないかもしれませんが、人権には敏感にならないと、とは思っています。では、今日はここまで。

台風の被害はありましたか?

昨日は大阪で裁判の傍聴がありました。JRが止まったりしたら大ごとなので、早めに出かけました。駅まで傘をさしましたが、それ以降は傘なしで大丈夫でしたが、足取り重く帰ってきました。
その訳は、裁判の原告
(高裁段階だから控訴人)が負けたからです。「控訴人の訴えを棄却する」とたったこれだけでした。控訴人は自治労A県本部の嘱託書記で、18年間も勤務していたにも拘わらず、更新されずに解雇になりました。
解雇の理由は、表向きの理由と実は…の2つあります。実は…はハラスメントです。

表向きの理由は組合結成です。採用当初の労働条件がどんどん悪くなっていった、例えば採用当初、嘱託といえども定年まで雇用するとあったものが、労働者派遣法のような働き方の規制緩和が推進されるのと時期を同じくして、彼女も毎年、契約更新を繰り返すような労働条件になっていきました。そこで他の嘱託書記と労働組合を結成し、労働条件について交渉を申し入れていきます。
私が察するに、控訴人
が労組を作り交渉をするなどは、自治労で働いていたからこそ知り得たことで、そういう意味では自治労が推奨する労働者の権利行使の一方法を実行したに過ぎないともいえます。詳しくは「続きを読む」を見てください。


一審の大津地裁は敗訴、そして昨日の大阪高裁の判決も敗訴でした。大阪高裁に舞台が移ったときに、私はBさんと共に彼女の職務評価をしました。その結果を陳述書にして裁判所に提出しました。職務評価は「負担」「知識・技能」「労働環境」「責任」の
4項目について、その仕事の価値を測っていくものです。18年間も同じ職場にいたのだから、誰よりも仕事に精通しています。Bさんの仕事内容を聞きながら、よくこんなに沢山の仕事をこなしていたなぁと感心してしまいました。当のBさんも「あんたは嘱託やから、たいした仕事はしていない」と言われ続けていましたので、すっかり洗脳されていたようで、「えっ、私ってこんなに凄い仕事をしていたの!?」ってびっくりしていました。今、Bさんの後には派遣の人が来ています。派遣なら3年未満で正々堂々と解雇できますから。



「Bさんの契約更新をしないでおこう」と誰が言い出したのでしょうか。
実は…は、ハラスメントですが、
18年間同じで職場で仕事に精通している人がいて、その人の身分が非正規である(このこと自体がヘンなのですが)、電話の応対もてきぱきこなす。「あなたは嘱託でしょう。正規のような応対をしないで」と目障りだったのかもしれません。でも、Bさんが「私は嘱託なので代わります」と言えば、「それくらいやりなさいよね」となったかもしれません。


雇用する立場の人は、解雇することの意味を深く考え悩み抜かなければなりません。解雇は、金銭は当然のこと、生活、その人の人生そのものをも否定してしまうことになります。B
さんに仕事上の問題点があれば言えばいいのです。立場はBさんの方が弱いのですから、怖くて言えないことはない筈です。
ハラスメントをしたのは同性だとそうです。この方は、ご自身をてきぱき仕事の出来る有能な女性と思っていることでしょう。現在はトップの座にありますから、努力もされてきたのだと想像します。
このハラスメントをしたのも、されたのも同性であることに、問題があると私は考えています。
以前にも書きましたが、「先生、女の敵は女やで」と女性卒業生が言うたびに、「そうなんだろうな」と思いつつ、「その背後で笑っているのは誰?」と返してきました。
80年代、女性差別撤廃条約批准のために国内で条件を満たす環境を作らねばなりませんでした。政府は均等法を制定しました。それまでの女子のみの家庭科履修が、男子も履修するようになり、深夜労働などの女性のための保護法も解禁されました。ようやく女性も男性のように能力を認められるようになったと思いましたが、「男性並に働く」ことがその前提になりました。先進国で一番労働時間の長い男性労働者の労働条件が改善されたのではなく、女性がその中に取り込まれていきました。社会的価値観は変わらないままですから、当然、家事育児介護を担う女性は脱落していきました。男性並に働くことが出来る女性とそうでない女性の二極化が起りました。男性の働き方へ男性並に働く女性が算入してくれば喜ぶのは誰か分かります。より有能な人材の中から選別することのできる経営陣です。こういう構図に女性ははまってはいけないし、敏感でなければなりません。

中山千夏さんって名前聞いたことがありますか?一番近くで言えば「じゃりん子チエ」の声を務めていたタレントです。彼女が実に示唆に富んだ文章を書いています。「ソクラテスの妻に会いたかった」から一部抜粋します。
『夫の名によって仕事する女は、自分しか頼りのない私から見れば、ふざけたモンだった。(筆者は)リブで変わった。彼女たちは、男に同化すること、男の名によって在ることを女に強いる社会の申し子であり、これは全女の問題と知ったからだ。かくして、文壇が蔑視しかつ利用してきたソクラテスの妻たちは、今や私の同志である。』<()は私の注です。週刊金曜日863号から引用>

では今日はここまで。


 

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言い訳の前回を除いての更新から早や4週間近くが経ってしまいました。

先週の水曜日に、CEDAWの日本政府への勧告の学習会に参加してきました。

同じ週の金曜日に、東京で厚労省の担当者や国会議員に会って少し行動してきました。今回はその2つの報告をします。

 

まず、数字からです。

67.1」これが日本の男女賃金格差、男性を100としたときに女性の賃金の割合を示した数字です。

例えば、あなたの住んでいるところの労働局雇用均等室へ行くと、いろんなパンフレットが置いてあります。そこにもこの数字が並んでいます。

数字はよーく見ないとダメなんです。この数字は、短時間労働者を含まない一般労働者の時間当たりの賃金格差の数字です。

 

今や、非正規労働者は2000万人近くにもなり、その2/3は女性です。むしろ女性の働き方の実態をよく示しているのは、非正規の人たちなのですから、非正規の労働者の数字を出さないと、日本の女性の賃金の実態は分かりません。

 

では、ここでいろんな数字を挙げてみましょう。

この数字は平成18年の賃金構造基本統計の数字です。

 

政府の統計では、正規労働者を「一般労働者」と表しているので、ここでは一般労働者と書きますが、一般って意味深長な言葉ですね。

 

上記の「67.1」は一般労働者の給料の1時間当たりの男女格差の数字です。

ボーナスの男女格差は、53.6です。これを含めると、「62.9」になります。

 

どうですか?数字はいかなる料理でも出来、違う結果で出るのです。

 

では、男性の一般労働者とパートの女性では、その格差はどれくらいだと思いますか?

一般労働者の男女格差で60台だったから、5040302010のどれでしょうか?

答えは賃金とボーナスを含んだ数字での比較です。男性一般労働者を100としたとき、「38」です。

 

ついでに男性の一般労働者とパートの男性では、43です。同じパートでも、女性の方が低いのが分かりますね。

 

女性の一般労働者とパートの女性では、59です。

 

この数字には、家族手当のようなものは含まれていません。

なぜなら、パート労働者の統計には、この項目の調査はしていないからです。まあ、パートの人が賃金、残業代、ラッキーならボーナス、それ以外に手当てがでることはあまり考えられませんからね。

だから、一般労働者はこういう手当てをもらっているので、実際の数字はもっと開くはずです。

 

さあ、いよいよ今日の本題です。

 

CEDAW(国連女性差別撤廃委員会)は日本政府に「勧告」を出しています。引用します。

33番目がこのブログの内容に関係します。

「委員会は、主に職種の違いやコース別雇用管理制度に現れるような水平的・垂直的な雇用分離から生じている男女間の賃金格差の存在、及び雇用機会均等法に関連する政府のガイドラインに示されている間接差別の慣行と影響についての認識の不足に懸念を有する。委員会はさらに、パートタイム労働者は派遣労働者に占める女性の割合が高く、彼らの賃金が一般労働者より低いことに懸念を有する。」

 

これ対して、日本政府の回答は以下です。

 

「改正された均等法では、女性に対する差別的取扱いが禁止され、男女均等取扱いは確実に浸透してきているが、事実上の格差は依然として残っている。今後の課題は、事実上の格差をいかに解消するかである。〜中略〜。

女性は、パートタイム労働者の7割を占めており、女性雇用者の4割はパート労働者であるが、そうした労働者の賃金は正社員より低くなっている。今年3月に発表された報告を踏まえ、政府は、正社員とパートタイム労働者との均衡を考慮した処遇の考え方を示す指針の改正準備を進めている。」

 

こんな回答で、日本の女性が置かれている状況をCEDAWの委員は理解できるでしょうか。まして、政府はその根拠となる数字を「67.1」として送るでしょう。

ここはなんとしても、日本の女性労働は圧倒的に非正規であり、ワーキングプアであることを正確に伝えてもらわなければなりません。

 

次に名古屋銀行のパート29年目に突入した坂さんの例をひきます。

東京でちょっと動いてきたというのは、今年4月から施行された「改正パート労働法」では、なんとも救済できない坂さんの正行員への転換の道を、探ってきたのです。

 

結論から言えば、方法はないということになりますかしら?

こんな悔しいことってあるでしょうか。29年間も、正行員と同じか、それ以上の仕事をこなしてきた結果が、29年間で時給400円アップです。賞与は年間18000円、成績が悪ければなし。誰が査定するのでしょうか。

退職金なし、慶弔休暇なし。

 

あと2年近くで退職。全国のパートで働く人たち、特に女性のために、こんな低賃金にもかかわらず、全国を飛び回り運動してきた坂さん、それがもしかしたら何の恩恵も得られないかもしれないのです。

 

一つの会社の労働組合なら団結して、会社側に交渉を申し入れることもできますが、パート労働者はバラバラです。そもそも正社員の組合に入れてもらえないことが普通ですものね。だから坂さんのような人が行動を起こしても、集団にはなり難いのです。

 

国会は多分今月の24日くらいに開会されて、補正予算だけ審議したらすぐに解散になるでしょう。こんな大事なときに、坂さんのような人たちの切実な願いになんら応えることなしにです。

 

どうすれば労働者が働きやすい、報われる世の中になるのか、いかに1票を使うか真剣に考えるときがすぐそこに来ていますね。

 

一方でCEDAWへの働きかけ、他方で、改正パート労働法をもう少しまともな法律にすることが、今必要です。車の両輪のようにね。

 

CEDAWは、外圧専門のWWNを初めとした各地の女性労働団体にまかせるとして、改正パート労働法をパート労働者側の法律に作り直していかなければなりません。

 

坂さんがいくら「私の仕事は正行員の仕事と変わりません」と言っても、銀行側がそれを認めなければ、坂さんの主張は通らないのです。これが通らなかったら、正行員にはなれません。正社員になるためには、他に2つの要件を満たさなければなりませんが、この職務の分析が最も主観的な判断材料に使われそうです。

 

そこで今日は提案します。

パートで働くあなた、あなたの職務分析をしませんか。誰がするって?

勿論このブログの書き手である嶋川センセで〜す。

 

職務分析をやってもいい人は、コメントにそう書いてください。ブログの左下にあるように、あなたのコメントは私のアドレスに入り、あなたの許可なく公表されることはありません。

 

日本中のパート労働者が「私の職務分析の結果です」と厚労省へ突きつけたら、きっとパート労働法は、使用者のものから、パート労働者の法へ万分の一でも変わると思います。

 

では今日はここまで。

旧知の元同僚と三井寺を散策してきました。

疎水の桜も先週末でお仕舞いのようです。桜吹雪の中を歩きました。

 

さて、今日のブログはILO勧告の続きの予定でしたが、緊急性の強いニュースが入ってきましたので、それから始めます。ILO勧告の続編は次回に回します。

 

一つはお知らせです。

私も会員のACW2からです。

 

≪パートホットラインで声を上げよう≫
いよいよ改正パート法スタート。しかし、現実は?

職場から、地域から、あなたの声を聞かせて下さい。

働く女性の全国センターACW2は、07年1月に発足したNGOです。働く女性のホットラインを常設して、女性たちの声を国会や厚生労働省などへ届けています。4月からのパート労働法改正が職場でどのように活かされているか、厳しい現場の声を聴くために集中ホットラインを計画しました。
パート労働者を雇用しているのは、企業全体の65.5%で、従業員規模別では15人未満の企業は43.5%100299人以上の企業では82.1%と規模が大きくなるほど割合が高くなっており、パート労働者は企業にとってなくてはならない存在です。
今回の改正法は、パート労働者と正社員など通常の労働者との差別的取扱いを禁止するはずのものでした。しかし、ILO175号条約の趣旨である均等待遇から大きく外れ、改正パート労働法で差別が禁止されるパート労働者はわずか数パーセントに過ぎません。今回の改正パート労働法は経営者側にとって、都合のよい法
改正となっており、多くの企業が改正されても「影響なし」と答えています。よって、格差の拡大と差別を固定化するものです。3年後のパート労働法の見直しに向け、ホットラインを活用して現場の声を集めながら、私たちが望む均等待遇を実現できる法律にしていきたいと思います。

0120−787−956(フリーダイヤルなやみなくそうコール)
全国集中ホットライン

全国どこでも無料・秘密厳守
日 時 2008年5月9日(金)18:00から21:00
        5月10日(土)14:00から17:00
        5月11日(日)14:00から17:00

 

2つ目は、同じくACW2が企画した厚労省交渉の結果の報告です。

410日厚労省で、改正パート労働法について交渉が行われました。

 

関係省庁出席者は、
厚生労働省 労働基準局 監督課 法規係長 
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 短時間・在宅労働課 企画法規係長 
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 短時間・在宅勤務課 均衡待遇推進室係長
厚生労働省 政策統括菅付 労働担当参事官室 室長補佐
厚生労働省大臣官房地方課 労働紛争処理業務室 労働紛争係長
内閣府男女共同参画局 推進課 課長補佐
内閣府男女共同参画局 推進課 推進係長 
(この人たちを官僚というのですよ。)

国会議員は

小宮山洋子衆議院議員、西村ちなみ衆議院議員、郡和子衆議院議員、神本みえ子参議院議員、高橋千鶴子衆議院議員、小池晃参議院議員、福島瑞穂  参議院議員。木原誠二衆議院議員・岡本みつのり衆議院議員・相原久美子参議院議員は秘書が出席。

報道関係者は 朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、NHK

3時から4時というたった1時間の交渉でしたが、このメンバーの出席を依頼し、調整するのは本当に大変なエネルギーを要しただろうと思います。


☆合同酒精のパートタイマーの実態と、このブログに度々登場する名古屋銀行の29年目に入ったパート労働者の坂さんが質疑しました。


名古屋銀行が、今年4月から施行された改正パート労働法を、いかに銀行側に有利に運用しようとしているかは再三団交の様子を書いてきました。

 

合同酒精の方の報告の詳細は分かりませんので、ここでは坂さんのことを報告します。ACW2の報告には、「議員の方からも、改正パート法で懸念したことが現実になった。現場の事例に愕然としたと驚きの声が上がった」とあります。

(改正パート労働法は名前だけで、正社員になる人なんか誰もいないのではないかと最初から言われていました。愕然とした声って、最初から分かっていたはずと、私は「議員の愕然」に愕然としてしまいましたわ。)

坂さんは、名古屋銀行の正行員転換制度について質問しました。最短でも4年、でもこれは昇給が一年で3段階ほどアップしての話し。良くても、年に一度1号昇給するのが普通でしょう。それもパート労働者なのですから。いまや銀行は、カウンターに座っている人も殆どが契約とか派遣とかのパート労働者です。正規と非正規の仕事は交じり合い、明確に線引きはできないのが現実です。それは銀行に勤めている卒業生も言っています。

 

同じ仕事をしている人を、なんやかんやと屁理屈を付けて、順当に毎年1号ずつ昇給して7年もかかる転換制度が果たして、改正パート労働法の目的に合致した制度なのかどうかについての坂さんの疑問に対する厚労省の見解は、「違法とまではいえない」(なんのこっちゃ!!)とのことです。

 

坂さんは仕事が終ってから毎晩遅くまで、今回の交渉のための文章を書き続けました。勿論新幹線代も自前で、一日の賃金何千円かを犠牲にして東京へ行ったのです。本人の疲労感は相当なものだったと察します。疲労は徒労に終るという一日だったようですね。

 

最初から分かっていたはずの結論。しかし、何も言わなければ、何も変わらない。というわけで、一番目のホットラインへ、是非思いの丈をぶつけてください。

では今日はここまで。

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