嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

女性が働き続ける上での様々な情報を提供し、また仕事上の様々な問題を共に考えます。

カテゴリ: 労働問題全般

さぼっていた訳ではありません。書くという行為について考えていました。(影の声:こういうのを言訳と言うのです)

世の中に労働問題のブログやHPはごまんとあります。私のような素人ではなく、研究者による専門的な内容のものが即座に検索できます。

先日、人命に関わるようなTVニュースの画面の下方に「明日は晴れるでしょうか」のようなツイッターが流れて来て、「なんでこんなどうでもいいことを発信するのか」と思ったことがありました。思ったことを発信する手段を、権力側にいない人々が持つことは、新たな抵抗の手段として意義は十分にあります。だからこそ、内容が問われているのではないか、私のブログはこのツイッターと同じではと思ったりして、書いては止めの連続です。

この間、いろんな研究会に顔を出しました。朝10時半〜夕方5時まで、休憩40分の研究会では、脳が飽和状態になって溶けるのではないかと思うくらいの内容でした。この研究会は「福祉国家構想研究会」といって、安倍政権の進む「新自由主義国家構想」とは逆の考え方の研究会でした。安倍政権は、富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる「トリクルダウン」を謳っていますが、私の少ない「儲ける」という経験からも、持てる者が持たざる者に分かち合うというのは、幻想だと思います。持てば持つほど、もっと欲しくなるというのがカネというものだろうと推察しています。

今朝の記事では、自民党が圧勝とのことですが、あなたは、もし電話で「世論調査に協力してください」と言われたら、回答しますか?私は、割と短い間に、2回電話調査の依頼を受けました。まず、調査の主体である最初の名乗りが早口なので聞き取れません。アルファベットで言われても…。

宝くじも当たったことがない、お年玉付き年賀状も枚数の割には切手シートが数枚だけという私に、世論調査が頻繁に来る訳がない。「あなたはどの政党を支持していますか」の回答で、即ブラックリストに載るだろう。(このブログを読めば、反原発、特定秘密保護法反対、集団的自衛権反対等々で、もうとっくに載っているでしょうけど。影の声:こんな雑魚は無視されていますよ〜)
良き市民として回答した結果が、いつの日か逮捕に繋がりかねないと真面目に思っています。だから回答しません。回答する人の考えが知りたい。だから、紙上で「世論調査の結果、自民圧勝か!」のような記事を読むと、回答している人は誰?と問いたくなります。

早や12月、忘年会のシーズンです。この楽しい筈の宴会での、非正規労働者Aさんの話を紹介します。

今まで何回も雇用の更新がなされてきたAさん。Aさんが、雇い止めになったのはある年の329日。325日に年度締めくくりの職場での一杯飲みの会がありました。Aさんの生殺を握っている上司の席に、お酌をしにいくかどうか、Aさんは悩みます。その年の上司の態度が、それまでとは違っていたからです。その原因にAさんは思い当たることがありましたが、Aさんに落ち度はなかったので、従来通り仕事をこなしていました。ただ、上司の態度が腑に落ちていませんでしたが、まさか雇い止めされることはないだろうと思っていました。思っていても安泰でないのが非正規です。今、「来年もよろしくお願いします」とビールを注ぎに行って、更新がなかったら惨め。もし、お酌をしに行かず、更新がなかったら「なぜ、あの時行っておかなかったのか」と悔やむと、Aさんは葛藤します。そのストレスたるや想像に余りあります。結局、Aさんは更新がなければ明日から食べていけない訳ですから、ビールを注ぎに行く方を選択しました。結果は「更新なし」でした。

何が問題って?

書くものバカらしい。非正規の人にこんな思いをさせるような飲み会をするなよ。私も、毎年職場で、歓送迎会、忘年会に参加していました。嫌な人にはお酌なんかしない、というかまあ手酌選択派。これって、正規雇用の強みだったのですね。気の合う人とお喋りし、楽しく飲んでいました。教育現場の非正規労働者の雇用は特殊ですが、非正規の人の飲み会での心中を知りませんでした。やり場のない憤り、突きあげた拳の先の虚しさ。残酷物語です。

今回は、非正規と正規の中間のような存在の「限定正社員」について、共に考えてください。

以前、卒業生から「会社が、女性を限定正社員にしようと目論んでいる」とメールがありました。女性だけに限定するなら均等法違反です。逆もそうですが、男性が賃金の安い、出世コースではない限定正社員に限定されることはまずありませんから、ここは女性の問題として考えていいでしょう。

限定正社員の限定とは、地域と勤務時間が限定であることから来ています。その結果、当然賃金は正社員よりも低くなります。フルタイムで働いても、ユニクロは正社員800万円(55歳年収)に対して、400万円と報道されています。(president online 2014.05.14)

私は、限定正社員制度に反対でした。まず、賃金差に納得できなかったからです。

*正社員の賃金の半分ないし以下は妥当な額なのでしょうか?

*転勤のないことが賃金の半分ないし以下の根拠となるのでしょうか?

*残業をしないことが賃金の半分ないし以下の理由になるのでしょうか?

卒業生のメールで、会社は解雇するために、営業所を潰す可能性があるとも言っています。勤務地限定だから、その場所に働くところがなくなったら問答無用の解雇ありです。で、このような理由で反対でした。ところが、先日参加した「職場の人権」の研究会で、この研究会の立ち上げ人である熊沢誠さん(甲南大学名誉教授)は、ひらたく言えば「限定正社員制度を活用しよう」と提言されました。

「え〜!これって悪制度と違うの」と私。

熊沢さんによれば、

既に企業は、その企業で働く従業員を全員同じような待遇で扱おうとはしていない。

【政府も経団連も、非正規、R社員(リージョナル、これが限定正社員)、N社員(ナショナル、国内転勤型)、G社員(グローバルに移動するグローバル社員)4階層を推し進めようとしている。】

追い出し部屋に象徴されるような、その労働者の主体性を失わせるまでハラスメントで追い詰め、本人の都合で辞めさせる「普通解雇」が横行している。一方、非正規労働者は、上記のAさんのように、明日の雇用の心配をしなければならないし、最低賃金に近い賃金で働いている。成果を上げるために追い込まれる正社員にも、不安定な非正規にも「雇用の安定は」不可欠である。これが最も重要な原則である。このまま働けば過労死まっしぐらとか、介護や育児を抱えて(男性も)転勤や残業をすれば、家庭生活そのものが成り立たなくなる労働者に選択肢は必要だ。残業のない、転勤もない限定正社員の道もありではないか。
勿論、最大のネックの賃金は、労使の交渉にある。「もっと、労働組合頑張らんかい」という強烈なメッセージを含む提言でした。

この提言に対して、私はいくつか疑問があるのですが、熊沢さんからは「視点が小さい」と言われそうです。これは次回に。

その時、選挙結果はどうなっているのでしょうか?

では、今日はここまで。

なんで、大多数の庶民が願うような政治にならないのか?これが民主主義の一つ、選挙という方法で政治家を選ぶ難しさです。シリアでアサド大統領が再選されましたが、政府軍がコントロールしている地域だけでの圧勝でした。シリアも日本も、国民の願いが反映されているとは言えません。真の公正への追及は、人間の永遠の課題です。

矢継ぎ早に、念願というか、悲願の政策を打ち出す安倍首相へ、国民は何もかも付託したのでありません。でも、言いたい。こうなる結果は分かっていた。自民党に投票して、原発推進、特定秘密保護法は必要、集団的自衛権を行使のできる国に、労働者派遣法は改正(どうしても「正」という字に違和感あり)するべき、年収一千万円以上の人は残業代ゼロOK、地方教育行政法改正に賛成、とかとか…。そういう人以外、安倍首相の政策に異議ありの人で、自民党に投票した人は、後悔先に立たずの格言通りになってしまいました。

1992年にカンボジアへ、日本の自衛隊が派遣されたとき、私は自衛官の人権について勉強したことがありました。「海外(往々にして戦争中か戦後)へ行け」と命令があった時、果たして自衛官は「私は行きたくありません」と言えるでしょうか?という勉強会です。その後、周辺事態法という法律ができ、自衛官が「いやです」と言えるかどうかについては不勉強のままです。
で、今、集団的自衛権行使が浮上して来ました。賃金もらっているから労働者だし、「辞めます」は言えるはず。ただし、派遣(派兵)されるくらいの年代の人なら、退職金は少ないでしょう。最近、求人難と報道されているけど、非正規の仕事ばかり。転職は簡単にはいきません。まして、日本の労働者の立場は弱い。
東亜ペイント事件という、転勤を拒否した労働者が懲戒解雇になったことを争った裁判で、労働者が負けました。転勤命令もですが、もし集団的自衛権が成立し、派兵が決まったとすると、その命令をする権限のある人は誰か?という疑問よりも、命令をする人にその権限があるのかという疑問が出てきます。タイムリーな記事を見つけましたので、一部のみ紹介します。


≪終わりと始まり)死地への派遣 国家に権限はあるのか 池澤夏樹≫
201463日朝日新聞

 国家には選ばれた一部の国民を死地に派遣する権限があるのだろうか? 非常に危険率が高いとわかっているところへ送り込むことができるのだろうか? それが自衛のためだと言うならば、国の生存権と個人の生存権の関係についてはもっと議論が要る。 今の自衛隊員は憲法第九条があることを前提にこの特殊な職に就いたはずである。自衛のための出動はあるが(東日本大震災はその典型)、他国での戦闘はないと信じて応募した。 だとしたら彼らには次の安定した職を保証された上での転職の権利がある。そんなつもりではなかったと言う権利がある。戦場には殺される危険と同時に殺さなければならない危険もある。その心の傷はとても深い。あなたは見ず知らずの人間を殺せるか?

残業代ゼロ法案に反対している人の意見には、「労働者の合意を得れば…とあるが、労働者が経営者と対等である訳がない、他の労働者が全員合意した中で、一人だけNOということは難しい」というのがあります。集団的自衛権で派兵される自衛官と重なります。

いよいよ、外国人家事労働者を日本が受け入れるようです。今まで、日本は単純労働者を認めてきませんでした。少子化日本だから「来て貰ったらいいんじゃない!」と思っている人も多いでしょう?先日、外国人介護労働者の受け入れについてのシンポジウムが京都で開かれたので、参加しました。日本の労働者に直関連してくる問題提起がなされました。次回は、これについて書くつもりです。単純労働者=家事労働者というのが納得できませんし、これは単純労働者=家事労働者=介護労働者となる構図を予測させます。

では、今日はここまで。

≪「残業代ゼロ」募る不安≫
新聞各社が連日報道しています。

労働時間ではなく、成果をベースに賃金を支払う。これにより、子育て中の女性が退社後仕事を家に持って帰って仕事ができるようになる。

よって、企業は子育て・介護世代を活用し易くなり、雇用が増える。

要約すると、これらが提案した産業競争力会議が言いたいことのようです。

本気でこんなメリットが労働者側にあると思っているのでしょうか?

「成果」という概念が私には分かりません。

民間企業では、誰でもが成果という達成目標を立てて働いているのでしょうか?

営業なら契約を成立するとか、製造現場なら目標の数の製品を仕上げるとか。

学校なら、落第生を出さないとか、有名大学に何人合格させたとか。落第生を出さない取り組みは、今の文科省なら成果とはカウントされないような気もしますが…。

「東京新聞」は東芝で研究者だった女性の裁判を報じています。

http://homepage2.nifty.com/tsbrousai/news20130705.html

http://tocana.jp/2014/03/post_3860_entry.html



彼女は、衆議院(参議院だったかも?)議員会館で行われた「女性の労働、均等法」の院内集会で私の前に座っていました。細くて、ずっとしんどそうでしたから、よく覚えています。彼女と同じく液晶画面の開発に携わっていた男性同僚が半年の間で2人自殺した職場でした。「今年の秋に新製品を売り出す」のような会社の目標に向かって、成果を出さねばならない職場だったようです。

一面の見出しにあるように、ここで問題なのは「残業代ゼロ」でしょうか?では、残業代が支払われれば労働者は何時間でも働いてもいいのだとも、記事は読めますよね。

1986年施行の均等法と同じ道を辿りそうです。それまでの女性保護法を撤廃、女性も男性並みに働けるようにしたのが均等法でした。その結果、現在、非正規労働者の2/3は女性です。男性並みに働けない女性は正社員の座から滑り落ちました。残った女性は、男性と同じ過労死に至る正社員の道を歩んでいます。

こういう見出しにするのではなく、「どこまで際限なく働かせる気だ!」「過労死も鬱もさらに増える!」のような見出しにしないと、本質がつかめませんよね。

毎度、私が比較の対象として引き合いに出すEUは、残業代については労使の問題だとして、政府は介入していません。日本より規制が緩いようにも見えますが、週労働時間はばっちりと規制していて、48時間が上限です。この48時間は、時間外、即ち残業時間を含めたものです。さらに、EU指令では、一日に付き最低連続11時間の休息期間を設けなければなりません。
医療費高騰し、社会保障の財源は危機的だから、応分の負担を…ということで日本の消費税が上がりました。安く長時間使える労働者、企業で病気が発症すれば、企業が責任を取るのではなく、税金で賄おうとする魂胆も透けて見えます。東芝の女性研究者の裁判は、原告が勝訴しましたが、この提言が法律になれば彼女は救われないことになります。



先日、「神風」というドキュメントを観ました。特攻作戦から生還した男性が、「私は大学生だったので、アメリカの物量を知っていた。そのアメリカと戦争をして勝てる訳ないと思っていたから、零戦の乗るのがとても怖かった」と証言していました。また、別な集まりで、80代の方が「日本はこの先どうなっていくのだろうか」と仰いました。私は年齢を重ねる毎に嘆きが深くなっています。私のような、特に専門の研究者でもない人間でも、安倍政権の目指す方向は間違っていると考えています。専門家、例えば上記の零戦に乗らねばならなかった大学生のような、既に労働問題に精通している人は、苦しいだろうなと想像します。
そして、ついにある研究者に言ってしまいました。「先生は何をされるおつもりですか」とね。

自分のことを棚に上げての不遜な言葉でした。でも、ちょっこと言いたい。その道の専門家、警鐘を今鳴らさずしていつ鳴らすお積りですか?

そうそう、女性労働の仲間のスウェーデン研究家が書いています。舞台は当然スウェーデンです。

減税を唱える現政権に対し、国民は減税分の一万円、例えばレストランで消費するよりも、集め合わせ、不遇な人に再分配することは、思わぬ事故や不幸、高齢により困る可能性のある自分に得だと思い始める。ままならぬ人生を背負う個人の安全保障を、国家という連帯の機能で納税を通して行ってきたスウェーデン人にとって、その機能がない国家は退場して頂きたい。(いこ★るvol39『スウェーデンを通して見る「くにのかたち」榊原裕美著』)

あらゆることが個人責任にされつつある日本に住む私には眩しいような考えです。

では今日はここまで。

今回は信楽MIHO美術館の枝垂れ桜です。
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今回も教育から。

ドイツの小学校に通う小学生の話しです。この小学生の担任が3日間の病欠だそうで、メールが来た時点では3日目でした。先生のお休み、これはどこにでもある話しですが、ここからが日本と異なります。

そのクラス児童は、他の5つのクラスに振り分けられました。他の5つのクラスには当然担任がいます。そのクラスの担任が、振り分けられた子どもたちの面倒を見るというのなら、まあ分からなくはありません。日本なら、まず他のクラスに振り分けしないで、教頭とかのフリーの先生が勉強を教えます。

で、ここからが全く理解できないことなのですが、振り分けられた子どもたちは、振り分け先のクラスの先生の授業を受けるのではなく、同じ教室でプリント学習をするのだそうです。同じ学年だから同じ教科書です。でも教室の前で教えている先生はあくまで自分の担任しているクラスの子どもだけを教えている。振り分け先の元々のクラスの子どもたちは4時間授業、で、自習している子どもたちはプリントが出来次第の3時間で帰宅。
前回、日本の小学校の運動会における高学年の子どもたちの一糸乱れぬといってもいいほどの団体競技について、それが行き過ぎた場合の怖さを書きましたが、さすがにドイツのこの例に、こんなばらばらでいいのだろうかとの感想を持ちました。他のクラスに振り分けられたこの小学生は、そこで初めて、自分の習っている先生との進度が違っていることに気が付いたそうです。日本で言えば、掛け算をしているクラスと、まだ九九も暗唱できていないクラスのような例えでしょうか。

この小学生が日本の小学校に通っていたときの担任は新人でした。でも、絶えず学習の進度や教え方についての学年会議があり、新人の先生のクラスの子どもたちが特に進度が遅れるということはありません。画一的というのを嫌うことはとても大切だと思いますが、ドイツのこの例に関してはどう考えればいいのでしょうか?労働者である教師という観点からは、病欠した同僚のクラスの子どもたちの面倒をみるのは「契約以上の労働」になるとの考えなのでしょうか?いつも労働者の側に立たねばと言っている私ですが、理解に苦しむ内容です。

後日談で、この小学生の担任はさらに3日間の病欠だそうで、後半の3日間は他の学年の先生がクラスに入られるとのことですが、勉強は教えないそうです。やはり、教師の労働者としての問題のようですね。

そこで、教師の労働とはどのように定義されているのか、ILOの条約で調べてみました。この小学生の親は、日本の教育とドイツの教育を知っているから、日本を基準にして「なんで他の先生がカバーしないの」と思ったようですが、ドイツの教育しか知らない親は、これが当たり前かもしれませんから。
ILOは国際労働機関、ユネスコは国際連合教育科学文化機関、United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization U.N.E.S.C.O.の略で、諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関。この両者が共同で「教員の地位に関する勧告」(ILO・ユネスコ勧告)を作成して、1966年に採択されています。
この勧告で重要な点は、これが条約でもないにもかかわらず、監視機関として<「勧告」の適用に関するILO・UNESCO共同専門委員会>という組織が設立されていることにあります。日本の教職員組合は2005年に、この監視機関に申し立て『日本の教職員の労働実態と健康への影響について』(全日本教職員組合)を行い、この監視機関は、日本政府に「改善のための勧告」を出しています。(日本政府への勧告は労働時間だけに限らず多岐にわたります)ただ、この申し立てが約10年前なので、新しいデーターが使用されている
東京学芸大学紀要2013年<教員ストレスに影響する要因の検討─ 学校教員の労働環境と意識─佐野秀樹・蒲原千尋の論文から一部抜粋の形で引用させてもらいました。
読んでみようと根気(勇気)のある人は「続きを読む」をどうぞ。これを読むと、ドイツの小学校の病欠の先生の例よりも、なんでも引き受けてしまう日本の教師の方が少数派なのかも知れないという気もします。

滋賀県の嘉田知事が「小泉元首相の反原発の意見を歓迎する。また、教育に政治が介入してはいけない。学力テストの公表には反対する。政治家の役割は教育の環境を整えることにある」というようなことを述べたと新聞で読みました。
ぶれない知事で一安心です。
では、今日はここまで。


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日曜日に書き始めました。

日曜日の3日前の木曜日、京都であったケアワーカーの賃金についての学習会に、千葉に住む会員が参加しました。彼女は、福島原発告訴団http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/

の関東事務局を担っており、福島へも度々出かけています。最近、体調が悪くなり、それまで沈黙していた持病が一気に出たので、京都の、相性の合う温泉に毒素を出しに来たのだそうです。彼女は、しばしば福島に行きますが、告訴団本部のある福島に住んでいる訳ではありません。

金曜日、関電前の集会に参加しました。そこで発見!夕暮れが早くなったこと。「反原発」とのステッカーを貼った団扇が必需品だったのに、夕闇に映えるペンライトが必需品になりました。集会で、韓国が福島とその周辺の7県の魚の輸入を禁止したことのニュースが話されました。オリンピックの開催が決まる前日の韓国の措置なので、政治的な思惑があるとの日本側のコメントが出ています。

土曜日、安倍首相が、IOCでの原発事故による汚染水の処理の問題の質問に対して、『全く問題はない。』と述べました。何の根拠があっての回答なのか?国民はそんな解決法があるなんて何も知らされていませんから、びっくり!どうかこの言葉に責任を持ってくださいね。「2020年には安倍さんは首相をしていないので、責任は取らないよ」との家族の声。原発事故の責任を取るという言葉が、具体性を持ちません。 業務上過失致死傷などの疑いで告訴・告発された東電幹部や政府関係者ら約40人全員を、検察は不起訴処分としました。オリンピック招致委員会竹田理事長が「東京と福島は250KM離れている」と発言して、福島の人たちを怒りと絶望に落としました。ミュンヘン在住の日本人が、チェルノブイリの原発事故の影響で、ミュンヘンの公園の砂場の砂は全て入れ替えられたとドイツ人から聞いたと言ってました。チェルノブイリ原発事故から27年後の現在も、未だにキノコ類は食べることができないそうです。チェルノブイリとミュンヘンは1600KMくらいは離れています。IOCの理事たちの原発事故に対する考えがよく分かりませんが、原発事故がまったく収束していない現状に対して随分と楽観的のようです。世界に向かって約束をしたのですから、政府はこれを契機に本気で事故処理に取り組んでくださいね。


さて、労働問題です。

限定正社員についての講演を聞きました。演者は、昭和女子大学の木村武男さん、龍谷大学の脇田滋さん、元甲南大学の熊沢誠さんです。三人とも労働関係の研究者です。

三人の研究者は、必ずしも「限定正社員」に否定的ではありませんでした。私は、以前、このブログに否定的なことを書いたことがありますので、この考えは意外でした。
今、限定正社員について、政府の規制改革会議で、使用者寄りの論議が進められています。即ち、限定正社員を増やし、解雇をし易くしようという内容です。今いる正社員も限定正社員になる可能性が大となります。でも、この「限定正社員」については、新たに法律が作られるということではないのです。あくまでも「あんた、転勤いややったら、限定正社員で契約せえへんか」という労働者と使用者の労働契約での問題なのです。だから、使用者に対して弱い立場の労働者は、その先に「解雇自由」のようなことが起こるであろうことが分かっていても、一人ではなかなか「いやです」とは言えないことに繋がるのです。
今、規制改革会議が提案しているのは、限定正社員の解雇をしやすくする方法です。限定正社員は転勤がありません。その地域限定の正社員ですから、その地域の職場がなくなったら、「あんたの勤務地の職場はなくなりました」と言えば、他の職場を斡旋する義務を会社は負わなくてもよいのです。現在、解雇には「解雇4要件」があって、安易に使用者は労働者を解雇できません。(現実は安易に解雇ありの社会ですが、この4要件があるから裁判も、団体交渉もできるのです。)解雇4要件については、2011.7.31のブログを参照してください。

 「限定正社員なら転勤しなくていいやん」というメリットもあります。この転勤を逆手にとったのが、三人の演者の考えです。「転勤イヤ。正社員のように過労死するほど働かない。」という限定正社員を多くの労働者が選べば、ガラパゴス化している日本の労働者の働き方を変えるチャンスになるのではないか!即ち、全人格を企業に捧げる働き方は、それを望む一部の人にしてもらい、人生も楽しみたい、家族とも過ごしたいと考える人は、定められた仕事を、定められた労働時間で働くというジョブ型雇用を選ぶ。労働者が日本に比べれば格段に守られている欧州型の働き方へと転換していくのに、限定正社員を使えばどうか、というのです。

私のように、規制改革会議が方向を出そうとしている限定正社員のデメリットばかりを考えるのは、正社員という働き方こそが正しいとする考えにとらわれているからだとも話されました。
でも、欧州型にするには、沢山の問題点があります。その最大のものは、賃金です。ユニクロでの限定正社員の賃金は、時給に少しプラスアルファがあるだけで、正社員(限定ではない正社員を無限定と呼ぶそうです。無限定!なんと人格はく奪のような言葉でしょう。)とは雲泥の賃金差があるそうです。ユニクロの店頭での店員が、誰が(無限定)正社員で、誰が限定正社員かわかりませんね。
そう、ここで問題になるのが、仕事の価値です。ユニクロの無限定正社員と限定正社員の仕事の価値の差は、賃金の差と連動しているのでしょうか?少なくとも、店頭販売の職務を測る【知識・技能、責任、労働環境、負担】の4要素にそんなに差があるようには思えません。「いやぁ!正社員と限定正社員とでは、全く仕事の価値は異なるのです」と多分、ユニクロの経営者は言うでしょう。こういうときに、力を発揮するのが「同一価値労働同一賃金原則」に基づいた職務評価です。ILO推奨の得点要素法の職務評価を、企業がやりたがらない理由、正社員で構成されている労働組合(ユニクロには組合が無い!)がやりたがらない理由は、説明しなくても読めてきます。賃金以外にも、日本の労働者が世界規格になれない点があります。何が問題なのかは次のサイトを読んでみてください。

http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2013/06/post-569.php

ここで深読みです。規制改革会議が「限定正社員」を推奨している理由の一つに、「地域限定にすれば女性が働きやすくなる」というのがあります。安倍内閣は、社会保障削減を打ち出しています。介護制度についても、今まで要支援だった人は、支援がなくなります。「必要な方で施設を利用したい人は自費でどうぞ!自費が負担できない人は家庭でどうぞ!」ということです。やはり、介護を女性の手に担わせる魂胆だな!限定正社員を女性に推奨する前に、ILOやCEDAW(女性差別撤廃委員会)や国際人権規約委員会からの勧告を真面目に聞きなさいと言いたくなります。根源的に間違ったスタート地点に立つ規制改革会議、と疑り深い私は思っています。

では、きょうはここまで

限定正社員を知っていますか?
この限定正社員の解雇ルールについて、着々と規制緩和の方向で審議会が進められようとしています。

なぜ、今回が限定正社員なのかというと、卒業生の身に迫ってきた案件だからです。

卒業生(Aさん)から相談メールが来ました。Aさんは高校卒業後約20年間、この全国に支社のある会社で働いてきました。仕事と育児を両立させてきた、問題意識のある女性です。

最近、突然社長が『女性だけを(地域)限定正社員にするつもりだ』と宣言。

で、Aさんからの相談に対し、私が最初に問題だと思ったのは、「女性に限る」とした点です。「すぐに均等室に駆け込むべし」と言いました。均等法(改正男女雇用機会均等法)6条違反ではないかと思ったからです。

≪第6条≫

事業主は、次に掲げる事項について労働者の性別を理由として、差別的取り扱いをしてはならない

一 労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む。)、昇進、降格及び教育訓練

二 住宅資金の貸し付けその他これに準ずる福利厚生の措置であつて厚生労働省令で定めるもの

労働者の職種及び雇用形態の変更

四 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新


これらは、≪ 降格、職種変更、雇用形態の変更、労働契約の更新も差別の対象になる≫という条文です。

Aさんのケースでさらにやっかいなのは、「女性限定」という点です。「あー良かった!男性は関係ない」と思った男性組合員は、女性のために社長に抗議するというような共同行動を取らないでしょう。女性の労働条件が悪くなれば、即男性にも及ぶのですが、取り敢えず目の前の障壁だけしか見えないのが、日々馬車馬の如く働いている労働者の悲しさ。先見の明を持ちたくも、思考力ゼロ状態なのですから。このケースの結論は、「会社の労働組合ではなく、まず労働弁護団に相談すべし」でした。労働弁護士によると、Aさんの社長の行為は、均等法、労基法、憲法の、違反の塊だそうです。

で、以前、ユニクロが地域限定正社員制度を編み出したとの記事があったことを思い出し、さっそく調べてみました。以下ユニクロのHPからの引用です。

地域限定正社員制度の運用開始に関するお知らせ

20070305

株式会社ユニクロは、20074月1日より「地域限定正社員制度」の運用を開始いたします。この制度はユニクロの店舗に勤務する非正社員である契約社員及び準社員を対象に、勤務地域を限定する正社員として、契約変更を進めるものです。

【導入の背景】

 現状、ユニクロの店舗で働く正社員は、全国を対象とした転勤を前提としておりました。そのため、優秀でありながら、制度上は正社員として雇用できなかった人材に活躍の場を作ることは、かねてよりの課題でありました。また、大型店を軸にした積極的な出店戦略を展開していく中で、人材の不足感は、今後より顕著になってくる事が予想され、人材の確保と育成の必要性も高まっておりました。

【制度の概要(限定正社員のみ抜粋)しました

(注1) 地域限定正社員が現行制度上の正社員と大きく異なる点は、転居を伴う転勤が発生 しないことです。そのため、地域に愛される店づくりの核となる有用な人材として、長期にわたり継続的に店舗運営に貢献していただくこととなります。」

【制度の狙い】

1.優秀な人材の成長促進と活用によるお客様満足の向上と、それにともなう業績の向上
2.優秀な人材。の長期・安定的雇用による店舗運営・経営の安定
3.社会的課題の解決(特に若年労働層の活性化など)への寄与


転勤がない

労働者に優しい、なかなか良い制度ではないですか!って思ったあなた、ここからが本番です。「続きを読む」に東京新聞の記事を引用します。で、この記事を引用しての私なりの解釈です。

まず、正社員と限定社員に違いです。

正社員:転勤がある。どんな仕事でもする。残業がある。無期雇用である。解雇するためには制約がある。


限定正社員
:転勤なし。労働時間に制約がある。無期雇用である。仕事の内容は限定されている。事業所や仕事がなくなったときに解雇される。


この太字の箇所が、いよいよルール化されるというのが、審議会の動きなのです。勿論、これは安倍内閣の三本の矢のひとつ、規制緩和の流れです。
で、卒業生Aさんに降りかかった「女性を限定正社員に!」という社長の一声は、結果的に次のような構図になって、Aさんを追い詰めるかもしれません。

女性たちを通える範囲の支社とか営業所とかに転勤させる。→その事業所を経営上の理由(なんでもOK)から閉鎖する。→解雇

今まで限定正社員という雇用形態を持っていなかった企業も、ルール化されて解雇が安易に出来るようになれば、Aさんの社長のような行動「うちの社も限定正社員の制度をつくろうっと」をとるでしょう。ますます、労働者は解雇されやすくなります。

で、この地域限定という働き方は、転勤が大きな要素としてあるが故の制度です。転勤はどこまで可能なのでしょうか?
私の場合は、,片道1時間半以内の通勤距離は、労使合意でした。滋賀県の公務員なので、県内の異動で済みました。おかげさまで最後の勤務校は徒歩圏内でした。配慮に感謝です。でも近いから、お正月2日から、勿論土日も、毎日遅くまで仕事をしていましたけど。当時は問題意識のない労働者でした。(反省!)

で、転勤というのはとても日本的な慣習なのではないかと思い、判例を調べてみました。海外の転勤状況はうまく検索にフィットしませんでしたが、以前聞いたとり読んだりした範囲においては、日本ほど常態化していないような記憶があります。その最大の理由は、欧米では日本と違って、就社するのではなく、就職するからです。日本の場合、女性ならば、事務職のままの人が大半ですが、男性は、事務もやれば営業もやるというように、会社の中のあらゆる仕事を経験するのが原則当たり前なのです。だから、転勤は起こりえます。しかし、就職なら、その仕事に就くことが条件なので、会社の全ての職務を経験するということは考えられません。

転勤は、人生を左右する事件です。妻(夫)も働いている、介護される高齢者がいる、看病される家族がいる、転校に伴う子どもの負担等を考慮すると、転勤ってそんなに効率的な働かせ方かな!って思います。

では、以下が転勤の判例です。
http://www.jil.go.jp/hanrei/conts/036.htm

「続きを読む」もよろしく。

では、今日はここまで。



 

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文章を書くときに、抽象的な言葉はなるべく使わないでおこう、「頑張る」のような言葉は、具体的な言葉に置き換えられないか再考して!と、授業で言ってきました。「美しい国」と盛んに言っているこの国の首相は、どのようなことが脳裏にあるのでしょうか?「、国民のみなさん、ゴミを拾らいましょう」という意味なのかしら?

タイムリーに下書きしていたのですが、今になってしまったイベントの感想から。

427日〜29日「ラ・フォレ・ジュルネ」、日本語で「至福の時」というそうですが、19世紀からのフランスとスペインの音楽と題して、有料、無料のコンサートが開かれました。びわ湖ホールは琵琶湖畔にあります。オペラ歌手の小野和歌子さんが歌うメインホールのステージのバックは全面ガラス窓です。窓の向こうには、青空と、若葉が風に揺れる大きな2本の木と、びわ湖畔を散策する人々の姿が見えました。無料コンサートなので、聴いている人もラフな格好で、生活の延長線上に音楽がある感じ。誰もがゆったりと穏かに時を過ごしていたように見えました。白いドレス姿の小野さんの歌声を聞きながら、「美しい国」とはこのようなことをいうのではないだろうかと思いました。

主催は滋賀県です。嘉田さんは数少ない女性知事です。その嘉田さんの発言が、新聞に載っていましたので、紹介します。(2013.05.08京都新聞朝刊)
≪嘉田知事、96条改正「慎重に」 原発トルコ輸出を批判≫

 滋賀県の嘉田由紀子知事は7日の定例会見で、今夏の参院選の争点に浮上している憲法96条の改正について、「慎重であるべき。権力者側が緩和をして変えやすくするのは主権在民に反する」と述べた。

 嘉田知事は国民的な憲法論議の必要性を指摘した上で、改憲に必要な国会の発議要件を定めた96条の改正について、「憲法は国民が権力者に歯止めをかけるもの。国際的にみても3分の2を必要とする条項は異常ではない」と述べた。 また、参院選では原発とエネルギー問題も重要な争点になるとし、安倍晋三首相がトルコへの原発輸出を表明した動きについて、「福島の現状をみれば、原発が地震を克服したと言えない。地震国のトルコに輸出するのは国際倫理上も問題」と批判した。

 

滋賀に暮らしている私は、この点だけでも大阪府とか大阪市とかの住民よりは気持が楽になります。それに比べて、これも数少ない女性、それも最年少の大津市長はまだまだ勉強不足です。政治が教育に介入した歴史をご存知ないようです。トップに立つ人は、おさおさ怠らず歴史を学んでください。でないと、「侵略の定義は定まっていない」」などと発言した、抽象的文言の好きな方と同次元になってしまいます。この話題は、大津であった53日の憲法記念日の集会でも話題になりました。嘉田さんもそうですが、こういう集会に参加された野洲市長は大いに気骨のある方だとお見受けしました。

1990年の湾岸戦争勃発のとき、イラクがクウェートになぜ侵入したのか、授業で調べました。マスコミが報道しているアメリカ一辺倒ではない歴史が見えてきて、「そうか」と結構授業が湧きたったのを覚えています。多面的に学ぶということは大切ですね。でも、油断していると大阪のようになってしまうかも。

で、今回は教育以外の内容です。

安倍首相が「解雇の金銭的解決」について言及し、その導入が検討されています。この制度を推進する、政府の「規制改革会議」雇用ワーキンググループ座長の慶応大学大学院鶴教授へのインタビュー記事がありました。(2013.04.26朝日)以下、まとめてみました。

*会社に解雇された働き手が裁判で争い、不当な解雇と判断されれば、今は元の会社に職場復帰する以外の救済はない。

*現実には職場の人間関係が悪くなることもあり、みんなが会社に戻りたいわけではない。

*解雇し易くするのが目的ではなく、金銭的な解決は今でも労働局の斡旋や労働裁判、裁判での和解では行われているが、補償額は少なく泣き寝入りも多い。

*だから、不当解雇の場合に払うべき補償金として、欧州のように『勤続何年でいくら』という基準があれば、裁判以外でも目安になる。金額次第では今までの水準より多く払うこともある。

*「金銭解決」は、お金を払って解雇するのではない。解雇が裁判で不当と判断された場合に、働き手が受けられる救済措置の選択肢を増やすことが目的。

*最近の裁判所は、会社が解雇する場合、人員削減の必要性や解雇を避ける努力をしたかなどの要件を厳しく問うより、経営判断に口を挟まず、労使でよく話し合い、納得が得られるような手続きを踏んだかが重視されるようになった。解雇をし易くする規制緩和が必要なわけではない。

 

うまくまとめられず、鶴教授の意見をほぼ全部載せてしましました。

さあ、どう考えますか?赤字の部分矛盾していませんか?鶴先生!

まず不当解雇の文言です。今、国の出先機関を解雇された女性が裁判で争っています。私も微力ながら裁判の応援をしています。で、この裁判まだ始まったばかりですが、ずっと原告と被告の間の書面の遣り取りです。1回の裁判は10分くらい。これが日本の裁判のやり方なのですが、判決が出るまでにこの先何年かかるか分かりません。最近の裁判では、不当解雇と認められるケースはごく僅かです。今は金銭的解決がないから、勇気のある人は裁判、大多数人は泣き寝入りだと思いますが、長い、それも勝つか負けるか分からない裁判を思うと、もし、金銭的解決が制度としてあれば、これを選択してしまうのは目に見えています。ということは、結局その解雇が不当かどうかと判断する前に、解雇は成立してしまう可能性は大です。

労働者派遣法も、高い技能を持ちながら、安く使われてきた、例えば通訳の仕事をしている人の救済のための法律となるはずでした。でも、労働者派遣法の実態は、欧米では許されない内容です。
そもそも労働者の権利が殆どない、ILOの労働に関する条文を殆ど批准していない日本では、例え労働者側に立った精神を持った法律でも、どんどん形骸化していくことは目に見えています。

甘い言葉にご用心!しっかりと見抜く聡明さを労働者は持たなければと改めて思いました。
明日は、中国電力男女賃金差別裁判の結審の日です。傍聴に行きますので、次回はその報告と、長い裁判を闘ってきた長迫さんの陳述を紹介します。
では、今日はここまで

昨夜放映のNHK放映の≪女のサバイバル術≫で覚えたことを最初にひとつ。

企業の上層部が女性の能力を発揮してして貰おうとしても、女性の直接の上司である課長とか中間管理職の頭が硬く、「女性は子育てが本分、仕事は補助で結構」なんて考えている人たちを粘土層って呼ぶのだそうです。その心は?「下に浸透しない」ですって。

新聞から引用します。
こんな深い絶望ともいえる言葉を、原発で追われた人に言わせてはいけません。

≪原発と私と私たち『終わったと言われるけれど』≫この2年で、日本人って楽に生きたい人たちなんだと思えるようになりました。変えたほうがいい、こうならなきゃいけないって、本当はみんなわかっている。でもそれは大変。問題が山積みでも、自分の周り半径5メートルが幸せだったらいいんですよ。遠くのことには目をつぶってしまう。』朝日新聞耕論 福島県南相馬市在住の高村美晴さん。

この記事を読んで、反省しました。ブログの更新がなかなか出来ないのは、世の中に理不尽なことが多すぎるからだ…、なんて言い訳してました。理不尽でやり場のない怒りで日々暮らしている人からは、なんら行動もせずなにを甘えたことを言っているのだと叱られているのです。

で、私の筆を鈍らせている沢山ある懸念事項のうちの一部ですが、

憲法改正を本気で自民党はする。そりゃ、憲法の条文に対する考えは様々です。しかし、自民党のやろうとしている改正(改悪)は、戦前の憲法に回帰することです。どうして68%もの人が…(絶句!)将来に禍根を残すことになる参院選での選択をするのでしょうか。衆参両議員で与党が同じだったら、二院制の意義ってナニ?ねじれも埒があかないし、うーん。

今朝の京都新聞

≪参院線世論調査―ねじれ解消期待68%≫夏の参院選に向け、日本世論調査会は330日、31日に全国面接世論調査を実施した。参院選の結果、与党が参院でも多数を占める衆参両院のねじれ状態が解消する方がよいとの期待が68%に上り、憲法改正に賛成する議員が衆参両院でそれぞれ23以上を占めて改憲の発議が可能になるよう望む回答が65%に達した。≫

日本の憲法の、特に女性の権利について草稿を書いたベアテ・シロタさんのことはこのブログでも書きました。

http://blog.livedoor.jp/letchma11/archives/2013-01.html

あの世でベアテさんが歯ぎしりしていそうです。

沖縄の基地返還。普天間基地と嘉手納基地より南にある関連施設や区域基地を返還する条件は、普天間基地を辺野古に移設することです。返還の目処は2024年以降またはその後。これって、基地返還は、すべて日本の行為にかかっているんだぞ、返してほしければ言うこと聞け!の構図です。前提がそもそも違いますよね。米軍基地は沖縄から出て行ってというのが沖縄の希望です。

解雇の金銭的解決が、いよいよ法制化されるかもしれない。

日本の労働者の特徴って?と尋ねれば、「過労死」が一番に上がるでしょう。「どうしてそこまで企業に忠誠を尽くすの?」。それは終身雇用だからです。私が今、支援している裁判は、非正規労働者の解雇です。このブログでも紹介した龍谷大学助手の雇い止め裁判の原告も、ある日突然に、大学から「この部署は閉鎖することになったから更新はなし」と言われました。正規だったら、他の部署へ異動します。日本の正規雇用労働者を解雇するときは(一応建前、法的には)、企業はあらゆる努力をしなければ解雇できません。その努力の1つが、まず非正規労働者から解雇して、正規労働者の雇用を守りなさいというものがあります。だから、定年まで雇用を保障してくれる代わりに、全人生を企業に捧げる、これが過労死の構図です。金銭的解決は、これをばっさりと斬り捨てるものです。

(とっくに、この終身雇用は破壊されていますが)。どういうことかは記事を見てください。『続きを読む』に引用しておきます。文中に、【欧州では、裁判で解雇が不当だとされたとき、賃金の1〜2年分の補償金を払って雇用関係を解消する「解雇の金銭解決」という制度がある。】とありますが、欧州に過労死の言葉はありません。そもそも労働者の権利には雲泥の差があるのです。



今の政権が実施している、またはしようとしている政策にどれだけの人が納得しているでしょうか?

東京在住の友人が「東京へオリンピックを誘致するのに賛成の人が東京都民の7割と報道されているが、私の周りには誰も賛成している人はいない。どこで調査したのか?」と言ってました。私もご近所さんと井戸端会議をしますが、誰一人原発再稼働賛成の人っていません。ご近所さんなのだから、同じ意見の人たちとだけつるんでいるのではありません。

今、この国を動かす力を持っている政界財の人たちが、国民の大した抵抗も受けないで、見事に目論みに合致した政策を打ち出せている最大の理由はなんだと思いますか?

それは「教育」です。そういう意味では、明治政府の「国家100年の計は教育にあり」は、自民党で見事に実を結びつつあります。どうして、私が「教育」というのかは、次回からおいおい説明します。現場を知っていたから、具定例をあげてね。
長くなるので、今日はここまで。


 

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花粉の飛散で春到来を知りました。おまけに黄砂、PM2.5も加わって、東の放射能とともに、日本中逃げ場がありません。でも、やはり怖いのは放射能。フィルターを黒くするとか、臭いがするとか、そういう類は一切ないのですから。しかし、くしゃみと目の痒さには我慢できず、昨晩の関電前集会は休みました。毎週金曜日の官邸前での集会の人数が数百人程度になったとニュースでも報じていました。元々大津の関電前集会は50人程度なので、こちらはそんなに東京ほどの激減は感じません。まあ。私のように花粉症で断念した人も何人か、東京なら何百人といたかもしれませんが…。

労働問題は表立っての動きはありませんが、自民党はなんでも規制緩和の方針のようですから、労働者の権利に関しては期待するのは無理でしょう。首相が財界に「賃上げ」を要請し、それに大手コンビニが呼応しました。労働組合はますます不要のようです。でも、恩恵(今や、給料はお上からの恩沢の感あり)は正社員だけです。


新聞に≪「正社員
解雇しやすく」浮上≫とあり(2013.08.07朝日)、安倍政権の有識者会議で話し合われています。

「終身雇用と年功制保障、その代わりに身を粉にして働く」という日本の労使の約束は、過労死とかブラック企業とか「追い出し部屋」とかに繋がる「身を粉にして働く」以外はとっくに破たんしています。


今回も労働問題に特化しない内容ですが何点か。

例えば、上記の「正社員解雇しやすく」の考えは突然に出てきたものではありません。最近「労働組合運動とはなにか」(熊沢誠著岩波書店)を読みました。上記の「賃上げは労使交渉で決まるのではなく、政治家が決める」は、私はかなりブラックジョークというか、皮肉の意味を込めて書きました。

突然に労働組合が無力化したのではなく、それは緩やかに、時には急にずるっと滑り落ちるように今日の出来ごとに繋がっているということを、この本で再確認しました。例えば、「労働者の職場での扱いはどうにでもできる」と経営者が考えるようになったのは、1986年の国鉄民営化(JRになったこと)からです。

だから、原発の再稼働も、オスプレイが和歌山県の上空を飛ぶことも、アルジェリアで日本人を含む労働者が殺されたことから自衛隊を海外に派遣する法律がもうすぐ成立することも、「そうか、あの時のあのことは、今のこれに繋がっているのだ」と合点する時が来るし、その時に反対を叫んでも遅いのだということを。

歴史というと、毎日あくせく暮らす庶民には関係のないようですが、連綿と続く日々の積み重ねが歴史であること、その中にまぎれもなく私たちは存在しているということを深い反省を持って自覚しました。

「安全な原発から稼働させる」って、これもブラックジョークなの?原発はそもそも問題点が多く、100%安全な原発はないと福島原発の爆発で知ったはずなのに!

体罰を受けた生徒が自殺した桜ノ宮高校の当該教諭がNHKの『ニュースウオッチ9』で謝罪していました。うまく表現できないのですが、違和感を持ちました。体罰を容認しているのではありません。生徒に手()をあげれば、非力な私は、体格に勝る生徒に負けてしまいます。女の先生はまず体罰はしないでしょう。老眼鏡の宣伝ではないけれど「はなせばわかる」高校生です。わからなければ何度でも。今回の体罰も連綿と続く日本独自の風土の1つです。あっさりと従業員を首にしたり、過労死や過労自殺にまで追い込む企業の責任者もNHKに顔を出して謝罪するべきです。

「働きすぎに斃れて」(熊沢誠著岩波書店)には、過労死や過労自殺などの事例がこれでもかというくらい出てきます。39日号の東洋経済に「ユニクロ疲弊する職場」を特集記事にしています。売っているものからは想像できない「社員を追い込む言訳許さぬ風土」とあります。3年以内の新卒者の離職率は5割超とも。


若い知り合いがフランスのワインの生産地にいます。子どもの通う幼稚園のことを紹介してくれました。一部を引用します。
( )は私の注釈です。(幼稚園の担任の先生はバカンス中にスキーで転倒して怪我をしたそうで年明けからずーっと休み。その間代理の先生が来る予定だったのですが、一週間だけ来てその後ずっと不在。その間、働いていないお母さん達は子どもを預ける事ができず、知り合いは働いているから子どもは幼稚園に行くことが出来ますが、実情は、毎日他のクラスに振り分けられ適当に遊んで過ごしているとか。こういう前提で、以下が知り合いの文章です)


子どもの
今日(131)は娘の4歳のお誕生日デシタ学校ではほとんどの子どもがお誕生日にケーキやお土産のお菓子などを持参します。(学校でお誕生会は用意してくれません)担任の先生はいつ復帰するかも不明の長期欠席なので、今日は毎週木曜日だけ来る副担任と一緒に(もともと木曜日は担任が休み。そういうシステムも日本じゃあり得ませんよね〜)お祝いをしましょうと言ってくれていたので、ケーキやお菓子の準備をしていたのですが
なんと

その日に限って
…。ストすでに娘のクラスは二週間以上放ったらかし状態だというのに。今回のストの理由は土曜日の午前中授業をすることに対して、とか。代理の先生を削減するという国の提案に反対だからとかいろいろ説はありますが。代理の先生を削減するのは私は賛成かも。だって先生たち簡単に学校休み過ぎ!先生をしている友人にあった時、「この間病気だったけど代理がいないからしょうがなく学校に行ったのよ〜」なんて言ってましたが、「じゃあ代理がいれば簡単に休んでたわけ?頑張れば仕事いけるくらいの程度だったんでしょ」って疑問に思ってしまいました。
(幼稚園、小学校は水曜日も休み。勿論土日も。中学校は不明)



この後も知り合いの怒りの言葉が続きますが、スト権を与えられていない日本の公務員とは次元が違いすぎるので、なぜフランスでかくも労働者が権利を主張できるのか、また、この場合なら、保護者はストをする先生にどのような感想を持っているのか知りたいところです。知り合いの子どもの担任が「過労死」ということは絶対にないのは確かです。

では今日はここまで


 

今回のブログは何度も何度も書きかけては挫折の連続でした。全部投稿すれば相当に長文になります。選挙前から書き始めましたが、選挙前の報道&選挙の結果に暗澹たる気持ちが先行して、とても冷静とはいえない文になりました。
案の定、「未着工原発建設に含み」・「防衛大綱見直し指示」との見出しを夕刊で見ました(朝日夕刊2012・12・27)。女性を
2人大臣にするといった体裁だけでない人権としてのジェンダーも、教育も社会保障制度も労働者の権利も、民主主義に逆らう方向に進むでしょう。そして最後は憲法が改正()されるでしょう。

自民党が政権につかない段階から、円安、株価上昇になりました。理解に苦しみますが、そのような力が働いているのでしょう。大儲けをしている人たちがこの世の中を動かしているということ、自民党はそういう人側の党であるということは、アメリカの状況を見ればよく分かります。20131117時からBS1で再放送される≪パーク・アベニュー 格差社会アメリカ≫ “富める者は富み、貧しい者は貧しいままの社会”がそのことを教えてくれます。 以下NHKBSからの引用です。

富裕層を“優遇する”税制がワシントンでのロビー活動を通じて展開されていると指摘。様々な専門家へのインタビューを通じて、金持ちが“優遇される”仕組みを明らかにしようとする。2,010年には、わずか400人の億万長者が下から数えて15000万人分の合計の富み以上を得ているという現実を示す。
(
番組では、これらの富裕層の払う税率は庶民の払う税率よりはるかに少ないと、データーで示しています。)

国家とは何でしょうか?いつもこの問いにぶつかります

長々書いても愚痴だけになってしまいそうなので、ペシャワール会の中村哲さんの言葉を紹介して終わります。(ペシャワール会報No.114から引用。原発建設の記事は「続きを読む」に入れておきます。)

パキスタンで医療活動をする医師である中村哲さんは、同時にアフガニスタン東部山村で、大干ばつ対策のための水源確保事業を継続して行っている方です。私は及ばずながらという程度のカンパをしています。アフガニスタンが長年外国勢力によって侵略されてきた歴史を覚えていますか?今の国内はもう壊滅的な状況です。しかし、中村哲さんの文は、まるで日本に警告を発しているようにも読み取れます。ペシャワール会のサイトhttp://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/

≪時々流されるアフガン情勢は、戦局や危険情報、復興支援をめぐる報でなければ、それに対する評論ばかりです。いくら安全や人権が主張されても、一般のアフガン人や人権は含まれていないようです。もう静かにしておいて頂きたい。そう思います。見捨てられた人々の声が届くことは今後もないでしょう。ここではどんな理屈も評論も虚ろです。それよりも、餓えた人々に温かいパンの一切れを分かち合おうとする真心だけが、励みであり、信ずるに足ることです。〜中略〜何もアフガンだけが困っているわけではありません。しかし、平和とは生きた力です。どんな事情にあっても、私たちを根底から支えるのは、そんな人の温もりと和やかさであって、批評や「情報」ではありません。まして暴力や政略は論外です。≫

今日はここまで。来年があなたにとって少しでも良い年になりますように

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毎日ブログを書きかけてはパソコンを閉じることが続いています。ニュースも新聞も見たくない気持ちの方が強く、怒りはあるのに持続しません。

本の広告に「60歳でボケる人、80歳でもボケない人、ここが違う」に
面倒がらずに新しいことに興味をもてるか。
何事にも億劫がらず積極的になれるか。
とありました。
思考が持続しないのは典型的なボケの始まりかもしれない。日本を勇ましい、強面の外交の国に仕立て上げようとする人々にとっては、このような症状の人は大歓迎でしょう。


日米安保さらに強化、原発現状のまま、憲法を変える、自衛隊は国防軍に、中国や北朝鮮とは戦いをも辞さない、さらなる規制緩和で資本家側に立った政策
(回り回って労働者への配分が多くなるという論法)を等々、このような政策を「そうだ」と受け入れている人は葛藤がなくてホント楽に生きられるだろうと心底思います。中選挙区が小選挙区になったときに、私は反対でした。その時賛成した人の意見を聞いてみたいですね。いつも投票に行くけど、活かされない一票が続いています。


「歴史は暗記モノだからキライ」という人が多いですね。私も学生のときはそうでした。でも、今強く思うことは、「歴史は学んでおくべき」です。

押し付け憲法だから自主憲法をと主張している次期首相候補の確立の高い方!あなた、学んできましたか?

自民党が永久に政権にあると思われていた2000年に、ベアテ・シロタさんが参議院憲法調査会に参考人として招かれました。このとき、保守党(今はありません)党首であった扇千景議員が「憲法には日本女性の伝統とか美徳がありません」のような主旨の発言をしています。それに対してベアテさんは「戦前の日本の女性に人権がありましたか?」と答えています。彼女は戦前、日本の上流階級と交際のある家庭で育ちました。だから、美しく着飾っている女性たちが、従属の立場にあることを多々見ていました。これは哲学者の鶴見俊輔さんも同様のことをベアテさんから聞いたと話しておられました。ベアテさんの記事はこのサイトです。

 http://www.tokyo-np.co.jp/hold/2008/sokkyo/news/200705/CK2007050102019250.html


長いですが、国会での発言はこのサイトです。扇千景さんとのやり取りは最後の方にあります。

http://www.kenpoushinsa.sangiin.go.jp/kenpou/keika_g/147_07g.html

 

学んでいない人の政策が以下です。Beforeafterですが、改造した住み心地のいい家にはなっていません。


before≪
最低賃金廃止、橋下氏「雇用狙い」 維新公約に波紋≫

朝日新聞デジタル 1130()1452分配信

日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長は30日、維新の政権公約「骨太2013〜2016」に盛り込んだ「最低賃金制の廃止」について、雇用の創出が狙いだと説明。「ハードルを課せば、最低賃金を出せない企業や、本当ならあと2、3人雇えるのに1人しか雇えないという企業もある。できるかぎり多くの雇用を生み出したい」と述べた。市役所で報道陣に語った。 一方で、収入が一定水準を下回る人については、所得税を免除し、逆に国が一定額を給付する「負の所得税」の考え方を導入し、国が最低限の収入を保障する考えを表明。最低限の収入の水準については「専門家が意見を出して制度設計する話。今の段階で出せない」として明示せず、「今の生活保護の支給基準は高すぎるところがある。負の所得税的な考え方では、水準は下がる」とも述べた。

 ネット上では、維新が公約に明記した「最低賃金制の廃止」について書き込みが相次いでいる。「労働する国民を奴隷化するものだ」「望むのは財界だけだろう」との批判の一方、「反対が出るだろうが、一石を投じるのは悪くない」と理解を示すものもある。

 

After維新の会:最低賃金廃止を修正 衆院選公約≫

毎日新聞 20121204日 2031

 日本維新の会が衆院選公約の付属文書・政策実例に掲げた「最低賃金制の廃止」を、「市場メカニズムを重視した最低賃金制度への改革」に改めていたことが分かった。野田佳彦首相が「格差拡大の政策」と指摘するなど各党から批判が相次いだことから修正したという。


では今日はここまで

法律とは何か!と考えさせられることが多いです。

確かに盗撮はあったのに、立件できないのはなぜ?
(飛行中の旅客機内での盗撮容疑で全国で初めて逮捕された男が、処分保留で釈放されていたことがわかった。盗撮した地点が特定できず、どの都道府県条例を適用すべきか確定できないと検察が判断したためという。〜中略〜盗撮の摘発には、発生した場所の都道府県の迷惑防止条例が適用される。だが、飛行中の旅客機内では、どこの上空だったのかの特定が難しく、これまで逮捕された例はなかった。今回は目撃者や乗務員の証言から、盗撮した時刻を午前8時9分と特定し、航路の分析から盗撮地点を兵庫県篠山市上空と断定して同県の条例違反容疑での逮捕に踏み切った。しかし、捜査関係者によると、事件を送致された検察側は、正確な時間や場所の特定ができず、兵庫県の条例違反に問えるか疑問が残ると判断し、逮捕から10日後に処分保留のまま釈放したという。このまま不起訴となり、罪に問われない公算が大きい。朝日新聞1014)

営業成績優秀で、会社から表彰されているにもかかわらず、同期の男性に比べて女性の賃金が低いのはなぜ?これも、存在することが、法律を介すると存在しないことになるのです。
http://wwn-net.org/?cat=4 この画面の下にグラフがあります。現在裁判進行中の中国電力男女賃金差別の資料です。このグラフでは男性の方が業績を上げているようです。査定するのは男性上司でしょう。で、一審の判決は、ひらたく言えば「男女差別があっても仕方ない。これが世間の常識だから」でした。広島高裁の判決は?1025日に裁判がありますので傍聴に行きます。
報告はいずれまた。

同じような仕事をしているのに、賃金差別が現実に存在しています。でも、これが裁判にかかると、法律は原告に味方しません。日系ブラジル人が原告となった賃金差別の裁判がありましたので、傍聴に行きました。
係争の内容については2012415日のブログを見てください。私は、この事件は「労働者派遣法」で争われるのかと思っていましたが、≪労働者供給事業法≫で争われます。労働者供給事業法については、20091215日≪いろんな仕事1:旅行添乗員≫を見てください。

原告たちが現に仕事をしている工場へ、原告たちを送りこんでいる事業所が中間に4つもあります。その事業者毎にピンはねされていることになります。労働者供給事業法であろうと、労働者派遣法であろうと「原告たちの賃金は、労働が日本人と同じか、より厳しかったにもかかわらず、日本人よりもはるかに少なかった」という事実は存在します。しかし、素人の私が傍聴していても、なかなか原告に厳しい裁判になりそうだとの感想を持っています。


最後の1つ、法律はこう使われるべきでしょうという事件を!
≪大和ハウスパワハラ訴訟で和解≫

大和ハウス工業新潟支店元社員(44)=新潟市中央区=が職場でパワーハラスメントを受け、不当に解雇されたとして、同社に慰謝料など計約1千万円の支払いと解雇の撤回を求めた訴訟の控訴審は3日、東京高裁がパワハラの存在を事実上認め、原告への解決金支払いと解雇撤回などを条件にした和解案を提示、双方が合意し和解が成立した。 原告側の弁護士によると、ほかの和解条件として、精神的苦痛を受けた原告に対し、同社が「遺憾の意」を表明することや合意の上で退職することなどが加えられた。新潟日報2012103

では今日はここまで


 


 

前回のブログで紹介した「関西電力本社前の≪原発再稼働反対≫の集会、結局参加しませんでした。最大の理由は「暑さ」です。次は「虚しさ」でした。何番目であっても、言訳には変わりませんが…。
代々木公園であった≪さよなら原発!10万人集会≫での暑さが脱力感に繋がっている感じです(喩ですが)。それを裏付けるような今朝の朝日の記事です。現在は民主党で、以前国会の質問で「総理、総理」と連呼した人、元社民党議員だった辻元清美さんが<再生日本政治>で、以下のことを語っています。原発関係だけを取り出しても、

官邸側から『デモの参加者は減っていくから』との声も聞こえてくる。

野田さんは、民自公3党で合意するのにエネルギーを使い果たし、国民との合意にかけるエネルギーがなくなっているようだ。

家父長的に振る舞う統治はもはや通用せず、国民と一緒に悩み、考えるプロセスが求められる。野田さんは既得権益の代表者としか会っていないように見える。


毎金曜日の官邸前の集会。今日の集会・デモも数万人が集まったと報道されています。「再稼働反対」の主語は「関電の大飯原発」なのに…。参加された方々に感謝します。国会前の状況がこのサイトで見ることができます。
ttp://ustre.am/HWgM
「そのうち飽きて集会止めるだろう」の政治家の意識にお仕置きするには選挙で落とすしかありません。ところが、投票したい政党がないに等しい。ますます国民不在のガラパゴス日本です。原発に関しても、人々の声が音としてしか届かないように、労働者の声も「使い捨て雑巾の絞り水滴の音」のように思われてるのかも。厚生労働省の労働は「労働者の労働でしょう?これなら、厚生政界省と改名すれば!」
で、これからは労働に関することです。

725日に衆議院厚生労働委員会で採決され、参議院の審議待ちであった『労働契約改正案』が、7319001200に審議入りとなり、参議院でも同日、採決が行われる見込みとのことです。この法律の問題点は、以下です。参考にしたのは、大阪市立大学根本到教授が第3回公務員制度改革検討委員会(2012.05.13)での報告です。詳細は以下のサイトで読むことができます。

http://www.jilg.jp/iservice/page/2012062209211.html

契約期間が5年を超えたら労働者は無期転換の権限を持つ。

無期になっても、「従前と同一の労働条件」としている。

クーリング期間(6か月)をはさめば、通産する期間がいったんゼロとなり、有期労働契約を続けられる。


その解説です。

5年たって労働者が「無期にして下さい」と申し込めば、使用者は承諾したものとみなす」→労働者が申し込まなければ無期契約にはならない→労働者に申し込ませないようにする。
有期と無期の労働条件が異なる場合(無期とは正規のことになるから。異なっているのが当たり前)、無期に転換したら、正規の労働条件になるのが当然と思うが、この法律は「今まで締結した労働契約の内容と同一の労働条件にする」というもの。即ち、法律の力で、正規の人の労働条件にするとは限らないという定めをしている。
有期の契約を更新して、それが5年を超えると無期転換への申し出権が発生するが、空白期間を置くと、またゼロに戻り、同じ職場で継続したことにはならない。

で、早速これを先取りする企業が現れました。以下がその概略です。


喫茶店「ベローチェ」などの運営会社が、全店舗のアルバイト従業員約5,000人に対し雇用契約の上限期間を通算4年までとする制度の運用を始めた。〜中略〜3月下旬、千葉市の中心街にある「カフェ・ベローチェ千葉店」で働く20歳代の女性アルバイト店員は休憩時間中、居合わせた店長からこう告げられた。「アルバイトさんの契約更新に上限ができるらしいです。4年を超えると、来年3月で更新できなくなります」「クビになるということですか」女性が確認すると、店長は「そうみたいです。来年は大変なことになる」とそっけなく答えた。会社側の説明に納得できない女性ら3人が翌月、「首都圏青年ユニオン」に加入。5月末の団体交渉で「上限4年」制度の撤回を求めたが、会社側は「検討する」と回答しつつ、ほかのアルバイト全員に対し「通算4年間の勤務で満了とします」と明記した契約書に順次、サインを求めた。〜中略〜こうした会社の対応についてユニオンの河添誠書記長は「労働契約法改正の動きの影響がある」と指摘する。国会では、パートや契約社員など有期雇用で働く人が同じ職場で5年を超えると、無期雇用への転換権が与えられる「労働契約法の一部改正法案」が提出されている。労働界からは、「法案が成立すれば、企業が無期化を回避するために5年の手前で雇い止めが横行する」との懸念が出ているが、「先取りした動きだ」(河添氏)とみる。「連合通信・隔日版」2012.07.14

この法律の問題点はまだあります。続きは次回に。では今日はここまで

さわやかな5月も、天候不順でした。大飯原発が、再稼働の包囲陣にじりじりと攻め込まれ、再稼働寸前です。暫定的とか大飯原発だけ稼働とかの争点は、本質から外れていると思います。地震大国日本での原発は、ゼロか稼働かの選択しかなく、原発の数の問題ではありません。例えるなら、ロシアンルーレットです。弾数が少なければ、当たる確率は低くなりますが、弾が命中すれば命はなくなるのです。


東電の体質が変わらないのは、経営陣だけでなく労働組合も同じようです。

「裏切った民主党議員には、報いをこうむってもらう」。東京電力労働組合の新井行夫・中央執行委員長は5月29日、愛知県犬山市であった中部電力労働組合の大会に来賓として出席し、そうあいさつした。「脱原発」をかかげる民主党政権のエネルギー政策などに、支持団体トップが不満を示した発言。中部電労組の出席組合員約360人からは、どよめきが上がった。新井氏は東電の福島第一原発の事故について「(東電に)不法行為はない。国の認可をきちっと受け、現場の組合員はこれを守っていれば安全と思ってやってきた」と述べた。事故後の政権の対応を踏まえ、「支援してくれるだろうと思って投票した方々が、必ずしも期待にこたえていない」とも語った。
2012530朝日新聞朝刊)


男性正社員が中心の労働組合の限界は度々このブログで書きましたが、この人たちの目を覚まさせる方法はあるのでしょうか?
女性を排除し、命を粗末にし、企業だけに忠誠を誓い、哲学を持たない労組。男女賃金差別の原因であるコース別の賃金表を、経営者と同意したのは労組です。


「変革」を掲げて、今月15日に就任したフランスのオランド新大統領は、16日、新内閣の閣僚34人を任命しましたが、男性と女性を半数ずつ起用しました。オランド大統領は、選挙戦で、男性、女性という性別による不平等を解消していくと訴えました。自由、平等、博愛を掲げるフランスですが、現実には性別による差別があると指摘されています。例えば、同じ内容の仕事であっても、女性は男性に比べて賃金が低く抑えられていると言われます。このため、オランド大統領は、男女の平等を推進するため、まず閣僚を男性と女性で半数ずつにすることを公約に掲げ、さらに、格差の解消に取り組むため、女性の権利を担当する閣僚を新たに設けることも約束しました。
(NHKwebニュース518
)


NNA(ヨーロッパン経済ビジネス情報の新聞)からドイツの記事です。

≪独金属産業、派遣社員の賃金格差是正で合意≫

ドイツ最大労組である金属産業労組IGメタルは22日、派遣社員と正社員の賃金格差是正に向け、業界団体である人材サービス業者全国使用者連盟(BAP)およびドイツ労働者 派遣事業協会(IGZ)と業界賃金補完契約の導入で合意したと発表した。それによると、派遣社員には今後、正社員との賃金格差を補完するための特別手当が支給される。支給額は就業6週目から給与の15%、3カ月目からは20%と段階的に増額され、最大で50%まで補償される仕組み。支給額は月額6211380ユーロに上る見込み。 IGメタルは、賃金格差は残るものの「同一賃金」に向けた大きな一歩と評価。一方、 フォンデアライエン連邦労働社会大臣は、今回の動きを他業界でも採用するよう求めている。


民主党政権が実行したのは原発再稼働だけのようになりそうな状況です。せめて、労働者派遣法を労働者側の立場で改正、せめて女性差別撤廃条約選択議定書を批准、してほしかったですね。フランスやドイツとなぜこうも違うかと考えさせられる記事でした。

では今日はここまで

 

 

 

3.11当日の映像や証言等を見聞きしながら、昨日は土を触って過ごしました。夕方、書店で原発関係の本を2冊買いました。
310日は、電力会社現職の方から、原子力発電所(原発)
にまつわる生々しいお話を聞きました。原発を立地するためにマネーを仲介として、地元の有力者、地方議員、国会議員、大臣、経済界、金融、マスコミがどれだけ癒着しているか、今ある原発はどのような経過で、その地に建設されたのか等を。
例えばAという地に原発が決定されるまでに、どれほど沢山の候補地があったか、それらの予定地の中で、今、地名が存在しないということは、誰かがその計画を潰したからです。そういう原発候補地で、反原発に動いたのは圧倒的に女性だったそうです。原発の専門家を招き、地道に学習を積み重ねた結果の反対運動だったそうです。だから、やっぱりここでも言おう。
脱原発と女性の登用」
原子力発電所を建設するには広大な土地が必要です。住民が「あれ?」って気が付く頃には既に土地は買い占めされています。反対の多いことが分かっているから、土地買い占めの理由を最初から「原発予定地です」とは言わず、観光のための開発というのが大体の名目だそうです。目がくらむほどの大金を見たこともないから、「金で変節する」というのが今一つピンと来ませんが、目がくらむものなのでしょう!

さて、CHIHIROさんからコメントを頂きました。変則的なこのブログを読んでくださいってありがとう。「留年」はCHIHIROさんが言うように理解できていなければ、1学年下の人たちと学習するのは正しいことです。ただ、現実にはとても難しい問題があります。その子はどうしてつまづいたのでしょうか。もう一度同じところをやり直しても、もしかしたらまたつまづくかもしれません。
その理由の一つは、文科省で定めた1学級の人数です。小学校・中学校1学年40人編成です。地方自治体で助成して、低学年は35人が多いようですが、中学校は40人で、OECD調べでも韓国に次いで2番目に多い1クラスの人数です。もし、1人の手のかかる児童・生徒がいれば、その子にだけ時間を割くことがどれほど難しいかは想像できます。親もモンスター化しているらしいし(親が意見を言うのは大切なことです。しかし、先生は万能ではありませんし、同じ労働者としての共感は必要です)、管理職の査定も入って来ます。(大阪府・市なら、保護者の要求に応えての学力テストの開示があります)。
たまたま記事で読んだのですが、発達障害の子どもは、全ての教科が分からないのではなく、ある特定の教科だけが理解しにくいのだそうです。「こういう子も、留年して1年下の学級で学ばなければなりませんか」とありました。もし、ある教科だけ1年下のクラスで学ぶとしても、本来の学年の学習もしなければなりません。
日本は「分からなくて留年するのは恥ずかしくない」という社会ではありませんから、現状での最善策は「補習」の形だと思います。しかし、教師にメンタルの病が多く、休職者も多いことは随分前から報道されています。その理由は過労です。現状の教員数では無理ですから、最も最短の解決策は教師の数を増やすことです。
最近、治安が悪くなっているとかで、警察官の募集数は増加しています。子どもの育ちの環境が悪化しているのなら、同じ次元で考えるべきだと思いますがどうでしょうか。予算が少ないから、消防士を削減しようと議会で議論しません。教育はすぐに結果が出ないからこそ、目先のマネーだけで動いてはいけない領域です。

さて、残念な報告を
1つ。このブログでも紹介した自治労A県本部嘱託書記の解雇事件は最高裁に上告されていました。しかし、32日に最高裁が棄却しました。最高裁が控訴を受理するには明らかに憲法違反であると申し立てる必要があります。棄却というのは、それほどの控訴理由はないという意味です。控訴人は18年間仕事をしてきました。最初の契約内容は「公務員に準ずる」で、辞令もありました。しかし、1995年の労働者派遣法により、1年毎の更新となりました。毎年控訴人の清水さんは「今年も契約をします」というチェックを受ける立場にありました。それが何故突然、契約更新がなされなかったのか?さんには退職金制度が適応されていました。しかし、それは支払われていません。退職金の権利があるのに、支払われていないのはBさんの解雇が「懲戒」だからです。

いろいろ問題の多い大阪橋下市長の悪法でさえ、公務員が同じ理由で3回処分を受けたら解雇とされていて、条例なりに抵触することなく突然懲戒解雇はありません。
Bさんは18年間職場を支えてきた自負がありました。その人の18年間の存在を無視してまで退職金を支払わずに解雇した理由を私はさっぱり理解できません。労働者の組合が衰退するのも無理ないねと思います。

では今日はここまで
追伸:この裁判は、最終的に和解が成立しました。Bさんには、退職金の支給と共済年金受給の手続きが執られ、懲戒解雇は撤回されました。

今年はうるう年とはいえ、二月は短いのでした。ブログの更新、最低月2回更新が果たせなくなりそう。

今回の労働問題は、日系ブラジル人の賃金をめぐる裁判、と書き進めてきたのですが、昨晩急きょある学習会に参加して、思うところが多々あったので、日系ブラジル人の訴訟については、次回に回すことにしました。


学習会の中身は、今、大阪府・大阪市で進められている教育基本条例を、既に競争原理を取り入れているアメリカの現状から考察するという内容で、これは
21617日に毎日放送VOICEで放映されました。Youtubeで見ることができたのですが、割と早くに削除されました。概要は、以下のサイトで読むことができます。

http://www.mbs.jp/voice/special/201202/17_217-1.shtml


私も、橋下改革
(改悪)にはびっくりしました。現職であった頃の、いろんなことを思い出しながら、考えました。報道ではなかなか現場の生の声が伝わって来ません。学習会では、現場の教師が声を上げていかなければならないとの意見もありました。この条例は、「罰則」が教師を縛っています。昨年に発表された教育基本条例では、学校ごと教師をランク付けし、最低5%のランクにある教師は「免職」でした。さすがに批判が強く、トーンダウンして「相対評価」が「絶対評価」に、「免職」は「研修」に変わりました。
評価を誰がするのか?校長です。校長になった人も大変!この校長も公募とありますが、学習会の会場からは「非正規の校長に誰が応募するでしょうか」の意見がありましたが、その反面、公募だから無責任に評価するということもあるでしょう。

さて、このブログは労働問題が主ですから、労働者でもある教師について、この条例が導入されれば、職場にどのような変化があるかを想像してみます。また、橋下市長が「義務教育課程の小・中学生が目標の学力レベルに達しない場合、元の学年に『留年』させることを検討するよう市教委事務局に要請した」(2012.02.22朝日)こととも関連させて考えてみます。


教師が他の職種と異なる点は、新米先生でもベテランでも教室では1人で生徒と対することです。最初から思うような授業なんか出来ません。「悔しい」と職員室で泣いていた新米先生を思い出します。要は生徒に舐められたのです。でも、その新米先生は一生懸命でした。私は彼の家庭訪問に何度も付き会いました。早くに母親の存在がなかった生徒の家はレトルトカレーの袋ばかりで、殆ど炊事道具がありませんでした。「ロールキャベツというものを食べてみたい」という生徒と一緒に材料を買いに行ったその先生の一生懸命の姿を覚えています。生徒もきっと担任の懸命さを分かったことでしょう。

橋下改革下なら、新米先生が職員室で泣くということはないでしょう。失態は即評価に繋がりますから、彼は心に抱えたままでしょう。職員室は静まり返って、そのような先生たちの抱えている問題を吐露する雰囲気ではないでしょう。最近の職員室はとても静かで、先生の生徒を叱る声だけがあると、元同僚が話してくれました。

卒業前の追試の勉強を、職員室で受けている生徒がいました。この科目を落とせば落第という切羽詰まった状況でした。何の科目かは忘れましたが、担当教師はその生徒を教室から職員室へ移動させ、自分の溜まっている仕事をしながらその生徒を教えていました。とても問題行動の多い生徒でしたが、さすがにその時は素直に勉強していました。夜になってもまだ補習は終わりません。その生徒の横を通る先生たちは、彼の頭を撫でて通り過ぎます。誰かがお菓子を机に置きました。プレテストでの彼の手が緊張で震えていたことを今でも覚えています。無事卒業し、今では地域の少年野球チームの指導者で、二児の父親です。多分今、職員室でこのようなことをしていたら同僚から指摘されたでしょう。「職員室は教師もものだ」


教師を罰則で縛りランク付けするということが目の前にあれば、教師は自分を守ることに必死です。しかし、その新米先生のクラスが良くならば、学年全体に効果は波及します。新米先生を他の教師がサポートすれば、それは自ずと生徒に伝わります。
小中の現状はこんなことでは済まないでしょう。いったん学級が崩壊すれば、その原因は教師かもしれないし、生徒かもしれないけれど、簡単には収まりません。学年・学校全体が一丸となって取り組まねばならないことです。


高校生を留年させるかどうか、毎年
3月苦渋の決断をしなければならない職員会議があります。高校生ですら「この生徒は留年したら、1年下の生徒と一緒に学年をやり直しできるのだろうか」と、その生徒の性格をも考えます。せめて高校卒だけの資格は必要というのが現状です。(余程特殊な技能を持つ職に就かない限り、学歴と正社員の雇用形態とは密接なる関連があります。)留年させないために、放課後や早朝の補習、何重にもネットを張って、すぽっと落ちてしまわないようにあの手この手を考えます。あの手この手はたちまちオーバーワークに繋がります。


橋下市長は、市教委幹部に「義務教育で本当に必要なのは、きちんと目標のレベルに達するまで面倒を見ること」と言っています。これ自体は正しいと私も思います。トーンダウンした結果、元の学年にとどめ置く方法ではなく、不得意な教科に限って下の学年で学ぶ「科目別留年」や、学力の到達度が低い子どもを集めて数週間、下の学年で教わった内容を集中的に復習させる特別学校を設置することもできると変わってるようですが、橋下さんの唐突とも思える発言は、具体的な施策の裏付けがありません。


近所のおばあさんの立場の人が、1ヶ月間ほど、小学2年生の孫を預かりました。宿題を見るのが大変だったとこぼしていました。毎日、漢字の書き取りや、国語教科者の読みの確認、算数。その方が母であった頃とも、その方が小学生であった頃とも大きく異なっていました。親が一定の家庭学習に付き合わないと、学校での学習に付いていけないようですね。このあたりの事情は、卒業生に教えて貰った方がよさそう。学力低下を補てんするためには、「集中的に教えればいい」というような単純な方法では解決できないことが背景にあります。
「留年」という前に教師の数を増やす、生徒の数は減らす、家庭学習にウェイトを置かない、そういう保証をした上で発言をしないと、無責任な発言と言われても仕方ありません。


確かにヨーロッパで小学生でも留年はあると聞いています。その子どもが全く平気というわけではないと思いますが、個性を重んじる国と、横並びを重んじる国とを同列に論ずるのも軽率すぎます。毎日元気に学校へ通い、それでも留年した小学生を、その子の個性だと受け入れるようになれば、日本も相当良い方向へ変化して行っているのかもしれません。

橋下市長の、思想調査そのものとも言える強制的なアンケートについては、毎日報道されていますから、今回はパスしますが、歯切れのよい言葉の後ろに何があるかを見抜く目を待たねばなりません。大阪府下の職員室から、笑いや仲間意識が消えていくのは時間の問題でしょう。


競争原理を導入したアメリカ
(2002年ブッシュ政権)やイギリス(1988年サッチャー政権)の教育は破たんしました。イギリスでは、全英校長会が学力テストの廃止を打ち出しました。番組では、教育に競争原理を導入したニューヨーク大学ラビッチ教授が「日本にアメリカの失敗の真似をしてほしくない」と言っています。

大村はまさんという名物中学校教師がおられました(2005年死去)73歳まで都立の中学校で国語を教えていました。定年をはるかに超えてまで請われて教壇に立った素晴らしい授業をする人でした。大村さんの言葉に「教育の成果は見えるものではない。例えるなら、重い荷車を曳いて坂道を登っている人の背後でそっと押しているようなもので、押された本人は気がついていない。そんなものだ」があったと記憶しています。橋下市長の喝さいを浴びる歯切れのよい言葉が、まありにも単細胞から成っていることに警戒しなければならないと考えます。「私の言うことが聞けないのなら、辞めたらいいでしょう」。まあ、今の資本家は同じようなことを既に言ってますけどね。「この賃金で厭なら辞めたらいいでしょう」。

では、今日はここまで

韓国へ行ってきました。日本以上に非正規労働者が多い国です。悪い癖が出そうになりますが、そこは外国!言葉が分からないので堪えました。「正規ですか?非正規ですか?」ってね。


ソウルと地方の町をいくつか行きましたが、ユニクロの看板が至るところに。ソウルのバス停全て(?全てを回っていませんので、目にしたバス停は全て)にも。ソウルの最大繁華街明洞にあるユニクロの店舗は、私が今まで見たことのないスケール。日本人と思しき人たちも沢山買い物をしていました。ソウルだけで5〜6店舗ほどあるようです。これもグローバル経済の成果?韓国の衣料品製造への侵害は確かです。あまりに目に付くので、申し訳なくなってしまいました。コンビにもセブン・イレブンとかファミリーマートとか目に付きましたね。「何時も客がいないのですぐに買えるよ」とタクシーの運転手さんに教えてもらってコンビニは韓国資本でした。


日本以上に非正規労働者の多い韓国。グローバル規模で1%の富裕層と99%のそうでない層が広がっている現状、グローバル資本主義も多くの人々を幸せにしないということが露呈されてきました。


改正(改悪)労働者派遣法が今国会で成立しませんでした。朝日新聞の社説では、「欠陥はあるが、成立しないよりはした方がまし」との論調でした。

1985年成立の男女雇用機会均等法(正式は「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」。1999年「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」に改正)のときも同じような葛藤がありました。当時、経済界に押しまくられて、先進国の平等からは程遠い内容だったのです。ザル法でも、ないよりはましだったのか、ザル法でも成立したから今日の女性の地位があるのか、検証は複雑です。私に送信されるいくつかの女性労働団体からのメールは全て、今回の改正労働者派遣法には反対でした。またまた経済界の要求ばかりが通った内容でした。民主党が野党であったときとは大違い。自民党と見まごうばかりの変身ぶりです。

主な問題点は以下です。


仕事のある時だけ雇用契約を結ぶ登録型派遣の原則禁止を削除する。(削除するということは、本来は明記してあったということです。)

製造業派遣原則禁止を削除する。
違法な派遣があった場合、労働者が派遣先に直接雇用を申し込んだとみなす「みなし雇用」の導入も3年後に延期する。


これに対し、日本弁護士連合会
会長から声明が出ました。

上の問題点と合わせて見てください。


登録型派遣は、仕事がある時だけ派遣労働契約を締結するというものであり、派遣先と派遣元との契約に派遣労働者の雇用が左右される不安定雇用を生み出すものであるから、本来禁止されるべきである。
製造業務への派遣は、2008年に職と住居を失った労働者が派遣村に身を寄せる事態となったことからも明らかなように、景気後退期に大量の失業者を生み出すものであるから、直ちに禁止されるべきである。
「みなし雇用制度」は、違法派遣を規制する上で極めて重要であり、この施行を3年間延期することは、施行までの間の違法派遣を容認することにつながりかねず、直ちに施行すべきものである。

 

どうしてこうも労働者は弱いのでしょうか。

財界の重鎮も、一握りを除きサラリーマン社長が大半です。生え抜きは最近、あまりの巨額の小遣いににびっくりした大王製紙のオーナー一族の前会長がそうですが、巨額の赤字を不正経理していたオリンパスのトップ連は、出世の登りつめた社員です。
日本の大企業が人件費を切り詰め、まるで物を捨てるように労働者を解雇している構図は、「自分の勤務している会社さえ安泰であればいい」と思っているからです。
水戸黄門のような人が現れて、「未来に生きる子どもが生き易い世の中を作らんかい!」と言ってくれないかと思ったりします。おっと、用心!用心!この、誰か世直ししてくれないかなぁ…というつぶやきが、大阪市長や大阪府知事を生んだ土壌なのです。スーパーマンの出現に頼らず、地道に自分で文句言っていくことを選ばねば。

長らくご無沙汰していた割には、目新しい内容ではありませでした。

次回は中国電力男女賃金差別事件の裁判の傍聴を書くつもりです。
では今日はここまで。

今回は労働問題から外れますが、少しだけ介護労働に関係します。

急に寒くなりましたが、これからはうたた寝していると風邪を引いてしまう季節です。どこで寝ても風邪とは無縁の季節がちょっと懐かしくなったりして、勝手なものです。

仕事を辞めてから、どこでも、いつでもごろ寝OKの生活になりました。だらだらぐうたら暮らしていますが、この優雅な毎日が明日から暫くの間ストップします。小さな人が我が家に滞在するからです。明日からと書きましたが、最近時々私のぐうたら生活に水を差す人が現れました。それは独居老人(女性)で、私の身近な人ですが、お子さんがいないので、心細くなると電話がかかってきます。先日も夜の8時過ぎにかかってきて、30分ほど話しました。10時にまた電話があって、同じ内容でした、「さっき電話したの覚えている?」との私の問いに、「そうやったかなぁ」との返事。「もう遅いから寝てね。寒いからお布団ちゃんと被ってね。明日顔を見に行くから」と言ったら、安心されたのかその後電話はありませんでした。
翌日訪問しました。昨日言ったことは全て忘れているようで、また同じことの質問でした。Aという回答に、「Aやね」との返事。回答は私、返事は老人です。その
1分後に再び同じ質問、滞在時間1
時間ほどに延々とこれが繰り返されました。丁度、デイサービスの日でもあったので、後はケアマネージャーさんにお願いして帰宅しました。

これが同居だったら、一日中同じ質問を、一分おきにされたら、怒鳴り声の一つも出るだろうし虐待になるかもしれないと思いました。虐待はどこにでも潜んでおり、容易に現れるものなのだと改めて実感しました。
以前、イギリスの介護労働を研究している人から、「イギリスでは身内に老人の介護はさせないシステムがある」と聞いたことがあります。それは虐待に繋がる可能性が大きいからです。そういえば、私も、生徒の話には気長に付き合うことが出来たし、勉強も根気良く付き合ったように思います。「ちゃう、ちゃう」と卒業生に言われそうですが、少なくとも自分の子どもに対してよりはずっと冷静で、客観的になれました。今後進歩していく若い人に対する教師とは違って、介護労働者は、どんどん悪くなる人への対応です。精神的ストレスが強い仕事であると、今回の電話騒動から実感しました。それに比べれば、ぐうたらの日々への小さい人の闖入に戸惑うのではなく、小さい人の日々の成長を見られることをヨシとしなければなりませんね。今回は愚痴のような内容でした。

では、今日はここまで。

年始からの風邪がいまだに治りません。「今年の冬は寒いから長引きますよ」と医者に言われました。その通りで、すっきりしない日々を送っています。早や一月も終わりに近づいてきました。やれやれ、今年も計画倒れに終わりそうな予感がします。


ニュース等で、気になったことを日々書き溜め、ブログを更新するための努力をしているつもりなんですが、同志社大学の浜さんの講演内容に関することが常に頭にあって、その課題が、前回書いたように「僕富論から君富論に本当に移行することができるのか」という超難しい問題なので、気負いすぎてなかなかまとめることができず、更新が遅れています。
(今年も言い訳ばかりだにゃ〜!)
という訳で、今回も課題には向き合わず、何点か。


豊中女性センターの初代館長であった三井マリ子さんの最高裁判決が出ました。この事件は、豊中市の保守系議員や職員が画策して、三井さんから館長職を奪った事件です。大阪高裁判決は三井さんの勝利でした。この高裁判決に不満な雇い主である豊中市が最高裁に控訴していました。そして
2011124日、最高裁はこの豊中市の控訴を認めず、三井さんが勝訴した大阪高裁の判決が確定したのです。三井さんの裁判の内容は、2009531日と201042日のブログを見てください。201042日のブログには、大阪高裁の判決の内容が書いてあります。特に重要なのは、「人格権の侵害」です。


今、私が支援している龍谷大学助手雇い止め裁判の原告も「人格権の侵害」を受けたと言えます。まず「解雇」があって、その理由を後から引っ付けた感がするからです。助手の一人や二人の解雇、それがどれだけ彼らの人生を狂わしていくか、教授たちには思い至らないようです。まるで有期雇用の助手には人権がないようです。


児童養護施設の職員数を約
30年ぶりに見直すというニュースを各社が報道しています。ネットで検索した限り、信濃毎日新聞が丁寧に報道してあります。増員は正規職員としての採用だとありますが、子どもに寄り添い共に生活する仕事です。多分、職務評価でも高い点数が出るでしょう。報道の記述についてですが、大手の新聞社は「子ども一人当たりの居住面積は3.3㎡」ですが、信濃毎日は2畳と書いてあります。この方が分かり易いですね。ちょっとした気配りですが学びたいです。こういう精神が、マスコミのリーダーである朝日新聞にも欲しいですね。前回も「オピニオンに登場する識者の男女比を公平に」と要望したと書きましたが今日現在、全く無視されています一回目は間髪いれず返事が来たのですが…。もう購読止めようかと真面目に考えています。

ついに小学校の教員が、児童の親を裁判に訴えました。幸いにも私が在職中はモンスターペアレンツなる保護者にはお目にかかりませんでした(高校生なら当然だよね)。朝日新聞にとっては、私も煩いモンスター読者に映っているのかもしれません。


消費税が上がるようですね。巷の声も賛否ありますが、税金を託するに値する政府かどうかが大切だと思います。法人税は下がります。日本の法人税は高いとマスコミは書きたてていますが、本当なのでしょうか。ちょっと古いのですが、
200734日のこのブログに、埼玉大学名誉教授の暉峻淑子さんの話を書いています。暉峻さんは「日本の法人税は様々な優遇政策があるので高くない」と言っています。でも、マスコミは「高い」の大合唱。ところが、こんな記事を見つけました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-06-24/2010062401_01_1.html

さらに、法人税だけでない、企業が儲けている仕組みを朝日新聞で見つけました。(購読止めようかと思っているだけに悔しい)

中央大学名誉教授富岡幸雄さんは、『巨額の代替財源見逃すな』(2011119日「オピニオン」)で、以下のように書いています。


現行の法人税制では、企業が他社の株式を持った場合、受取配当金は課税益金に算入しないでもよい、とする措置が設けられている。〜中略〜この「法人間配当無税」は、多くの他社の株式を持ち、巨額の配当金を受け取る大企業にとっては、巨大な優遇税制になっている。〜中略〜企業が受け取る配当金は次第に膨らんでいる。国税庁の資料をもとにした試算では、過去
6年間の合計額は457966億円に達している。〜中略〜巨大企業(資本金10億円以上)分は課税対象にすべきで、国ベースの法人税だけで実に、83700億円の財源を失っていると推定できる。〜中略〜単年度でも2兆円近い増収額を計上できることになる。


そうなんです。こういうことを知りたかったのです。先進国の中で、日本は特に法人税が高いとマスコミは報道しているだから、どういう優遇措置があり、実際の法人税は何%になるのかを各国の例と共に報道すべきです。
菅首相は「法人税を下げる代わりに、雇用を増やすように企業に求める」と述べていますが、そんなこと信じられますか?あれだけ「派遣切り」を初めとして、解雇の連発をし、人格権を侵害している企業が…。その分、確実に消費税は上がりますね。

では、きょうはここまで。

あけましておめでとうございます。

今年も細々と続ける所存です。時々読んで、たまにはコメントをください。


今日は証券取引所の大発会でした。夕刊には大阪証券取引所の様子が載っています。いつも不思議に思うのですが、前に陣取る女性たちは全員振袖姿なんです。この着物とか着付けとかの資金は支払われているのでしょうか、まさか彼女たち、派遣とか契約とかの有期雇用ではないでしょうね。もし、何ら対価が支払われていないのなら、振袖姿はせめて正社員だけにしてください。それでも問題はありますが…。誰か知っていれば教えてください。


大発会 朝日新聞(2011.01.04)



今回の内容は、昨年
(20101123日のブログ)からの持ち越し宿題「浜矩子さん講演の続き」です。
浜さんの講演からは、今や制御できないモンスターになってしまった経済活動がひしひしと伝わってきました。しかし、このモンスターを作り上げたのは人間なのだから、コントロールできないことはないとの内容も伝わってきました。(浜さんはモンスターという言葉は使っていませんが、浜さんの著書『グローバル恐慌』岩波新書に、モンスター化した経済活動が出ています)

世界の経済を牽引してきたアメリカは、リーマンショックという庶民にはさっぱり理解できない「サブプライム問題」が原因で、アメリカ大手投資銀行リーマン社が倒産したことをきっかけに株価が暴落しました。なぜこんなことが起こったのか?(話せば長い〜)。アメリカは1929年の世界大恐慌の反省から、銀行と証券業務をはっきりと区別しました。しかし、アメリカは1999年、規制が強かった金融部門を緩和しました。規制緩和です。一つの金融機関が預貯金も取り扱い、証券売買や投資信託も販売できるようにしたのです。(日本も同じでは?)

規制を緩和すればプラス・マイナス両面の結果が生じます。庶民である私には、日本の規制緩和は派遣切りのように、労働者が使い捨てにされたマイナス面しか見えてきません。規制緩和でタクシーも一杯増えました。客を取り合う結果、運転手の賃金は大幅に下がりました。でもこの規制緩和でしっかり儲けた人もいます。タクシーのレンタル企業です。この最大企業のトップは、規制緩和の先頭に立つ人です。以前のブログに書いてあります。

アメリカでも、リーマンショックに至るまでに、巨額の利益を得た金融人がいました。アメリカは、なんとか経済を制御しようと不良債権の政府買取とか、資本注入とかを考え出しますが、それぞれの立ち位置で主張が異なり、しかし日々の経済活動はストップする訳にも行かず、アメリカに端を発した恐慌は、グローバル恐慌に変身してしまいました。

モンスターを制御する方法を、浜さんは「僕富論」から「君富論」で説きます。私流に解釈すれば、「あなたの物は私の物」から「私の物はあなたの物」に考え方を変えることですね。
浜さんは、フランスの啓蒙主義の代表者、ヴォルテールの『私は君の意見に不賛成だ。しかし、君がそれをいう権利は、生命をかけて守って見せる。』(「S・G・タレンタイア」による部分翻訳)を引用して、君富論を説明します。さらに続けて「これは、私と考え方の全く異なる新自由主義経済を主張する竹中平蔵のために死ねるということに言い換えられます」と。

「『僕、私』の主張から『君、あなた』に考え方を変えること」との説には、「そうか」となんとなく納得してしまったのですが、竹中平蔵という具体的な名前を聞いた途端、やはり私は『君富論』の立場には立てないと思いました。なんで労働者を使い捨てして平気な経営者側を擁護するような人に味方せにゃいけんのかぁ!

次回は、浜さんの君富論とは具体的にどういうことなのかと私の考えを。新年早々、駄文に最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。では今日はここまで。

大晦日です。近くの若者向けファッションビルで働いている卒業生と会いました。彼女の働く店の横にユニクロ系のguが最近openしました。大きな面積の店ですが、人があまり入っていません(私が行く時間帯だけかも)。卒業生はguが呼び水になって彼女の店(guとは扱う商品が異なる)にも客が入ってくると予想していたようですが、以前と変わらないそうです。横にはguよりは少々高めの価格の、品揃えはよく似た店もありますが、そこも何とか持ちこたえています。若者って500円のTシャツを何枚も持っていたいものなのでしょうか。290円のTシャツは誰が縫っているのでしょうか?guを展開するに当たっては、当然マーケティングリサーチもしているでしょうから、勝算あっての出店とは思いますが、余りにも低価格の商品の背後に、低賃金の労働者を思い浮かべてしまいます。世界一品質管理が厳しいらしい日本の企業は、中国を初めとした東南アジア諸国の労働者にいくらの賃金を払っているのか、知りたいですね。卒業生は元旦から出勤だそうです。

友人からの又聞きですが、友人の友人
(Aさん)
がドイツのクリスマスを体験するツアーに参加されたそうです。クリスマス休暇あたりから欧米の北部は厳しい寒波に見舞われています。Aさんのツアーも悪天候のためバスは大幅に遅れ、楽しみにしていたクリスマス市場も少しの時間しか行けなったそうです。翌日、バスの出発時間は遅くなりました。その理由は?多分日本に暮らす人なら「悪天候だったんだ。天気の回復を待ったから」と回答するでしょう。ドイツ人なら何と言うか知りたいところですが、正解は「バスの運転手が前日の遅延でオーバーワークだった。その分休憩を取るから、出発は遅くなる」です。


日本なら「昨日は遅延して申し訳ありませんでした。市場をゆっくり見ていただけなかった分、今朝は早めに出発します」でしょうね。
私もその場にいたなら、ブーイングしていたでしょう。労働者はこうあるべきだの論理と、染み付いた意識には大きなギャップがあります。


卒業生はそろそろ出産を考え始めています。でも実際のところ、サービス業で働きつつ育児との両立を図るのは至難の業です。いったん仕事を辞めたら、再就職のときに同じ条件の仕事に就くのは両立するより難しいかもしれません。彼女の今まで培ったスキルは宝の持ち腐れになってしまいます。「一日
5時間くらい働けるのなら、育児との両立はできる」と彼女は考えています。パートとして5時間は可能かもしれませんが、給料もあらゆる条件も今とは大きく違ってきます。


こんな記事が入ってきました。

ドイツの派遣労働者に関することですが、裁判所が労働者側に立った判決をしています。詳しくは「続きを読む」を見てください。要約すると、ドイツの鉄鋼部門には大きな労働組合が2つあって、その一つの方が悪い条件で派遣労働者を雇用する労働協約を経営者と結んでいた。連邦裁判所は「労働者にとって悪条件の労働協約を結んでいる労働組合の労働協約は認めない。既に賃金、ボーナス、年休、病休等で派遣先正規労働者との平等を保障しているし、これを守らなければいけない、過去4年に遡り派遣労働者は損失を請求することができる。」と判決しました。


ドイツは、同一価値労働同一賃金の概念はEU指令で確立しています。
5時間働くか、フルタイムで働くかの違いだけで、他の条件は全て同じです。だから、パートという言葉は、短期間を表すことはあっても(例えばクリスマスの繁忙期に一週間学生アルバイトを採用するとか)、ずっと働いている人をパートとか非正規とかで表現することはあり得ません。全て正社員、ただ5時間なのか8時間なのかの違いだけです。


前回の続き「朝日新聞に抗議の投稿をしました」の朝日新聞からの回答はまだ来ていません。二回目はまったく返信なしです。前回の投稿即回答に誠意を感じることが出来ませんでしたので、今回は「なぜ男女比にこだわるのか」を諄々と書きました。そうしたら回答が来ません!今度は無視なのでしょうか。

その朝日新聞の昨日
(30)の社説の見出しは≪女性活用小国―能力を生かせる社会に≫でした。(よく言うよ)『健康や寿命では評価が高い日本女性の活躍度が見劣りする事実は、社会の重大な欠陥を浮き彫りにしている』と続きます。大手メディアって政治家と同じね。そう、厚顔無恥というやつですね。
ドイツの運転手の行動があるから、連邦裁判所の判決があるということになりますね。朝日新聞のオピニオン欄の男女比に改善が見られないことは、卒業生の両立は道遠しに繋がっています。


労働問題に関して、労働者側には今年も何ら進展のない年でした。政権交代でちょっとは期待したのですが…。政治が期待できないのなら、私たちもドイツの運転手の行動を見習い、日本的サービスを求めないこと。これしか方法はなさそうです。
(政治に期待するより難しいという声も聞こえてきそう)

では、今日(今年)はここまで。また来年もご愛顧ください。

(浜さんの講演の続きは宿題のままです。)

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最初の質問です。

今ここに50万円あって、預金しようと考えているとします。丁度A銀行とB銀行が自宅へ営業に来ました。利率が同じなら、あなたが預金をしようとする銀行の決め手は何ですか?付加サービス?ティッシュとか!


私の決め手は、担当者ですね?担当者が女性なら一次パス。次に銀行における女性の待遇や働き易さを根掘り葉掘り聞いて、女性を認め、評価している銀行に預けます。


では次の質問です

あなたは「男女共同参画社会基本法」なる法律を知っていますか・

私は名前だけは知っていましたが、どうせ名前だけで、内容は伴わないものだろうと解釈し、積極的に知ろうとは考えていませんでした。この法律の実効性に相変わらず半信半疑を持ちながら、最近考えをホンの少しだけ考え直して、勉強会に参加してきました。


この法律の基本計画を策定するとかで、つい最近まで「広く国民のみなさまのご意見を聞く」という名目の元、各地で公聴会が開かれていました。同時に意見も募集していたので、各地で女性の団体が勉強会が持たれたのです。意見を出しても実現性は乏しいと分かっていても、何も言わなければ何も変わらないからです。


そう考える理由の一つに、文言に変化が出てきたことが挙げられます。これは政権が交代したからだろうとの意見もありますが、管轄は男女共同参画局で、トップは社民党の福島みずほさんです。

では、第3次男女共同参画基本計画策定に向けての《非正規雇用における雇用環境の整備
(中間報告)》の項を見てください。

 

() 施策の基本的方向

労働者が、多様でかつ柔軟な働き方を選択でき、それぞれの職務や能力に応じた適正な処遇・労働条件が確保されることは、女性の能力発揮の促進を図る上での重要な課題である。このため、同一価値労働同一賃金に向けた均等・均衡待遇の推進の取組として、パートタイム労働者と正社員との均衡待遇の推進など、多様な働き方の雇用の質を向上させるための施策を推進する。

() 具体的な取組

? 同一価値労働同一賃金に向けた均等・均衡待遇の推進の取組として、パートタイム労働法に基づき、パートタイム労働者と「通常の労働者」の均衡のとれた待遇を推進する。

? 同一価値労働同一賃金の実現に向けて、法整備も含めて具体的な取組方法を検討する。

? 不安定な身分やキャリア形成の困難さなど非正規雇用を巡る問題の解決を図り、非正規雇用労働者がスキルアップ、キャリアアップができるような仕組みの構築を推進する。

? 非正規雇用から正規雇用への転換を希望する者に対して、正規労働者になるための職業訓練などの支援を行う。

? 短時間正社員制度など公正な待遇が図られた多様な働き方の普及を推進するほか、フルタイムの正規雇用とこうした多様な働き方との間の双方向の転換が図りやすい環境を整備する。

? 有期労働契約の在り方について、正社員との待遇の均衡の問題を含めて検討する。

? 正規労働者以外の労働者に対する均衡処遇等について、施策において各労働者間で合理的でないアンバランスが生じることのないよう、正規労働者との待遇の均衡等の問題を検討する中で対策を講ずる。

 

どうですか、凄い内容でしょう!?待遇を推進する。?具体的な取組方法を検討する。?構築を推進する。?支援を行う。?環境を整備する。?検討する。?対策を講ずる。

「は〜い、質問をどうぞ」。「そうなんです。どこにも具体的な方策、施策は書かれていません。そうホント絵に描いた餅なのです」。


でも、でもなんです。この抽象的かつ実効性のない文章に、「同一価値労働同一賃金の実現に向けて、法整備も含めて具体的な取組方法を検討する。」という文言が入っただけでも画期的なことなのです。明らかに女性差別撤廃委員会が日本政府へ出した勧告を意識しての文言なのです。この勧告を引き出したのは、日本各地で活動する働く女性のグループです。


で、これらの絵に描いた餅のような文を、政府がやってくれるのを待たずに、骨のある法律に仕立てあげる方法を考えてみました。
(待っていたら50年かかるかもしれません。)

それは、例えばA銀行とB銀行に女性が質問状を出すのです。「私は、A銀行かB銀行か迷っています。つきましては、判断材料にしたいので、貴行の女性の管理職登用率をお知らせください」とか、「正行員と非正規行員の比率とか男女比とか賃金とか」。

 

政府は、この法律の策定に向けての中間報告の第1分野 「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」で、《民主主義社会においては、構成員の意思を公正に反映できる参画の制度と運用が必要であり、女性が社会の構成員の半分を占める中、政策や方針の決定に関わる立場の女性を増やしていくことが必要であることから、「2020 30%」をあらゆる分野においてできるだけ早期に実現する。》と言っているのですから、協力しなければ…。

では今日はここまで。

もう12月、やっと12月。私は前者しかありませんが、人それぞれです。


労働問題に関しては良い話は全くといってない一年でした。

私の周りでも安易な雇い止めがあり、相談を受けています。頼りにする労働組合は使用者側に立って動かず、雇い止めの期限はどんどん迫り、「労働者の法律は労働者を守らない」とも法律の専門家にも言われ、もう八方塞の状況です。「雇い止め」を言い渡された人のことを思うとやり場のない怒りが湧いてきます。

しかし、ついに、レジ係りの非正規労働者が、正規雇用を求めて立ち上がり、ストライキを500日以上にわたってやり遂げたのです。「えー、そんな新聞に出てたぁ〜」。そう、これは韓国の話です。次回に詳細を書きますので、楽しみにしてください。ストライキをした女性たちとも会いました。勇気のある言葉を沢山もらいました。次回っていつだ?

はい、年末までには何とかと思っています。


と昨夜ここまで書いて、今朝の新聞でが〜ん!
<パナソニックプラズディスプレイ偽装請負、雇用認めず、最高裁二審破棄>。これもいずれ詳しく書きますが、裁判官は「法律だけ見て、人間を見ていない」というのが私の第一印象でした。ますます八方塞です。

 

さて、今日の本題です。

前回のブログで、「今後このブログでも、卒業生の仕事を紹介していきたいと考えています。」と書きました。

卒業生のことではありませんが、「旅行添乗員」の仕事を聞く機会がありましたので、それを紹介します。

卒業生の中にも添乗員になった人がいます。高校時代、行動的でまっすぐだった彼女、今はもうこの仕事を辞めたと聞いています。一度会って実態を聞かなければと改めて思いました。

 

あなたは「旅行添乗員」と聞いてどんなイメージを持ちますか?

私は修学旅行で添乗員の方と行動を共にしましたから、その過酷さを理解しているつもりでした。違う意味で、修学旅行中の教師も同じ過酷な条件でしたから、特に添乗員の仕事に思いを馳せることはなかったかもしれません。


仕事を辞めてからは、海外旅行で添乗員にお世話になっています。

昨年エジプトへ行ったとき、帰りの機中でアンケート用紙が配られました。アンケートの回答如何によっては賃金の査定に関係するだろうなと思いながら、その時は苦情(急病の人の対応)を書いてしまいました。添乗してくれた彼の雇用形態を聞くことができなかったので、時々思い出して心配しています。しかし、苦情を聞くことで、彼は成長することもあるでしょう。彼が旅行会社の正社員だったら、上司に「この点に関しては注意しなさい」と忠告で済んでしまうかもしれません。ところが添乗員の圧倒的多数は派遣添乗員なのです。派遣労働者については、このブログでも何回も述べています。まさか私の苦情で、「即解雇」ということが彼に及んでいないことを願います。

 

話をしてくださった方も派遣です。しかし、彼が所属しているのは、添乗員の待遇の悪さを改善するために有志で「労働者供給事業」を立ち上げ、その後株式会社として派遣事業を行っているところです。(労働者供給事業についてはwww.union-net.or.jp/roukyo/intro/main.htmlを見てください。)添乗員の仕事は1970年代後半に専門職として出現しました。当時と比べて、賃金を初めとして労働環境はどんどん悪くなっています。

20
年前は交通機関が整備されていないこともあって、総じてのんびりとした旅行であり、ヨーロッパ旅行を例に取ると、10日以上だったものが今は8日が標準になっています。催行人数が15人〜20人であったのが、今は3035人に。交通網の整備によりあらゆる場所に出かけられるようになり、その分の予備知識を付けなければならないこと。また現地にいる日本人ガイド(もしくは日本語のできるガイド)が以前は付いたのが、経費削減のため付かなくなったこと。同じようにバスガイドも付かなくなったこと。食事が一律でなく、オプションで注文できるようになったため、手間がかかること等を挙げられました。低価格、てんこ盛りサービスの影響はまっさきに添乗員にかかっていたのですね。

 

彼の話を紹介するために、ネットで添乗員のことを調べました。これを交えながら、紹介します。ネットの資料は『添乗員労働条件実態調査平成1711月〜18年1月、社団法人日本添乗サービス協会』によりました。字数が多くなりましたので、以下は「続きを読む」に入れました。「続きを読む」もよろしく。

  

添乗の仕事がどれだけ複雑で多岐にわたるかを書いたブログもあります。将来のあなたの、また子どもの職業選択のために知識を持つことは大切ですね。


最後に、話をしてくださった方は、空港で「楽しかったわ。添乗員さん、ありがとう」との一言で苦労が吹き飛ぶんですよ。」と締めくくられました。私が今職務評価で取り組んでいるケアワーカーの人も同じ。因果な商売だね!

では今日はここまで。

 

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「労働者と資本家は平等だ」なんてことはゆめゆめ思っていませんが、もう少しなんとかならないの〜!!

ちょっと古いのですが、以下の記事を読んでください。

 

 

≪三菱自、期間従業員の採用再開へ 年内に500人程度≫

三菱自動車は、生産現場で働く期間従業員の採用を再開する方針を明らかにした。エコカー減税などの景気対策で小型車などの販売が回復しつつあるためだ。経済危機が深まった昨秋以降、国内メーカーは大幅減産に伴って期間従業員を絞り込んできたが、三菱は販売不振が底を打ったと見て、生産現場の増員に動く。

 8月にも期間従業員の募集を始める。6月の国内販売が前年同月比37.6%増と好調だった小型車「コルト」などを生産する岡崎工場(愛知県岡崎市)向けで、販売台数の動向を見極めながら、年内にも採用数を500人程度まで拡大する計画だ。

 増員により、岡崎工場の生産体制を今年11〜12月をめどに昼夜2交代制に移行する方針。同工場は今年2月から、販売不振に伴って日中だけの勤務にとどめていた。当面は、水島工場(岡山県倉敷市)や取引先などのグループ企業から400人程度を応援要員として確保する。

 三菱自は、自動車不況により、昨年11月は3300人だった非正社員数を、今年3月末にはゼロにしていた。

 三菱は、00年以降の商用車のリコール問題を発端にした経営難で、大幅な人員削減を進めた。このため、工場の生産要員に余裕が少なく、他社に先駆けて期間従業員の採用を再開することにした。

 国内メーカーは、低燃費・低公害の「エコカー」を対象にした減税や補助金支給の効果で、ハイブリッド車や小型車の販売が持ち直し傾向にある。(大日向寛文) 2009710日朝日新聞

 

なんと勝手な。捨てたり拾ったり。

「不況だといって安直に解雇した企業に、誰が働きに行ってやるものか」と言えたらどんなにすっとするでしょう!

 

もう一つ。これも使い捨ての例です。身近に起こりました。解雇の問題です。

 

正社員のAさんは病気になって傷病休暇を取り、治療に専念しました。その甲斐あって、無事医者からの職場復帰の証明も出ました。若干半身に麻痺が残りましたが、一人で通勤もできます。病気になる前は営業職でしたが、Aさんは体のことや営業職が外部の人と対面することを考えて、事務職で復帰することを希望しました。

 

会社側の回答は「退職。その後1年間の嘱託。嘱託の状況を見て継続するかを考える」というものでした。

さあ、あなたがこの状況になったらどうしますか?大きな会社なので、働いている人は沢山います。職種も沢山あります。

 

Aさんは考えに考えて、会社の条件に同意しました。

労働問題に詳しい人は、こういう場合、「絶対に退職届を書いてはいけない」と言います。

 

「私は退職したくありません。継続してこの会社で働かせてください」と毎日言い続けるのは相当な勇気が要ります。少し後遺症が残ったとはいえ、日常生活は今まで通りにはいかないでしょうし、自己の現状を受け入れて、仕事を再開すると決意するまでには相当な勇気と覚悟が要ったでしょう。

 

法律にはこう書いてあります。

労基法18条の2[解雇]

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

 具体的な解釈を見て行きましょう。長くて難しい文章なので、Aさんに関係する箇所を太字にしました。そこだけ読んでも、Aさんに対する会社の誠意のなさが分かります。20年近く勤めて、病気になったら「はいさようなら」です。名のある企業なのに!

 

労働者の非違行為、能力欠如等を理由とする解雇

傷病による能力欠如を理由とする解雇

 

()労働者に傷病や後遺症があって従前の職に復帰するのが困難な場合、労働者の労務提供の不能や労働能力・適性の欠如を理由として解雇されることがある。

多くの企業では、労働者の私傷病による欠勤が一定期間以上にわたる場合、これを休職とし、休職満了時点でも復職が困難な場合、これを解雇したり、休職期間の満了をまって退職と扱う旨の就業規則の定めをおいていることから、このような就業規則の条項に該当するか否かのかたちで争われることが多い。実際の相談では、このような規定に基き解雇された労働者からの相談のほか、本人が復職を申し出ているにも拘らず、企業が復職を認めようとしないという解雇に至る以前の段階での相談がある。

(労災は別:解雇に対する法令上の制限)

 

()このような解雇の場合、まず問題となるのが、休職期間満了時点等において、真に従前の職に復帰することが不可能であるかどうかである。

その判断は、医師の診断によらざるを得ないケースが多い(企業の側でも、復職させるかについて、就労可能である旨の医師の診断書を求めるのが通常である)。したがって、訴訟提起の場合はもちろん、交渉をするに際しても、十分な医証を確保することが必要である。

()また、休業期間満了時に、従前の業務は十分にできないが、労務提供はできる場合に、即座に解雇する(退職扱いとする)ことが許されるかも問題になる。

これは、企業には解雇回避のために、配置転換、教育訓練の機会提供、復帰準備期間の提供などの措置を講ずべき義務があるかをめぐって争われる。

この点については、従前の職務を通常の程度に遂行できる健康状態に回復していることを要するとする見解と、復職当時は軽易業務に就き、段階的に一定程度の猶予期間をおいて通常業務に復帰できる程度に回復しておればよいとする見解に分かれていた。

ところが、建設工事の現場監督に従事していた労働者が私病を理由に、事務作業への配転を求めたところ、会社がこれを拒否し、自宅療養命令を発し、賃金カットをした事案である「片山事件」において、最高裁判決は(10.4.9労判736)、当該労働者の配転が可能であるか否かを検討して、賃金請求権の有無を決すべきとした。

片山組の判決内容は、傷病等により従前の職務への復帰が困難であることを理由とする解雇(退職扱い)の場合にも、当然に妥当と考えられる。

したがって、職種限定がない労働者の場合、従前の職場に復帰できずとも他に就労可能な職務がある場合に拘らず、そのような職務への配置可能性を検討せずになされた解雇(退職扱い)は無効となる。

判例:北産機工事件(札幌地裁判決平11.9.21労判769号)、全日空事件(大阪高裁判決平11.10.4労判771)

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法律があっても所詮「絵に描いた餅」です。企業に異議申し立てをするには、労組(企業内、地域ユニオン)、労基署、裁判等があります。しかし、これらに挑戦するには相当なエネルギーが必要です。ちなみに、会社の労組は力になってくれませんでした。

 

(余談ですが、7月の新聞に以下の記事を見つけました。)

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障害者雇用差別禁止を法制化へー厚労省が議論開始これは日本が07年に署名した「国連の障害者権利条約」批准に向けた対応の一環。〜中略〜焦点になりそうなのは、障害者権利条約が求める「合理的配慮」をどう規定するかだ。職場での合理的配慮は、使用者に過度の負担にならない限り、個々の労働者の事情に応じて必要な環境を整えることを意味し、配慮を欠くこと自体が差別とされる。〜中略〜来年の通常国会への法案提出を目指す。

 

 

では今日はここまで。

次回は、WWNがニューヨークに行った報告(前回のブログに関連して)を9月末にします。?

新年度が始まりました。新入生にとってはオリエンテーションが終って、いよいよ本格的な新年度のスタートの時期です。

(ちょっと時期がずれてしまいました。ブログ更新をさぼっているのがバレバレです。)

 

毎年繰り返される卒業式・入学式を晴れやかに過ごせない定年までの何年間がありました。生徒にも教師にも自分の考えを発露し難い教育現場の実態があり、今も続いています。世界の子どものなかで、日本の子どもたちが最も将来に対してネガティブな考えを持っていると言われますが、政界を見ていると、当然という気がしてきます。

 

定額給付金の支給が始まりました。支給という単語が相応しいのか、それとも還元なのかと、いろんな考えが交錯するところですが、政府は早速消費税値上げを言い出しています。消費税が最初に導入されたとき、「福祉に使う」と言われていましたが、日本の社会保障は先進国の中でもランクは低いままです。次のブログに、定額給付金に対する提案をします。すぐに更新しますので、次回分も併せて読んでください。

 

今回は、セイフティネットのある社会、それもネットに横たわるのではなく、ネットの力で弾き返すことのできる社会をイギリスの例で見ていきます。この弾き返す政策をイギリスでは「トランポリン型福祉」と呼んでいます。

 

日本では、生活保護を受給している率は非常に低く、『ベーシック・インカム入門』山森亮著 光文社新書によれば、「100世帯中、10世帯が生活保護基準以下の生活をしいているが、実際に保護を受けることができているのはたったの2世帯」だそうです。生活保護を受給できるはずの世帯のうち、実際に受給している世帯の割合を捕捉率といいます。この捕捉率、イギリスは90%以上、アメリカ70%以上、ドイツ40%以上で、日本は20%前後と言われていますし、経済学者の研究(橘木俊詔氏)によれば1995年で19.7%だったのが、2001年で16.3%になって、捕捉率は下がっているのだそうです。

 

ネットで「生活保護」を調べてみると、Q&Aに「市町村の窓口で、『仕事を探してください』と言われて追い返されても、必ず申請書類を貰って帰りましょう」とあります。書類すら貰えなかった状況が、餓死した人の記事には載っています。

日弁連の調査によると、生活保護の申請書類は、イギリスでは郵便局の窓口に置いてあるし、各国とも公共機関にパンフレットや申請書類が置いてあるとのことです。

 

トランポリン型福祉に関連しますので、次の記事を見てください。

日本では、職業安定所の職員を減らす案が出ています。その案とは既に実行されていますが、以下その内容です。

 

厚労省は国の合理化計画に沿い、労働関連で07年から3年間で約900人の人員を削減。このうち労働局は625人、ハローワークは457人減った。09年度はハローワークで297人が減らされ、全国で1万1700人になった。東京都内のあるハローワーク職員は「300人近い定員を削り、この事態に対応しろというのはむちゃ」と嘆く。厚労省人事課は「政府方針なので削減を止められない。代わりに臨時相談員を1300人増やした」と説明。しかし、現場の職員からは「書類作成などはできても、実際の相談への対応は厳しく、窓口が全部埋まらない」と話す。
窓口は昼休みなしで対応し、昼食を取る時間もないのが現状だという。

 

ではイギリスのトランポリン型福祉に入ります。
 

第一段階

イギリスでは、半年間失業している全ての18歳〜24歳に対してマンツーマンでアドバイザーが付きます。そして、そのアドバイザーの下で、就職活動計画の作成、なぜ失業したのかのどの相談を集中的に行い、求職活動を支援してくれます。またその間、週に約47ポンド(今日現在で1ポンド約149)支給されます。もちろんこれだけでは暮らしていけない人もいるでしょう。生活困窮者には生活保護費が出る。そうイギリスの捕捉率は90%以上です。この第一段階は最長4ヶ月間です。

 

第二段階

・第一段階の期間に就職できなかった若者は、さらに半年間の職業訓練の機会が与えられる。この間下記の4つの中から一つを選択する。

☆民間企業で働きつつ訓練を受ける。(政府が企業に週給の助成金と教育訓練費を支給)

☆ボランティア団体で働きつつ訓練を受ける。(参加者に賃金が与えられていれば、政府が事業主に助成金を支給)

☆フルタイムの教育・技能訓練を受け、国家認定職業資格を取得。(訓練生は休職手当と同額の手当てを受給。訓練費用は国が負担)

☆荒廃した家屋の修繕やリサイクル活動を行う環境保護団体で活動をしつつ訓練を受ける。

 

第3段階

・さらに6ヶ月、求職活動を支援。

これでも就職できないならば第二段階に戻る。

 

日本政府も遅まきながら、次のような≪緊急人材育成・就職支援基金(仮称)≫を創設することを決めたという記事が載りました。

 

与党新雇用対策プロジェクトチーム(PT、座長・川崎二郎元厚生労働相)は十九日、総額1兆6000億円の追加の緊急雇用対策をとりまとめ、首相に申し入れた。失業者に職業訓練中の生活費を支給する「緊急人材育成・就職支援基金」(仮称)を創設するほか、雇用調整助成金の拡充、職を失った日系ブラジル人の帰国費用支援などが柱となる。北海道新聞 2009320

 

職業訓練中に月1012万円を支給する「緊急人材育成・就職支援基金」は、雇用保険に未加入の派遣労働者や元自営業者、雇用保険の受け取りが終わった人など、雇用保険制度から漏れた人を対象とした。民主党など野党は同じ趣旨の法案を議員立法で衆院に提出済みだ。与党も対策をまとめたことで、不況下でしわ寄せを受けてきた非正規労働者らへのサポート態勢が整いつつある。東京新聞 2009320

 

イギリスに戻りますが、このトランポリン型福祉によってイギリスにどのような変化が起きたのでしょうか?

ます、低所得者の所得が増えました。言い換えれば高所得の人たち割合が減ったのです。また、失業手当の受給者数は、97166万人から、072月の92万人と約4割程度減少し、長期の失業手当受給者は97年から73%減少した。

 

こうして見てくると、失業者が労働市場に戻ることにより、税金に担い手になり、結果的に税金は有効に使われたことになります。損して元取る政策です。

 

いよいよ定額給付金がスタートしました。私の家にも3日ほど前に定額給付金の通知が届きました。通帳と身分を証明できる運転免許証などの写しを送付しなければなりません。市民からの封筒を開け、書類が揃っているか、記入漏れがないかをチェックする。考えただけでも膨大な事務量です。もっと有効なおカネの使い方があるだろうに、将来にツケを回す無策な政策です。

 

定額給付金について、友人たちと相談しました。そして、私が参加しているグループの名前で、「定額給付金を寄付しませんか」の呼びかけ文を作りました。次のブログに載せますので、読んでください。(すぐに更新します。)

では今日はここまで。

前回は親の貧困が子どもにいかに影響するかについて書きました。

親がすべり台社会を滑り落ちると、当然のことながら子どもも共に滑り落ちてしまうということです。

 

貧困層にある世帯の比率は、高福祉国家と言われているスウェーデンとそう違いませんでした。しかし、収入から税金や保険等の社会保障費を支払った後、その世帯がどれだけ消費(医療費も含まれる)に使うことができるか(可処分所得)では、貧困世帯はさらに増加していました。これは日本だけの現象でした。

 

 

今日は、親のセーフティネットについて考えてみましょう。

湯浅誠さんは、滑り落ちないためには、すべり台に階段をつけることが必要だと述べています。

階段はできるだけ段差を少なくし、その分段数が多いほど、落ちたとしてもどこかで停まる筈です。

 

こんな記事を見つけました。(2009.03.08付け朝日新聞)

≪生活保護最多116万人、申請1ヵ月で3割増。≫

ワーキングプア問題に詳しい都留文科大後藤道夫教授の談によると

『失業手当受給者が失業者の2割にとどまり、最後のセーフティネットのはずの生活保護が、最初のセーフティネットになっている。』だそうです。これらは一面でした。さらに社会面に≪ハローワーク→労基署→市役所、失業者「たらい回し」≫という記事もありました。

 

派遣切りで解雇になった場合、どこが離職票を出すか分かっていますか?

派遣労働者と雇用関係にあったのは、実際に働いていた例えばトヨタとか、キャノンではなく、派遣会社です。

派遣会社が離職票を出します。この記事の人(Aさん)は、派遣切りとともに会社の寮を追い出されました。住所がなければ派遣会社からの離職票は届きません。生活できなくなったAさんは雇用保険(失業保険)の手続きのためにハローワークへ行きました。

ハローワークでは「離職票を持ってきてください」と言われます。「まだ会社が出していないのですが…」「では派遣会社に問い合わせてみましょう」とハローワークは会社へ電話。「来週出すと言ってますよ」「その間生活費がないんですが」「それは市役所の仕事ですから市役所で生活保護の手続きをしてください」→

そこでAさんは市役所へ行きます。「離職票がないので失業保険を受けることができません。生活保護の申請をしたいのですが」「生活保護はあなたのように働ける人にはそう簡単には支給できません。あなたには失業保険があるのだから、すぐに離職票をもらうべきです。そちらの方が先決です。離職票をすぐに出してもらうためは、労基署から会社へ言ってもらうのがいいでしょう」→

Aさんは労基署へ。「会社がなかなか離職票を出してくれないので、失業保険が受けられないので困っています。」「失業保険はハローワークの仕事です。ハローワークへ行ってください」。

 

こういう遣り取りが2周続いて、ついにAさんは2日間歩き続けて個人加盟の労働組合に相談。市会議員に付き添われて市役所でようやく生活保護の手続きができました。その時のAさんの所持金200円。

(「ヨカッタ、ヨカッタ」の話しではありません。なんで200円になるまでに手を打たなかったの?と思う人もいるでしょうね。先日TVでアメリカ映画<しあわせのかたち>を見ました。これは努力の結果のサクセスストーリーでしたが、野宿者になる過程が描かれていて、それは実に簡単になってしますのだということがよく分かる映画でした。)

 

何が問題なのでしょうか?

いくつか挙げることができます。

まず生活保護費は税金です。本来労働者Aさんは雇用保険から給付を受けるべきなのです。なぜ即生活保護費なのでしょうか?お金の出所が違うのではありませんか?

これが私の最初の疑問です。

 

Aさんはトヨタで働いていました。トヨタから派遣会社へAさんの雇用保険費は支払われています(筈です。経費節減のためこの手続きをしていない企業もあります)

 

都留文科大の後藤教授が「2割の人しか失業保険を受けとっていない」と言ってますが、雇用保険はどこに積み立てられているのでしょうか?

 

それは厚労省です。雇用保険は失業保険だけでなく、育児・介護休業中の補償や教育訓練費も含まれています。その中で最大のものは失業手当です。この雇用保険は労使が負担しています。労働者の総賃金額の千分の12を労使で折半し、さらに国から税金(国庫負担金)が投入されます。しかし、この雇用保険積立金は相当な額に達しており、国の財政が厳しい中、国庫負担金を削減する案も浮上しています。しかし、Aさんのように本来なら給付されるべき労働者に支払われていないことが、剰余金の裏事情にあるのならそれは筋が違いますし、これは前回のブログからも十分に推察できます。

 

ではどのような階段があるのかを見てみましょう。

まず雇用保険です。これが給付されるためには随分といろんな条件をクリアしなければなりません。住所がなければ一切の手続きができません。Aさんのような人にはこれが最大のネックです。

このブログを書くためにネットでいろいろ検索していましたら、「社会保険料を安くする方法」という広告を見つけました。Aさんは住所と離職票がネックでしたが、会社が雇用保険に入っていないことも多々あります。給料明細で年金や医療保険や雇用保険が引かれているか確認してください。医療保険はすぐに使いますから、会社が手続きをしているかどうかすぐに分かりますが、年金とか失業手当はその時まで分かりませんものね。

 

次の階段は、失業手当が給付されるまでの生活資金を貸し出すことです。まとまった生活資金を借りることができればアパートを借りることができます。ネットカフェは月額に換算すると高くつきますし、洗濯や風呂、炊事等もできませんし、別途お金が必要です。第一安眠できません。

この前提として安価で良質な公営住宅が用意されていることも大切です。これは派遣切りになった人たちだけの問題ではありません。日本の住宅政策は持ち家を強く薦めています。家を所有することこそ自己責任というわけです。一生家を持つことだけを目標として働くなんて悲しいです。ローンを払い終わったらマンションの建て替えの時期になった、なんていうことも充分考えられます。良質で安価な住宅を提供する政策は、誰にでも必要ですが、この段階では望みすぎであり、実現不可能の感があるので、ここではこれ以上の深入りはしないことにしますが、いつか各国の住宅政策についても調べてみたいと思います。

 

生活資金から外れました。生活資金に戻ります。

政府も自治体もいろいろと制度を用意しているようですが、とても手続きが面倒で使えないものばかりです。

一例として、各自治体には社会福祉協議会という組織があります。そこには貧困世帯向けの「生活福祉資金貸し付け」と「緊急小口支援資金」と「離職者支援資金」が用意されています。しかし、面倒な手続きのため、ある社会福祉協議会では年間相談件数789件のうち、実際に貸付をしたのは10件足らずだったそうです。

 

これら制度の前にまず何よりも「相談窓口の一本化」をしなければなりません。ハローワークと自治体の生活保護担当が机を並べて相談に乗っていたら、バス代にもこと欠いたAさんはたらい回しされた3箇所を徒歩で回る必要はなかったはずです。随分とお腹が空いて、惨めな気持になられたことでしょう。東京のどこかの区役所でこれを実施しているのをTVで見たことがあります。

 

以上が日本のセーフティネットでした。日本にも、セーフティネットの制度があるのは確かです。しかし、実際には使えない制度であったり、縦割り行政のために機能マヒに陥ったりしているというのが現状です。これでは無いのも同然です。イギリスでは生活保護は日本よりは簡単に給付されます。

 

でも今回の派遣切りの大大前提に、経営者のなんでもありの労働者派遣法を見直さなければなりません。

 

次回は、滑り落ちそうになってもどうにか階段で踏みとどまることが出来た労働者とは、いかなる制度に支えられているのかを、イギリスの例で見ていきます。

では今日はここまで。

書かなければならないことは沢山あるのに、事実が余りにも厳しくて、書くという行為そのものに躊躇してしまいます。

 

先々週の金曜日に「イスラエルが年末から22日間にわたってパレスティナのガザ地区を攻撃し、1300人以上の死者を含む6,700人以上の死傷者を出した爪痕」という題で、ジャーナリストの志葉玲さんが話されるというので聞きに行きました。

その3日後、アカデミー賞の発表がありました。なぜ「おくりびと」が賞に輝いたかが、ここで繋がりました。本命とされていたのはイスラエル映画でした。1982年にレバノン・ベイルートの難民キャンプで起きたキリスト教徒軍によるパレスチナ難民の大虐殺を描いたドキュメンタリー・アニメーションです。「おくりびと」の主役「もっくん」でさえ「イスラエル映画が本命と思っていた」と語っていました。勿論「おくりびと」も素晴らしい映画でしょう(私は見てません)が、アカデミー賞の選考委員にはユダヤ人が結構いるとかで、今回のガザ攻撃と重なるこの映画を避けたというのが裏に働いたと思ったのです。イスラエルのガザ侵攻については、続きを読むに入れました。

 

では、このブログの本筋、労働問題に戻りましょう。

前回に引き続き日本の貧困についてです。「もし教育費が無料であったなら」という問いで前回のブログを終りました。

ではすべり台社会ではない社会というのを今日は考えてみましょう。

湯浅さんのすべり台社会に対して、すべり台でない社会とはどのような社会のことでしょうか。

 

ここに愕然とする数字があります。子どものいる世帯の貧困率は、先進国の中で日本が特に高い率ではありません。2000年の≪子どもの貧困率≫によると、OECDの平均が17%とすると、日本は11%くらいです。教育レベルが高いとされているデンマーク、ノルウェー、スウェーデンとそう変わらない数字です。フランスは25%近いし、ドイツも17%ほどの数字です。

 

ところが、この貧困率が次のような操作の結果さらに上がる国が先進国の中でたった一カ国だけあります。それが日本なのです。

操作とは、≪収入から税金や社会保険料(医療保険や年金の掛け金等)を引いた額に、児童手当や年金(教育費がかかる子どものいる親所帯が年金受給者であることはまずないから、年金は問題外)を足す≫という計算です。

 

親の収入段階で貧困層であったとしても、日本と同じくらいの貧困率の上記の国々は、社会給付や税方式によって、貧困率が下がっています。再度強調しますが、日本だけが貧困率が上がっているのです。

 

では、具体的に児童手当についてみてみましょう。

児童手当には、日本は親の所得に制限が設けられています。所得制限をクリヤーしても、一番目と二番目の子どもについては3歳までは月1万円(12万円)、3歳〜12歳は5千円(年6万円)。三番目の子どもは12歳まで1万円です。

 

日本の出生率が約1.7人ですから、殆どの家庭は5千円程度支給されている計算になります。義務教育年齢の子育て費用の必要経費だけでも年間200万円との推計があるので、これでは全く足らないですね。

 

イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンは、まず親の所得制限がありません。親の所得が高くても等しく給付されるということです。(この場合、税率もカウントしなければいけませんね。

 

高所得上位20%の人が負担する直接税と社会保険料は、フランス55.3(7.0)% ドイツ44.6(3.3)%、スウェーデン41.2(6.1)%、イギリス49.5(2.5)%ですが、日本は39.3(7.9)%です。 ( )内の数字は所得下位20%が負担する率です。日本は高所得者の負担率が低く、低所得の人の負担率が高いことがわかります。)

 

児童手当は、

イギリスは16歳まで支給。年間20.4万円、二番目以降は14.4万円。

ドイツは18歳未満まで。一番目から三番目まで27.6万円、四番目以降は32.4万円。

フランスは20歳未満まで。二番目から支給で、21.6万円。三番目以降27.6万円で、これに11歳〜15歳は6万円の加算、16歳以上は10.8万円の加算が付く。

スウェーデンは16歳未満まで。一番目から支給され、子ども一人につき20.4万円、二人以上はこれに2.445.6万円の加算が付く。

 

さらにこれらの国は、この児童手当のほかに、子どものいる貧困世帯に税額控除制度を設けており、この児童手当と税額控除を合わせてかなりの額の支給をしています。

これらの結果、貧困率25%のフランスは社会保障によって6%に、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンは2〜4%に、日本は12%14%にアップです。日本が如何に子どもに費用を使っていないかが分かりますね。

 

テーマに即して言えば、日本は賃金の格差があるのに子どもへのフォローが少ない。子育ての費用は最低限、等しくかかるから、低所得の家庭ほど消費支出は高くなる、ということです。これは自明のことですが、各国はこの陥穽を避ける努力をして、子育てをその家庭のことではなく、程度の差はありますが、社会的なことだと考えているのです。

 

すべり台社会では、親の失業や低賃金が子どもの問題に直結します。給食費(月額4千円)が払えない、遠足や修学旅行に行けない、もっと切実な問題として、保険証がないから医者にかかれない、高校や大学へ進学できない等です。

 

親の貧困は子どもに連鎖し、子どももまた貧困に陥る率が高いという数字も出ています。

親がすべり台を滑り落ちないために何が必要かを次回に見ていきます。

では今日はここまで。

≪続きを読む≫もよろしく。

続きを読む

テレビも新聞も「解雇・解雇」の嵐です。

このブログを立ち上げたそもそものきっかけは、女性卒業生のために労働に関する情報を提供することでした。

 

均等法やパート労働法などの仕入れた情報を発信し、正規と非正規、女性と男性の賃金差別を是正する方策を探ってきました。しかし、今や「賃金差別」を要求していることが、『なんて贅沢な!仕事があるだけましよね』って言われそう。こうして、どんどん非正規に始まった解雇は正規にまで行き、男女差別なんかどこかへ飛んでしまいそうです。

 

2月7日・8日の2日間、大阪の民主法律協会主催の「権利討論集会」に参加してきました。二日目のパネルディスカッションで、私が今取り組んでいる≪職務評価≫について、パネラーに質問しました。しかし、職務評価に否定的な回答が返ってきました。でもその真意を尋ねる時間もないままに、後味悪く帰ってきました。

 

211日に「年越し派遣村村長湯浅誠さん」が大津で講演されたので、これは友人たちと行って来ました。

題は『派遣村から見た日本社会』でした。

この二つから、今日のブログは始めます。

 

まず後味悪かった「職務評価」についてですが、私の発言の主旨は、「女性卒業生の76%が非正規か非正規予備軍である。彼女たちは、正規労働者と同じくらい仕事をしているにも関わらず正規と非正規の賃金差は大きい。労働組合は職務評価に取り組んで、この賃金差をなくすように取り組んでもらいたい。」というものです。

 

湯浅さんの話しは、年越し派遣村に来た人たちの現状、彼ら・彼女らが、一旦職を失ったら最後、一気にどん底(野宿者になってしまう)にまで落ちてしまう日本の制度の問題点に言及されました。湯浅さんはこのような社会を「すべり台社会」と表現しておられます。私が興味深く聞いたのは、賃金差の統計資料についてでした。

新聞でも、<正規><非正規>の賃金を、折れ線グラフで示した図が載っていますよね。

 

この図だけを見て、「差が問題というのなら、この差の中間に賃金を持っていったらどうか」と経営者は言う。しかし、正規の賃金は下がり、非正規の賃金が上がっても、これでは正規・非正規ともに生きていけない。賃金の統計とともに消費支出の統計を並べて掲載しないと、経営者側の言う「落とし穴」にはまってしまうと、湯浅さんは言います。これは、冒頭に書いたパネラーの職務評価に懐疑的であったことと繋がると思いました。そういう点では、私のパネラーに対する質問は言葉足らずだったと、湯浅さんの話を聞いて思いました。

 

では収入と支出の面で、他の先進国とどこが違っているのか次に見て行きましょう。

次の資料は、権利討論集会で基調報告をされた都留文科大学後藤教授の配布資料から引用しました。基調報告の題は『福祉国家構築と労働運動の課題』でした。

 

まず日本の貧困率ですが、だいたい勤労所帯で19.0%、全所帯で22.3%が貧困世帯率だそうです。数字にだいたいはヘンですが、先進国の中で、日本だけが≪貧困率≫を公表というか、統計をとっていないのです。この数字は後藤教授が統計上のさまざまな要素を加味して出された数字です。なぜ日本政府が貧困率統計を取ってこなかったのかと言えば、貧困はある条件下の人たちのものであると考えていたからです。それは、母子家庭とか、高齢者とか、障害者とかの、それらの人たちの属性が特別であるからであって、勤労所帯が貧困であるわけがないという理由からでした(でも、1960年代には当時の労働省は勤労所帯の貧困層を認めていたそうですが…)。小泉元首相も「貧困所帯は年金世帯である」と言っていたと後藤教授は指摘しています。

 

どこの国にも、貧困な人たちはいます。ではそういう貧困層に対して、政府がいかなる対策を取っているのかで、貧困層の救われ方が変わってきます。

 

日本は≪税と社会保障によって貧困率が下がっているかの効果≫の統計によると、削減率が最も少ない国です。あの≪自己責任≫のアメリカよりも、です。数字を調べてみたい人は、『OECD諸国における収入格差と貧困』で検索してみてください。

 

家族・失業・雇用対策等・住宅・その他≫+≪高齢者・遺族・医療・障害者≫の公的支出が、GNPに占める割合は2003年の統計で、日本1.615.8、アメリカ1.814.3、カナダ5.112.2、イギリス5.3+15.3、ドイツ5.521.7、フランス7.1+21.6、スェーデン7.323.9です。対GNP比だから、GNPが低くて公的な支出が高ければ、この%の数字は高くなります。でもここに挙げた国々は、日本からでもだいたい想像できる国々ですよね。気が付いたことは、日本の公的支出の少なさです。日本の医療費・障害者への支出はそんなに高くないと言われていますから、全体的に少ない中での高齢者への割合が高いということになります。

 

ではこの日本の公的支出の何か問題なのでしょうか?

それは≪貧困は連鎖する≫ということです。

 

今朝の朝日新聞によると、『私立高校生に不況の余波』として、2.7%が学費を滞納して、これは9ヶ月前の3倍と出ています。

 

私が教師をしていたとき、授業料を滞納している生徒もいました。その授業料を、事務室か担任か、誰が督促するのかで問題になったことがあります。このときは事務室の仕事になりましたが、多くの学校は多分担任の仕事です。

督促される生徒も、督促する先生もとても辛いことです。

もし「授業料が高校・大学まで無料だったら」と考えたことはありませんか?

どんな効果が生まれるでしょうか?ちょっと想像してみてください。

 

≪職務評価≫に否定的なパネラーも、湯浅さんに言うところの≪支出≫に目を向けるべきだとの意見だったのかもしれませんね。

湯浅さんの「すべり台社会」の意味が少し理解できましたか?本当に日本はセイフティ・ネットのない国なんです。

 

次回≪貧困は連鎖する≫から始めます。本当に連鎖するのでしょうか?

では今日はここまで。

 

ご無沙汰の言い訳はパスします。早や冬眠に入ったのではなく、結構いろんな所へ出かけて情報は仕入れていたのですが、どの問題も難しく、ブログに反映できなかったのです。(言い訳だらけやん!)

 

ハラスメントの連続講座が終了しました。

今回は前々回に引き続き、ハラスメントについてです。

テーマは「日本にもハラスメント規正法を!ヨーロッパの先進的取り組みに学ぶ〜」

講師は弁護士の大橋さゆりさんでした。大橋さんは、地方公務員だったこともあるので、お茶くみの経験もあり、「なんで女性が」と疑問を持ちつつ、でも拒否するまでには至らず弁護士に転身するために退職されたそうです。

 

講座の中身に戻りますが、「ヨーロッパの先進的取り組み」は余り語られませんでした。講師自身もヨーロッパに調査に行かれての報告ではなく、本からの知識だそうです。

セクシュアルハラスメントを除くパワーハラスメントは、日本ではまだ一般的な言葉ではありません。

そもそも「ハラスメント」を規制する法律が日本にはありません。

だから、今は社会学的な定義で「ハラスメント」を定義しているだけなのだそうです。

で、その社会学的な定義とは以下の5点です。

職権などのパワーを背景にして

本来の業務の範疇を超えて

継続的に

人格と尊厳を傷つける言動を伴い

就労者の働く環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与えること

 

定義がないから、「何がハラスメントなのか」が、加害者にも被害者にも分からない。だから加害者は「悪いこと」とは思わず、また被害者は「自分が悪い」と悩む。

 

裁判になっても、ハラスメントを認定する裁判所自体に基準がないから、裁判官が「これはひどい」と思えばそれはハラスメントになり、ハラスメントに鈍い裁判官なら、かえって訴訟を起こすリスクが大きくなる。裁判官の感性次第ということになる。

 

裁判例は、「いじめによる自殺」をした遺族が裁判をする例が多い。その中でも、いじめで精神的に追い詰められた被害者が、「労災不認定」であったことの事例が多い。

 

≪ここでちょっと「労災保険請求の基礎知識」≫

いじめから心身ともに変調を来たした場合、まず労災認定の手続きをしましょう。

 

会社のある労働基準監督署長宛に、労災の申請をします。

不認定なら、60日以内に都道府県にある労働局長宛に審査請求をします。

却下か3ヶ月経過して何も通知が来ない場合、厚労省労働保険審査会宛に再審査請求をします。この請求には何年必要か分からない位の期間がかかるそうです。

<労働保険審査会>で検索すると出てきます。

 

労災と認定されれば、労災保険から「医療費」と「賃金の60%+休業特別支給金20%」が支給されます。

 

職場の機械でケガをした場合は容易に労災認定されます。しかし、『過労死』や『うつ病』など「心因性の病気」の場合は、「もともと持病があったのではとか、家庭の事情など仕事を離れた部分での負荷が大きく影響しているのから、必ずしも仕事に起因するとはいえない」などと判断されて、労災適用が見送られる例が多いことです。

 

このように精神疾患については労災認定基準のハードルが高いので、労災が認定されず、訴訟になった例から、最近認定基準の見直しの通達(厚労省労働基準局労災補償部補償課長「上司の『いじめ』による精神障害等の業務上外の認定について」が出ました。

 

 

<B(加害者で上司)はA(被害者で部下)に対してのみ、「目障りだから、そんなちゃらちゃらした物は着けるな。指輪は外せ」等の発言で、結婚指輪を外すように命じた。>

 

このケースで初めて、「上司のいじめによる精神的障害は心理的負荷が大きい」と判断されました。精神的障害が業務に起因するものかどうかの判断は「職場における心理的負荷評価表」でチェックしていきますが、沢山のチェック項目の一つに「対人関係のトラブル」があります。具体的には、

セクシュアルハラスメントを受けた=レベル

上司とのトラブルがあった=

同僚とのトラブルがあった=

部下とのトラブルがあった=

4項目です。この上司とのトラブルは「供廚ら「掘廚暴だ飢椎修犯獣任気譴泙靴拭

その理由として、<これは何ら合理的理由のない単なる厳しい指導の範疇を超えた、Aの人格、人間性を否定するような言動と評価されるものであり、相当程度の心理的負荷を生じさたと評価できる。>なんだそうです。

 

(法律用語ってヘンなの!結果的に悪い判断だったら、評価とは言わないと思うのだけれど。)

 

(最近では派遣労働者の「労災かくし」が問題になっています。職場でケガをしたのに、派遣元が派遣先に「仕事をもらえなくなるのではないか」と考えて、労災申請をしない。実際、職場でなんら手当てをしてもらえなかったというケースも報告されています。「労災かくし」は違法です。)

 

ただ裁判をするとなるとタイヘン。

 

訴えた相手(被告)が何も言ってこなければ、また原告の言い分を被告が否認しなければ判決は勝訴になるが、最初から原告の言い分を認める会社なり、上司はまずいないでしょう

 

そうなると必要なのが「証拠」。

ハラスメントの証拠に使えるもの、録音データー(ハラスメントを受けていると思ったら、ポケットにレコーダーを入れておいて、勤務中常にONにしておく。)書面、メール

 

証言も証拠の一つだけれど、例え原告が、上司から罵倒されていることを同僚が見ていても、その目撃証言の証拠価値は少ないそうです。退職して会社と利害関係がなくなれば期待できるが、雇用関係がある場合、まず証言はしてくれないと考えた方がいい。

 

ちなみに弁護士費用は30万円以上とのことです。

(裁判費用など、<法テラス>の制度を利用することができます。

法テラス滋賀は、電話   0503383−5454    (平日 9:00〜17:00、土日及び祝日は休み)

 住所   520-0047 大津市浜大津1−2−22 大津商中日生ビル5F

京阪電車京阪石山坂本線「浜大津」駅前)

 

(裁判は費用も時間もかかるし、冒頭に書いたように、裁判官の当たり外れがあるし、タイヘンそうです。このブログに度々登場する住友裁判、兼松裁判等は長期にわたる裁判です。こうして長期にさせることで、裁判を起こさせないようにしているのかと勘ぐりたくなります。)

 

短時間を求めるのなら、<労働審判制度>があります。このメリットは「3回で解決する」です。

申し立て→第一回(言い分を尽くす。裁判だとこれだけで3〜4回、2ヶ月くらいかかる。)→第二回(審問をし調停まで。会社側と原告がそれぞれ案を考える。)→第三回(調停成立または審判。調停案に納得できない場合は審判になる。納得できない方が異議を出して、裁判に移行することができる。こうなると長期化する。)

 

調停案で和解した場合、「職場復帰」は難しく、「金銭解決」になることが多い。もし職場復帰の判決が欲しければ最初から裁判をするべきである。

 

大体このような内容でした。次回は、「労働者派遣法」の政府案と野党案(民主党を除く。なんでだぁ?)についてです。

今日はここまで

梅雨らしい毎日が続きます。夏椿の花も散ってしまいました。茶色になって落ちている花を、ひたすら箒で掃くことが、夏椿との今年の付き合いでした。

 

前回に続き、京都労働局交渉の続きです。

 

≪パート労働法について≫

白熱の交渉が続きました。回答する側は労働局均等室の女性。役職は分かりませんが、多分責任ある地位の方。他のメンバーに比べたら断然若い(若く見える?)

 

私も職場での団体交渉に何度も参加しているので、回答する側の立場もなかなかしんどいだろうと同情することもあるのですが、お互い異なる立場にある以上は、そんな思いを捨ててぶつからなければなりません。こういう場合、いろんな対応の仕方があるのですが、彼女は、多分熱くなるいタイプの人。質問者の怒りと同じ程度のエネルギーで回答してくるので、結局口角泡を飛ばすという感じになりました。ある意味、交渉慣れしていない、正直な人という感想を持ちました。交渉が終って自席に戻ったときに、同僚から「もっと冷静に」と言われたのではないでしょうか。余談ですけど…。では本題・本題っと。

 

ユニオン側の質問次項は3つですが、その前に、改正パート労働法第9条を見てください。

第9条≪賃金≫

事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用するパートタイム労働者(通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案し、その賃金(基本給、賞与、役付手当)を決定するように努めるものとする。

2事業主は、前項の規定にかかわらず、職務内容同一短時間労働者(通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く)であって、当該事業所おける慣行その他の事情からみて、当該事業主に雇用される期間のうちの少なくとも一定の期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるのもについては、当該変更が行われる期間においては、通常の労働者と同一の方法により賃金を決定するように努めるものとする。

 

ひゃー、相変わらずの古文書を読んでいるような文言です。これでも抽象的な語句の一部を補足しました。

以下第10条≪教育訓練≫、第11条≪福利厚生施設≫と同じ様な内容の文言が続きます。

 

この第9条に関する質問の一つ目。

パート労働法の質問事項を出したのは、均等待遇アクション21京都です。以下[均等京都]とします。

パート労働法に基く一律時給募集の改善指導について明らかにすること。

 

[均等京都]はユニークな資料を示して迫りました。それは、新聞の求人の折り込み広告を丹念に調べたものです。

以下、折り込み広告の求人から2つの例を紹介します。

 

例1病院でのパート看護師募集:

ヾ埜郢娵邉33万円以上、パートでも可・時給2,000円。

介護職員(ケアスタッフ)月給20.3万円以上、パートでも可・時給850

(´△箸癸蓋鯊絅轡侫叛)

この求人内容で第9条を見てみると、まず、賃金は職務によるものではなく、準看とか正看とかの資格による時給表示です。

 

例2コピー・印刷業(最近、駅近くで安価でスピーディにコピーや名刺とかラミネートとかちらしとかを印刷するとかをする店)

     店頭接客正社員給与182,000円〜・勤務時間は9:0018:00休日は日・祝・隔週土曜、パート・アルバイト時給820円・勤務時間は9:0016:00・休日は土・日・祝。

同じ店頭接客の仕事に、正社員とパートの募集が同時に載っています。このパートの賃金は時給すると正社員は1140円、パートは820円となっています。

 

第9条をよ〜く読めば、これら例の求人広告には全くその賃金の根拠が明示されていません。だから[均等京都]は「4月から施行されたパート労働法下で、こんな旧来のままの求人でいいのですか。均等室は、これらの広告をチェックしたことがあるのですか」と迫ったのです。

 

労働局の回答は、広告のチェックはしていない。第9条1項は事業主の努力義務であるというものでした。この質問に対しては明解な回答はありませんでした。

 

次の質問事項は

・正社員のいない職場などでの「均等(均衡)処遇」をするために比較できる対象は誰のことか。

[均等京都]は次のように言います。上記第9条に「通常の労働者」という文言が出てきますが、これは正社員のことですか?でも正社員とは全く書いていませんね。正社員とはどういう人のことですか?

 

労働局均等室は、勿論「正社員」と答えます。

 

以前のブログにも書きましたように、銀行では正行員とそうでない行員、即ちパートとの仕事の区別はもはやできないところまで来ています。正行員のしていた仕事を派遣なり、パートなりがするようになってきているのですから。

 

正社員でしかできない仕事があるとすれば、それはごく一部のトップ層に属する正社員が担っている仕事だけである。このトップ層にある正社員が「通常の労働者」なら、パート労働者は永久に≪通常の労働者との均衡処遇≫は得られない。また同じ職務をする正社員のいない職場もある。こういう場合は一体誰との≪均衡処遇≫を比較すればいいのか。

 

労働局均等室の回答

比較すべき正社員がいない場合はフルタイムパートと比較してください。これもその職場にいない場合は、同じ会社の他の職場のフルタイムパートと比較してください。

 

改正パート労働法には、第9条からも分かるように、「通常の労働者」という文言は出てきますが、「正社員」とはどこにも書いていません。この解釈をめぐって、冒頭で書いた労働局均等室の女性と大分激しい遣り取りが続きました。彼女は、親分である厚労省のマニュアルに「通常の労働者とは」があるので、それを均等京都の事務所に送ると言いました。すぐにこの約束は実行されたと聞いていますが、私はまだ見せてもらっていませんので、これに関しては分かり次第紹介します。

 

正社員登用制度をどのように指導しているか。

これは、名古屋銀行の団体交渉で何度も述べていますので、詳しい説明はしませんが、「何のこと?」という方は以前のブログを読んでください。

 

労働局の回答

・正社員化の条件が整えられていない場合、合理的な理由がなく正社員の募集をしていない場合は、指導・助言している。

 

さらに[均等京都]は続けます。

・同じような職務の内容の仕事をしている正社員と比べて、労働局の指導により10円、いいえ1円でも時給が上がればそれで法律が適用されたと解釈できるのか。

 

結果的に言えば、それでよしということです。ここまであからさまに労働局側は言いませんでしたが、そう解釈できるほど、労働局側には権限がないようでした。なんせ事業主の「努力義務」だもんね。

 

では今日はここまで

次回は≪労働者派遣法≫に関するこの続きです。

夏椿(沙羅の木)の花が咲きました。この花は、咲くとその日の内に散ってしまいます。梅雨時に咲くので、茶に変色した花が地面に貼り付くのを見るばかりで、今までしみじみ鑑賞する機会がありませんでした。気持ちにゆとりがなかったせいかもしれません。ここ何日か晴れ間が続いていますので、ゆっくりと眺めています。

 

昨年に引き続き京都労働局交渉に参加しました。

誘ってくれる人があって野次馬で行きましたが、このブログのネタ探しが主たる目的です。

交渉したのは、ユニオンネットワーク・京都です。滋賀県での労働局交渉の情報がありましたら、どなたか教えてください。

 

主な交渉内容は、何点かありましたが、労働局の回答の姿勢は、「労働者に関する法が適切に適応されているかを仕事としているので、法律が労働者の側に立っているかどうかを判断することころではない」というものです。どの基盤に立っているかのスタートラインがそもそも違うので、交渉は噛みあわない箇所が多々ありました。

 

では一つ目です。

労基法上の「管理監督者」についての周知が全く不徹底であり、少なくない企業で課長以上は残業代をつけないなどということがまかり通っている。いわゆる「名ばかり管理職」に関する指導についてどのように行っているのか。

 

まず労基法を見てください。

労基法第41条第2

(労働時間等に関する規定の適用除外)

41条 この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

1.別表第1第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者

2.事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者

3.監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

 

ここで問題としているのは、2項です。

「管理若しくは管理の地位にある者」とはいかなる者のことでしょうか。以下の人たちは管理職とされています。これらは判例から導きだされたものです。

職務の内容や職務遂行上、使用者と一体的な地位にあると言えるほどの権限を有し、これに伴う責任を負担していること。

出退勤についての裁量がある(拘束が弱い)こと。すなわち、法的な労働時間規制をせずとも、労働者保護に欠けることがない(自己の必要に応じて自ら労働時間を調整しうる)だけの自己決定権を有し、現実にこれを行使できること。

基本給、役付手当、ボーナスの額などにおいて、一般労働者と比べて優遇されるなど、その責任と権限にふさわしい待遇を受けていること。

 

労働局の回答は以下の通りです。

定期監督で企業に入るが、指導は難しい。労働局としては、各企業における管理職に該当する人は、もっともっと少ないと考えているので、従来にもまして指導強化していく。内部告発してもらえば労働局は動き易くなる。

 

(このブログにも度々登場する住友裁判の原告の1人は、和解に基づき「課長待遇」になりました。これにより管理職手当てが付きましたが、管理職手当額の方が残業手当より少ないそうで、実質的に手取り額は少なくなったそうです。労働時間は同じか、長くなったそうです。)

 

2番目の交渉 

就業規則、時間外労働など労使関係の重要な局面で労働者代表の役割が重要になってきているが、労働者代表の選出が極めてずさんである。選出方法、投票方法など民主的な手続きの確保にむけどのような指導が行われているのか。

 

≪労使協定≫

労使協定とは、「事業場に労働者の過半数を組織する労働組合があるときはその労働組合、過半数を組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者と使用者のとの書面による協定をいいます。例えば、方て労働時間を越えて労働(残業)させるには、使用者は労働者の過半数を組織する労働組合、または過半数を代表する者との間で労基法361項に定める時間外労働に関する労使協定(いわゆる36協定)を結ばなければならない。この36協定などを労使協定といいます。労基法上、他に労使協定を結ばなければならないのは

・1ヶ月変形労働時間制(32条の2)

・フレックスタイム制(32条の3)

・1年変形労働時間制(32条の4)

・一斉休憩の適用除外(342)

・事業場外労働のみなし労働時間(38条の2第2)

・専門職の裁量みなし時間(38条3)

・計画年休(39条5項)

 ・年休手当額(標準報酬日額相当額)(396)

・社内貯金(182)

・賃金控除(241)

・育児・介護休業の対象から除外する労働者を定める労使協定(育児介護休業法6条1項但書、同122)

 

上記の中で、労基署に届け出て初めて効力が発生するのは36協定だけです(ということは、届けていない場合は無効ということ。労基法と入力すれば、労基法が出てくるから、詳しいことは各自で調べてね。)

 

 

労働局は例をあげて回答しました。

あるファミリーレストランは、正社員3人、パート10人。就業規則を正社員3人で決めていることが分かったので、指導に入った。

500人の企業で、労働者代表選出に200人しか参加していなくて、300人が欠席していても、選出会議が無効であるとは言及できない。廊下に張り紙で公示してあれば、たとえ300人が参加していなくても選出の効力は発生する。

 

これに対してユニオン側は

パートの労働条件を正社員だけで決めてしまう例や、労働組合がない事業場において、使用者側に立つ人が労働者代表になってしまうケースが多いことを述べ、また労働者側の代表とはいかなる人のことをいうのかを問いました。さらに労働局が明確に指示を出す必要があること、公示すれば参加者が少なくても、その過半数があれば労使協定が結べるとするのは、法律をどう読んでもそういう解釈はできないこと、投票は正規、非正規を問わずその事業場で働く労働者に、1人1票無記名投票を保障するべきであることを主張しました。

 

まだまだ交渉は続きます。次回は≪パート労働法≫≪労働者派遣法≫についてです。次回も是非アクセスしてください。すぐに更新するつもりです。

では今日はここまで。

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